JP2605771B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2605771B2
JP2605771B2 JP62336300A JP33630087A JP2605771B2 JP 2605771 B2 JP2605771 B2 JP 2605771B2 JP 62336300 A JP62336300 A JP 62336300A JP 33630087 A JP33630087 A JP 33630087A JP 2605771 B2 JP2605771 B2 JP 2605771B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は永久帯電防止性を有し、かつ耐衝撃性に代表
される機械的特性および耐熱性が均衡して優れ、かつ成
形品の層状剥離(千枚めくれ)のない制電性樹脂組成物
に関するものである。
[従来の技術] 熱可塑性ポリエステルは機械的性質、電気的特性、耐
熱性などが優れているため、各種の機械部品、電気機械
部品などの用途に広く使用されている。熱可塑性ポリエ
ステルはこれらの優れた特性を備えている反面、体積固
有抵抗や表面固有抵抗が高く、摩擦などにより容易に帯
電し、ホコリを付着させ易く、静電気障害を生じ易いな
どの欠点を有している。このため、複写機、プリンター
などの電子、電気機械部品などの帯電防止性を必要とす
る用途には使用が制限されている。
ポリエステルの制電性を向上させる方法としてはポリ
エステルにポリエーテルエステル(特開昭56−159245号
公報)、ポリエーテルエステルアミド(米国特許第4309
518号明細書、特開昭61−183352号公報)、ポリエーテ
ルアミド(特開昭57−5748号公報)などの高分子材料を
配合することが提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、特開昭56−159245号公報による制電性
樹脂は帯電防止性効果が不十分である。また、米国特許
第4309518号明細書、特開昭61−183352号公報および特
開昭57−5748号公報による制電性樹脂は耐衝撃性が劣
り、かつ成形品が層状剥離を起こすなどの欠点があり、
満足できる組成物を得ることができない。
よって、本発明は永久帯電防止性を有し、かつ耐衝撃
性に代表される機械的特性および耐熱性が均衡して優
れ、かつ成形品の層状剥離のない制電性樹脂組成物を提
供することを課題とする。
[問題点を解決するための手段] 上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記課題を
解決するためには、ポリアミドエラストマと芳香族ポリ
エステルに特定の官能基を含有する変性ビニル系重合体
を配合することが重要であることを見出し本発明に到達
した。
すなわち本発明は、 (A)ポリエーテルエステルまたはポリエーテル成分を
10〜90重量%含有するポリアミドエラストマ1〜50重量
部 (B)芳香族ポリエステル1〜98重量部 (C)カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、置換ア
ミノ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有する
変性ビニル系重合体0.1〜50重量部および (D)ゴムグラフト(共)重合体0〜97重量部を(A)
+(B)+(C)+(D)が100重量部となるように配
合し、かつ全体に占めるゴム質重合体の量が40重量%以
下である熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明における(A)ポリアミドエラストマとして
は、例えば(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールとの反応から得られるブ
ロックまたはグラフト共重合体などが挙げられる。
(a)ポリアミド形成成分としては具体的には、ω−ア
ミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカ
プリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン
酸および11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸などのアミノカルボン酸あるいはカプロラクタム、エ
ナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロラクタ
ムなどのラクタムおよびヘキサメチレンジアミン−アジ
ピン酸塩、ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸塩およ
びヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのジア
ミン−ジカルボン酸の塩が挙げられ、特にカプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン−
アジピン酸塩が好ましく用いられる。
本発明で好ましく用いられる(b)ポリ(アルキレン
オキシド)グリコールの例としては、ポリ(エチレンオ
キシド)グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはラ
ンダム共重合体およびエチレンオキシドとテトラヒドロ
フランのブロックまたはランダム共重合体などが用いら
れる。これらの中でも、帯電防止性が優れる点で、特に
ポリ(エチレンオキシド)グリコールが好ましく用いら
れる。この場合ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
