JPH0864234A - 二次電池及びその製造方法 - Google Patents
二次電池及びその製造方法Info
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Abstract
て積層された電極群を有する二次電池において、正負の
電極を十分に加圧することにより、電池の内部インピー
ダンスを下げて充放電能の高い二次電池、さらには、安
全性が高く、リサイクルがしやすい二次電池およびその
製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 セパレータを介して配置された正極と負極と
からなる少なくとも1つの電極群が、固体電解質または
電解質溶液とともに電池ケースに収納された二次電池に
おいて、前記セパレータの融点未満で該二次電池の実使
用温度範囲外の所定温度(第1の温度)で形状が変化し
且つ前記実使用温度範囲でその形状を維持する部材を前
記電池ケース内に設け、該部材を前記第1の温度に加熱
または冷却することにより前記該電池ケース内の少なく
とも一部に圧力を加えるか、あるいは加えられた圧力を
解除することを特徴とする。
Description
ータを介して積層された電極群を電池ケースに挿入した
二次電池及びその製造方法に関する。
駆動の心臓部である電源つまり電池に対する高性能化の
要求が増々強くなってきている。更に、地球環境問題等
からもロードレベリング用、電気自動車用等の高エネル
ギー密度の二次電池の開発の要求が強くなってきてい
る。
イオンを層間化合物に導入したものを正極に、負極活性
物質にカーボンを用いたロッキングチェアー型リチウム
イオン二次電池の開発が活発に行われ、8mmビデオ、
携帯電話等一部実用化されつつある。一方、リチウムイ
オン二次電池は金属リチウム本来のエネルギー密度を有
していない欠点があるために、金属リチウムを負極活物
質に用いリチウム本来の特徴である高エネルギー密度を
達成することを目的としてリチウム二次電池も活発に検
討されている。
反応にリチウムイオンが介在するものをリチウム電池と
総称する)では、リチウムが水と反応するために非水溶
媒系の電解液が使用される。このために水溶液系の電解
液を使用するニッケル−カドミウム二次電池、鉛二次電
池と比べて電解液の電導度が低く電池の内部インピーダ
ンスが高くなるために、負極、正極間の距離を短くし電
池の内部インピーダンスを低減する必要がある。
極、正極間の距離を短くして電池の内部インピーダンス
を低減させる手法がとられている。具体的には、以下の
手法をとっている。即ち、セパレータを介して負極及び
正極を捲回した電極群構成(スパイラル型)の場合は、
捲回時に張力をかけながら捲回し負極及び正極間を加圧
した状態で電池ケースに挿入する。
うに、単層(図17(a))もしくは複数層(図17
(b))の電極構成がある。図17中、1701は負
極、1702は正極、1703はセパレータを示す。
は、図18に示すように、従来セパレータを介して負極
及び正極を積層した電極群構成の場合には外力で電極群
を対向方向に加圧しながら電池ケースに挿入していた。
図18中、1801は負極、1802は正極、1803
はセパレータ、1804は電池ケース、1805は電極
群に外部から圧力をかける手段である。つまり電極群を
電池ケースに挿入するときには、図18(a)に示すよ
うに電極群の一部を外力により圧力をかけたまま挿入し
た後、電極群への外部からの加圧を解除し(図18
(b))、この後に残りの部分を外力または振動により
押し込み(図18(c))、電池を作製していた。図1
8(a)の状態では、電極群の先端部は加圧が解除され
ており、図18(b)のプロセスを通過して作製される
図18(c)の電池では電極群が十分に加圧されている
とはいえない。
圧力をかけることができず、負極・正極間距離が長くな
るためインピーダンスが高く電池反応が起こりにくくな
って、電池内部でのエネルギー損失が大きくなる。その
結果、充放電容量が本来示すはずの値よりも小さくな
り、電池活物質の利用率が低くなるといった問題点を有
している。
気自動車用等の大容量タイプでは、電極面積を更に大き
くする必要がある。このため現在中心となっているスパ
イラル型のみならず負極及び正極をセパレータを介して
積層した電極群構成が考えられる。電極面積が大きくな
ると、相対向する電極を均等に加圧しインピーダンスを
極力下げることが電池性能を向上させる上で一層重要と
なり、このため有効な加圧手段が強く望まれている。
液として用いるため、内圧が上昇した場合には電池の破
裂のみならず発火の可能性もある。このため安全性には
細心の注意がなされ電池に安全弁が具備されているのが
一般的である。
等の部材の弾性を利用して内圧上昇時に内圧により前記
弾性体が押されることにより安全弁が開く構造となって
いる。つまり電解液の分解などがある程度進み、あるい
は発熱反応で電解液が気化して内圧が上昇した危険な状
態になってはじめて安全機能が働くのである。即ち、電
池内部の温度が上昇してある程度の時間が経過した後安
全弁が作動するのである。電池の大型化がなされれば、
事故が起きれば大事故につながる恐れがあり、このよう
な内圧で作動する安全弁の機構だけでは十分に安全であ
るとは言えない。そこで、圧力上昇以前に危険な状態を
検知し、作動する安全な機構が望まれている。
用する場合、電池ケース内に加圧され電池ケース内壁に
密着して納められた電極等の電池部材を電池ケースと切
断して取り出すのは容易でない。従って、電池ケースと
電池ケース内壁に密着した電池部材を容易に分離して回
収する手段が望まれている。
術の課題を解決し、負極及び正極がセパレータを介して
積層された電極群を有する二次電池において、正負の電
極を十分に加圧することにより、電池の内部インピーダ
ンスを下げて充放電能の高い二次電池を提供することを
第1の目的とするものである。更に本発明は、電池内部
温度に応じて作動する、より安全な手段を設けた二次電
池を提供することを第2の目的とする。更に本発明は、
リサイクルがしやすい二次電池を提供することを第3の
目的とする。さらに二次電池を簡単な工程で歩留まり良
く製造できる製造方法を提供することを第4の目的とす
る。
の技術の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結
果、以下に示す発明を完成した。
配置された正極と負極とからなる少なくとも1つの電極
群が、固体電解質または電解質溶液とともに電池ケース
に収納された二次電池において、前記セパレータの融点
未満で該二次電池の実使用温度範囲外の所定温度(第1
の温度)で形状が変化し且つ前記実使用温度範囲でその
形状を維持する部材を前記電池ケース内に設け、該部材
を前記第1の温度に加熱または冷却することにより前記
該電池ケース内の少なくとも一部に圧力を加えるか、あ
るいは加えられた圧力を解除することを特徴とする。
リチウムを含み、前記電解質溶液に非水系溶媒を用いた
ことを特徴とする。
及び正極集電体に固定され、さらにそれぞれの入出力端
子に接続されていることを特徴とする。
ス内に弾性体と、該弾性体の弾性力を押さえるためのス
