JP2827167B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2827167B2 JP63222392A JP22239288A JP2827167B2 JP 2827167 B2 JP2827167 B2 JP 2827167B2 JP 63222392 A JP63222392 A JP 63222392A JP 22239288 A JP22239288 A JP 22239288A JP 2827167 B2 JP2827167 B2 JP 2827167B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的特性、成形加工性、永久帯電防止
性、成形熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
合成高分子材料は、その優れた特性によって広範な分
野で使用されているが、一般に電気抵抗率が高く、帯電
しやすいため、静電気に起因する種々の障害が発生す
る。従来から合成高分子材料に帯電防止性を付与する目
的で、ポリアルキレンオキサイドのような吸水性の化
合物や帯電防止剤などを合成高分子に練り込む方法や、
界面活性剤などを合成高分子表面に塗布する方法など
が一般に行われている。しかしながら、いずれの方法に
よっても充分な帯電防止性能は実現されておらず、水洗
や表面の拭き取り処理を行うと、帯電防止性能が消滅し
たり、練り込み成分がブリードアウトして素材としての
品質が低下し、さらには帯電防止性が経時変化して低下
するなどの問題がある。
一方、ポリアミドとポリエステルとが、ジカルボン酸
を介してエステル結合した、いわゆるポリエーテルエス
テルアミドは、優れたゴム弾性を有しており、帯電防止
性も良好であることが知られている。しかしながら、ポ
リエーテルエステルアミドは、ゴム弾性であり、機械的
強度が不充分なため、剛性、強靱性が要求され、構造材
料としては充分ではないという欠点もある。しかも、ポ
リエーテルエステルアミドは、他の熱可塑性樹脂、例え
ばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体
(AS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、スチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン三元共重合体(ABS樹脂)などのビニル系
重合体などとの相溶性が悪い。そのため、例えば特開昭
61−246244号公報(以下「先行技術1」という)には、
(A)ポリエーテルエステルアミド、(B)ゴム質重合
体に(メタ)アクリル酸エステルおよび/または芳香族
ビニルなどの単量体を重合させたグラフト共重合体、な
らびに(C)(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニ
ルおよび/またはシアン化ビニルなどの単量体混合物を
共重合してなる共重合体(スチレン系重合体)からなる
組成物が、永久制電性を有することが開示されている。
しかしながら、この先行技術1の組成物は、ポリエー
テルエステルアミドとスチレン系重合体との相溶性が未
だ悪いため、衝撃強度などの機械的強度が充分でなく、
実用に供することができない。
また、特開昭60−23435号公報(以下「先行技術2」
という)には、ポリエーテルエステルアミドにカルボキ
シル基含有変性ビニル系重合体をブレンドすることが示
されているが、この先行技術の組成物の機械的強度は向
上するものの、カルボキシル基の自己架橋反応により、
シルバーストリークスや艶消しなどの外観不良を呈する
欠点を有している。また、この先行技術2では、成形時
に滞留された場合には、前記外観不良とともに機械的強
度も低下し、熱安定性が劣る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもの
で、優れた成形熱安定性および成形加工性を有し、永久
制電性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、(イ)ゴム変性スチレン系重合体またはゴ
ム変性スチレン系重合体とスチレン系重合体からなり、
該重合体の少なくとも1つに水酸基含有ビニル単量体を
共重合成分として含有するゴム変性スチレン系熱可塑性
樹脂(以下「(イ)成分」ということがある)10〜99重
量%と、(ロ)(a)炭素数6以上のアミノカルボン酸
もしくはラクタム、または炭素数6以上のジアミンとジ
カルボン酸の塩、(b)数平均分子量が200〜6,000のポ
リエチレングリコール、および(c)炭素数4〜20のジ
カルボン酸から構成されるポリエーテルエステルアミド
で、ポリエーテルエステル単位が10〜95重量%であるポ
リアミドエラストマー(以下「(ロ)成分」ということ
がある)90〜1重量%〔ただし、(イ)+(ロ)=100
重量%〕とを含有する組成物であって、該組成物中に前
記水酸基含有ビニル単量体を共重合成分として0.01重量
%以上、0.5重量%未満含有していることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の組成物に使用される(イ)ゴム変性スチレン
