JPH087215A - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH087215A
JPH087215A JP15427894A JP15427894A JPH087215A JP H087215 A JPH087215 A JP H087215A JP 15427894 A JP15427894 A JP 15427894A JP 15427894 A JP15427894 A JP 15427894A JP H087215 A JPH087215 A JP H087215A
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magnetic
coil
gap
thin film
magnetic head
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JP15427894A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Omori
広之 大森
Tetsuya Yamamoto
哲也 山元
Yasunari Sugiyama
康成 杉山
Mitsuharu Shoji
光治 庄子
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 互いに接合する一対のヘッド半体9、39の基
板1、31に金属磁性層3、33が設けられて閉磁路が形成
され、ヘッド半体接合用の金の膜14、44によって磁気ギ
ャップが形成される。基体上の金属磁性層以外の領域に
充填されたガラス4、34上にコイルパターン状凹部10、
40が形成され、これら凹部に渦巻き状コイルパターン1
1、41が形成される。両コイルパターンは、先端部で金
の膜16、46によって接続され、コイルが構成される。凹
部10、40内のコイルパターン11、41上には空間10a、40
aが形成されている。 【効果】 各コイルパターンが凹部内に形成されること
により、各コイルパターンは、ガラス充填材によって保
護され、ヘッド半体接合時に接合のための熱や圧力によ
ってダメージを受けることがない。また、各コイルパタ
ーンは、空間10a、40aによって充分に離間し、電流の
リークが起こることがない。その結果、磁気ヘッドは、
信頼性、生産性が共に高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッド及びその製
造方法に関し、例えば、ビデオテープレコーダや磁気デ
ィスク装置に好適な磁気ヘッド及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダ(VTR)
等の磁気記録再生装置においては、画質等を向上させる
ために信号をデジタル化して記録するデジタル記録が進
められており、これに対応して記録の高密度化、記録周
波数の高周波化がなされている。
【0003】磁気記録の高密度化、高周波化が進むにつ
れ、記録再生に使用する磁気ヘッドには、高周波で出力
が高く、ノイズの少ないことが要求される。例えば、従
来VTR用磁気ヘッドとして多用されるフェライト材に
金属磁性膜を成膜し、巻き線を施した所謂複合型メタル
・イン・ギャップヘッドでは、インダクタンスが大き
く、インダクタンス当たりの出力低下のため、高周波領
域で出力が低く、高周波、高密度が必要とされるデジタ
ル画像記録に充分対処することが難しい。
【0004】このような状況から、磁気ヘッドを薄膜形
成工程で作製する所謂薄膜磁気ヘッドが、高周波対応の
磁気ヘッドとして検討されている。
【0005】上記の磁気ヘッドをVTR等の磁気テープ
を用いた磁気記録用に使用するためには、磁気ギャップ
の深さと磁性層の厚さとを充分に大きくせねばならな
い。然し、磁性層を厚くすると、薄膜形成工程で磁気コ
アを構成するためには長時間を要し、生産性が低下す
る。
【0006】そこで、高周波対応の磁気ヘッドとして、
例えば特開昭63−231713号公報に開示されているよう
に、磁路を金属磁性層で構成し、この磁路を通常のVT
R用磁気ヘッドのそれよりも小さくし、かつ、薄膜形成
工程で磁気ギャップ形成面に薄膜コイルを形成した磁気
ヘッドが提案されている。
【0007】この磁気ヘッドは、一対のヘッド半体をガ
ラス融着によって接合すると共に、このガラスで磁気ギ
ャップを形成している。この接合は高温で圧着してなさ
れるので、接合時に薄膜コイルがダメージを受け易く、
甚だしくは断線することがあり、歩留及び信頼性の見地
から難点がある。また、上記の理由から、ガラス融着の
温度を低く抑えねばならないために融着用ガラスの材料
に制約を受け、充分な耐湿性を示すガラスを使用するこ
とができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、高周波の記録、再生に
充分対応でき、而も、製造中に薄膜コイルがダメージを
受けることがなく、信頼性が高く、かつ、高い生産性を
以て製造できる磁気ヘッド及びその製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性層を設け
た基体にコイルパターン状に形成された凹部に薄膜コイ
ルが形成されている磁気ヘッドに係る。上記「基体」と
は、後述する充填材が充填された基体にあっては、この
充填材を含めた基体を指すものである。
【0010】本発明において、互いに対向する一対の基
体の少なくとも一方にコイルパターン状に形成された凹
部に薄膜コイルが形成され、かつ、磁気ギャップ面に所
定パターンに形成された非磁性金属膜を介して前記一対
の基体が互いに圧着されていることが望ましい。
【0011】また、本発明において、磁気ギャップのギ
ャップ長が0.25μm以下であることが望ましい。
【0012】また、本発明において、薄膜コイルが一対
の基体の双方に形成され、これら薄膜コイル同士が電気
的に接続して1個のコイルが構成されるようにするの
が、コイルパターン数を大きくする上で望ましい。
【0013】また、本発明において、凹部の開口に達し
ないレベル迄薄膜コイルが埋設されていることが望まし
い。
【0014】また、本発明において、非磁性基体に磁性
層が突出した形状に成膜され、この磁性層以外の領域に
充填された充填材の平坦な上面に薄膜コイル形成用の凹