トッパー手段とが設けられ、該ストッパー手段が前記部
材で構成されていることを特徴とする。
り、前記電極群の電極面に垂直方向に加圧すること、ま
たは/及び、前記電池ケースに具備された安全弁が作動
すること、または/及び、前記正極(または正極集電
体)と正極用入出力端子とが、あるいは/及び前記負極
(または負極集電体)と負極用入出力端子とが導通され
ることを特徴とする。
を有する材料から構成されるのが好ましく、特に形状記
憶合金材料から構成されるのが好ましい。あるいは、前
記部材は、前記第1の温度で体積膨張する材料から構成
されてもよく、前記体積膨張する材料は、気体を発生し
て体積膨張するのが好ましい。
材は、前記第1の温度で形状が変化した後に、前記実使
用温度範囲以外の第2の温度で再び形状が変化する材料
からなるのが好ましい。
状が変化した後に、前記実使用温度範囲以外の第2の温
度で再び形状が変化する材料からなり、前記第2の温度
での形状変化により、前記電極群の対向方向への圧力を
解除されること、あるいは、前記電池ケースに具備され
た安全弁の作動が停止されること、あるいは、前記第2
の温度での形状変化により、前記正極(または正極集電
体)と正極用電池入出力端子との導通が断路、あるいは
/及び前記負極(負極集電体)と負極用電池入出力端子
との導通が断路されることを特徴とする。
断路をさせる部材とは異なる部材を設けて安全弁を作動
させ、安全弁を作動させる温度を前記導通を断路させる
温度(第2の温度)より高くしたことを特徴とする。
第2の温度との間の形状変化が可逆的であることを特徴
とする。
加えるための加圧均等化手段を設けるのが好ましい。該
加圧均一化手段は、前記セパレータの融点未満の温度で
流動性を発現する材料で構成されており、且つ前記固体
電解質及び前記電解質溶液と反応しない、あるいは反応
しないように処理されたものが好ましい。特に、前記加
圧均等化手段は、前記電池ケース内で前記部材と前記電
極群との間に設けるのが好ましい。
タを介して配置された正極と負極とからなる少なくとも
1つの電極群が、固体電解質または電解質溶液とともに
電池ケースに収納された二次電池の製造方法であって、
前記電池ケースに、少なくとも前記電極群と前記セパレ
ータの融点未満で該二次電池の実使用温度範囲外の温度
(第1の温度)で形状が変化し前記実使用温度範囲でそ
の形状を維持する部材とを収納した後、収納時の温度と
は異なる前記第1の温度に加熱または冷却する工程を含
むことを特徴とする。
均等化手段を配する工程を含むことを特徴とする。
する負極を用い、且つ前記電解質溶液に非水系電解質溶
液を用いて、十分に水分を取り除いた雰囲気で製造する
のが好ましい。
された正極と負極とからなる少なくとも1つの電極群
が、固体電解質または電解質溶液とともに電池ケースに
収納され、さらに前記セパレータの融点未満で該二次電
池の実使用温度範囲外の温度(第1の温度)で形状が変
化し且つ前記実使用温度範囲でその形状を維持する部材
(例えば形状記憶合金)を前記電池ケース内に設けたも
のであり、所定の温度に(第1の温度)に加熱または冷
却することにより前記部材に形状変化を起こさせること
ができる。従って、前記部材を所定の温度とすることに
より、前記部材は形状変化して、例えば前記電極群を電
極面の垂直方向に圧縮することができ、これにより電池
の内部インピーダンスを低減し、充放電能の優れた二次
電池を得ることができる。
て、前記第1の温度のみならず第2の温度でも形状が変
化する材料を用いることにより、例えば、第1の温度で
圧力が加わる形状に変化し、第2の温度ではこの圧力が
解除される形状に変化する材料を用いた場合、第2の温
度とすることで電極群の圧力が解除されるため電池回収
時に電極群の取り出しが極めて容易になる。
材料を加圧均等化手段として用いることにより、例えば
電極表面に凹凸があっても該材料が凹凸部を埋め、前記
形状が温度で変化する部材による圧力がより均一にかか
るようになる。従って、電池の大型(面積)化を容易に
達成することができる。
より詳細に説明する。
いる形状が温度で変化する部材としては、セパレータの
融点未満の所定温度(第1の温度)を通過させることに
より形状が変化しその後実用的な電池使用温度範囲でそ
の形状を維持する部材を用いる必要がある。実使用温度
範囲で変化以前の形状に戻る部材では、恒久的な機能が
維持できなくなるからでである。
ち寒冷地(−30℃)から日中閉め切った自動車車内
(80℃)までの温度範囲で使用可能とするには、この
温度範囲で形状が変化した状態が維持できる部材を用い
る必要があるが、使用場所の温度範囲が限定される場合
にはその実使用温度範囲に適した部材を用いれば良いこ
とは言うまでもない。
ータの融点未満の温度で形状が変化する部材を選択する
必要がある。何故ならば、セパレータの融点よりも高い
温度でなければ形状が変化しない場合には、目的とする
機能を発現する以前にセパレータが溶解してしまい、負
極、正極間の活物質の移動を阻害し電池の内部インピー
ダンスが著しく増大し本発明の効果が十分に発揮されな
いためである。
で変化する部材を用いることにより、例えば次に示す機
能を付加することができる。即ち、第1に、電池内の電
極群を電極の対向面と垂直方向に加圧する機能;第2
に、電池入出力端子と電極とを導通させる機能;第3
に、電池内部温度に応じて電池入出力端子と電極とを断
路し電流を遮断して更なる電池内部温度上昇を未然に防
止する機能;第4に、電池ケースに具備された安全弁の
作動を電池内部温度によって制御する機能;第5に、電
池解体時に電池ケース内の電極等の部材を取り出しやす
くしリサイクルをより容易にする機能等である。
る部材の上記機能を詳述する。
材が電池ケース内の電極群を電極面の垂直方向に加圧す
るメカニズムを説明する。
材が電池ケース内の電極群を電極面の垂直方向に加圧で
きる理由を説明するための電池概略断面図である。図1
中、101は負極、102は正極、103はセパレー
タ、104は電池ケース、105は形状が温度で変化す
る部材、106は絶縁体を示している。
示すように、電極群は、負極及び正極がセパレータを介
して対向した状態で、所望の温度で形状が温度で変化す
る部材と共に電池ケース内に挿入されている。この状態
では上記形状が温度で変化する部材は形状変化する前の
状態である。この状態(つまり電極群と形状が温度で変
化する部材が電池ケースに挿入された状態)で形状が変
化する温度(第1の温度)以上に加熱すると、図1
(b)に示すように部材105の形状が変化することに
より電極群の占める体積が減少する。この結果電極群が
電池ケース内で電極面の垂直方向に十分加圧されること
になる。
して、形状変化を可逆的に起こす材料を使用することに
よって、電池実使用温度範囲外の温度(第2の温度)で
再び形状変化を起こさせ、加圧を解くことができる。こ
れにより、電池解体時に電池ケース内から電極群を抜き
易くする機能も付与できる。
断路 第1の温度で形状が変化する部材が、正極の電池入出力
端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力
端子と電池内部の負極を導通させる機能に関して説明す
る。
