JP2734569B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2734569B2 JP63281023A JP28102388A JP2734569B2 JP 2734569 B2 JP2734569 B2 JP 2734569B2 JP 63281023 A JP63281023 A JP 63281023A JP 28102388 A JP28102388 A JP 28102388A JP 2734569 B2 JP2734569 B2 JP 2734569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐衝撃性、成形加工性,耐薬品性および表面
外観性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
[従来の技術] アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹
脂(ABS樹脂)は優れた耐衝撃性、成形加工性および表
面外観性を有し、成形用樹脂として広く使われている。
しかし、耐薬品性や耐摩耗性が十分ではなく苛酷な条件
下では使用が制限されている。
また、ポリアミド樹脂は耐薬品性、耐摩耗性に優れて
おり、エンジニアリングプラスチックとして広く使用さ
れているが、耐衝撃性に劣るという欠点がある。
ポリアミド樹脂の耐衝撃性などを改良するためにABS
樹脂とのブレンドが提案されている(特公昭38−23476
号公報)。
またα,β−不飽和カルボン酸無水物や不飽和カルボ
ンアミドを他の重合体と共にゴム状重合体にグラフト共
重合してなるグラフト共重合体とポリアミド樹脂とのブ
レンドも提案されている(特公昭56−112957号公報、特
開昭58−93745号公報)。
また、我々は特願昭62−12856で、α,β−不飽和カ
ルボン酸を共重合したグラフト共重合体とポリアミド樹
脂のブレンドを提案した。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、ABS樹脂とポリアミド樹脂との単なる
ブレンドでは、相溶性が悪く、機械的物性も著しく低
い。また、ポリアミド樹脂のアミド基と親和性のある官
能基を有する単量体をゴム状重合体にグラフト共重合す
ればポリアミド樹脂との相溶性は改善できるが、耐衝撃
性は不十分であり、また溶融粘度が高く、成形加工性に
劣るものしか得られていない。
また、我々が先に提案した特願昭62−12856の組成物
の耐衝撃性は、前述の系に較べて飛躍的に向上するが、
表面外観性に劣るという欠点があった。
本発明の課題はABS樹脂の成形加工性を損なうことな
く、ポリアミド樹脂の耐薬品性を併せ持ち、かつ極めて
高い耐衝撃性および優れた表面外観性を持つ熱可塑性樹
脂組成物を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らの検討によれば、ジエン系ゴムに特定の単
量体を特定の割合で混合してなる単量体混合物をグラフ
ト共重合してなるグラフト共重合体とポリアミド樹脂か
らなる組成物がこれらの問題点を解決することを見出し
た。
すなわち、本発明は、 (A) (a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量%、 (ロ)シアン化ビニル9〜50重量%、 および (ハ)下記式の関係を満足するα,β−不飽和
カルボン酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸0.1
〜20重量% [x/(x+y)]×100 =5〜100% (x:α,β−不飽和カルボン酸金属塩の共
重合体中の重量%、 y:α,β−不飽和カルボン酸の共重合
体中の重量%) からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフトしてなる
グラフト共重合体、または該グラフト共重合体と残りの
単量体の共重合体とからなるグラフト共重合体組成物5
〜95重量部と (B)ポリアミド樹脂5〜95重量部 とからなる熱可塑性樹脂組成物および(A) (a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量%、 (ロ)シアン化ビニル9〜50重量%、 および (ハ)下記式の関係を満足するα,β−不飽和カ
ルボン酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸0.1〜2
0重量% [x/(x+y)]×100=5〜100% (x:α,β−不飽和カルボン酸金属塩の共重
合体中の重量%、 y:α,β−不飽和カルボン酸の共重合体中
の重量%) からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフトしてなる
グラフト共重合体、または該グラフト共重合体と残りの
単量体の共重合体とからなるグラフト共重合体組成物5
〜95重量部と (B)ポリアミド樹脂5〜95重量部とを混合することを
特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供するも
のである。
本発明の特徴はジエン系ゴムのグラフト成分として、
