JPH0880598A - 外観の優れた帯電防止性熱可塑性樹脂積層成形体 - Google Patents

外観の優れた帯電防止性熱可塑性樹脂積層成形体

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JPH0880598A
JPH0880598A JP21742694A JP21742694A JPH0880598A JP H0880598 A JPH0880598 A JP H0880598A JP 21742694 A JP21742694 A JP 21742694A JP 21742694 A JP21742694 A JP 21742694A JP H0880598 A JPH0880598 A JP H0880598A
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JP
Japan
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weight
acid
laminated
thermoplastic resin
resin
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JP21742694A
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Yu Tsukada
佑 塚田
Masahiro Miyauchi
雅弘 宮内
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に凹凸のない平滑な帯電防止性熱可塑性
樹脂積層成形体を得ようとするものである。 【構成】 基材の熱可塑性樹脂の少なくとも片面に、ア
クリル系樹脂(A)60〜97重量%、ポリエーテルエ
ステルアミド(B)3〜40重量%からなり、該ポリエ
ーテルエステルアミド(B)の添加量(重量%)と上記
アクリル樹脂(A)のメルトインデックスとの比が5以
下になるように調製されてなる組成物100重量部に対
し、有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から選ばれ
た少なくとも1種類の化合物(C)0.1〜5.0重量
部を含有させてなる組成物を5〜500μmの厚さで積
層させてなる熱可塑性帯電防止性積層成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、持続的帯電防止性能を
有し、かつ、基材が元来持つ性能を保持し表面外観が平
滑な帯電防止性熱可塑性樹脂積層成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂などの高分子材料は、その
優れた特性によって広範囲な分野で利用されている。こ
れらの材料に美麗な外観をもった帯電防止性能を付与で
きれば、さらに用途が拡大できる。例えば、店装デスプ
レー、照明器具、プロジェクションテレビの前面板、ゲ
ーム器内装、OA機器銘板、自動車計器カバー等の用途
に極めて有用である。
【0003】高分子材料の帯電防止性能を付与させる方
法として、例えば特開平4−71844号公報、特開平
5−84875号公報にはアクリル樹脂にポリエーテル
エステルアミドを配合した層を基材のアクリル樹脂の片
面又は両面にもうけた帯電防止性積層シートが開示され
ているが表面外観の平滑性が優れたものを得るのは難し
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱可
塑性樹脂に帯電防止性を付与し、基材に用いる熱可塑性
樹脂が本来備えている性質、例えば外観、強度、剛性、
光学特性、耐衝撃性などを低下させることなく帯電防止
性を付与し表面外観の平滑性が優れた積層成形体を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂の
少なくとも片面に特定の厚みを有する樹脂組成物積層部
を設けた成形体において、平滑な表面を得るためには積
層部のポリエーテルエステルアミドの濃度及び積層部の
マトリックスの流動性との間に密接な相関があることを
見い出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、基材の熱可塑性樹脂の少な
くとも片面に、アクリル系樹脂(A)60〜97重量
%、ポリエーテルエステルアミド(B)3〜40重量%
からなり、且つ、ポリエーテルエステルアミド(B)の
添加量(重量%)/アクリル系樹脂(A)のメルトイン
デックス(ASTM1238に準拠、温度230℃荷重
3.8kgで10分間に押出された重量(g)、以下M
Iと略す。)が5以下になるように調製されてなる組成
物100重量部に対し、有機スルホン酸塩及び有機リン
酸塩の中から選ばれた少なくとも1種類の化合物(C)
0.1〜5重量部含有してなる組成物を5〜500μm
の厚さで積層させた帯電防止性熱可塑性樹脂積層成形体
である。
【0007】本発明は、積層部にポリエーテルエステル
アミド(B)を含有し、帯電防止性を有する積層成形体
に関するものであり、しかも表面外観が平滑な成形体を
得るためのものである。表面外観が平滑とは目視で表面
に凸凹のない、即ち表面粗度計で測った粗度(Rt)が
0.1〜0.5μmになるものであり、例えばRtが
0.1〜0.15μmは旭化成デラグラスAなどの一般
のアクリル樹脂押出シートの平滑性をもち、また0.5
μmを超えると目視でも表面凸凹が見分けられるレベル
のものである。この平滑な成形体を得る方法として積層
