JP4582545B2 - ポリアミドフィルム - Google Patents

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Description

本発明はポリアミドフィルムに関する。詳しくは、本発明は、ジカルボン酸単位とペンタメチレンジアミン単位とを構成成分とするポリアミド樹脂を含有するポリアミドフィルムに関するものであり、滑り性、耐熱性、耐ピンホール性に優れ、さらに地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の発生を抑制する原料を使用したポリアミド樹脂を含有するポリアミドフィルムに関する。
ポリアミドフィルムは、ガスバリヤー性と機械的・熱的特性に優れているため、食品包装を主体として、単層、他樹脂との多層フィルム、他材料とのラミネートフィルム等として広範囲な用途に使用されている。こうしたポリアミドフィルムは、滑り性が悪いと、製袋時にフィルムが引っ掛かったり、多色印刷時にインクの印刷ズレが生じたりすることがある。このため、滑り性は、フィルムの生産性や品質・商品価値の点から極めて重要な特性である。
一方、ポリアミド樹脂の原料としては、ナフサ、いわゆる化石原料が使用されているが、二酸化炭素排出抑制による地球温暖化防止および循環型社会の形成に向けて、ポリアミド樹脂の製造原料をバイオマス由来の原料に代替することが嘱望されている。すなわち、ポリアミド樹脂の原料として、バイオマス比率(ポリアミド樹脂原料に使用した総モノマーに対する、ペンタメチレンジアミンモノマー量の割合)を高くすることが望まれている。
ポリアミドフィルムにおける滑り性の改良手段として、特許文献1では、ポリアミド樹脂に無機フィラー粒子、3〜6価の脂肪族アルコールと炭素数10〜22の脂肪酸との部分エステル化合物、炭素数12〜30のヒドロキシ脂肪酸のマグネシウム塩を配合することが提案されているが、バイオマス由来の原料の使用は提案されていない。
一方、バイオマス由来の原料から製造されるプラスチックとしては、とうもろこしの醗酵プロセスからなる乳酸を用いたポリ乳酸が知られているが、ポリL乳酸の融点は170℃程度と低く、融点が約224℃のポリアミド6や融点が約264℃のポリアミド66に比べ、大幅に耐熱性が低下するという欠点がある。また、機械的特性の1つである引張強度に関しても、ポリ乳酸はポリアミド6やポリアミド66より2〜3割程度低下することが予想される(特許文献2、非特許文献1参照)。従って、ポリアミドフィルム用途において、ポリ乳酸はその用途を置き換えるほど十分な性能を有しているとは言えない。
バイオマス由来の原料を使用して得られるポリアミド樹脂として、特許文献3では副生物として環状アミンの含有量が少なく、滞留安定性、耐熱性に優れたポリアミド56が開示されているが、フィルムの滑り性等に関する具体的な開示はなされていない。
また、少量のポリアミド56単位を含有するポリアミド66単位の多いポリアミド56とポリアミド66との混合物(ポリアミド56/ポリアミド66=0.5/99.5〜40/60モル%、好ましくは0.5/99.5〜10/90モル%)も知られている(特許文献4)が、ポリアミド66の機能を維持したままポリアミド66のゲル化を抑制することを目的としたものであり、フィルムの滑り性等に関する具体的な開示はなされていない。
特開2005−132929公報 特開平9−12852号公報 特開平2003−292612号公報 国際公開第93/00385号パンフレット ポリアミド樹脂ハンドブック(福本修編、日刊工業社出版、1988年1月30日、初版発行、103頁)
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、バイオマス由来の原料を使用して製造できるポリアミド樹脂を含有し、滑り性、耐熱性、耐ピンホール性に優れたポリアミドフィルムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、ジカルボン酸単位と、ペンタメチレンジアミン単位を含有するジアミン単位とを構成成分とするポリアミド樹脂を含有するポリアミドフィルムにより、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は、ジカルボン酸単位と、ペンタメチレンジアミン単位を含有するジアミン単位とを構成成分とするポリアミド樹脂を含有するポリアミドフィルムに存する。また、本発明の他の要旨は、次のような実施態様にも存するものである。
ジカルボン酸単位の90重量%以上がアジピン酸単位であることを特徴とする前記のポリアミドフィルム。
ジアミン単位として、ペンタメチレンジアミン単位及びヘキサメチレンジアミン単位を含有するポリアミド樹脂であって、ペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位との重量比が95:5〜60:40であることを特徴とする前記のポリアミドフィルム。
