JP2546344C - - Google Patents

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JP2546344C
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日本合成ゴム株式会社
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【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性、ウェルド強度に優れ、良好な外観
を有する熱可塑性樹脂組成物に関する。 b. 従来の技術 ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ナイロン−46などのポリアミド
樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トなどのポリエ
ステル樹脂は種々の優れた特性を持っており、これらの特性を生かしてプラスチ
ック製品、フィルムなどの多くの分野に利用されている。しかし、ポリアミド樹 脂、ポリエステル樹脂は耐衝撃性があまり優れず、とくに切欠き(ノッチ)を付
けた場合の耐衝撃性が低いという欠点がある。 こうした欠点のため、上記の材料は、さらに広範囲な用途展開をするためには
必ずしも満足すべき材料ではなかった。 そこで、耐衝撃性を向上させるために、ゴムやゴム強化樹脂などをブレンドす
る方法が数多く報告されているが、これらの方法によってはポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂の耐衝撃性を十分に向上させることができず、ウェルド強度、成
形外観においても十分ではない。 c. 発明が解決しようとする課題 このように、従来の方法によっては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂の耐
衝撃性、ウェルド強度および成形外観を、十分に改良することができなかった。 本発明者らは、上記欠点を解決するべく鋭意検討した結果、(A)カルボキシル
基含有不飽和化合物を共重合したスチレン系共重合体、(B)スチレン系重合体、(
C)ポリアミド樹脂および/またはポリエステル樹脂、ならびに(D)有機亜リン酸
化合物からなる組成物が、耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性、ウェルド強度、お
よび成形外観において優れていることを見出し、本発明に到達した。 d. 課題を解決するための手段 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重
合されているスチレン系共重合体5〜80重量%、(B)スチレン系重合体5〜85重
量%、ならびに(C)ポリアミド系重合体および/またはポリエステル系重合体10
〜90重量%からなる混合物100 重量部に、(D)有機亜リン酸化合物0.1 〜10重量
部を含有した組成物であって、(イ)全組成物中でのカルボキシル基含有不飽和
化合物の含有率が0.02〜4重量%であり、(ロ)全組成物中のゴム成分の含有率
が5〜40重量%であり、(ハ)(A)および(B)成分中のマトリックス成分の極限粘
度(30℃、メチルエチルケトン)が0.35dl/g以上であり、(ニ)(A)成分中のカ
ルボキシル基含有不飽和化合物の含有率が0.1 〜8重量%、であることを特徴と
するものである。 上記カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体
(A)は、ゴム質重合体の不存在下あるいは存在下にカルボキシル基含有不飽和化 合物、芳香族ビニル化合物および必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体
を重合してなる共重合体である。耐熱性の点からは、重合はゴム質重合体の不存
在下に行なうことが好ましい。 (A) 成分中のカルボキシル基含有不飽和化合物としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、イタコン酸、マレイン酸などがあり、好ま
しくはアクリル酸、メタクリル酸である。これらは、1種または2種以上で使用
される。 (A) 成分の芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、メ
チルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノ
ブロムスチレン、ジブロムスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレ
ン、ビニルナフタレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルス
チレンなどであり、これらは1種または2種以上を併せて用いることができる。
これらのうち好ましい芳香族ビニル化合物はスチレンであり、2種以上の芳香族
ビニル化合物を併用する場合はスチレンを50重量%以上の割合で用いることが好
ましい。 カルボキシル基含有不飽和化合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な単
量体の例としては、マレイミド系化合物、ビニルシアン化合物および他のビニル
化合物が挙げられる。 マレイミド系化合物としては、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N
−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられるが、とくに好ましくはN
−フェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミドなどであり、これらは1種または2種以上を併用することができる
。 ビニルシアン化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが
あり、これらのうちでアクリロニトリルが好ましい。 他の共重合可能なビニル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、プロピレンアクリレートなどのアクリル酸のアルキルエステル;メチル
メタアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピレンメタアクリレートなど
のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらは1種または2種以上を併 せて用いることができる。 また、ゴム質重合体は必ずしも必要ではないが、使用する場合は、以下のゴム
質重合体が好ましい。 エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン
−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体などのエチレンとα−オレ
フィンとの共重合体;エチレン−メタクリレート、エチレン−ブチルアクリレー
トなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビ
ニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;エチレン−プロピレン−エチ
リデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体な
どのエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマー;ポリブタジエン、イソ
プレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、さ
らに該ブロック共重合体の水添物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブ
タジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン共重
合体などがあり、これらは1種または2種以上を併せて用いることができる。 これらのうち、耐衝撃性などの点で好ましいゴム質重合体はジエン系ゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマーで
ある。さらに好ましくはポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエン共重合体で
あり、このスチレン−ブタジエン共重合体中のスチレン含有率は50重量%以下で
あることが耐衝撃性の点で好ましい。 (A) 成分を具体的に例示すると、次のタイプのものがある。 1) カルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須とする共重合体
、 2) ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物
とを必須成分とする単量体を共重合して得られたグラフト共重合体、 3) 1)と2)の混合物。 上記1)〜3)において、芳香族ビニルとしてはスチレンが好ましく、また芳香族
ビニルと共重合する単量体としては、アクリロニトリルが好ましい。 カルボキシル基含有不飽和化合物は(A)成分中0.1 〜8重量%であり、好まし
くは0.2 〜7重量%、特に好ましくは0.3 〜7重量%である。0.1 重量%未満で
は耐衝撃性およびウェルド強度が低く、8重量%を越えると耐衝撃性、成形加工 性、ウェルド強度および成形外観が悪い。また、全組成物中のカルボキシル基含
有不飽和化合物の含有率は0.02〜4重量%であり、好ましくは0.05〜3.5 重量%
、さらに好ましくは0.1 〜3重量%である。0.02重量%未満では耐衝撃性および
ウェルド強度が低く、4重量%を越えると耐衝撃性、成形加工性、ウェルド強度
および成形外観が悪くなる。 本発明の組成物中、カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したスチレン系
共重合体(A)の配合割合は、5〜80重量%であり、好ましくは5〜70重量%であ
り、さらに好ましくは5〜65重量%である。5重量%未満では耐衝撃性が悪く、
80重量%を越えると成形加工性および外観が悪くなる。 スチレン系重合体(B)は、ゴム質重合体の存在下または不存在下に、芳香族ビ
ニル化合物を必須成分とし、必要に応じてマレイミド系化合物、ビニルシアン化
合物および共重合可能な他のビニル単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体
からなる樹脂成分を重合してなる重合体である。 ここでのゴム質重合体、芳香族ビニル化合物、マレイミド系化合物、これらと
共重合可能な他のビニル単量体は、(A)成分で示したものと同一のものである。 スチレン系重合体(B)は、ゴム質重合体の存在下に樹脂成分の単量体を重合さ
せてなる重合体と、ゴム質重合体の不存在下に樹脂成分の単量体を重合させた樹
脂との組成物であってもよい。 上記スチレン系重合体(B)の具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−
スチレン樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−メタクリル酸メ
チル−スチレン樹脂(ABSM 樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS 樹
脂)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、ハイインパクトポリ
スチレン(HIPS)、アクリロニトリル−n−ブチルアクリレートゴム−スチレン樹
脂(AAS樹脂)などを挙げることができる。 上記スチレン系重合体(B)の組成物中での配合割合は5〜85重量%、好ましく
は7〜80重量%、更に好ましくは10〜75重量%である。(B)成分が85重量%を越
える場合、ウェルド強度が悪くなる。5重量%未満では耐衝撃性が悪い。(C)成
分として、ポリアミドを選んだ場合の(B)成分の好ましい配合割合は10〜80重量 %であり、これによって優れた耐衝撃性と成形外観を有する熱可塑性樹脂組成物
が得られる。 全組成物中のゴム成分の含有量は5〜40重量%であり、好ましくは6〜38重量
%、更に好ましくは7〜35重量%である。5重量%未満では耐衝撃性が低く、40
重量%以上では流動性、光沢度が悪くなる。 本発明の全組成物中のゴム成分へのモノマーの平均グラフト率は、30重量%以
上が好ましく、更に好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50〜150 重量%で
ある。30重量%未満では、成形品の成形外観が成形温度に影響を受け、光沢が低
下する。 ここでグラフト率の測定は下記の方法によった。 材料1gを精秤採取し、これにアセトン20ccを加え、10時間振とうさせ、その
のち、回転数20,000rpm の遠心分離機を用いて可溶分と不溶分に分離し、不溶分
を真空乾燥機で乾燥し、不溶分(C)を得た。一方、重合組成と重合転化率から不
溶分(C)中のゴム量(R)を算出し、次式よりグラフト率を求めた。 また、(A)および(B)成分中のマトリックス成分とは、(A)および(B)成分中のア
セトン可溶分である。該マトリックスの極限粘度(30℃で溶媒メチルエチルケト
ン)は0.35dl/g 以上であり、好ましくは0.4dl/g 〜1dl/gである。0.35dl/g未
満の場合、耐衝撃性およびウェルド強度が低くなる。 本発明のポリアミド系重合体(C)はとくに限定されるものではないが、エチレ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4および2,4,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、1,3および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシリレンジアミン、
p−キシリレンジアミンなどの脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンとアジピン酸、
スペリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とから導かれるポリアミド;
ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなどのラクタム類の開環重合によって 得られるポリアミド;6−アミノカプロン酸、1,1−アミノウンデカン酸、1
,2−アミノドデカン酸などから導かれるポリアミドおよびこれらの共重合ポリ
アミド、混合ポリアミドであり、工業的に安価、かつ多量に製造されているナイ
ロン−6(ポリカプロアミド)、ナイロン−66(ポリヘキサメチレンアジパミド
)、ナイロン−12(ポリドデカアミド)、ナイロン−610(ポリヘキサメチレン
セバカミド)、ナイロン−46およびこれらの共重合体および混合体が有用である
。 また、ここで用いるポリアミド系重合体(C)の重合度はとくに制限はなく、通
常相対粘度(ポリマー1gを98%H2SO4100mlに溶解し、25℃で測定)が1.8 〜6.