部のポリエーテルエステルアミド(B)の添加量(重量
%)/マトリックスであるアクリル樹脂(A)のMIを
5以下にすることである(下記(I)式を参照)。
(I)式中のマトリックス(A)のMIは0.6〜30
g/10分が好ましく、さらに好ましくは0.8〜20g
/10分である。0.6未満では流動性が充分でなく高速
度での押出しが困難になり、また、30を超えると均一
な厚みの表層を得るのが困難になることから好ましくな
い。さらに、ポリエーテルエステルアミド(B)の添加
量は3〜40重量%、好ましくは5〜25重量%であ
る。3重量%未満では帯電防止性能が劣り、40重量%
を超える場合は表面硬さが劣り傷つきやすくなる。つま
りポリエーテルエステルアミド(B)の添加量が少なけ
ればマトリックスのMIは小さくても、またポリエーテ
ルエステルアミドの添加量が多ければマトリックスのM
Iを大きくすることにより表面粗度(Rt)の小さい、
つまり表面外観の平滑性が優れた積層成形体を得ること
ができる。
【0008】 〔ポリエーテルエステルアミド(B)の添加量(重量%)〕/〔マトリックス (A)のMI(230℃/3.8Kg)〕≦ 5 …………(I) 本発明の積層部に用いる帯電防止性能を有する組成物と
して、その一例が特開平2−283748号公報に示さ
れている。本発明の積層部に使用されるアクリル系樹脂
(A)としては、メチルメタクリレートを主体とする樹
脂が挙げられ、これにはメチルメタクリレート単独重合
体又はメチルメタクリレートとメチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキル
アクリレート、アクリロニトリル、アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸、ビニルピリジン、ビニルモルホリン、
ビニルピリドン、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシ(メタ)
アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、無水マレイ
ン酸、スチレン、αメチルスチレンもしくはフェニルメ
タアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4−t
−ブチルシクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリ
レート、4−t−ブチルフェニルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、2−フェ
ニルエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリ
レート、2−フェノキシエチルメタクリレート等の共重
合可能な単量体のいずれか一つ以上との共重合体があ
り、共重合比率は特にこだわらない。更に耐衝撃性アク
リル樹脂、耐熱性アクリル樹脂、低吸湿性アクリル樹脂
等が含まれるがこれらの樹脂は単独で用いても二種以上
をブレンドしても良い。
【0009】耐衝撃性アクリル樹脂のゴム弾性体は、特
開昭53−58554号公報、特開昭55−94917
号公報、特開昭61−32346号公報等に開示されて
いるが、簡単に説明すると、アクリル系重合体芯材料の
周りに弾性体層及び非弾性体層を交互に生成させる多段
逐次重合法によって製造される多段重合体である。更に
詳しくは、メチルメタクリレートを主成分とする重合体
芯材料の周りに、アクリルアクリレートを主成分とする
重合体弾性層及びメチルメタクリレートを主成分とする
非弾性層を球状に交互に有するアクリル系多段(多層)
重合体であり、平均粒子径は0.06〜0.5μmであ
ることが望ましい。また、弾性層と非弾性層との中間
に、メチルメタクリレートが徐々に増加するような中間
層を有するアクリル系多段(多層)重合体も有効であ
る。耐衝撃性アクリル樹脂中のこれら多段(多層)重合
体の割合は3〜70重量%で、好ましくは5〜50重量
%である。
【0010】耐熱性アクリル樹脂は、その一例が特公昭
61−49325号公報、特公昭63−1964号公報
等に記載されているが、主にアルキルメタクリレート及
び場合によってはアルキルメタクリレートとスチレン等
の芳香族ビニル化合物からなるエチレン系不飽和単量体
から誘導された単位に、アクリル酸、メタクリル酸、無
水マレイン酸のような不飽和カルボン酸や不飽和ジカル
ボン酸無水物及び/又は六員環酸無水物(グルタル酸無
水物)単位、六員環イミド単位を有するものを云う。こ
こでいうアルキルメタクリレートには炭素数1〜4のア
ルキル基を有するものを云う。
【0011】低吸湿アクリル樹脂は、例えば特開昭58
−113214号公報、特開昭59−227909号公
報、特開平1−178511号公報等に記載されている
メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、炭素数8〜20の脂環式メタクリレート、炭素数3
〜8のアルキルメタクリレート、モノアルケニル芳香族
単量体、アルキルアクリレートなどの共重合体であり、
アクリル樹脂の吸湿性を改良したものである。
【0012】本発明の積層部に使用されるポリエーテル
エステルアミド(B)としては次のものが用いられる。
(a)炭素数6以上のアミノカルボン酸、ラクタム、又
は炭素数4以上のジアミンとジカルボン酸との塩、
(b)数平均分子量400〜4000のポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコール及びα,ωージヒドロキシ炭化