部を形成することが望ましい。
【0015】また、本発明において、磁性層の磁気ギャ
ップ面側の部分が所定幅に加工され、この加工によって
ギャップ幅が規定されていることが望ましい。
【0016】また、本発明において、磁性層が絶縁膜に
よって複数の磁性膜に分離された積層構造をなしている
ことが望ましい。
【0017】本発明はまた、上述した磁気ヘッドを製造
するに際し、薄膜コイル形成側の基体に凹部をコイルパ
ターンに設ける工程と、この凹部にコイル形成材料を埋
め込んで薄膜コイルを形成する工程とを有する、磁気ヘ
ッドの製造方法に係る。
【0018】本発明に基づく方法において、凹部を含む
面にコイル形成材料を被着した後、このコイル形成材料
の不要部分を除去するのが望ましい。
【0019】また、本発明に基づく方法において、薄膜
コイル形成後に、基体の磁気ギャップ形成面に非磁性金
属膜を形成する工程と、この非磁性金属膜を所定パター
ンにパターニングする工程と、一対の基体を対向させ、
パターニングされた前記非磁性金属膜を介して圧着し、
前記一対の基体を接合すると共に、パターニングされた
前記非磁性金属膜によって磁気ギャップを形成する工程
とによって製造することが望ましい。
【0020】上記において、磁気ギャップのギャップ長
が0.25μm以下になるように、非磁性金属膜の厚さを設
定するのが望ましい。
【0021】また、本発明に基づく方法において、一対
の基体の双方に薄膜コイルを形成し、前記一対の基体の
接合時に磁気ギャップ形成と共に、パターニングされた
非磁性金属膜によって前記薄膜コイル同士を電気的に接
続して1個のコイルを構成させることができる。
【0022】また、本発明に基づく方法において、薄膜
コイルの表面側部分をエッチングし、この薄膜コイルの
凹部開口側部分を除去するのが望ましい。
【0023】また、本発明に基づく方法において、磁性
層の基体対向側部分をエッチングによって加工し、磁気
ギャップのギャップ幅を所定の寸法にするのが望まし
い。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0025】<実施例1>この例による磁気ヘッドは、
一対の基板の夫々に、薄膜形成手法によって渦巻き状に
コイルパターンを形成してなる一対のヘッド半体を貼り
合わせて構成される。図1はこれらヘッド半体を示し、
同図(a)はヘッド半体の拡大平面図、同図(b)はヘ
ッド半体を貼り合わせてなる磁気ヘッドの同図(a)の
b −Ib線断面図、同図(c)は同じく同図(a)の
c −Ic 線断面図である。図1(a)に矢印で示すよ
うに、一方のヘッド半体9に、略同様の形状を呈する他
方のヘッド半体39が貼り合わされ、磁気ヘッドが構成さ
れる。
【0026】ヘッド半体9は、次のように構成されてい
る。セラミックの基体1上の充填材としての例えばPb
O−SiO−BOのガラス4の表面にコイルパターン状
に凹部10が形成され、凹部10内にコイルパターン11が形
成されている。コイルパターン11の内側先端部11aの近
傍には金属磁性層3のバックギャップ3bとなる部分が
ガラス4上に露呈している。金属磁性層3は、バックギ
ャップ3bとなる部分から基板の一方の端面側に亘って
ガラス4に埋設され、基体のこの端面側がフロントギャ
ップ3aとなる部分になる。
【0027】コイルパターン11の外側先端部には基板1
の他方の端面側に至る一方の端子部12が延設され、コイ
ルパターン11とは離間した他方の端子部13が端子部12と
平行に設けられている。金属磁性層3は、後述する基板
に設けられた溝の傾斜面上に形成される。
【0028】コイルパターン11の周囲には金の膜14が、
金属磁性層3のバックギャップ部分3b上には金の膜15
が、コイルパターン11の内側先端部11a上には金の膜16
が、コイルパターン11の端子部12との接続部分上には金
の膜17が、端子部13の内側先端部上には金の膜18が夫々
被着している。
【0029】ヘッド半体39は、ヘッド半体9の端子部1
2、13に替えて、端子部12、13に接続させるための接続
部42、43(端子部12、13より短い)が設けられており、
ヘッド半体9よりも短くなっている。ヘッド半体39のそ
の他は、ヘッド半体9と同じ構造としてある。なお、ヘ
ッド半体39を構成する各部分には、ヘッド半体9のこれ
らと対応する部分の符号に「30」をプラスした符号を付
して表してある。
【0030】図1から解るように、ヘッド半体9、39を
貼り合わせると、金属磁性層3、33が閉磁路を形成し、
金の膜14、44によってフロントギャップ14Aが、金の膜
15、45によってバックギャップ15Aが夫々形成される。
そして、金の膜16、46からなる金の膜16Aを介してコイ
ルパターン11、41が接続し、1個のコイルを構成する。
【0031】かくして、端子部12から入力された電流
は、コイルパターン11、金の膜16、46、コイルパターン
41、接続部43の金の膜48を順次経由し、端子部13へと流
れる。また、この逆方向に流れる。金の膜17、47は、コ
イルパターンの電気的接続に必要なものではないが、ヘ
ッド半体9、39の貼り合わせの際にがたつきを防止する
のに役立つ。
【0032】凹部10、40内のコイルパターン11、41は、
中央端部11a、41a以外の領域で凹部10、40に完全には
充填されておらず、凹部開口側部分に空間10a、40aが
形成されている。即ち、コイルパターン11、41の上面
は、上記領域では凹部10、40の開口に達しないレベルに
位置させてある。
【0033】上記空間10a、40aを設けることにより、
ヘッド半体9、39を貼り合わせた状態で、コイルパター
ン11、41間の間隙を充分にとることができ、両コイルパ
ターン11、41間での電流のリークを起こすおそれがなく
なる。後述する実施例2における同様の空間 110a、 1
40aも上記と同様の作用効果を奏する。
【0034】次に、この例による磁気ヘッドの製造工程
について説明する。
【0035】先ず、図2に示すように、平板状の基板1
を用意する。基板1は、フェライト等の磁性材料よりな
るものであっても良いが、例えばマルチチャンネル化し
たときのクロストークの防止を図るという点や、磁気ヘ
ッドのインピーダンスを下げるという点、及び後の加熱
工程で金属磁性層と同程度の熱膨張係数を示す点から、