芳香族ビニルとシアン化ビニル,α,β−不飽和カルボ
ン酸金属塩の3成分を必須としてグラフトしたグラフト
共重合体(組成物)とポリアミド樹脂をブレンドするこ
とである。
グラフト成分に上記の3成分を含むことにより、得ら
れる組成物の耐衝撃性は十分に高く、かつ溶融粘度の上
昇もみられず、良好な成形加工性および優れた表面外観
性を示すという結果が得られることを見出し、本発明に
到達したものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明で用いるグラフト共重合体またはグラフト共重
合体組成物(A)とは、(a)と(b)の合計を100重
量部として、ジエン系ゴム(a)10〜85重量部に、芳香
族ビニル(イ)50〜90重量%とシアン化ビニル(ロ)9
〜50重量%とα,β−不飽和カルボン酸金属塩および
α,β−不飽和カルボン酸(ハ)0.1〜20重量%の合計
が100重量%からなる単量体混合物(b)15〜90重量部
の全量をグラフトしてなるグラフト共重合体または該単
量体混合物の一部をグラフト共重合してなるグラフト共
重合体と残りの単量体の共重合体とのグラフト共重合体
組成物である。
本発明におけるジエン系ゴム(a)としてはポリブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレ
ンゴム等があり、なかでもポリブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム等が好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中の芳香族ビニル
(イ)としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられ、
なかでもスチレン、α−メタルスチレン等が好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中のシアン化ビニ
ル(ロ)としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等が挙げられ、なかでもアクリロニトリルが好まし
い。
本発明における単量体混合物(b)の中α,β−不飽
和カルボン酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸
(ハ)としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトロン
酸、桂皮酸およびその金属塩などが挙げられ、なかで
も、アクリル酸、メタクリル酸およびその金属塩が好ま
しい。また、これらは2種以上併用することができる。
金属種としては、元素周期律表のI A,I B,II A、II
B、III A族およびVIII族の第4周期の金属で、たとえ
ば、Na、K、Cu、Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Al、Fe、Co、お
よびNiなどが挙げられ、中でもNa、K、Mg、Ca、Ba、Zn
が好ましい。
また、(イ)、(ロ)、(ハ)の単量体の合計100数
量部に対して70重量部以下の範囲で共重合可能な他の単
量体をグラフト共重合することも可能である。
共重合可能な他の単量体として、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジル等のα,β−不飽和カルボン酸エ
ステル類、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β
−不飽和ジカルボン酸無水物類、N−フェニルマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド
などのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類等
が挙げられる。
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物
(A)におけるジエン系ゴム(a)の組成比は(a)と
(b)の合計を100重量部として10〜85重量部、好まし
くは12〜80重量部、特に好ましくは15〜70重量部であ
る。
また、本発明における単量体混合物(b)中の芳香族
ビニル(イ)、シアン化ビニル(ロ)、α,β−不飽和
カルボン酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸
(ハ)の各組成比は、(イ)が50〜90重量%、好ましく
は55〜85重量%、特に好ましくは57〜82重量%、(ロ)
が9〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、特に好まし
くは18〜40重量%である。
(ハ)については0.1〜20重量%の範囲で用いられる
が、好ましくは0.2〜10重量%、特に好ましくは0.5〜8
重量%の範囲で用いられる。
α,β−不飽和カルボン酸金属塩およびα,β−不飽
和カルボン酸の割合が、それぞれの共重合体中の重量%
をxおよびyとした時、 [x/(x+y)]×100=5〜100% なる関係を有する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中の(a)が(a)と
