JPH0542654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両シートに設けられ、子供乗員を保
護するチヤイルドシートに関する。

［従来の技術］ 車両シートへ子供乗員が乗車する場合に、この
子供乗員を拘束状態にして保護するためのチヤイ
ルドシートが用いられている。これらのチヤイル
ドシートは子供乗員の着座部を有すると共に子供
乗員の拘束用シートベルトウエビングが取りつけ
られている。このチヤイルドシートは車両シート
上へ搭載し、車両シートに備えられている大人乗
員用シートベルトウエビングで車両シートへ固定
する構成である。

このためこのチヤイルドシートは大人乗員の着
座時には車両用シートから取り外してトランクル
ーム等の別の場所へ保管する必要がある。

［考案が解決する課題］ 本考案は上記事実を考慮し、否使用時に車両用
シートから取り外す必要がないチヤイルドシート
を得ることが目的である。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、シートクシツヨンとシートバツクを
備えた車両用シートに設けられるチヤイルドシー
トであつて、シートバツクの一部がシートクシツ
ヨンに向けて倒伏可能とされ倒伏状態で子供乗員
の着座部とされる可倒部と、前記シートバツクの
可倒部収容部に装着される子供乗員用シートベル
トウエビングと、この可倒部の先端へ取りつけら
れる大人乗員用ヘツドレストと、このヘツドレス
トを前記可倒部の倒伏状態で可倒部とシートクシ
ツヨンの間へ配置させるヘツドレスト屈曲手段
と、を有することを特徴としている。

このため本考案のチヤイルドシートでは子供乗
員の着座時に、可倒部を倒伏状態とし、この可倒
部の先端のヘツドレストを屈曲手段で屈曲させて
シートクシツヨンと可倒部との間に配置させる
と、可倒部が子供乗員の着座部として使用でき、
シートバツクに取りつけた子供乗員用シートベル
トウエビングによつて子供乗員をシートベルト装
着状態とすることができる。

また否使用時には可倒部をシートバツク内へ収
容すればよく、可倒部を取外して別の場所への保
管する必要がない。

［考案の実施例］ 第２図に示される如く本実施例が適用される車
両用シート１２は図示しない車両床部へ搭載され
るシートクシツヨン１４の車両後方端部へシート
バツク１６の下端部が取りつけられている。

このシートバツク１６には車両前方に面して第
１図に示される如く凹部１８が上下方向中間部か
ら上端部に掛けて形成されている。この凹部１８
内へは可倒部２２が収容されている。この可倒部
２２は第２図に示される如くシートバツク１６の
車両前方側表面とほぼ同一面を形成し、シートバ
ツクの一部としての役目を有するようになつてい
る。またこの可倒部２２は第２図に示される下端
部付近が図示しない水平軸によつてシートバツク
１６へ軸支されており、第２図に示される凹部１
８への収容状態から第１図に示される如く車両前
方への倒伏状態まで回転できるようになつてい
る。なおこの可倒部２２の内部構造はフレームの
周囲にクツシヨン材及び表皮が取りつけられた構
成であり、シートクシツヨン１４及びシートバツ
ク１６の内部構造と同様となつている。

可倒部２２は第２図に示される凹部１８への収
容状態における上端部に大人乗員用のヘツドレス
ト２４が取りつけられている。このヘツドレスト
２４は下端部から突出する一対の支軸２６（第７
図参照）が可倒部２２の上端部に形成されてる軸
支孔２８内へ挿入されることによつて可倒部２２
へ支持されている。この支軸２６は第７図に示さ
れる如く軸方向中間部に軸線と直角に貫通される
ピン３２によつて折れ曲り可能となつている。こ
の折曲り部は屈曲手段３４を構成している。

このためこの屈曲手段３４を第７図に示される
如く軸支孔２８から取り出すとヘツドレスト２４
はこのピン３２回りに回転可能となる。しかしこ
の屈曲手段３４部分を軸支孔２８内へ挿入する
と、支軸２６はそのほぼ全長がヘツドレスト２４
内へ入り込み、支軸２６は軸支孔２８の内周面に
よつて案内されるので屈曲手段３４は屈曲不可能
となり、第２，３図に示される如く車両用シート
１２へ大人乗員が着座した場合のヘツドレストと
して使用できる。

