JPH0439068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、自動車用シートに関する。

《従来の技術》 自動車用シートには、従来よりシートバツクの
背面に後席側着座者用のテーブルユニツトを備え
たものが種々提案されている。

第３図には、このような自動車シートの一例が
示されている。

図において、この自動車用シート１は、例えば
自動車のフロントシートとして用いられ、シート
クツシヨン２と、このシートクツシヨン２の後部
に配設されるシートバツク３とからなり、シート
バツク３の背面にはテーブルユニツト４が備えら
れている。

このテーブルユニツト４は、一端部シートバツ
ク３背面に枢着されるトレイ５と、一端がシート
バツク３背面で前記トレイ５の枢着位置の下部に
枢着されてトレイ５を水平状態に支持する支軸６
とを備えている。通常、シートバツク３背面上に
折り畳まれて収納され、シート１の後部座席側着
座者の必要に応じてトレイ５と支軸６とが図示の
ように組立てられて例えば車室内における飲食時
のテーブルとしてあるいは小物・手荷物等を置く
台として使用される。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、このような従来の自動車用シー
トにあつては、そのテーブルユニツトが前述した
ように、シートバツク背面側に設けられて、後席
側着座者に飲食時のテーブルとしてあるいは、小
物・手荷物等を置く台として有効に利用されてい
るだけで、前席側の着座者には使用できず何ら利
便性が無い。

そこで、本考案は、前席側および後席側の着座
者が同時に使用できるテーブルユニツトを備えた
自動車シートを提供することを目的とする。

《課題を解決するための手段》 前述した問題点を解決するために、本考案によ
る自動車用シートは、シートバツクが外周部分を
形成するアウタバツク部と、前記アウタバツク部
の内側に配設されるインナバツク部とから構成さ
れ、前記インナバツク部が前後に２分割されて後
面にトレイを有する前側インナバツク部と、前面
にトレイを有する後側インナバツク部とを備え、
前記前側インナバツク部は、下部を前記アウタバ
ツク部に後方向に傾倒可能に取付けられたことを
特徴とする。

《作用》 前側インナバツク部がシートバツクの前方向に
傾倒されると後面のトレイがシートクツシヨン上
に上方に向けて現われてこのシート側着座者用の
テーブルを形成する。後側インナバツク部がシー
トバツクの後方向に傾倒されると前面のトレイが
上方に向けて現われてこのシート後部側着座者用
のテーブルを形成する。

各インナバツク部が同時に同様に傾倒される
と、シートバツクにおける各インナバツク部の配
設部分が開放されてシートバツクの前後が連通
し、各インナバツク部が前記両着座者が共用でき
るテーブルを形成する。

《実施例》 第１図には、本考案による自動車用シートの一
実施例が示されている。

図において、この自動車用シート１１は、例え
ば自動車のフロントシートとして用いられ、シー
トクツシヨン１２と、このシートクツシヨン１２
後部に配設されるシートバツク１３とを備えてい
る。

シートバツク１３は、その外周部を形成するア
ウタバツク部１４と、このアウタバツク部１４の
内側に配設されるインナバツク部１５とから構成
されている。アウタバツク部１４は、シートバツ
ク１３の外形をなすもので、第２図に示すよう
に、全体を中央部分が中抜きされて所定の大きさ
の開口部１６を有する略ロ字形に形成され、パイ
プ材をベンド加工により短形に形成されたバツク
フレーム１７と、このバツクフレーム１７をその
形状に沿つて包囲するパツド１８と、このパツド
１８を被覆する表皮１９とを備えている。また、
開口部１６の上面後半部に横方向に沿つて下方向
に突出する段部２０が備えられ、前面側の開口部
１６ａが後面側の開口部１６ｂよりも大きく形成
されている。さらに開口部１６の上面前後位置に
は係止部材２１，２２が備えられている。インナ
バツク部１５は、アウタバツク部１４の開口部１
６内に嵌合可能な形状に形成されるとともに前後
に２分割されて、アウタバツク部１４の全面側開
口部１６ａ内に配設される前側インナバツク部１
５Ａと、同後面側開口部１６ｂ内に配設される後
側インナバツク部１５Ｂとからなる。前側および
後側のインナバツク部１５Ａ，１５Ｂはいずれも
フレーム２３，２４とこれらを包囲するパツド２
５，２６とこれを被覆する表皮２７，２８と上部
に設けられて開口部１６の対応する係止部材２
１，２２に係合する被係止部材２９，３０とを備
え、さらに前側インナバツク部１５Ａにあつては
後面に、後側インナバツク部１５Ｂにあつては前
面に前面を開放した箱状のトレイ３１，３２が埋
設されている。そして前側インナバツク部１５Ａ
は、その下部をアウタバツク部１４の前面側開口
部１６ａ下部にヒンジ部材３３を介して前方向に
傾倒可能に取付けられ、前倒しされたときに後面
のトレイ３１を水平にしてシートクツシヨン１２
上に載置されるようになつている。また、後側イ
ンナバツク部１５Ｂは、その下部をアウタバツク
部１４の後面側開口部１６ｂ下部にヒンジ部材３
４を介して後方向に傾倒可能に取付けられてい
る。また、アウタバツク部１４後面の開口部１６
ｂ下部に後側インナバツク部１５Ｂのトレイ３２
を水平にして同インナバツク部１５Ｂを保持する
ストツパー３５が突設されている。

