JPH0880599A - 帯電防止性メタクリル系樹脂積層シートの製造方法 - Google Patents

帯電防止性メタクリル系樹脂積層シートの製造方法

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JPH0880599A
JPH0880599A JP6218515A JP21851594A JPH0880599A JP H0880599 A JPH0880599 A JP H0880599A JP 6218515 A JP6218515 A JP 6218515A JP 21851594 A JP21851594 A JP 21851594A JP H0880599 A JPH0880599 A JP H0880599A
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Masahiro Miyauchi
雅弘 宮内
Yu Tsukada
佑 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリマータイプの帯電防止剤を用いる帯電防
止性メタクリル系樹脂シートの連続生産において、該シ
ートの汚れの原因になっているポリッシングロールの汚
れを防止し、よって安定に長時間の連続生産を可能なら
しめようとするものである。 【構成】 メタクリル系樹脂の片面又は両面に、ポリエ
ーテルエステルアミド(A)3〜40重量%とメタクリ
ル系樹脂(B)97〜60重量%からなる帯電防止性樹
脂組成物を5〜500μmの厚さで積層させたシートの
製造において、ポリッシングロールの温度を50〜80
℃にする帯電防止性メタクリル系樹脂積層シートの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久帯電防止性能を有
し、かつシート表面の汚れの少ないメタクリル系樹脂積
層シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成高分子材料は、その優れた特性によ
って広範囲な分野で使用されている。これらの材料に帯
電防止性を付与することにより、更にその用途を拡大す
ることができる。即ち、OA機器銘板、自動車計器カバ
ー、照明カバー、ディスプレイ、プロジェクションテレ
ビ用スクリーン等の用途展開に極めて有用である。この
ような問題に対して従来から各種の帯電防止剤が研究さ
れており、これらの帯電防止剤を材料表面に塗布した
り、又は材料と一緒に練り込んだりして材料の帯電防止
が図られているが、現状ではまだ十分なものが得られて
いるとはいいがたい。すなわち、前者においては、材料
の表面に帯電防止剤を塗布するときの溶剤の問題があ
り、材料にクラックが入ったり、塗布層の剥離が生じた
りする。また、後者の場合は均一に帯電防止剤を樹脂中
に練り込むことができるが、材料の物性低下がどうして
も生じてしまう。上記の問題を改良するために、ポリマ
ータイプの帯電防止剤を樹脂中に分散させたシートが特
開平4−71844号公報、特開平5−84875号公
報に開示されている。しかしながら、このポリマータイ
プの帯電防止剤を用いてシートに帯電防止性能を付与す
るに際して、シートの連続生産時に先ずポリッシングロ
ールの汚れが生じ、次いでこの汚れがシートを汚すとい
う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
ッシングロールの汚れがシートを汚すことを防止するこ
とであり、これによって安定に長時間シートの生産を可
能ならしめようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討の結果、帯電防止性メタクリル
系樹脂積層シートを製造する方法において、押出機から
出た溶融シートを冷却するポリッシングロールの温度を
低くし、厳密に管理することにより上記課題を解決でき
ることを見いだし本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、以下のとおりであ
る。 (1)メタクリル系樹脂の片面又は両面に、ポリエーテ
ルエステルアミド(A)3〜40重量%とメタクリル系
樹脂(B)97〜60重量%からなる帯電防止性樹脂組
成物を5〜500μmの厚さで積層させたシートの製造
において、ポリッシングロールの温度を50〜80℃に
することでシート汚れの少ない帯電防止性メタクリル系
樹脂積層シートの製造方法。 (2)ポリエーテルエステルアミド(A)3〜40重量
%とメタクリル系樹脂(B)97〜60重量%からなる
樹脂組成物に、更にポリエーテルエステルアミド(A)
とメタクリル系樹脂(B)成分の合計重量100重量部
に対して有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から選
ばれた少なくとも一種の化合物(C)を0.1〜5重量
部含有させた樹脂組成物を用いる上記1記載の帯電防止
性メタクリル系樹脂積層シートの製造方法。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明の積
層部に用いる永久帯電防止性樹脂組成物は例えば特開平
2−283748号公報に示されているものが用いられ
る。1リエーテルエステルアミド(A)としては、
(a)炭素数6以上のアミノカルボン酸、ラクタム、又
は炭素数4以上のジアミンとジカルボン酸の塩、(b)
数平均分子量400〜4000のポリ(アルキレンオキ
サイド)グリコール及びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素
