JPH071682A - 耐候性の改良された帯電防止性アクリル系樹脂積層シート - Google Patents

耐候性の改良された帯電防止性アクリル系樹脂積層シート

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JPH071682A
JPH071682A JP15020293A JP15020293A JPH071682A JP H071682 A JPH071682 A JP H071682A JP 15020293 A JP15020293 A JP 15020293A JP 15020293 A JP15020293 A JP 15020293A JP H071682 A JPH071682 A JP H071682A
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acrylic resin
resin
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JP15020293A
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Hironori Suezawa
寛典 末澤
Satoru Tsuchiya
哲 土屋
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた永久帯電防止性能を有し、かつ、基材
が本来有している性能を保持した耐候性の改良されたア
クリル系樹脂積層シートを提供する。 【構成】 基材のアクリル系樹脂層[1]の片面又は両
面に、ポリエーテルエステルアミド(A)1〜35重量
%、アクリル系樹脂(B)99〜65重量%、及び、有
機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物(C)0〜5重量%からなる樹脂組
成物層[2]を5μm以上の厚さで積層し、樹脂組成物
層[2]の上にさらにアクリル系樹脂及び又はフッ化ビ
ニリデン系樹脂からなる樹脂層[3]を0.5〜30μ
mの厚さで積層させたことをを特徴とする耐候性の改良
された帯電防止性アクリル系樹脂積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久帯電防止性能を有
し、耐候性も良好で、かつ、基材が本来持つ性能を保持
した耐候性の改良された帯電防止性能に優れたアクリル
系樹脂積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料は、その優れた特性によって
広範囲な分野で利用されている。これらの材料に帯電防
止性能を付与できれば、さらに用途を拡大できる。例え
ば、OA機器銘板、自動車計器カバー、照明カバー、デ
ィスプレー、プロジェクションテレビ用スクリーン等の
用途に極めて有用である。
【0003】高分子材料の帯電防止性能を向上させる方
法として、例えば特開昭55−36237号公報、特開
昭56−120751号公報には、共役ジエン及び/又
はアクリル酸アルキルエステルとアルキレンオキサイド
基を有するビニル系単量体とを共重合して得られる親水
性ゴム状重合体にビニル系単量体又はビニリデン系単量
体をグラフト重合して得られた重合体が、実用の帯電防
止性能を有することが開示されている。又、特開平4−
71844号公報には、ポリエーテルエステルアミドを
配合した帯電防止性積層シートが開示されている。な
お、本発明に使用する帯電防止性能を有する組成物は特
開平5−78543号公報に示され、アクリル系樹脂に
ついて優れた帯電防止性能を有するものとして示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アク
リル系樹脂に優れた帯電防止性能を付与し、かつ、これ
らの樹脂が本来有する性質、例えば耐候性、強度、剛
性、光学特性、耐衝撃性等の性質を低下させることのな
い帯電防止性アクリル系樹脂積層シートを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、アクリル系樹脂の
片面又は両面に特定の厚みの帯電防止性能を有する樹脂
組成物層を設け、さらに、その樹脂組成物層の上にアク
リル系樹脂及び又はフッ化ビニリデン系樹脂からなる樹
脂層を特定の厚み以下で積層することにより、帯電防止
性能を保持したまま耐候性を改良できることを見出し、
本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、基材のアクリル系樹脂層
[1]の片面又は両面に、ポリエーテルエステルアミド
(A)1〜35重量%、アクリル系樹脂(B)99〜6
5重量%、及び、有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の
中から選ばれた少なくとも1種の化合物(C)0〜5重
量%からなる樹脂組成物層[2]を5μm以上の厚さで
積層し、樹脂組成物層[2]の上にさらにアクリル系樹
脂及び又はフッ化ビニリデン系樹脂からなる樹脂層
[3]を0.5〜30μmの厚さで積層させたことをを
特徴とする耐候性の改良された帯電防止性アクリル系樹
脂積層シートである。
【0007】本発明の積層部[2]に用いる帯電防止性
能を有する組成物は、特開平5−78543号公報に詳
細に示されているものが使用される。即ち、本発明で使
用されるポリエーテルエステルアミド(A)は、一般的
なポリエーテルエステルアミドであるが、好ましくは、