部材により、電極群の加圧手段のみならず電池入出力端
子と電極とを導通させることが可能となる。つまり加圧
することにより電極取り出し(電池入出力端子)と電池
内部の電極を導通させることが可能となるのである。
勿論本発明は以下の例に限定されるものではない。図2
は、形状が温度で変化する部材が正極の電池入出力端子
と電池内部の負極及び負極の電池入出力端子と電池内部
の負極を導通させる手段に用いる時の電池構成を説明す
るための電池断面概略図である。図2中、201は負
極、202は正極、203はセパレータ、204は電池
ケース、205は形状が温度で変化する部材、206は
電池入出力端子、207は電極取り出し用タブ、208
は絶縁体を示す。
の電池入出力端子と電池内部の正極及び負極の電池入力
端子と電池内部の負極の導通をとる場合には、例えば図
2(a)に示す構成がある。図2(a)において加圧さ
れて導通をとる部分(円で囲った部分)の加圧前後の拡
大図を図2(b)、(c)にそれぞれ示す。
おり、電池内部の電極取り出し用タブ207と対応する
電池入出力端子206に空間が存在し導通が断路されて
いる状態である。図2(c)に示すように熱処理により
形状が温度で変化する部材205の形状が変化した後の
状態では、部材205の形状変化により電池入出力端子
と対応する電極取り出し用タブが加圧され、電池内部の
電極と対応する電池入出力端子の導通が十分にとれてい
る状態となる。
方向に加圧されるのと同様に電池内部の電極と対応する
電極取り出し用タブも接触部分が十分に加圧されており
十分な集電性を有することになる。
部の電極または取り出し用タブ207、加圧手段の接触
部分に金、銀、インジウム、半田等の柔らかい導電体を
コーティングし電気的接触を良好にすることが好まし
い。
に半田付け、スポット溶接等の手段を用いることなく正
極の電池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び負
極の電池入出力端子と電池内部の負極の導通をとること
が可能となるのである。
示すように、一方の電極の電池入出力端子を電池ケース
が兼ねる場合にも有効である。図3(a)は、形状が温
度で変化する部材205に例えば形状記憶合金のような
電子電導性を有する材料を用い、電極取り出しタブは用
いず、電池内部の電極群が電極面の垂直方向に加圧され
ると同時に電池ケース内面にも加圧される(図3(a)
中の矢印方向)ことを利用し、電池入出力端子(電池ケ
ース)206と一方の電極の導通をとる場合を示してい
る。また、図4(a)は電極取り出しタブ207を用い
て電池内部の一方の電極と電池入出力端子(電池ケー
ス)206の導通をとる場合を示している。この時、他
方の電極は電池ケースと絶縁させる必要がある。
部分(円で囲んだ部分)の拡大図を示す。図3(b)、
4(b)は加圧前、図3(c)、4(c)は加圧後の状
態を示す図である。加圧前を示す図3(b)、4(b)
は、図2(b)と同様に加圧前は電池入出力端子と形状
が温度で変化する部材または電極取り出し用タブに空間
が存在し導通が断路された状態であり、加圧後を示す図
3(c)、4(c)は、図2(c)と同様に形状が温度
で変化する部材の形状が変化し、電池入出力端子と形状
が温度で変化する部材または電極取り出し用タブが加圧
接触し十分に導通がとれた状態となっている。つまり本
発明は一方の電極の電池入出力端子を電池ケースが兼ね
る場合にも有効である。
正極の電池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び
負極の電池入出力端子と電池内部の負極の導通をとるこ
とは、従来のようにスポット溶接、半田付け等の手段を
用いる必要がないため製造プロセスを簡略化するのみな
らず、加圧接触のみで電池入出力端子に接続されている
ために電池解体時に電極群を電池ケースから取り出し易
くなるという効果もある。
外(例えば高温側)で再び起こさせ加圧を解くことによ
り正極の電池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及
び負極の電池入出力端子と電池内部の電極の間に空間を
生じさせ(図2(b)、3(b)、4(b))、導通を
断路させ電流を流れにくくし更なる温度上昇を防止する
機能も付与できる。
が第2の温度以上に高くなると、電解液の分解により電
池内圧が高まる前に電池の使用(充電、放電)をできな
くする。従って、電解液の加熱分解あるいは発火といっ
た事故を未然に防ぐことができ、安全性がより高められ
る。
材を用いた場合には、温度が下がった時点で、電極、電
池入出力端子及び取り出し用タブとの接触部に加圧がか
かり再び導通がとれ、もとの正常な状態に自動的に復帰
する機能も付与することができる。
弁の作動を制御する機能に関して説明する。
弁の作動を制御することも可能となる。つまり電池内部
温度に応じて安全弁を作動することが可能となり、電池
内圧が上昇して危険な状態に達する以前に安全弁が作動
するためにより一層安全性の高いリチウム二次電池を提
供することが可能となる。
5、6は所望の温度で安全弁が作動する原理を説明する
ための電池概略断面図である。図において、501は負
極、502は正極、503はセパレータ、504は電池
ケース、505は例えばスプリング、ゴム等の弾性体、
506は封口板、507は安全弁、508は形状が温度
で変化する部材、509はガス抜き口、510は形状が
温度で変化する部材で構成され、通常弾性体511のス
トッパーとして機能するが、所定の温度でストッパーと
しての機能を解除することができる部材である。
(b)、(c)、(d)に示し、これらを用いて安全弁
の動作原理を説明する。図5(b)は安全弁が閉じた状
態、図5(c)、(d)は安全弁が開いた状態である。
従来の安全弁は通常(密閉した状態)では図5(b)に
示すように閉じた状態になっている。電池内圧が上昇す
ると、弾性体505が封口板506を押さえ電池を密閉
している力に打ち勝ち、図5(c)に示すように弾性体
505を収縮させ封口板506と安全弁の間に空間を生
じさせるためにガスがガス抜き口509から抜け更なる
電池内圧の上昇が防止されるのである。一方、本発明に
おいては、形状が温度で変化する部材508が図5
(d)に示すように温度に応じて形状変化し、弾性体5
05が封口板506を押さえる力に打ち勝って安全弁を
作動させることも可能とする。つまり本発明において
は、電池内圧のみならず電池内温度に応じても安全弁の
作動を制御することが可能となり、電池内温度の異常な
上昇による電解液の加熱分解あるいは発火といった事故
を未然に防ぐ効果があり、より安全性が高められる。
する部材を用いて、安全弁の作動を制御する機能と、前
述の形状変化を電池実使用範囲外(高温側)で再び起こ
させ加圧を解くことにより正極の電池入出力端子と電池
内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池
内部の負極の導通を断路させ電流を流れにくくし更なる
温度上昇を防止する機能と、を同一電池内に付与するこ
とは、勿論可能である。この場合は導通を断路させる機
能を発現する温度を安全弁が作動する機能を発現する温
