JP2764904B2 - 自動車の小物入れ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は、２ボックスタイプの自動車の荷室の小物入
れに関する。特に荷室のデッドスペースを利用して配置
された複数の小物入れに関する。

b. 従来の技術 ２ボックスタイプの自動車の荷室は比較的大きい荷物
を入れるためのものであり、荷室には小物を入れる適当
な場所がなかった。これ故、小物はインストルメントパ
ネルのグローブボックスに入れられていた。しかしグロ
ーブボックスの容量が極めて小さいので、いきおい座席
や荷台に小荷物を置くこととなり、走行時に移動したり
破損することがあった。

実公昭57−46198号公報にバン型自動車，バス等に取
付ける小物入れが提案されている。第５図は、この小物
入れの概念的断面図である。この例においては、サイド
アウターパネルSOPとサイドインナーパネルSIPの中間に
間隙を利用して小物入れが配置されている。このために
サイドインナーパネルに切り欠き部を設け、この切り欠
き部に保持部材HMを挿通し、サイドアウターパネルSOP
とサイドインナーパネルSIPの中間々隙に配置された袋
Ｂを上記保持部材で固定し、この袋を小物入れとして用
いる。

c. 発明が解決しようとする問題点 サイドインナーパネルとサイドアウターパネルの中間
々隙は、それ程大きなものではない。したがってあまり
大きな小物入れを配置することはできず、また小物入れ
の入口として機能するサイドインナーパネルの切り欠き
を大きくすることは、サイドパネルの強度との関係によ
り不可能である。

本発明は、このような問題点を解決するために、２ボ
ックスタイプの自動車の荷室のタイヤハウス周辺に生じ
るデッドスペースを利用し、かつ、リヤシートの側部に
も配置するようにした小物入れを提案することを目的と
する。

d. 問題点を解決するための手段 上述の問題点を解決するために、本発明では、荷室の
タイヤハウスの上部においてこのタイヤハウスの上側面
に沿って設けられかつ階段状の切欠きを有する第１小物
入れと、第１小物入れの上方に自動車のインナパネルに
沿って設けられる第２小物入れと、第１小物入れよりも
自動車前方側におけるリヤシートの側部の箇所であって
荷室のタイヤハウス及び第１小物入れにそぞれ隣接する
箇所に自動車のインナパネルおよび自動車床面に沿って
設けられる第３小物入れと、第３小物入れの上部の箇所
であってかつ第１小物入れに隣接する箇所に設けられる
第４小物入れとから成り、上記第１小物入れが、荷室の
タイヤハウス上面にほぼ沿った第１小物入れ底面と、タ
イヤハウス上方のインナパネルにほぼ沿った第１小物入
れ背面と、それぞれタイヤハウス前端および後端の位置
にほぼ対応し第１小物入れの前端と後端を規定する第１
小物入れ前端側面および第１小物入れ後端側面と、第１
小物入れ底面と第１小物入れ前端側面と第１小物入れ後
端側面の車内側端線を含みかつ上記階段状の切欠きの前
面にネットが張られた第１小物入れ前面で形成され、上
記第２小物入れが断面“し”字状のポケットで形成さ
れ、上記第３小物入れが荷室の床面に沿った第３小物入
れ床面と、タイヤハウスに隣接するインナパネルに沿っ
た第３小物入れ背面と、タイヤハウスの前端または後端
に位置し第３小物入れの端面の一方を規定する第３小物
入れ第１端側面と、第３小物入れの他方の端面を規定す
る第３小物入れ第２端側面と、第３小物入れの上端を規
定する第３小物入れ上側面と、第３小物入れ底面と第３
小物入れ第１端側面と第３小物入れ第２端側面と第３小
物入れ上側面の車体端線を含み上方に半円形切り欠きが
設けられた第３小物入れ前面で形成され、上記第４小物
入れが上記第３小物入れ上側面に隣接する第４小物入れ
底面と、第３小物入れ第１端側面および第３小物入れ第
２端側の上方延長であり第４小物入れの端面をそれぞれ
規定する第４小物入れ第１端側面および第４小物入れ第
２端側面と、第４小物入れ底面と第４小物入れ第１端側
面と第４小物入れ第２端側面の車体側端線を含む、第４
小物入れ前面と、第４小物入れを蓋状に覆い回動可能に
インナパネルに取付けられた第４小物入れ上面で形成さ
れるようにしている。