(a)少なくとも50重量%以上のカプロラクタムを含
有するポリアミド形成性モノマーと、(b)炭素数6〜
20のジカルボン酸、及び、(c)ポリオキシアルキレ
ングリコール及びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素の中か
ら選ばれた少なくとも1種のジオールからなり、該ジオ
ール類中のポリオキシエチレングリコールセグメントの
含有量が30〜99重量%であって、かつ数平均分子量
が200〜4000であるジオール類とを重縮合させて
得られるエラストマーであって、かつ(c)成分の含有
量が55〜75重量%、温度30℃における相対粘度が
1.5以上、及び、厚み1mmのヘイズ数が50%以下
の透明なエラストマーである。
【0008】このポリエーテルエステルアミド(A)の
構成成分である(a)成分のカプロラクタム以外のポリ
アミド形成性モノマーとしては、例えばラウリルラクタ
ム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメ
チレンジアミン−セバシン酸塩、ヘキサメチレンジアミ
ン−ドデカン二酸塩、ヘキサメチレンジアミン−イソフ
タル酸塩等が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0009】得られるエラストマーの透明性やアクリル
系樹脂との相溶性及び帯電防止性能を充分に発現させる
ためには、(a)成分中のカプロラクタムの含有量は5
0重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは7
0重量%以上である。ポリエーテルエステルアミド
(A)の他の構成成分である(b)成分の炭素数6〜2
0のジカルボン酸は脂肪族ジカルボン酸であってもよい
し、芳香族ジカルボン酸であってもよく、このようなも
のとしては、例えばアジピン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸等が挙げられ、これらは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この
(b)成分のジカルボン酸は、後で示す(c)成分のジ
オール類と実質上等モル使用することで、高分子量のエ
ラストマーが得られる。
【0010】ハードセグメントであるポリアミドは該エ
ラストマーの耐熱性、強度、硬度やアクリル系樹脂との
親和性に関係するものであり、エラストマー中での含有
量は25〜45重量%(即ち、(c)成分のジオール類
の含有量が55〜75重量%)の範囲であることが好ま
しく、更に好ましくは30〜40重量%である。この含
有量が25重量%未満では、アクリル系樹脂に混練した
場合の帯電防止性能が劣り、45重量%を超える場合に
は、アクリル系樹脂に混練した場合に親和性が劣り透明
性が低下する。
【0011】ポリエーテルエステルアミド(A)の他の
構成成分である(c)成分のジオール類のポリオキシア
ルキレングリコールとしては、例えばポリオキシエチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメ
チレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオ
キサイドとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0012】またα,ω−ジヒドロキシ炭化水素として
は、例えばオレフィンやブタジエンを重合して末端を水
酸基化し、かつその二重結合を水添して得られるポリオ
レフィングリコールや水添ポリブタジエングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
等が挙げられる。
【0013】上記のジオール類のうち、ポリオキシエチ
レングリコール以外のポリオキシアルキレングリコール
またはα,ω−ジヒドロキシ炭化水素は、得られるエラ
ストマーの親水性を調節する作用を有する。本発明にお
いてはジオール類中のポリオキシエチレングリコールセ
グメントの量が99〜30重量%であるように選択する
ことが好ましく、99〜50重量%が更に好ましい。9
9重量%を超える場合には、親水性の低下作用が不十分
てあり、30重量%未満の場合には透明なエラストマー
が得にくくなり、帯電防止性能の付与能力も小さくな
る。
【0014】該ジオール類は、それら全体の数平均分子
量が500〜4000が好ましく、更に好ましくは10
00〜3000である。数平均分子量が500未満で
は、エラストマーの融点が低下し、固化し難くなる。数
平均分子量が4000を越えると透明なエラストマーが
形成され難くなる。ポリエーテルエテステルアミド
(A)の製造方法については、均質で透明なエラストマ
ーが得られる方法であればよく、特に制限はないが、例
えば前記 (a)成分、(b)成分、及び、(c)成分
を、(b)成分と(c)成分とが実質的に等モルになる
ような割合で混合し、反応で生成する重合物中の水分
を、反応系中に窒素ガスを流すかあるいは700〜30
0トール程度に減圧することによって系外に除去しなが
ら、好ましくは150〜300℃、より好ましくは18
0〜280℃の範囲の温度において重合させる方法など
を用いることができる。脱水縮合させる際に反応温度を
段階的に昇温させることもできる。
【0015】この際、一部のカプロラクタムは未反応で
残るが、これは減圧下に留去して反応混合物から除くこ
とが好ましい。この未反応のカプロラクタムを除いた後