また一対の支軸２６間にはヘツドレスト２４か
ら止め材３６が突出している（第３図）。この止
め材３６はシートベルトウエビングと同様材料に
よつて形成されており、先端部にはタングプレー
ト３８が固着されている。このタングプレート３
８は第３図に示される如くシートバツク１６の背
面へ取りつけられるバツクル４２と係合可能とな
つている。このバツクル４２は押ボタン４４を操
作することによつてタングプレート３８を抜き出
し可能とし、可倒部２２を第１図に示される如く
車両前方へ倒伏可能とするが、タングプレート３
８を保持している状態では可倒部２２を凹部１８
内へ収容した第２，３図の状態を維持できるよう
になつている。

凹部１８内には可倒部２２の収容状態で可倒部
２２によつて覆い隠される子供乗員用シートベル
トウエビング４４，４８が設けられている。これ
らの子供乗員用シートベルトウエビング４４，４
８は一方にタングプレート５２が、他方にバツク
ル５４が取りつけられ、これらの結合によつて第
６図に示される如く子供乗員Ｐの装着状態とな
る。

なお第３図に示される如くこれらの子供乗員用
シートベルトウエビング４４，４８の一部はシー
トバツク１６の背後へ延長されて端部が係止され
ている。

次に本実施例の作用を説明する。

第２，３図に示される如く可倒部２２が凹部１
８内へ収容された状態ではシートバツク１６と可
倒部２２の車両前方側表面が同一面を形成して、
一般の車両用シートとして使用できるので、大人
乗員は通常通り着座できる。この場合図示しない
が、着座した乗員は大人乗員用のシートベルトウ
エビングを装着することができる。またヘツドレ
スト２４は一般の車両用シートと同様にシートバ
ツク１６の上端部に配置されるので不都合はな
い。さらに可倒部２２は止め材３６が第３図に示
される如くタングプレート３８とバツクル４２の
結合によつて可倒部２２の車両前方への回転を阻
止しているので、車両の減速時にも可倒部２２が
車両前方へ移動することはない。

子供乗員の着座時には、タングプレート３８を
バツクル４２から抜き出し、第４図に示される如
く可倒部２２を車両前方へ回転させる。これによ
つて凹部１８内の子供乗員用シートベルトウエビ
ング４４，４８が露出する。

さらに第５図に示される如く可倒部２２を若干
引き起こして支軸２６を軸支孔２８から大きく抜
き出すと、屈曲手段３４部分が可倒部２２の外部
へ引き出されるので第７図に示される如くピン３
２を中心にしてヘツドレスト２４を回転すること
ができる。さらに第１図に示される如く可倒部２
２内へ支軸２６の一部を再び挿入すると、ヘツド
レスト２４は可倒部２２とシートクシツヨン１４
との間に配置され、可倒部２２がほぼ水平状態と
なる。従つて子供乗員Ｐは可倒部２２の背面へ着
座し、子供乗員用シートベルトウエビング４４，
４８を装着して第６図に示される如くシートベル
ト装着状態となる。

なお第６図に示される如く止め材３６のタング
プレート３８を係合するバツクル５６を止め材５
８の先端へ取りつけ、この止め材５８をシートク
シツヨン１４の車両前方下部へ配置することによ
つて、可倒部２２を車両下方へと引つ張り、不必
要に可倒部２２が跳ね上がらないようにすること
もできる。

［考案の効果］ 本考案は上記の構成としたので、車両用シート
へチヤイルドシートを一体的に組み込むことが可
能となる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用された車両用シートの可
倒部倒伏状態を示す斜視図、第２図は可倒部収納
状態を示す斜視図、第３図は第２図の裏面斜視
図、第４図は屈曲手段を屈曲する前の状態を示す
可倒部倒伏状態の斜視図、第５図は屈曲手段の屈
曲状態を示す可倒部倒伏状態の斜視図、第６図は
子供乗員の着座状態を示す斜視図、第７図は屈曲
部を示す拡大斜視図である。 Ｐ……子供乗員、１２……車両用シート、１４
……シートクシツヨン、１６……シートバツク、
１８……凹部、２２……可倒部、２４……ヘツド
レスト、２６……支軸、３４……屈曲手段、４
６，４８……子供乗員用シートベルトウエビン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンとシートバツクを備えた車両
   用シートに設けられるチヤイルドシートであつ
   て、シートバツクの一部がシートクシツヨンに向
   けて倒伏可能とされ倒伏状態で子供乗員の着座部
   とされる可倒部と、前記シートバツクの可倒部収
   容部に装着される子供乗員用シートベルトウエビ
   ングと、この可倒部の先端へ取りつけられる大人
   乗員用ヘツドレストと、このヘツドレストを前記
   可倒部の倒伏状態で可倒部とシートクシツヨンの
   間へ配置させるヘツドレスト屈曲手段と、を有す
   ることを特徴とするチヤイルドシート。