JPH0228098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はワンボツクスカーの運転席後方の側
方乗降口付近に設置するに最適な折りたたみ座席
に関する。

［従来技術］ 一般にワンボツクスカーは、第１図に示す如
く、車体１の前部の運転席の下部および後部にわ
たりエンジンを格納するエンジンルームの一部を
形成し、運転席後部の床面を上方に突出して格納
台を形成し、かつ運転席後方の側面には客室ある
いは荷物室に対する乗降用の乗降口２が設けられ
ているとともに、第２図に示す如く、乗員の乗降
を容易とするために乗降部位に設置された後部座
席の座席巾寸法が縮小されており、したがつて乗
員数が制限される問題がある。掛かる問題の解消
としては前記後部座席の乗降口側の座席端部に沿
つて、座面を折り上げてアームレストを兼ねる補
助座席を設置している。しかし前記補助座席を設
置すると折り上げて形成されるアームレストが乗
降口側に出張り貨客室後方への通路を狭めること
になり、また該補助座席を取付けた後部座席に対
する乗員の出入りに邪魔な存在になるといつた問
題があり、かつ座席が垂直軸回りに回転する回転
式座席の場合には、前記補助座席が反対側車体側
壁に当接して座席は回転不能となる。掛かる場
合、補助座席は着脱可能な構造とする事が必要と
なる。

［考案が解決しようとする問題点］ この考案は上記問題を考慮して前記運転席後部
の格納台後壁に、座席の向きを車輌の進行方向と
は反対向きに設置して、シートバツクおよびシー
トクツシヨンをそれぞれ車輌の前後方向に回動自
在となし、座席形態を用途に応じて多様に変化形
成し、通常の対面座席、簡易座席、簡易ベツド、
あるいはトイル、折りたたみ格納等々、適宜有効
に利用できる乗降口用折りたたみ座席を提供する
ことを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案の乗降口用折りたみ座席は、運転席の
下側にエンジンを備え、該運転席後方の側面に乗
降口を設けたキヤブオーバ型自動車において、前
記乗降口付近に車輌進行方向と反対向きに座席を
設置し、該座席シートバツクの側縁下端およびシ
ートクツシヨンの側縁後端を前記エンジンの格納
台後壁上端部にブラケツトによりそれぞれ車輌の
前後方向に回動自在に枢着し、前記シートクツシ
ヨンの下面前端にシート脚を回動自在に取付けて
床面上に係脱可能とし、一方、前記シートバツク
背面側端部に係止具を取付けて車体側壁に設けた
係止部材に係脱可能に構成したものである。

［実施例］ 以下、本考案に係わる乗降口用折りたたみ座席
の実施例を図面に従い説明する。第３図におい
て、Ｅは格納台後壁Eaと格納台上版Ebでエンジ
ンルームの一部を形成して運転席床面３より上方
に突出している格納台、Ｆは貨客室の床面、２は
運転席後部側方に配設された乗降口で、折りたた
み座席Ｓはシートバツク４側縁下端とシートクツ
シヨン５側縁後端とをそれぞれブラケツト７の回
動支点７１で車輌の前後方向に回動自在に枢着さ
れ、前記ブラケツト７を介して格納台後壁Eaに
設置されている。該シートクツシヨン５の下面前
端部にはジヨイント６１により回動自在に形成さ
れた略Ｕ字形のシート脚６が枢着されており、該
シート脚６の水平杆部に床面Ｆと係脱可能なロツ
ク装置８を有し、一方車体側壁Ｂに設けた係止部
材（図示せず）に嵌挿係合してシートバツク４を
所望の形態に固定する係止具９を該シートバツク
４の背面上方側端に取付けてある。前記係止具９
はシートバツク４の背面に沿つてばね作用を借り
るなどして手動で進退せしめる構造となつてい
る。（図示省略） この実施例において上記の如く構成したので、
必要に応じて折りたたみ座席Ｓの係止具９および
ロツク装置８を係脱し、シートバツク４およびシ
ートクツシヨン５をそれぞれ車輌の前後方向に回
動自在に、傾倒または起立させることにより、座
席の形態を多様に変化形成することができる。

次に、この考案の折りたたみ座席Ｓの実施例に
おける座席形態の変化例を第４図ないし第８図に
従つて説明する。

第４図は、通常の対面座席としての使用状態を
示すもので、車体側壁Ｂの係止部材に該シートバ
ツク４の背面側端部に設けた係止具９を係止して
シートバツク４をやや後傾（車輌進行方向に対し
ては前方側に）した状態に起立固定し、シートク
ツシヨン５をシート脚６に設けたロツク装置８を
床面Ｆに係止してシート脚６の水平杆部を床面Ｆ
に沿つて当接してシートクツシヨン５の座面をほ
ぼ水平に保持して使用する。

