JP2016204490A - 組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本願の課題は、弾性、耐衝撃性、耐加水分解性が同時に優れる組成物の提供である。
ポリアミドエラストマー(X)は、ポリアミド単位(A)とポリエーテルジアミン単位(B)を含み、
ポリアミド単位(A)は、一般式(1)で表わされる単位及び一般式(2)で表わされる単位を含み、
ポリエーテルジアミン単位(B)は、一般式(3)で表わされる単位を含む組成物である。
ポリアミドエラストマー(X)とそれ以外の成分(Y)を含む組成物であって、
ポリアミドエラストマー(X)は、ポリアミド単位(A)とポリエーテルジアミン単位(B)を含み、
ポリアミド単位(A)は、一般式(1)で表わされる単位及び一般式(2)で表わされる単位を含み、
ポリエーテルジアミン単位(B)は、一般式(3)で表わされる単位を含む組成物である。
本発明に用いるポリアミドエラストマー(X)は、ポリアミド単位(A)とポリエーテルジアミン単位(B)を含み、
ポリアミド単位(A)は、一般式(1)で表わされる単位及び一般式(2)で表わされる単位を含み、
ポリエーテルジアミン単位(B)は、一般式(3)で表わされる単位を含む。
具体的には、前重縮合工程と後重縮合工程からなる(i)二段重合法もしくは、(ii)一段重合法もしくは、(iii)プレポリマー法によって得ることができる。
まず反応器内を窒素置換した後、一般式(1)、(2)、(3)であらわされる単位を提供する化合物を混合する。混合する場合に上記3成分が共に可溶な溶媒を用いても良い。3成分が共に可溶な溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒、2,2,2−トリフルオロエタノール等のハロゲン化アルコール系溶媒を挙げることができ、好ましい溶媒としては、トルエンを挙げることができる。このように仕込んだ反応器内を攪拌及び/又は窒素バブリングしながら、常圧下で昇温する。反応温度は、最終到達温度が80〜150℃、好ましくは100〜140℃の範囲になるように制御するのが好ましい。最終到達温度での反応時間は3時間〜6時間である。
さらに高分子量化を図るために、前重縮合工程で生成した重合物を常圧下において反応器内で徐々に昇温する。昇温過程において前重縮合工程の最終到達温度、すなわち好ましくは80〜150℃から、最終的に、好ましくは220℃以上280℃以下、より好ましくは230℃以上270℃以下の温度範囲にまで到達させ、昇温時間を含めて好ましくは1〜8時間、より好ましくは2〜6時間保持して反応を行うことが好ましい。さらに後重合工程において、必要に応じて減圧下での重合を行うこともできる。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPaG未満〜13.3PaGである。
まず一般式(2)、(3)であらわされる単位を提供する化合物を反応容器内に入れ窒素置換した後、常圧もしくは加圧条件において一次反応温度まで昇温する。一次反応温度は、一般式(1)であらわされる単位を提供する化合物の熱分解を阻止する観点から、好ましくは100℃から200℃、さらに好ましくは120℃から180℃である。その後、一次反応温度において、常圧もしくは加圧条件下、一般式(1)であらわされる単位を提供する化合物を反応容器内に注入し、重縮合反応を開始させる。
上記(i−1)二段重合法:前重縮合工程もしくは(ii)一段重合法の手順により、一般式(1)、(2)であらわされる単位を提供する化合物を反応させプレポリマーを得る。次に、上記(i−1)二段重合法:後重縮合工程もしくは(ii−1)一段重合法の手順により製造されたプレポリマーと一般式(3)であらわされる単位を提供する化合物を反応させる。
一般式(1)で表わされる単位を提供する化合物としては、蓚酸若しくはその塩、蓚酸モノエステル若しくはその塩、又は蓚酸ジエステル等を挙げることができる。(これらの化合物を以下、蓚酸化合物と称する場合がある。)
蓚酸化合物は、ポリアミドエラストマー(X)の原料にでき、重縮合反応における副反応を抑制する観点から、蓚酸ジエステルを用いるのが好ましい。
蓚酸ジエステルとしては、炭素数が1から6であるアルコキシ基を有する蓚酸ジエステル、炭素数が2から6であるシクロアルコキシ基を有する蓚酸ジエステル及び/又は蓚酸ジアリールエステルが好ましい。
炭素数が1から6であるアルコキシ基を有する蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジメチル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジ(n若しくはiso)プロピル、蓚酸ジ(n、iso、sec若しくはtert)ブチル、蓚酸ジヘキシル等が挙げられる。
炭素数が2から6であるシクロアルコキシ基を有する蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジシクロヘキシルが挙げられる。
蓚酸ジアリールエステルとしては、蓚酸ジフェニル等が挙げられる。
これらの中でも、蓚酸ジブチル及び/又は蓚酸ジフェニルが好ましく、蓚酸ジブチルがより好ましい。
ポリアミド単位(A)全量中に、一般式(1)で表わされる単位が含まれる割合は、耐熱性の観点から、好ましくは18〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%、さらに好ましくは22〜40重量%である。
脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等が挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
これらジアミンは、一種または二種以上を用いることができる。
ポリアミド単位(A)全量中に、一般式(2)で表わされる単位が含まれる割合は、耐熱性の観点から、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは55〜85重量%、さらに好ましくは60〜80重量%である。
直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、スベリン酸等が挙げられる。
ダイマー酸は、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した二量化脂肪族ジカルボン酸を指す。
水添ダイマー酸は、ダイマー酸の水素添加物を指す。
ダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」などを用いることができる。
脂環式ジカルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等挙げられる。これらの化合物の一種又は二種以上を加えて、重縮合反応時に添加することができる。さらに、上記の化合物以外にも、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で、ポリアミド単位(A)に含まれる一般式(1)で表わされる単位及び一般式(2)で表わされる単位以外の単位を提供する化合物(原料)として、用いることもできる。
一般式(3)で表わされる単位を提供する化合物としては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどの両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニアなどを反応させることによって製造されるポリエーテルジアミンなどを用いることができる。
ポリエーテルジアミン単位(B)全量中に含まれる一般式(1)で表わされる単位の割合は、エラストマーとしての特性を発現する観点から、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%である。
それ以外の成分(Y)は、組成物全量に対し、5〜95質量%含まれることが好ましい。
それ以外の成分(Y)は、本発明に用いるポリアミドエラストマー(X)でなく、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、顔料、染料、香料でもない。
それ以外の成分(Y)は、難燃剤、ガラス繊維、タルク、炭素繊維、マイカ、カオリン、可塑剤及びポリアミドエラストマー(X)を除く熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、難燃剤、可塑剤及びポリアミドエラストマー(X)を除く熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。
ポリアミドエラストマー(X)を除く熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらをマレイン酸などで酸変性したポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ABS樹脂などを挙げることができる。
アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−ア
ミノノナン酸、11−アミノウンドデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。
合物として、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、四酸化アンチモン、アンチ
モン酸ソーダなどが挙げられる。
チルヘキシルなどのフタル酸エステル類、p−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p−
ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシルなどのヒドロキシ安息香酸エステル類、ベンゼンスル
ホン酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミドなどのアルキルアミ
ド類が好ましく使用される。
本発明の組成物は、
ポリアミドエラストマー(X)とそれ以外の成分(Y)を含む組成物であって、
ポリアミドエラストマー(X)は、ポリアミド単位(A)とポリエーテルジアミン単位(B)を含み、
ポリアミド単位(A)は、一般式(1)で表わされる単位及び一般式(2)で表わされる単位を含み、
ポリエーテルジアミン単位(B)は、一般式(3)で表わされる単位を含む組成物である。
それ以外の成分(Y)は、組成物全量に対し、5〜95質量%含まれることが好ましい。
ポリアミドエラストマー(X)とそれ以外の成分(Y)は、組成物全量に対し、80質量%含まれる事が好ましく、90質量%以上含まれる事がより好ましく、95質量%以上含まれる事がさらに好ましく、98質量%以上含まれる事が特に好ましい。