0 の範囲内にあるポリアミド樹脂を任意に用いることができるが、2〜5の範囲
のものを使用すると、耐衝撃性と成形加工性のバランスの優れたものが得られる
。ポリアミドの分子構造についても制限はなく、線状ポリアミド、分岐ポリアミ
ドのどちらでもよい。 本発明で用いるポリエステル系重合体(C)はとくに限定されないが、ジカルボ
ン酸またはジカルボン酸のアルキルエステルのような誘導体とジオールの重縮合
物によって得られたものである。ポリエステルの構成成分のうちジカルボン酸に
よって構成される部分の70〜100 モル%はテレフタル酸によって導入されたもの
であり、30〜0モル%はイソフタル酸、テレフタレンジカルボン酸、アジピン酸
、セバシン酸などによって導入されたものである。グリコールによって構成され
る部分はエタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオー
ル、ヘキサンジオールによって導入されたものであり、これらの2種類以上から
構成されていてもよい。またオキシ安息香酸、ビスフェノールAにより導入され
た部分があってもよく、さらに、これらのポリエステルの1種類以上を混合した
混合ポリエステルも本発明の範疇に含まれる。このようなポリエステルにはポリ
エチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体および
混合物が含まれる。 組成物中の(C)成分がポリアミド系重合体の場合、その配合割合は10〜90重量
%であり、好ましくは10〜80重量%である。10重量%未満では成形加工性および
耐薬品性が悪く、90重量%を越えるときは耐衝撃性、ウェルド強度および成形外 観が悪い。(C)成分がポリエステル系重合体単独、またはポリエステル系重合体
とポリアミド系重合体との混合物の場合、その配合割合は10〜90重量%であり、
好ましくは10〜80重量%である。10重量%未満の場合、成形加工性および耐薬品
性が悪く、90重量%を越えると耐衝撃性、ウェルド強度および成形外観が悪くな
る。 なお、ポリアミド系重合体とポリエステル系重合体との混合割合には特に制限
はなく任意の割合で混合使用することができる。 有機リン酸化合物および/または有機亜リン酸化合物(D)としては、種々のも
のが使用できるが、有機基のリン酸エステルもしくは亜リン酸エステルで、その
有機基としては脂肪族基、芳香族基など種々のものが使用できる。なかでも最も
好ましい有機リン酸化合物(D)は、一般式(I)で表わされるものである。具体的にはR1およびR2がC18H37であるジステアリルペンタエリトリトールジホス
フィト、 であるジ(2,4−ジターシャリーブチルフェニルペンタエリトリトールジホス
フィト、あるいは であるビス(2,6ジターシャリーブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリト
リトールジホスフィトが好ましいものとして挙げられる。 本発明の組成物中での有機亜リン酸化合物(D)の配合割合は、(A)+(B)+(C) =100 の樹脂混合物100 重量部に対して0.1 〜10重量部であり、好ましくは0.1
〜8重量部、さらに好ましくは0.1 〜5重量部である。0.1 重量部未満の場合は
耐衝撃性が期待できない。また10重量部以上の場合は耐熱性が極端に低下する。 (D) 成分の添加によって耐衝撃性の改良に効果があり、とくに低温下での耐衝
撃性を著しく改良される。これは従来の技術から予想できない効果である。 本発明組成物の(A)〜(D)成分の混合には通常の方法が用いられる。例えばミキ
サーで各成分を混合したのち、押出機にて200 〜320 ℃で溶融混練して造粒すれ
ばよい。さらに簡単には各成分を直接成形機内で溶融混練して成形することがで
きる。 しかし、耐衝撃性をさらに向上させるためには、(A)成分と(C)成分とを最初に
200 〜320 ℃にて溶融混練したのち、(B)成分と(D)成分を添加して再度混練する
ことにより達成できる。このときの混練り温度は200 〜320 ℃であり、混練時間
は30分以上であればよく、特に制限はない。 本発明の組成物には、酸化防止剤例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール
、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、トリ
ス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト;紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチル
フェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
、2−(2′−ヒドロキシ−4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル;滑剤例えばパラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、
メチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オク
チルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド;難燃剤例えば酸化ア
