JP2899369B2 - 収縮性ポリアミドフィルムおよびその製造法 - Google Patents

収縮性ポリアミドフィルムおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,収縮性ポリアミドフィルムとその製造法に
関する。本発明の収縮性ポリアミドフィルムは強力にす
ぐれ,適正な収縮率と収縮応力とを有し,バランスのと
れた収縮特性を備えているために食品包装をはじめとす
る様々な包装分野に使用されるものである。
(従来の技術) 従来,収縮性プラスチックフィルムとしてはポリ塩化
ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリオレフィンなどおよ
びこれらの共重合体よりなるフィルムがあり,ハムやソ
ーセージなどの食品あるいはその他の種々の包装に用い
られている。しかしこれらのフィルムはたとえば強力が
不足してピンホールや破裂などが生じるという問題点が
あった。
一方,ポリアミド系の収縮性フィルムとしてはナイロ
ン6やナイロン66,ナイロン6とナイロン66とのブレン
ド物あるいはナイロン6とナイロン66との共重合体,あ
るいはメタキシリレンジアミンと脂肪族カルボン酸とか
ら得られるポリアミドなどが存在する。これらのポリア
ミド系の収縮性フィルムは強力的には非常にすぐれてい
るものの,あるものは結晶性が高いため熱収縮率が小さ
く,フィルムの収縮時にそれが内容物に十分密着しない
ことがある。またあるものはヤング率が高く熱収縮応力
が大き過ぎるため,内容物が変形したりする場合があっ
た。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように,従来の収縮性プラスチックフィルム
にはそれぞれ固有の問題点が存在しておりその性能は一
長一短であり,満足のいくものではなかった。かかる事
情に鑑み,本発明は強力にすぐれ,適正な収縮率と収縮
応力とを有し,バランスのとれた収縮特性を備えたポリ
アミド系フィルムを得るという課題を解決すべく為され
たものである。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明の要旨は次の通りである。
(1)結晶性の脂肪族ポリアミド(A)と、一般式
〔I〕で示される脂環式ジアミンとテレフタル酸および
/またはイソフタル酸とその他の共重合成分とからな
り、ガラス転移温度が100℃以上である非晶性ポリアミ
ド(B)とからなる樹脂組成物において、その結晶化の
過冷却度と結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のそれとが
下式〔II〕を満足する樹脂組成物を延伸してなる収縮性
ポリアミドフィルム。
1.2×ΔTa≦ΔT≦3.0×ΔTa 〔II〕 (ただし、式〔I〕において、R1,R2,R3,R4,R5は同じで
あっても異なっていてもよく、それぞれ水素または炭素
数1〜3のアルキル基を示す。
また、式〔II〕において、ΔTは樹脂組成物の過冷却
度を、ΔTaは結晶性の脂肪族ポリアミドのそれを示
す。) (2)結晶性の脂肪族ポリアミド(A)と、一般式
〔I〕で示される脂環式ジアミンとテレフタル酸および
/またはイソフタル酸とその他の共重合成分とからな
り、ガラス転移温度が100℃以上である非晶性ポリアミ
ド(B)とからなる樹脂組成物において、その結晶化の
過冷却度と結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のそれとが
式〔II〕を満足する樹脂組成物よりなるフィルムを、結
晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転移温度からそ
れより100℃高い温度の範囲でMD、TD共に2.5倍以上に2
軸延伸し、結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転
移温度よりも40から150℃高い温度で応力緩和すること
を特徴とする上記(1)記載の収縮性ポリアミドフィル
ムの製造法。
本発明でいう結晶性ポリアミドとは示差熱分析計を用
いて20℃/分の昇温速度で測定したとき,1cal/g以上の
結晶融解熱を示すポリアミドをいう。逆に非晶性ポリア
ミドとは示差熱分析計を用いて20℃/分の昇温速度で測
定したとき,1cal/g以上の結晶融解熱を示さないポリア
ミドをいう。
本発明でいう過冷却度(ΔT)は結晶の融解温度(T
m)と,降温速度20℃/分で冷却したときの降温結晶化
温度(Tcc)との差(Tm−Tcc)で定義される。ガラス転