チタン酸カリウム等の非磁性材料であることが好まし
い。
【0036】勿論、前記チタン酸カリウムに限らず、各
種非磁性材料が使用可能であり、例示するならば、チタ
ン酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、アルミナ、アルミナチタンカーバイ
ド、SiO2 、MnO−NiO混合焼結材、ZrO2
NiO−CaO混合焼結材、Znフェライト、結晶化ガ
ラス、高硬度ガラス等が挙げられる。また、これら材料
の加工特性や磁気記録媒体との摺動特性を改善するため
に各種添加物を配合して良い。
【0037】次に、図3に示すように、基板1の主面1
a上に対して第一の溝加工を施す。この溝加工は、後の
工程で成膜される金属磁性層が基板1の磁気ギャップ形
成面である主面1aに対して斜めに成膜されるように設
けられるものである。従って、各第一の溝2は、所定の
傾斜面2aを以てデプス方向に平行に形成される。
【0038】前述の溝加工を施した後、図4に示すよう
に、金属磁性層3を溝2内(特に前記傾斜面2a上)を
含めて基板1の主面1a上全面に成膜する。金属磁性層
3の成膜方法としては、真空蒸着やスパッタリング等、
各種薄膜形成プロセスが採用可能である。
【0039】また、金属磁性層3の材質としては、高飽
和磁束密度を有し、良好な軟磁気特性を有するものであ
れば如何なるものであっても良く、例えば、Fe−Al
−Si系合金(特にセンダスト)、Fe−Al系合金、
Fe−Si−Co系合金、Fe−Ga−Si系合金、F
e−Ga−Si−Ru系合金、Fe−Al−Ga系合
金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合
金、Fe−Co−Si−Al系合金、Fe−Ni系合金
等の結晶質合金等が挙げられる。
【0040】或いは、Fe、Co、Niのうちの1以上
の元素とP、C、B、Siのうちの1以上の元素とから
なる合金、またはこれを主成分としAl、Ge、Be、
Sn、In、Mo、W、Ti、Mn、Cr、Zr、H
f、Nb等を含んだ合金等に代表されるメタル−メタロ
イド系アモルファス合金や、Co、Hf、Zr等の遷移
金属と希土類元素を主成分とするメタル−メタル系アモ
ルファス合金等の非晶質合金(例えばCo−Nb−Z
r、Co−Ta−Zr合金)も使用可能である。
【0041】上記のほか、Fe−Al−N、Fe−Ta
−N、Fe−Al−Nb−N、Fe−Ta−C、Co−
Zr−Y−N等の微結晶質合金が使用可能である。
【0042】更に、軟磁性特性を改善するために各種の
添加成分を上記合金に添加しても良い。
【0043】次いで、図5に示すように、基板1に形成
された第一の溝2内にガラス4を充填し、表面を平坦化
した後、図6に示すように、第一の溝2とは直交する方
向に第二の溝5及び第三の溝6を切削加工によって設け
る。
【0044】第二の溝5は、いわば通常のバルク型の磁
気ヘッドの巻線溝に相当するものであって、先に成膜し
た金属磁性層3のフロントデプス及びバックデプスを規
定し、金属磁性層3によって構成される磁路を閉ループ
とするために形成されるものである。他方、第三の溝6
は、最終的に磁気ヘッドを組み立てたときに不要となる
金属磁性層3を除去するために設けられるものである。
【0045】次に、図7に示すように、第二の溝5及び
第三の溝6に再びガラス4を充填して、主面1aに対し
て平坦化加工を施す。
【0046】次に、図8に示すように、第一の溝2と平
行に第四の溝7及び第五の溝8を切削加工によって設け
る。ここで、第四の溝7は、溝傾斜面2a上に成膜され
た金属磁性層3の一端縁と接するように形成され、金属
磁性層3の突き合わせ幅、即ちトラック幅を規制する。
また、第五の溝8は、第一の溝2内の金属磁性薄層3の
うち、溝2の底面に存在する不要な金属磁性層部分を除
去するために設けられる。
【0047】次に、図9に示すように、再びガラス4を
第四の溝7及び第五の溝8内に充填し、表面を平坦化す
る。
【0048】以上の工程により、金属磁性層3による磁
路部分が形成される。図10は、図9の個々の磁気ヘッド
に対応する部分(仮想線で示すXの部分)を取り出して
拡大図示するものである。但し、図10は、図9中の仮想
線矢印の方向から見た拡大斜視図である。以下、図10に
示す領域内でのコイルの形成方法について説明する。
【0049】図11は、図10と同様、個々の磁気ヘッドに
対応して基板1を部分的に拡大して示すものであり、図
11(a)は図10中の仮想線で示すXIの矩形領域を更に拡
大して示す平面図、図11(b)は同図(a)の仮想線位
置での断面図である(以下の図面でも同様)。
【0050】図11(a)に示すように、磁気ギャップ形
成面には、金属磁性層3が分断された形で臨んでおり、
中央に位置する部分がバックギャップ部3bであり、溝
5によりこのバックギャップ部から分断された部分がフ
ロントギャップ部3aである。いずれの部分も、図11
(b)に示すように、基板1上に斜めに成膜されてい
る。また、バックギャップ部3bの周囲には、各溝に充
填したガラス4が露呈している。
【0051】そこで、先ず、図12に示すように、概ねコ
イルの外形形状に対応して、レジスト層61をフォトリソ
グラフ技術により形成する。
【0052】然る後、図13に示すように、イオンミリン
グの手法により選択的にエッチングを行い、コイルの外
形形状に対応する凹部10を形成する。次いで、図14に示
すように、フォトレジスト61を洗浄除去する。なお、凹
部10を形成する手法としては、イオンミリングの他、化
学エッチング法、反応性イオンエッチング、パウダビー
ムエッチング等が挙げられる。
【0053】凹部10の形成に当たっては、磁気ギャップ
のギャップ幅(即ち磁気記録媒体のトラック幅)を同時
に規定することができる。この場合は、フロントギャッ
プ部3aの周辺部分の拡大断面図である図13(c)に示
すように、磁性層3上にギャップ幅d1 に等しい幅でフ
ォトレジスト61aを形成しておく。そして次のエッチン
グ工程で、図14(c)に同様の拡大部分断面図で示すよ
うに、フォトレジスト61aの両側の磁性層部分の表面を
除去する。かくして、ギャップ幅規定の工程を別に設け
ることなく、ギャップ幅は正確にd1 寸法になる。この
方法は、記録密度増大に頗る好都合である。