ジアミン単位中のペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位の含有量の合計が、90重量%以上であることを特徴とする前記のポリアミドフィルム。
ポリアミド樹脂がペンタメチレンジアミンを含有するジアミンと、アジピン酸を含有するジカルボン酸とを、加熱重縮合して得られたものであることを特徴とする前記のポリアミドフィルム。
ペンタメチレンジアミンが、リジン脱炭酸酵素、リジン脱炭酸酵素活性の向上した組み換え微生物又はリジン脱炭酸酵素を産生する細胞もしくは該細胞の処理物を使用して、リジンから産出されたものであることを特徴とする前記のポリアミドフィルム。
23℃、相対湿度65%の条件下、ASTM D−1894に準拠して測定した静止摩擦係数が、0.25〜0.55であることを特徴とする前記のポリアミドフィルム。
本発明のポリアミドフィルムは、滑り性、耐熱性、耐ピンホール性に優れ、さらに地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の発生を抑制する原料を使用したポリアミド樹脂を含有するため環境負荷低減への著しい効果が期待でき、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。本発明のポリアミドフィルムは、ジカルボン酸単位と、ペンタメチレンジアミン単位を含有するジアミン単位とを構成成分とするポリアミド樹脂を含有するポリアミドフィルムである。
ポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸単位としてはアジピン酸単位が好ましい。ジカルボン酸単位中のアジピン酸単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上であり、アジピン酸単位が100重量%でもよい。アジピン酸以外のジカルボン酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を適宜使用することができる。ジカルボン酸単位中のアジピン酸単位が90重量%未満では、得られるポリアミド樹脂の融点が低下し、耐熱性に劣る。
一方、ジアミン単位としては、ペンタメチレンジアミン単位を含有することを必須要件とする。該単位の含有量は、全ジアミン単位中、20重量%以上、好ましくは30重量%以上である。ヘキサメチレンジアミン単位と組合わせる場合は、ペンタメチレンジアミン単位又はペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位の和として、90重量%以上、好ましくは95重量%以上であり、ペンタメチレンジアミン100重量%又はペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位の2種類のジアミンからなるものでも良い。
しかし次のようなジアミンを適宜使用することもできる。かかるジアミンとしては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンが挙げられる。
2種類のジアミンを組み合わせる場合、好ましい態様は、ペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位の組み合わせである。ジアミン単位中のペンタメチレンジアミン単位の含有量は20重量%以上、好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上である。ジアミン単位に用いるペンタメチレンジアミン単位の含有量が20重量%未満の場合は、バイオマス比率[ポリアミド樹脂原料に使用した総モノマーに対する、ペンタメチレンジアミンモノマー量の割合]が低下し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生を抑制する効果が得られなくなるので好ましくない。
例えば、ジアミン単位中のペンタメチレンジアミン単位の含有量が20重量%、ヘキサメチレンジアミン単位の含有量が80重量%で、ジカルボン酸単位としてアジピン酸単位を考慮した場合、バイオマス比率は8重量%となる。一方、ジアミン単位中のペンタメチレンジアミン単位の含有量は100重量%以下、好ましくは95重量%以下、更に好ましくは90重量%以下である。ジアミン単位に用いるペンタメチレンジアミンの含有量が90重量%を超えると耐ピンホール性に劣る。
なお、ポリアミド樹脂中のペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位との重量比は、例えば、以下の手法にて求めることができる。すなわち、ポリアミド樹脂を酸又はアルカリによって加水分解し、液体クロマトグラフィー等によって予め作成した検量線を使用して含有比率を求める。
本発明のポリアミド樹脂には、本発明の効果を損なわない量の他の成分を共重合することができる。代表的な共重合成分としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムが挙げられる。
