JP2756832B2 - 自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シート - Google Patents
自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シートInfo
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- JP2756832B2 JP2756832B2 JP16389089A JP16389089A JP2756832B2 JP 2756832 B2 JP2756832 B2 JP 2756832B2 JP 16389089 A JP16389089 A JP 16389089A JP 16389089 A JP16389089 A JP 16389089A JP 2756832 B2 JP2756832 B2 JP 2756832B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動販売機前面板用として開発された耐衝撃
性、剛性、耐候性、透明性等が優れ、且つ熱成形可能な
耐衝撃性アクリル樹脂積層シートに関する。
性、剛性、耐候性、透明性等が優れ、且つ熱成形可能な
耐衝撃性アクリル樹脂積層シートに関する。
[従来の技術] アクリル樹脂は透明性、美麗性、耐候性、印刷特性等
に優れた熱可塑性樹脂であり、この特性を生かして看
板、ディスプレイ、照明カバー、エクステリア、ドー
ム、文具等多くの分野で広く利用されている。
に優れた熱可塑性樹脂であり、この特性を生かして看
板、ディスプレイ、照明カバー、エクステリア、ドー
ム、文具等多くの分野で広く利用されている。
これらの用途の中で自動販売機前面板は従来から一般
アクリル樹脂板が多く用いられてきたが、最近、自動販
売機の大型化、前面板の絞り加工成形化、及び成形品の
複雑形状化等の傾向、及び市中に設置された自動販売機
の前面板が故意に割られるという問題への対処からこれ
らの前面板の衝撃強度を向上される要求が強く出てい
る。
アクリル樹脂板が多く用いられてきたが、最近、自動販
売機の大型化、前面板の絞り加工成形化、及び成形品の
複雑形状化等の傾向、及び市中に設置された自動販売機
の前面板が故意に割られるという問題への対処からこれ
らの前面板の衝撃強度を向上される要求が強く出てい
る。
このため、最近は自動販売機前面板用に耐衝撃性アク
リル樹脂が用いられるケースが増えてきた。しかし、こ
の耐衝撃性アクリル樹脂には通常、衝撃強度を上げるた
め一般アクリル樹脂にアクリル系の弾性体ポリマーか改
善剤として添加されているのが一般であるが、そのため
耐衝撃強度が向上する反面、一般アクリル樹脂が本来有
している剛性、強度、硬さ、耐候性、透明性等の特性が
低下するという問題が生じている。
リル樹脂が用いられるケースが増えてきた。しかし、こ
の耐衝撃性アクリル樹脂には通常、衝撃強度を上げるた
め一般アクリル樹脂にアクリル系の弾性体ポリマーか改
善剤として添加されているのが一般であるが、そのため
耐衝撃強度が向上する反面、一般アクリル樹脂が本来有
している剛性、強度、硬さ、耐候性、透明性等の特性が
低下するという問題が生じている。
自動販売機前面板にあっては、確かに耐衝撃強度の向
上は最大の課題の1つではあるが、前記した物性もでき
るだけ低下を小さくして一般アクリル樹脂に近いものに
する必要いがある。しかしながら、これ迄のところ、こ
れらの条件を満足するものはまだ得られていない。
上は最大の課題の1つではあるが、前記した物性もでき
るだけ低下を小さくして一般アクリル樹脂に近いものに
する必要いがある。しかしながら、これ迄のところ、こ
れらの条件を満足するものはまだ得られていない。
[発明が解決しようとする課題」 本発明の課題は従来の耐衝撃性アクリル樹脂が有して
いた上記問題を解決し特に自動販売機前面板用として優
れた性質を有する耐衝撃性アクリル樹脂積層シートを提
供するところにある。
いた上記問題を解決し特に自動販売機前面板用として優
れた性質を有する耐衝撃性アクリル樹脂積層シートを提
供するところにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究の結