位温度は示差熱分析計を用いて測定することができる
し,あるいは粘弾性の測定からこれを求めることもでき
る。本発明でいうMDおよびTDはフィルム面内において任
意に取った直交する2つの座標軸を示す。
本発明で用いられる結晶性の脂肪族ポリアミド(A)
とは脂肪族ラクタム類の開環重合によって得られるポリ
アミド,脂肪族アミノ酸の縮合によって得られるポリア
ミドならびに脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との
縮合によって得られるポリアミドを含む。
かかる結晶性の脂肪族ポリアミド(A)の具体例とし
てはε−カプロラクタム,ω−ラウリルラクタム,2−ピ
ロリドンなどのラクタム類の開環重合によって得られる
ポリアミド,6−アミノカプロン酸,11−アミノウンデカ
ン酸,12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から導かれ
るポリアミド,エチレンジアミン,テトラメチレンジア
ミン,ヘキサメチレンジアミン,ウンデカメチレンジア
ミン,ドデカメチレンジアミン,2,2,4/2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン,5−メチルノナメチレンジア
ミンなどの脂肪族ジアミンと,アジピン酸,スベリン
酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカン酸などの脂肪
族ジカルボン酸などとから導かれるポリアミド,および
これらの共重合ポリアミド,混合ポリアミドがある。
本発明で用いられる結晶性の脂肪族ポリアミド(A)
の分子量については特に制限はなくフィルム形成能があ
れば足りる。
本発明で用いられる非晶性ポリアミド(B)とは一般
式〔I〕で示される脂環式ジアミンとテレフタル酸およ
び/またはイソフタル酸とその他の共重合成分とからな
り,ガラス転位温度が100℃以上のものである。
〔ただし,式〔I〕においてR1,R2,R3,R4,R5は同じであ
っても異なっていてもよく,それぞれ水素または炭素数
1〜3のアルキル基を示す。〕 一般式〔I〕で示される脂環式ジアミンの具体例とし
ては,ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン,ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン,ビス(4−ア
ミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン,ビス(4−
アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン,ビス
(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタ
ン,ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシ
ル)プロパン,ビス(4−アミノ−3−メチル−5−エ
チルシクロヘキシル)メタン,ビス(4−アミノ−3−
メチル−5−エチルシクロヘキシル)プロパン,ビス
(4−アミノ−3,5−ジエチルシクロヘキシル)メタ
ン,ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルシクロヘキシ
ル)プロパン,ビス(4−アミノ−3−メチル−5−イ
ソプロピルシクロヘキシル)メタン,ビス(4−アミノ
−3−メチル−5−イソプロピルシクロヘキシル)プロ
パン,ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルシクロ
ヘキシル)メタン,ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプ
ロピルシクロヘキシル)プロパン,ビス(4−アミノ−
3−エチルシクロヘキシル)メタン,ビス(4−アミノ
−3−エチルシクロヘキシル)プロパン,ビス(4−ア
ミノ−3−イソプロピルシクロヘキシル)メタン,ビス
(4−アミノ−3−イソプロピルシクロヘキシル)プロ
パンなどがあげられる。
また本発明の非晶性ポリアミド(B)を構成するその
他の共重合成分としては,ε−カプロラクタム,ω−ラ
ウリルラクタム,2−ピロリドンなどのラクタム類,6−ア
ミノカプロン酸,11−アミノウンデカン酸,12−アミノド
デカン酸などのアミノ酸,エチレンジアミン,テトラメ
チレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ウンデカメ