の反応混合物は、必要に応じて減圧下に、好ましくは2
00〜300℃、より好ましくは230〜280℃の範
囲の温度で後重合することによりさらに高重合させるこ
とができる。この後重合に際しては、チタニウムアルコ
キサイドやジルコニウムアルコキサイドなどの脱水縮合
触媒を用いると反応時間が短縮され、ポリマーの着色も
防止できるので有利である。これらの触媒は水が存在す
ると失活しやすいので、未反応カプロラクタムの留去と
共に反応系中の水を系外へ除去した後に添加するのが有
利である。このようにすることにより、短時間で高重合
度化することができ、着色度も極めて少ない透明なポリ
エーテルエステルアミドが得られる。
【0016】該反応方法では、脱水縮合の過程でエステ
ル化とアミド化を同時に起こさせることにより粗大相分
離することを防止し、これにより均質で透明なエラスト
マーが得られる。このエラストマーはアクリル系樹脂と
の親和性に優れ、アクリル系樹脂と混練した際に帯電防
止効果と機械的特性をもたらす。本発明で使用するポリ
エーテルエステルアミド(A)は、肉厚1mmでのヘイ
ズ数が50%以下であることが好ましく、更に好ましく
は40%以下である。また、0.5重量%/容量%のメ
タクレゾール溶液の30℃での相対粘度が1.5以上で
あることが好ましく、更に好ましくは1.6以上であ
る。
【0017】本発明の積層部[2]に用いる樹脂組成物
中のポリエーテルエステルアミド(A)の配合比は、1
〜35重量%、好ましくは5〜25重量%である。1重
量%未満では帯電防止性能が劣り、35重量%を超える
場合には機械的特性、特に水中浸漬後の曲げ弾性率が低
下するので好ましくない。本発明の積層部[2]、
[3]、及び基材部[1]に用いるアクリル系樹脂とし
ては、一般アクリル樹脂としてメチルメタクリレートを
主体とする樹脂が挙げられ、これにはメチルメタクリレ
ート単独重合体又はメチルメタクリレートとメチルアク
リレート、エチルアクリレート等のアルキルアクリレー
ト、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、ビニ
ルピリジン、ビニルモルホリン、ビニルピロリドン、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、エチレング
リコール(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート、無水マレイン酸、芳香族ビニル化合
物等の共重合可能な単量体のいずれか一つ以上との共重
合体、及び耐衝撃性アクリル樹脂、耐熱性アクリル樹
脂、低吸湿性アクリル樹脂等が含まれる。耐衝撃性アク
リル樹脂のゴム弾性体は、特開昭53−58554号公
報、特開昭55−94917号公報、特開昭61−32
346号公報等に開示されているが、簡単に説明する
と、アクリル系重合体芯材料の周りに弾性体層及び非弾
性体層を交互に生成させる多段逐次重合法によって製造
される多段重合体である。
【0018】更に詳しくは、メチルメタクリレートを主
成分とする重合体芯材料の周りにアルキルアクリレート
を主成分とする重合体弾性層及びメチルメタクリレート
を主成分とする非弾性層を交互に有するアクリル系多段
(多層)重合体であり、平均粒子径は0.06〜0.5
μmであることが望ましい。又、弾性層と非弾性層との
中間にメチルメタクリレートが徐々に増加するような中
間層を有するアクリル系多段(多層)重合体も有効であ
る。耐衝撃性アクリル樹脂中のこれら多段(多層)重合
体の割合は好ましくは3〜70重量%で、更に好ましく
は5〜50重量%である。
【0019】耐熱性アクリル樹脂はその一例が特公昭6
1−49325号公報に記載されている。低吸湿性アク
リル樹脂は、例えば特開昭58−113214号公報、
特開昭59−227909号公報、特開平1−1785
11号公報等に記載されているものである。本発明で積
層部[2]、[3]に用いるアクリル系樹脂と基材部
[1]に用いるアクリル系樹脂とは同一のものでも、上
記したものの中からの組合せでもよい。
【0020】本発明の積層部[2]に用いる樹脂組成物
中の有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から選ばれ
た少なくとも1種の化合物(C)の配合量は、0〜5重
量%であることが必要であり、好ましくは0.1〜4重
量%である。5重量%を超えて使用された場合には、成
形時に表面の肌荒れが生じたり、着色したりするため好
ましくない。
【0021】これらの例としては、p−トルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフ
タリンスルホン酸とホルマリンの縮合物等の芳香族スル
ホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、亜リ
ン酸ジフェニル、リン酸ジフェニル等のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩を挙げることができる。これら
の中でナトリウム塩及びカリウム塩が特に好適である。
【0022】本発明の樹脂層[3]に用いるフッ化ビニ
リデン系樹脂とは、フッ化ビニリデンのホモポリマー、
又は、フッ化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重
合体をいう。共重合可能な単量体としては、例えば、フ
