JPH0519247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、車室後部の荷物積載空間を覆う可撓
性シートより成るトノカバーを備えた自動車の荷
物積載空間遮蔽装置に関する。

従来技術 車体の後部に開閉自在に枢支されたバツクドア
を有する自動車においては、バツクドアを開い
て、車体の後方から車室後部の荷物積載空間に荷
物を出し入れすることができる。ところがかかる
荷物積載空間に荷物を収納したとき、この荷物が
車内に露出すると車内の美観が害される恐れがあ
る。

そこで、トノカバーにより荷物積載空間を覆う
荷物積載空間遮蔽装置が従来より広く採用されて
いる。従来のこの種の装置は、そのトノカバーが
荷物積載空間の上部を覆い、ここに収納された荷
物を覆い隠すように構成され、また大きな荷物を
積載するときや空間を覆う必要のないときは、ト
ノカバーを折り畳み、あるいは巻き込んでおくこ
とができる。

上述したトノカバーによつても車内の美観を高
めることができるが、従来はトノカバーが荷物積
載空間の上部を覆うだけであつたため、バツクド
アを開いたとき、車体の後方から空間内が丸見え
となり、その見映えが害される恐れがあつた。

目 的 本考案は、上述した新規な認識に基づきなされ
たものであり、バツクドアを開いたときも荷物積
載空間が車外から見えず、見映えを向上できる荷
物積載空間遮蔽装置を提供することを目的とす
る。

構 成 本考案は上記目的を達成するため、冒頭に記載
した形式の荷物積載空間遮蔽装置において、トノ
カバーが荷物積載空間の上部を覆つたときに、該
空間のバツクドア側後端部を覆う可撓性シートよ
り成る補助カバーを、トノカバーに着脱可能に取
付け、該補助カバーに、小物入れ用のポケツトを
設けた構成を提案する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて説明し、
併せて上述した従来の欠点を図面に即してより具
体的に明らかにする。

第１図及び第２図は、車体１の後部に開閉自在
に枢支されたバツクドア２を開いた状態で、車体
を後方より見た斜視図であり、第３図は荷物積載
空間遮蔽装置を判りやすくするため、車体の外板
等を省略して示した斜視図である。

第１図から判るように車内には座席３が設けら
れ、車室後部、即ち座席３の後方には荷物積載空
間Ｓが区画されていて、第１図のようにバツクド
ア２を開き、車体後方から空間Ｓに荷物（図示せ
ず）を出し入れすることができる。４は空間Ｓの
床面を区画するデツキフロア、５，５は空間Ｓの
各側部を構成するトリムである。フロアデツキ４
は車体１の一部を構成するものであり、またトリ
ム５，５は例えば合成樹脂から成り、車体に固定
されている。

空間Ｓに荷物を積載したとき、これが車内にて
むき出し状態となると、車内の美観が害される。
そこで、第２図及び第３図に示すように本考案に
係る荷物積載空間遮蔽装置６によつて空間Ｓを覆
い、ここに収納された荷物を覆い隠すことができ
るように構成されている。

第２図乃至第４図に示すように、空間遮蔽装置
６は、可撓性を有する布又は合成樹脂シート等の
可撓性シートより成るトノカバー７を有し、該カ
バー７によつて車室後部の荷物積載空間Ｓを覆う
ことができる。かかるトノカバー７には補助カバ
ー８が取付けられている。

空間Ｓの前部領域には、第４図に例示するカバ
ー収納ケース９が固設され、該ケース９は車体１
又はトリム５，５に固定されている。ケース９の
内部には回転軸１０が配置され、この軸１０にト
ノカバー７の前端部が係止されている。軸１０は
図示していないばねによつて第４図における反時
計方向に回転習性を与えられ、よつてトノカバー
７を使用しないとき、例えば空間Ｓに大きな荷物
を収納すべきときは、第５図に示すように上記ば
ねによつてトノカバー７をケース９内に巻き込ん
で収納しておくことができる。

空間Ｓを遮蔽すべきときは、ばね力に抗してト
ノカバー７を矢印Ａ（第５図）方向に引き出し、
該カバー７に取付けられた係止リング１１，１１
をトリム５，５に設けられたフツク１２，１２に
係合し、空間Ｓの上部を覆う。トノカバー７の後
端部、即ちリング１１，１１が設けられた方のカ
バー端部には、硬質合成樹脂又は鉄板等の剛体か
ら成る芯部材１３が固着され、これによつて第２
図乃至第４図のようにトノカバー７を引いたとき
該カバーを張展させておくことができる。

ところで、上述した空間遮蔽装置６のうち、補
助カバー８を除いた構成は従来の遮蔽装置と変り
はない。即ち従来の遮蔽装置は第７図に示すよう
に補助カバーがなく、空間Ｓはその上部だけがト
ノカバー７によつて覆われる。このため、バツク
ドアを開くと、第７図に符号Ｐを付した開口から
空間Ｓの内部が丸見えとなり、その見映えが害さ
れる。