度より低く設定することが望ましい。何故ならば、安全
弁が機能するということは、密閉されていた電池が大気
に開放されるために、大気中の水分が電池内部に混入し
悪影響を及ぼすからである。つまり安全弁が作動する以
前(電池の密閉を維持したまま)、即ち大気中の水分が
混入することなく電池の安全性を確保したほうが、前述
のごとく電池内部温度が低下した時点で自動的に復帰す
る機能を付与し、再び使用することをも可能にすること
もできるためである。
を制御する機能を有する部材として、電池ケース内の電
極群を電極面の垂直方向に加圧する手段を構成する部材
と異なる部材を用いても構わない。
る安全弁として、例えば図6(a)に示すように、解除
可能なストッパー手段510を具備した弾性体511を
用いることも可能である。この安全弁の動作原理を図6
(b)、(c)を用いて説明する。図6(a)は安全弁
が閉じた状態、図6(b)、6(c)は安全弁が開いた
状態である。従来の安全弁は通常(密閉した状態)で
は、図6(a)に示すように閉じた状態になっている。
電池内圧が上昇すると、弾性体505が封口板506を
押さえ電池を密閉している力に打ち勝ち、図6(b)に
示すように弾性体505を収縮させ封口板506と安全
弁507の間に空間を生じさせるためにガスがガス抜き
口509から抜け、更なる電池内圧の上昇が防止され
る。一方、本発明においては、更に温度に応じて形状が
温度で変化する部材をストッパー510として具備した
弾性体511を図6(c)に示すように配置し、ストッ
パーを解除することにより弾性体511の弾性力が弾性
体505の封口板506を押さえる力に打ち勝ち、前述
の形状が温度で変化する部材を用いて安全弁を作動する
ことと同様に安全弁の作動を制御することも可能とな
る。なお、弾性体511の弾性力は、弾性体505の値
よりも大きいものとする。
状が温度で変化する部材に関して具体的に説明する。本
発明の所望の温度で形状が変化する部材としては、形状
記憶能を有する材料からなる部材、加熱により分解し気
体を発生し膨張しもとに戻らない材料からなる部材、解
除可能なストッパー機能を有する弾性体部材が挙げられ
る。以下に前述の機能と合わせて個々に説明する。
る部材として用いる形状記憶能を有する部材としては、
形状記憶合金、形状記憶樹脂が挙げられる。形状記憶材
料とは所定の温度で予め記憶した形状に回復する材料で
あり、形状記憶合金を例にとって説明する。
マルテンサイト変態に基づくものであり、以下のメカニ
ズムにより形状記憶能を発現するものである。高温相
(母相)にある合金を降温時の変態完了温度以下に冷却
するとマルテンサイト低温相になる。この変態はせん断
(双晶変形)を伴うために周囲に大きな弾性ひずみを与
える。そしてこのひずみを緩和するためにせん断ひずみ
を相互に打ち消す兄弟相が組になって出現する。したが
ってマクロ的な外形変化は生じない。即ち、双晶変形に
よって変形が進行し負荷応力に対して最も大きなひずみ
をもたらす対応兄弟晶になるまで変形する。
了温度以上にすると各対応兄弟晶からそれぞれの母相と
の格子対応関係に従い、変形前と全く同じ方位の母相が
生成する。つまりマルテンサイト低温相で負荷応力によ
り変形されていても母相の形状を記憶していることにな
る。即ち、形状記憶合金は降温時の変態完了温度以下で
変形しても母相の形状を記憶しているために昇温時の変
態完了温度以上に加熱すればもとの形状を回復する。
少なくとも昇温時の変態完了温度が用いるセパレータの
融点未満である必要がある。また可逆性を有する形状記
憶合金を用いる場合には降温時の変態開始温度が電池実
使用温度下限(例えば−30℃)以下である必要があ
る。
にならなければ形状を回復しない場合には、前記部材が
形状を回復して目的とする効果を発揮する以前にセパレ
ータが溶解してしまい、負極、正極間の活物質の移動を
阻害し電池の内部インピーダンスが著しく増大し本発明
の効果が十分に発揮されなくなるからである。また可逆
性を有する形状変化をする場合には、電池実使用温度範
囲内で再び形状が変化してしまうと恒久的な機能が実現
しないためである。
えばTi−Ni(原子比1:1),Ti−Ni(原子比
49:51),Cu−Al−Ni(質量比81.7:1
4.1:4.2),Ti−Ni−Cu(原子比5:4:
1),Cu−Zn−Al(質量比68:27.5:4.
5)等が挙げられる。勿論これらに限定されるものでは
ない。以上の合金の降温時の変態開始温度はそれぞれ6
0℃、−30℃、2.5℃、50℃、−105℃であ
る。また昇温時の変態完了温度はいずれも100℃以下
であり、例えば、セパレータとして好適に用いられるポ
リプロピレンの融点(120〜160℃)未満の温度以
下で、且つフィルム状ポリプロピレンが熱収縮する温度
(約120℃で収縮)以下で形状回復が完了するので本
発明の目的にかなっている。
性の両者が存在するが、本発明の目的を達成するには、
不可逆性のみならず可逆性の形状回復性を有する形状記
憶合金でも降温時の変態開始温度が電池実使用温度(最
適には−30℃)以下であれば、電池実使用時に形状が
回復し電極間に加圧がかかる形状を維持しているので十
分に使用可能である。
逆性、不可逆性はマルテンサイト相で変形、加工した時
点の熱処理で制御することができる。マルテンサイト相
で変形、加工したままであれば不可逆性の形状変化を示
す。しかしマルテンサイト相で変化、加工した状態を外
力をかけて拘束したまま昇温時の変態完了温度以上に加
熱すれば母相の形状のみならず一部ではあってもマルテ
ンサイト相での形状をも記憶させることが可能となり可
逆性の形状変化を示す。
面の垂直方向に加圧する機能の動作原理は前述の形状が
温度で変化する部材の原理で述べた通りである。形状記
憶能を有する部材を電極群を加圧する手段に用いる一例
を以下に示す。
の変態開始温度が60℃であり、電池実使用温度の下限
(−30℃)以上であるために、可逆性を有していると
温度によっては負極及び正極間にかかった加圧がかから
なくなるために不可逆性であることが必要である。従っ
て、この合金を用いる場合には、例えば以下の手順に従
い加圧手段を作製すれば良い。Ti−Ni(原子比1:
1)合金を降温時の変態完了温度である52℃以下に冷
却してマルテンサイト変態を生じさせた後に、プレス加
工等で収縮させ電極群と共に電池ケースに収納する。そ
の後に昇温時の変態完了温度である77℃以上に加熱す
れば母相の形状へと回復し膨張する。つまり電池内部か
ら加圧がかかる形状に変化し電極に所望の加圧がかか
る。この後に温度が77℃以下に下がったとしても形状
変化が不可逆的であるために加圧がかかる形状を維持し
ているために本発明の目的である電池ケース内部からの
電極の加圧はかかったままである。
復を加圧手段として用いる場合には、例えば形状記憶合
金板に例えば形状を回復した状態で電池内部の電極群を
電極面の垂直方向に加圧する形状を予め記憶させた後、
電池ケースに収納しやすい様に例えばプレス加工し積層
した電極群と共に収納し、その後、記憶した形状へと回
復する温度(昇温時の変態完了温度)以上で且つセパレ
ータの融点未満の温度で熱処理し予め記憶した形状へと
回復させれば良い。
する部材自身を電池ケースに用いることも可能である。