e. 作用 ２ボックスタイプの自動車のタイヤハウスの上部およ
びタイヤハウスに隣接するインナパネル周辺の空間が小
物入れとして活用される。この結果、グローブボックス
に入り切らない小物類を小物入れの中に収容することが
できる。

f. 実施例 第１図は本発明に係る小物入れの好ましい実施例の斜
視図である。

２ボックスカーの荷室のタイヤハウス１の上に階段状
の切欠きを有する箱状の第１小物入れ形成部材２が設け
られ、階段状の切欠きの前面は上縁がゴム等の弾性体３
で支持されたネット４が張られ、切欠きとネットによっ
て第１小物入れＡが形成されている。第１小物入れは上
面が開いており、前面はゴムとネットで形成されている
ので比較的大きい物５を収納することができる。

第１小物入れＡの上方のインナパネルにポケット状の
第２小物入れＢが設けられている。この実施例の第２小
物入れＢは比較的薄い収納部を有するので、本，雑誌等
の薄い物を収容するのに適している。また第２の小物入
れＢの背面に車内オーディオ装置のスピーカ等を配置す
ることも可能である。

第４図は第１図のIV−IV断面図である。

第１小物入れＡの底面６と背面７と第１小物入れ前端
側面（図示せず）と第１小物入れ後端側面（図示せず）
は一体に形成され、さらに底面６はタイヤハウスカバー
部８と共にタイヤハウス１を被覆する。これら底面6,背
面7,タイヤハウスカバー部８は第１小物入れ形成部材２
の一部をなし、第１小物入れ形成部材の下部は自動車床
面９にネジで固定され、上部はインナパネル10に穿設さ
れた取付孔にクリップ11を用いて固定される。従って、
荷室に容易に取付けることができる。

この実施例の第２小物入れＢは、断面が“し”字状の
偏平なポケット部材12で形成され、ポケット部材12はイ
ンナパネル10に設けられた開口部に嵌め込まれ、それの
上部と下部においてインナパネル10に設けられた取付孔
にクリップ13を用いて固定される。第２小物入れＢは偏
平なポケット形形状に限られるものではなく、他の形状
とすることも可能である。

第１小物入れＡと第２小物入れＢが、このような位置
に設けられているので、車内に第４図に示すように、大
きな荷物14,15が収容された場合であっても、小物入れ
に入れられた小物は紛ぎれて失うことがない。

第１図に示すように、第１小物入れＡに隣接しかつタ
イヤハウス１より自動車前方側でしかもリヤシートの側
部に対応する箇所に、第３小物入れＣと第４小物入れＤ
が設けられている。

第３小物入れＣと第４小物入れＤは、箱状形状を有す
る第３小物入れ第４小物入れ形成部材16の下部と上部で
ある。

第２図は第１図のII−II断面図である。

第３小物入れＣの底面と背面および第４小物入れＤの
背面を形成するＬ字形背面板17と、Ｌ字形背面板17の下
部がねじで固定された第３小物入れ前面板18と、第３小
物入れＣと第４小物入れＤを仕切り、第４小物入れ前面
を形成し、Ｌ字形背面板17にねじで固定された仕切り板
19と、第４小物入れの上面板20によって第３小物入れ第
４小物入れ形成部材16が形成されている。上面板20はＬ
字形背面板17の上部に回動可能に固定されているので、
上面板20は蓋として機能する。第３小物入れ第４小物入
れ形成部材16の下部は自動車床面９にねじ21で固定さ
れ、上部はインナパネル10にねじ22で固定されている。

第３小物入れの小物出し入れ口は、第１図に示すよう
に、半円形切欠きを有する。したがって第３図に示すよ
うに比較的長い物23であっても切欠き部を通すことによ
って、第３小物入れＣに収容することができる。

第４小物入れは蓋20を有するので、比較的浅い収容部
であるにもかかわらず、収容物が飛び出すことがない。

g. 発明の効果 ２ボックスタイプの荷室のタイヤハウス近傍にデッド
スペースが出来ない。したがって、車内空間を有効に利
用することができる。

すなわち、本発明によれば、タイヤハウスの上部のデ
ッドスペースを小物入れ用のスペースとして有効利用す
ることができることに加えて、次のような作用効果を奏
することができる。

