JPH086621Y2 - ベッドスペースの収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キャブオーバ型車両のベッドスペースに係
り、特に、小物類を収納するベッドスペースの収納装置
に関する。

〔従来の技術〕

一般に、長距離走行する中大型のキャブオーバ型車両
には、休憩，仮眠時等の快適性や居住性の向上を図る目
的で、リクライニング機能を有するシートや、そのシー
トの後方に仮眠用ベッドが装備されており、例えば、休
憩の際に運転者は、リクライニング機構によってシート
バックを後方へリクライニングさせて寛いだり、仮眠用
ベッドに寝そべって雑誌等を読んだり、仮眠をとってい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

而して、上述した如く仮眠用ベッドでの休憩にあって
は、雑誌，新聞等や小物類を持ち込んで休憩する場合が
多い。

然し乍ら、雑誌や小物類が不要になった際、それら雑
誌，小物類を収納する収納場所が仮眠用ベッドの周辺に
は殆どなく、仮眠用ベッドの上に放置している為、見栄
えが悪いと共に、それら雑誌，小物類が邪魔になってい
た。

又、インストルメントパネルにはクローブボックス
が、ドアサイドにはドアポケットがそれぞれ設けられて
雑誌，小物類が収納できるようになっているが、仮眠用
ベッドからでは雑誌，小物類の出し入れがし難く不便で
あった。

本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、必要に
応じて雑誌，小物類を出し入れできると共に、休憩時に
乗員に威圧感等を与えず、然も、シートのリクライニン
グ時にシートバックのリクライニングを妨げることのな
いベッドスペースの収納装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

斯かる目的を達成するために、本考案は、リクライニ
ング機能を有するシートの後方に仮眠用ベッドのベッド
スペースを設けたキャブオーバ型車両に於いて、上記仮
眠用ベッド後方のキャブの後壁面に、上記シートのリク
ライニング時のシートバック先端の軌跡に沿って車室内
に突出する収納部を設けると共に、当該収納部に開閉蓋
を設けたものである。

〔作用〕

本考案によれば、開閉蓋を開けると、収納部内へ小物
類等が収納でき、又、収納部内から小物類等が取り出す
ことができる。

又、シートバック先端が車室内側へ突出する収納部に
沿ってリクライニングすることとなる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すもので、
第１図に於いて、符号１はリクライニング機能を有する
ドライバーシート３の後方に仮眠用ベッド５を設けたキ
ャブオーバ型車両である。

このキャブオーバ型車両１の仮眠用ベッド５後方の後
壁面７には、後壁面７から所定幅を開けて、ドライバー
シート３が後方へリクライニングした際にシートバック
3aの先端が描く軌跡に沿って下方からその略中央に亘り
車室内側へ湾曲する湾曲面９と、当該湾曲面９の上端部
9aから後壁面７の略中央へ亘って後壁面７と湾曲面９と
の間を塞ぐ斜面11とが形成されており、後壁面７と湾曲
面９との間に空間Ａが形成されている。

そして、ドライバーシート３の後方に位置する湾曲面
９及び空間Ａには、雑誌，小物類等を収納する収納装置
13が配置されている。

この収納装置13は、閉時に湾曲面９と同一面を形成す
る開閉蓋15と、当該開閉蓋15の裏面側に形成されて上記
空間Ａ内に格納される収納部17とで構成されている。

即ち、上記開閉蓋15は、第２図及び第３図に示すよう
に湾曲面９の下端9bに複数のヒンジ19を介して矢印B,C
方向へ開閉自在に取り付けられており、当該開閉蓋15を
Ｂ方向へ展開した際に、上記空間Ａ内に格納された収納
部17が開口するようになっている。

又、上記開閉蓋15の上端部15aには、略中央にプレー
ト状のマグネット21が取り付けられている。

一方、上記収納部17は、上記開閉蓋15と、開閉蓋15の
両側縁に形成されて開閉蓋15の閉時に空間Ａを仕切る側
面板17a,17bと、開閉蓋15の閉時に後壁面７に沿って当
接する背面板17cと、底面板17dとで上方に開口部17eを
有する箱体に形成されており、この箱体内に小物類等を
入れることによって、当該収納部17が収納スペースとし
て機能するようになっている。