の数平均分子量は200〜6000、特に400〜4000の範囲が好
ましい。
更に、(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
と組合せて次式(I)〜(III)で示されるジオール化
合物を用いることができる。
(ただし式中、R1,R2は、エチレンオキシド基および
プロピレンオキシド基の少なくとも1を示し、Yは共有
結合、炭素数1〜6のアルキレン基、アルキリデン基、
シクロアルキリデン基、アリールアルキリデン基、O、
SO、SO2、CS、S、CF2、C(CF3またはNHを示
す。) 具体的な例としてはビスフェノールAのエチレンオキ
シド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付
加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物、ビ
スフェノールSのプロピレンオキシド付加物、臭素化ビ
スフェノールAのエチレンオキシド付加物、臭素化ビス
フェノールAのプロピレンオキシド付加物等のビスフェ
ノール類のエチレンオキシドおよび/またはプロピレン
オキシド付加物、4,4′−ジヒドロキシベンゾフィノン
のエチレンオキシド付加物、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾンフィノンのプロピレンオキシド付加物、ハイドロキ
ノンのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキ
シド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキシ
ドおよび/またはプロピレンオキシド付加物およびそれ
らのブロック(共)重合体、4,4′−(ヒドロキシ)ビ
フェニルのエチレンオキシド付加物、4,4′−ビス(ヒ
ドロキシ)ビフェニルのプロピレンオキシド付加物、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドのエチレンオ
キシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィドのプロピレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホキシドのエチレンオキシド付加物、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドのプロピ
レンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタンのエチレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタンのプロピレンオキシド付加物、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのエチレンオキシ
ド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルの
プロピレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)アミンのエチレンオキシド付加物、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)アミンのプロピレンオキシド付加
物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのエ
チレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンのプロピレンオキシド付加物、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのエチレ
ンオキシド付加物、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサンのプロピレンオキシド付加物等のビスフェ
ノール類を挙げることができる。
好ましいジオール化合物としては、ハイドロキノンの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、臭素化ビスフェノールAのエチレンオ
キシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付
加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキシド付加
物およびそのブロック重合体であり、特にビスフェノー
ルAのエチレンオキシド付加物およびそのブロック共重
合体が好ましい。また、臭素化ビスフェノールAのエチ
レンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールSのエチレ
ンオキシド付加物などを用いることにより、樹脂組成物
の難燃性を向上させることができる。
これらのポリ(アルキレンオキシド)グリコールと一
般式(I)〜(III)で示されるジオール化合物は1種
もしくは必要に応じて2種以上用いることができる。
一般式(I)〜(III)で示されるジオール化合物の
量について特に制限はないが、ジカルボン酸と共重合し
て得られたポリエーテルエステル単位で0〜60重量%範
囲であるのが好ましい。
また本発明の効果を損なわない範囲内において、他の
ジオール化合物を共重合することができる。具体的に
は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキ
サンジオールなどの脂肪族ジオール、p−キシリレング
リコール、m−キシリレングリコールなどの芳香族ジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメ
タノールなどの脂環族ジオール化合物などを共重合する
ことができる。
本発明のポリアミドエラストマの反応の例としては、
(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールは(b)ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールの末端基に応じてエステル反応またはア
ミド反応が考えられる。
また、反応に応じてジカルボン酸やジアミンなどの第
3成分(c)を用いることもできる。
この場合、ジカルボン酸成分としては、炭素原子数4
〜20のものが好ましく用いられ、具体的にはテレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムのごとき
芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸およびジシクロ
ヘキシル−4,4′−ジカルボン酸のごとき脂環族ジカル
ボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシ
ン酸およびドデカン酸(デカンジカルボン酸)のごとき
脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特にテレフタル
酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、セバシン酸、アジピン酸およびドガカンジ酸が重合
性、色調および物性の点から好ましく用いられる。
ジアミン成分としては例えば芳香族、脂環族、脂肪族
ジアミンが挙げられる。その中で脂肪族ジアミンのヘキ
サメチレンジアミンが経済的な理由から好ましく用いら
れる。
ポリエーテルエステルまたはポリエーテル成分は、ポ
リアミドエラストマの構成単位で90〜10重量%範囲で用
いられ、90重量%を越える場合は、ポリアミドエラスト
マの機械的特性が劣り、10重量%未満では樹脂の帯電防
止性が劣り好ましくない。
(A)ポリアミドエラストマの製法に関しては特に限
定されず、例えば特開昭56−65026号公報、特開昭60−1
77022号公報などに開示されている方法を利用すること
ができる。
本発明において用いる(B)芳香族ポリエステルは、
芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳
香族ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導
体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)
とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないし
は共重合体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン
酸、3,3′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジ
カルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン
酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラ
センジカルボン酸、4,4′−p−ターフェニレンジカル
ボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸などがあり、テレ
フタル酸が好ましく使用できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して使
用してもよい。なお少量であれば、これらの芳香族ジカ
ルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジ酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を一種以
上混合使用することができる。
また、ジオール成分としてはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオールなど、およ
びそれらの混合物などが使用される。
具体的な芳香族ポリエステルとしてはポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン
−4,4′−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレ
ンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート/デカンジカルボキシレートなどのような共重合ポ
リエステルが挙げられる。これらのうち、機械的性質、
成形性などのバランスのとれたポリブチレンテレフタレ
ートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましく用い
られる。芳香族ポリエステル(B)の製造法は特に制限
がなく、公知の製造法を用いることができる。
本発明において用いる(C)カルボキシル基、エポキ
シ基、アミノ基、置換アミノ基から選ばれた少なくとも
1種の官能基を含有する変性ビニル系重合体(以下、変
性ビニル系重合体と略称する)とは1種または2種以上
のビニル系単量体を重合または共重合して得られる構造
を有し、かつ分子中にカルボキシル基、エポキシ基およ
びアミノ基または置換アミノ基よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する重合体である。これら
の官能基の含有量に関しては、ごく少量でもよく、また