【0054】次に、図15に示すように、ガラス4上にコ
イル形成用の第一の金属20の膜19を被着し、凹部10に第
一の金属20を充填する。第一の金属としては、導電性の
良好な銅が好適である。第一の金属膜19の被着は、スパ
ッタリングや無電解めっきによれば良く、被着に先立っ
てチタンやクロム等の下地膜を形成して良い。
【0055】次に、第一の金属膜19を研磨し、不要な金
属を除去し、図16に示すように第一の金属20によるコイ
ルパターン11を形成すると共に表面を平坦にする。
【0056】次に、図17に示すように、所定ギャップ長
の磁気ギャップを形成するための第二の金属膜21を被着
する。
【0057】次に、図18に示すように第二の金属膜21上
にフォトレジスト62をフォトリソグラフィの手法によっ
て形成し、イオンミリング等の方法によって図19に示す
ようにコイルパターン11の中央端部(接続部)11a及び
端子部12、13の接続部並びに磁性層のギャップ部3a、
3b以外の第一の金属20の上部を第二の金属膜21の露出
部と共に除去し、凹部10の開口端部に空間10aを形成す
る。ヘッド半体9、39を貼り合わせた状態(図1
(b)、(c))では、ヘッド半体間の間隙は磁気ギャ
ップのギャップ長であって極めて僅かであるので、前述
したように、空間10a、40aを設けることにより、コイ
ルパターン11、41間の電流のリークを防止している。
【0058】次に、フォトレジスト62を除去する。かく
して、図20に示すように、コイルパターン11の外側の領
域(フロントギャップ形成領域を含む)に第二の金属の
膜14が、バックギャップ形成部分に第二の金属の膜15
が、コイルパターン11の内側先端部11aに第二の金属の
膜16が、端子部12上の一部に第二の金属の膜17が、端子
部13上の一部に第二の金属の膜18が夫々残存する。
【0059】第二の金属としては、錫、鉛、インジウム
等の低融点金属又はそれらの合金、或いは金、銀等の拡
散し易い金属又はこれらの合金が、充分なギャップ接合
強度を得る上で有効である。この例では第二の金属を金
としている。また、ギャップ強度の向上のためにチタ
ン、クロム、モリブデン等の下地膜を予め設けるのが好
ましい。
【0060】また、第二の金属の膜は、各ヘッド半体に
設けて磁気ギャップを形成するので、その膜厚は設定さ
れたギャップ長の1/2とする。
【0061】次に、図21に示すように、以上のようにし
て作製されたヘッド半体9及び同様のプロセスを経て作
製されたヘッド半体39を、夫々A−A線、B−B線及び
C−C線、D−D線で示す位置で切断する。この切断に
当たっては、先に図1で説明したように、ヘッド半体39
の接続部42、43がヘッド半体9の端子部12、13よりも短
くなるように切断する。
【0062】次に、図21で所定寸法に切断されたヘッド
半体9、39を図22に示すように貼り合わせて図23に示す
磁気ヘッド素材とする。この貼り合わせは、先に説明し
たように、 200〜400 ℃での加熱圧着による。
【0063】次に、磁気ヘッド素材の不要な両側縁部を
切断、除去し、図24に示す磁気ヘッドとする。
【0064】なお、図11〜図24による説明では、1個の
ヘッド半体について説明したが、実際には、図9に示し
たような多数のヘッド半体の集合体としての板状素材に
ついて前述の加工を施し、最後に個々のヘッド半体素材
を切断によって採取する。
【0065】以上のようにして作製された8mmVTR用
磁気ヘッドについて、ギャップ長による再生出力の変化
を求めたところ、図25に示す結果が得られた。この実験
の条件は次の通りである。磁気ヘッドのギャップ幅は15
μm、磁気テープとの相対速度は 3.8m/sec 、記録用周
波数は5MHz である。図25中には、比較のため、フェラ
イト基板に斜めにセンダストの膜を成膜し、ヘッド半体
接合後に巻き線を施した、TSS型と呼ばれる磁気ヘッ
ドについて同様の実験を行った結果が併記してある。
【0066】図25から次のことが理解できる。上記のよ
うな高周波再生にあって、ギャップ長約0.25μm以下で
再生出力が低下する。然し、実施例の磁気ヘッドにあっ
ては、再生出力の低下が比較の磁気ヘッドに較べて小さ
くかつ再生出力が高い。このように、この例における磁
気ヘッドは、比較の磁気ヘッドに較べて高周波領域での
磁気特性が格段に優れている。これは、次の理由による
ものである。
【0067】比較の磁気ヘッドは、コイルを巻線として
いるために、巻線中に渦電流が発生してこれによる損失
がある。これに対して実施例の磁気ヘッドは、コイルを
薄膜で形成しているのでその肉厚が小さく、渦電流が無
視し得る程小さい。
【0068】比較の磁気ヘッドは、基板がフェライトで
あるため、フェライト基板に磁束が漏れてこれが損失に
なる。これに対し、実施例の磁気ヘッドは、基板を非磁
性セラミックとし、磁性体を薄膜のみとしているので、
基板に磁束が漏れることがなく、高周波対応が充分であ
る。
【0069】以上説明したように、この例による磁気ヘ
ッドは、前述したように充填ガラス上にコイルパターン
状に凹部を形成し、この凹部に金属を埋設してコイルパ
ターンを形成しているので、このコイルパターンは、周
囲の充填ガラスに保護され、一対のヘッド半体を貼り合
わせて接合する際の熱や圧力によるダメージを受けるこ
とがなく、正確な形状、寸法が保持されて信頼性が高
い。また、磁気ヘッドは、歩留が高く、磁性膜と薄膜コ
イルとが共に薄膜形成工程で作られるので高い生産性を
以て製造できる。
【0070】また、この例による磁気ヘッドは、ギャッ
プ長が第二の金属(例えば金)の膜の厚さによって決定
されるので、ギャップ長を所定の寸法に正確かつ容易に
一致させることができ、磁気ギャップに溶融ガラスを侵
入させる必要がないので、耐湿性に劣るガラスを使用す
るという前述した不都合から解放される。
【0071】<実施例2>この例では、金属磁性層をV
字形状とし、充填材を前記実施例1におけるガラスに替
えて結晶質のセラミックとしている。充填材としては、
Al2 3 をスパッタリングで、或いはMgO−SiO
の酸化物混合材を蒸着法によって形成するのが、緻密な
膜を高速で成膜するのに適している。また、両ヘッド半
体の長さを同じにし、端子をL字形にして端子接続部と
先端部の端子部とによって構成するようにしている。そ
の他は、前記実施例1におけると異なるところはない。