例えばTi−Ni(原子比49:51)の合金を用いて
電池ケースを作製し降温時の変態完了温度以下に例えば
液体窒素で冷却し、外力で電池ケースを広げ室温にもど
る前に速やかに電極群を挿入すれば、電極群は電池ケー
スの形状が回復することにより加圧がかかった状態とな
る。
上記部材が記憶した形状へと回復する際に電極群に局所
的に圧力がかかる恐れのある場合には、少なくとも上記
部材と前記積層された電極群の間に例えば、ステンレス
板、チタン板等の剛性強度の強い部材を配置しある程度
圧力を分散することも有効である。
導通及び断路 形状記憶能を有する部材が正極の電池入出力端子と電池
内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池
内部の負極を導通及び断路する機能の動作原理は前述の
形状が温度で変化する部材の原理で示した通りである。
即ち、形状記憶能を有する部材を正極の電池入出力端子
と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力端子
と電池内部の負極を導通する手段に用いる場合には、形
状記憶能を有する部材を図2で示した形状が温度で変化
する部材として配置すれば良い。つまり形状記憶能を有
する部材を電極群を加圧する手段に用いる場合と同様
に、加圧することにより正極の入出力端子と電池内部の
正極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池内部の
負極の導通のとれる形状を予め記憶させておけば良いの
である。
入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池
入出力端子と電池内部の負極の導通をとる場合に、セパ
レータが溶融する温度未満(ポリプロピレンのセパレー
タを用いる場合例えば120℃程度)で電池入出力端子
と電池内部の電極または電極取り出し用タブとの接触部
の加圧を解除し、正極の電池入出力端子と電池内部の正
極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池内部の負
極の導通を断路できるよう設定した二方向性の形状記憶
合金を用いることによって、電池の発熱事故において電
解液が分解しガスが発生し電池内圧が高まり安全弁が作
動する前に、正極の電池入出力端子と電池内部の正極あ
るいは/及び負極の電池入出力端子と電池内部の負極を
断路(導通経路を遮断)することも可能になる。これに
より、より安全性の高い二次電池を提供できる。
性を有しており、電池ケースが一方の入出力端子を兼ね
てタブを用いずに電池内壁と電池ケース内の電極との間
で導通をとる場合にはより適した材料である。従って前
述したように電極を加圧する機能を有する部材を利用し
て正極の電池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及
び負極の電池入出力端子と電池内部の負極を加圧接触し
て導通をすることも可能である。
をとる場合には、電池入出力端子と加圧手段を構成する
形状記憶合金と負極または正極の集電体の互いに接触す
る部位に金、銀、インジウム、スズ、半田等の柔らかい
良導体をコーティングして接触抵抗を低減させることが
好ましい。
の作動を制御する機能の動作原理は前述の形状が温度で
変化する部材の原理と全く同様である。即ち形状記憶能
を有する部材を電池内の温度に応じて安全弁の作動を制
御する手段に用いる場合には、形状記憶能を有する部材
を図5の形状が温度で変化する部材として配置すれば良
い。つまり形状記憶能を有する部材を電極群を加圧する
手段に用いる場合と同様に、予め電池内部の温度に応じ
て安全弁の動作を制御する形状を記憶させておけば良い
のである。ただしこの時に電池内部の電極群を電極面の
垂直方向に加圧するための形状変化と同じ温度で安全弁
を作動させず更に高い温度(例えば120℃)で安全弁
を作動させるために工夫が必要である。例えば、電極群
を電極面の垂直方向に加圧する手段に用いる形状記憶部
材とは異なる更に高い温度で形状を回復する部材を安全
弁の作動を制御する手段に用い、安全弁の作動を制御す
る部分にのみ二方向性の形状変化を記憶させる等すれば
よい。つまり形状記憶能を有する部材を安全弁の作動を
制御する部材に用いることにより電池内圧のみならず電
池内の温度に応じても安全弁を作動することが可能なよ
り安全性の高い二次電池を提供することが可能となるの
である。
用下限温度(例えば−30℃)以下で降温時の変態開始
温度を有する合金例えばTi−Ni(原子比49:5
1)を用い形状変化に可逆性をもたせた場合には、電極
群の加圧のみならず前述のように使用後の二次電池を回
収し電極群を取り出す際にも効果がある。
合金の低温側での形状を電極群を取り出し易い形状、例
えば収縮する形状を記憶させておけば、解体時に降温時
の変態開始温度以下、望ましくは降温時の変態完了温度
以下に冷却すれば加圧手段の形状が収縮し電極群を取り
出し易くなる。
段に用いる所望の温度で形状が変化する部材として、所
定温度で不可逆に体積膨張を起こす材料も使用できる。
具体例としては加熱により気体を発生し膨張しもとに戻
らない部材が挙げられる。
の後温度によらず形状を維持する部材はセパレータの融
点未満の温度で気体を発生する必要がある。何故なら
ば、セパレータの融点以上の温度にならなければ気体を
発生しない場合には、本発明の効果を発揮する以前にセ
パレータが溶解してしまい負極、正極間の活物質の移動
を阻害し電池の内部インピーダンスが著しく増大し本発
明の効果が十分に発揮されないためである。
融点未満の温度で気体を発生し膨張しもとに戻らない部
材には、例えば、セパレータの融点未満の所定の温度で
気体を発生する物質を発泡材として樹脂に分散させ成形
したものを用いる。あるいはセパレータの融点未満の所
定の温度で気体を発生する物質を風船状になる材料中に
封入して用いることができる。
を発生する物質の例としては、炭酸水素アンモニウム、
炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモ
ニウム、水素化ホウ素ナトリウム等の無機発泡体及びア
ゾビスイソブチロニトリル、5−モルホリル−1,2,
3,4−チアトリアゾール、各種水素吸蔵合金が挙げら
れる。上記物質の加熱により気体を発生する温度はいず
れも115℃以下であり、一般的にリチウム二次電池用
セパレータに用いられるポリプロピレン、ポリエチレン
等のポリオレフィン材料の融点未満である。また上記加
熱し気体を発生させる材料を発泡材として分散させる樹
脂としては、電解液と反応しないポリオレフィン、フッ
素樹脂、シリコン樹脂、高度に架橋したウレタン、エポ
キシ等の樹脂を用いることができる。この時、熱伝導性
を高める目的で熱伝導の高い少量の金属粉を添加するの
が好ましく、これにより気体がより発生しやすくなる。
また上記気体を発生する物質を封入する風船状になる伸
縮材料としては、各種ゴム材、あるいはチタン−アルミ
ニウム合金のような超塑性金属材料を用いることができ
る。
ロピレン、ポリエチレン等に限定されるものではなく、