系熱可塑性樹脂としては、ゴム変性スチレン系重合
体、またはゴム変性スチレン系重合体とスチレン系重
合体(ゴム変性していないもの)との混合物であり、高
度の耐衝撃性を得る目的でゴム質重合体を特定なスチレ
ン系重合体中に混合したものである。この混合方法とし
ては、単純な機械的ブレンド方法でも構わないが、良好
な相溶性を得るためには、ゴム質重合体の存在下にスチ
レン系単量体などをグラフト共重合させる、いわゆるグ
ラフト共重合処方によって得られたものが一層好ましい
ものである。また、この方法で得られるゴム変性スチレ
ン系重合体(グラフト共重合体)に、別途方法によって
得られるスチレン系重合体を混合する、いわゆるグラフ
ト−ブレンド法によって得られるものを用いることも好
ましい。
ここで、前記ゴム質重合体として用いられるものの種
類としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共
重合体などのジエン系ゴム、アクリル系共重合体、エチ
レン−プロピレン−(ジエン)系共重合体、塩素化ポリ
エチレン、ポリウレタンなどが挙げられるが、なかでも
ポリブタジエンを用いることが好ましい。
本発明に用いられる(イ)ゴム変性スチレン系熱可塑
性樹脂に、水酸基含有ビニル単量体を共重合させる方法
としては、該熱可塑性樹脂がゴム変性スチレン系重合
体、またはゴム変性スチレン系重合体とスチレン系重
合体との混合物からなるものであるので、ゴム変性ス
チレン系重合体の場合には、その重合体中に水酸基含有
ビニル単量体を共重合成分として含有するものであり、
また混合物の場合には、その少なくとも一方の重合体
中に、スチレン系単量体の共重合成分として水酸基含有
ビニル単量体を含有するものである。
前記スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ブロモスチレンなどが挙げられるが、これ
らのなかでもスチレンを用いることが最適である。
また、前記水酸基含有ビニル単量体としては、少なく
とも1個の不飽和結合(二重結合、三重結合)を有し、
かつヒドロキシル基を含有する化合物である。この代表
的なものとしては、二重結合を有するアルコール、三重
結合を有するアルコール、一価または二価の不飽和カル
ボン酸と非置換二価アルコールとのエステル、該不飽和
カルボン酸の非置換三価アルコールとのエステル、非置
換四価アルコールとのエステル、および非置換五価以上
のアルコールとのエステルが挙げられる。
本発明において使用される水酸基含有ビニル単量体の
うち、好適な代表例としては、3−ヒドロキシ−1−プ
ロパン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−
ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、
シス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、トランス−5−
ヒドロキシ−2−ペンテン、シス−1,4−ジヒドロキシ
−2−ブテン、トランス−1,4−ジヒドロキシ−2−ブ
テン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルア
クリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルクロトネート、2,3,4,5,6−ペン
タヒドロキシヘキシルアクリレート、2,3,4,5,6−ペン
タヒドロキシヘキシルメタクリレート、2,3,4,5−テト
ラヒドロキシペンチルアクリレート、2,3,4,5−テトラ
ヒドロキシペンチルメタクリレートなどが挙げられる。
これらのなかでも、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを用いることが好ましい。
これらの水酸基含有ビニル系単量体は、1種単独で、
あるいは2種以上を併用することができる。
前記水酸基含有ビニル単量体の含量は、この(イ)ゴ
ム変性スチレン系熱可塑性樹脂と後記(ロ)ポリアミド
エラストマーを配合した全組成物中に、0.1重量%以
上、0.5重量%未満である。このビニル単量体の使用量
が、全組成物中に0.01重量%未満の場合には、(ロ)ポ
リアミドエラストマーとの相溶性が低下し、結果として
耐衝撃性および帯電防止性が低下するため好ましくな
く、一方0.5重量%以上では、成形熱安定性、成形加工
性が低下するので好ましくない。水酸基含有ビニル単量
体の含量が、全組成物中に0.1重量%以上、0.5重量%未
満であると、成形熱安定性、成形加工性、制電性、耐衝
撃性の物性バランスが一段と優れた組成物が得られる。
さらに、必要の応じてこれらスチレン系単量体と共重
合可能な前記水酸基含有ビニル単量体以外の他の単量体
を用いて共重合することも可能である。このような他の
単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルメタクリレート、N−フェニルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
(イ)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂において、スチ