果、特定の耐衝撃性アクリル樹脂層の片面に高耐候性透
明性熱可塑性樹脂層を設けることによって目的を達成す
ることを見出し本発明に到達した。
果、特定の耐衝撃性アクリル樹脂層の片面に高耐候性透
明性熱可塑性樹脂層を設けることによって目的を達成す
ることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、平均粒系が0.15〜0.40μmの弾性
体ポリマーを8〜40重量%含有する耐衝撃性アクリル樹
脂からなる基板部と高耐候性透明性熱可塑性樹脂からな
る積層部とからなる自動販売機前面板用アクリル樹脂積
層シートを提供するものである。
体ポリマーを8〜40重量%含有する耐衝撃性アクリル樹
脂からなる基板部と高耐候性透明性熱可塑性樹脂からな
る積層部とからなる自動販売機前面板用アクリル樹脂積
層シートを提供するものである。
本発明で用いる耐衝撃性アクリル樹脂はメタクリル酸
メチルを主成分とする連続樹脂相中に常温でゴム状を示
す弾性体を粒子状で分散させたものであるが、本発明者
らは鋭意研究した結果、自動販売機前面板として優れた
特性を示すにはその粒径及び含有を特定することが大事
であることがわかった。即ち、弾性体ポリマーの粒径は
耐衝撃アクリル樹脂の耐衝撃強度、透明性に影響を及ぼ
し粒径が大きくなると耐衝撃強度は増大するが透明性は
低下する。一方弾性体ポリマーの含有量は耐衝撃アクリ
ル樹脂の耐衝撃性、剛性、硬さ、耐候性等に影響を与
え、含有量が増加すると耐衝撃性は増大するが、剛性、
硬さ、耐候性については低下する傾向がある。
メチルを主成分とする連続樹脂相中に常温でゴム状を示
す弾性体を粒子状で分散させたものであるが、本発明者
らは鋭意研究した結果、自動販売機前面板として優れた
特性を示すにはその粒径及び含有を特定することが大事
であることがわかった。即ち、弾性体ポリマーの粒径は
耐衝撃アクリル樹脂の耐衝撃強度、透明性に影響を及ぼ
し粒径が大きくなると耐衝撃強度は増大するが透明性は
低下する。一方弾性体ポリマーの含有量は耐衝撃アクリ
ル樹脂の耐衝撃性、剛性、硬さ、耐候性等に影響を与
え、含有量が増加すると耐衝撃性は増大するが、剛性、
硬さ、耐候性については低下する傾向がある。
自動販売機は太陽光や雨が当たる屋外の車の排気ガス
や土埃の多い道路端に設置されるケースが多く又、無人
店舗であることから、美麗さ、清潔さ等で一般の人の購
入意欲を誘うことが要求されており、そこに使われる前
面板の物性が重要である。この意味から自動販売機前面
板の要求特性は耐衝撃性、剛性、硬さ、透明性、耐候性
がいずれも優れたものである必要がある。本発明者らが
詳細に検討した結果、耐衝撃アクリル樹脂に用いる弾性
体ポリマーの平均粒径が0.15μm以上で0.40μm以下で
あり、しかも耐衝撃アクリル樹脂中の該弾性体ポリマー
の含有量が8重量%以上で40重量%以下のものが耐衝撃
性、剛性、硬さ、透明性において優れた性能を有してい
ることを見い出した。弾性体ポリマーの平均粒径が0.15
μmより対さい耐衝撃アクリル樹脂の耐衝撃性が小さく
なり、一方、0.40μmより大きいと耐衝撃アクリル樹脂
の曇り度(ヘーズ)が大きくなり透明性が低下する。な
お、好ましくは平均粒径は0.20μm以上0.30μm以下で
ある。又、耐衝撃アクリル樹脂中の弾性体ポリマーの含
有量が8重量%より少ない場合は耐衝撃アクリル樹脂の
耐衝撃性が小さくなり、一方、40重量%より多い場合は
耐衝撃性樹脂の剛性、硬さ、透明性、耐候性が低下して
くる。なお、より好ましい含有量は10重量%以上30重量
%以下である。
や土埃の多い道路端に設置されるケースが多く又、無人
店舗であることから、美麗さ、清潔さ等で一般の人の購
入意欲を誘うことが要求されており、そこに使われる前
面板の物性が重要である。この意味から自動販売機前面
板の要求特性は耐衝撃性、剛性、硬さ、透明性、耐候性
がいずれも優れたものである必要がある。本発明者らが
詳細に検討した結果、耐衝撃アクリル樹脂に用いる弾性
体ポリマーの平均粒径が0.15μm以上で0.40μm以下で
あり、しかも耐衝撃アクリル樹脂中の該弾性体ポリマー
の含有量が8重量%以上で40重量%以下のものが耐衝撃