樹脂としての性能を損なわない限り、多量に含むことも
可能である。
通常は、変性ビニル系重合体の1分子中に実質的に平
均1種以上の上記官能基を含有すれば本発明の効果が効
果的に発現される。(C)変性ビニル系重合体中にカル
ボキシル基を導入する方法は特に制限はないが、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フタル酸およびイタコン酸などのカルボキシル基または
無水カルボキシル基を有するビニル系単量体を所定のビ
ニル系単量体と共重合する方法、γ,γ′−アゾビス
(γ−シアノバレイン酸)、α,α′−アゾビス(α−
シアノエチル−p−安息香酸)および過酸化サクシン酸
などのカルボキシル基を有する重合開始剤および/また
はチオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸、β
−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプト−イソ酪酸
および2,3または4−メルカプト安息香酸などのカルボ
キシル基を有する重合度調節剤を用いて、所定のビニル
系単量体を(共)重合する方法およびメタクリル酸メ
チルやアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル系の(共)重合体をアルカリによってケン化する方
法などを用いることができる。
エポキシ基を導入する方法についても特に制限はな
い、例えば次式(IV) (式中、R3は水素原子、低級アルキル基あるいはグリ
シジルエステル基で置換された低級アルキル基である)
で示され、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸
グリシジルなどを所定のビニル系単量体と共重合する方
法などを用いることができる。
また、アミノ基または置換アミノ基を導入する方法に
ついても特に制限はないが、例えば次式(V) (ただし、式中R4は水素、メチル基、エチル基を表わ
し、R5は水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原
子数2〜12のアルカノイル基、炭素原子数6〜12のフェ
ニル基あるいはシクロアルキル基またはそれらの誘導体
類を示す。)で表わされるアミノ基または置換アミノ基
の少なくとも1種の官能基を有するビニル系単量体を所
定のビニル系単量体と共重合する方法、前記(V)で
表わされるアミノ基、置換アミノ基およびそれらの鉱酸
塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有
する連鎖移動剤および/または開始剤を用いて所定のビ
ニル系単量体を(共)重合する方法などを用いることが
できる。
ここでアミノ基または置換アミノ基の少なくとも1種
の官能基を有するビニル系単量体の具体例としてはアク
リル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノメチ
ル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸エ
チルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチ
ルおよびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等の
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘
導体類、N−ビニルジエチルアミンおよびN−アセチル
ビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類、アリルア
ミン、メタアリルアミンおよびN−メチルアリルアミン
などのアリルアミン系誘導体類、アクリルアミド、メタ
クリルアミドおよびN−メチルアクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド系誘導体およびp−アミノスチ
レンなどのアミノスチレン類などが挙げられる。
また、上記の官能基を有する連鎖移動剤の具体例とし
ては、メルカプトメチルアミン、β−メルカプトエチル
アミン、γ−メルカプトプロピルアミン、N−(β−メ
ルカプトエチル)−N−メチルアミン、N−(β−メル
カプトエチル)−N−フェニルアミン、N−(β−メル
カプトエチル)−N−シクロヘキシルアミン、ビス−
(4−アミノフェニル)ジサルファイド、ビス−(2−
アミノフェニル)ジサルファイド、ビス−(3−アミノ
フェニル)ジサルファイド、p−メルカプトアニリン、
o−メルカプトアニリン、m−メルカプトアニリンおよ
びこれらの塩酸塩などが挙げられ、開始剤の具体例とし
てはα,α′−アゾビス(γ−アミノ−α,γ−ジメチ
ルバレロニトリル)、α,α′−アゾビス(γ−メチル
アミノ−α,γ−ジメチルバレロニトリル)、α,α′
−アゾビス(γ−エチルアミノ−α,γ−ジメチルバレ
ロニトリル)、α,α′−アゾビス(γ−ジメチルアミ
ノ−α,γ−ジメチルバレロニトリル)、およびp−ア
ミノベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
(C)変性ビニル系重合体の重合に用いられるビニル
系単量体については特に制限はなく、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族
ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどのシアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレ
イミドなどのマレイミド系単量体、エチレン、プロピレ
ンなどのオレフィン系単量体および塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、ブタジエンなどのビニル系単量体から1種または
2種以上を目的に合せて選んで用いることができる。特
に、スチレン等の芳香族ビニル系単量体、メタクリル酸
メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アク
リロニトリル等のシアン化ビニル系単量体の使用が得ら
れる樹脂組成物の機械的性質が優れる点で好ましく用い
られる。
なお、必要によってはポリブタジエン、アクリロニト
リル/ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン/ブタジ
エン共重合体(SBR)、ポリアクリル酸ブチルおよびエ
チレン/プロピレン/ジエン系ゴム(EPDM)などのゴム
状重合体を上記のビニル系単量体と合せて用いることも
できる。
また、官能基の導入方法は上記の種々の方法を任意に
組合せて用いることもできる。
(C)変性ビニル系重合体の製造法にも特に制限はな
く、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法、塊状−懸濁重合法などの通常の方法を用いることが
できる。
本発明では一層の性能向上のために、更に(D)ゴム
グラフト(共)重合体を配合することができる。
本発明において用いる(D)ゴムグラフト(共)重合
体とは(d1)ゴム質重合体に(d2)芳香族ビニル系単量
体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体
からなる単量体または単量体混合物、または芳香族ビニ
ル系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル
系単量体とシアン化ビニル系単量体からなる単量体混合
物をグラフト(共)重合したものである。
本発明で用いる(d1)ゴム質重合体としては、ガラス
転移温度が0℃以下のものが好適であり、具体的にはポ
リブタジエン、ポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリ
ロニトリル−ブタジエン等のジエン系ゴム、ポリイソプ
レン、ポリクロロプレン、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエン系モ
ノマ三元共重合体等のゴム質重合体を使用できる。
特にポリブタジエンまたはブタジエン共重合体が好ま
しい。
芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、o−
またはp−ジクロロスチレンなどが挙げられるが、特に
スチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてはアクリ
ル酸およびメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、
n−ブチル、i−ブチルおよびグリシジルなどが挙げら
れるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。
また、シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなど
が挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。
また必要に応じて、他のビニル系単量体、例えばマレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ドなどのマレイミド系単量体などを使用することもでき
る。
(D)ゴムグラフト(共)重合体において用いる(d
2)の単量体または単量体混合物は、芳香族ビニル系単
量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量
体のみでも十分な物性が得られるが、更にシアン化ビニ
ル系単量体を含有させることにより、顕著に耐衝撃性が
向上する。芳香族ビニル系単量体および/または(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体とシアン化ビニル系単
量体からなる単量体または単量体混合物の混合比は、芳
香族ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸
エステル系単量体100〜40重量%、好ましくは100〜50重
量%、シアン化ビニル系単量体0〜60重量%、好ましく
は0〜50重量%である。
シアン化ビニル系単量体の割合が60重量%を越える場
合は、グラフト(共)重合体の熱安定性が著しく低下
し、色調の悪い成形品となるため好ましくない。
(D)ゴムグラフト(共)重合体におけるゴム質重合
体および単量体または単量体混合物の割合は、全グラフ
ト(共)重合体100重量部中、ゴム質重合体1〜80重量
部、好ましくは5〜70重量部、単量体または単量体混合
物が99〜20重量部、好ましくは95〜30重量部である。
この(D)ゴムグラフト(共)重合体におけるゴム質
重合体の割合が1重量部未満では得られる樹脂組成物の
耐衝撃性が劣り、80重量部を越える場合は、ゴム質重合
体が分散不良となり、成形品の外観を損なうため好まし
くない。
(D)ゴムグラフト(共)重合体は公知の重合法、例
えばゴム質重合体ラテックスの存在下に単量体または単
量体混合物と重合開始剤を連続的に供給して乳化重合す
る方法などによって得ることができる。
本発明において(D)ゴムグラフト(共)重合体は、
樹脂中のゴム質重合体を希釈する目的でその一部を他の