チレンジアミン,ドデカメチレンジアミン,2,2,4/2,4,4
−トリメチルヘキサメチレンジアミン,5−メチルノナメ
チレンジアミン,メタキシレンジアミン,パラキシレン
ジアミン,1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン,
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン,1−アミノ
−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン,ビス(アミノプロピル)ピペラジン,ビス(アミノ
エチル)ピペラジン,ビスアミノメチルノルボルネンな
どの脂肪族,脂環族,芳香族ジアミンとアジピン酸,ス
ベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカン酸など
の脂肪族ジカルボン酸やナフタレンジカルボン酸などの
テレフタル酸やイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
がある。
本発明において用いられる結晶性の脂肪族ポリアミド
や非晶性ポリアミド(B)は公知の方法によって製造さ
れる。例えば特開昭62−121726号公報では,テレフタル
酸とイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとビス(4
−アミノ−3,5−ジエチルシクロヘキシル)メタンとの
4成分よりなる非晶性ポリアミドの製造方法が開示され
ている。
すなわち,ジアミン成分とジカルボン酸成分とを最初
水中で反応させ,ナイロン塩を生成し次いでこれを濃縮
しつつ重縮合を行う。塩溶液は好ましくは最初密閉した
オートクレーブ中で200℃〜350℃の範囲で反応圧力下で
前縮合させ,次いで圧力を放出し,重縮合を平衡に達す
るまで大気圧下又は減圧下に反応を行なう。例えばこう
して非晶性ポリアミドを得ることができる。
良好な物性を得るためには,非晶性ポリアミドの相対
粘度(非晶性ポリアミドの1重量%m−クレゾール溶液
を用いて20℃で測定)は1.2〜3.0の範囲にあることが望
ましい。非晶性ポリアミドの相対粘度を調製するために
公知の単官能性のアミンまたはカルボン酸を重合時に添
加することも可能である。
本発明で用いられる結晶性の脂肪族ポリアミド(A)
と特定の非晶性ポリアミド(B)からなる樹脂組成物は
式〔II〕を満足する過冷却度を有することが必要であ
る。
1.2xΔTa≦ΔT≦3.0xΔTa 〔II〕 ただし,式〔II〕において,ΔTは樹脂組成物の過冷
却度を,ΔTaは結晶性の脂肪族ポリアミドのそれを示
す。ここで過冷却度(ΔT)はさきに定義したように結
晶の融解温度(Tm)と降温結晶化温度(Tcc)との差(T
m−Tcc)で表わされ,結晶性の目安となるものである。
この値が大きいほど結晶化速度が遅く,結晶化度も低く
なる。
結晶性の脂肪族ポリアミド(A)と特定の非晶性ポリ
アミド(B)からなる樹脂組成物の製造法は任意であ
る。たとえば本発明で用いる樹脂組成物の各成分をバン
バリーミキサー,タンブラーミキサーあるいはその他の
方法により混合し,これを直接Tダイを備えた押出機に
より溶融押出ししてフィルムとしてもよい。また各成分
をバンバリーミキサー,タンブラーミキサーあるいはそ
の他の方法により混合し,これを押出機などで溶融混練
し切断して一旦ペレットとする。ついで得られた樹脂組
成物をTダイを備えた押出機により溶融押出ししてフィ
ルムとしてもよい。
本発明においてかかる樹脂組成物よりなるフィルムは
結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転位温度から
それより100℃高い温度の範囲でMD,TD共に2.5倍以上に
2軸延伸される。ついでこの2軸延伸されたフィルム
は,結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転位温度
よりも40から150℃高い温度で応力緩和される。かかる
製造法により強力にすぐれ,適正な収縮率と収縮応力と
を有し,バランスのとれた収縮特性を備えたポリアミド
系フィルムを得ることができる。
本発明者等は検討の過程で,従来の結晶性の脂肪族ポ
リアミドからなる収縮性フィルムの様々な問題点の原因
はそれらが適正な収縮率と収縮応力とを兼ね備えていな
いためであることを知った。さらに鋭意研究を重ねた結
果,フィルムを構成する結晶性の脂肪族ポリアミドの結
晶化の過冷却度が特定の範囲にある場合に,それを延伸
してなるフィルムは適正な収縮率と収縮応力とを兼ね備