自動車用シート１１は、このような構成を備
え、常態において各インナバツク部１５Ａ，１５
Ｂがアウタバツク部１４の開口部１６内に嵌め込
まれ、各被係止部材２９，３０が開口部１６の各
係止部材２１，２２に係止されてその状態が固定
保持されている。さらに、着座者の支持部となる
前側インナバツク部１５Ａにあつては、その上部
が開口部１６の段部２０に支持されて、後方向へ
の動きが固定されている。そして、前側インナバ
ツク部１５Ａが前方に傾倒され、第１図中一点鎖
線で示すように、シートクツシヨン１２上に載置
されると、後面のトレイ３１が上方に向けて現わ
れてアウタバツク部１４の前部にテーブルを形成
する。また、後側インナバツク部１５Ｂが同様に
後方に傾倒され、第１図中二点鎖線で示すよう
に、アウタバツク部１４下部のストツパー３５に
保持されると、前面のトレイ３２が上方に向けて
現われてアウタバツク部１４の後部にテーブルを
形成する。さらに、これらのインナバツク部１５
Ａ，１５Ｂを、第２図に示すように、同時に同様
に傾倒させると、これらを格納する開口部１６が
解放されてこの開口部１６を介してシートバツク
１３の前後が連通した状態でアウタバツク部１４
の前後にテーブルを形成する。

したがつて、この自動車用シート１１によれ
ば、乗員の必要に応じて前側インナバツク部１５
Ａを前席側着座者専用のテーブルとして、後側イ
ンナバツク部１５Ｂを後席側着座者専用のテーブ
ルとして、さらに各インナバツク部１５Ａ，１５
Ｂを両者共用のテーブルとして利用することがで
きる。

《考案の効果》 以上にように、本考案による自動車用シート
は、そのシートバツク部が外周部分を形成するア
ウタバツク部と、このアウタバツク部の内側に配
設されるとともに前後に２分割されたインナバツ
ク部とから構成され、後面にトレイを有する前側
インナバツク部がその下部をアウタバツク部に前
方向に傾倒可能に取付けられ、前面にトレイを有
する後側インナバツク部がその下部をアウタバツ
ク部に後方向に傾倒可能に取付けられているの
で、前側インナバツク部を前方に傾倒させると後
面のトレイが上方に向けて現われてこのシート側
着座者用のテーブルとして使用することができ、
後側インナバツク部を後方に傾倒させると、その
前面りトレイが上下に向けて現われてこのシート
後部側着座者用のテーブルとして使用することが
でき、さらに各インナバツク部を同時に同様に傾
倒させると、これらインナバツク部のアウタバツ
ク部における配設部分が開放されてシートバツク
の前後が連通し、各インナバツク部をこのシート
側着座者およびこのシート後部側着座者共用のテ
ーブルとして使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による自動車用シートの一実
施例を示す一部断面側面図、第２図は、同シート
の前側インナバツク部および後側インナバツク部
が夫々傾倒した状態を示す全体斜視図、第３図
は、従来の自動車用シートの一例を示す全体斜視
図である。 １２……シートクツシヨン、１３……シートバ
ツク、１４……アウタバツク部、１５……インナ
バツク部、１５Ａ……前側インナバツク部、１５
Ｂ……後側インナバツク部、３１，３２……トレ
イ、３３，３４……ヒンジ部材、３５……ストツ
パー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクが外周部分を形成するアウタバツ
   ク部と、前記アウタバツク部の内側に配設される
   インナバツク部とから構成され、前記インナバツ
   ク部が前後に２分割されて後面にトレイを有する
   前側インナバツク部と、前面にトレイを有する後
   側インナバツク部とを備え、前記前側インナバツ
   ク部は、下部を前記アウタバツク部に前方向に傾
   倒可能に取付けられ、前記後側インナバツク部
   は、下部を前記アウタバツク部に後方向に傾倒可
   能に取付けられたことを特徴とする自動車用シー
   ト。