（ア）第３小物入れ及び第４小物入れをリヤシートの側
部に配設するようにしたの、リヤシートに着座した乗員
は、そのままの姿勢で第３小物入れ及び第４小物入れを
使用することが可能（小物の出し入れが可能）となり、
非常に使い勝手が良くなる。

（イ）第３小物入れは半円形状の切欠きを有するので、
比較的長い物品であっても、その物品を第３小物入れに
収容することができ、非常に便利である。

（ウ）第４小物入れは蓋状の上面を有するため、比較的
に浅い収容であるにも拘わらず、この蓋状の上面の存在
によって収容物が第４小物入れから飛び出すような不具
合がない。

（エ）第１〜第４小物入れは、タイヤハウスより車室内
方に出っ張っていないので、大きな荷物が自動車後部の
荷室内に収容された場合にも、これらの小物入れへの小
物の出し入れを行なうことができ、小物入れとして実用
的に使用することができる。そして、小物入れに入れら
れた小物は紛ぎれて失うことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る小物入れの好ましい実施例の斜視
図、第２図は第１図のII−II断面図、第３図は第１図の
III−III断面図、第４図は第１図のIV−IV断面図、第５
図は従来技術による小物入れの断面図である。 １……タイヤハウス、 ２……第１小物入れ成形部材、 ３……弾性体、４……ネット、 ６……底面、７……背面、 ８……タイヤハウスカバー部、 ９……自動車床面、10……インナパネル、 11……クリップ、12……ポケット部材、 13……クリップ、 16……第３小物入れ第４小物入れ形成部材、 17……Ｌ字形背面板、18……前面板、 19……仕切板、20……上面板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】荷室のタイヤハウスの上部においてこのタ
   イヤハウスの上側面に沿って設けられかつ階段状の切欠
   きを有する第１小物入れと、第１小物入れの上方に自動
   車のインナパネルに沿って設けられる第２小物入れと、
   第１小物入れよりも自動車前方側におけるリヤシートの
   側部の箇所であって荷室のタイヤハウス及び第１小物入
   れにそれぞれ隣接する箇所に自動車のインナパネルおよ
   び自動車床面に沿って設けられる第３小物入れと、第３
   小物入れの上部の箇所であってかつ第１小物入れに隣接
   する箇所に設けられる第４小物入れとから成り、上記第
   １小物入れが、荷室のタイヤハウス上面にほぼ沿った第
   １小物入れ底面と、タイヤハウス上方のインナパネルに
   ほぼ沿った第１小物入れ背面と、それぞれタイヤハウス
   前端および後端の位置にほぼ対応し第１小物入れの前端
   と後端を規定する第１小物入れ前端側面および第１小物
   入れ後端側面と、第１小物入れ底面と第１小物入れ前端
   側面と第１小物入れ後端側面の車内側端線を含みかつ上
   記階段状の切欠きの前面にネットが張られた第１小物入
   れ前面で形成され、上記第２小物入れが断面“し”字状
   のポケットで形成され、上記第３小物入れが荷室の床面
   に沿った第３小物入れ床面と、タイヤハウスに隣接する
   インナパネルに沿った第３小物入れ背面と、タイヤハウ
   スの前端または後端に位置し第３小物入れの端面の一方
   を規定する第３小物入れ第１端側面と、第３小物入れの
   他方の端面を規定する第３小物入れ第２端側面と、第３
   小物入れの上端を規定する第３小物入れ上側面と、第３
   小物入れ底面と第３小物入れ第１端側面と第３小物入れ
   第２端側面と第３小物入れ上側面の車内端線を含み上方
   に半円形切り欠きが設けられた第３小物入れ前面で形成
   され、上記第４小物入れが上記第３小物入れ上側面に隣
   接する第４小物入れ底面と、第３小物入れ第１端側面お
   よび第３小物入れ第２端側の上方延長であり第４小物入
   れの端面をそれぞれ規定する第４小物入れ第１端側面お
   よび第４小物入れ第２端側面と、第４小物入れ底面と第
   ４小物入れ第１端側面と第４小物入れ第２端側面の車体
   側端線を含む、第４小物入れ前面と、第４小物入れを蓋
   状に覆い回動可能にインナパネルに取付けられた第４小
   物入れ上面で形成されていることを特徴とする２ボック
   スタイプの自動車の小物入れ。