【0072】図26はヘッド半体を示す図1と同様の図
で、同図(a)はヘッド半体の拡大平面図、同図(b)
は両ヘッド半体を接合した状態での同図(a)の XXVIb
−XXVIb 線断面図、同図(c)は同じく同図(a)の X
XVIc−XXVIc 線断面図である。なお、図1と共通する部
分は、図1の符号に「100 」をプラスした符号を付して
表してある。図26(a)中、 112、 113、 142、 143は
端子、 112a、 113a、142a、 143aはL字形の端子
接続部、 112b、 113b、 142b、 143bは端子部であ
る。
【0073】次に、この例による磁気ヘッドの製造工程
について説明する。
【0074】先ず、図2に示す基板101 (前記実施例1
における基板1と同じ材料からなる)を用意する。次い
で、図27に示すように、第一の溝102 を2つずつが隣り
合うように切削加工によって設け、第一の溝102 間に傾
斜面 102aを山形に形成する。
【0075】次に、図28に示すように、傾斜面 102a上
に金属磁性層103 を逆V字形に成膜する。金属磁性層10
3 の材料は、前記実施例1における金属磁性層3の材料
と同じである。金属磁性層103 は、傾斜面 102a上にの
み成膜するようにフォトレジストをマスクにして成膜し
て良く、基板全面上に被着させてから化学的又は機械的
に不要な金属磁性層部分を除去するようにしても良い
(前記実施例1にあっても同様)。
【0076】次に、図29に示すように、第一の溝102 と
直交するように第二の溝105 及び第三の溝106 を切削加
工によって設ける。
【0077】次に、基板上に絶縁充填材を充分な厚さに
成膜し、これを溝102 、105 、106に充填し、次いで表
面を平坦に研磨し、図30に示すように金属磁性層103 を
表面に露出させる。絶縁充填材としては、前記Al2
3 やMgO−SiOのほか、SiO2 、TiO2 、Si
3 4 等を使用し、スパッタリング、蒸着等の所謂気相
めっき技術によって成膜することもできる。
【0078】以上の工程により、金属磁性層103 による
磁路部分が形成される。図31は、図30の個々の磁気ヘッ
ドに対応する部分(仮想線で示すXXXIの部分)を取り出
して拡大図示するものである。以下、図31に示す領域内
でのコイルの形成方法について説明する。
【0079】図32は、図31と同様、個々の磁気ヘッドに
対応して基板101 を部分的に拡大して示すものであり、
図32(a)は図31中の仮想線で示すXXXII の矩形領域を
さらに拡大して示す平面図、図32(b)は同図(a)の
仮想線位置での断面図である(以下の図面でも同様)。
【0080】図32(a)に示すように、磁気ギャップ形
成面には、金属磁性層103 が分断された形で臨んでお
り、中央に位置する部分がバックギャップ部 103bであ
り、溝105 によりこのバックギャップ部から分断された
部分がフロントギャップ部 103aである。いずれの部分
も、図32(b)に示すように、基板101 上に逆V字形に
成膜されている。また、バックギャップ部 103bの周囲
には、各溝に充填した充填材104 が露呈している。
【0081】そこで、先ず、図33に示すように、概ねコ
イルの外形形状に対応して、レジスト層161 をフォトリ
ソグラフ技術により形成する。
【0082】然る後、図34に示すように、イオンミリン
グの手法により選択的にエッチングを行い、コイルの外
形形状に対応する凹部110 を形成する。次いで図35に示
すように、フォトレジスト161 を洗浄除去する。なお、
凹部110 を形成する手法としては、前記イオンミリング
の他、化学エッチング法、反応性イオンエッチング、パ
ウダビームエッチング等が挙げられる。
【0083】凹部110 の形成に当たっては、磁気ギャッ
プのギャップ幅(即ち磁気記録媒体のトラック幅)を同
時に規定することができる。この場合は、フロントギャ
ップ部 103aの周辺部分の拡大断面図である図34(c)
に示すように、磁性層103 上にギャップ幅d2 に等しい
幅でフォトレジスト 161aを形成しておく。そして次の
エッチング工程で、図35(c)に同様の拡大部分断面図
で示すように、フォトレジスト 161aの両側の磁性層部
分の表面を除去する。かくして、ギャップ幅規定の工程
を別に設けることなく、ギャップ幅は正確にd2 寸法に
なる。この方法は、記録密度増大に頗る好都合である。
【0084】次に、図36に示すように、充填材104 上に
コイル形成用の第一の金属120 の膜119 を被着し、凹部
110 に第一の金属120 を充填する。第一の金属として
は、導電性の良好な銅が好適である。第一の金属膜119
の被着は、スパッタリングや無電解めっきによれば良
く、被着に先立ってチタンやクロム等の下地膜を形成し
て良い。
【0085】次に、第一の金属膜119 を研磨し、不要な
金属を除去し、図37に示すように第一の金属120 による
コイルパターン111 を形成すると共に表面を平坦にす
る。
【0086】次に、図38に示すように、所定ギャップ長
の磁気ギャップを形成するための第二の金属膜121 を被
着する。
【0087】次に、図39に示すように第二の金属膜121
上にフォトレジスト162 をフォトリソグラフィの手法に
よって形成し、イオンミリング等の方法によって図40に
示すようにコイルパターン111 の中央端部(接続部)111
a及び端子部 112、 113の接続部並びに磁性層のギャッ
プ部 103a、 103b以外の第一の金属120 の上部を第二
の金属膜121 の露出部と共に除去し、凹部110 の開口端
部に空間 110aを形成する。ヘッド半体109 、139 を貼
り合わせた状態(図26(b)、(c))では、ヘッド半
体間の間隙は磁気ギャップのギャップ長と同じであって
極めて僅かであるので、前述したように、空間 110a、
140aを設けることにより、コイルパターン111 、141
間の電流のリークを防止している。
【0088】次に、フォトレジスト162 を除去する。か
くして、図41に示すように、コイルパターン111 の外側
の領域(フロントギャップ形成領域を含む)に金の膜11
4 が、バックギャップ形成部分に金の膜115 が、コイル
パターン111 の内側先端部 111aに金の膜116 が、端子