ンチモン、水酸化アルミニウム、ほう酸亜鉛、トリクレジルホスフェート、トリ
ス(ジクロロプロピル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン
、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA;帯電防止剤例えばス
テアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル、アンモニウムトレート
;着色剤例えば酸化チタン、カーボンブラック;充填剤例えば炭酸カルシウム、
クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維;顔料などを必要に応じ
て添加することができる。これらの添加物はどの時点で組成物に添加してもよい
。 e. 実施例 次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。 (A) 成分であるカルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したスチレン系共重
合体樹脂を、次のようにして製造した。 (1) カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合したスチレン系共重合体の製造
(A-1 〜A-3 、A-5 〜A-8): 撹拌機つき7lガラス製フラスコにイオン交換水300部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム2.0 部およびt−ドデシルメルカプタン0.3 部を加え、表−
1に示す割合で各種単量体からなるバッチ重合成分を加え、撹拌しながら昇温し
た。温度が40℃に達したときに過硫酸カリウム0.1 部を添加し、2時間反応を続
けた。この結果得られた樹脂ラテックスを塩化カリウム2重量部を用いて生成物
を凝固させ脱水、水洗、乾燥を行なって、粉末状の樹脂を回収した。 (2) カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合したスチレン系共重合体の製造
(A-4): 撹拌翼を備えた7lガラス製フラスコにイオン交換水100 部、トデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5 部、水酸化カリウム0.01部、t−ドデシルメルカプ
タン0.1 部および表−1に示すA-4 の各種単量体からなるバッチ重合成分を加え
、撹拌しながら昇温した。温度が45℃に達した時点で、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.003部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキ
シラート・二水塩0.2 部、およびイオン交換水15部よりなる活性剤水溶液、およ
びジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド0.1 部を添加し、 1時間反応を続
けた。 次いで、イオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、水
酸化カリウム0.02部、t−ドデシルメルカプタン0.1 部、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロパーオキシド0.2 部および表−2に示す割合の各種単量体よりなるイン
クレメント重合成分の混合物を3時間にわたって連続的に添加し、反応を続けた
。添加終了後、さらに撹拌しながら1時間反応を続けたのち、2,2−メチレン
−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)0.2 重量部を添加し、反応
生 成物をフラスコより取り出した。塩化カリウム2重量部を用いて生成物を凝固さ
せ、脱水、水洗、乾燥を行なって、粉末状のグラフト樹脂を回収した。 表−1にモノマー重合転化率並びに先に述べた方法で測定したグラフト率、極
限粘度〔η〕を記す。 表−1中に示すA-4 のゴム質重合体は、以下のようにして重合したものである
。 4段パドル翼を備えた内容積 100lのステンレス製重合反応器を用いて、表−
2に示した処方と条件にて重合反応を実施した。パドル翼の回転数90rpm の撹拌
下に昇温し、温度が50℃に達した時点で過硫酸カリウムを添加し、以後反応温度
を50℃で一定に保つように制御しながら重合反応を行ない、重合率が90%に達し
た時点でジエチルヒドロキシアミン0.1 重量部を添加して反応を停止させ、水蒸
気蒸留により未反応モノマーを実質的に留去し、ゴム状物質のラテックスを得た
(C) 成分として次のものを用いた。 C-1:ナイロン6:東レ製アミランCM1017 C-2:PBT(ポリブチレンテレフタレート):ポリプラスチック製ジュラネック
スXD499 実施例1〜12、比較例1〜7 表−4の(A)成分と(C)成分を40m/m 押出機で温度250 ℃で溶融混錬りしてペレ
ットを作製した。このペレットと(B)成分および(D)成分を再度40m/m 押出機 で温度250 ℃で溶融混錬りしてペレットを作製した。 実施例13、比較例8 表−4の(A)〜(D)成分を40m/m 押出機で温度250 ℃で溶融混錬りしてペレット
