JPH0798886B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0798886B2
JPH0798886B2 JP62333538A JP33353887A JPH0798886B2 JP H0798886 B2 JPH0798886 B2 JP H0798886B2 JP 62333538 A JP62333538 A JP 62333538A JP 33353887 A JP33353887 A JP 33353887A JP H0798886 B2 JPH0798886 B2 JP H0798886B2
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山本  和彦
祐輔 津田
義信 鈴木
友治 山元
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日本合成ゴム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性、ウェルド強
度に優れ、高光沢の成形外観を呈する熱可塑性樹脂組成
物に関する。
b.従来の技術 ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12などのポリ
アミド樹脂ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂、およびポリカ
ーボネート樹脂は種々の優れた特性をもっており、これ
らの特性を生かしてプラスチック製品、フィルムなどの
多くの分野に利用されている。しかし、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂は耐衝撃性があまり優れず、特
に、切欠き(ノッチ)を付けた場合の耐衝撃性が低いと
いう欠点がある。また、ポリカーボネート樹脂は耐薬品
性が悪く、その上、耐衝撃性がノッチ感度に鋭敏である
という欠点をもっている。
こうした欠点のため、上記の材料は、さらに広範囲な用
途展開をするためには必ずしも満足すべき材料ではなか
った。
そこえ、耐衝撃性を向上させるために、ゴムおよびゴム
強化樹脂などをブレンドする方法が数多く報告されてい
るが、これらの方法によってはポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂の耐衝撃性を十分に向上させることができ
ず、ウェルド強度、成形外観においても十分でない。ま
たポリカーボネートも上記の方法により耐衝撃性は改良
されるが、耐薬品性、ウェルド強度の改良が十分でない
状況にある。
c.発明が解決しようとする問題点 このように、従来の方法によっては、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂の耐衝撃性、ウェルド強度および成形
外観を、またポリカーボネート樹脂については耐薬品
性、ウェルド強度、を十分に改良することができなかっ
た。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、(A)カル
ボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム強化スチ
レン系共重合体樹脂、(B)スチレン系共重合体樹脂お
よび(C)ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル、ポリカ
ーボネート樹脂から選ばれた少くとも一種からなる組成
物が、耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性、ウェルド強
度、成形外観において優れることを見出し、本発明に到
達した。
d.問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は(A)カルボキシル基含有不飽和化
合物を共重合したゴム強化スチレン系共重合体樹脂、
(B)スチレン系樹脂、(C)ポリアミド系重合体、ポ
リエステル系重合体、ポリカーボネート系樹脂から選ば
れた少くとも一種からなり、(イ)(A)成分中のカル
ボキシル基含有不飽和化合物の含有量が0.1〜8重量
%、かつ全組成物中のカルボキシル基不飽和化合物の含
有量が0.02〜4重量%、(ロ)全組成物中のゴム成分の
含有率が5〜4重量%、(ハ)(B)成分中のゴム成分
へのグラフト率が30重量%以上であり、かつ(A)
(B)成分中のマトリックス成分(溶媒に可溶な樹脂成
分)の極限粘度(30℃メチルエチルケトン)が0.35dl/g
以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供
するものである。
本発明の(A)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重
合したゴム強化スチレン系共重合体樹脂は、ゴム質重合
体の存在下に、カルボキシル基含有不飽和化合物および
必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を重合し
てなる共重合体である。
上記(A)成分中のゴム質重合体としては、エチレン−
プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合
体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロッ
ク共重合体などのエチレンとα−オレフィンとの共重合
体;エチレン−メタクリレート、エチレン−ブチルアク
リレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルと
の共重合体;エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂
肪酸ビニルとの共重合体;エチレン−プロピレン−エチ
リデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−
ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン−非
共役ジエンタ−ポリマー;ポリブタジエン、イソプレ
ン、スチエン−ブタジエンのランダム共重合体およびブ
ロック共重合体、さらに該ブロック共重合体の水添物、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−
イソプレン共重合体などのジエン系ゴム;ブチレン−イ
ソプレン共重合体などがあり、これらは1種又は2種以
上を併せても用いることができる。
これらのうち、耐衝撃性などの点で好ましいゴム質重合
体はジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエンタ−ポリマーである。さ
らに好ましくはポリブタジエンおよびスチレン−ブタジ
エン共重合体であり、このスチレン−ブタジエン共重合
体中のスチレン含有率は50重量%以下であることが耐衝
撃性の点で好ましい。
本発明の(A)成分中のカルボキシル基含有不飽和化合
物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、桂皮酸、イタコン酸、マレイン酸などがあり、好
ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。これらは、
1種または2種以上で使用される。
カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合させる場合、
共重合させる部分として (1)ゴム質重合体 (2)グラフト重合体のグラフト層 (3)非グラフトスチレン系重合体 が挙げられるが、好ましくは(1)または(2)であ
り、さらに好ましくは(2)である。
上記(A)成分中の他の共重合可能な化合物としては芳
香族ビニル化合物、マレイミド系化合物、ビニルシアン
化合物およびこらと共重合可能な他のビニル単量体であ
る。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α−メチル
スチレン、メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロ
ルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、
ジブロムスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチル
スチレン、ビニルナフタレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ジメチルスチレンなどであり、これ
らは1種でも2種以上を併せて用いることもできる。こ
れらのうち好ましく用いられる芳香族ビニル化合物はス
チレンであり、2種以上の芳香族ビニル化合物を併用に
もスチレンを50重量%以上の割合で用いることが好まし
い。
マレイミド系化合物としては、例えばマレイミド、N−
メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられるが、特に
好ましくはN−フェニルマレイミド、N−o−クロルフ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
であり、これらは1種または2種以上を併用してもよ
い。
ビニルシアン化合物としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどであり、これらのうちでは好ましく
はアクリロニトリルである。
他の共重合可能なビニル化合物としては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピレンアクリレート
などのアクリル酸のアルキルエステル;メチルメタアク
リレート、エチルメタアクリレート、プロピレンメタア
クリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;無水
マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの
不飽和酸無水物が挙げられ、これらは1種でも2種以上
併用して用いることもできる。
(A)成分を具体的に例示すると、 1)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム
質重合体の存在下に、芳香族ビニルモノマーを必須成分
とする単量体あるいは芳香族ビニルとカルボキシル基含
有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を重合して得
られたグラフト共重合体、 2)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルとカルボキ
シル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を共
重合して得られたグラフト共重合体、 3)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されてい
ないゴム強化スチレン系樹脂とカルボキシル基含有不飽
和化合物と芳香族ビニルとを必須成分とする単量体の共
重合体との混合物、 4)上記1)、2)とカルボキシル基含有不飽和化合物