接続部 112aの一部に金の膜117 が、端子接続部 113a
上の一部に金の膜118 が夫々残存する。
【0089】図42は、上記のプロセスを経て作製された
ヘッド半体109 、139 の集合体の斜視図である。
【0090】上記集合体から、1列のヘッド半体109 を
含むブロック100 と、1列のヘッド半体139 を含むブロ
ック130 とを仮想線位置で切出す。そして、パターン同
士が向き合うようにかつ磁性膜同士が規定のギャップ幅
(トラック幅)に合うように両ブロック100 、130 を貼
り合わせて加圧しながら加熱し、両ブロック100 、130
を接合する。図43は上記貼り合わせの要領を示す斜視
図、図44は両ブロックを貼り合わせてなる磁気ヘッド素
材の斜視図である。
【0091】次に、磁気ヘッド素材を図44の仮想線位置
で切断し、仕上げ加工を施して図45に示す磁気ヘッドと
する。この仕上げ加工に際しては、溝200 を切出してコ
イルの端子部 112b、 113bを露呈させる。
【0092】以上のようにして作製された8mmVTR用
磁気ヘッドについて、ギャップ長による再生出力の変化
を求めたところ、図46に示す結果が得られた。この実験
の条件及び比較の磁気ヘッドは、前記実施例1における
それらと同じである。また、測定の結果は、前記実施例
1の図25と略同様である。
【0093】前記の各実施例は、一対の基体の双方に、
薄膜によるコイルパターンを形成しているが、一方の基
体にのみコイルパターンを設け、他方の基体に配線を設
けることができる。即ち、コイルパターンの内側先端部
とこの基体に設けられた端子部(基体上ではコイルパタ
ーンと接続していない方の端子部)とを他方の基体に設
けられた配線によって電気的に接続する。
【0094】図47はこのようにしたヘッド半体を示す図
1(a)と同様の平面図、図48は両ヘッド半体を貼り合
わせた後の図47のE−E線に沿う拡大断面図である。
【0095】この例では、一方のヘッド半体には前記実
施例に使用したヘッド半体9を使用し、他方のヘッド半
体には符号「239 」で示すヘッド半体を使用している。
【0096】ヘッド半体239 にはガラス充填材234 のL
字形凹部210 内に無電解めっきにより銅配線241 を設
け、金の膜246 、248 によってヘッド半体9の金の膜1
6、18に接続させ、銅配線241 を介してコイルパターン1
1の内側先端部11aを端子部13に接続させている。図
中、244 は金の膜14と共に磁気ギャップを形成する金の
膜である。
【0097】図47、図48の例では、薄膜コイルのターン
数が少なくて良い場合に、一方のヘッド半体の構造が簡
単になるという利点がある。
【0098】図47、図48の例は前記実施例1の応用例で
あるが、前記実施例2についてもこれと同様の応用が可
能であることは言う迄もない。
【0099】図49、図50は他の例による一対の磁気コア
を示し、夫々(a)は平面図、(b)は分離して示す斜
視図である。
【0100】磁気記録媒体との摺動面に顕れる磁性体の
面積が小さい場合は、疑似信号の発生を防ぐため、磁性
体とその周辺のセラミック基板や絶縁充填材との境界面
が、磁気ギャップ面と平行になる部分を少なくする必要
がある。そのため、図49に示すように、磁性体の端面に
適当な曲率をもたせるか、或いは斜めにするのが良い。
前記の実施例1、2にもこのような考慮が採用されてい
る。
【0101】また、磁気ギャップのギャップ幅(トラッ
ク幅)は、磁性体の磁路の幅よりも小さい方が磁束密度
が大きくなって記録、再生特性上有利であるので、イオ
ンミリング等によってギャップ幅を規定するのが望まし
い。
【0102】磁気コアを板状にした場合は、図50に示す
ように、磁性体を絶縁膜で分断して積層構造とすると、
高周波領域での記録、再生特性が向上する。
【0103】図51、図52は、夫々前記実施例1、前記実
施例2について、金属磁性層を上記のような積層構造と
した金属磁性層周辺の拡大断面図である。これらの図
中、301 は金属磁性膜、302 は絶縁膜である。
【0104】金属磁性膜301 は、飽和磁束密度が高く軟
磁気特性に優れたFe−Al−Si、Fe−Ga−Si
−Ru、Ni−Fe等の結晶質合金膜、或いはCo−N
b−Zr、Co−Ta−Zr等の非晶質合金膜、Fe−
Al−N、Fe−Ta−N、Fe−Al−Nb−N、F
e−Ta−C、Co−Zr−Y−N等の微結晶質合金等
が挙げられる。更に、軟磁気特性を改善するために各種
の添加元素を添加して用いても良い。
【0105】絶縁膜302 には、Al2 3 、SiO2
TiO2 、Si3 4 等の化学的に安定で絶縁特性のよ
いものが使用される。
【0106】上記の強磁性金属膜及び絶縁膜は、スパッ
タリング等の所謂気相めっき技術によって製造される。
スパッタリングは、所望の組成比となるように調整され
た合金ターゲットを用いて行っても良いし、各原子のタ
ーゲットを個別に用意し、その面積や印加出力等を調整
して組成をコントロールするようにして行っても良い。
特に前者の方法を採用した場合、膜組成はターゲット組
成によって略一義的に決まるので、例えば大量生産する
上で好適である。
【0107】膜中に窒素を添加する方法としては、雰囲
気中に窒素ガス又はアンモニアガスを導入してスパッタ
を行う方法等が考えられる。
【0108】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形を前記実施例に加え
ることができる。
【0109】例えば、絶縁充填材に、前記実施例1にお
いて結晶質のセラミックを使用し、前記実施例2におい
てガラスを使用しても良い。
【0110】また、上記充填材は、磁性層を磁気ギャッ
プ面に対して斜めに形成する場合は使用するのが望まし
いが、本発明に必須不可欠なものではなく、磁性層の配
置によっては省略可能である。
【0111】更に、磁気ヘッドを構成する各部分の材
料、形状は、前記以外の適宜の材料、形状とすることが
できる。また、本発明は、VTR用磁気ヘッド以外に
も、オーディオ用その他の磁気ヘッドに適用可能であ
る。
【0112】
【発明の作用効果】本発明は、基体にコイルパターン状
に凹部を設け、この凹部に薄膜コイルを形成しているの
で、薄膜コイルは基体に保護されることになる。従っ
て、基体に加工(例えば基体を接合)を施す際、加工に