用いるセパレータによりその融点未満の温度で気体を発
生し膨張する材料を適宜選択すれば良い。
池内部の電極群を電極面の垂直方向に加圧する機能の動
作原理は前述の形状が温度で変化する部材の原理と全く
同様である。つまり、図1の形状が温度で変化する部材
として加熱により気体を発生し膨張しもとに戻らない部
材を配置すれば良い。この時以下の点で工夫を要する。
に戻らない部材を電極群と共に電池ケース内に挿入した
後、加熱によりセパレータの融点未満の温度で気体を発
生させ膨張させることにより、前記電極群を対向方向に
加圧することができる。この時、二酸化炭素、水等の気
体が発生するため密閉型電池を作製するためには、加熱
分解し気体を発生させた後密閉化を施す、もしくは気体
が抜けた後元にもどるガス抜き弁を具備する等の工夫が
必要である。また電解液は加圧手段が膨張し電極群が加
圧された後に注入することが望ましい。
で、加熱により分解し気体を発生する部材が気体を発生
する時に水が発生する場合には、気体発生後例えば減圧
下で熱処理し十分に脱水処理をした後にセルに電解液を
注入した方が、水による悪影響を排除することが可能と
なるのでより好ましい。
内の空き空間に逃れ、目的とする加圧の得られないこと
を防止する目的で加熱時に発生する気体が透過できる多
孔質セラミクス等の隔壁を設けて加熱することも有効で
ある。
導通 以上の部材を用いた場合でも先の形状記憶能を有する部
材を用いた場合と同様に正極の電池入出力端子と電池内
部の正極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池内
部の負極とを導通させることも可能である。
様、目的とする部位に加熱により気体を発生し膨張しも
とに戻らない部材を配置すれば、加熱により気体を発生
し膨張することにより十分な加圧接触が可能となり、正
極の電池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び負
極の電池入出力端子と電池内部の負極を導通することが
できる。
池内の温度に応じて安全弁の作動を制御する機能の動作
原理は前述の形状が温度で変化する部材の原理と全く同
様である。即ち加熱により気体を発生し膨張しもとに戻
らない部材を電池内の温度に応じて安全弁の作動を制御
する手段に用いる場合には、加熱により気体を発生しも
とに戻らない部材を前述の図5中の形状が温度で変化す
る部材として配置すれば良い。つまり形状記憶能を有す
る部材を安全弁の作動を制御する手段に用いる場合と同
様に配置すれば良い。ただしこの時に電池内部の電極群
を電極面の垂直方向に加圧するための形状変化と同じ温
度で安全弁を作動させず更に高い温度(例えば120
℃)で安全弁を作動させるために工夫が必要である。例
えば、電極群を電極面の垂直方向に加圧する手段に用い
る加熱により気体を発生し膨張しもとに戻らない材料と
は異なる更に高い温度で気体を発生する材料を安全弁の
作動を制御する手段に用いる等が挙げられる。
に戻らない部材を安全弁の作動を制御する部材に用いる
ことにより電池内圧のみならず電池内の温度に応じても
安全弁を作動することが可能なより安全性の高いリチウ
ム二次電池を提供することが可能となるのである。
圧手段は、例えば形状が温度で変化する部材からなるス
トッパーと弾性体とで構成することができる。
線、ピアノ線、バネ鋼鋼材等の金属材料及び窒化珪素等
のセラミクス材料から形成された一般的なコイル状バ
ネ、板バネ等従来公知の弾性体が使用可能である。また
その部材は、電池構成物特に電解質溶液と反応しないも
のが望ましいが、仮に電解質溶液と反応してしまう材料
であっても電解質溶液に対して安定な樹脂(例えばフッ
素樹脂等)でコーティングし電解質溶液に対しての耐性
を付与してやればよい。
ストッパー機能を解除できるものが用いられ、溶融、変
形する形状記憶高分子も含めた有機高分子材や低融点金
属、形状記憶合金等が挙げられる。例えば、形状記憶能
を有する部材を用いる場合には、加熱処理により形状を
回復してストッパーを解除する形状を記憶させれば良
い。即ち、形状回復前にストッパーとして機能し、形状
回復後にその機能を消失する形状となれば良い。
備した弾性体の機能について以下に説明する。
定の温度でストッパーを解除することにより電極群を加
圧する例を説明する。
した弾性体を用いた場合に電池ケース内の電極群が加圧
されるメカニズムを説明するための電池断面概略図であ
る。図7中、701は負極、702は正極、703はセ
パレータ、704は電池ケースである。705は弾性
体、706は形状が温度で変化する部材からなるストッ
パーであり、弾性体705とストッパー706で加圧手
段が構成される。707は絶縁体を示す。
態の電池の概略断面図であり、電極群は負極及び正極が
セパレータを介して対向した状態で、解除可能なストッ
パー手段を具備した弾性体(加圧手段)と共に電池ケー
ス内に挿入されている。図7(b)はストッパーを解除
した後の状態の電池の概略断面図であり、電極群と加圧
手段を電池ケースに挿入した状態で、ストッパー706
が解除する温度を通過させストッパーを解除し、弾性体
705により電極群の占める体積を減少させ電極群(正
負極)を加圧させたものである。
を用いる場合には、前述のように加圧手段として形状記
憶部材を用いる場合と同様の材料及び作製方法を用いれ
ば良い。
ーが解除された際に電極群に局所的に圧力がかかる恐れ
のある場合には、少なくとも弾性体と前記積層された電
極群の間に例えばステンレス板、チタン板等の剛性強度
の強い部材を配置し、ある程度圧力を分散すれば良い。
導通及び断路 解除可能なストッパー手段を具備した弾性体が正極の電
池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電
池入出力端子と電池内部の負極を導通及び断路する機能
の動作原理は前述の形状が温度で変化する部材の原理と
全く同様である。即ち解除可能なストッパー手段を具備
した弾性体を正極の電池入出力端子と電池内部の正極あ
るいは/及び負極の電池入出力端子と電池内部の負極を
導通する手段に用いる場合には、解除可能なストッパー
手段を具備された弾性体を図2の形状が温度で変化する
部材として配置すれば良い。つまり解除可能なストッパ
ー手段を具備した弾性体を電極群を加圧する手段に用い
る場合と同様に、ストッパーを解除することにより正極
の入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電
池入出力端子と電池内部の負極の導通のとれる形状へと
変化させれば良いのである。
弾性体のストッパーに形状記憶能有する部材を用いて、
正極の電池入出力端子と電池内部の正極あるいは/及び
負極の電池入出力端子と電池内部の負極の導通をとる場
合に、セパレータの溶融する温度未満(ポリプロピレン
のセパレータを用いる場合例えば120℃程度)で電池
入出力端子と電池内部の電極または電極取り出し用タブ
との接触部の加圧を解除し正極の電池入出力端子と電池
内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池
内部の負極の導通を断路できるように設定した二方向性