の中から選ばれる少なくとも一種のジオール類、(c)
炭素数4〜16のジカルボン酸、からなるものが用いら
れる。
【0007】本発明で用いられるポリエーテルエステル
アミド(A)の構成成分である(a)炭素数6以上のア
ミノカルボン酸、ラクタム、又は炭素数4以上のジアミ
ンとジカルボン酸の塩としては、ω−アミノカプロン
酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω
−アミノベルゴン酸、ω−アミノカプリン酸及び11−
アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのア
ミノカルボン酸、カプロラクタム、エナントラクタム、
カプリルラクタム及びラウロラクタムなどのラクタム、
ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメチレ
ンジアミン−セバシン酸塩又はヘキサメチレンジアミン
−イソフタル酸などのジアミン−ジカルボン酸の塩が用
いられ、特にカプロラクタム、12−アミノドデカン
酸、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩が好ましく
用いられる。
【0008】また、(a)炭素数6以上のアミノカルボ
ン酸、ラクタム、又は炭素数4以上のジアミン−ジカル
ボン酸の塩は、ポリエーテルエステルアミド(A)の構
成成分として10〜70重量%の範囲で用いられる。1
0重量%未満ではポリエーテルエステルアミド(A)の
機械的性質が劣り、70重量%を越える場合は得られる
樹脂の帯電防止性が劣り好ましくない。
【0009】ポリエーテルエステルアミド(A)の他の
構成成分である(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コール及びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素の中から選ば
れる少なくとも一種のジオール類として具体例を挙げれ
ば、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとして、ポ
リエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキ
シド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコ1ル、
エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック又は
ランダム共重合体及びエチレンオキシドとテトラヒドロ
フランのブロック又はランダム共重合体等が挙げられ、
また、α,ω−ジヒドロキシ炭化水素としては、例えば
オレフィンやブタジエンを重合して末端を水酸基化し、
かつその二重結合を水添して得られるポリオレフィング
リコールや水添ポリブタジエングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノ
ール類のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。こ
れらの中でも、制電性が優れる点で特にポリエチレング
リコールが好ましく用いられる。
【0010】(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ール及びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素の数平均分子量
は400〜4000が好ましく、特に600〜2000
の範囲が好ましく用いられる。数平均分子量が400未
満では得られるポリエーテルエステルアミド(A)の機
械的性質が劣り、数平均分子量が4000を越える場合
は、帯電性能が不足するため好ましくない。
【0011】ポリエーテルエステルアミド(A)のもう
一つの構成成分である(c)炭素原子数4〜16のジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,6′−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸及び3−ス
ルホイソフタル酸ナトリウムのごとき芳香族ジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸及びジシクロヘキシル−4,
4′−ジカルボン酸のごとき脂環族ジカルボン酸、コハ
ク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン
酸(デカンジカルボン酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸
などがあげられ、特にテレフタル酸、イソフタル酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、ア
ジピン酸及びドデカンジカルボン酸が重合性、色調及び
物性の点から好ましく用いられる。(b)ポリ(アルキ
レンオキシド)グリコール又はα,ω−ジヒドロキシ炭
化水素と(c)ジカルボン酸は、反応上は1:1のモル
比で反応するが、使用するジカルボン酸の種類に応じて
通常仕込み比を変えて供給される。
【0012】ポリエーテルエステルアミド(A)の重合
方法に関しては特に限定されず、例えば、 (イ)(a)アミノカルボン酸、ラクタム、又は炭素数
4以上のジアミンとジカルボン酸の塩と(c)ジカルボ
ン酸を反応させて、両末端がカルボキシル基のポリアミ
