JPH0618839Y2 - 自動車用座席 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、特にテールゲートを備えたワゴン車等の後部
座席の後方のデッキルームに設けられる座席に関するも
のである。

＜従来の技術＞ 第８図で示すように、テールゲート１を供えたワゴン車
２等の後部座席３の後方のデッキルーム４にサードシー
トを設けたものがある。

このものは、サードシートバック７を後部座席３のシー
トバックと背中合わせになるよう後向きに起倒可能に設
け、このサードシートバック７に対応してサードシート
クッション８をフロア５上に載置している。また、サー
ドシートクッション８の前方（テールゲート１側）のフ
ロアに足載せ凹部６を形成している。

そして、デッキルーム４に荷物を搭載するときには、サ
ードシートクッション８を反転して前記凹部６上に載置
し、またサードシートバック７をフロア５上に反転して
平面９を形成している。

上記従来構造においては、サードシートに着座する乗員
は車両の進行方向並びに前部、後部座席の乗員に対し後
向きとなり、乗り心地が悪く、乗員間の会話も後向きで
することになり不自然である。

また、テールゲートを備えたバン型車において、後部座
席の後方のデッキルームのサイド構造物を利用して、車
両の前後方向にサードシートを形成可能とした考案が実
開昭５８−７９４３７号で提供されている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上記実開昭５８−７９４３７号は、デッキルームサイド
に設けられている物品収納箱の上蓋を着脱可能とし、こ
の上蓋にクッション材を張ってシートバックを形成し、
前記物品収納箱の前方の床上にシートクッションを備え
た座板を脚と共に引き起こし折り畳み自在に敷設し、前
記上蓋をデッキルームサイドに固設されているロープフ
ックに挟持具を介して取り付けてシートバックの使用状
態とし、前記座板を引き起こして座板の一部を物品収納
箱上に掛け止めすると共に脚で支持させて、いわゆるサ
ードシートを形成する構造である。

このような構造では、物品収納箱の上蓋をシートバック
に兼用させ、これをロープフックに挟持具を介して取り
付けてシートバックの使用状態とするため、デッキルー
ムサイドに物品収納箱とロープフックとの装備を必要と
し、また、床上には、座板を脚と共に引き起こし折り畳
み自在に敷設する複雑な構造となり、サードシートを形
成するための操作が面倒である。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は上記のような問題点を解決した座席を提供する
ものであり、その特徴とする構成は、テールゲートを備
えたワゴン車等において、後部座席の後方のデッキルー
ムのサイド構造物に車両の前後方向に沿ってエアの供給
によって膨満するエアバックにより構成されたサードシ
ートバックと、前記デッキルームのフロア上に車両の前
後方向に沿って載置されるサードシートクッションと、
前記フロアに凹設した前記サードシートクッションを格
納する格納凹部とを備えたものである。

＜作用＞ 上記の構成により、エアバックにエアを供給して膨満さ
せることによってデッキルームのサイド構造物を利用し
た車両進行方向に対し横向きサードシートバックが直ち
に形成され、格納凹部からサードシートクッションをデ
ッキルームのフロア上に取り出す簡単な操作でサードシ
ートを形成するものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において、３は後部座席、４は前記後部座席３の後方の
デッキルームである。このデッキルーム４の側方には、
例えば保冷庫等のサイド構造物10が形成されており、そ
れにはカバーとなる内張り12が施されている。

本考案は、上記サイド構造物10にサードシートバック11
を設け、デッキルーム４のフロア５上に第３図で示すよ
うにサードシートクッション18を車両の前後方向に沿っ
て載置し、前記フロア５にはサードシートクッション18
の格納凹部19を形成したものである。

前記サードシートバック11は第２図で示すように、パッ
ド付表皮13の上端をサイド構造物10の内張り12に縫着14
して一体化し、さらに、内張り12とパッド付表皮13との
間にエアバック15を介在し、その上端はクリップ16にて
内張り12に止着した構造である。このエアバック15には
手動ポンプ17が取り付けられている。また、パッド付表
皮13の表面にポケット用カバー20が縫着されている。

上記構成の場合、第３図で示すように、エアバック15に
手動ポンプ17によりエアを供給膨満させることによりサ
イド構造物10を利用した背もたれが形成され、乗員はこ
れに背中を当てて、フロア５上に載置したサードシート
クッション18に着座し、凹部19に足を入れることにより
乗員は車両の進行方向に対し横向きで着座することがで
きる。

また、フロア５に荷物等を搭載する場合は、第４図で示
すように、エアバック15のエアを排出し、サードシート
クッション18を反転して格納凹部19内へ格納することに
よりフロア５は全面が平面となり、デッキルーム４のス
ペースが広くなる。

さらに、ポケットカバー20によって形成されたサードシ
ートバック11のポケットに地図その他の物品を収納す
る。

上記サードシートバック11はサイド構造物10の内張り12
に縫着一体化したものであるが、第６図で示すように、
マジックファスナ（通称）21を用いて着脱可能とするこ
とも可能であり、この場合は、取り外したサードシート
バック11を第７図で示すように、格納凹部19内にサイド
シートクッション18と共に格納することができる。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、デッキルームのサイド構
造物に設けたエアバックにエアを供給することによりサ
ードシートバックを形成し、サイドシートクッションを
フロアの格納凹部からフロア上に載置してサードシート
とする構成であるから、構造が簡単であり、サードシー
トの形成及び元の状態に戻す操作が簡単かつ迅速に得ら
れる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるデッキルームの斜視図、第２図は
第１図II−II線断面拡大図、第３図はサードシートの使
用状態説明図、第４図はデッキルームに荷物を搭載する
状態の説明図、第５図はポケットに物を入れた状態の斜
視図、第６図は着脱式サードシートバックの断面図、第
７図はサードシートバックとサードシートクッションの
格納状態の説明図、第８図はは従来のサードシートの説
明図である。 １……テールゲート、３……後部座席、４……デッキル
ーム、５……フロア、10……サイド構造物、11……サー
ドシートバック、15……エアバック、17……手動ポン
プ、18……サードシートクッション、19……格納凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テールゲートを備えたワゴン車等におい
   て、後部座席の後方のデッキルームのサイド構造物に車
   両の前後方向に沿ってエアの供給によって膨満するエア
   バックにより構成されたサードシートバックと、前記デ
   ッキルームのフロア上に車両の前後方向に沿って載置さ
   れるサードシートクッションと、前記フロアに凹設した
   前記サードシートクッションを格納する格納凹部とを備
   えたことを特徴とする自動車用座席。