の形状記憶合金をストッパーとして用いることによって
温度に応じて正極の電池入出力端子と電池内部の正極あ
るいは/及び負極の電池入出力端子と電池内部の負極の
導通を断路することも可能となり、電池の発熱事故にお
いて電解液が分解しガスが発生し電池内圧が高まり安全
弁が作動する前に、正極の電池入出力端子と電池内部の
正極あるいは/及び負極の電池入出力端子と電池内部の
負極を断路(導通経路を遮断)することも可能になる。
これにより、より安全性の高い二次電池を提供できる。
温度に応じて安全弁の作動を制御する機能の動作原理は
前述の形状が温度で変化する部材の原理と全く同様であ
る。即ち解除可能なストッパー手段を具備した弾性体を
電池内の温度に応じて安全弁の作動を制御する手段に用
いる場合には、解除可能なストッパー手段を具備された
弾性体を例えば図6(a)のように配置すれば良い。
面の垂直方向に加圧するための形状変化と同じ温度でス
トッパーを解除し安全弁を作動させず更に高い温度(例
えば120℃)でストッパーを解除し安全弁を作動させ
るために工夫が必要である。例えば、電極群を電極面の
垂直方向に加圧する手段に用いるストッパーが解除され
る温度とは異なる更に高い温度で解除されるストッパー
を安全弁の作動を制御する手段に用いる等が挙げられ
る。
た弾性体部材を安全弁の作動を制御する部材に用いるこ
とにより電池内圧のみならず電池内の温度に応じても安
全弁を作動することが可能なより安全性の高い二次電池
を提供することが可能となるのである。
度(例えば−30℃)以下で降温時の変態開始温度を有
する合金例えばTi−Ni(原子比49:51)を用い
形状変化に可逆性を持たせた場合には、電極群の加圧の
みならず前述のように使用後の二次電池を回収し電極群
を取り出す際にも効果がある。
合金の低温側での形状を電極群を取り出し易い形状、例
えば膨張し電極群への加圧を解除する形状を記憶させて
おけば、解体時に降温時の変態開始温度以下望ましく
は、降温時の変態完了温度以下に冷却すればストッパー
の形状が膨張し電極群の加圧が解除され電極群を取り出
し易くなる効果があるのである。
圧手段の配置場所に関して図8を用いて説明する。図8
は本発明における加圧手段の配置場所を示すための電池
の概略断面図である。図8中、801は負極、802は
正極、803はセパレータ、804は電池ケース、80
5は加圧手段を構成する部材を示している。本発明にお
いて加圧手段は図8(a)に示すように電極群と電池ケ
ース内壁の間、図8(b)に示すように電極群の間、図
8(c)に示すように電池ケースの中心部、また図8
(d)にしめすように電池ケース自身が加圧手段を構成
していても構わない。
極群(正負極)が電極の面の垂直方向に加圧可能な場所
に配置すればよいのである。具体的には加圧手段を電池
ケースと電極間に設けてあるか、もしくは、加圧手段と
電池ケース内壁間に電極が設けてあるか、もしくは、電
池ケース自身が加圧手段を兼ねていれば良い。
上記部材を1箇所のみならず複数箇所、例えば積層され
た電極群の各最外部と電池ケースの間の2箇所に配置す
ることが加圧力増大の観点からはより効果的である。
構成する部材として用いるので当然十分な脱水処理が必
要となるが、本発明においてこの脱水処理は勿論前記形
状が温度変化する部材の形状が変化する以前に行うこと
が望ましい。何故ならば、通常脱水処理は例えば減圧化
で熱処理を施し実施するわけであるが、この時(加圧手
段を電池ケースに収納または挿入する前)に記憶した形
状が変化してしまっては、本発明の効果を発揮できない
ためである。
段に加えて加圧均等化手段を具備することにより前記加
圧手段によってかかった圧力の更なる均等化を図るもの
である。
圧均等化手段を有することを更なる特徴とするものであ
る。電極間の加圧が均等ではなく、どこか圧力が集中す
る場合には電界集中が起き、十分な電池性能を発揮でき
ず、場合によってはリチウムのデンドライト成長を促進
し電池の内部短絡を引き起こす場合もある。そこで加圧
均等化手段を付与することにより、電極表面に凹凸があ
っても電極間に前記加圧手段による加圧を均等にかける
ことが可能となり電池の大型化もより容易となるもので
ある。
してより具体的に説明する。本発明に用いる加圧均等化
手段に用いる部材としては、前記セパレータの融点未満
の温度で流動性を発現し且つ、前記電解質または電解質
溶液と反応しないかもしくは反応しないように処理され
た部材が好適に用いられる。
満の温度で流動性を発現し、且つ、前記電解質または電
解質溶液と反応しないかもしくは反応しない様に処理さ
れた部材を配置したことによる加圧均等化手段を前記加
圧手段と合わせて配置することにより、負極及び正極が
セパレータを介して積層された電極群全体により均等で
十分な加圧をかけることが可能となる。この理由を図9
を用いて説明する。
ムを説明するための電池の概略断面図である。図9中、
901は負極、902は正極、903はセパレータ、9
04は電池ケース、905は加圧手段、906は加圧均
等化手段、907は絶縁体、908は電極表面の凹凸を
示す。
の断面概略断面図であり、負極901及び正極902が
セパレータ903を介して対向した状態で加圧手段90
5及び加圧均等化手段906と共に電池ケース内904
に挿入されている。図9(b)は電極群(正負極)が均
等に加圧された状態の電池の概略断面図であり、所定温
度で加圧均等化手段906を構成する材料を流動化させ
て電極と加圧均等化手段との間の凹凸部を平坦化した
後、加圧がかかる温度(加圧手段を構成する部材の形状
が温度変化する温度)以上に加熱して均等加圧を達成す
る。つまり電極表面の凹凸形状によらず加圧状態がより
均等になるのである。
面の垂直方向にかかる圧力の均等化が図れるのである。
更に、本発明においては、加圧均等化機能を、加圧手段
に付与しもよく、この例としては、加圧手段に発泡剤含
有樹脂材料を用いる場合が挙げられる。
て、加圧均等化手段は以下に示すように、電池の充放電
時にも機能する。つまり、セパレータを介して対向した
負極及び正極が十分に均等に加圧されず、加圧が局所的
にかかっている部位がある場合、その部位のインピーダ
ンスが低くなるために充放電時にその部位に優先的に電
流が流れる。その結果発熱する。発熱した部位に配置さ
れている融点未満の温度で流動性を発現する部材は軟化
点に達するために前記部材が流動性を帯び、流動性を帯
びた部材は圧力を逃がす方向へと対向面上を流動する。
けではないので電極群最外部と電池ケースの間に配置さ
れた部材すべてが流動して消失するわけではない。また
流動性を帯びた部材がある程度圧力を逃がすために電界
強度が低下し電流密度が小さくなり、その結果発熱が抑
えられ流動性がなくなる。この繰り返しにより電極にか
かる圧力が一定となる。つまり電池使用時にセパレータ
を介して積層された負極及び正極間により均等な加圧が
実現することになり、結果的に電池の寿命を伸ばすこと
になる。勿論、優先的に電流が流れる部位が発生しない
場合には、充放電中に流動性を発現しない、加圧均等化
手段を構成する部材は電解液と反応しないもしくは反応
しないように処理されているために二次電池の充放電特
性には悪影響を及ぼさない。