第５図は、簡易ベツドとして使用する場合の使
用形態を示すもので、第４図に示した対面座席と
しての使用状態から、シートバツク４に設けた係
止具９を車体側壁Ｂの係止部材から離脱させ、回
動支点７１を回転中心にしてシートバツク４を後
方に車輌進行方向に対して前方側に傾倒させれば
格納台上版Ebに当接してほぼ水平状態になる。
更に、運転席３に設置されているパセンジヤシー
トＰのシートバツクを前方にリクライニングさせ
れば、シートバツク４およびパセンジヤシートＰ
のシートバツク背面とはシートクツシヨン５の座
面と一連の略水平状態となり、前記パセンジヤシ
ートＰのヘツドレストＨを枕とした簡易ベツドを
形成することができる。

第６図は、折りたたみ座席Ｓのシートクツシヨ
ン５の座面面積よりも大きい荷物を載せるための
トレイとして使用する場合の使用形態を示すもの
で、シートバツク４をブラケツト７の回動支点７
１を中心としてシートクツシヨン５の表面に倒伏
して重ねて使用する。

第７図は、足先をゆつたり後部座席Ｒ方向に伸
ばしたい場合の使用形態を示すもので、ブラケツ
ト７の回動支点７１を中心に回動させてシートバ
ツク４を格納台上版Ebに当接しほぼ水平な座面
を形成し、シート脚６をジヨイント６１を回動支
点としてシートクツシヨン５の下面側に折り上げ
てシートクツシヨン５を格納台後壁Eaに倒立さ
せて簡易座席として使用する。

第８図は、折りたたみ座席Ｓを格納するためシ
ートバツク４とシートクツシヨン５を２枚重ねに
して格納台後壁Eaに沿つて倒立した場合に示す
もので、例えば第７図に示した簡易座席の位置か
らシートバツク４を回動支点７１を中心として車
輌後方に反転してはね上げ、更に回動させて先に
倒立しているシートクツシヨン５の表面に当接さ
せコンパクトな倒立状態に格納して乗降口の空間
拡大を計るものである。

［考案の効果］ 以上の如く、この考案の乗降口用折りたたみ座
席は、運転席の下側にエンジンを備え、該運転席
後方の側面に乗降口を設けたキヤブオーバ型自動
車において、前記乗降口付近に車輌進行方向と反
対向きに座席を設置し、該座席のシートバツクの
側縁下端およびシートクツシヨンの側縁後端を前
記エンジンの格納台後壁上端部にブラケツトによ
りそれぞれ車輌の前後方向に回動自在に枢着し、
前記シートクツシヨンの下面前端にシート脚を回
動自在に取付けて床面上に係脱可能とし、一方、
前記シートバツク背面側端部に係止具を取付けて
車体側壁に設けた係止部材に係脱可能とする構成
としたので、必要に応じて座席の形態を多様に変
化形成し、後部座席との対面を可能とすることは
もちろん、乗降口空間を極めて有効に利用でき、
操作が容易で使用上便利である等の種々の利点を
有し実用上の価値が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はワンボツクスカーの車内座席の配置を
示す側面図、第２図は第１図の車内座席の配置を
示す平面図、第３図は本考案の実施例の斜視図、
第４図ないし第８図は、折りたたみ座席の各使用
形態をしめす説明図である。 Ｂ……車体側壁、Ｅ……格納台、４……シート
バツク、５……シートクツシヨン、６……シート
脚、７……ブラケツト、８……ロツク装置、９…
…係止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転席の下側にエンジンを備え、該運転席後方
   の側面に乗降口を設けたキヤブオーバ型自動車に
   おいて、前記乗降口付近に車輌進行方向と反対向
   きに座席を設置し、該座席のシートバツクの側縁
   下端およびシートクツシヨンの側縁後端を前記エ
   ンジンの格納台後壁上端部にブラケツトによりそ
   れぞれ車輌の前後方向に回動自在に枢着し、前記
   シートクツシヨンの下面前端にシート脚を回動自
   在に取付けて床面上に係脱可能とし、一方、前記
   シートバツク背面側端部に係止具を取付けて車体
   側壁に設けた係止部材に係脱可能に構成したこと
   を特徴とする乗降口用折りたたみ座席。