(b)の合計100重量部に対して10重量部未満の場合な
らびに、(イ)、(ロ)、(ハ)の合計100重量%に対
して(イ)が90重量%を越えた場合、および(ロ)が9
重量%未満の場合は、得られる組成物の耐衝撃性が低い
ため好ましくない。また(a)が(a)と(b)の合計
100重量部に対して85重量部を越えた場合ならびに
(イ)、(ロ)、(ハ)の合計100重量%に対して
(イ)が50重量%未満の場合および(ロ)が50重量%を
越えた場合は得られる組成物の成形加工性が劣るので実
用的でない。更に、(ハ)が0.1重量%未満では得られ
る組成物の耐衝撃性が低く、20重量%を越えると流動性
が悪くなり実用的でない。
共重合体のα,β−不飽和カルボン酸金属塩とα,β
−不飽和カルボン酸の割合がそれぞれの共重合体の重量
%をxおよびyとした場合に、[x/(x+y)]×100
<5%では、成形品の表面外観性に劣り、好ましくな
い。
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物
(A)の製造方法に関しては特に制限はなく、塊状重
合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等通
常の方法が用いられる。単量体の仕込み方法に関しても
特に制限はなく、初期に一括添加してもよく、また共重
合体の組成分布の生成を防止するために仕込み単量体の
一部または全部を連続仕込みまたは分割仕込みしながら
重合してもよい。
また、別々に(グラフト)共重合した樹脂をブレンド
することによって上記の組成物を得ることも可能であ
る。
共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸金属塩は、
α,β−不飽和カルボン酸金属塩を直接重合することに
より導入してもよく、あるいは、先にジエン系ゴムに芳
香族ビニル、シアン化ビニル、α,β−不飽和カルボン
酸をグラフト共重合したグラフト共重合体を重合した
後、有機溶媒中または押出機中で中和反応を行なうか、
または先にジエン系ゴムに芳香族ビニル、シアン化ビニ
ル、α,β−不飽和カルボン酸エステルをグラフト共重
合したグラフト共重合体を重合した後、有機溶媒中また
は押出機中でケン化反応を行なうことにより、導入して
もよい。
中和反応またはケン化反応は、先に挙げた金属の塩基
性化合物、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、水酸化亜鉛などの水酸化物、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、マグネシウムエトキシど
などのアルコキシド類、および酸化ナトリウム、酸化カ
リウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの酸化物類を
用いて行なうことができる。
これら、塩基性化合物の添加量は、重合体中の所望の
α,β−不飽和カルボン酸金属塩の量に応じて任意の量
を選択することができる。
中和反応に用いる有機溶媒は、脂肪族アルコール、芳
香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン類などを、
単独または、任意に組合せて使用できる。
本発明に用いるポリアミド樹脂(B)としては、ε−
カプロラクタム、ω−ドデカラクタム等のラクタム類の
開環重合によって得られるポリアミド、6−アミノカプ
ロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸等のアミノ酸から導かれるポリアミド、エチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミ
ン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、ビス(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、メタおよびパラキシリレンジアミン等の脂肪族、脂
環族、芳香族ジアミンとアジピン酸、スベリン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、1,3−および1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ダイマ
ー酸等の脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とから導
かれるポリアミド樹脂およびこれらの共重合ポリアミド
樹脂、混合ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのう
ち通常はポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリウンデ
カンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイ
ロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)およびこれらを主成分とする共重合ポリアミド樹脂