レン系単量体を単独で用いる場合には、耐衝撃性が発現
し難いので、アクリロニトリルを共重合させるのが好ま
しい。
(イ)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂に水酸基含有ビ
ニル単量体をグラフト共重合させる場合の基材として
は、ゴム質重合体、グラフト共重合体のグラフト
層、あるいは非グラフトスチレン系重合体などが挙げ
られるが、これらのなかでもまたは、特にである
ことが好ましい。
このようにして得られる(イ)ゴム変性スチレン系熱
可塑性樹脂を具体的に示せば、従来のアクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル−エチレン・プロピレン−スチレン樹脂(AES樹
脂)メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン樹脂
(MBS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−メタク
リル酸メチル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−n−
ブチルアクリレート−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ゴム
変性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン;HIP
S)、α−メチルスチレンを用いた耐熱ゴム変性スチレ
ン系樹脂などの共重合体樹脂を製造する際に、前記共重
合体樹脂中もしくは前記共重合体樹脂に混合するスチレ
ン系重合体中の単量体の一部を水酸基含有ビニル単量体
に代えて重合することにより、水酸基含有ビニル単量体
を含有させてなるものである。
これらの(イ)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂のな
かでも、従来のABS樹脂中に水酸基含有ビニル単量体を
共重合して含有させたものが最適である。
本発明に使用される(イ)ゴム編成スチレン系熱可塑
性樹脂は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合などによって
製造される。
また、この際、重合に用いられる重合開始剤、分子量
調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常、こ
れらの重合法で用いられるものをそのまま用いることが
可能である。
(イ)ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂の製造方法の好
ましい方法としては、乳化重合により得られるゴム質重
合体の存在下に、単量体および追加の乳化剤、単量体、
重合開始剤を用い、一般に重合温度30〜150℃、重合時
間1〜15時間、重合圧力−1.0〜5.0kg/cm2の条件下でグ
ラフト共重合して得られるグラフト共重合体(ただし、
未グラフトのスチレン系重合体を含む)と、乳化重合も
しくは溶液重合により得られるスチレン系重合体とを混
合することによって製造する。
次に、本発明に用いられる(ロ)ポリアミド系エラス
トマーとしては、ハードセグメントとしての炭素数がア
ミノカルボン酸もしくはラクタム、またはm+n≧12の
ナイロンmn塩(X)、およびソフトセグメントとして
は、ポリオール、具体的にはポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール(Y)から構成され、かつエラストマー
中に占めるY成分の比率が10〜95重量%、好ましくは20
〜90重量%、さらに好ましくは80〜、90重量%のものを
挙げることができる。
(ロ)エラストマー中に占めるY成分の比率が10重量%
未満では(イ)成分との相溶性に劣り、一方95重量%を
超えると帯電防止性に劣り好ましくない。
前記炭素数6以上のアミノカルボン酸もしくはラクタ
ムまたはm+n≧12のナイロンmn塩(X)としては、ω
−アミノカプロン酸、ω−アミノエナン酸、ω−アミノ
カプリル酸、ω−アミノベルゴン酸、ω−アミノカプリ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸
などのアミノカルボン酸;カプロラクタム、ラウロラク
タムなどのラクタム類;ナイロン6,6、ナイロン6,10、
ナイロン6,12、ナイロン11,6、ナイロン11,10、ナイロ
ン12,6、ナイロン11,12、ナイロン12,6、ナイロン12,1
0、ナイロン12,12などのナイロン塩が挙げられる。
また、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール(Y)
としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2および
1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラ
メチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレン
オキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレン
オキシドとのブロックまたはランダム共重合体、エチレ
ンオキシドとテトラヒドロフランとのブロックまたはラ
ンダム共重合体などが挙げられる。
これらのグリコール(Y)の数平均分子量は、200〜
6,000、好ましくは250〜4,000である。これらのグリコ
ール(Y)のなかでも、帯電防止性が優れている点で、
特にポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
なお、本発明では、ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コール(Y)の両末端を、アミノ化またはカルボキシル
化してもよい。
前記(X)成分と(Y)成分との結合は、(ロ)ポリ
アミドエラストマーの末端基に対応してエステル結合ま
たはアミド結合が考えられる。
この結合の際に、ジカルボン酸やジアミンなどの第3
成分を用いることができる。
このジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものであ
り、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナト
リウムなどの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などの脂環族ジ
カルボン酸、およびコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、
セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカル
ボン酸など、ならびにこれらの混合物が挙げられ、特に
テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカンジカル
ボン酸が、重合性、色調および物性の点から好ましく用
いられる。
また、ジアミンとしては、芳香族、脂環族、脂肪族ジ
アミンが用いられる。具体的には、脂肪族ジアミンとし
ては、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
(ロ)ポリアミドエラストマーの合成法は、特に制限さ
れないが、例えば特公昭56−45419号公報、特開昭55−1
33424号公報などにおいて開示されている方法を採用す
ることができる。
本発明の(ロ)ポリアミドエラストマーは、(a)炭
素数6以上のアミノカルボン酸もしくはラクタム、また
は炭素数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩、(b)
数平均分子量が200〜6,000のポリエチレングリコール、
および(c)炭素数4〜20のジカルボン酸から構成され
るポリエーテルエステルアミドで、ポリエーテルエステ
ル単位が10〜95重量%であるポリエーテルエステルアミ
ドであり、これにより一段と優れた帯電防止性を有する
熱可塑性樹脂組成物が得られる。
このうち、(a)成分としては、好ましくはカプロラ
クタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミ
ン−アジピン酸塩である。
また、(b)成分としては、数平均分子量が200〜6,0
00、好ましくは250〜4,000のポリエチレングリコールで
あり、数平均分子量がこの範囲にあると機械的性質、帯
電防止性の優れたものが得られる。
さらに、(c)成分のジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン酸を挙げるこ
とができ、これらのジカルボン酸を用いると、重合性、
色調に優れる。
さらに、ポリエーテルエステルアミド中のポリエーテ
ルエステル単位が10〜95重量%であると、機械的性質お
よび帯電防止性の一段と優れた組成物が得られる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記(イ)ゴム変性
スチレン系熱可塑性樹脂と、(ロ)ポリアミドエラスト
マーを主成分とするが、両者の配合割合は、(イ)成分
が10〜99重量%、好ましくは40〜95重量%、さらに好ま
しくは60〜93重量%、(ロ)成分が90〜10重量%、好ま
しくは60〜5重量%、さらに好ましくは40〜7重量%
〔ただし、(イ)+(ロ)=100重量%〕であり、
(ロ)ポリアミドエラストマーが1重量%未満では成形
加工性、帯電防止性、衝撃強度が不足し、一方90重量%
を超えると組成物が柔軟になり、機械的性質が劣るので
好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記(イ)成分と
(ロ)成分とを、通常の混合方法を用いて混合すること
により得られる。例えば、ミキサーで各成分を混合した
のち、押し出し機で200〜280℃で溶融混練りして造粒す
る。さらに、簡単には各成分を直接、成形機内で溶融混
練りして成形することができる。
なお、本発明の組成物は、前記(イ)成分と(ロ)成
分を主成分とするが、そのほか本発明の樹脂組成物に対
して、他の熱可塑性重合体、例えば塩化ビニル樹脂、ポ