よって薄膜コイルがダメージを受けることがない。その
結果、高い生産性を以て磁気ヘッドが製造され、信頼性
も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施例による一対のヘッド半体を示し、
同図(a)は拡大平面図、同図(b)はヘッド半体接合
後の同図(a)のIb −Ib 線断面図、同図(c)は同
じくIc − Ic 線断面図である。
【図2】同ヘッド半体製造工程における基板の斜視図で
ある。
【図3】同基板への第一の溝加工工程を示す概略斜視図
である。
【図4】同金属磁性膜の成層工程を示す概略斜視図であ
る。
【図5】同ガラス充填工程を示す概略斜視図である。
【図6】同基板への第二、第三の溝加工工程を示す概略
斜視図である。
【図7】同ガラス充填工程を示す概略斜視図である。
【図8】同基板への第四、第五の溝加工工程を示す概略
斜視図である。
【図9】同ガラス充填及び平坦化工程を示す概略斜視図
である。
【図10】同図9のX部分(ヘッド半体素材)の拡大図で
ある。
【図11】同図10のヘッド半体素材の平面図(同図
(a))及び断面図(同図(b))である。
【図12】同ガラス層上にフォトレジストを設けたヘッド
半体素材の平面図(同図(a))及び断面図(同図
(b))である。
【図13】同ガラス層に凹部を設けたヘッド半体素材の平
面図(同図(a))及び断面図(同図(b)、同図
(c))である。
【図14】同フォトレジストを除去したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b)、同図
(c))である。
【図15】同第一の金属の膜を被着したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図16】同第一の金属の膜の表面を研磨し、凹部内に第
一の金属のコイルパターンを形成したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図17】同第二の金属の膜を被着したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図18】同第二の金属の膜上にフォトレジストを設けた
ヘッド半体素材の平面図(同図(a))及び断面図(同
図(b))である。
【図19】同第二の金属の膜をパターニングすると共に、
コイルパターン上面部分を除去したヘッド半体素材の平
面図(同図(a))及び断面図(同図(b))である。
【図20】同フォトレジストを除去したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図21】同一対のヘッド半体素材の切断位置を示す斜視
図である。
【図22】同一対のヘッド半体を貼り合わせる要領を示す
斜視図である。
【図23】同互いに貼り合わされた一対のヘッド半体の斜
視図である。
【図24】同不要部分を切断除去してなる磁気ヘッドの斜
視図である。
【図25】同磁気ヘッドのギャップ長と再生出力との関係
を示すグラフである。
【図26】第二の実施例による一対のヘッド半体を示し、
同図(a)は拡大平面図、同図(b)はヘッド半体接合
後の同図(a)の XXVIb−XXVIb 線断面図、同図(c)
は同じく XXVIc−XXVIc 線断面図である。
【図27】同基板への第一の溝加工工程を示す概略斜視図
である。
【図28】同金属磁性層の成膜工程を示す概略斜視図であ
る。
【図29】同基板への第二、第三の溝加工工程を示す概略
斜視図である。
【図30】同セラミック充填及び平坦化工程を示す概略斜
視図である。
【図31】同図30のXXXI部分(ヘッド半体素材)の拡大図
である。
【図32】同図31のヘッド半体素材の平面図(同図
(a))及び断面図(同図(b))である。
【図33】同セラミック充填材層上にフォトレジストを設
けたヘッド半体素材の平面図(同図(a))及び断面図
(同図(b))である。
【図34】同充填材層に凹部を設けたヘッド半体素材の平
面図(同図(a))及び断面図(同図(b)、同図
(c))である。
【図35】同フォトレジストを除去したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b)、同図
(c))である。
【図36】同第一の金属の膜を被着したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図37】同第一の金属の膜の表面を研磨し、凹部内に第
一の金属のコイルパターンを形成したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図38】同第二の金属の膜を被着したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図39】同第二の金属の膜上にフォトレジストを設けた
ヘッド半体素材の平面図(同図(a))及び断面図(同
図(b))である。
【図40】同第二の金属の膜をパターニングすると共に、
コイルパターン上面部分を除去したヘッド半体素材の平
面図(同図(a))及び断面図(同図(b))である。
【図41】同フォトレジストを除去したヘッド半体素材の
平面図(同図(a))及び断面図(同図(b))であ
る。
【図42】同ヘッド半体集合体の斜視図である。
【図43】同一対のヘッド半体ブロックを貼り合わせる要
領を示す斜視図である。
【図44】同互いに貼り合わされた一対のヘッド半体ブロ
ックの斜視図である。
【図45】同完成した磁気ヘッドの斜視図である。
【図46】同磁気ヘッドのギャップ長と再生出力との関係
を示すグラフである。
【図47】他の実施例による一対のヘッド半体の平面図で
ある。
【図48】同互いに貼り合わされた一対のヘッド半体の図
47のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図49】更に他の実施例による一対の磁性コアを示し、
同図(a)は平面図、同図(b)は分離して示す斜視図
である。
【図50】更に他の実施例による一対の磁性コアを示し、
同図(a)は平面図、同図(b)は分離して示す斜視図
である。
【図51】磁性層を積層構造として第一の実施例に適用し
た磁気ヘッドの拡大部分断面図である。
【図52】磁性層を積層構造として第二の実施例に適用し