本発明の組成物は、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、顔料、染料、香料等を添加することができる。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形などの公知の成形方法により成形物を得ることができる。
耐加水分解性、弾性、耐衝撃性が求められるような野外のスポーツシューズ材、スキー板の表面材、自動車用モール、自動車用ミラーブーツ、被覆材等に、本発明の組成物が好適に使用する事が出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、測定、成形、評価は以下の方法により行った。
相対粘度は、ポリアミドエラストマー濃度が1.0g/dlであるトリフルオロ酢酸溶液を使用して、オストワルド型粘度計にて、25℃で測定した。
融点は、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSCを用いて窒素雰囲気下で測定した。
得られたポリアミドエラストマーを30℃から280℃まで10℃/分の速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、280℃で3分保持したのち、30℃まで10℃/分の速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に280℃まで10℃/分の速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。昇温セカンドランの吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。
東邦マシナリー社製真空プレス機TMB−10を用いて、以下の方法でポリアミドエラストマーのフィルム成形を行った。
得られたポリアミドエラストマーを、500〜700PaGの減圧雰囲気下240〜270℃で3分間加熱溶融させた後、10MPaGで1分間プレスを行い、次に減圧雰囲気を常圧まで戻した後、室温、5MPaGで3分間冷却させて厚さ0.25mmと1mmのフィルムを得た。
上記(3)で得た厚さ0.25mmのフィルムから、JISの引張8号形のダンベルを打ち抜き、ダンベル試験片を作製した。ORIENTEC社製TENSILON RTA−500を用いて、このダンベル試験片の引張試験を行った。23℃環境下、チャック間距離30mm、引張速度30mm/minの条件で引張試験を行い、伸度0.5%〜2%の間の応力歪み直線の傾きから弾性率を算出した。
上記(4)と同様にダンベル試験片を作製し、ORIENTEC社製TENSILON RTA−500の試験機で伸長回復率の測定を行った。23℃環境下、チャック間距離30mm、引張速度100mm/minの条件で、3.2mm引っ張り、3.2mm延伸されたところで直ちに同じ速度で元に戻し、応力がゼロになった時の残留ひずみA(mm)を求めた。伸長回復率は、求めた残留ひずみAを下記式(1)に、代入して、算出した。
ASTM D790に準拠して、6.35mm×12.7mm×127mmの試験片の曲げ弾性率を23℃で測定した。
ASTM D256に準拠して、3.18mm×12.7mm×127mmのノッチ付試験片のアイゾット衝撃強度を23℃で測定した。
射出成形により成形した100mm×300mm×2mmの板からJIS3号ダンベル
(試験片)を用いて切り出し、切り出した試験片を重ならないように、容量5リットルのステンレス容器に入れ、2リットルの蒸留水を入れてふたをして密閉状態にした後80℃の湯浴中に入れた。その2000時間後に試験片(加水分解処理をした試験片)を取り出し、試験片の表面の水分を除去した後、引張試験機を用い、チャック間距離50mmで挟み、500mm/minの速度で引張試験を行い、引張破断伸びを測定した。加水分解処理していない(ステンレス容器に入れていない)試験片の引張破断伸びの測定を行い、以下の式より引張破断伸びの保持率を計算した。
引張り破断伸び保持率(%)=100×(加水分解処理をした試験片の引張り破断伸び)/(加水分解処理していない試験片の引張り破断伸び)
撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、原料投入口を備えた内容積が2Lのセパラブルフラスコの内部を純度が99.9999%の窒素ガスで置換し、脱水済みトルエン1150ml、1,12−ドデカンジアミン156g(0.78モル)、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542)91g(0.087モル)を仕込んだ。このセパラブルフラスコをオイルバス中に設置して50℃に昇温した後、蓚酸ジブチル175g(0.87モル)を仕込んだ。次にオイルバスの温度を130℃まで昇温し、還流下、5時間反応を行った。なお、原料仕込みから反応終了までの全ての操作は50ml/分の窒素気流下で行った。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、及び直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,12−ドデカンジアミン347g(1.7モル)とXYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542)457g(0.43モル)、次亜リン酸ナトリウム1水和物2.50gを仕込み、耐圧容器内を窒素ガスで3.0MPaGに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出して窒素置換を行い、封圧下、系内を昇温した。一次反応温度(150℃)にした後、蓚酸ジブチル438g(2.2モル)を原料フィードポンプにより流速65ml/分で反応容器内に注入した。全量注入直後の耐圧容器内の内圧は、重縮合反応により生成した1−ブタノールによって0.65MPaGまで上昇し、内部温度は155℃まで上昇した。