水素の中から選ばれる少なくとも1種のジオール類
(c)炭素数4〜16のジカルボン酸である。
【0013】即ち、本発明で用いられるポリエーテルエ
ステルアミド(B)の構成成分である(a)炭素数6以
上のアミノカルボン酸、ラクタム、又は炭素数4以上の
ジアミンとジカルボン酸の塩としては、ω−アミノカプ
ロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル
酸、ω−アミノベルゴン酸、ω−アミノカプリン酸及び
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸な
どのアミノカルボン酸、カプロラクタム、エナントラク
タム、カプリルラクタム及びラウロラクタムなどのラク
タム、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサ
メチレンジアミン−セバシン酸塩又はヘキサメチレンジ
アミン−イソフタル酸塩などのジアミン−ジカルボン酸
の塩が用いられ、特にカプロラクタム、12−アミドド
デカン酸、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩が好
ましく用いられる。
【0014】また、(a)炭素数6以上のアミノカルボ
ン酸、ラクタム、又は炭素数4以上のジアミンとジカル
ボン酸の塩は、ポリエーテルエステルアミドの構成成分
として10〜70重量%の範囲で用いられる。10重量
%未満ではポリエーテルエステルアミドの機械的性質が
劣り、70重量%を超える場合は得られる樹脂の帯電防
止性が劣り好ましくない。
【0015】ポリエーテルエステルアミドの他の構成成
分である(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
及びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素の中から選ばれる少
なくとも一種のジオール類として具体例を挙げれば、ポ
リ(アルキレンオキシド)グリコールとしてはポリエチ
レングリコール、ポリ(1,2プロピレンオキシド)グ
リコール、ポリ(1,3プロピレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ
(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共重
合体などが挙げられ、α,ω−ジヒドロキシ炭化水素と
してはオレフィンやブタジエンを重合して末端を水酸基
化し、かつその二重結合を水添して得られるポリオレフ
ィングリコールや水添ポリブタジエングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビス
フェノール類のアルキレンオキシド付加物等が用いられ
る。これらの中でも、制電性が優れる点で、特にポリエ
チレングリコールが好ましく用いられる。
【0016】ポリ(アルキレンオキシド)グリコール及
びα,ω−ジヒドロキシ炭化水素の数平均分子量は40
0〜4000が好ましく、より好ましくは600〜20
00の範囲で用いられる。数平均分子量が400未満で
は得られるポリエーテルエステルアミドの機械的性質が
劣り、数平均分子量が4000を超える場合は、帯電防
止性が不足するため好ましくない。
【0017】ポリエーテルエステルアミド(B)のもう
一つの構成成分である(c)炭素原子数4〜16のジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,6′−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸及び3−ス
ルホイソフタル酸ナトリウムのごとき芳香族ジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸及びジシクロヘキシル−4,
4′−ジカルボン酸のごとき脂環族ジカルボン酸、コハ
ク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン
酸(デカンジカルボン酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸
などが挙げられ、特にテレフタル酸、イソフタル酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、ア
ジピン酸及びドデカンジカルボン酸が、重合性、色調及
び物性の点から好ましく用いられている。(b)ポリ
(アルキレンオキシド)グリコール又はα,ω−ジヒド
ロキシ炭化水素と(c)ジカルボン酸は、反応上は1:
1のモル比で反応するが、使用するカルボン酸の種類に
応じて通常仕込み比を変えて供給される。
【0018】このポリエーテルエステルアミドの含有量
は(A)及び(B)成分の合計重量に基づき3〜40重
量%、好ましくは5〜25重量%である。3重量%未満
では帯電防止性能が劣り、40重量%を超える場合は表
面硬さが劣り、傷つき易くなる。ポリエーテルエステル
アミドの重合方法に関しては特に限定されず、例えば、 (イ)(a)アミノカルボン酸、ラクタム、又は炭素数
4以上のジアミンとジカルボン酸との塩と(c)ジカル
ボン酸を反応させて、両末端がカルボン酸基のポリアミ
ドプレポリマーをつくり、これに(b)ポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコール又はα,ω−ジヒドロキシ炭化