えることができることを見いだした。そしてフィルムを
構成する結晶性の脂肪族ポリアミドの結晶化の過冷却度
はそれに特定の非晶性ポリアミドを存在せしめることに
より効果的に調整することができることが分かった。
すなわちその過冷却度が特定の範囲内にあるところ
の,結晶性の脂肪族ポリアミド(A)と特定の非晶性ポ
リアミドとからなる樹脂組成物のフィルムを延伸するこ
とにより,強力にすぐれ適正な収縮率と収縮応力とを有
し,バランスのとれた収縮特性を備えた収縮性ポリアミ
ドフィルムが得られるのである。
本発明で用いられる結晶性の脂肪族ポリアミド(A)
と特定の非晶性ポリアミド(B)からなる樹脂組成物の
過冷却度は存在せしめる非晶性ポリアミドのガラス転位
温度とその重量%とで調整することができる。しかし非
晶性ポリアミドのガラス転位温度が100℃未満の場合に
は,事実上樹脂組成物の過冷却度を調整することが不可
能であり好ましくない。100℃以上のガラス転位温度を
有する非晶性ポリアミドが本発明では用いられ,特に好
ましくは120℃以上のガラス転位温度を有するものであ
る。樹脂組成物中に存在せしめる非晶性ポリアミドの重
量%が増大するほど,樹脂組成物の過冷却度ΔTの値は
結晶性の脂肪族ポリアミドのそれに比べて大きくなる。
すなわち結晶性は低下してゆく。しかし非晶性ポリアミ
ドの重量%が増大し過ぎると,結晶性が低下し,ついに
は全く結晶性を示さなくなり,収縮性フィルムとしては
好ましくない。すなわち延伸後の熱セット効果がなく,
フィルムを巻き取った後放置するだけで収縮したり,巻
きじまりなどが発生し,ブロッキング,たるみなどのト
ラブルの原因となる。従って樹脂組成物中における非晶
性ポリアミドの存在量は,樹脂組成物の過冷却度が式
〔II〕を満足する範囲にあることが必要である。
ポリアミドフィルムが適正な収縮率と収縮応力とを兼
ね備えるためには,さらに適正な延伸条件と熱セット条
件とが必要である。すなわち,樹脂組成物よりなるフィ
ルムを結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転位温
度からそれより100℃高い温度の範囲でMD,TD共に2.5倍
以上に2軸延伸し,結晶性の脂肪族ポリアミド(A)の
ガラス転位温度よりも40から150℃高い温度で熱セッ
ト,すなわち応力緩和することによって所定の特性を有
する収縮性ポリアミドフィルムが得られる。
延伸倍率がMD,TDともに2.5倍未満の場合には満足な収
縮率と収縮応力が得られない。満足な収縮率の目安とし
ては80℃の熱水で30分処理したときの値で20%以上とさ
れている。また満足な収縮応力としては同じ温度で200
−800Kg/cm2が目安とされている。
2軸延伸の温度が結晶性の脂肪族ポリアミドのガラス
転位温度よりも低いと均一な延伸ができなかったり,延
伸切れといったトラブルが発生し易いので好ましくな
い。逆に結晶性の脂肪族ポリアミドのガラス転位温度よ
り100℃を越える高い温度で延伸する場合には,ドロー
イングが発生し延伸効果が現われにくい。従って強度が
低く,収縮率および収縮応力の小さいフィルムしか得ら
れないことが多い。
本発明の収縮性ポリアミドフィイルムのガスバリヤー
性は結晶性の脂肪族ポリアミド(A)単独よりなる収縮
性フィルムのそれに比べて向上する。例えばナイロン6
単独よりなる収縮性フィルムのモコン法による酸素ガス
透過度は30cc/m2.24hr.1atm程度であるのに対して,ナ
イロン6を70重量%と非晶性ポリアミドを30重量%とを
含む樹脂組成物(この樹脂組成物の結晶化の過冷却度は
ナイロン6単独の場合のそれの1.6倍である)を延伸し
てなる本発明の収縮性フィルムのモコン法による酸素ガ
ス透過度は20cc/m2.24hr.1atmである。ここでモコン法
とはモダンコントロール社製OX−Tran100型酸素透過度
測定装置を使用し,測定雰囲気20℃,100%RHで測定する
ことをいう。
本発明の収縮性ポリアミドフィルムのガスバリヤー性
をさらに改良するために,ガスバリヤー性にすぐれる他
のポリマーを本発明のフィルムの少なくとも片面に存在
せしめてもよい。たとえばラテックス状にした,ガスバ
リヤー性にすぐれる他のポリマーを本発明のフィルムに
塗布後乾燥して溶媒成分を除くか,ガスバリヤー性にす
ぐれる他のポリマーをラミネートする方法が用いられ
る。かかるガスバリヤー性にすぐれる他のポリマーとし
てはポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリアクリ
ロニトリル,ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物などがあ