(共)重合体に置き変えることができる。その際、本発
明の樹脂組成物中に占めるゴム質重合体の量が40重量%
以下であることが必要である。
(B)グラフト(共)重合体の一部を置換しうる
(共)重合体としては、例えばスチレン−アクリロニト
リル共重合体、α−メチルスチレン−アクリロニトリル
共重合体、α−メチルスチレン−スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、α−メチルスチレン−メタクリル酸メ
チル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、スチレン−N−フェニルマ
レイミド−アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、α−メチルスチレ
ン−N−フェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合
体、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルなどが挙げ
られる。
好ましく挙げることができるのは、芳香族ビニル系単
量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量
体からなる(共)重合体、芳香族ビニル系単量体および
/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体とシアン
化ビニル系単量体からなる共重合体、芳香族ビニル系単
量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量
体とシアン化ビニル系単量体およびマレイミド系単量体
からなる共重合体などである。
特に芳香族ビニル系単量体および/または(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体100〜40重量%、好ましくは1
00〜50重量%、シアン化ビニル系単量体0〜60重量%、
好ましくは0〜50重量%からなる(共)重合体を最も好
ましく挙げることができる。
この(共)重合体においては芳香族ビニル系単量体お
よび/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の割
合が少な過ぎるとポリエーテルエステルアミドとの親和
性が悪くなり、層状剥離を起こす傾向があるため、40重
量%以上で用いるのが好ましい。かくして得られた重合
体は(A)ポリアミドエラストマ1〜50重量部、好まし
くは5〜30重量部、(B)芳香族ポリエステル1〜98重
量部、好ましくは20〜90重量部、(C)変性ビニル芸重
合体0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、および
(D)ゴムグラフト(共)重合体0〜97重量部、好まし
くは0〜90重量部の範囲で(A)+(B)+(C)+
(D)が100重量部となるように配合する。
(A)ポリアミドエラストマが1重量部未満では樹脂
組成物の帯電防止性が不足し、50重量部を越える場合、
樹脂組成物が柔軟になり、機械的性質が劣るため好まし
くない。
(B)芳香族ポリエステルが1重量部未満では樹脂組
成物の耐熱性が劣り、98重量部を越える場合、樹脂組成
物の帯電防止性が悪くなるため好ましくない。
また、(C)変性ビニル系重合体が0.1重量部未満で
は樹脂組成物が層状剥離を起すため使用できず、50重量
部を越える場合、成形品の表面光沢が著しく悪くなり好
ましくない。
また、本発明の樹脂組成物はゴムグラフト(共)重合
体を使用する場合、樹脂組成物中にゴム質重合体(d1)
を40重量%以下含有させることができる。
ゴム質重合体の含有量が40重量%を越えると樹脂組成
物が柔軟になり、機械的性質が劣るので好ましくない。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては、特に制限
はなく、例えば(A)ポリアミドエラストマ、(B)芳
香族ポリエステル、(C)変性ビニル系重合体および
(D)ゴムグラフト(共)重合体の樹脂混合物をバンバ
リーミキサー、ロール、エクストルーダーなどで溶融混
練することによって製品化される。なお(D)において
ゴムグラフト(共)重合体のみを使用しない場合、グラ
フト(共)重合体の配合は独立でもよいし、予め混合し
ておいてもよく、特に制限されない。
本発明の樹脂組成物は本発明の樹脂組成物と相溶性の
ある他の熱可塑性重合体、例えばポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリグルタルイミ
ド、カルボキシル基またはエポキシ基を含有するポリオ
レフィン共重合体、水素添加および/または水素未添加
のスチレン−ブタジエンブロック共重合体などのエラス
トマなどを混合して、成形用樹脂としての性能を改良す
ることができる。またスルホン酸の金属塩やアニオン
系、カチオン系、非イオン系の界面活性剤などの帯電防
止剤を添加して帯電防止性を一層向上させることも可能
であり、更に必要に応じてオリゴマなどの相溶化剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤などの各種安定剤や顔料、染
料、滑剤、および可塑剤、ガラス繊維、難燃剤などを添
加することもできる。
また、エポキシ基を含有する変性ビニル系重合体を使
用する場合、スルホン酸の金属塩、3級のアミンおよび
リン化合物を添加することにより、(A)成分と(B)
成分の相溶性を一層向上させることもできる。
[実 施 例] 本発明を更に具体的に説明するために、以下、実施例
および比較例を挙げて説明する。なお、最終的に得られ
た樹脂組成物は射出成形法によって成形されたのち、下