水素を真空下で反応させる方法、 (ロ)前記(a)、(b)、(c)の各化合物を反応槽
に仕込み、水の存在下又は非存在下に高温で加圧反応さ
せることにより、カルボン酸末端のポリアミドプレポリ
マーを生成させ、その後、常圧又は減圧下で重合を進め
る方法、及び (ハ)前記(a)、(b)、(c)の各化合物を同時に
反応槽に仕込み、溶融混合した後、高真空下で一挙に重
合を進める方法などの公知の方法を利用することができ
る。
【0019】本発明においては帯電防止効果を更に発揮
させるために、有機スルホン酸及び/又は有機リン酸の
金属塩(C)の添加が必要である。その具体例として
は、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ナフ
タリンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸とホルマリン
の縮合物などの芳香族スルホン酸、あるいはステアリン
酸、ラウリル酸、ポリアクリル酸などの有機カルボン
酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフェニルなどのアル
カリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を挙げることができ
る。これらの中でナトリウム塩、リチウム塩、カリウム
塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が特に有効である。
【0020】該成分の配合量は前記(A)、(B)成分
の合計量100重量部に対して0.1〜5重量部、好ま
しくは0.3〜3重量部である。0.1重量部未満では
その使用効果が充分に発揮されず5.0重量部を超える
と成形表面に肌荒れが生じたり、着色する。本発明の基
材に用いる熱可塑性樹脂はアクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂等が挙げられる。アクリル系樹脂は基材部に用
いられるアクリル樹脂と積層部に用いられるアクリル樹
脂は同一のものでも異なったものでもよく、積層部に用
いられるアクリル樹脂(A)の項で説明したものであれ
ばよい。
【0021】ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール
Aで代表される二価のフェノール系化合物から誘導され
る重合体が用いられる。基材のポリカーボネート樹脂は
ポリカーボネート単量体でもABS樹脂(スチレン−ブ
タジエン−アクルロニトリル共重合体)とのブレンド体
でもよい、ポリカーボネート樹脂を使用した積層体の場
合でリサイクルしても透明性を維持したい場合の積層部
アクリル系樹脂としては、特開平4−361037号公
報等に開示されている単量体として前記したアクリル系
樹脂(A)のなかのフェニルメタクリレート、ベンジル
アクリレート等の炭素環式基をもったものを共重合した
重合体を積層部に用いるとよい。特にリサイクル後の透
明性を考慮する必要がなければ上記にこだわらない。
【0022】本発明では、基材部に積層される積層部の
厚みが5〜500μmであれば表面平滑性が優れ、持続
的帯電防止機能を有する積層成形体を得ることができる
ことを確認したが、好ましくは10〜300μmの積層
部を有する積層成形体として利用しうる。5μm未満で
は帯電防止性能を付与させるのが難しく、また500μ
mを超えた場合は帯電防止性能のさらなる向上は期待で
きない。更に積層成形体の全体厚みに対する積層部の厚
みが30%以内であれば機械的物性の低下も少ない積層
成形体が得られる。成形体両面に積層する場合は両面の
積層部の厚みの合計が積層成形体の全体厚みの30%以
内であればよい。
【0023】本発明品を得るための成形品の形状又は成
形法は特にこだわらない。成形品の形状はシート状、波
板状、フィルム状のもの又は異形状、中空状のもの、更
に真空成形、圧空成形、スタンパブル成形をして得られ
る形状のものなどがある。成形法についてはTダイ押出
によるシート成形、フィルム成形(キャスト)、環状ダ
イ押出によるフィルム成形(インフレーション)、ブロ
ー成形、また異形ダイ押出による異形押出成形がある。
ここに示す積層成形体はTダイ押出、環状ダイ押出、異
形ダイ押出での共押出法、基材部又は積層部どちらかを
単層押出をしながら予め成形された他方をラミネートす
る方法及び予め成形された基材部と積層部を連続的にか
さね合わせる方法がある。更に成形された基材部と積層
部をプレスで熱圧着する方法や、真空成形、圧空成形時
に積層する方法がある。この積層工程は中間成形体を得
る段階でも、最終成形体を得る段階でもよい。
【0024】共押出法は基材部と積層部を同時に溶融押
出するため両層の密着性がよく、成形歪みが類似になる
などの点で優れている。共押出は押出機を2台以上使用
し成形する。一般に積層部を押し出す押出機は基材部の
押出機よりも小さい押出機を使用する。溶融樹脂を均一
に吐出するためにはギヤーポンプを使用するのが一般的
である。
【0025】積層部に用いる帯電防止性能を有する樹脂
組成物はその構成物質を予めドラムブレンダー、ヘンシ
ェルミキサー等で均一に混合して、その後、単軸、二軸
押出機で造粒したものを使用するとよい。本発明の積層
部及び/又は基材部には、その表面平滑性を損なわない
範囲において、他の成分、例えば無機系光拡散剤、有機
系光拡散剤、顔料、染料、補強剤、難燃剤、充填剤、離
型剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、光安定剤、紫外線