た磁気ヘッドの拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1、31、101 、131 ・・・基板 3、33、103 、133 ・・・金属磁性層 4、34、234 ・・・ガラスの充填材 9、39、109 、139 、239 ・・・ヘッド半体 10、40、110 、140 、210 ・・・凹部 10a、40a、 110a、 140a・・・空間 11、41、111 、141 ・・・コイルパターン 11a、41a、 111a、 141a・・・コイルパターンの内
側先端部 12、13、 112b、 113b・・・端子部 14、15、16、17、18、44、45、46、47、48、114 、115
、116 、117 、118 、144 、145 、146 、147 、148
・・・金の膜 14A、 114A・・・磁気ギャップ形成用の金の膜 16A、 116A・・・コイルパターン接続用の金の膜 62、63、64、65、162 、163 、164 、165 ・・・フォト
レジスト 104 、134 ・・・セラミックの充填材 301 ・・・金属磁性膜 302 ・・・絶縁膜 d1 、d2 ・・・ギャップ幅
フロントページの続き (72)発明者 庄子 光治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層を設けた基体にコイルパターン状
    に形成された凹部に薄膜コイルが形成されている磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 互いに対向する一対の基体の少なくとも
    一方にコイルパターン状に形成された凹部に薄膜コイル
    が形成され、かつ、磁気ギャップ面に所定パターンに形
    成された非磁性金属膜を介して前記一対の基体が互いに
    圧着されている、請求項1に記載された磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 磁気ギャップのギャップ長が0.25μm以
    下である、請求項1又は2に記載された磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 薄膜コイルが一対の基体の双方に形成さ
    れ、これら薄膜コイル同士が電気的に接続して1個のコ
    イルが構成される、請求項1、2又は3に記載された磁
    気ヘッド。
  5. 【請求項5】 凹部の開口に達しないレベル迄薄膜コイ
    ルが埋設されている、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載された磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 非磁性基体に磁性層が突出した形状に成
    膜され、この磁性層以外の領域に充填された充填材の平
    坦な上面に薄膜コイル形成用の凹部が形成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載された磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 磁性層の磁気ギャップ面側の部分が所定
    幅に加工され、この加工によってギャップ幅が規定され
    ている、請求項6に記載された磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 磁性層が絶縁膜によって複数の磁性膜に
    分離された積層構造をなしている、請求項1〜7のいず
    れか1項に記載された磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載され
    た磁気ヘッドを製造するに際し、薄膜コイル形成側の基
    体に凹部をコイルパターンに設ける工程と、この凹部に
    コイル形成材料を埋め込んで薄膜コイルを形成する工程
    とを有する、磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 凹部を含む面にコイル形成材料を被着し
    た後、このコイル形成材料の不要部分を除去する、請求
    項9に記載された、磁気ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 薄膜コイル形成後に、 基体の磁気ギャップ形成面に非磁性金属膜を形成する工
    程と、 この非磁性金属膜を所定パターンにパターニングする工
    程と、 一対の基体を対向させ、パターニングされた前記非磁性
    金属膜を介して圧着し、前記一対の基体を接合すると共
    に、パターニングされた前記非磁性金属膜によって磁気
    ギャップを形成する工程とを有する、請求項9又は10に
    記載された、磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 磁気ギャップのギャップ長が0.25μm以
    下になるように、非磁性金属膜の厚さを設定する、請求
    項11に記載された、磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 一対の基体の双方に薄膜コイルを形成
    し、前記一対の基体の接合時に磁気ギャップ形成と共
    に、パターニングされた非磁性金属膜によって前記薄膜
    コイル同士を電気的に接続して1個のコイルを構成させ
    る、請求項11又は12に記載された、磁気ヘッドの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 薄膜コイルの表面側部分をエッチング
    し、この薄膜コイルの凹部開口側部分を除去する、請求
    項10、11又は12に記載された、磁気ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 磁性層の基体対向側部分をエッチングに
    よって加工し、磁気ギャップのギャップ幅を所定の寸法
    にする、請求項10〜14のいずれか1項に記載された、磁
    気ヘッドの製造方法。
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