JPS6236460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のシート等に用いられるアーム
レストに関し、特にアームレストへ小物等の収納
をさせるための構造に関する。

周知のように、乗用車のリヤーシートにあつて
は、着座時の安楽性を増すために、リヤーシート
のセンターにアームレストが設けられる場合があ
り、通常このアームレストは着座者の背をもたれ
かけるシートバツクへ回動可能にはめ込まれてお
り、使用する際に着座者の臀部を受けるシートク
ツシヨン上へ倒伏させることによつて、着座者が
肘を載せられるようになつている。

本考案の目的は、着座者の肘かけを構成するア
ームレストに新聞、チケツト券、封筒ならびに筆
記具等の小物を収納させることができるアームレ
ストを提供するものである。

以下、図面について本考案の施されたアームレ
ストの詳細を説明する。

第１図は本考案のアームレスト廻りの斜視図で
あつて、このアームレスト１は従来と同様にシー
トバツク２に図示を省略した支軸ピンにて回動可
能に支持されており、アームレスト１の使用時に
は第１図示のようにシートクツシヨン３上へ倒伏
される。またアームレスト１の未使用に際しては
アームレスト１をシートバツク２へ向けて矢印Ａ
方向へ回動させ、シートバツク２に穿たれた装着
凹部４へはめ込みつつ起立させられる。

一方、前記アームレスト１には収納容器５を備
え、この収納容器５は比較的薄状の袋状に構成さ
れている。この収納容器５は相対向する表裏部材
６Ａ，６Ｂを備え、これらの表裏部材６Ａ，６Ｂ
は折り曲げ可能な柔軟性を有し、表裏部材６Ａ，
６Ｂの周囲は一部に収納口を構成する開口７を存
在させた状態で封緘されている。そして、この収
納容器５は第２図示のように、開口７の両側に位
置する一側縁８Ａが着座者の側方に位置されるア
ームレスト１の一側面に固定されており、前記開
口７がアームレスト１の先端を構成する自由端側
に向けられ、この開口７に対向する底部縁８Ｂは
アームレスト１の回動基端側に向けられている。
前記収納容器５の一側縁８Ａに対向する他側縁８
Ｃの表裏面にはそれぞれ係合部材９が固定され
る。そして、前記収納容器５の他側縁８Ｃを第２
図示の矢印Ｘ方向またはこの矢印Ｘ方向と逆のＹ
方向へ持ち回すことによつて、収納容器５は前記
一側縁８Ａ即ち固定部位を基準にして第２図の一
点鎖線示または二点鎖線示のように、アームレス
ト１に巻き付けられる。即ち、他側縁８Ｃが矢印
Ｘ方向へ持ち回されたとき、一方の表皮部材６Ｂ
が内側となり、もう一方の表皮部材６Ａが外側と
なりつつ、収納容器５は一点鎖線示の状態でアー
ムレスト１に沿わされる。つまり、収納容器５は
第１図示のようにアームレスト１に巻き付けられ
る。また、前述とは逆に他側縁８Ｃが矢印Ｙ方向
へ持ち回されたとき、一方の表裏部材６Ｂが外側
となり、もう一方の表裏部材６Ａが内側となりつ
つ、収納容器５は二点鎖線示の状態でアームレス
ト１に沿わされる。

そして、前記収納容器５が第２図の一点鎖線示
または二点鎖線の状態でアームレスト１に沿わさ
れた際、収納容器５の他側縁８Ｃが沿わされるア
ームレスト１の一側面には、係止部材１０が固定
されている。この係止部材１０と前記係合部材９
は互いに着脱自在に係止・解離されるようになつ
ており、この係止部材１０と係合部材９の係止操
作によつてアームレスト１への収納容器５の添設
姿勢が保持される。