ドプレポリマーをつくり、これに(b)ポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコール又はα,ω−ジヒドロキシ炭化
水素を真空下に反応させる方法、 (ロ)前記(a)、(b)、(c)の各化合物を反応槽
に仕込み、水の存在下に高温で加圧反応させることによ
りカルボン酸末端のポリアミドプレポリマーを生成さ
せ、その後常圧又は減圧下で重合を進める方法、及び (ハ)前記(a)、(b)、(c)の化合物を同時に反
応槽に仕込み、溶融混合した後高真空下で一挙に重合を
進める方法などの公知の方法を利用することができる。
【0013】本発明の積層部樹脂として該ポリエーテル
エステルアミド(A)とブレンドするメタクリル系樹脂
(B)及び本発明の基板部に用いるメタクリル系樹脂と
しては、メタクリル酸メチルを主体とする樹脂が挙げら
れ、これにはメチルメタクリレートの単独重合体、メチ
ルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアク
リレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、ア
クリル酸、メタクリル酸、ビニルピリジン、ビニルモル
ホリン、ビニルピリドンテトラヒドロフルフリルアクリ
レート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシアク
リレート、エチレングリコールモノアクリレート、グリ
セリンモノアクリレート、無水マレイン酸、スチレン及
びα−メチルスチレンなどの共重合可能なモノマーのい
ずれか一つ以上との共重合体、耐衝撃性アクリル樹脂、
耐熱性アクリル樹脂並びに低吸湿性アクリル樹脂などが
含まれる。これらは単独で用いてもよいしブレンドして
もよい。
【0014】耐衝撃性アクリル樹脂は、そのゴム弾性体
が特開昭53−58554号公報、同55−94917
号公報、同61−32346号公報等に開示されている
が、簡単に説明すると、アクリル系重合体芯材料のまわ
りに弾性層及び非弾性層を交互に生成させる多段階逐次
重合法により製造される多段重合体である。耐熱性アク
リル樹脂は、その一例が特公昭61−49325号公報
に記載されているが、分子中にアルキルメタクリレート
及び、場合によってはアルキルメタクリレートとスチレ
ン等の芳香族ビニル化合物からなるエチレン系不飽和単
量体から誘導された単位に、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸や不飽和
ジカルボン酸無水物及び/又は六員環無水物(グルタル
酸無水物)単位、六員環イミド単位を有するものを云
う。ここでいうアルキルメタクリレートは炭素数1〜4
のアルキル基を有するものをいう。
【0015】低吸湿性アクリル樹脂は、例えば特開昭5
8−113214号公報、特開昭59−227909号
公報などに示されているメチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、C8-20脂環式メタクリレー
ト、C3-8 アルキルメタクリレート、モノアルケニル芳
香族単量体、アルキルアクリレートなどの共重合体であ
り、アクリル樹脂の吸湿性を改良したものである。
【0016】本発明で積層部に用いるメタクリル系樹脂
(B)と基板部に用いるメタクリル系樹脂とは同一のも
のでも良く、異なっていても良い。本発明の積層部に用
いる該永久帯電防止性樹脂組成物中のポリエーテルエス
テルアミド(A)の配合量は3〜40重量%、好ましく
は5〜25重量%である。3重量%未満では帯電防止性
が劣り、40重量%を越える量では機械的特性、表面硬
度が低下するので好ましくない。
【0017】本発明においては、帯電防止効果を更に発
揮させるために、スルホン酸及び有機リン酸の金属塩の
添加が有効である。その具体例としては、p−トルエン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルジ
フェニルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン
酸、ナフタリンスルホン酸とホルマリンの縮合物などの
芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩及びステアリン酸、ラウリル酸、ポリアクリル酸な
どの有機カルボン酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフ
ェニルなどのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を
挙げることができる。これらの中でナトリウム塩及びカ
リウム塩が特に好適である。
【0018】該成分の配合量は、前記ポリエーテルエス
テルアミド(A)及びメタクリル系樹脂(B)成分の合
計量100重量部に対して0.1〜5重量部が好まし
く、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。0.1
重量部未満ではその使用効果が十分に発揮されず、5重
量部を越えると成形時に成形品表面に肌荒れが生じた
り、着色したりするので好ましくない。
【0019】本発明では基板部に積層される積層部の厚
みが重要であり、本発明者らは当該厚みが5〜500μ
mであれば帯電防止性能を有する積層シートを得ること
ができることを確認したが、好ましくは10〜300μ
mである。厚さは最小必要厚さでよいが、一般には30
〜200μmの積層部を有する積層シートとして利用し
うる。好ましくは積層シート全体で積層厚みが30%以
内が物性の低下も少なく良い(両面に積層する場合は、