又、上記斜面11の開閉蓋15のマグネット21に対応する
位置に、マグネット21と略同一寸法の鉄製のプレート23
が取り付けられており、上記開閉蓋15が矢印Ｃ方向へ移
動されて閉じられた際に、開閉蓋15のマグネット21と斜
面11のプレート23とが吸着するようになっている。

更に、斜面11の内側には、第２図に示すように下方へ
突出する係止片25が設けられており、開閉蓋15をＢ方向
へ移動して、収納部17の開口部17eを開放した際に、係
止片25に収納部17の背面板17cが当接して、当該係止片2
5が開閉蓋15のストッパーとして機能するようになって
いる。

上述した如く上記収納装置13は、第１図に示すように
閉鎖時には、開閉蓋15が後壁面７の湾曲面９と同一面を
構成して収納部17が空間Ａ内に格納され、開放時には、
第３図に示すように開閉蓋15がＢ方向へ移動して収納部
17の開口部17eが車室内に開放されるようになってい
る。

その他、上記第１図に於いて、符号15bは開閉蓋15の
把手部である。

本実施例はこのように構成されているので、収納装置
13の開閉蓋15の把手部15bをマグネット21の吸着力に抗
して車室内側へ引けば、ヒンジ19によって開閉蓋15の上
端部15aが矢印Ｂ方向へ開放し、収納部17の背面板17cが
係止片25に当接して、収納部17の開口部17eが車室内に
開放される。そして、休憩時に収納部17内に収納された
雑誌や小物類等を取り出し、又、雑誌や小物類等を収納
部17内に収納すればよい。

そして、雑誌や小物類等を出し入れした後、開閉蓋15
を矢印Ｃ方向へ閉じれば、開口部17eが斜面11によって
閉鎖されると共に、開閉蓋15のマグネット21が斜面11の
プレート23に吸着して開閉蓋15が後壁面７側に固定され
て湾曲面９と同一面を形成することとなる。

又、上記収納装置13は、ドライバーシート３が後方に
リクライニングされる場合であっても、シートバック3a
のリクライニングを妨げることはない。

このように、本実施例は、キャブオーバ型車両１の仮
眠用ベッド５後方の後壁面７に、ドライバーシート３が
リクライニングした際にシートバック3aの先端が描く軌
跡に沿って車室内側へ突出する湾曲面９と、その湾曲面
９と後壁面７とを塞ぐ斜面11とで後壁面７から所定幅を
開けて空間Ａを構成し、更に、ドライバーシート３の後
方の湾曲面９にヒンジ19によって開閉自在な開閉蓋15を
設けると共に、当該開閉蓋15と、その両側面板17a,17b
と、背面板17cと、底面板17dとで、空間Ａ内に格納され
る箱体からなる収納部17を形成したものなので、仮眠用
ベッド５で休憩等している際、開閉蓋15の把手部15bを
引いて開閉蓋15を矢印Ｂ方向へ開放すれば、収納部17の
開口部17eが車室内に開放されて収納部17内へ雑誌，小
物類等が収納でき、又、収納部17内に収納された雑誌，
小物類等が取り出せる。そして、開閉蓋15を閉じれば、
収納部17が空間Ａ内に格納されて、雑誌，小物類等がベ
ッドスペース内に放置されることがなくなる。

その結果、本実施例によれば、従来の如くベッドスペ
ース内に雑誌や小物類が放置されるといったことがなく
なり、見栄えの悪さや放置された雑誌等が邪魔になると
いった点が解消される。更に、ベッドスペースに居なが
ら雑誌や小物類の取り出しができ、従来の如くグローブ
ボックスやドアポケットから取り出すといった不便さが
解消されることとなる。

又、収納装置13の開閉蓋15が閉時に、後壁面７の全幅
に亘って形成された湾曲面９と同一面を形成し、且つ当
該湾曲面９がドライバーシート３が後方へリクライニン
グした際にシートバック3aの先端が描く軌跡に沿って下
方から順次上方へ湾曲し乍ら突出しているので、ベッド
スペースの居住性，快適性を損なうことがないと共に、
乗員が仮眠用ベッド５に横たわった際に、乗員に威圧感
等を与えない。更に、ドライバーシート３のリクライニ
ング時にシートバック3aのリクライニングが妨げられる
ことがない。