そこで本考案に係る構成では前述の補助カバー
８がトノカバー７の後端部に、下方に垂下した状
態で取付けられている。このため、トノカバー７
を第２図乃至第４図のようにケース９から引き出
して荷物積載空間Ｓの上部を覆つたとき、該空間
Ｓのバツクドア側の後端部が補助カバー８によつ
て覆われる。よつて、バツクドア２を開いても、
第２図乃至第４図に示すように空間Ｓが遮蔽され
るので、車外から空間Ｓの内部が見えることはな
い。

また補助カバー８にも係止リング１４，１４を
取付け、これらをトリム５，５に固設されたフツ
ク１５，１５に係合することにより、補助カバー
８を固定してその遊動を防止することができる。

リング１１，１１と１４，１４をフツク１２，
１２と１５，１５から外せば、トノカバー７は第
５図のようにケース９内の軸１０に巻き込まれ、
空間Ｓが開放されるが、このときも補助カバー８
をケース９外にて垂下させておくように構成した
ときは、リング１１，１１と１４，１４をトリム
５，５に付設された他のフツク１５ｂ，１５ｂと
１５ａ，１５ａに係合させて該カバー８の遊動を
防止するようにするとよい。

補助カバー８は、トノカバー７と同様に可撓性
シートより構成され、よつてかかる補助カバー８
も、トノカバー７の非使用時にケース９内に巻き
込んで収納しておくことができる。

また、補助カバー８には小物入れ用の適数のポ
ケツト１６が、縫製又は溶着等によつて取付けら
れており、第４図及び第５図に矢印Ｂで示す如
く、各ポケツト１６の上部開口から小物を入れる
ことができるように構成されている。このため、
トノカバー７の使用時、非使用時を問わず、補助
カバー８を小物入れとして利用することができ、
遮蔽装置の用途を拡大することができる。

また、第１図乃至第５図では図示を省略した
が、第６図に明示する如く、トノカバー７と補助
カバー８は別々に形成され、両者の継ぎ部に、フ
アスナー１７、チヤツク又は面フアスナー等の連
結手段が付設され、かかる連結手段によつて、通
常、両者は連結され、必要に応じて補助カバー８
をトノカバー７から取り外せるように構成されて
いる。即ち、補助カバー８がトノカバー７に着脱
可能に取付けられているのである。このため、補
助カバー８が不要であるときは、これをトノカバ
ー７から離脱し、補助カバー８だけを折り畳んで
収納しておくこともできる。また補助カバー８は
可撓性シートより成り、しかも該カバー８にはポ
ケツト６が設けられているので、補助カバー８を
トノカバー７から取り外し、これを独立した財布
ないしは鞄、あるいは工具入れ等の小物入れとし
て利用することができる。

本考案は、トノカバーをその非使用時に巻き込
んで収納する代りに、折り畳むように構成された
遮蔽装置にも適用できることは当然である。

効 果 本考案によれば、荷物積載空間のバツクドア側
後端部も補助カバーによつて覆うことができ、バ
ツクドアを開けたときの見映えを向上させること
が可能である。しかも、補助カバーが不要である
ときは、これをトノカバーから取り外すこともで
きる。また補助カバーは可撓性シートより成り、
しかも該カバーには小物入れ用のポケツトが設け
られているので、かかる補助カバーをトノカバー
から取り外し、これを財布や鞄、又は工具入れ等
の小物入れとして支障なく利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る荷物積載空間遮蔽装置を
備えた自動車を後方より見た斜視図、第２図はト
ノカバーと補助カバーによつて空間を覆つたとき
の、第１図と同様な斜視図、第３図は空間遮蔽装
置の斜視図であつて、第２図に示した車体を省略
して示した図、第４図は第３図の−線断面図
であつて、一部の要素を省略した図、第５図はト
ノカバーを収納したときの、第４図と同様な断面
図、第６図はトノカバーと該カバーに着脱可能に
取付けられる補助カバーを示す斜視図、第７図は
従来の遮蔽装置の一例を示す、第３図と同様な斜
視図である。 ６……荷物積載空間遮蔽装置、７……トノカバ
ー、８……補助カバー、１６……ポケツト、Ｓ…
…荷物積載空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車室後部の荷物積載空間を覆う可撓性シートよ
   り成るトノカバーを備えた自動車の荷物積載空間
   遮蔽装置において、 前記トノカバーが荷物積載空間の上部を覆つた
   ときに、該空間のバツクドア側後端部を覆う可撓
   性シートより成る補助カバーを、トノカバーに着
   脱可能に取付け、該補助カバーに、小物入れ用の
   ポケツトを設けたことを特徴とする荷物積載空間
   遮蔽装置。