次に、本発明で用いられるペンタメチレンジアミンの好適な製造方法を説明する。本発明で用いられるペンタメチレンジアミンは、例えばリジン溶液に、同溶液のpHが酵素的脱炭酸反応に適したpHに維持されるように酸を加えながら、リジンの酵素的脱炭酸反応を行うことにより、製造することができる。ここで用いる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸等の有機酸が挙げられる。得られた反応生成液から、通常の分離精製方法を用いて遊離ペンタメチレンジアミンを採取することができる。更には、上記酸としてジカルボン酸を使用すると、直接ポリアミドの製造原料となるペンタメチレンジアミン・ジカルボン酸塩を採取することも可能である。なおアジピン酸を使用し、リジンの酵素的脱炭酸反応によりペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を製造する方法は、特開2005−6650号公報に記載されている。
本発明のポリアミド樹脂の重合方法としては、公知の方法が使用でき、具体的には「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修編、日刊工業社出版、1988年1月30日、初版発行、103頁)等に開示されている。ポリアミド56及びポリアミド56を含む共重合体の製造方法としては、ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の塩及びヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩を水の共存下、これらを混合し、加熱して脱水反応を進行させる方法が好ましい。この場合、ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の塩及びヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩の混合比を変化させることによって、ポリアミド樹脂中の共重合組成比を変化させることができる。又脂肪族ジアミンとジカルボン酸のモル比は通常0.95〜1.05:1の範囲となる様にすることが好ましい。
なお、本発明において、上記加熱重縮合とはポリアミド樹脂の製造における重合反応物の最高到達温度を200℃以上に上昇させる製造プロセスである。最高到達反応温度の上限としては、重合反応時の熱安定性を考慮して、通常300℃以下である。重合方式には特に制限は無く回分式、連続方式が採用できる。
上記の方法で製造されたポリアミド樹脂は加熱重縮合後に更に固相重合することができる。これにより、ポリアミド樹脂の分子量を高くすることができる。例えば、100℃以上融点以下の温度で真空中、あるいは不活性ガス中で加熱することにより行うことができる。
本発明のポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がなく、濃度を0.01g/mlとした98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.5〜8.0であることが好ましく、1.8〜5.5であることがさらに好ましい。特に好ましくは3.0〜5.0である。相対粘度が1.5未満では、実用的強度が不十分であり、一方、8.0を超えると、流動性が低下し、成形加工性が損なわれるので好ましくない。
本発明のポリアミドフィルムは公知の方法で成形することにより得ることができる。具体的な成形方法としては、例えば、ポリアミド樹脂の溶融混合体を連続的にT−ダイより押出し、キャスティングロールにて冷却しながらフィルム状に成形するT−ダイ法、環状のダイスより連続的に押出し水を接触させて冷却する水冷インフレーション法、環状のダイスより押出し空気によって冷却する空冷インフレーション法などが挙げられる。また、これらの成形法で他の原料を同時に押し出す共押出法で多層のフィルムを得ることもできる。
延伸方法についても工業的には公知の方法が応用でき、例えば、T−ダイ法にて成形したフィルムについては縦延伸はロール方式を用い、さらに横方向に延伸する際にはテンター方式を使用した逐次2軸延伸法、環状ダイより成形したチューブ状フィルムについては上記の逐次2軸法以外に縦横同時に延伸できるチューブラー延伸法を用いることができる。
ポリアミドフィルムの厚みは、好ましくは1〜70μmである。1μm未満であると強度が不充分になりやすく、70μmを越えると繰り返し屈曲疲労性が低下しやすい。フイルムがポリアミド樹脂単層フィルムの場合、より好ましくは5〜50μm、更に好ましくは10〜30μmであり、多層フィルムの場合、ポリアミド樹脂層としての厚みは、より好ましくは2〜50μm、更に好ましくは5〜30μmである。
本発明のポリアミドフィルムは、印刷性の改良や、ラミネート性(接着性)の改良のために片面、または両面にコロナ処理した後使用することもできる。