が有用に用いられる。
上記ポリアミド樹脂は一種または二種以上併用して用
いることができる。
ポリアミド樹脂の重合方法は通常公知の溶融重合、固
相重合およびこれらを組合せた方法を採用することがで
きる。またポリアミド樹脂の重合度は特に制限なく、相
対粘度(ポリマ1gを98%濃硫酸100gに溶解し、25℃で測
定)が2.0〜5.0の範囲にあるポリアミド樹脂を目的に応
じて任意に選択できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物においてグラフト共重合
体(A)およびポリアミド樹脂(B)の配合割合は
(A)が5〜95重量部、好ましくは7〜90重量部、特に
好ましくは10〜85重量部(B)が5〜95重量部、好まし
くは7〜90重量部、特に好ましくは10〜85重量部で、か
つ(A)および(B)の合計量が100重量部となる割合
である。
(A)が5重量部未満の場合、(B)が95重量部を越
えた場合は得られる組成物の耐衝撃性に劣り、(A)が
95重量部を越えた場合、(B)が5重量部未満の場合は
得られる組成物の耐薬品性が劣るので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中のα,β−不飽和カル
ボン酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸残基の含
有量は特に制限はないが、樹脂の耐衝撃性および流動性
の点か通常0.00075〜17.1重量%、特に0.03〜8重量%
の範囲となるグラフト共重合体またはグラフト共重合体
組成物(A)中のα,β−不飽和カルボン酸金属塩およ
びα,β−不飽和カルボン酸の量および熱可塑性樹脂組
成物中のグラフト共重合体またはグラフト共重合体組成
物(A)の配合量を選ぶのが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関しては特
に制限はなく、通常公知の方法を採用することができ
る。すなわち、グラフト共重合体またはグラフト共重合
体組成物(A)、ポリアミド樹脂(B)をペレット、粉
末、細片、溶液状態等で、高速撹拌機等を用いて均一混
合した後、十分な混練能力のある一軸または多軸の押出
機で溶融混練する方法およびバンバリーミキサーやゴム
ロール機を用いて溶融混練する方法等、種々の方法を採
用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はグラフト共重合体また
はグラフト共重合体組成物(A)、ポリアミド樹脂
(B)の他に必要に応じて、ポリスチレン(PS)、スチ
レン/アクリロニトリル共重合体(SAN)、ポリメタク
リル酸メチル(PMMA)、スチレン/メタクリル酸メチル
/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン/ア
クリロニトリル共重合体、αメチルスチレン/スチレン
/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン/メ
タクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、p−メ
チレンスチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン
/N−フェニルマレイミド共重合体等のビニル系重合体、
メタクリル酸樹脂−ブタジエン−スチレン三元共重合体
(MBS)樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリカーボネート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート等熱可塑性樹脂を適宜混合したり、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチ
レン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジ
シクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5
−エチリデン2−ノルボルネン共重合体、エチレン/酢
酸ビニル共重合体およびエチレン/アクリル酸ブチル共
重合体等のポリオレフィン系ゴムを適宜混合することに
よって、更に好ましい物性、特性に調節することも可能
である。また目的に応じて顔料や染料、ガラス繊維、金
属繊維、金属フレーク、炭素繊維等の補強材や充填材、
熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑
剤、可塑剤、帯電防止剤および難燃剤等を添加すること
ができる。
本発明で用いる(イ)、(ロ)、(ハ)の必須単量体
はグラフト共重合せずに単に共重合体としてブレンドす
るだけでも本発明とほぼ同等の効果が得られるが、グラ
フト共重合することによりα,β−不飽和カルボン酸金
属塩およびα,β−不飽和カルボン酸(ハ)の含有量を
減らすことが可能であり、成形加工性を著しく改良する
ことができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ABS樹脂と同等の成
形加工性、耐衝撃性および表面外観性とポリアミド樹脂