と芳香族ビニルとを必須成分とする共重合体との混合
物、 5)上記1)、2)、3)、4)と芳香族ビニルを必須
成分とする共重合体との混合物がある。
上記1)〜5)において、芳香族ビニルとしてはスチレ
ンが好ましく、また芳香族ビニルと共重合する単量体と
しては、アクリロニトリルが好ましい。
カルボキシル基含有不飽和化合物は(A)成分中0.1〜
8重量%であり、好ましくは0.2〜7重量%、さらに好
ましくは0.3〜7重量%である。0.1重量%未満では耐衝
撃性、ウェルド強度が低く、8重量%を越えると耐衝撃
性、成形加工性、ウェルド強度、成形外観が悪い。ま
た、全組成物中のカルボキシル基含有不飽和化合物の含
有量は0.02〜4重量%であり、好ましくは0.05〜3.5重
量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。0.02重
量%未満なら耐衝撃性、ウェルド強度が低く、4重量%
を越えると耐衝撃性、成形加工性、ウェルド強度、成形
外観が悪くなる。
全組成物中のゴム含有率は5〜40%であり、好ましくは
7〜35重量%、さらに好ましくは7〜30重量%である。
5重量%未満では耐衝撃強度、ウェルド強度が低い。40
重量%を越えると成形加工性が悪い。
本発明組成物中、(A)カルボキシル基含有不飽和化合
物を共重合したゴム強化スチレン系共重合体樹脂は5〜
90重量%であり、好ましくは10〜90重量%であり、さら
に好ましくは10〜80重量%である。5重量%未満では耐
衝撃性、ウェルド強度が悪く、90重量%を越えると、成
形外観、成形加工性が悪くなる。
本発明で用いる(B)スチレン系樹脂は、ゴム質重合体
の存在下または不存在下に、芳香族ビニル化合物を必須
成分とし、必要に応じてマレイミド系化合物、ビニルシ
アン化合物および共重合可能な他のビニル単量体から選
ばれた少なくとも一種の単量体からなる樹脂成分を重合
してなる樹脂である。
ここでのゴム質重合体、芳香族ビニル化合物、マレイミ
ド系化合物、これらと共重合可能な他のビニル単量体は
(A)成分で示したものと同一のものである。
(B)スチレン系樹脂は、ゴム質重合体の存在下に樹脂
成分の単量体を重合させてなる樹脂と、ゴム質重合体の
不存在下に樹脂成分の単量体を重合させた樹脂との組成
物であってもよい。
上記スチレン系樹脂は、さらに具体的にはアクリロニト
リル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ア
クリロニトリル−エチレンプロピレンゴム、スチレン樹
脂(AESM樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタ
クリル酸メチル−スチレン(ABS樹脂)、メタクリル酸
メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、ハイインパクト
ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−n−ブチル
アクリレートゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)などを挙
げられることができる。
(B)成分であるスチレン系樹脂の組成物中での適正範
囲は0〜80重量%である。(B)成分が80重量%を越え
る場合、ウェルド強度が悪くなる。(C)成分として、
ポリアミドを選んだ場合には、(B)成分の好ましい範
囲は10〜80重量%であり、優れた耐衝撃性と成形外観を
有する熱可塑性樹脂組成物が得られる。
本発明の(B)成分中のゴム成分へのモノマーのグラフ
ト率は30重量%以上、好ましくは40重量%以上、さらに
好ましくは50〜150重量%である。30重量%未満である
と成形品の成形外観が成形温度に影響を受け、光沢が低
下する。
ここでグラフト率の測定は下記の方法で求めた。
材料1gを精秤採取し、これをアセトン20ccを加え、10時
間振盪させ、そののち、回転数20,000rpmの遠心分離機
を用いて可溶分と不溶分に分離し、不溶分を真空乾燥機
で乾燥し、不溶分(C)を得た。一方、重合組成と重合
転化率から不溶分(C)中のゴム量(R)を算出し、次
式よりグラフト率を求めた。
また、(A)および(B)成分中のマトリックスの極限
粘度(30℃で溶媒メチルエチルケトン)は0.35dl/g以上
である。好ましくは0.4dl/g〜1.0dl/gである。0.35dl/g
未満の場合、耐衝撃性、ウェルド強度が低くなる。
本発明の(C)成分で用いるポリアミド系重合体は特に
限定はなく、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ドデカメチレンジアミン、2,2,4および2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、1,3および1,4−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)メタン、m−キシリレンジアミン、p−キシリ
レンジアミンなどの脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンと
アジピン酸、スペリン酸、セバシン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とから導かれるポリア
ミド;ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなどの
ラクタム類の開環重合によって得られるポリアミド;6−
アミノカプロン酸、1,1−アミノウンデカン酸、1,2−ア
ミノドデカン酸などから導かれるポリアミドおよびこれ
らの共重合ポリアミド、混合ポリアミドであり、工業的
