JP2745545B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2745545B2 JP63175363A JP17536388A JP2745545B2 JP 2745545 B2 JP2745545 B2 JP 2745545B2 JP 63175363 A JP63175363 A JP 63175363A JP 17536388 A JP17536388 A JP 17536388A JP 2745545 B2 JP2745545 B2 JP 2745545B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐衝撃性および成形加工性および耐薬品性に
優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] アクロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂
(ABS樹脂)は優れた耐衝撃性、成形加工性を有し、汎
用熱可塑性樹脂として広く使用されている。しかし、耐
薬品性や耐摩耗性が十分ではなく、苛酷な条件下では使
用が制限されている。
また、ポリアミド樹脂は耐薬品性、耐摩耗性に優れて
おり、エンジニアリングプラスチックとして広く使用さ
れているが、耐衝撃性に劣るという欠点がある。
ポリアミドの耐衝撃性などを改良するためにABS樹脂
とのブレンドが提案されている(特公昭38−23476号公
報)。
またα,β−不飽和ジカルボン酸無水物や不飽和カル
ボンアミドを他の単量体と共にゴム状重合体にグラフト
共重合してなるグラフト共重合体とポリアミド樹脂との
ブレンドも提案されている(特開昭56−112957号公報、
特開昭58−93745号公報)。
また、本出願人は特願昭62−12855でα,β−不飽和
カルボン酸を共重合したスチレン−アクリロニトリル共
重合体を相溶化剤として用いることにより、ABS樹脂と
ポリアミド樹脂の相溶性が改良され、耐衝撃性が向上す
ることを提案した。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、ABS樹脂とポリアミド樹脂との単なる
ブレンドでは相溶性が悪く、機械的物性も著しく低い。
また、ポリアミド樹脂のアミド基と親和性のある官能基
を有する単量体を他の単量体と共にゴム状重合体にグラ
フト共重合した前記グラフト共重合体とポリアミド樹脂
のブレンドの場合、ポリアミド樹脂との相溶性は改善で
きるが、耐衝撃性は不十分なものしか得られておらず、
また溶融粘度が高く成形加工性に劣っていた。
また、本出願人が先に提案した特願昭62−12855の組
成物は、耐衝撃性は前述の系に較べれば飛躍的に向上す
るが、まだ改善できるレベルであった。
本発明の課題はABS樹脂の成形加工性を損なうことな
く、ポリアミド樹脂の耐薬品性も合せ持ち、かつABS樹
脂以上の耐衝撃性を持つ樹脂組成物を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らの検討によれば、ABS樹脂とポリアミド樹
脂および特定の単量体混合物を共重合してなる共重合体
からなる樹脂組成物にリン化合物を添加した組成物が本
発明の課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明はABS樹脂(A)5〜94重量%とポ
リアミド樹脂(B)5〜94重量%と芳香族ビニル、シア
ン化ビニルおよびα,β−不飽和カルボン酸からなる変
性ビニル系共重合体(C)1〜70重量%からなる樹脂組
成物100重量部に対し、無機リン酸またはその金属塩
(D)を0.01〜1重量部添加してなる熱可塑性樹脂組成
物を提供するものである。
本発明の特徴は芳香族ビニルとシアン化ビニルおよび
α,β−不飽和カルボン酸を必須とする共重合体である
変性ビニル系共重合体(C)(以下、共重合体(C)と
記述する)とリン化合物(D)を含有することにある。
共重合体(C)とリン化合物(D)を添加することによ
り、ABS樹脂とポリアミド樹脂の混和性が改良され、か
つ組成物の溶融粘度の上昇もなく成形加工性は良好であ
り、耐衝撃性もまた十分に高いという結果が得られるこ
とを見出し、本発明に到達したものである。以下、本発
明を具体的に説明する。
本発明で用いるABS樹脂(A)とは、ジエン系ゴム
(イ)、シアン化ビニル単量体(ロ)、芳香族ビニル単
量体(ハ)および必要に応じて他の共重合しうる単量体
(ニ)からなり、かつ該単量体の全量がジエン系ゴム
(イ)にグラフト共重合したグラフト共重合体または該
単量体の一部がジエン系ゴム(イ)にグラフト共重合し
たグラフト共重合体と残りの単量体が共重合した共重合
体との樹脂組成物である。
本発明で用いるジエン系ゴム(イ)としては、ポリブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプ
レンゴムなどを挙げることができ、これは一種または二
種以上併用することができる。
本発明ではポリブタジエンおよび/またはスチレン−
ブタジエン共重合体ゴムが好ましく用いられる。
シアン化ビニル(ロ)としてアクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどを挙げることができるが、なかでも
アクリニトリルが好ましい。
芳香族ビニル(ハ)として、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン
などを挙げることができる。なかでもスチレンおよび/
またはα−メチルスチレンが好ましく用いられる。
共重合可能な他の単量体(ニ)として、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジルなどのα,β−不飽和カル
ボン酸エステル類、無水マレイン酸、無水イタコン酸な
どのα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類、N−フェニ
ルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチル
マレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド
化合物類などのα,β−不飽和カルボン酸以外の化合物
類を挙げることができる。
ABS樹脂(A)の組成比においては、特に制限はない
が、ABS樹脂100重量部に対して、得られる熱可塑性樹脂
組成物の成形加工性、耐衝撃性の点からジエン系ゴム
(イ)5〜85重量部が好ましく、さらに好ましくは15〜
75重量部が好ましい。また、同様にシアン化ビニル
(ロ)については5〜50重量部が好ましく、特に7〜45
重量部、さらに8〜40重量部が好ましい。芳香族ビニル
(ハ)については、10〜90重量部が好ましく、13〜83重
量部が特に好ましく、さらに17〜77重量部の範囲で好ま
しく用いることができる。
また、全熱可塑性樹脂組成物中のジエン系ゴム(イ)
の含有量が1〜60重量%の範囲であることが好ましく、
特に3〜55重量%、さらに5〜50重量%の範囲であるこ
とが好ましい。
ABS樹脂(A)の製造法に関しては、特に制限はな
く、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳
化重合など、通常、公知の方法が用いられる。また、別
々に(グラフト)共重合した樹脂をブレンドすることに
よって上記の組成物を得ることも可能である。
本発明で用いるポリアミド樹脂(B)とは、ε−カプ
ロラクタム、ω−ドデカラクタムなどのラクタム類の開
環重合によって得られるポリアミド、6−アミノカプロ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸
などのアミノ酸から導かれるポリアミド、エチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミ
ン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、ビス(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、メタおよびパラキシリレンジアミンなどの脂肪族、
脂環族、芳香族ジアミンとアジピン酸、スベリン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、1,3−および1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ダイ
マー酸などの脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とか
ら導かれるポリアミド樹脂およびこれらの共重合ポリア
ミド樹脂、混合ポリアミド樹脂である。これらのうち、
通常はポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリウンデカ
ンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロ
ン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)
およびこれらを主成分とする共重合ポリアミド樹脂が有
用である。
ポリアミド樹脂の重合方法は、共通、公知の溶融重
合、固相重合およびこれらを組合せた方法を採用するこ
とができる。またポリアミド樹脂の重合度は特に制限な
く、相対粘度(ポリマ1gを98%濃硫酸100mlに溶解し、2
5℃で測定)が2.0〜5.0の範囲内にあるポリアミド樹脂
を目的に応じて任意に選択できる。
ABS樹脂(A)との相溶性およびコストの面からナイ
ロン6、ナイロン66が好ましく用いられる。
本発明で用いる共重合体(C)とは、芳香族ビニル
(イ)とシアン化ビニル(ロ)とα,β−不飽和カルボ
ン酸(ハ)からなる単量体混合物を共重合してなる共重
合体である。
芳香族ビニル(イ)として、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン
などを挙げることができる。なかでもスチレン、α−メ
チルスチレンが好ましい。シアン化ビニル(ロ)として
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ
る。なかでもアクリニトリルが好ましい。α,β−不飽
和カルボン酸(ハ)としてはアクリル酸、メタクリル酸
などが挙げられ、これは2種以上併用することもでき
る。
共重合体(C)の製造方法に関しては、特に制限はな
く、塊状重合、溶液重合、塊状−懸濁重合、懸濁重合、
乳化重合など、通常、公知の方法が用いられる。
(イ)、(ロ)、(ハ)の仕込み方法に関しても特に制
限はなく、初期に一括仕込みしてもよく、また共重合体
の組成分布の生成を防止するために仕込み単量体の一部
または全部を連続仕込みまたは分割仕込みしながら重合
してもよい。
また(イ)、(ロ)、(ハ)の単量体100重量部に対
して共重合可能な他の単量体0〜70重量部を共重合する
ことも可能である。
共重合可能な他の単量体として、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、
メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジルなどのα,β−不飽和カルボン
酸エステル類、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物類、N−フェニルマ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチルマレ
イミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合
物類などが挙げられる。
本発明で用いる無機リン酸またはその金属塩(D)と
しては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、
ポリリン酸等の無機リン酸類およびこれら、金属塩が挙
げられる。なかでも、リン酸、亜リン酸、亜リン酸ナト
リウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸マンガン、
トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイ
ト、モノフェニルアシッドホスファイト等が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物においてABS樹脂
(A)、ポリアミド樹脂(B)、共重合体(C)配合割
合は、(A)が5〜94重量%、好ましくは7〜90重量
%、特に好ましくは10〜85重量%、(B)が5〜94重量
%、好ましくは7〜90重量%、特に好ましくは10〜85重
量%、(C)が1〜70重量%、好ましくは2〜65重量
%、特に好ましくは5〜60重量%、かつ(A)、(B)
および(C)の合計量が100重量部となる割合である。
(A)が5重量%未満、(B)が95重量%を越えた場
合、(C)が1重量%未満では得られる樹脂組成物の耐
衝撃性に劣り、(A)が95重量%を越えた場合、(B)
が5重量%未満では耐薬品性に劣り、(C)が70重量%
を越えた場合は成形加工性に劣る。無機リン酸またはそ
の金属塩(D)の配合割合は(A)、(B)および
(C)から得られる樹脂組成物100重量部に対し、0.01
〜1重量部、好ましくは0.03〜0.7重量部、特に好まし
くは0.05〜0.5重量部である。(D)が0.01重量部未満
ではABS樹脂とポリアミド樹脂の混和性が十分に改良さ
れないため、また1重量部を越えた場合は、ポリアミド
樹脂が分子量低下を起こすため、共に耐衝撃性に劣り好
ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中のα,β−不飽和カル
ボン酸残基の含有量は特に制限はないが、ABS樹脂とポ
リアミド樹脂の混和性、得られる樹脂組成物の成形加工
性の点から0.07〜10重量部となるように共重合体(C)
のα,β−不飽和カルボン酸の量および樹脂組成物中の
共重合体(C)の配合量を選ぶのが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関しては特
に制限はなく、通常、公知の方法を採用することができ
る。すなわちABS樹脂(A)、ポリアミド樹脂(B)、
共重合体(C)および無機リン酸またはその金属塩
(D)をペレット、粉末、細片、溶液状態などで、高速
撹拌機などを用いて均一混合した後、十分な混練能力の
ある一軸または多軸の押出機で溶融混練する方法および
バンバリーミキサーやゴムロール機を用いて溶融混練す
る方法など、種々の方法を採用することができる。ま
た、ABS樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)、ポリアミ
ド樹脂(B)と共重合体(C)、ABS樹脂(A)とポリ
アミド樹脂(B)と共重合体(C)などを予め予備混練
しておき、後に所定の配合比に調節して混練する方法も
可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はABS樹脂(A)、ポリ
アミド樹脂(B)、共重合体(C)および無機リン酸ま
たはその金属塩(D)の他に必要に応じて、ポリスチレ
ン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体(SA
N)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、スチレン/メ
タクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、α−メ
チルスチレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチル
スチレン/スチレン/アクリロニトリル共重合体、α−
メチルスチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリ
ル共重合体、p−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド共重合体など
のビニル系重合体、メタクリル酸樹脂−ブタジエン−ス
チレン三元共重合体(MBS)樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレートなど熱可塑性樹脂を適宜混合し
たり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロ
ピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エ
チレン/プロピレン/5−エチリデン2−ノルボルネン共
重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体およびエチレン/
アクリル酸ブチル共重合体などのポリオレフィン系ゴム
を適宜混合することによって、さらに望ましい物性、特
性に調節することも可能である。また目的に応じて顔料
や染料、ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊
維などの補強材や充填材、熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤および
難燃剤などを添加することができる。
[実 施 例] 以下、実施例および比較例によって本発明にさらに詳
しく説明する。耐衝撃性の評価として1/2″アイゾット
衝撃強さをASTM D256−56に従って測定した。成形加工
性の評価として溶融粘度を高化式フローテスターにより
樹脂温度250〜280℃、荷重50kgの条件で測定した。耐薬
品性は射出成形した角板をメタノールおよびガソリンに
23℃で24時間浸漬して角板表面を目視で観察した。
なお、以下の部数および%はそれぞれ重量部および重
量%を表わす。
参考例1 次の処方により、ABS樹脂A−1〜A−3およびグラ
フト共重合体A−4を製造した。
A−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)60部(固形分換算)の存在下でスチレン