を作製した。 上記の如く作製したペレットおよび比較例9のペレットをおのおの50Z 射出成
形機(東芝IS・80A)を用い成形温度260 ℃で成形して試験片を作製した。 得られた試験片の物性を以下の方法で評価した。 結果を表−4に示す。流動性 JISK7210に準拠してメルトフローインデックス(MFR:測定条件260 ℃、10kg)
を測定した。耐衝撃性 アイゾット衝撃強度(ASTM D256 1/4″ノッチ付23°)(以下、Izod Impという。
)を測定した。成形品外観 試験片の光沢度(ASTM D523 23 ℃,45°)を測定した。耐薬品性 試験片(1/8″×1/2″×5″)に歪み率1%の定歪を加え、たわみ部分にジオク
チルフタレート(以下、DOP という。)およびブレーキフルードを塗布し、23℃
で放置して破断に至るまでの時間を測定した。 (○は 100時間以上破断やクラックが生じない場合を表わす。)ウェルド強度保持率 ASTM 1号ダンベルの中央にウェルドラインが出る金型を用いて成形し、引張強
度(Tw)を測定する。次にウェルドラインのない金型による試験片を引張り(To)を
測定した。 (Tw/To)×100 %でウェルド強度保持率を求めた。耐熱性 試験片(1/2″×1/2″×5″)を 4.6kg/cm2荷重下で昇温して熱ひずみ温度(HD
T)を求めた(ASTM D648)。 表−4に示す結果から明らかなように、実施例1〜13によると本発明の目的と
する熱可塑性樹脂組成物が得られている。一方、比較例1〜9では本発明の目的
とする組成物を得ることができない。 すなわち比較例1および2の組成物は(D)成分の配合割合が本発明の範囲外で
あり、比較例1では耐衝撃性(Imp)が低い。比較例2では耐熱性が低い。比較例
3の組成物は、(A)成分がカルボキシル基含有不飽和を含んでいない成分であり
、耐衝撃性が低い。比較例4の組成物は、(A)成分および(B)成分中にゴム質体が
含まれていないため、耐衝撃性が低い。比較例5の組成物は、カルボキシル基含
有不飽和化合物の配合割合が多いため、耐衝撃性、ウエルド強度保持率、MFR と
光沢度が低い。 比較例6の組成物は、(A)成分中のマトリックス成分の極限粘度〔η〕、およ
び(B)成分のグラフト率が低いため耐衝撃性、光沢度およびウェルド強度の保持
率が低い。 比較例7の組成物は(A)成分および(B)成分中のマトリックスの〔η〕が低いた
め、耐衝撃性、光沢度およびウェルド強度保持率が低い。 比較例8の組成物は、(C)成分(ナイロン6)が含まれていないため、耐衝撃
性、MFR 、耐薬品性、光沢度および耐熱性が低い。 比較例9の組成物は、ナイロン−6を単独で用いた例であり、耐衝撃性が低い
。 f. 発明の効果 現在、熱可塑性樹脂を用いる成形加工業界では成形品用途の多様化に伴ない、
成形品に求められる特性が複雑化する傾向にある。このような成形品を得るため
には、従来に比べ耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性およびウェルド強度が一段と
優れたものが要求される。 しかし、従来のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂およびこれらの組成物では
この要求に対して十分に応えることはできなかった。 本発明の組成物は耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性およびウェルド強度が高度
にバランスしたものであり、上記の要求に十分に応えることができる。 また本発明の組成物は、従来のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの欠点
を改良し、成形加工業界の要求を満足させる成形材料であり、その工業的価値は
大きい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) (A) カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重
    合体 5〜80重量% (B) スチレン系重合体 5〜85重量% (C) ポリアミド系重合体および/またはポリエステル系重合体10〜90重量
    %からなる混合物100 重量部に、 (D) 有機リン酸化合物および/または有機亜リン酸化合物 0.1〜10重量部
    を含有した組成物であって、(イ)全組成物 中でのカルボキシル基含有不飽和化合物の含有率が0.02〜4重量
    %であり、 (ロ)全組成物中のゴム成分の含有率が5〜40重量%であり、 (ハ)(A)および(B)成分中のマトリックス成分の極限粘度(30℃、メチルエチル
    ケトン)が0.35dl/g以上、(ニ)(A)成分中のカルボキシル基含有不飽和化合物の含有率が0.1〜8重量%、
    であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (2) 全組成物中のゴム成分への平均グラフト率が30重量%以上であることを特
    徴とする請求項(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。

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