に安価、かつ多量に製造されているナイロン−6(ポリ
カプロアミド)、ナイロンポリ66(ポリヘキサメチレン
アジパミド)、ナイロン−12(ポリドデカアミド)、ナ
イロン−610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイ
ロン−46およびこれらの共重合体、混合体が有用であ
る。
また、ここで用いるポリアミド樹脂の重合度も特に制限
はなく、通常相対粘度(ポリマー1gを98%H2SO4100mlに
溶解し、25℃で測定)が1.8〜6.0の範囲内にあるポリア
ミド樹脂を任意に用いることができるが、2〜5の範囲
のものを使用すると、耐衝撃性と成形加工性のバランス
の優れたものが得られる。ポリアミドの分子構造につい
ても制限はなく、線状ポリアミド、分岐ポリアミドのど
ちらでもよい。
本発明で用いるポリエステル系重合体は特に限定されな
いが、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエス
テルのような誘導体とジオールの重縮合物によって得ら
れたものである。ポリエステルの構成成分のうちジカル
ボン酸によって構成される部分の70〜100モル%はテレ
フタル酸によって導入されたものであり、30〜0モル%
はイソフタル酸、テレフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸などによって導入されたものである。グ
リコールによって構成される部分はエタンジオール、プ
ロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオールによって導入されたものであり、これ
らの2種類以上から構成されていてもよい。またオキシ
安息香酸、ビスフェノールAにより導入された部分であ
ってもよく、さらに、これらのポリエステルの1種類以
上を混合した混合ポリエステルも本発明の範疇に含まれ
る。このようなポリエステルにはポリエチレンテレフタ
レート、ポリトリメチルテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリヘサメチレンテレフタレートおよ
びこれらの共重合体、混合物が含まれる。
本発明で用いることのできるポリカーボネート樹脂は、
ビスフェノール類とホスゲンあるいはジアリールカーボ
ネートのごときカーボネート前駆物質とを反応させて得
られるものである。ビスフェノール類としてはビス(ヒ
ドロキシアリール)アルカンが好ましく、たとえば2,
2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2′
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プ
ロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ
フェニル)プロパンなどが挙げられる。これらビスフェ
ノール類は単独または混合して使用される。
ここで用いるポリカーボネート樹脂の重合度も特に制限
はなく、通常極限粘度(溶媒:塩化メチレン20℃測定)
で0.3〜1.0のものが任意に用いることができ、0.35〜0.
75のものを用いると耐衝撃性と成形加工性のバランスが
高水準にあるものが得られる。
組成物中の(C)成分がポリアミド樹脂の場合、適正範
囲は10〜90重量%であり、好ましくは10〜80重量%であ
る。10重量%未満では成形加工性、耐薬品性が悪く、90
重量%を越えるときは耐衝撃性、ウェルド強度、成形外
観が悪い。(C)成分がポリエステル樹脂単独、または
ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂および/また
はポリアミド樹脂との混合物の場合、10〜90重量%が適
正範囲であり、10重量%未満の場合、成形加工性、耐薬
品性が悪く、90重量%を越えると耐衝撃性、ウェルド強
度、成形外観が悪くなる。また(C)成分がポリカーボ
ネート樹脂単独またはポリカーボネート樹脂とポリアミ
ド樹脂および/またはポリエステル樹脂と混合の場合の
適正範囲は10〜90重量%であり、10重量%未満では耐衝
撃性が悪く、90重量%を越えると耐衝撃性、ウェルド強
度が悪い。
本発明組成物の(A)〜(C)成分の混合には通常の方
法が用いられる。例えばミキサーで各成分を混合したの
ち、押出機にて200〜320℃で溶融混練して造粒する。さ
らに簡単には各成分を直接成形機内で溶融混練して成形
することができる。
本発明の組成物には、酸化防止剤例えば2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシク
ロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,2−メチレ
ン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト;紫
外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−m−オクトキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール;滑剤、例えばパラフィン
ワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メ
チレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、
ケトンワックス、オクチルアルコール、ヒドロキシステ
アリン酸トリグリセリド;難燃剤、例えば酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、ほう酸亜鉛、トリクレジルホ
スフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン、ヘキサブ
ロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA;帯電防止
剤、例えばステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒド
ロキシエチル、アンモニウムトレート;着色剤、例えば
酸化チタン、カーボンブラック;充填剤、例えば炭酸カ
ルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カ
ーボン繊維;顔料などを必要に応じて添加することがで
きる。
e.実施例 次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明す
る。
この実施例において、(A)成分であるカルボキシル基
含有不飽和化合物を共重合したゴム強化スチレン系共重
合体樹脂は例えば次のようにして製造された。
(1)ゴム質重合体の製造: 4段パドル翼を備えた内容積100lのステンレス製重合反
応器を用いて、表−1に示した処方にて重合反応を実施
した。パドル翼の回転数90rpmの攪拌下に昇温し、温度
が50℃に達した時点で過硫酸カリウムを添加し、以後反
応温度を50℃で一定に保つように制御しながら重合反応
をおこない、重合率が90%に達した時点でジエチルヒド
ロキシアミン0.1重量部を添加して反応を停止させ、水
蒸気蒸留により未反応モノマーを実質的に留去し、ゴム
状物質のラテックスを得た。
(2)上記ゴム質重合体を用いたカルボキシル基含有不
飽和化合物共重合グラフト共重合体(A−6、A−11、
A−12およびA−13)の製造: 攪拌翼を備えた7lガラス製フラスコにイオン交換水100
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、水
酸化カリウム0.01部、t−ドデシルメルカプタン0.1部
および表−2に示す割合で表−1のゴム質重合体ラテッ
クスと各種単量体からなるバッチ重合成分を加え、攪拌
しながら昇温した。温度が45℃に達した時点で、エチレ
ンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.003
部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・二
水塩0.2部、およびイオン交換水15部よりなる活性剤水
溶液およびジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイ
ド0.1部を添加し、1時間反応を続けた。
そののち、イオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1部、水酸化カリウム0.02部、t−ドデ
シルメルカプタン0.1部、ジイソプロピルベンゼンヒド
ロパーオキサイド0.2部および表−2に示す割合の各種
単量体よりなるインクレメント重合成分の混合物を3時
間にわたって連続的に添加し、反応を続けた。添加終了
後、さらに攪拌しながら1時間反応を続けたのち、2,2
−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)0.2重量部を添加し、反応生成物をフラスコよ
り取り出した。塩化カリウム2重量部を用いて生成物を
凝固させ、脱水、水洗、乾燥をおこって、粉末状のグラ
フト樹脂を回収した。
表−2にモノマー重合転化率並びに先に述べた方法で測
定したグラフト率、極限粘度〔η〕を記す。
同様に製造した他の(A)成分を含めてA−1ないしA
−13を表−3に、また配合処方に用いた(B)成分B−
1ないし−6を表−4に示す。
実施例1〜19、比較例1〜16 表−5に示す各成分(A)(B)(C)を40mm押出機で
温度250℃で溶融混練してペレットを作成した。このペ
レットを用い、JIS K7210に準拠してメルトフローイン
デックス(MFR;測定条件240℃、10kg)を測定した。ま
た、上記ペレットを5oz射出成形機(東芝(株)製IS-80
A)を用い、成形温度260℃で成形して試験片を作成し、
アイゾット衝撃強度(ASTM D256、1/4″ノッチ付、23
℃)(Izod.IMPと略す)を測定した。
また、成形外観として試験片の光沢度(ASTM D523、23
℃)を測定した。さらに、試験片(1/8″×1/2″×
5″)に歪み率1%の定歪を加え、たわみの部分にジオ
クチルフタレート(DOPと略す)、ブレーキフルードを
塗布し、23℃で放置して破断に至るまでの時間を測定
し、耐薬品性の指標とした(○は100時間以上破断、ク
ラックのない場合を表わす)。ASTM1号ダンベルの中央
にウェルドラインが出る金型を用いて成形した。試験片
で引張強度(Tw)を測定し、次にウェルドラインの入ら
ない金型で成形した試験片を用いて引張強度(To)を測
定した。(Tw/To)×100%でウェルド強度保持率を求め
た。
(C)成分としては、次のものが用いられた。
ナイロン6:東レ製アミランDM1017 PBT(ポリブチレンテレフタレート): ポリプラスチック製ジュラネックスXD499 PC(ポリカーボネート):出光石化製A-2200 表−5から明らかなように、実施例1〜19によると、本
発明の目的とする熱可塑性樹脂組成物が得られている。
比較例1〜16によると、本発明の目的とする効果を得る
ことができない。すなわち、 比較例1:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、(C)成分量が本発明の範囲未満であり、Iz
