JPS635581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各種のシートにおいてそのシートバ
ツク内に各種物品を、その大きさや形状等にかか
わらず、簡単かつ適切に、しかも体裁よく収納す
ることが可能なシートの物品収納構造に関する。

たとえば車両用シートにおいて、そのシートバ
ツク内に収納部を設け、地図帳やカセツトテープ
等を始めとする肉厚の薄い小物を収納する収納空
間として利用することが従来既に提案されてい
る。そして、このような小物入れ付きシートは、
自動車の車室内などのようにスペース上の制約が
大きく、小物入れ等を設ける場所が少ない場合に
有効である。また単にシート上に物品を載置した
場合には体裁が悪いばかりでなく、急ブレーキ時
などにおいて車床に落下するといつた問題を有し
ている。

しかしながら、従来のこの種シートにおける収
納部はシートバツクの厚さによつてその収納スペ
ースが制約を受け、かなり狭いものであり、たと
えばハンドバツクなどといつた嵩ばる物品を収納
することはできないもので、実用面でまだまだ改
善の余地が残されている。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、シートバツク内の収納空間を、その背面部の
一部を構成する傾動可能なプレートと、蛇腹状袋
体とを巧みに利用してシート後方に拡張し得るよ
うに構成し、これによつて、各種物品をその形状
や大きさにかかわらず、簡単かつ適切に、しかも
体裁よく収納することが可能となる安価なシート
の物品収納構造を提供するものである。

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図および第２図は本考案に係るシートの物
品収納構造の一実施例の概略を示すものであり、
本実施例では車両用シートに適用した場合につい
て説明する。

車両用シート１は、周知のように、シートクツ
シヨン２、シートバツク３およびその上端のヘツ
ドレスト４などによつて構成されている。そし
て、前記シートバツク３内には各種物品を収納す
る収納空間１０がシート前方に開口して形成され
るとともに、その前面部はその下端が回動自在に
軸支されシートバツク３の背当て部中央の一部を
構成する蓋体１１により開閉可能に構成されてい
る。なお、この蓋体１１の上端部は周知のロツク
機構（図示せず）によりシートバツク３側で係止
保持されるように構成され、またこの係止状態を
解除すれば第１図中想像線で示すようにシートク
ツシヨン２上に開けることが可能である。そし
て、この状態で各種物品を収納空間１０内に収納
し得るとともに、この蓋体１１をトレーとして使
用することもできる。

さて、本考案によれば、上述したシートバツク
３内の収納空間１０を、シートバツク３の背当て
部中央の一部を構成しかつその下端がシートバツ
ク３側に傾動可能に構成されたプレート１２と、
このプレート１２およびシートバツク３間を連結
する伸縮自在な例えば蛇腹状の袋体１３とによつ
て、シート後方に拡張し得るように構成したとこ
ろに特徴を有している。

すなわち、蛇腹状袋体１３は、第２図にも示す
ように、プレート１２の上側縁とシートバツク３
内で収納空間１０を形成する枠体（図示せず）の
上端部間に掛け渡された上部蛇腹部１３ａと、同
様にプレート１２の両側縁とシートバツク３側と
を結ぶ側部蛇腹部１３ｂ（一方側のみを図示して
いる）によつて構成され、常時はプレート１２と
共にシートバツク３側に折り畳まれている。この
場合、プレート１２をシートバツク３側に付勢す
る付勢手段やプレート１２の上端部をシートバツ
ク３側で係止する係止手段を必要に応じて設ける
のが好ましい。尚袋体１３は蛇腹状のものに限定
されるものではく、伸縮性を有する部材または網
体であつてもよい。

そして、このような構成によるシート１におい
て、蓋体１１を開け、収納すべき物品を収納空間
１０内に入れて蓋体１１を閉じると、その物品が
嵩張るものであるときにはプレート１２がシート
後方に傾動し、その物品を簡単かつ適切に収納し
得るものである。

したがつて、このような構成によれば、各種の
物品を、その形状や大きさにかかわらず、シート
バツク３内に簡単に且つ多量に収納することがで
き、外部から見えない状態とし、その体裁を向上
させ得るとともに、このシート１に対し人が着座
しても何ら支障ないものである。そして、このよ
うな収納状態では、ブレーキ時などにおいても物
品が床面等に落下して破損するといつた問題がな
く、また太陽光なども当らないため収納物品の多
用化を図ることも可能である。

なお、本考案は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更するこ
とは自由で、またその適用するシートとしても車
両用シートに限定されるものではない。たとえば
シート後方に傾動するプレート１２と蛇腹状袋体
１３は必要に応じて係止を外して傾動させるよう
にしてもよいし、また物品の収納により自動的に
動くようにしてもよいことは明らかであろう。

以上説明したように、本考案に係るシートの物
品収納構造によれば、袋体を巧みに利用してシー
トバツク内に設けた収納空間スペースをシートの
後方に拡張し得るようにしたので、簡単かつ安価
な構造にもかかわらず、各種の物品を、その形状
や大きさがどのようであつたとしても、簡単かつ
適切に収納保持し、体裁のよいものとすることが
でき、たとえば車両用シートにおいて助手席等に
利用して、その実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る物品収納構造を適用した
シートの一実施例を示す概略側面図、第２図は同
じくシートの後方から見た斜視図である。 図中、１……シート、２……シートクツシヨ
ン、３……シートバツク、１０……収納空間、１
１……蓋体、１２……プレート、１３……袋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク内に形成された各種物品を収納す
   る収納空間をシートバツク背当て部の一部を構成
   する蓋体にてシート前方に向つて開閉自在に構成
   するとともに、シートバツク背面部の一部からシ
   ート後方に傾動可能なプレートとこのプレートお
   よびシートバツク間を連結する伸縮自在な袋体と
   によつて前記収納空間をシート後方に拡張し得る
   ように構成したことを特徴とするシートの物品収
   納構造。