性、剛性、硬さ、透明性において優れた性能を有してい
ることを見い出した。弾性体ポリマーの平均粒径が0.15
μmより対さい耐衝撃アクリル樹脂の耐衝撃性が小さく
なり、一方、0.40μmより大きいと耐衝撃アクリル樹脂
の曇り度(ヘーズ)が大きくなり透明性が低下する。な
お、好ましくは平均粒径は0.20μm以上0.30μm以下で
ある。又、耐衝撃アクリル樹脂中の弾性体ポリマーの含
有量が8重量%より少ない場合は耐衝撃アクリル樹脂の
耐衝撃性が小さくなり、一方、40重量%より多い場合は
耐衝撃性樹脂の剛性、硬さ、透明性、耐候性が低下して
くる。なお、より好ましい含有量は10重量%以上30重量
%以下である。
本発明の耐衝撃アクリル樹脂は一般アクリル樹脂に弾
性体ポリマーが上記の条件で含まれているものを云い、
一般アクリル樹脂はメチルメタアクリレート100%の重
合体及びメチルメタアクリレートを主成分とし、これに
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレ
ートを共重合させた共重合体を云う。
性体ポリマーが上記の条件で含まれているものを云い、
一般アクリル樹脂はメチルメタアクリレート100%の重
合体及びメチルメタアクリレートを主成分とし、これに
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレ
ートを共重合させた共重合体を云う。
本発明で云う弾性体ポリマーとはアクリル酸エステル
系重合体を云い、その具体例としてはブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等を主成分とする
ものがあり、その代表例としてはブチルアクリレート等
のアルキルアクリレートとスチレンのグラフト化ゴム弾
性成分とメチルメタクリレート及びメチルメタクリレー
トとアルキルアクリレートの共重合体からなる硬質樹脂
層とがコアーシェル構造で多層を形成している粒子状の
弾性体である。
系重合体を云い、その具体例としてはブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等を主成分とする
ものがあり、その代表例としてはブチルアクリレート等
のアルキルアクリレートとスチレンのグラフト化ゴム弾
性成分とメチルメタクリレート及びメチルメタクリレー
トとアルキルアクリレートの共重合体からなる硬質樹脂
層とがコアーシェル構造で多層を形成している粒子状の
弾性体である。
該耐衝撃性アクリル樹脂には紫外線吸収剤、酸化防止
剤、他の安定剤及び透明性を損なわない限りで着色染料
等が配合されていてもよい。
剤、他の安定剤及び透明性を損なわない限りで着色染料
等が配合されていてもよい。
本発明で他の重要な点は耐衝撃性樹脂を基板部として
その片面に耐候性に優れた透明性熱可塑性樹脂を積層す
ることである。このことにより前記したように基板部に
弾性体ポリマーが含まれていることで機械的物性と同様
に耐候性も低下するのに対し、該基板部の上に耐候性に
優れた透明性熱可塑性樹脂を積層することにより基板部
の耐候性の低下を完全に防止することができるからであ
る。ここで用いられる耐候性に優れた透明性熱可塑性樹
脂は一般アクリル樹脂、フッ素樹脂等があげられるが、
密着性等の実用性からみて一般アクリル樹脂ではメチル
メタクリレート100%の重合体、及びメチルメタクリレ
ートを主成分として、これにメチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート等のアルキルアクリレートを共重合させたものが
好ましく、又、フッ素樹脂ではポリフッ化ビニリデン
(PVDF)が好ましい。
その片面に耐候性に優れた透明性熱可塑性樹脂を積層す
ることである。このことにより前記したように基板部に
弾性体ポリマーが含まれていることで機械的物性と同様
に耐候性も低下するのに対し、該基板部の上に耐候性に
優れた透明性熱可塑性樹脂を積層することにより基板部
の耐候性の低下を完全に防止することができるからであ
る。ここで用いられる耐候性に優れた透明性熱可塑性樹
脂は一般アクリル樹脂、フッ素樹脂等があげられるが、
密着性等の実用性からみて一般アクリル樹脂ではメチル