od IMP、光沢度、ウェルド強度が劣る。
比較例2:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、全組成物中のカルボキシル基含有不飽和化合
物の含有量が、本発明の範囲未満の例であり、Izod IMP
とウェルド強度が劣る。
比較例3:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、(A)(B)成分のゴム質重合体のグラフト
率がともに本発明の範囲未満の例であり、光沢が劣る。
比較例4:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、(A)(B)成分のマトリックスの〔η〕が
ともに本発明の範囲未満の例であり、Izod IMP、ウェル
ド強度が劣る。
比較例5:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、(C)成分が本発明の範囲を越えた例であ
り、Izod IMP、光沢、ウェルド強度が劣る。
比較例6:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、(A)成分中のカルボキシル基含有不飽和化
合物の含有量が本発明の範囲を越えた例であり、Izod I
MP、MFR、光沢、ウェルド強度が劣る。
比較例7:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、全組成物中のカルボキシル基含有不飽和化合
物の含有量が本発明の範囲を越えた例であり、Izod IM
P、MFR、光沢、ウェルド強度が劣る。
比較例8:(C)成分がナイロンであるナイロン系組成物
であって、全組成物中のゴム質重合体の含有量が本発明
の範囲を越えた例であり、MFRと光沢が劣る。
比較例9:比較例8と反対にゴム質重合体の含有量が本発
明の範囲未満であり、Izod IMP、ウェルド強度が劣る。
比較例10、11:(C)成分がPBTであるPBT系組成物であ
って、比較例10は(C)成分の配合量が本発明の範囲未
満、比較例11は範囲を越えた例である。比較10では耐薬
品性、MFRが劣り、一方比較例11ではIzod IMP、光沢、
ウェルド強度が劣る。
比較例12、13:(C)成分がPCであるPC系組成物であっ
て、比較例12は(C)成分の配合量が本発明の範囲未
満、比較例13は範囲を越えた例である。比較12はIzod I
MPが劣り、比較例13はIzod IMPとウェルド強度が劣る。
比較例14、15、16:(C)成分として2種類の混合物で
ある組成物であって、(A)成分が本発明の範囲未満の
例であり、比較例14、15、16ともにIzod IMP、ウェルド
強度が劣る。
f.発明の効果 現在熱可塑性樹脂を用いる成形加工業界では成形品用途
の多様化により成形品の複雑化の傾向にある。このよう
な成形品を得るためには、従来に比べ、耐衝撃性、成形
加工性、耐薬品性、ウェルド強度が一段と優れたものが
要求される。しかし、従来のポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびこれらの組成物
ではこの要求に対して充分なものでなかった。本発明の
組成物は耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性、ウェルド強
度が高度にバランスがとれている。また本発明の組成物
は従来のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂およびこれらの組成物の欠点を改良し、成
形加工業界の要求を満足させる成形材料であり、その工
業的価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山元 友治 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−179562(JP,A) 特開 昭62−256855(JP,A) 特開 昭61−126164(JP,A) 特開 昭59−108056(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)カルボキシル基含有不飽和化合物が
    共重合されているゴム強化スチレン系共重合体樹脂5〜
    90重量%、 (B)スチレン系樹脂 0〜80重量%、 (C)ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、ポ
    リカーボネート系樹脂から選ばれた少なくとも一種10〜
    90重量%、 からなる組成物であって、 (イ)(A)成分中のカルボキシル基含有不飽和化合物
    含有量が0.1〜8重量%、かつ全組成物中でのカルボキ
    シル基含有不飽和化合物の含有量が0.02〜4重量%、 (ロ)全組成物中のゴム成分の含有量が5〜40重量%、 (ハ)(A)および(B)成分中のゴム成分へのグラフ
    ト率が30重量%以上であり、かつ(A)および(B)成
    分中のマトリックス成分の極限粘度(30℃メチルエチル
    ケトン)が0.35dl/g以上であることを特徴とする熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)が10〜80重量%、(B)が10〜70重
    量%、(C)のポリアミド系重合体が10〜80重量%であ
    る特許請求の範囲第(1)項記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
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