JPH05147465A - 子供用シート付き自動車シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】チャイルドシートを取り外す手間を省き、シー
トクッションの高さ調節が可能な子供用シート付き自動
車シートを提供することを目的とする。 【構成】シートクッション２もしくはシートバック３の
いずれか一方を２層構造とし、表層３ａをおりたたみ可
能に複数に分割し、分割した表層３ａと裏層３ｂとの間
に子供用シートベルト８を介在させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は子供用シート付きの自動
車シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の子供用シート（以下チャイルドシ
ート）としては、自動車のシートに着脱可能に設けられ
た着脱型のチャイルドシートが提案されている。着脱型
の一例を図１０に示す。

【０００３】チャイルドシート３１には、シートクッシ
ョン３２と、シートバック３３とから構成されている。
前記チャイルドシート３１の後部下側には貫通孔３４が
透設され、後部上側にはベルト３５が取着されている。
また、シートバック３３には子供用のシートベルト３６
が取着され、その先端はシートクッション３２に設けら
れた図示しないアンカーで着脱可能に保持されている。

【０００４】そして、チャイルドシート３１は、車両の
フロントシート３７に設けられたシートベルト３８を、
チャイルドシート３１の貫通孔３４に通してチャイルド
シート３１の下部を締結するとともに、前記ベルト３５
をフロントシート３７に締結することによって同フロン
トシート３７に対して固定される。

【０００５】しかしながら、着脱型のチャイルドシート
３１は、チャイルドシート３１を自動車のフロントシー
ト３７に取り付ける作業が非常に面倒であり、特に非力
な女性や老人には大変な作業である。また、幼児を乗せ
ない場合は、チャイルドシート３１は邪魔であり、大人
が乗るときには、チャイルドシート３１を外さなければ
ならず、しかも、収納場所を確保しなければならなかっ
た。

【０００６】そこで、これを解消するために、例えば、
実開昭６２ー６０４３７号、実開昭６２ー２８６４１
号、実開昭６２ー２８６４２号、或いは、実開昭５５ー
１９０５９号には、自動車のシートと一体型のチャイル
ドシートが提案されている。これらは、シートバックを
表層と裏層に分割し、表層部をシートクッション上に倒
すことにより幼児用座部を形成した子供用シート付き自
動車シートである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一体型
のチャイルドシートにおいては、表層部をシートクッシ
ョン上に倒し、幼児用座部を形成するだけなので、その
座部の高さを調節できない。従って、幼児の発育に応じ
てシートクッションの高さを調節をすることができず、
幼児に足を伸ばす等の不自然な状態でチャイルドシート
に座らせることになる。しかも、シートクッションの着
座位置が低いため、幼児は外の景色を見ることができな
い。

【０００８】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的はチャイルドシートを取り
外す手間を省き、さらに、シートクッションの高さ調節
が可能な子供用シート付き自動車シートを提供すること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、シートクッションもしくはシートバックの
いずれか一方を２層構造とし、表層をおりたたみ可能に
複数に分割し、分割した表層と裏層との間に子供用シー
トベルトを介在させるようにしたことを要旨とする。

【００１０】

【作用】従って、本発明によれば、２層構造としたシー
トクッションもしくはシートバックのいずれか一方の表
層を分割にそってシートクッション上で子供の足の高さ
に合わせておりたたみ、子供をおりたたまれたシートバ
ックもしくはシートクッションに座らせ、さらに子供を
シートバックの表層と裏層に介在しているシートベルト
で固定する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図１〜
図５に従って説明する。図３に示すように、自動車のフ
ロントシート１は、シートクッション２とシートバック
３とからなり、そのシートバック３の上側にはヘッドレ
スト４が取着されている。前記シートクッション２とシ
ートバック３の両側面は、身体支持クッション５が密接
されている。前記シートバック３は表層３ａと裏層３ｂ
の２層で形成されている。図６に示すようにシートバッ
ク３の表層３ａは、表皮材６ａとその表皮材６ａに被覆
されたスポンジ６ｂで構成されたクッション片６を３個
おりたたみ可能に３段に連結して形成している。即ち、
上部クッション片６と中間部クッション片６は、互いに
表側の表皮材６ａを連結布６ｃを介して連結され、前記
中間部のクッション片６と下部クッション片６は互いに
裏側の表皮材６ａを連結布６ｃを介して連結されてい
る。

【００１２】そして、幼児Ｍが乗車せず、大人が乗車す
る通常の場合には、フロントシート１は、シートバック
３の表層３ａの上部クッション片６に設けられたベルク
ロテープまたはホック等の保持手段７によって表層３ａ
と裏層３ｂとを重ね合わせている。そして、表層３ａと
裏層３ｂの間には、Ｙ字状の子供用のシートベルト８が
見えないように介在されている。前記子供用シートベル
ト８は、ベルト８ａ、バックル８ｂ、プレート８ｃから
なっており、裏層３ｂに内在している巻き上げ装置９に
より巻き上げ収納されている。

【００１３】次に、幼児Ｍが乗車する場合には、図４に
示すようにフロントシート１はシートバック３の表層３
ａの上部と中間部と下部のクッション片６が３段におり
たたまれ、その上部クッション片６が幼児着席用の座部
１０を形成し、表層３ａが取り除かれたシートバックの
裏層３ｂと身体保持用クッション５とで凹部１１を形成
している。前記シートバック３の下部に配設されたシー
トクッション２には、子供用シートベルト８を着脱可能
に設けられたアンカー１２がプレート８ｃを保持してい
る。