リオレフィン樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテル、ポリグルタルイミド、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体などの通常の各種
の合成樹脂、あるいはエラストマーを50重量%以下程度
含有させることができる。
また、本発明の組成物には、各種の配合剤を添加する
ことができる。
これらの配合剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘ
キシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,2−メチレン−
ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノ
ール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ
−ノニルフェニル)ホスファイト、ワックスなどの酸化
防止剤;p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−
(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)
ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤;パラフィンワ
ックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチ
レンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケ
トンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどの滑
剤;酸化アンチモン、水酸化アンモニウム、ホウ酸亜
鉛、トリクレジルホスフェート、トリス(ジクロロプロ
ピル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモ
ブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェ
ノールAなどの難燃剤;ステアロアミドプロピルジメチ
ル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートなど
の帯電防止剤;酸化チタン、カーボンブラックなどの着
色剤;炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、
ガラス球、カーボン繊維などの充填剤;顔料などを挙げ
ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り
重量基準である。
参考例1(ゴム変性スチレン系重合体G−1の製造) 撹拌機を備えた内容積7lのガラス製フラスコに、第1
表に示すバッチ仕込みの組成の薬液を加え、窒素ガスで
フラスコ内部の空気を置換したのち、ジャケットを70℃
にコントロールしながらフラスコ内部を40℃に昇温し
た。
次いで、フラスコ内に水10部を溶解したピロリン酸ナ
トリウム0.3部、デキストローズ0.35部、硫酸第1鉄0.0
1部およびクメンハイドロパーオキサイド0.1部を添加
し、重合反応を開始させた。
反応を開始してから1時間後に、第1表に示すインク
レメント混合物の薬液を3時間にわたって連続的に添加
したのち、さらに1時間反応を続けたところ、反応はほ
ぼ完結した。
得られたグラフト共重合体(ゴム変性スチレン系重合
体)ラテックスに、老化防止剤として2,6−t−ブチル
パラクレゾール1.0部を添加したのち、硫酸(ポリマー1
00分に対して2部の割合)を加えて90℃で凝固させた。
次いで、これを分離、水洗、脱水、乾燥してゴム変性
スチレン系重合体G−1を得た。
参考例2(スチレン系重合体M−1〜M−6の製造) 撹拌機を備えた内容積7lのガラス製フラスコに、第2
表に示す薬液を加え、窒素ガスでフラスコ内部の空気を
置換したのち、ジャケットを70℃にコントロールしなが
らフラスコ内部を50℃に昇温した。
次いで、フラスコ内に水4部を溶解した過硫酸カリウ
ム0.3部と、水1部に溶解した亜硫酸ナトリウム0.1部を
添加し、3時間共重合反応を行った。
得られたスチレン系重合体ラテックスに、塩化カルシ
ウム(ポリマー100分に対して2部の割合)を加えて90
℃で凝固させた。次いで、これを分離、水洗、脱水、乾
燥して第2表に示すスチレン系重合体M−1〜M−6を
得た。
実施例1、比較例1〜9 (イ)ゴム変性スチレン系樹脂として、参考例1で得ら
れたゴム変性スチレン系重合体G−1、参考例2で得ら
れたスチレン系重合体M−1〜M−6、スチレン−アク
リロニトリル系共重合体樹脂(AS樹脂、日本合成ゴム
(株)製、AS−240、結合アクリロニトリル含量24.5
%、メチルエチルケトン30℃での〔η〕=0.60)、
(B)ポリアミドエラストマーとして、PAE−A〔ATOCH
EM社製、PEBAX4011、ナイロン6(40%)/ポリエチレ
ングリコール−アジピン酸(ポリエーテルエステル単
位)(60%)〕PA−A(アライド社製、カプロン8200;
ナイロン6)を、第3表に示す配合割合でヘンシェルミ
キサーを用いて混合した。
さらに、前記混合物を50mm、2軸ベント付き押し出し