メタクリレート100%の重合体、及びメチルメタクリレ
ートを主成分として、これにメチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート等のアルキルアクリレートを共重合させたものが
好ましく、又、フッ素樹脂ではポリフッ化ビニリデン
(PVDF)が好ましい。
これらの耐候性に優れた透明性熱可塑性樹脂は前記の
耐衝撃性アクリ樹脂からなる基板部の上に積層される必
要があり、その積層部の厚みは5〜100μmあればよ
い。当該厚みが5μm以上であれば耐候性を防止するた
めには十分の厚さであり、基板部の弾性体粒子を十分に
覆うことができる。なお、該積層部には紫外線吸収剤、
酸化防止剤、他の安定剤、帯電防止剤及び透明性を損な
わない限りで着色染料等が配合されていてもよい。
耐衝撃性アクリ樹脂からなる基板部の上に積層される必
要があり、その積層部の厚みは5〜100μmあればよ
い。当該厚みが5μm以上であれば耐候性を防止するた
めには十分の厚さであり、基板部の弾性体粒子を十分に
覆うことができる。なお、該積層部には紫外線吸収剤、
酸化防止剤、他の安定剤、帯電防止剤及び透明性を損な
わない限りで着色染料等が配合されていてもよい。
又積層シートの厚みは自動販売機の前面板の場合1mm
から5mmであり一般によく用いられている厚みは2mmから
3mmである。
から5mmであり一般によく用いられている厚みは2mmから
3mmである。
本発明の積層シートを得る方法としては共押出(Coex
trusion)法とラミネート法とがある。共押出法は積層
時に両層の流動性を合わせ、均一にすることができるの
で両層の密着性がよく成形歪も類似になる等の点で優れ
ている。共押出は通常の押出機を2台使って基板部であ
る耐衝撃性アクリル樹脂は40mmφ、60mmφ、90mmφ等の
押出機で、又積層部の耐候性透明性熱可塑性樹脂はそれ
よりも小さな30mmφ、40mmφ、50mmφ等の押出機を用い
る。
trusion)法とラミネート法とがある。共押出法は積層
時に両層の流動性を合わせ、均一にすることができるの
で両層の密着性がよく成形歪も類似になる等の点で優れ
ている。共押出は通常の押出機を2台使って基板部であ
る耐衝撃性アクリル樹脂は40mmφ、60mmφ、90mmφ等の
押出機で、又積層部の耐候性透明性熱可塑性樹脂はそれ
よりも小さな30mmφ、40mmφ、50mmφ等の押出機を用い
る。
積層シートの積層部、及び基板部の厚みのコントロー
ルは2台の押出機の押出量と押出機出口にあるポリッシ
ングロールのロールクリアランスで行なう。積層シート
の積層部及び全体層の厚みは厚みが1mm以上の場合はノ
ギスで計り、厚みが1mm以下の場合はシートの断面を微
分干渉顕微鏡、市販の膜厚計(例えばビック・マリンク
ロット社(西独)製PIG Universal(ドライフィルム用
膜厚計))で測定することができる。
ルは2台の押出機の押出量と押出機出口にあるポリッシ
ングロールのロールクリアランスで行なう。積層シート
の積層部及び全体層の厚みは厚みが1mm以上の場合はノ
ギスで計り、厚みが1mm以下の場合はシートの断面を微
分干渉顕微鏡、市販の膜厚計(例えばビック・マリンク
ロット社(西独)製PIG Universal(ドライフィルム用
膜厚計))で測定することができる。
基板部と積層部の樹脂は流動性を合わせることが大事
であるが、これは具体的には押出機の温度を調整するこ
とで実施することができる。
であるが、これは具体的には押出機の温度を調整するこ
とで実施することができる。
ラミネートによる方法は押出機のダイ出口のポリッシ
ング(カレンダリング)ロール部で一般アクリル樹脂製
のフィルムを供給し、押出機から押出される樹脂と該ロ
ール部で重ね合わせる方法をとることができる。この場
合、重ね合わせ時の空気混入防止と、ロール温度等によ
る密着性向上等が技術上のポイントである。
ング(カレンダリング)ロール部で一般アクリル樹脂製
のフィルムを供給し、押出機から押出される樹脂と該ロ
ール部で重ね合わせる方法をとることができる。この場
合、重ね合わせ時の空気混入防止と、ロール温度等によ
る密着性向上等が技術上のポイントである。