【００１４】また、図５では、シートバック表層３ａの
中間部と下部のクッション片のみが２段におりたたまれ
たフロントシート１を示しており、おりたたまれない上
部クッション片６はシートバック裏層３ｂに密接し、中
間部のクッション片６が幼児着席用の座部１３を形成
し、表層３ａの中間部、下部のクッション片６を取り除
いたシートバック裏層３ｂもしくは上部クッション片６
と身体保持用クッション５とで凹部１４を形成してい
る。

【００１５】上記のように構成された子供用シート付き
自動車シートの作用及び効果について説明する。大人が
乗車する時の通常状態のフロントシート１において、２
層に分割されたシートバック３の裏層３ｂに保持手段に
て取着された表層３ａを取り外し、表層３ａの上部と中
間部と下部のクッション片６を次々に分割に沿っており
たたみ、シートクッション２上にクッション片６が３段
に積まれた座部１０を形成する。幼児Ｍはその座部１０
に座り、凹部１１にて上半身を横方向に動かないよう保
持される。そして、シートバック３の裏層３ｂの巻き上
げ装置９により収納可能に取着された子供用シートベル
ト８を伸ばし、前記子供用シートベルト８のプレート８
ｃをシートクッション２に設けられたアンカー１２にて
保持することにより、子供用シートベルト８に設けられ
たバックル８ｂにより、幼児Ｍは前後方向に対して固定
される。また、前記座部１０は幼児の足の長さに合わせ
てその高さ調節が可能である。中間部と下部のクッショ
ン片６のみを分割にそっておりたたみ２段の座部１３を
形成し、幼児Ｍを座部１３に着席させる。そして、幼児
Ｍは凹部１４にて横方向に固定され、シートベルト８に
て前後方向に固定される。

【００１６】この結果、別体のチャイルドシート３１を
取り付けることなく簡単、かつ安全に幼児Ｍを乗車させ
ることができ、またチャイルドシート３１をはずし別の
場所に収納する必要がない。

【００１７】そして、大人が乗る場合も簡単にフロント
シート１を通常状態にでき外観的にも意匠をくずすこと
なく設定できる。また、幼児は自分の足の長さに合わせ
てシートバック３の表層３ａをおりたたみ座部１０、１
３を形成できるため、足を伸ばしたまま座ることなく疲
れない。

【００１８】そして、シートバックの表層３ａをおりた
たんだ部分には凹部１１、１４が形成されるため幼児の
上半身が横方向に対し保持される。また、幼児の着座位
置が高くなるため、幼児は外の景色を見ることができ退
屈しない。

【００１９】さらに、図７に示すように、子供用シート
ベルトをとりはずしシートバック表層３ａをおりたたむ
こと無くシートクッション２上にたおし、車載のシート
ベルト１５を使用して子供を固定することによって、前
記子供用シートを幼児Ｍだけでなく、小学生程度の子供
に到るまで幅広い年齢の子供に対応させることができ
る。

【００２０】加えて、構造的にシンプルであり、一般の
シートを小改造するだけでよく、従って機能的に一般の
シートと変わることなくコストも安く重量も軽くでき
る。なお、この発明は前記実施例に限定されるものでは
なく、この発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下のよう
に構成することも可能である。

【００２１】（１）図８に示すようにシートバック３の
表層３ａを２分割としたシートバック３を形成するこ
と。 （２）図９に示すようにリアシート１６のシートバック
３を２層構造とし表層３ａをおりたたみ可能に複数に分
割し、分割した表層３ａと裏層３ｂとの間に子供用シー
トベルト８を介在させるようにしたこと。

【００２２】（３）シートクッションを前記シートバッ
ク３と同じ２層構造とし、表層をおりたたみ可能に複数
に分割して、子供用シート付き自動車シートを形成して
もよい。

【００２３】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、チ
ャイルドシートを取り外す手間を省き、さらに、シート
クッションの高さ調節ができるという優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した子供用シート付き自動車シ
ートの斜視図である。

【図２】同じく子供用シート付き自動車シートの正面図
である。

【図３】同じく子供用シート付き自動車シートの幼児用
シートベルト収納時の断面図である。

【図４】同じく子供用シート付き自動車シートの幼児着
席状態における断面図である。

【図５】同じく子供用シート付き自動車シートの幼児着
席状態における断面図である。

【図６】同じく子供用シート付き自動車シートの幼児用
シートベルト収納状態を示すシートバックの詳細断面図
である。

【図７】本発明のシートバック表層をおりたたむことな
く具体化した斜視図である。

【図８】本発明のシートバックの表層を２分割した別例
を示す斜視図である。

【図９】本発明をリアシートに具体化した別例を示す斜
視図である。

【図１０】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

２…シートクッション、３…シートバック、３ａ…シー
トバック表層、３ｂ…シートバック裏層、８…子供用シ
ートベルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッションもしくはシートバック
   のいずれか一方を２層構造とし、表層をおりたたみ可能
   に複数に分割し、分割した表層と裏層との間に子供用シ
   ートベルトを介在させるようにしたことを特徴とする自
   動車シート。