記の試験法により諸物性を測定した。
アイゾット衝撃強度:ASTM D256−56A 曲げ弾性率:ASTM D790 ビカット軟化温度:ASTM D2525−58T 体積固有抵抗値:2mm t×40mmφ円盤を用い、室温23℃、
湿度50%RH雰囲気下で測定した。測定には東亜電波工業
(株)製の超絶縁抵抗計SM−10型を用いた。
成形品の層状剥離防止性は成形品の折り曲げ観察によ
り行い、◎:極めて良好、○:良好、×:成形品が層状
剥離を起こす、を判定基準とした。
また、実施例中の部数および%は、それぞれ重量部お
よび重量%を示す。
参 考 例 (1) (A)ポリアミドエラストマの調製 A−1:カプロラクタム50部、数平均分子量が1000のポリ
エチレングリコール44.2部およびテレフタル酸7.6部を
“イルガノックス"1098(酸化防止剤、チバ・ガイギー
社製)0.2部および三酸化アンチモン触媒0.1部と共にヘ
リカルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置
換して260℃で60分間、加熱攪拌して透明の均質溶液と
した後、260℃、0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、粘
稠で透明なポリマを得た。
ポリマを冷却ベルト上にガット状に吐出し、ペレタイ
ズすることによって、ペレット状のポリアミドエラスト
マ(A−1)を調製した。
A−2:カプロラクタム40部、ビスフェノールAのエチレ
ンオキシド付加物(ニューポールBPE20、三洋化成工業
(株)製)7.16部、数平均分子量が1,000のポリエチレ
ングリコール44.2部およびテレフタル酸11.7部を“イル
ガノックス"1098 0.2部および三酸化アンチモン0.02部
とともにA−1で使用した反応容器に仕込み、窒素置換
して260℃で60分間加熱攪拌して透明な均質溶液とし
た。継いで減圧プログラムに従って、500mmHgまで減圧
して反応容器気相部の水分を除去した後、ジルコニウム
テトラブトキサイド0.08部を添加し、再び減圧プログラ
ムに従って減圧し、260℃、0.5mmHg以下の条件下で3時
間20分重合し、粘稠で透明なポリマーを得た。以降A−
1と同一の方法でペレット状のポリアミドエラストマ
(A−2)を調製した。
A−3:数平均分子量4,000のポリ(エチレンオキシド)
グリコールにアクリロニトリルを反応させ、更に水素添
加反応を行うことにより、両末端がアミノ基であるポリ
(エチレンオキシド)グリコールジアミンを得た。これ
とテレフタル酸とを常法により塩反応を行い、ポリ(エ
チレンオキシド)グリコールジアンモニウムテレフタレ
ートの40%水溶液を得た。濃縮装置に上記40%のポリ
(エチレンオキシド)グリコールジアンモニウムテレフ
タレート水溶液を200部、85%ε−カプロラクタム水溶
液を120部、40%ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
ート水溶液を16部投入し、常圧で内温が110℃になるま
で約2時間加熱し、80%濃度に濃縮した。続いて重合装
置に上記濃縮液を移行し、重合装置内に窒素を流しなが
ら加熱を開始した。
内温が120℃になった時点で、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ペンジル)ベンゼンを5.0部添加し、攪拌を開始して内
温が245℃になるまで昇温した。245℃で18時間加熱し重
合を完結させ、以降A−1と同一方法でペレット状のポ
リアミドエラストマ(A−3)を調製した。
(2) (B)芳香族ポリエステルの調製 B−1:オルトクロロフェノール(OCP)中25℃、0.5%濃
度で測定した相対粘度1.38のポリブチレンテレフタレー
ト(B−1)を使用した。
B−2:OCP中25℃、0.5%濃度で測定した相対粘度1.60の
ポリブチレンテレフタレート(B−2)を使用した。
(3) (C)変性ビニル系重合体の調製 C−1:スチレン70部、アクリロニトリル25部、メタクリ
ル酸5部を懸濁重合して変性ビニル系重合体(C−1)
を調製した。
得られた変性ビニル系重合体(C−1)は、メチルエ
チルケトン(MEK)中30℃、0.4%濃度で測定した極限粘
度(〔η〕)が0.61であった。
C−2:スチレン71部、アクリロニトリル28部、メタクリ
ル酸グリシジル1部を懸濁重合して、変性ビニル系重合
体(C−2)を調製した。
得られた変性ビニル系重合体(C−2)はC−1と同
一の方法で測定した〔η〕が0.56であった。
C−3:スチレン73部、アクリロニトリル25部、アクリル
アミド2部を乳化重合し、変性ビニル系重合体(C−
3)を調製した。
得られた変性ビニル系重合体(C−3)はC−1と同
一の方法で測定した〔η〕が0.51であった。
(4) (D)ゴムグラフト(共)重合体の調製 D−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲヴ含率80%)60部(固形分換算)の存在下にスチレン
72%、アクリロニトリル28%からなる単量体混合物40部
を乳化重合した。
得られたグラフト共重合体ラテックスは硫酸で凝固
し、苛性ソーダで中和、洗浄、過、乾燥してパウダー
状のグラフト共重合体(D−1)を調製した。
D−2:D−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下にメタクリル酸メチル72%、ス
チレン24%、アクリロニトリル4%からなる単量体混合
物60部を乳化重合した。
得られたグラフト共重合体ラテックスはD−1と同一
方法で処理し、パウダー状のグラフト共重合体(D−
2)を調製した。
(5) (d)(共)重合体の調製 d−1:スチレン75部、アクリロニトリル25部を懸濁重合