本発明の積層シートの用途は耐衝撃性、剛性、硬さ、
透明性、耐候性、熱成形性に優れることから屋外で且つ
透明成形板として長時間使用される自動販売機の前面板
用として特に有効である。又自動販売機前面板に似た用
途の看板、ディスプレイ及び自動車バイザー等にも本発
明の積層シートを使用することができる。
透明性、耐候性、熱成形性に優れることから屋外で且つ
透明成形板として長時間使用される自動販売機の前面板
用として特に有効である。又自動販売機前面板に似た用
途の看板、ディスプレイ及び自動車バイザー等にも本発
明の積層シートを使用することができる。
[実 施 例] 以下実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。
なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試験方法は
次の通りである。
次の通りである。
(1) 耐衝撃性の評価:落球衝撃試験を採用し、装置
は(株)東洋精機製作所製のデュポン式衝撃試験機を用
い、重さ1Kgで先端曲面Rが1/4インチのミサイルを積層
部を上面にした試料に向けて落下させ、試験数12ケでそ
の50%以上が破壊した時の高さから衝撃強度を求めその
試料の耐衝撃強度とした。
は(株)東洋精機製作所製のデュポン式衝撃試験機を用
い、重さ1Kgで先端曲面Rが1/4インチのミサイルを積層
部を上面にした試料に向けて落下させ、試験数12ケでそ
の50%以上が破壊した時の高さから衝撃強度を求めその
試料の耐衝撃強度とした。
(2) 曲げ弾性率の評価:JIS K7203に準じて行なっ
た。
た。
(3) ロックウェル硬さの評価:JIS K7202に準じて行
なった。
なった。
(4) 透明性の評価:JIS K 7105に準じて全光線透過
率とヘーズ(曇価)で行なった。
率とヘーズ(曇価)で行なった。
(5) 耐候性の評価:スガ試験機(株)のサンシャイ
ンウエザオメーター(以下SWOMと略す)を用いて試料の
積層面を照射面にして2000HR照射でその時の試料のヘー
ズ(曇度)を日本電色工業(株)製の曇度計(NDH−100
1DP)を用いて測定した。
ンウエザオメーター(以下SWOMと略す)を用いて試料の
積層面を照射面にして2000HR照射でその時の試料のヘー
ズ(曇度)を日本電色工業(株)製の曇度計(NDH−100
1DP)を用いて測定した。
(6) 熱成形性の評価:通常の真空成形機で絞りの深
さ100mmのペン皿状形状で真空成形を行ない、その外観
を観察し判定した。
さ100mmのペン皿状形状で真空成形を行ない、その外観
を観察し判定した。
弾性体ポリマーの製造例 内容積10の還流冷却器付反応器に、イオン交換水68
60ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム17.75gを投
入し、250rpmの回転数で撹拌しながら窒素雰囲気下75℃
に昇温した。メチルメタクリレート(MMA)534.6g、ブ
チルアクリレート(BA)19.4g、アリルメタクリレート
(ALMA)0.443g及び紫外線吸収剤であるチヌビンP 0.16
6gからなる混合物を重量比で2対3に分割し、前者を
(B1)、後者を(B2)とした。上記の反応器に(B1)を
添加した5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加し、4
5分間保持した。続いて(B2)を12分間かけて連続的に
添加し、添加終了後20分間保持した。このようにして得
られた重合体ラテックスを40℃に冷却した。次にBA 11
41g、スチレン(St)259g、ポリエチレングリコールジ
アクリレート(PEGDA)(分子量200)3.64g、ALMA 14.8
4g及びチヌビンP 0.42gからなる混合物を反応器に添
加し60分間撹拌を続けた。このラテックスを75℃に昇温
し、過硫酸アンモニウム1.42gを添加し、190分間保持し
た。次にMMA 876.1g、BA 11.54g、ノルマルオクチルメ
ルカプタン(n−OM)2.66g及びチヌビンP 0.27gから
なる混合物を1対1に分割し、前者を(B3)、後者を
(B4)とした。次に反応器に(B3)を90分間かけて連続
