JPS625392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤブオーバ車のシート構造に関
し、特に、助手用シートのバツクレストの下側部
分を可動にしてクツシヨン前方に配置転換し、ク
ツシヨン面と連続した平担面を形成するようにし
たものである。

従来より、大型のキヤブオーバ車においては、
運転室後部等に常設のベツドが装備され、運転者
等が仮眠できるようにしたものがある。しかる
に、上記のような常設ベツドが設けられていない
ような中小型のキヤブオーバ車においては、運転
手席および助手席のシートを利用して仮眠するこ
とになる訳であるが、これらのシートのクツシヨ
ン部分だけでは平担面が狭く窺屈で、満足に仮眠
もできない状況である。

本考案はかかる点に鑑み、クツシヨンとバツク
レストとよりなる助手用シートにおけるバツクレ
ストを上下に分割して上側のバツクレストを固定
バツクレストとし、下側のバツクレストを可動バ
ツクレストとしてクツシヨン前方に配置転換し、
クツシヨン面と連続した平担面を形成するように
してシートを多目的に使用できるようにしたキヤ
ブオーバ車のシート構造を提供せんとするもので
ある。

以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。第１図ないし第３図に示すキヤブオーバ車１
において、２はクツシヨン２ａとバツクレスト２
ｂとよりなる運転手用シート、３は同じくクツシ
ヨン３ａとバツクレスト３ｂとよりなる助手用シ
ートであつて、助手用シート３はそのバツクレス
ト３ｂが、上側の固定バツクレスト４と下側の可
動バツクレスト５とに上下に二分割され、固定バ
ツクレスト４は上部にヘツドレスト部４ａを有
し、車体のバツクパネル６に対して固定され、可
動バツクレスト５は側面下部がクツシヨン３ａの
両側に配設されたリンク７，７によつて枢支さ
れ、クツシヨン３ａの前方に移動可能に設けられ
ている。

上記可動バツクレスト５の側面上部には保持部
材であるピン８が側方に突設されている。一方、
バツクレスト３ｂ後方のバツクパネル６にはブラ
ケツト９が配設され、このブラケツト９の前面に
前記可動バツクレスト５のピン８と係合し、可動
バツクレスト５の上記を支持するバツクレストホ
ルダー１０が設けられている。

上記リンク７は、一端（下端）がクツシヨン３
ａの両側方からクツシヨン３ａの下方に屈曲し、
このクツシヨン３ａの下方を横方向に延びて両側
のリンク７，７を連結する支持部７ａを有し、こ
の支持部７ａはクツシヨン３ａの下方における車
体のクツシヨン載置部１１に支持ブラケツト１２
によつて枢着され、このリンク７は支持部７ａを
中心として前後に回動可能に設けられている。
又、該リンク７の他端（上端）は、内方に屈曲さ
れて枢支部７ｂが設けられ、この枢支部７ｂは上
記可動バツクレスト５の側面下部に枢着され、こ
の可動バツクレスト５を下縁部を中心として回動
自在に支持している。

又、クツシヨン３ａ側方の車体（クツシヨン載
置部１１）には上記リンク７が回動した際に、該
リンク７に当接してその回動限界位置を規制する
ストツパ１３ａ，１３ｂがリンク７の下端の前後
にそれぞれ対向して設けられている。

一方、クツシヨン３ａは、後端部に延設された
アーム１４の先端が枢着ピン１５によつて回動自
在に枢支され、上記クツシヨン３ａが上方に回動
可能であつて、このクツシヨン３ａの回動により
シート３下方に配置されたエンジンの上方部を開
口させて調整整備を行うものである。

その他、１６はシート前方に配設されたインス
トルメントパネル、１７はフロントガラス、１８
はルーフ、１９はフロアである。

上記シート３は、通常の使用状態では、リンク
７が後方に回動して、後方のストツパ１３ｂと当
接した状態であり、可動バツクレスト５の側面上
部のピン８がバツクレストホルダー１０に係合
し、可動バツクレスト５が上方の固定バツクレス
ト４と連続してバツクレスト３ｂを構成してお
り、着席可能である。

一方、仮眠等を行う場合には、可動バツクレス
ト５のピン８をバツクレストホルダー１０から外
し、リンク７との枢着点すなわち下部を前側に
し、上部を後側として可動バツクレスト５の前面
が上方に向くように反転させながらリンク７を前
方に回動させ、第３図に示すように、可動バツク
レスト５のピン８をリンク７に上方から当接係止
させるとともに、リンク７を前方のストツパ１３
ａに当接させて固定するものであり、配置転換さ
れた該可動バツクレスト５の上面とクツシヨン３
ａの上面とは連続した平担面を構成するように
し、仮眠を行うことができるようにしたものであ
る。