ッ化ビニル、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン
等が挙げられる。また、アクリル系樹脂とのブレンド物
も使用できる。
【0023】本発明において、基材部[1]に積層され
る積層部[2]の厚みは5μm以上、好ましくは10μ
m以上である。5μm未満の場合には帯電防止性能に劣
る。厚みは必要最小限でよいが、一般には30〜200
μmの積層部[2]を有する積層シートとして利用しう
る。好ましくは、積層シート全体で積層部[2]の厚み
が30%以内が物性の低下も少なくてよい(両面積層の
場合は、両面の積層部[2]の厚みの合計が全体の厚み
の30%以内)。
【0024】本発明の積層シートにおいては、積層部
[2]の上にさらにアクリル系樹脂及び又はフッ化ビニ
リデン系樹脂からなる樹脂層[3]を0.5〜30μm
の厚みで、好ましくは1〜20μmの厚みで積層させる
ことが最も重要である。この厚みが0.5μm未満では
耐候性の改良効果が不十分であり、20μm以上の場合
には、帯電防止効果が低下し好ましくない。このよう
に、帯電防止性能を有する樹脂層[2]の上に帯電防止
性能の無い樹脂層[3]を積層した場合でも、樹脂層
[3]の厚みが特定の厚み以下であれば帯電防止効果が
保持されるということは驚くべきことである。
【0025】本発明の積層部及び又は基材部には、その
物性を損なわない範囲において、他の成分、例えば、無
機系光拡散剤、有機系光拡散剤、顔料、染料、補強剤、
充填剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、可塑剤、他の重合体等を、混練工程や成形
工程などの任意の工程において含有させることができ
る。
【0026】本発明の積層シート(フィルムも含む)を
得る方法としては、共押出(Coextrusion)
法、ラミネート法、コーティング法等が挙げられる。共
押出法は、積層時に各層の流動性を合わせ均一にするこ
とができるので、各層の密着性が良く成形歪みが類似に
なるなどの点で優れている。共押出は通常の押出機を2
台以上使用し、基材部は40mmφ、60mmφ、90
mmφ等の押出機で、又、積層部はそれよりも小さい2
0mmφ、30mmφ、45mmφ等の押出機を使用す
る。積層部に用いる帯電防止性能を有する樹脂組成物は
前記の帯電防止剤を予めブレンダー等を使用して樹脂中
に混合し均一化させ、その後、押出機でペレタイズした
ものを使用する。
【0027】ラミネート法の場合は、予め帯電防止剤を
混練した樹脂層とアクリル系樹脂及び又はフッ化ビニリ
デン系樹脂からなる樹脂層からなる積層フィルムを作製
しておき、積層シートは、このフィルムを押出機出口の
ポリッシングロール部で基材部シートと重ね合わせるこ
とにより得られる。この場合、重ね合わせ時の空気混入
防止と、ロール温度等による密着性向上等が技術上のポ
イントである。
【0028】コーティング法の場合は、予め、アクリル
系樹脂の基材部と帯電防止剤を混練した樹脂層からなる
積層シートを作製しておき、次にディッピング、ロール
コーティング、スプレーコーティング等の公知の方法に
よって、アクリル系樹脂及び又はフッ化ビニリデン系樹
脂をコーティングして得られる。積層シートの各積層部
及び全体の厚み、厚みが1mm以上の場合はノギスで計
り、1mm以下の場合はシート断面を微分干渉顕微鏡又
は市販の膜厚計で測定したり、さらに小さいときは電子
顕微鏡でも見ることができる。
【0029】なお、本発明の積層体は、シートと同様に
フィルムにも適用できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるも
のではない。なお、実施例、比較例で用いた評価及び試
験方法は下記の通りである。 (1)表面抵抗の測定 JIS−K6911に準じて、東亜電波工業社製SM−
10型極超絶縁計を使用し、試験片表面の二つの電極間
に印加した直流電圧を表面層を通して流れる電流で除し
た数値で表示した。測定はサンプル作製1日後に行っ
た。 (2)灰付着テスト サンプルを10回摩擦後、たばこの灰から2cmの高さ
において灰の付着状況を観察した。◎印は付着無し、○
印は僅かに付着、×印は付着大を表す。 (3)全光線透過率 JIS−K7105による光学的特性試験法により測定
した。 (4)耐候性 サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製サ
ンシャインスーパーロングライフウェザーメーター:W
EL−SUN−HC)で、63℃、雨有りの条件下で1
000時間暴露後の表面状態を観察した。◎印は、変化
無し、○印は、僅かに白化、×印は、白化大を示す。
【0031】
【参考例1】 ポリエーテルエステルアミドの調製 撹拌機、窒素導入口、留去管、触媒投入ポットを取り付
けた10リットルのsus製反応容器に、数平均分子量
1980のポリオキシエチレングリコール2020g、
数平均分子量1830のポリオキシテトラメチレングリ
コール860g、テレフタル酸248g、カプロラクタ
ム1300g、及びペンタエリスリトール−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]8gを仕込み、窒素を1リット
ル/分で流しながら250℃、3時間反応させた。
【0032】次いで、徐々に減圧度を上げて未反応のカ
プロラクタムを留去したのち、テトラブトキシジルコニ
ウム8gをカプロラクタム50gに溶解した液を触媒ポ
ットから減圧下で投入して、260℃、1トールで2.