添加した。添加終了後さらに60分間保持した。さらに反
応器に過硫酸アンモニウム0.18gを添加した後、最後に
(B4)を20分間かけて連続添加し、添加終了後30分間保
持した。次いで95℃に昇温し60分間保持した。このよう
にして得られたラテックスを3重量%硫酸ナトリウム温
水溶液中へ投入し、塩析、凝固させ、次いで、脱水、洗
浄をくり返したのち乾燥し、弾性体ポリマー(R1)を得
た。この弾性体ポリマー20重量%と旭化成工業(株)製
デルペットLP−1 (メチルメタクリレートとメチルア
クリレートの共重合体)80重量%とをヘンシェルミキサ
ーにて20分間混合した後、30mmベント付2軸押出機(ナ
カタニ機械(株)製、A型)を用いて240℃にてペレッ
トを実施した。
60ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム17.75gを投
入し、250rpmの回転数で撹拌しながら窒素雰囲気下75℃
に昇温した。メチルメタクリレート(MMA)534.6g、ブ
チルアクリレート(BA)19.4g、アリルメタクリレート
(ALMA)0.443g及び紫外線吸収剤であるチヌビンP 0.16
6gからなる混合物を重量比で2対3に分割し、前者を
(B1)、後者を(B2)とした。上記の反応器に(B1)を
添加した5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加し、4
5分間保持した。続いて(B2)を12分間かけて連続的に
添加し、添加終了後20分間保持した。このようにして得
られた重合体ラテックスを40℃に冷却した。次にBA 11
41g、スチレン(St)259g、ポリエチレングリコールジ
アクリレート(PEGDA)(分子量200)3.64g、ALMA 14.8
4g及びチヌビンP 0.42gからなる混合物を反応器に添
加し60分間撹拌を続けた。このラテックスを75℃に昇温
し、過硫酸アンモニウム1.42gを添加し、190分間保持し
た。次にMMA 876.1g、BA 11.54g、ノルマルオクチルメ
ルカプタン(n−OM)2.66g及びチヌビンP 0.27gから
なる混合物を1対1に分割し、前者を(B3)、後者を
(B4)とした。次に反応器に(B3)を90分間かけて連続
添加した。添加終了後さらに60分間保持した。さらに反
応器に過硫酸アンモニウム0.18gを添加した後、最後に
(B4)を20分間かけて連続添加し、添加終了後30分間保
持した。次いで95℃に昇温し60分間保持した。このよう
にして得られたラテックスを3重量%硫酸ナトリウム温
水溶液中へ投入し、塩析、凝固させ、次いで、脱水、洗
浄をくり返したのち乾燥し、弾性体ポリマー(R1)を得
た。この弾性体ポリマー20重量%と旭化成工業(株)製
デルペットLP−1 (メチルメタクリレートとメチルア
クリレートの共重合体)80重量%とをヘンシェルミキサ
ーにて20分間混合した後、30mmベント付2軸押出機(ナ
カタニ機械(株)製、A型)を用いて240℃にてペレッ
トを実施した。
前記の弾性体ポリマーの製造例と同様にして乳化剤を
例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウムに変えたり
又は(B1),(B2)のモノマー添加速度を変えること等
により弾性体ポリマーの粒径が異なった重合体を合成す
ることができた。このようにして得られた弾性体ポリマ
ーは前記のようにデルペットLP−1中に分散させた状態
でルテニウム酸による染色後、透過型電子顕微鏡を用い
て平均粒径を測定した。その結果を表−1に示す。
例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウムに変えたり
又は(B1),(B2)のモノマー添加速度を変えること等
により弾性体ポリマーの粒径が異なった重合体を合成す
ることができた。このようにして得られた弾性体ポリマ
ーは前記のようにデルペットLP−1中に分散させた状態
でルテニウム酸による染色後、透過型電子顕微鏡を用い
て平均粒径を測定した。その結果を表−1に示す。
実施例−1 基板部の耐衝撃性アクリル樹脂として弾性体ポリマー
(R1、平均粒径0.25μm)20重量%と、デルペットLP−