ポリアミド樹脂の製造(重縮合)段階から成形までの任意の段階で、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を配合することが出来る。他の成分としては、無機フィラー、ブロッキング防止剤、結晶核剤、酸化防止剤および/または熱安定剤、耐候剤、離型剤および/または滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、他の重合体が挙げられる。また、必要に応じて、シラン処理剤などにより他の成分の表面処理を行ってもよい。他の成分の配合方法としては、ポリアミド樹脂の重合過程で添加したり、重合後のポリアミド樹脂にドライブレンドしたり、ポリアミド樹脂と溶融混練したり、予め高濃度のマスターバッチを作製し、これを成形時に希釈して使用するなどが挙げられる。
無機フィラーとしては、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、タルク、シリカ、カオリン、焼成カオリン、クレー、ゼオライト、ワラストナイト、マイカ、窒化硼素、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母などが挙げられる。ブロッキング防止剤としてはシリカなどが挙げられる。
結晶核剤としては、タルク、カオリン、シリカ、窒化ホウ素等の無機質微粒子や金属酸化物、高融点ナイロン等が挙げられる。酸化防止剤および/または熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物などが挙げられる。耐候剤としては、レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。離型剤および/または滑剤としては、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等が挙げられる。顔料としては、硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等が挙げられる。染料としては、ニグロシン、アニリンブラック等が挙げられる。可塑剤としては、p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
帯電防止剤としては、アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等の非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤が挙げられる。難燃剤としては、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組合せが挙げられる。他の重合体としては、他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレンなどが挙げられる。
中でも、本発明においてはポリアミドフィルムの滑り性向上のため、タルク、カオリン、焼成カオリン、シリカ、ゼオライトなどの無機フィラー、特に微粒子状の無機フィラーの配合が好ましい。更に好ましくは無機フィラーと離型剤および/または滑剤とを併用する態様が挙げられる。無機フィラーの配合量としては、ポリアミド樹脂100重量部当り0.005〜0.1重量部が好ましく用いられる。また、離型剤および/または滑剤は0.01〜0.5重量部が好ましく用いられる。
本発明のポリアミドを用いたフィルムは、滑り性に優れ、静止摩擦係数として通常0.55以下、好ましくは0.25〜0.55が容易に達成される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下にポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物、および各種特性の評価方法について説明する。
<評価方法>
[相対粘度(ηr)]
98%硫酸中、0.01g/ml濃度、25℃で、オストワルド式粘度計を用いて測定を行った。
[滑り性(静止摩擦係数)]
滑り性は東洋精機製作所社製 摩擦測定器TR型を使用し、23℃、65%RH(相対湿度)の条件下、ASTM D−1894に準拠して測定し、静止摩擦係数で評価した。
[耐熱性(融点)]
セイコー電子工業社製ロボットDSCを用い、窒素雰囲気下、試料を約5mg採取し、270℃で完全に融解させて3分間保持した後、20℃/minの降温速度で30℃まで降温し、これに続いて30℃で3分間保持した後、30℃から20℃/minの昇温速度で昇温したときに観測される吸熱ピークの温度を融点とした。また、吸熱ピークが複数観測される場合は高温側の吸熱ピークの温度を融点とした。
[耐ピンホール性]
耐ピンホール性は、繰り返し屈曲疲労試験後のピンホール数により評価を行った。繰り返し屈曲疲労試験(ゲルボフレックステスト)は、理学工業社製ゲルボフレックステスターを使用して、所定の環境条件下で、MIL−B−131Cに準拠して、23℃、65%RHあるいは0℃、65%RHの条件下で1000回繰り返し屈曲疲労を与えた後、透湿試験に代えて、フィルムに生じたピンホールの数を数えた。