注入直後から生成したブタノールの留去を開始し、内圧を0.50MPaGに保持したまま、二次反応温度(230℃)まで昇温させた。内部温度が230℃に達した直後から放圧口より重縮合反応によって生成した1−ブタノールを抜き出した。放圧後、260ml/分の窒素気流下において昇温を開始し、三次反応温度(245℃)まで昇温し、245℃において3時間保持した。その後、攪拌を止めて系内を窒素で3MPaGに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaGまで放圧し、重合物を圧力容器下部より抜き出した。抜き出したポリアミドエラストマー(以下、PAE2と呼ぶ場合がある。)は、直ちに水で冷却し回収した。
1,12−ドデカンジアミン264g(1.3モル)、蓚酸ジブチル380g(1.9モル)を用い、実施例2と同様に重合を行い、プレポリマーを回収した。
続いて、得られたプレポリマーの全量、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542)595g(0.56モル)、次亜リン酸ナトリウム1水和物2.42gを実施例2と同様に5Lの耐圧容器に仕込み窒素置換を行った。次に窒素気流下で槽内を200℃まで昇温し、200℃で1時間保持した後、さらに245℃まで昇温し、245℃で3時間保持した。その後、得られたポリアミドエラストマー(以下、PAE3と呼ぶ場合がある。)を圧力容器下部より抜き出し、直ちに水で冷却し回収した。
12−アミノドデカン酸1042g(4.8モル)、アジピン酸38g(0.26モル)、数平均分子量Mn=989のポリテトラメチレングリコール257g(0.26モル)、テトラブチルチタネート4.10gを実施例2と同様に5Lの耐圧容器に仕込み窒素置換を行った。次に窒素気流下で槽内を200℃まで昇温し、200℃で4時間保持した後、さらに240℃まで昇温して減圧を行い、240℃、10Paで3時間保持した。その後、復圧し、得られたポリアミドエラストマー(以下、PAE4と呼ぶ場合がある。)を圧力容器下部より抜き出し、直ちに水で冷却し回収した。
ポリアミドエラストマーと宇部興産株式会社製のナイロン12である3020Uを、表2に示した割合で、シリンダー径40mmの二軸混練機を用い、240℃で溶融混練して、ストランド状に押出、水槽で冷却した後、ペレタイザーを用いペレットにした。得られた組成物の曲げ弾性率、アイゾット衝撃値、加水分解処理後の破断伸び保持率を測定し、その結果を表2に示す。
[実施例7〜11、比較例2]
難燃剤Aは、東都化成製のYPB-43C(臭素化フェノキシ樹脂)を用いた。
難燃剤Bは、グレートレークス製のBC-58(臭素化ポリカーボネート)を用いた。
難燃剤Cは、メラミンイソシアヌレートを用いた。
表3に示す割合で、ポリアミドエラストマー、難燃剤と難燃助剤を、シリンダー径40mmの二軸混練機を用い、240℃で溶融混練して、ストランド状に押出、水槽で冷却した後ペレタイザーを用いペレットにした。得られた組成物の曲げ弾性率、アイゾット衝撃値、加水分解処理後の破断伸び保持率を測定し、その結果を表3に示す。
表4に示す割合で、宇部興産株式会社製のナイロン12である3020Uとポリアミドエラストマーと可塑剤を、シリンダー径40mmの二軸混練機を用い、240℃で溶融混練して、ストランド状に押出、水槽で冷却した後ペレタイザーを用いペレットにした。得られた組成物の曲げ弾性率、アイゾット衝撃値、加水分解処理後の破断伸び保持率を測定し、その結果を表4に示す。
Claims (8)
- 組成物全量に対し、前記のそれ以外の成分(Y)を5〜95質量%含む請求項1に記載の組成物。
- 前記のそれ以外の成分(Y)が、難燃剤、ガラス繊維、タルク、炭素繊維、マイカ、カオリン、可塑剤及びポリアミドエラストマー(X)を除く熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記のそれ以外の成分(Y)が、難燃剤、可塑剤及びポリアミドエラストマー(X)を除く熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記ポリアミドエラストマー(X)の伸長回復率が55%以上であり、融点が200℃以上である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 前記一般式(2)で表わされる単位が、炭素数5〜18の脂肪族ジアミン成分由来の単位を含む請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 前記ポリアミドエラストマー(X)の相対粘度が1.2〜3.0(1.0g/dlトリフルオロ酢酸溶液、25℃)である請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の組成物からなる成形品。
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