以上のように構成された前記実施例によれば、
係止部材１０に対する係合部材９の係止・解離操
作によつて収納容器５が第２図示の一点鎖線また
は仮想線示のいずれか一方の状態でアームレスト
１に巻付けられる。例えば、第１図示のようにア
ームレスト１がシートクツシヨン３上へ倒伏され
たアームレスト１の使用時において、収納容器５
をアームレスト１の上側へ沿わせることによつ
て、開口７がアームレスト１の自由端側に配され
るので、この開口７から表裏部材６Ａ，６Ｂ間へ
小物等の収納物品を収納させることができる。そ
して、この収納によつて、アームレスト１の肘か
け機能が損なわれるような場合、係止部材１０か
ら係合部材９を解離させ、他側縁８Ｃをアームレ
スト１とシートクツシヨン３間を通し、収納容器
５をアームレスト１の下側へ沿わせることによつ
て、アームレスト１への肘かけが従前のアームレ
ストと同様に好適になされる。また、アームレス
ト１を装着凹部４内へはめ込む場合には、第１図
の状態から収納容器５をアームレスト１の下側へ
沿わせ、アームレスト１を装着凹部４内へはめ込
むことによつて、収納容器５は第１図の仮想線示
のようにその開口７をシートバツク２の上方へ向
けると共にシートバツク３から露出された状態と
なる。したがつて、開口７から表裏部材６Ａ，６
Ｂ間へ収納物品を収納させることができる。そし
て、この収納によつて、アームレスト廻りへの着
座に支障を来たすような場合、アームレスト１を
装着凹部４から引き出すと共に係止部材１０から
係合部材９を解離させ、収納容器５をアームレス
ト１とシートバツク２間に位置させた後、アーム
レスト１を装着凹部４へはめ込めばよい。即ち、
アームレスト１に対して収納容器５を第１図の実
線示のように沿わせたままの状態で、アームレス
ト１を装着凹部４内へはめ込むことによつて、収
納容器５が装着凹部４内へ納められるので、アー
ムレスト１の収納状態は従前のシートバツクに対
するアームレストの収納状態と同様になる。この
結果、アームレスト１廻りへの背もたれ状態での
着座は従来と同様に好適になされる。

なお、前記実施例における係合部材９と係止部
材１０は、互いに対となる面フアスナ、ホツク、
フアスナ、チヤツクならびにボタンとボタン孔等
各種の手段にて具現化されることは明らかであろ
う。また、本考案にあつては、アームレスト１へ
の収納容器５の一側縁８Ａの固定は、縫い合せや
接着等による完全固定状態のみならず、着脱自在
な固定状態であつてもよい。さらに、本考案にあ
つては、第１図の一点鎖線示のように弾力的なベ
ルト１１をアームレスト１の自由端に設け、収納
容器５へ収納された収納物品を補助的に支持させ
ることが可能である。この場合、前記ベルト１１
はアームレスト１に対する収納容器５の添設姿勢
に合わせてアームレスト１へ添設操作自在にさせ
る。さらに、前記実施例の開口７廻りに位置する
表裏部材６Ａ，６Ｂを弾力的なベルト状に構成さ
せる変形例も考えられる。

以上説明したように本考案によれば、アームレ
ストの起立や倒伏の各状態に応じて収納容器をア
ームレストに巻き付けることができるので、収納
物品を手軽に収納させることができるうえ、アー
ムレストの肘かけ機能ならびにアームレスト廻り
への着座にも支障を来たすことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の施されたアームレスト廻りの
斜視図、第２図は第１図の−線断面に相当す
る断面図である。 １……アームレスト、２……シートバツク、３
……シートクツシヨン、５……収納容器、６Ａ，
６Ｂ……表裏部材、７……開口、８Ａ……一側
縁、８Ｂ……底部縁、８Ｃ……他側縁、９……係
合部材、１０……係止部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートバツク部側からシートクツシヨン部側に
   回動自在に装着されたアームレストにおいて、 該アームレストのシートバツク部に対向する側
   及び両側面を被う薄手の収納容器を設け、この収
   納容器は収納口をアームレストの先端側に向け、
   かつ一方の側縁をアームレストの一方の側壁に固
   定し、他方の側縁をアームレストの他方の側壁に
   着脱自在としたことを特徴とするアームレスト。