なお、ピンホール数は、HELMUT FISCHER GMBH社(独)製ポロスコープDCH8Eにて、数えた。これは、アースをとった金属板の上に試料フィルムをのせ、1.2kVを荷電したブラシでフィルム表面を走査させて、ピンホールがあれば電流が流れ、ピンホール数をカウントできる装置である。
<実施例1>
ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩およびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩の混合物(重量比は表1に示す通り、80:20)25kgに水25kgを添加した後、亜燐酸1.25gを添加し、窒素雰囲気下で混合物を完全に溶解させ、原料水溶液を得た。プランジャーポンプにて予め窒素置換したオートクレーブに、上記の原料水溶液を移送した。ジャケット温度を280℃に、オートクレーブの圧力を1.47MPaにそれぞれ調節し、内容物を270℃に昇温した。次に、オートクレーブ内の圧力を除々に放圧した後、更に減圧して所定の攪拌動力に到達した時点で反応終了とした。反応終了後に窒素にて復圧し、内容物をストランド状に冷却水槽へ導入した後、回転式カッターでペレット化した。得られたペレットは、120℃、1torr(0.13kPa)の条件で、水分量が0.1%以下となる迄乾燥を行い、ポリアミド樹脂を得た。相対粘度は3.46であった。
得られたポリアミド樹脂100重量部に対し、平均粒子径が3.0μmのタルク0.03重量部、及びエチレンビスステアリン酸アマイド(花王社製、カオーワックスEB−FF)0.1重量部をドライブレンドして得たポリアミド樹脂組成物を原料として、押出機シリンダ径40mmのT−ダイ式製膜機を用い、押出機シリンダ設定温度260℃、冷却ロール温度90℃にて、厚み25μmのフィルムを製膜した。製膜開始後、1時間目のフィルムを用い、滑り性(静止摩擦係数)、耐熱性(融点)、耐ピンホール性の評価を行った。結果を表1に示す。
参考例
実施例1において、原料塩の仕込みモノマー組成を表1に示す様に変更した以外は、実施例1と同様の操作でポリアミド樹脂を得た。相対粘度は3.49であった。以下、実施例1と同様に、ポリアミド樹脂、タルク、エチレンビスステアリン酸アマイドをドライブレンドし、フィルムを製膜し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
三菱化学社製カプロラクタム25kg、水0.75kg、亜リン酸水素2ナトリウム5水和物1.74gを容器に入れ、窒素置換した後に100℃にて溶解した。この原料水溶液をオートクレーブに移送し、ジャケット温度を280℃に設定して加熱を開始した。内容物を270℃迄昇温した後、オートクレーブの圧力を除々に放圧した後、更に減圧して所定の攪拌動力に到達した時点で重縮合反応を終了した。反応終了後、窒素にて復圧し、内容物をストランド状に冷却水槽へ導入後、回転式カッターでペレット化した。得られたペレットに対し、該ペレットの1.5倍量の沸騰水を使用して未反応のモノマー、オリゴマーを抽出除去した。未反応物を除去したペレットは120℃、1torr(0.13kPa)の条件で、水分量が0.1%以下となる迄乾燥を行い、ポリアミド樹脂を得た。相対粘度は3.48であった。以下、実施例1と同様にポリアミド樹脂、タルク、エチレンビスステアリン酸アマイドをドライブレンドし、フィルムを製膜し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004582545

Claims (4)

  1. アジピン酸単位と、ペンタメチレンジアミン単位及びヘキサメチレンジアミン単位とを構成成分とするポリアミド樹脂を含有するポリアミドフィルムであって、ペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位との重量比が95:5〜60:40であり、かつ該ポリアミド樹脂が、ペンタメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンを含有するジアミンとアジピン酸とを、加熱重縮合して得られたものであることを特徴とするポリアミドフィルム。
  2. ジアミン単位中のペンタメチレンジアミン単位とヘキサメチレンジアミン単位の含有量の合計が、90重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドフィルム。
  3. ペンタメチレンジアミンが、リジン脱炭酸酵素、リジン脱炭酸酵素活性の向上した組み換え微生物又はリジン脱炭酸酵素を産生する細胞もしくは該細胞の処理物を使用して、リジンから産出されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミドフィルム。
  4. 23℃、相対湿度65%の条件下、ASTM D−1894に準拠して測定した静止摩擦係数が、0.25〜0.55であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリアミドフィルム。
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