JPH0532370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、トランクルームの広範な活用を可能
にする自動車における物品収納設備に関するもの
である。

従来の技術 一般に、自動車においてはダツシユボードのグ
ローブボツクス、運転席サイドのダストボツクス
またはポケツト、シートバツク背部のポケツト、
シートクツシヨン下部のトレー等が車内に小物類
の収納設備として設けられ、大物類の収納設備と
しては主として車体後部のトランクルームが設け
られている。そのトランクルームに鑑みると、ス
キー板等の長尺ものは車幅との関係からトランク
ルームの内部に収納するには制限があり、この長
尺ものはルーフのアウト面にキヤリア台を別途に
装備して搭載しなければならない。その長尺もの
でもトランクルームに収納可能にするべく、従
来、リヤシートのシートバツクに設けるアームレ
ストの収容凹所に開口を形成し、その開口と対応
したリヤシートの背後側でトランクルーム側から
回転レバーで開け閉めする蓋板を装備したものが
知られている。（実開昭60−130146号）。

考案が解決しようとする課題 これではアームレストを収容する凹所に設けた
開孔から車内に一部突出させることによりスキー
板のような長尺なものでもトランクルームに収納
できるようになるが、その蓋板をトランクルーム
側のみから開け閉めするよう取付けているため、
収納物の出入れは停車時にトランクリツドを開け
閉めすることによつて行なわれなければならな
い。また、この蓋板ではスキー板のように部分的
に開孔を開ければ車内側に挿通させ得るもので
も、その物品を収納するに応じて開孔を全面的に
開放させることになるからトランクルームの他の
収納物が見えて体裁を損ないしかも車内の空調エ
アーがトランクルーム側に流出してしまうことを
避け得ない。

ここにおいて、本考案はアームレストを収容す
る凹所に設ける開孔をトランクルーム側または車
内側のいずれからでも開閉でき、しかも必要に応
じて部分的に開閉可能にする自動車における物品
収納設備を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案に係る物品収納設備においては、リヤシ
ートのシートバツクに設けるアームレストの収容
凹所をトランクルームに連通する開口として形成
し、その開口をカバーで閉鎖すると共に、表裏両
側に引手を備えたスライダーを持つスライドフア
スナで開閉可能にカバーを張設することにより構
成されている。

作 用 この自動車における物品収納設備ではアームレ
ストを前倒位置させ、そのアームレストの収容凹
所の内面に張設するカバーをスライドフアスナで
開放させればトランクルームと室内とを連通でき
てスキー板等の長尺ものでも一部を車内に突出さ
せることによりトランクルームとの間に収納で
き、また、このカバーを開閉するスライドフアス
ナが表裏両側に引手を備えたスライダーで操作で
きるから車内側よりカバーを開けて手を開口に差
入れることによりリヤシートの背部近傍でトラン
クルームの内部に収納する小物類を車内側から自
在に出入れでき、それとは逆にトランクルーム側
からも車内に小物類を出入れするようにできる。
これに加えて、スライドフアスナでカバーを開閉
するから特別なロツク機構を用いなくても簡単に
開閉でき、また、スキー板等の厚みに応じて必要
部分のみを開けて他の部分を閉鎖できるためにト
ランクルームの内部が車内側から直に見えるのも
防止できて体裁上も良好に保てるばかりでなく、
室内の空調エアーがトランクルーム側に流出する
のも防止できるようになる。

実施例 以下、添付図面を参照して説明すれば、次の通
りである。

この物品収納設備はリヤ側のボデイパネルを介
してリヤシート１とトランクルーム（図示せず）
とを連通するものであり、第１図で示す如くリヤ
シート１のアームレスト２を収容する凹所３を応
用することにより設けられている。その凹所３に
はカバー４が内側に張設され、このカバー４をス
ライドフアスナ５で開閉自在に取付けることによ
り凹所３の内部がトランクルームに連通する開口
として形成されている。

そのカバー４は第２図で示すように凹所３の縁
辺とカバー縁辺との間で左右辺、上側辺に沿つて
スライドフアスナ５を取付けることにより開閉自
在に張設でき、また、スライドフアスナ５は第３
図に示すように片側をシート表皮１ａに縫着する
と共にトリムコード６を介してＣ字状リング等の
止め具７でシートバツクフレーム１ｂに端末止め
し、他側をポリ塩化ビニル等のシート材料で形成
するカバー４に縫い込むことにより取付けるよう
にできる。そのスライドフアスナ５としては第
４，５図で示すようにスライダー５ａのカバー４
を介して表裏両側に引手５ｂ，５ｃを備えるもの
を取付け、この各引手５ｂ，５ｃで車内側または
トランクルーム側のいずれからでも開閉操作可能
にするものが取付けられている。

このように構成する物品収納設備ではアームレ
スト２を前倒位置させてスライドフアスナ５でカ
バー４を開放すればアームレスト２の収容凹所３
が開口となり、その開口が上述した如くボデイパ
ネルを通してトランクルームに連通するため、第
６図で示すようなスキー板Ｓの如き長尺ものでも
トランクルームから車内に一部突出させて収納す
ることができる。また、この開口は乗員の腕を差
込むのに十分な空間を持つものであり、スライド
フアスナ５のスライダー５ａに備える表裏側いず
れかの引手５ｂ，５ｃでスライドフアスナ５を開
放すればトランクルームの少なくともシートバツ
ク寄りに収納した小物類を車内側から取り入れ或
いはトランクルーム側から車内へと直に出入れす
るようにもできる。この開口はスキー板Ｓのよう
な物品を挿通するに足る長さを開放すれば他の部
分を閉鎖しておくことができるから、トランクル
ームが直に見えないようにできて外観上も良好に
保てしかも室内の空調エアーがトランクルーム側
に流出するのも防止できるようになる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係る自動車における物品
収納設備に依れば、アームレストの収容凹所をト
ランクルームと室内と連通する開口として形成し
しかもその開口に張設するカバーをスライドフア
スナで開閉するから他のロツク機構等が不要で簡
単に開閉でき、しかもスライドフアスナのスライ
ダーに表裏二つの引手を備えるので室内側または
トランクルーム側のいずれかでも開閉できてトラ
ンクルームの使用範囲を増大させ、また、カバー
を部分的に開放することもできるからトランクル
ーム側を露見させずに物品を挿通させることによ
り体裁を良好に保て空調エアーの漏れ出しも防げ
るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る物品収納設備を装備する
リアシートのシートバツクを示す斜視図、第２図
は同シートバツクの正面図、第３図は同シートバ
ツクの部分拡大断面図、第４，５図は同物品収納
設備に取付けるスライドフアスナの部分正面図並
びに側面図、第６図は本考案に係る物品収納設備
の一使用例を示す説明図である。 １……シートバツク、２……アームレスト、３
……アームレストの収容凹所、４……カバー、５
……スライドフアスナ、５ａ……スライダー、５
ｂ，５ｃ……引手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤシートのシートバツク１に設けるアームレ
   スト２の収容凹所３をトランクルームに連通する
   開口として形成し、その開口をカバー４で閉鎖す
   ると共に、表裏両側に引手５ｂ，５ｃを備えたス
   ライダー５ａを持つスライドフアスナ５でカバー
   ４を開閉可能に張設してなることを特徴とする自
   動車における物品収納設備。