して、共重合体(d−1)を調製した。
d−2:スチレン50部、N−フェニルマレイミド30部、ア
クリロニトリル20部を乳化重合した。得られた共重合体
ラテックスは硫酸マグネシウムで凝固した後、高温で二
次凝集し、洗浄、過、乾燥してパウダー状の共重合体
(d−2)を調製した。
実施例1〜7 参考例で調製した(A)ポリアミドエラストマ、
(B)芳香族ポリエステル、(C)変性ビニル系重合体
および(D)ゴムグラフト(共)重合体を表1に示した
配合比で混合し、ベント付40mmφ押出機で樹脂温度250
℃で溶融混練、押出を行うことによってペレットを製造
した。
次いで射出成形機により、シリンダー温度250℃、金
型温度80℃で試験片を成形し、各物性を測定した。
体積固有抵抗値は、射出成形した圧さ2mmの円盤を用
い、次の条件で測定した。
(1) 成形直後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十分洗浄し
てから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃で24時間
調湿して測定した。
(2) 成形後50%RH、23℃中に200日放置した後、洗
剤“ママレモン”水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十分
洗浄してから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。
測定結果を表2に示した。
比較例1〜7 参考例で調製した(A)ポリアミドエラストマ、
(B)芳香族ポリエステル、および(C)変性ビニル系
重合体を表1に示した配合比で混合し、実施例1と同様
の方法で各物性を測定した。結果を表2に合せて示し
た。
表2の結果から次のことが明らかである。本発明の樹
脂組成物(実施例1〜7)はいずれも衝撃強度、曲げ弾
性率に代表される機械的性質と耐熱性が均衡して優れ、
かつ低い体積固有抵抗値を有している。しかも表面洗浄
や経時変化によっても抵抗値はほとんど変化せず、優れ
た永久帯電防止性を発揮する。
すなわち、本発明の樹脂組成物は優れた機械的性質と
耐熱性および永久帯電防止性を兼備する。
一方、ポリアミドエラストマ(A)の配合量が1重量
部未満の場合(比較例1)は帯電防止性(抵抗値)が劣
り、ポリアミドエラストマ(A)が50重量部を越える場
合(比較例2)は耐熱性と曲げ弾性率が劣る。芳香族ポ
リエステル(B)の配合量が1重量部未満の場合(比較
例3)は耐熱性が劣り、芳香族ポリエステル(B)が98
重量部を越える場合(比較例4)は帯電防止性が劣る。
変性ビニル系重合体(C)の配合量が0.1重量部未満
の場合(比較例6)は成形品が層状剥離を起こし、変性
ビニル系重合体が50重量部を越える場合(比較例5)は
成形品の外観および帯電防止性が悪くなり、好ましくな
い。
組成物中にゴム質重合体(d1)の含有量が40重量部を
越える場合(比較例7)は曲げ弾性率および耐熱性が悪
くなるため好ましくない。
すなわち、本発明の樹脂組成物は優れた機械的性質と
耐熱性および永久帯電性防止性を兼備し、かつ成形品の
層状剥離が極めて良好な組成物である。
[発明の効果] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は特定の(A)、
(B)、(C)および(D)を特定量配合しているた
め、永久帯電防止性、耐衝撃性等の機械的特性および耐
熱性がともに優れ、かつ層状剥離のないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/12 LQS C08L 77/12 LQS (56)参考文献 特開 昭61−213256(JP,A) 特開 昭60−55054(JP,A) 特開 昭55−92759(JP,A) 特開 昭62−283146(JP,A) 特開 昭62−277462(JP,A) 特開 昭60−86163(JP,A) 特開 昭58−25356(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリエーテルエステルまたはポリエ
    ーテル成分を10〜90重量%含有するポリアミドエラスト
    マ1〜50重量部 (B)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
    チレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチ
    ルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
    ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよび
    1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれる少なく
    とも1種類のジオールから誘導される芳香族ポリエステ
    ル1〜98重量部 (C)カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、置換ア
    ミノ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有する
    変性ビニル系重合体0.1〜50重量部および (D)ゴムクラフト(共)重合体0〜97重量部を (A)+(B)+(C)+(D)が100重量部となるよ
    うに配合し、かつ全体に占めるゴム質重合体の量が40重
    量%以下である熱可塑性樹脂組成物。
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