る。
また本発明の収縮性ポリアミドフィルムそのものは単
体ではシールできないため,それを可能にするためにシ
ーラントとして他のポリマーをラミネートしてもよい。
このようなシーラントとして用いる他のポリマーとして
はポリエチレン,特に低密度ポリエチレンが代表的であ
る。
本発明の収縮性ポリアミドフィルムには必要に応じて
滑剤,可塑剤,界面活性剤,帯電防止剤,耐候剤,安定
剤,酸化防止剤,その他の添加剤を配合してもよい。
本発明の収縮性ポリアミドフィルムは強力にすぐれ,
適正な収縮率と収縮応力とを有し,バランスのとれた収
縮特性を備えているため,食品包装をはじめさまざまな
包装分野に使用されるものである。
(実施例) 以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例:非晶性ポリアミド(PA−1) イソフタル酸45モル%,テレフタル酸5モル%,ヘキ
サメチレンジアミン45モル%,ビス−(4−アミノ−3
−メチルシクロヘキシル)メタン5モル%の割合の原料
10Kgを8Kgの純水と共に反応槽に仕込み,窒素で数回反
応槽内の空気をパージした。温度を90℃まで上昇させ約
5時間反応させたのち,反応温度を徐々に10時間かけて
280℃まで加圧下(18バール)に槽内を撹拌しつつ上昇
させた。
ついで放圧し大気圧まで圧力を下げたのち,さらに同
じ温度で6時間重合を行った。反応終了後反応槽から払
い出し切断してペレットを得た。得られたペレットの相
対粘度(前述と同一の方法)は1.50であった。またガラ
ス転移温度は150℃であった。この非晶性ポリアミドをP
A−1とする。
本発明の実施例,比較例に用いたポリアミド樹脂は以
下の通りである。
結晶性の脂肪族ポリアミド(A) ナイロン46:ユニチカ(株)製,F5000,ガラス転位温度
80℃ ナイロン6:ユニチカ(株)製,A1030BRL,ガラス転位温
度60℃ ナイロン66:ICI社製,A125,ガラス転位温度70℃ 非晶性のポリアミド PA−1:参考例,ガラス転移温度150℃ TR55:EMS社製,ガラス転移温度152℃ ω−ラウリルラクタム・ビス(3−メチル−4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン・イソフタル酸の重縮合物 本発明の実施例および比較例に用いた測定方法は以下
の通りである。
熱収縮率 縦,横とも100mmの正方形に切りとった試料フィルム
を80℃の熱水中に30秒間浸漬し,縦および横方向の収縮
率を%で表わした。
収縮応力 幅15mm,長さ50mmにそれぞれMD,TD方向に採取した試料
フィルムを間隔30mmに設定した上下のチャックに装着し
た後,80℃熱水中に30秒間浸漬し,その間の最大収縮応
力を求めた。単位はKg/cm2で表わした。
強力 幅15mm,長さ50mmにそれぞれMD,TD方向に採取した試料
フィルムを間隔30mmに設定した上下のチャックに装着し
た後,20℃,65%RHの条件でフィルムを引張破断応力を求
めた。単位はKg/cm2で表わした。
伸び 強力の場合と同じ条件で破断した時の伸びを求めた。
単位は%で表わした。
ヤング率 強力の場合と同じ条件で初期弾性率を求めた。単位は
Kg/cm2で表わした。
酸素透過率 厚み20μmのフィルムを用いモコン法で酸素ガス透過
度を求めた。単位はcc/m2.24hr.1atmで表わした。
過冷却度 示差熱分析計を用い結晶の融解温度(Tm)と,降温速
度20℃/分で冷却したときの降温結晶化温度(Tcc)と
の差(Tm−Tcc)で求めた。単位は℃で表わした。
実施例1〜4,比較例1 ナイロン6を70重量%と,PA−1を60重量%およびTR
−55をそれぞれ30重量%と40重量%となる配合比でそれ
ぞれの原料をタンブラーで混合した後,90℃で16時間真
空乾燥を行った。ついで2軸押出機(池貝鉄工(株)
製,PCM45)を用いて250℃で溶融混練し,これを切断し
て樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを口径90
mmの押出機によって押出しTダイ法でそれぞれ厚み180
μmのフィルムを得た。このフィルムを80℃でMD,TD方
向に共に3.0倍に同時に2軸延伸し,125℃の温度で15秒
間応力緩和を行い,厚み20μmの2軸延伸フィルムを得
た。この2軸延伸フィルムを用いて表1に掲げたような
項目について性能評価を行なった。結果を併せて表1に
掲げた。
また比較として上記と同じ条件でナイロン6の2軸延
伸フィルムを得,性能評価を行なった。その結果も併せ