両面の積層部の厚みの合計が全体の積層シートの厚みの
30%以内。)。
【0020】本発明の積層部及び/又は基板部には、そ
の物性を損なわない範囲において他の成分、例えば無機
系光拡散剤、有機系光拡散剤、顔料、染料、補強剤、充
填剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、他の重合体などを混練過程
や成形過程などの任意の過程において含有させることが
できる。
【0021】本発明で前記したように、ポリエーテルエ
ステルアミド(A)を含んだメタクリル系樹脂組成物を
共押出の方法で積層させた場合、積層シート化の時間と
共に押出機出口のポリッシングロールが白く曇りはじめ
る。更に時間がたつとこのロール汚れが増加し、その為
に押出シートとロールの密着性不良の発生や、シートが
透明板の場合はシート汚れが転写され、良好な透明板を
得ることができない。この問題について各種検討した結
果、この汚れはポリエーテルエステルアミド(A)成分
と同様の化学構造を持つもので、ポリエーテルエステル
アミドの低分子量体又はその熱分解物がロールに付着し
て白化することがわかった。更に検討の結果、このロー
ル汚れはポリッシングロールを通常のロール温度である
100〜120℃前後の温度から下げて、50〜80℃
にすることで明らかに改良されることが確認され、これ
によりそれまで長期連続生産が不可能であったものを可
能なものとすることができた。
【0022】この温度が50℃より低い場合はシートが
冷えすぎてロールタッチ不良や板の反りが発生し、また
80℃より高い場合はシートの汚れが出てきて好ましく
ない。より好ましい温度範囲は60〜70℃である。押
出シートをつくる場合、押出機出口のポリッシングロー
ルの温度は、シートのそり、ロールとの密着性のために
100℃前後のものであるが、本発明の場合は常識外の
条件、すなわち、50〜80℃にすることによってはじ
めて問題を解決することができた。本発明では補助的に
シートの反り等を防止するために外部から遠赤外線によ
る加熱装置を用いてシートを加熱することもできる。
【0023】共押出は、通常の押出機を2台以上使う。
基板部は40mmφ、60mmφ、90mmφ等の押出
機で、また積層部はそれよりも小さい20mmφ、30
mmφ、45mmφの押出機を用いる。積層部に用いる
帯電防止性樹脂組成物は前記するポリエーテルエステル
アミド(A)を予めブレンダー等を使ってメタクリル系
樹脂(B)中に混合し均一化させ、その後押出機でペレ
タイズしたものを用いる。なお、本発明の積層シートの
製造方法はシートと同様にフィルムにも適用できる。
【0024】積層シート及び積層フィルムの積層部及び
基板部の厚みのコントロールは、シートの場合は2台以
上の押出機の押出量と押出機出口にあるポリッシングロ
ールのロールクリアランスで行い、フィルムの場合は2
台以上の押出機の押出量と押出機出口の引き取りロール
のロール速度で調整できる。また、積層シートを作成す
る場合、いわゆる積層部と基板部の流動性を合わせるこ
とが大事であるが、これは具体的には押出機の温度を調
整することで実施することができる。
【0025】積層シートの積層部及び全体層の厚みは押
出機の押出量でほぼ定量できるが、厚みが1mm以上の
場合はノギスで計り、厚みが1mm以下の場合はシート
断面を微分干渉顕微鏡又は市販の膜厚計(例えばビック
・マリンクロット社(西ドイツ)製PIG Unive
rsal(ドライフィルム用膜厚計))で測定したり、
更に小さいときは電子顕微鏡でも見ることができる。積
層部と基板部の界面を明確にし、また積層部厚みの測定
を容易にするために積層部樹脂に予め染料等の着色剤を
微量混合させておくことは都合がよい。
【0026】
【実施例】以下、実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試験
方法は次の通りである。 (1)表面抵抗の測定:JIS K 6911に準じて
東亜電波工業社製のSM−10型極超絶縁計を用いて評
価し、試験片表面の二つの電極間に付加した直流電圧を
表面層を通して流れる電流で除した数値で表示した。測
定はサンプル作成1日後に行った。 (2)灰付着テスト:サンプルを10回摩擦後タバコの
灰から2cmの高さに置いて、灰の付着状況を目視で観
察した。結果で◎印は付着なし、○印はわずかに付着、
×印は付着大を表す。 (3)ロール汚れの評価:ポリッシングロールの汚れ
は、シート化運転時間30分後及び5時間後のロールの
汚れ(白化)を目視で評価した。結果で、○印は白化な
し、△印はわずかに白化する、×印は白化大を表す。
【0027】
【合成例1】 ポリエーテルエステルアミドの調製: A−1:カプロラクタム26重量部、数平均分子量が1
000のポリエチレングリコール73重量部及びアジピ
ン酸9重量部を酸化防止剤(商品名 イルガノックス1
010、チバガイギー社製)0.15重量部及び三酸化
アンチモン触媒0.15重量部と共にヘルカルリボン撹
拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換して240℃
で60分間加熱撹拌して透明な均質溶液としたあと、2
60℃、0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、透
明なポリマーを得た。このポリマーを冷却ベルト上にガ
ット状に吐出し、ペレタイズすることによってペレット
状のポリエーテルエステルアミド(A−1)を調製し
た。
【0028】A−2:ナイロン6・6塩(AH塩)28
重量部、数平均分子量600のポリエチレングリコール
70重量部及びアジピン酸8重量部を用い、重合時間を