の耐薬品性を併せ持つため、それらの性質を生かした種
々の成形品に用いることができ、特に自動車外板、ホイ
ールキャップ等の自動車外装部品等の成形品に有用に用
いることができる。
[実 施 例] 以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳し
く説明する。耐衝撃性の評価として1/2″アイゾット衝
撃強さをASTM D256−56に従って測定した。成形加工性
の評価として溶融粘度を高化式フローテスターにより、
樹脂温度250〜280℃の、荷重50kgの条件で測定した。耐
薬品性は、射出成形した角板をメタノールおよびガソリ
ンに23℃、24時間浸漬して角板表面を目視で観察した。
表面外観性は、成形品表面の光沢度を測定した。
なお、以下の部数および%は、それぞれ重量部および
重量%を表わす。
参考例1 次の処方により、グラフト共重合体A−1〜A−6を
製造した。
A−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)60部(固形分換算)の存在下でスチレン
70%、アクリロニトリル25%、メタクリル酸5%からな
る単量体混合物40部を乳化重合した。得られたグラフト
共重合体は硫酸マグネシウムで凝固し、洗浄、ロ過、乾
燥してパウダー状のグラフト共重合体(A′−1)を得
た。続いてこのグラフト共重合体100部に対して濃度50
%の水酸化ナトリウム水溶液を0.9部添加した後、濃度2
20℃の条件で押出してグラフト共重合体(A−1)を調
製した。酸適定により求めたα,β−不飽和カルボン酸
金属塩(メタクリル酸ナトリウム)の割合は、α,β−
不飽和カルボン酸金属塩(メタクリル酸ナトリウム)お
よびα,β−不飽和カルボン酸(メタクリル酸)の合計
量に対して45%であり、グラフト共重合体中における
α,β−不飽和カルボン酸金属塩(メタクリル酸ナトリ
ウム)およびα,β−不飽和カルボン酸(メタクリル
酸)の割合は、それぞれ1.07%および1.11%であった。
A−2:A−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下でメタクリル酸メチル20%、ス
チレン65%、アクリロニトリル15%からなる単量体混合
物60部を乳化重合した後、A−1と同様にしてパウダー
状のグラフト共重合体(A′−2)を得た。続いてこの
グラフト共重合体100部に対して濃度50%の水酸化ナト
リウム水溶液を18部添加した後、温度220℃の条件で押
出してグラフト共重合体(A−2)を調製した。IR測
定、NMR測定および酸適定により求めたグラフト共重合
成分中の各成分の割合は、メタクリル酸メチル、スチレ
ン、アクリロニトリル、アクリル酸ナトリウムが、4/64
/14/18の重量比であった。
A−3:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン4
8部、α−メチルスチレン10部、アクリロニトリル20
部、エタクリル酸マグネシウム2部に溶解した後、塊状
重合してグラフト共重合体(A−3)を調製した。
A−4:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン5
0部、アクリロニトリル17部、メタクリル酸メチル10
部、アクリル酸ナトリウム1部、アクリル酸2部に溶解
した後、塊状重合してグラフト共重合体(A−4)を調
製した。
A−5:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン4
8部、α−メチルスチレン10部、アクリロニトリル20
部、エタクリル酸マグネシウム0.5部、エタクリル酸1.5
部に溶解した後、塊状重合してグラフト共重合体(A−
5)を調製した。
A−6:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン5
0部、アクリロニトリル17部、メタクリル酸メチル10
部、アクリル酸ナトリウム1部、アクリル酸2部に溶解
した後、塊状重合してグラフト共重合体(A−6)を調
製した。
A−7:A−1で使用したポリブタジエンラテックス50部
(固形分換算)の存在下でスチレン95%、メタクリル酸
5%からなる単量体混合物50部を乳化重合した後、A−
1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合体(A′−
7)を得た。続いてこのグラフト共重合体100部に対し
て濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液を1.3部添加した
後、温度220℃の条件で押出してグラフト共重合体(A
−7)を調製した。酸適定により求めたα,β−不飽和
カルボン酸金属塩(メタクリル酸ナトリウム)の割合
は、α,β−不飽和カルボン酸金属塩(メタクリル酸ナ
トリウム)およびα,β−不飽和カルボン酸(メタクリ
ル酸)の合計量に対して50%であり、グラフト共重合体
中におけるα,β−不飽和カルボン酸金属塩(メタクリ
ル酸ナトリウム)およびα,β−不飽和カルボン酸(メ
タクリル酸)の割合は、それぞれ1.57%および1.22%で
あった。
A−8:A−1で使用したポリブタジエンラテックス60部