1 80重量%からつくられたペレットを直径90mm、L/D
=32の押出機を用い、一方、積層部に旭化成工業(株)
製デルペット80N(メチルメタクリレートとメチルアク
リレートの共重合体)を直径30mm、L/D=32の押出機を
用いて共押出を行なった。ダイはフィードブロック式で
あり押出機の温度は250〜260℃で行なった。
(R1、平均粒径0.25μm)20重量%と、デルペットLP−
1 80重量%からつくられたペレットを直径90mm、L/D
=32の押出機を用い、一方、積層部に旭化成工業(株)
製デルペット80N(メチルメタクリレートとメチルアク
リレートの共重合体)を直径30mm、L/D=32の押出機を
用いて共押出を行なった。ダイはフィードブロック式で
あり押出機の温度は250〜260℃で行なった。
積層シートの厚みはダイリップ開度及びダイ出口のポ
リッシングロールのクリアラスで調整し、積層部の厚み
は両押出機の押出量で調整を行なった。このようにして
シート幅80cmの積層シートを作製した。この積層シート
及び積層部の厚みはそれぞれ3.0mm及び50μmであっ
た。該積層シートについて前記の方法で物性評価を行な
った。その結果を表−2に示す。
リッシングロールのクリアラスで調整し、積層部の厚み
は両押出機の押出量で調整を行なった。このようにして
シート幅80cmの積層シートを作製した。この積層シート
及び積層部の厚みはそれぞれ3.0mm及び50μmであっ
た。該積層シートについて前記の方法で物性評価を行な
った。その結果を表−2に示す。
実施例−2〜5 比較例−1〜4 基板部の耐衝撃性アクリル樹脂が実施例−1と同一の
弾性体ポリマーでその含有量が5重量%、8重量%、10
重量%、30重量%、40重量%及び50重量%以外は全て実
施例−1と同様にして積層シートを作製し、それぞれ物
性の評価を行なった。又、更に比較のためにデルペット
80N及び上記弾性体ポリマーの含有量が20重量%である
耐衝撃性アクリル樹脂それぞれの単層シートを実施例−
1の基板部用押出機を用いて作製し、それぞれの物性に
ついても同様に評価した。これらの結果を表−2に示
す。
弾性体ポリマーでその含有量が5重量%、8重量%、10
重量%、30重量%、40重量%及び50重量%以外は全て実
施例−1と同様にして積層シートを作製し、それぞれ物
性の評価を行なった。又、更に比較のためにデルペット
80N及び上記弾性体ポリマーの含有量が20重量%である
耐衝撃性アクリル樹脂それぞれの単層シートを実施例−
1の基板部用押出機を用いて作製し、それぞれの物性に
ついても同様に評価した。これらの結果を表−2に示
す。
基板部にある弾性体ポリマーの含有量が8重量%から
40重量%である積層シートの物性は耐衝撃強度、曲げ弾
性率、硬さ、透明性とも高い値であり且つ積層部のアク
リル樹脂の効果で耐候性も優れたものであり、物性バラ
ンス的に自動販売機前面板に適したものが得られた。
40重量%である積層シートの物性は耐衝撃強度、曲げ弾
性率、硬さ、透明性とも高い値であり且つ積層部のアク
リル樹脂の効果で耐候性も優れたものであり、物性バラ
ンス的に自動販売機前面板に適したものが得られた。
一方、基板部の弾性体ポリマーの含有量が5重量%の
場合(比較例−3)、積層シートの耐衝撃強度が著しく
低下し、又、弾性体ポリマーの含有量が50重量%の場合
(比較例−4)は積層シートの曲げ弾性率、硬さ、透明
性の低下が大きく、これらはいずれも自動販売機前面板
として使用するには問題が多い。又デルペット80及び耐
衝撃性アクリル樹脂それぞれの単層シート(比較例−1,
2)では前者が耐衝撃強度において又、後者が耐候性に
おいて問題がある。
場合(比較例−3)、積層シートの耐衝撃強度が著しく
低下し、又、弾性体ポリマーの含有量が50重量%の場合
(比較例−4)は積層シートの曲げ弾性率、硬さ、透明
性の低下が大きく、これらはいずれも自動販売機前面板
として使用するには問題が多い。又デルペット80及び耐
衝撃性アクリル樹脂それぞれの単層シート(比較例−1,
2)では前者が耐衝撃強度において又、後者が耐候性に
おいて問題がある。
実施例−6〜9、比較例−5〜6 弾性体ポリマーの平均粒径が表−1の0.09μmから0.