70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物40部
を乳化重合した。
得られたグラフト共重合体は硫酸で凝固し、苛性ソー
ダで中和、洗浄後、過、乾燥してパウダー状のグラフ
ト共重合体(A−1)を調製した。
A−2:A−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下でメタクリル酸メチル15%、ス
チレン65%、アクリロニトリル20%からなる単量体混合
物60部を乳化重合した後、A−1と同様にしてパウダー
状のグラフト共重合体(A2)を調製した。
A−3:ポリブタジエンゴム(“ジエン"NF35A旭化成
(株)製)20部をスチレン70部とアクリロニトリル10部
に溶解した後、塊状重合して、グラフト共重合体(A−
3)を調製した。
A−4:ポリブタジエンゴム(“ジエン"NF35A旭化成
(株)製)20部をスチレン80部に溶解した後、塊状重合
してグラフト共重合体(A−4)を調製した。
参考例2 次の処方により、変性ビニル系共重合体C−1〜C−
4およびビニル系共重合体C−5を調製した。
C−1:スチレン70部、アクリロニトリル25部、メタクリ
ル酸5部を懸濁重合して、ビーズ状の変性ビニル系共重
合体(C−1)を調製した。
C−2:スチレン60部、アクリロニトリル23部、アクリル
酸2部、メタクリル酸メチル15部を懸濁重合して、ビー
ズ状の変性ビニル系共重合体(C−2)を調製した。
C−3:スチレン53部、α−メチルスチレン15部、アクリ
ロニトリル25部、メタクリル酸7部を懸濁重合して、ビ
ーズ状の変性ビニル系共重合体(C−3)を調製した。
C−4:スチレン95部、メタクリル酸5部を懸濁重合し
て、ビーズ状の変性ビニル系共重合体(C−4)を調製
した。
C−5:スチレン72部、アクリロニトリル28部を懸濁重合
してビーズ状のビニル系共重合体(C−5)を調製し
た。
参考例3 リン化合物として下記のものを用いた。
D−1:リン酸(純度85%) D−2:亜リン酸ナトリウム D−3:トリイソデシルホスファイト 実施例1〜5 参考例1で製造したA−1〜A−3と参考例2で製造
したC−1〜C−3、ポリアミド樹脂としてCM1017(東
レ(株)製ナイロン6)およびリン化合物としてD−1
〜D−3をそれぞれ表1の配合割合でヘンシェルミキサ
ーで混合し、次に40mmφ押出機により、押出温度250℃
で押出し、それぞれペレット化した後、各ペレットにつ
いて成形温度250℃、金型温度60℃の条件で射出成形に
供し、各試験片を作製し、それについて物性の評価を行
なった。これらの結果を表−1に示す。
比較例1〜10 参考例1で製造したA−1〜A−4と参考例2で製造
したC−1〜C−5、ポリアミド樹脂としてCM1017(東
レ(株)製ナイロン6)およびリン酸化合物としてD−
1〜D−3をそれぞれ表−1の配合割合でヘンシェルミ
キサーで混合し、次に40φ押出機により押出温度250℃
で押出し、それぞれペレット化した後、各ペレットにつ
いて成形温度250℃、金型温度60℃の条件で射出成形に
供し、各試験片を作製し、それについて物性の評価を行
なった。これらの結果を表−1に合せて示す。
実施例6〜10 ポリアミド樹脂としてCM3001N(東レ(株)製ナイロ
ン66)を用い、押出温度を280℃、成形温度を280℃とし
た以外は実施例1〜5と同様の条件で行なった。配合割
合および物性の測定結果は表−2に示す。
比較例11〜20 ポリアミド樹脂としてCM3001N(東レ(株)製ナイロ
ン66)を用い、押出温度を280℃、成形温度280℃とした
以外は比較例1〜10と同様の条件で行なった。配合割合
および物性の測定結果は表−2に合せて示す。
実施例および比較例より次のことが明らかである。
すなわち、本発明により得られたものは、いずれも耐
衝撃性、成形加工性および耐薬品性に優れている。それ
に対してα,β−不飽和カルボン酸を含有しないビニル
系共重合体(C−5)では耐衝撃性が劣り、シアン化ビ
ニルを含有しない変性ビニル系共重合体(C−4)で
は、耐衝撃性は不十分であり、溶融粘度が高く、成形加
工性に劣り、リン化合物の量が規定の範囲をはずれた場
合には耐衝撃性に劣る。
[発明の効果] 以上、説明したように本発明の樹脂組成物はABS樹脂
の耐衝撃性、成形加工性とポリアミド樹脂の耐薬品性を
合せ持つ樹脂組成物であり、この効果はABS樹脂
(A)、ポリアミド樹脂(B)および変性ビニル系共重
合体(C)からなる樹脂組成物に無機リン酸またはその
金属塩(D)を配合することにより、はじめて発揮され
るものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ABS樹脂と同等の成
形加工性、耐衝撃性とポリアミドの耐熱性、耐薬品性を
合せ持つため、それらの性質を活かした種々の成形品に
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77/00 C08L 77/00 //(C08L 55/02 25:12 77:00) (C08L 25/12 55:02 77:00) (C08L 77/00 55:02 25:12)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β−不飽和カルボン酸をグラフト共重
    合成分として含まないABS樹脂(A)5〜94重量%とポ
    リアミド樹脂(B)5〜94重量%と芳香族ビニル、シア
    ン化ビニルおよびα,β−不飽和カルボン酸からなる変
    性ビニル系重合体(C)1〜70重量%からなる樹脂組成
    物100重量部に対し、無機リン酸またはその金属塩
    (D)を0.01〜1重量部添加してなる熱可塑性樹脂組成
    物。
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JPH0224347A (ja) 1990-01-26

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