防止剤、可塑剤、他の重合体等を、混練工程や成形工程
などの任意の工程において含有させることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。実施例、比較例で用いた評価及び試験方法は以下
の通りである。 (1)表面粗度の測定 JIS−B0601に準じて、東京精密社製サーフコム
575A型表面粗さ形状測定機を使用し、試験片表面の
粗さをRt値(粗さ曲線からの最大高さ)で表示した。 (2)表面抵抗の測定 JIS−K6911に準じて、東亜電波工業社製SM−
10型極超絶縁計を使用し、成形後23℃、50RHの
条件に24時間状態調節した後測定した。 (3)積層シートの厚み 積層シートの全体の厚みはノギスで測定した、また表層
部の厚みはシート断面を微分干渉顕微鏡で測定した。
【0027】
【合成例1】 ポリエーテルエステルアミド(B)の調製 カプロラクタム26重量部、数平均分子量が1000の
ポリエチレングリコール73重量部及びアジピン酸9重
量部を酸化防止剤(商品名 イルガノックス1010
チバガイギー社製)0.15重量部及び三酸化アンチモ
ン触媒0.15重量部と共にヘリカルリボン撹拌翼を備
えた反応容器に仕込み、窒素置換して240℃で60分
間加熱撹拌して透明な均質溶液とした後、260℃、
0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、粘凋で透明
なポリマーを得た。ポリマーを冷却ベルト上にガット状
に吐出し、ペレタイズすることによって、ペレット状の
ポリエーテルエステルアミドを調製した。
【0028】
【合成例2】 積層部用樹脂組成物の調製 表1、2に示すアクリル系樹脂(A)としてメチルメタ
クリレートとメチルアクリレートの共重合体(旭化成工
業(株)製 デルペット(商標名))と合成例1で調製
したポリエーテルエステルアミド(B)と、有機スルホ
ン酸塩及び有機リン酸塩(C)から選択したドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ(DBS)と、更に酸化防止剤
(商品名 イルガノックス245 日本チバガイギー社
製)を0.1重量部(以下、重量部はアクリル系樹脂と
ポリエーテルエステルアミドの合計100重量部に対す
る添加部数を表す。)、酸化防止剤(商品名 イルガホ
ス168 日本チバガイギー社製)を0.02重量部、
紫外線吸収剤(商品名 チヌビン234 日本チバガイ
ギー社製)を0.3重量部、紫外線安定剤(商品名チヌ
ビン770 日本チバガイギー社製)を0.3重量部を
タンブラーを用いてブレンドした後、ベント付き30m
mφ2軸押出機で設定温度240℃で溶融混練し、ペレ
ット化した。
【0029】
【実施例1〜8及び比較例1〜5】合成例2で調製した
ペレットを積層部用として直径25mmφ単軸押出機を
用い、一方基材部は表1、2に示した樹脂(アクリル系
樹脂は旭化成工業(株)製デルペット、ポリカーボネー
ト樹脂は出光石油化学製タフロン)を50mmφ単軸押
出機を用いて共押出を行った。ダイは樹脂出口巾300
mm、リップクリアランス2.0mmで2種2層に調製
したプラスチック工学研究所のスタックプレートダイを
用いた。押出温度はアクリル系樹脂は250℃で、ポリ
カーボネート樹脂は280℃でおこなった。積層シート
の厚みは、ポリッシングロール(温度70℃)で表1、
2の記載の厚みに調製した。積層部の厚みは積層用押出
機の吐出量で調製した。上記方法で比較した結果を表
1、2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂積層成形体は、基
材部の特性を失うことなく表面平滑性に優れた美麗な外
観を備え、更に持続的帯電防止効果を有効に発揮させ、
かつコスト的にも安価に製造することができるものであ
り、前記した用途、店装デスプレー、照明カバーなどの
材料として極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/06 LHY LHZ LJA

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の熱可塑性樹脂の少なくとも片面に
    アクリル系樹脂(A)60〜97重量%、ポリエーテル
    エステルアミド(B)3〜40重量%からなり、且つ、
    該ポリテ−ルエステルアミド(B)の含有量(重量%)
    /上記アクリル系樹脂(A)のメルトインデックスが5
    以下になるように調製されてなる組成物100重量部に
    対し、有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から選ば
    れた少なくとも1種類の化合物(C)0.1〜5重量部
    含有してなる組成物を5〜500μmの厚さで積層させ
    てなる帯電防止性熱可塑性樹脂積層成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258752A (ja) * 2000-12-26 2002-09-11 Yupo Corp インモールド成形用ラベル
JP2008179707A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Lonseal Corp 帯電防止性アクリル系樹脂組成物およびフィルム、シート

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