て表1に掲げた。
実施例5,比較例2 ナイロン66が70重量%,PA−1が30重量%となる配合
比でそれぞれの原料をタンブラーで混合した後,90℃で1
6時間真空乾燥を行った。ついで2軸押出機(池貝鉄工
(株)製,PCM45)を用いて280℃で溶融混練し,これを
切断して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを
口径90mmの押出機によって押出し,Tダイ法でそれぞれ厚
み180μmのフィルムを得た。このフィルムを90℃でMD,
TD方向に共に3.0倍に同時2軸延伸し,135℃の温度で15
秒間応力緩和を行い,厚み20μmの2軸延伸フィルムを
得た。この2軸延伸フィルムを用いて表2に掲げたよう
な項目について性能評価を行なった。結果を併せて表2
に掲げた。
また比較として上記と同じ条件でナイロン66の2軸延
伸フィルムを得,性能評価を行なった。その結果も併せ
て表2に掲げた。
実施例6,比較例3 ナイロン46が60重量%,PA−1が40重量%となる配合
比でそれぞれの原料をタンブラーで混合した後,90℃で1
6時間真空乾燥を行った。ついで2軸押出機(池貝鉄工
(株)製,PCM45)を用いて300℃で溶融混練し,これを
切断して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを
口径90mmの押出機によって押出し,Tダイ法でそれぞれ厚
み180μmのフィルムを得た。このフィルムを90℃でMD,
TD方向に共に3.0倍に同時2軸延伸し,140℃の温度で15
秒間応力緩和を行い,厚み20μmの2軸延伸フィルムを
得た。この2軸延伸フィルムを用いて表2に掲げたよう
な項目について性能評価を行なった。結果を併せて表2
に掲げた。また比較として上記と同じ条件でナイロン46
の2軸延伸フィルムを得,性能評価を行なった。その結
果も併せて表2に掲げた。
(発明の効果) 本発明の収縮性ポリアミドフィルムは,結晶性の脂肪
族ポリアミドに特定の非晶性ポリアミドを存在せしめる
ことにより,強力にすぐれ適正な収縮率と収縮応力とを
有し,バランスのとれた収縮特性を備えている上に,さ
らにガスバリヤー性も改良されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 B29C 61/00 - 61/10 B29C 55/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性の脂肪族ポリアミド(A)と、一般
    式〔I〕で示される脂環式ジアミンとテレフタル酸およ
    び/またはイソフタル酸とその他の共重合成分とからな
    り、ガラス転移温度が100℃以上である非晶性ポリアミ
    ド(B)とからなる樹脂組成物において、その結晶化の
    過冷却度と結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のそれとが
    下式〔II〕を満足する樹脂組成物を延伸してなる収縮性
    ポリアミドフィルム。 1.2×ΔTa≦ΔT≦3.0×ΔTa 〔II〕 (ただし、式〔I〕において、R1,R2,R3,R4,R5は同じで
    あっても異なっていてもよく、それぞれ水素または炭素
    数1〜3のアルキル基を示す。 また、式〔II〕において、ΔTは樹脂組成物の過冷却度
    を、ΔTaは結晶性の脂肪族ポリアミドのそれを示す。)
  2. 【請求項2】結晶性の脂肪族ポリアミド(A)と、一般
    式〔I〕で示される脂環式ジアミンとテレフタル酸およ
    び/またはイソフタル酸とその他の共重合成分とからな
    り、ガラス転移温度が100℃以上である非晶性ポリアミ
    ド(B)とからなる樹脂組成物において、その結晶化の
    過冷却度と結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のそれとが
    式〔II〕を満足する樹脂組成物よりなるフィルムを、結
    晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転移温度からそ
    れより100℃高い温度の範囲でMD、TD共に2.5倍以上に2
    軸延伸し、結晶性の脂肪族ポリアミド(A)のガラス転
    移温度よりも40から150℃高い温度で応力緩和すること
    を特徴とする請求項1記載の収縮性ポリアミドフィルム
    の製造法。
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