従って、本実施例によれば、ベッドスペースで休憩し
た際、必要に応じて雑誌，小物類が容易に出し入れでき
ると共に、乗員に威圧感等を与えることがない。然も、
シトのリクライニング時にシートバックのリクライニン
グが妨げられることがなく、ベッドスペース内の居住性
や快適性の向上が図れることとなる。

尚、上記実施例では、開閉蓋15をヒンジ19を介して矢
印Ｂ方向へ開放することによって、空間Ａ内に格納され
た収納部17の開口部17eを車室内側へ開放する例に付い
て説明したが、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、例えば、第４図に示すように斜面11の所定位置
をヒンジ27によって開閉自在に設けて開閉蓋29として形
成し、その開閉蓋29によって開口される空間Ａを側面板
31a,31bで仕切って収納部31として形成しても良く、上
記実施例と同様の効果が得られることは勿論、この場合
には、ドライバーシート３のリクライニング状態に拘わ
らず開閉蓋29を開閉でき、小物類等の出し入れができる
利点を有する。

更に、第５図に示すように湾曲面９と斜面11とに亘っ
てく字状に開閉蓋33を形成し、その開閉蓋33をヒンジ35
によって開閉自在に設け、更に、その開閉蓋33の両側縁
に側面板33a,33bを設けると共に、空間Ａ内に、当該空
間Ａを仕切る側面板37,39を開閉蓋33の側面板33a,33bの
幾分外側に設けて収納部41を形成しても良く、この場合
には、収納部41の開口部41aが広く小物類等が出し入れ
し易くなる利点を有する。

又、上記実施例では、収納装置13をドライバーシート
３の後方の湾曲面９と斜面11に設けた例に付いて説明し
たが、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、
例えば、湾曲面９と斜面11の中央や助手席の後方の湾曲
面9,斜面11、又はドライバーシート３と助手席の後方の
湾曲面9,斜面11の２ヶ所に、更には、湾曲面９と斜面11
とで構成される空間全部を収納部として形成して収納装
置13を設けてもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案は、リクライニング機能を
有するシートの後方に仮眠用ベッドのベッドスペースを
設けたキャブオーバ型車両に於いて、上記仮眠用ベッド
後方のキャブの後壁面に、上記シートのリクライニング
時のシートバック先端の軌跡に沿って車室内に突出する
収納部を設けると共に、当該収納部に開閉蓋を設けたも
のであるから、従来の如くベッドスペース内に雑誌や小
物類が放置されるといったことがなくなると共に、ベッ
ドスペースに居ながら雑誌や小物類の取り出しができ
る。更に、乗員が仮眠用ベッドに横たわった際、乗員に
威圧感等を与えず、又、ドライバーシートのリクライニ
ング時にシートバックのリクライニングが妨げられるこ
とがない。

従って、本考案によれば、ベッドスペースでの休憩時
に必要に応じて雑誌，小物類が出し入れできると共に、
乗員に威圧感等を与えることがない。然も、シートのリ
クライニング時にシートバックのリクライニングが妨げ
られることがなく、ベッドスペース内の居住性や快適性
の向上が図れることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係る一実施例を示し、第１
図は収納装置を備えたキャブ車室内の斜視図、第２図は
収納装置の断面図、第３図はその収納装置の開閉蓋の開
口時の斜視図、第４図は本考案の他の実施例に係る収納
装置の断面図、第５図は更に本考案の他の実施例に係る
収納装置を備えたキャブ車室内の斜視図である。 １…キャブオーバ型車両 ３…ドライバーシート 3a…シートバック ５…仮眠用ベッド ７…後壁面 13…収納装置 15,29,33…開閉蓋 17,31,41…収納部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リクライニング機能を有するシートの後方
   に仮眠用ベッドのベッドスペースを設けたキャブオーバ
   型車両に於いて、上記仮眠用ベッド後方のキャブの後壁
   面に、上記シートのリクライニング時のシートバック先
   端の軌跡に沿って車室内に突出する収納部を設けると共
   に、当該収納部に開閉蓋を設けたことを特徴とするベッ
   ドスペースの収納装置。