(固形分換算)の存在下でスチレン75%、アクリロニト
リル20%、メタアクリル酸5%からなる単量体混合物40
部を乳化重合した後、A−1と同様にしてパウダー状の
グラフト共重合体(A−8)を調製した。
実施例1〜9 参考例1で製造したA−1〜A−6およびポリアミド
樹脂としてCM1017(東レ(株)製ナイロン6)をそれぞ
れ表−1の配合割合でヘンシェルミキサーで混合し、次
に40mmφ押出機により押出温度250℃で押出し、それぞ
れペレット化した後、各ペレットについて成形温度250
℃、金型温度60℃の条件で射出成形に供し、各試験片を
作製しそれについて物性の評価を行なった。これらの結
果を表−1に示す。
比較例1〜4 参考例1で製造したA−1〜A−8およびポリアミド
樹脂としてCM1017(東レ(株)製、ナイロン6)をそれ
ぞれ表−1の配合割合でヘンシェルミキサーで混合し、
次に40mmφ押出機により押出温度250℃で押出し、それ
ぞれペレット化した後、各ペレットについて成形温度25
0℃、金型温度60℃の条件で射出成形に供し、各試験片
を作製し、それについて物性の評価を行なった。これら
の結果を表−1に併せて示す。
実施例10〜18 ポリアミド樹脂としてCM3001N(東レ(株)製、ナイ
ロン66)を用い、押出温度280℃とした以外は実施例1
〜9と同様の条件で行なった。配合割合および物性の測
定結果を表−2に示す。
比較例5〜8 ポリアミド樹脂としてCM3001N(東レ(株)製、ナイ
ロン66)を用い、押出温度280℃成形温度280℃とした以
外は実施例1〜4と同様の条件で行なった。配合割合お
よび物性の測定結果を表−2に示す。
実施例および比較例より、次のことが明らかである。
すなわち、本発明により得られたものは、いずれも耐衝
撃性、成形加工性、耐薬品性および表面外観性に優れて
いる。それに対してα,β−不飽和カルボン酸金属塩お
よびα,β−不飽和カルボン酸を含まないグラフト共重
合体(A−7)では耐衝撃性が劣り、グラフト成分とし
てシアン化ビニルを含まない芳香族ビニルとα,β−不
飽和カルボン酸のみグラフトしたグラフト共重合体(A
−8)では、耐衝撃性は不十分であり、溶融粘度が高
く、成形加工性に劣る。
[発明の効果] 以上、説明したように本発明の熱可塑性樹脂組成物は
ABS樹脂と同等の耐衝撃性、成形加工性および表面外観
性とポリアミド樹脂の耐薬品性を併せ持つ熱可塑性樹脂
組成物であり、その効果は、ジエン系ゴムに芳香族ビニ
ルおよびα,β−不飽和カルボン酸金属塩およびα,β
−不飽和カルボン酸をグラフトしてなるグラフト共重合
体(A)、ポリアミド樹脂(B)を特定の割合で配合す
ることにより、はじめて発揮されるものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ABS樹脂と同等の成
形加工性、耐衝撃性および表面外観性とポリアミドの耐
熱性、耐薬品性を併せ持つため、それらの性質を活かし
た種々の成形品に用いることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量%、 (ロ)シアン化ビニル9〜50重量%、 および (ハ)下記式の関係を満足するα,β−不飽和カルボン
    酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸0.1〜20重量
    % [x/(x+y)]×100=5〜100% (x:α,β−不飽和カルボン酸金属塩の共重合体中の重
    量%、 y:α,β−不飽和カルボン酸の共重合体中の重量%) からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフトしてなる
    グラフト共重合体、または該グラフト共重合体と残りの
    単量体の共重合体とからなるグラフト共重合体組成物5
    〜95重量部と (B)ポリアミド樹脂5〜95重量部とからなる熱可塑性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A) (a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量%、 (ロ)シアン化ビニル9〜50重量%、 および (ハ)下記式の関係を満足するα,β−不飽和カルボン
    酸金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸0.1〜20重量
    % [x/(x+y)]×100=5〜100% (x:α,β−不飽和カルボン酸金属塩の共重合体中の重
    量%、 y:α,β−不飽和カルボン酸の共重合体中の重量%) からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフトしてなる
    グラフト共重合体、または該グラフト共重合体と残りの
    単量体の共重合体とからなるグラフト共重合体組成物5
    〜95重量部と (B)ポリアミド樹脂5〜95重量部とを混合することを
    特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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