45μmのものをそれぞれ20重量%だけデルペットLP−1R
80重量%に混合したものを基板部の耐衝撃性アクリル樹
脂として用いた以外は実施例−1と同様の方法で積層シ
ートを作製した。それぞれの評価結果を表−3に示す。
弾性体ポリマーの粒子径が0.15から0.40μmの積層シー
トについては耐衝撃強度、曲げ弾性率、硬さ、透明性及
び耐候性ともに単一層の樹脂層では得ることができない
優れた物性バランスを示し自動販売機前面板用として優
れた性能を与える。一方、基板部に用いる弾性体ポリマ
ーの粒径が0.09及び0.45μmの場合は、前者においては
耐衝撃強度が、後者の場合は透明性に問題がある。
45μmのものをそれぞれ20重量%だけデルペットLP−1R
80重量%に混合したものを基板部の耐衝撃性アクリル樹
脂として用いた以外は実施例−1と同様の方法で積層シ
ートを作製した。それぞれの評価結果を表−3に示す。
弾性体ポリマーの粒子径が0.15から0.40μmの積層シー
トについては耐衝撃強度、曲げ弾性率、硬さ、透明性及
び耐候性ともに単一層の樹脂層では得ることができない
優れた物性バランスを示し自動販売機前面板用として優
れた性能を与える。一方、基板部に用いる弾性体ポリマ
ーの粒径が0.09及び0.45μmの場合は、前者においては
耐衝撃強度が、後者の場合は透明性に問題がある。
[発明の効果] 本発明により耐衝撃性、剛性、硬さ、透明性、耐候性
に優れ且つ熱成形性も良好な積層シートが提供されるこ
ととなり自動販売機前面板用としての利用が一段と増加
することが期待される。
に優れ且つ熱成形性も良好な積層シートが提供されるこ
ととなり自動販売機前面板用としての利用が一段と増加
することが期待される。
Claims (2)
- 【請求項1】平均粒径が0.15〜0.40μmの弾性体ポリマ
ーを8〜40重量%含有する耐衝撃性アクリル樹脂からな
る基板部と高耐候性透明性熱可塑性樹脂からなる積層部
とからなる自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シー
ト。 - 【請求項2】高耐候性透明性熱可塑性樹脂が一般アクリ
ル樹脂又はポリフッ化ビニリデンである請求項1記載の
自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16389089A JP2756832B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16389089A JP2756832B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0330945A JPH0330945A (ja) | 1991-02-08 |
JP2756832B2 true JP2756832B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=15782747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16389089A Expired - Fee Related JP2756832B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 自動販売機前面板用アクリル樹脂積層シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2756832B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT401494B (de) † | 1994-09-06 | 1996-09-25 | Klepsch Senoplast | Verbundplatte |
US6444311B1 (en) * | 1999-10-19 | 2002-09-03 | Saint-Gobain Performance Plastics Corporation | Impact resistant protective multilayer film |
EP1798253B8 (en) | 2004-08-11 | 2014-06-18 | Kaneka Corporation | Method for producing a vinylidene fluoride-based resin multilayered film |
-
1989
- 1989-06-28 JP JP16389089A patent/JP2756832B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0330945A (ja) | 1991-02-08 |
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