JPH0141613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は車両のアームレストに関する。

従来技術 乗員の姿勢を楽に保つため、車両シートの側方
に、乗員の肘を載せるアームレストを設けること
は従来より周知である。

一方、乗員が車内でくつろいだり仮眠するよう
なとき、シートのシートクツシヨン上に横になる
ことは通常行われているが、従来は横寝した乗員
の頭を支えるものがなく、快く横になれない不都
合があつた。この欠点を除去するため、シートク
ツシヨンまたはその近傍に枕を設けておき、乗員
が横になつたとき、この枕によつて頭を支えるよ
うにすることも考えられる。ところがこのように
すると、乗員が通常の姿勢でシートに着座したと
き、枕が邪魔となり着座スペースが狭められ、着
座時の快適性が損われる。新たな欠点を招くこと
になる。

目 的 本考案は、上記認識に基きなされたものであ
り、冒頭に記載したアームレストに、横寝した乗
員の頭を支える枕としての機能をもたせ、着座ス
ペースのロスを防止しつつ、横寝時の快適性を向
上させ得るアームレストを提供することを目的と
する。

構 成 本考案は、上記目的を達成するため、シートク
ツシヨン側方の車体部分に固定されたケーシング
と、該ケーシング内に回転自在に支持されたラチ
エツトホイールと、前記ケーシング内からケーシ
ング外に突出し、かつ前記ラチエツトホイールと
一体に回動する支柱と、ケーシング外の支柱先端
側に固定され、該支柱の回動に伴つて、肘掛けと
して利用される第１の位置と該第１の位置よりも
シートクツシヨン側に倒れた枕として利用される
第２の位置との間を回動するアームレスト本体
と、前記ラチエツトホイールの歯に係合して該ホ
イールの回転を阻止し、或いはラチエツトホイー
ルの歯から外れて該ホイールの回転を許容するよ
うに、前記ケーシング内に回動可能に支持された
爪部材と、該爪部材がラチエツトホイールの歯に
係合する向き該部材を付勢するばねと、爪部材を
ケーシングの外から回動させる操作つまみとを具
備して成る車両のアームレストを提案する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は、車両のリヤシート１と、その側方の
車体部分、図の例ではドア２に設けられたアーム
レスト３とを示す斜視図である。シート１はシー
トクツシヨン４とシートバツク５とから成る。ア
ームレスト３は第２図にも示すように、乗員が肘
を載せるクツシヨン性をもつたアームレスト本体
６と、これを固定支持する支柱７を有している。

一方、シートクツシヨン側方の車体部分、すな
わちドア２の車内側インナーパネル２ａには、内
部が中空に形成されたケーシング８が固定され、
その両端壁８ａ，８ｂには軸９が回転自在に支持
されている。この軸９に上述した支柱７の下端が
固着されている。支柱７はケーシング８内からそ
の外に突出し、ケーシング８外の支柱先端側にア
ームレスト本体６が固定されている。また軸９に
は、ケーシング８に収容されたラチエツトホイー
ル１０が固定されている。ラチエツトホイール１
０はこのようにケーシング８内に回転自在に支持
され、かつ軸９を介して支柱７に固定され、該支
柱７はラチエツトホイール１０と一体に回動する
ことができる。またラチエツトホイール１０の歯
にはストツパとしての用をなす爪部材１１が係合
しており、該爪部材１１はケーシング８の端壁８
ａ，８ｂに回転自在に支承された作動軸１２に固
着され、該作動軸１２の一端は一方の端壁８ａか
ら突出し、その先端に操作つまみ１３が固定され
ている。また爪部材１１とケーシング壁には引張
ばね１４の各端が係止され、このばねの作用で爪
部材１１はラチエツトホイール１０の歯に係合す
る向きに付勢されている。

１５はドア２のインナーパネル表面に取付けら
れたドアトリムであり、ケーシング８の外面にも
必要に応じてたとえばクツシヨン性を有する内装
材（図示せず）を設けることができる。

アームレスト本体６は、後述する如くその支柱
７と共に実線で示す第１の位置と鎖線で示す第２
の位置との間を回動するが、この回動時に支柱７
がケーシング８に干渉することを防止するため、
該ケーシング８には各支柱７が通る孔１６が穿設
されている。