また、シートがこの状態にある場合には、乗員
が、上側の固定バツクレスト４に背中を凭せか
け、可動バツクレスト５の上面に足を伸ばして着
座することができる。

尚、バツクレスト３ｂの分割位置は、可動バツ
クレスト５を配置転換する場合に、移動する可動
バツクレスト５の端部がインストルメントパネル
１６、その他エアコンデイシヨナー等の室内装置
品に接触干渉しないような任意の寸法に設定可能
である。

第４図には、変形例を示すものであり、この場
合には、バツクレスト３ｂを固定バツクレスト２
０と可動バツクレスト２１とに分割する位置が低
く、可動バツクレスト２１の上下幅は短く形成さ
れるとともに、該可動バツクレスト２１の上部側
方のピン８は、バツクレスト３ｂ後方のバツクパ
ネル６に設けられたバツクレストホルダー２２に
より固定位置が前後調整可能に設けられている。
すなわち、バツクレストホルダー２２は、前端部
に前記ピン８と係合する係止具２３ａを有する支
持部材２３の後端ピン２３ｂがガイド部材２４の
スライド溝２４ａ内に摺動可能に支持され、さら
にこのピン２３ｂをロツクする機構が設けられて
なるものである。その他は前例と同様に設けら
れ、同一構造には同一符号を付してその説明を省
略している。

上記変形例の場合には、通常のシート３とし
て、使用する場合において、着座者の腰椎部を保
持するいわゆるランバーサポートの機能を付加す
ることができるものである。

尚、上記各実施例においてはバツクレスト３ｂ
の固定バツクレスト４，２０は非分割形態に設け
られているが、これをさらに上下に分割してヘツ
ドレスト部４ａ，２０ａを独立させてもよい。

従つて、以上の如き本考案シート構造によれば
助手用シートのバツクレストを分割して可動バツ
クレストを設け、この可動バツクレストをクツシ
ヨンの前方に配置転換してクツシヨン面と連続し
た平担面を形成することができるために、常設の
ベツドを有していないキヤブオーバ車においても
十分に仮眠が行えるシート面を構成することがで
きるものであり、長距離運転における運転手等の
疲労を軽減できる利効を有する。

また、可動バツクレストを前方配置転換した場
合にも、上側の固定バツクレストがあるため、乗
員が足を伸ばして着座することができる。

さらに、クツシヨン前方に配置転換される可動
バツクレストの配置保持を、クツシヨン載置部に
設けた回動リンクの回動規制ストツパ、及び可動
バツクレストの上側面部に設けられ回動リンクに
当接係止する保持部材によつて行なつているの
で、構造が極めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図はキ
ヤブオーバ車のシートを示す斜視図、第２図は側
面図、第３図は配置転換時の同側面図、第４図は
変形例を示す側面図である。 １……キヤブオーバ車、３……シート、３ａ…
…クツシヨン、３ｂ……バツクレスト、４，２０
……固定バツクレスト、５，２１……可動バツク
レスト、７……リンク、８……ピン、９……ブラ
ケツト、１０，２２……バツクレストホルダー、
１１……クツシヨン載置部、１２……支持ブラケ
ツト、１３ａ，１３ｂ……ストツパ、１４……ア
ーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クツシヨンとバツクレストより成るシートを備
   えたキヤブオーバ車において、クツシヨン及びバ
   ツクレストが車幅方向に分割され、それぞれ運転
   手用シート及び助手用シートを形成しており、助
   手用シートのバツクレストは上下に分割されてお
   り、上側の分割部分はクツシヨンの後部の上方に
   おいて車体に支持された固定バツクレストであ
   り、下側の分割部分は、一端が車体のクツシヨン
   載置部に枢着され、他端が下側の分割部分の下側
   面部に枢着されている回動リンクを介してクツシ
   ヨン前方に移動可能に支持された可動バツクレス
   トであり、車体のクツシヨン載置部には上記回動
   リンクに当接することにより該回動リンクの前方
   への回動位置を規制するストツパーが設けられ、
   下側の分割部分の上側面部には上記回動リンクに
   当接係止して前方に移動した可動バツクレストを
   保持する保持部材が設けられ、該シートは、前方
   に移動した可動バツクレストとクツシヨン面とで
   ほぼ連続した平担面が形成されるように構成され
   ていることを特徴とするキヤブオーバ車のシート
   構造。