5時間反応させた。反応器の底部から溶融ポリマーをス
トランド状にして水中に抜き出して冷却し、ペレタイザ
ーでカットして透明なポリエーテルエステルアミドのチ
ップを得た。
【0033】これのソフトセグメント含有量は72重量
%で、そのうちポリオキシエチレングリコールセグメン
トを70重量%含有し、ヘイズ数8%、相対粘度2.2
であった。
【0034】
【参考例2】 積層部用樹脂組成物の調製 旭化成アクリル樹脂ペレット”デルペット80N”85
重量%、参考例1で調製したポリエーテルエステルアミ
ド14.5重量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.5重量%、サノール770(三共(株)製)
0.5重量部、チヌビンP(チバガイギー社製)0.3
重量部、イルガフォス168(チバガイギー社製)0.
05重量部をタンブラーを用いてブレンドした後、ベン
ト付き30mmφ2軸押出機で樹脂温度250℃で溶融
混練し、ペレット化した。
【0035】
【実施例1】参考例2で調製したペレットを積層部用と
して直径20mm、L/D=32の押出機を用い、一方
基材部には旭化成アクリル樹脂ペレット”デルペット8
0N”を直径40mm、L/D=32の押出機を用いて
共押出を行った。ダイは2種2層のフィードブロック
式、リップ開度は3.0mm、押出温度は240〜26
0℃、ダイス温度は230℃で行った。積層シートの厚
みは、ポリッシングロールのクリアランスで2.0mm
に調整し、表層部の厚みは押出機の吐出量で調整を行っ
た。このようにしてシート巾50cmの2層シートを作
製した。このシートに、”デルペット80N”のアセト
ン/メチルエチルケトン溶液をロールコーティングし、
3層からなる積層シートを作製した。このものの基材部
[1]、積層部[2]及び[3]の厚みは、2.0m
m、50μm及び15μmであった。このサンプルの表
面電気抵抗は1012Ωのオーダーであり、灰付着テスト
では灰の付着はなかった。さらに、耐候性試験後の表面
状態に変化は無かった。結果を表1に示す。
【0036】
【比較例1】実施例1と同様にして2層シートを作製
し、ロールコーティングは行わなかったこと以外は実施
例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0037】
【実施例2〜4及び比較例2】ロールコーティングに使
用するポリマー溶液の濃度を変更し、積層部[3]の厚
みを変化させた以外は実施例1と同様にして行った。結
果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂積層シートは、
基材部の特性を失うことなく帯電防止効果を有効に発揮
させ、かつコスト的にも安価に製造することができるも
のであり、前述した用途、電気機器銘板、自動車計器カ
バー、照明カバー等の材料として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材のアクリル系樹脂層[1]の片面又
    は両面に、ポリエーテルエステルアミド(A)1〜35
    重量%、アクリル系樹脂(B)99〜65重量%、及
    び、有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から選ばれ
    た少なくとも1種の化合物(C)0〜5重量%からなる
    樹脂組成物層[2]を5μm以上の厚さで積層し、樹脂
    組成物層[2]の上にさらにアクリル系樹脂及び又はフ
    ッ化ビニリデン系樹脂からなる樹脂層[3]を0.5〜
    30μmの厚さで積層させたことをを特徴とする耐候性
    の改良された帯電防止性アクリル系樹脂積層シート。
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