アームレスト本体６は、通常、第１図および第
２図に実線で示した肘掛けとして利用される第１
の位置に保持される。このとき、ケーシング８内
に回動可能に支持された爪部材１１が、ばね１４
の引張作用によつてラチエツトホイール１０の歯
に係合するため、ラチエツトホイール１０の回転
は阻止され、よつて軸９およびアームレスト本体
６も実線で示した第１の位置に不動に保持され
る。したがつてシート１に着座した乗員は、通常
のアームレストと何ら変ることなく、肘をアーム
レスト本体６に載せ楽な姿勢をとることができ
る。

乗員がシートクツシヨン４上で横になるとき
は、ケーシングの外から操作つまみ１３を回転操
作して、爪部材１１を第２図に矢印Ａで示した方
向に回動させ、ラチエツトホイール１０の回転を
許容するように爪部材１１をラチエツトホイール
１０の歯から外す。このようにしてラチエツトホ
イール１０、軸９、支柱７およびアームレスト本
体６は自由に回転できる状態となる。次いで、ア
ームレスト本体６を軸９を中心として矢印Ｂで示
した方向、すなわちシートクツシヨン４の側に傾
倒させ、これを鎖線で示す枕として利用できる第
２の位置にもたらす。次いで爪部材１１を再びば
ね１４の力でラチエツトホイール１０の歯に係合
させ、該ホイール１０の回転を阻止し、アームレ
スト本体６を固定する。このようにアームレスト
本体６をシートクツシヨン４側に倒すことによ
り、該クツシヨン４上に横になつた乗員２０は、
本体６の上に頭を載せ、これを枕として用いるこ
とができる。アームレスト本体６の傾倒角度を調
整することにより、枕の高さを乗員の好みに合せ
た高さに調節することができる。

アームレスト本体６を再び実線の第１の位置に
戻すときは、操作つまみ１１を操作することな
く、単に本体６を矢印Ｂと反対の方向に回動させ
るだけでよい。爪部材１１がラチエツトホイール
１０に係合していても、該ホイール１０は第２図
における時計方向には自由に回転できるからであ
る。このようにしてアームレスト本体６を再び実
線の位置に戻せば、これがシートクツシヨン４か
ら離れるため、乗員が通常の姿勢でシート２に着
座したとき、アームレスト本体６が邪魔となるこ
とはなく、これを通常のアームレストとして使用
できることは先に説明した通りである。

以上、アームレストをドアに設けた場合につい
て説明したが、たとえば２ドア形式の車両等に対
しては、上記実施例と同様にしてアームレストを
ドア以外の車両ボデイの車内側面に設けることが
できる。また、図示したアームレストと反対側の
アームレスト、あるいはフロントシート用のアー
ムレストも本考案に従つて傾倒可能に構成できる
ことは当然である。

効 果 本考案によれば、アームレスト本体が傾倒可能
に支持されているため、これを本来のアームレス
トとしてだけでなく、シートクツシヨン上に横に
なつた者の頭を支える枕としても利用できる。し
かも枕の高さを自由に調整でき、乗員が最適な姿
勢でシートクツシヨン上で横になることができ
る。またアームレスト本体を回動させるためのラ
チエツトホイール、爪部材、ばねは、全てケーシ
ング内に収容されているため、アームレストの外
観が低下することを阻止できる。しかも操作つま
みの回転と、アームレスト本体の回転だけで、該
本体を第１の位置又は第２の位置に回動させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアームレストを車内側か
らみた斜視図、第２図はアームレストの垂直部分
断面図である。 ４……シートクツシヨン、３……アームレス
ト、６……アームレスト本体、７……支柱、８…
…ケーシング、１０……ラチエツトホイール、１
１……爪部材、１３……操作つまみ、１４……ば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨン側方の車体部分に固定された
   ケーシングと、該ケーシング内に回転自在に支持
   されたラチエツトホイールと、前記ケーシング内
   からケーシング外に突出し、かつ前記ラチエツト
   ホイールと一体に回動する支柱と、ケーシング外
   の支柱先端側に固定され、該支柱の回動に伴つ
   て、肘掛けとして利用される第１の位置と該第１
   の位置よりもシートクツシヨン側に倒れた枕とし
   て利用される第２の位置との間を回動するアーム
   レスト本体と、前記ラチエツトホイールの歯に係
   合して該ホイールの回転を阻止し、或いはラチエ
   ツトホイールの歯から外れて該ホイールの回転を
   許容するように、前記ケーシング内に回動可能に
   支持された爪部材と、該爪部材がラチエツトホイ
   ールの歯に係合する向き該部材を付勢するばね
   と、爪部材をケーシングの外から回動させる操作
   つまみとを具備して成る車両のアームレスト。