4時間にした以外は、(A−1)と全く同じ方法でポリ
エーテルエステルアミド(A−2)を調製した。積層部
に使用する帯電防止性樹脂組成物は、メタクリル系樹脂
としてメチルメタクリレートとメチルアクリレートの共
重合体(旭化成工業(株)製 デルペット(商標名)8
0N)及び少量のデルペット80N色ペレット(色番号
33140)を用いて、表1で示した配合比でポリエー
テルエステルアミド及びドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(DBS)と混合し、安定剤として、ヒンダー
ドフェノール系安定剤(商品名 サノールLS770、
チバガイギー社製)0.3重量部、熱安定剤(商品名
ホスファイト168、チバガイギー社製)0.2部をタ
ンブラーを用いてブレンド後、ベント付き押出機40m
mφで樹脂温度250℃で溶融混練し、ペレタイズし
た。
【0029】
【実施例1】上記の帯電防止性樹脂組成物のペレットを
積層部用原料として直径20mm,L/D=32の押出
機を用い、一方基板部にはメチルメタクリレートとメチ
ルアクリレートの共重合体(旭化成工業(株)製 デル
ペット(商標名)80N)を直径40mm、L/D=3
2の押出機を用いて共押出を行った。ポリッシングロー
ルの温度は、上、中、下ロール三本とも70℃にして、
ダイスは2種2層のフィードブロック式、リップ開度は
3.0mmで押出機温度は265℃で行った。積層シー
トの厚みはポリッシングロールのクリアランスで2.0
mmを目標に調整し、積層部の厚みは押出機の押出量で
調整を行った。このようにしてシート幅50cmのシー
トを作成し、シート化時間30分後及び5時間後のロー
ル汚れを観察した結果、いずれもロール汚れは殆ど見ら
れなかった。得られたシートの基板部及び積層部の厚み
はそれぞれ2.0mm及び50μmであった。このサン
プルの帯電防止性能は前記の方法で評価を行ったとこ
ろ、表面抵抗は1×1011であり、2cmの高さからの
灰付着テストでは灰の付着はなかった。結果を表1に示
す。
【0030】
【実施例2〜6及び比較例1〜3】押出機の押出量を変
えて積層部の厚みを変えたもの、ポリエーテルエステル
アミドを(A−2)に変えたもの、また、ポリエーテル
エステルアミドの濃度を変えたもの、DBSの添加の有
無、更に比較例としてポリッシングロールの温度を変え
たものについて実施例1と同様に積層シート化を行っ
た。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の帯電防止性に優れた積層シート
の製造方法により、運転時のロール汚れの発生もなく長
時間安定して、しかも安価に、優れた帯電防止性能を有
するシートを得ることができるため、例えば照明カバ
ー、銘板、ディスプレイ、メーターカバー等をはじめと
して、エレクトロニクス製品、OA機器等の各種部品、
各種表示板、看板等の静電気を防止しうる材料として好
適に用いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル系樹脂の片面又は両面に、ポ
    リエーテルエステルアミド(A)3〜40重量%とメタ
    クリル系樹脂(B)97〜60重量%からなる樹脂組成
    物を5〜500μmの厚さで積層させたシートを製造す
    るに際して、ポリッシングロールの温度を50〜80℃
    にすることを特徴とする帯電防止性メタクリル系樹脂積
    層シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエーテルエステルアミド(A)3〜
    40重量%とメタクリル系樹脂(B)97〜60重量%
    からなる樹脂組成物に、更にポリエーテルエステルアミ
    ド(A)とメタクリル系樹脂(B)成分の合計重量10
    0重量部に対して有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の
    中から選ばれた少なくとも一種の化合物(C)を0.1
    〜5重量部含有させた樹脂組成物を用いる請求項1記載
    の帯電防止性メタクリル系樹脂積層シートの製造方法。
JP6218515A 1994-09-13 1994-09-13 帯電防止性メタクリル系樹脂積層シートの製造方法 Withdrawn JPH0880599A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1967359A2 (en) 2007-02-15 2008-09-10 JSP Corporation Antistatic multilayer sheet and production method thereof
JP2010042598A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Jsp Corp 帯電防止性多層シートの製造方法

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EP1967359A2 (en) 2007-02-15 2008-09-10 JSP Corporation Antistatic multilayer sheet and production method thereof
JP2010042598A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Jsp Corp 帯電防止性多層シートの製造方法

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