機を用いて230℃の温度で造粒し、90℃で乾燥させたの
ち、230℃で射出成形を行って、第3表に示す各種物性
を測定した。
なお、アイゾット衝撃強度および光沢度の熱安定性評
価試験片の成形方法は、射出成形機を用いて、成形温度
230℃、1分サイクルでアイゾット衝撃強度と光沢度測
定用試験片を成形し、続いてシリンダー内に成形材料を
くいこまし、そのままの状態で10分間放置(滞留)した
のち、1分サイクルで成形し、滞留済み試験片を得た。
また、帯電防止性(制電性)の熱安定性評価試験片の
成形方法は、射出成形機を用いて、成形サイクル1分
で、成形温度230℃、270℃、それぞれの成形温度で直径
100mm、厚さ2mmの円板を成形した。
以上の試験片を用いて測定した各種の物性の評価は、
以下に示す方法によって測定した。
メルトフローレートは、ASTM D1238(220℃)で測定
した。
熱変形温度は、ASTM D648(荷重18.6kg/cm2、アニー
ルなし)で測定した。
アイゾット衝撃強度は、ASTM D256(ノッチ付き)で
測定した。
光沢度は、ASTM D523(3mm厚さ)で測定した。
帯電防止性は、230℃、あるいは270℃で成形した前記
円板を、相対湿度50%、環境温度23℃中に成形終了後24
時間、状態調節したのち、横河−ヒューレットパッカー
ド社製、4329型超絶縁抵抗計にて試験片の表面固有抵抗
を測定した。また、230℃で成形を行った試験片を用い
て、測定終了後から相対湿度50%、環境温度23℃で1ヶ
月放置したのち、洗剤で洗浄し、表面の水分を取り除い
たのち、再び前記条件で状態調節を24時間行い、同様に
して表面固有抵抗を測定した。
第3表から明らかなように、実施例1は、本発明の熱
可塑性樹脂組成物であり、本発明の目的とする成形時の
熱安定性、機械的性質、成形加工性、制電性に優れてい
ることが分かる。
これに対し、比較例1は、(ロ)ポリアミドエラスト
マーを使用しない本発明の範囲外の熱可塑性樹脂組成物
であり、帯電防止性および成形加工性に劣る。比較例2
は、水酸基含有ビニル単量体を含有しないゴム変性スチ
レン系熱可塑性樹脂を使用した例であり、耐衝撃性に劣
る。
比較例3は、水酸基含有ビニル単量体の含量が本発明
の範囲を超えた例であり、熱安定性、成形加工性に劣
る。比較例4は、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂が本
発明の範囲を超えて多い例であり、成形加工性、帯電防
止性に劣る。
比較例5は、ゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂が本発
明の範囲未満の例であり、ゴム状で樹脂ではない。比較
例6は、水酸基含有ビニル単量体に代えてカルボキシル
基含有ビニル単量体を用いた例であり、熱安定性に劣
る。
比較例7は、水酸基含有ビニル単量体に代えてアクリ
ルアミドを用いた例であり、熱安定性に劣る。比較例8
〜9は、ポリアミドエラストマーの代わりに、ポリアミ
ド樹脂(ナイロン)を用いた例であり、帯電防止性に劣
る。
〔発明の効果〕 本発明は、水酸基含有ビニル単量体を特定量共重合し
たゴム変性スチレン系熱可塑樹脂と、特定のポリアミド
エラストマーとからなる熱可塑性樹脂組成物であって、
成形時の滞留によって、あるいは高温度で成形しても耐
衝撃性、光沢度、帯電防止性の低下が少ないという、極
めて優れた熱安定性を有することから、近年、用途の多
様化による厳しい成形条件で成形されても、品質の変化
が少なく、従って工業的に極めて有用な熱可塑性樹脂組
成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 神谷 明 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−227648(JP,A) 特開 昭63−146956(JP,A) 特開 昭61−246244(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ゴム変性スチレン系重合体またはゴ
    ム変性スチレン系重合体とスチレン系重合体からなり、
    該重合体の少なくとも1つに水酸基含有ビニル単量体を
    共重合成分として含有するゴム変性スチレン系熱可塑性
    樹脂10〜99重量%と、 (ロ)(a)炭素数6以上のアミノカルボン酸もしくは
    ラクタム、または炭素数6以上のジアミンとジカルボン
    酸の塩、(b)数平均分子量が200〜6,000のポリエチレ
    ングリコール、および(c)炭素数4〜20のジカルボン
    酸から構成されるポリエーテルエステルアミドで、ポリ
    エーテルエステル単位が10〜95重量%であるポリアミド
    エラストマー90〜1重量%〔ただし、(イ)+(ロ)=
    100重量%〕とを含有する組成物であって、該組成物中
    に前記水酸基含有ビニル単量体を共重合成分として0.01
    重量%以上、0.5重量%未満含有していることを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
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