セパレータの融点以下で、例えば100℃以下で流動性
を発現するポリエチレン系高分子、低分子量のワックス
等が好適に用いられる。これらの高分子は、一般に耐有
機溶媒性にすぐれているためにリチウム二次電池等の電
解液に対して極めて安定であり且つ実用的な使用温度範
囲で流動性を発現するためである。
満の温度で流動性を発現する部材として85℃程度で流
動性を発現するポリスチレン、ポリ塩化ビニル等を用い
る場合には、そのまま用いると電解液に溶解してしまう
ために電解液に対して不溶化を施す必要がある。不溶化
の手段としては、電解液に対して安定な材料によるラミ
ネート、架橋処理による不溶化等が挙げられる。
パレータの融点未満の温度で流動性を発現する必要があ
る。何故ならば、セパレータの融点以上の温度にならな
ければ流動性を発現しない場合には、前記部材が流動性
を発現してセパレータを介して積層された負極及び正極
に均一な加圧がかかる効果を発揮する以前にセパレータ
が溶解してしまい負極、正極間の活物質の移動を阻害し
電池の内部インピーダンスが著しく増大し本発明の効果
が十分に発揮されないためである。
置する際には、加圧手段と電極群の間に配置することが
望ましい。例えば、電極群最外部の加圧手段との対向面
または加圧手段の電極群との対向面に圧着成型、コーテ
ィング等の手法により所望の厚みで配置することができ
る。
ト法、バーコード法、ロールコート法、ディップコート
法等従来公知のコーティング法が適応できる。例えばバ
ーコード法でコーティングし配置する場合には、セパレ
ータの融点未満の温度で流動性を発現する部材をキシレ
ン等の溶剤を用いてペーストを作製し、所望の厚みにコ
ーティングし乾燥、熱処理すれば良い。
て積層された電極群最外部に前記セパレータの融点未満
の温度で流動性を発現する部材を予め、積層する以前ま
たは電極作製以前に該当箇所に配置しておいても構わな
い。
の部材に関して説明する。
は、リチウム金属あるいはリチウム合金あるいはグラフ
ァイト、各種炭素材などが挙げられる。リチウム合金と
しては、アルミニウム、マグネシウム、カリウム、ナト
リウム、カルシウム、亜鉛、鉛等とリチウムとの合金が
挙げられる。
としては、負極と正極の短絡を防ぐ機能が必要である。
また電解液を用いる場合には、電解液を保持する機能も
合わせて必要となる。セパレータは電池反応に関与する
イオン(リチウムイオン)が移動できる細孔を有し、電
解液に対して不溶であり安定であることが要求される。
このためガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ
素樹脂等の不織布あるいは、ミクロポア構造を有する材
料を用いればよい。
化物フィルムあるいは金属酸化物を複合化した樹脂フィ
ルムも使用可能である。
は、正極活物質と導電補助材と結着剤を混合して、必要
に応じて溶媒を添加し集電体に成形し形成する。正極活
物質としては、リチウムが層間に挿入される材料、例え
ば酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化鉄、酸化チタン、
酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化クロム、酸化タ
ングステン等の金属酸化物、あるいは、硫化モリブデ
ン、硫化鉄、硫化チタン等の金属硫化物、オキシ水酸化
鉄等の水酸化物、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポ
リピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等が使用可
能である。
分な場合に正極中の電子電導を補助し正極集電能を高め
るために添加するものである。具体的には、アセチレン
ブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等の粉末
炭素材料、ニッケル、チタン、銅、ステンレススチール
等の金属粉末材料等が使用可能である。活物質に対する
混合比率は正極エネルギー密度の低下を防止し且つ正極
中の十分な電子電導を確保するためには1以下が好まし
い。
粉末の添加を例に述べたが、少量の針状、繊維状フレー
ク状導電補助剤を更に添加すると、電極強度、集電能向
上に更に効果がある。
では不十分な場合に活物質同士を結着し、充放電サイク
ル時のクラック発生等により集電体から正極活物質が脱
落するのを防止する機能を有するものである。具体的に
は、電解液等に対して安定な、フッ素樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、エチレン−ブタジ
エンターポリマー等が挙げられる。
る以外、溶媒に溶解させた溶液や溶液にポリマーなどの
ゲル化剤を添加し固定したものを用いる。通常は、溶媒
に電解質を溶かした電解質溶液(電解液)を前述のセパ
レータに保持させ用いる。
オン(BF4 -,PF6 -,AsF6 -,CIO4 -,CF3S
O3 -,B(C6H5)4 -)からなる塩及び、これらの混合
塩を用いる。上記支持電解質の他には、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオ
ン等の陽イオンとルイス酸イオンとの塩も用いることが
可能である。上記塩は使用に際して減圧下での加熱乾燥
等十分な脱水及び脱酸素を事前に行っておくことが望ま
しい。
ベンゾニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ニ
トロベンゼン、ジクロロエタン、ジエトキシエタン、ク
ロロベンゼン、γ−ブチルラクトン、ジオキソラン、ス
ルホラン、ニトロメタン、ジメチルサルファイド、ジメ
トキシエタン、ギ酸メチル、3−メチル−2−オキダゾ
リジン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−プロピル
シドノン、二酸化イオウ、塩化ホスホリル、塩化チオニ
ル、塩化スルフリル等、及びこれらの混合液が使用でき
る。
ミナ、モレキュラーシーブ、五酸化リン、塩化カルシウ
ム等で脱水するか、もしくは、溶媒によっては不活性ガ
ス中でアルカリ金属共存下で蒸留、不純物除去及び脱水
を行うことが好ましい。
をゲル化することが好ましい。ゲル化剤としては電解液
の溶媒を吸収して膨潤するような高分子を用いることが
好ましく、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアミド等の高分子を用いることが可
能である。
い程好ましく、少なくとも室温(25℃)で1×10-3
S/cm以上であることが好ましく、より好ましくは5
×10-3S/cm以上である。
もに電子電導性を有する材質を用いる必要がある。具体
的には、カーボン、ステンレススチール、チタン、ニッ
ケル、銅、白金、金等が挙げられる。
ースである外装缶が出力端子を兼用する場合には、ステ
ンレススチール等の金属材料を用いれば良い。その他の
場合には、電池ケース内部の構成材料特に電解液と反応
しないプラスチック性樹脂材料等を用いれば良い。
造方法は、十分に脱水が行われた雰囲気で電池ケースに
少なくとも負極、正極、セパレータ及び形状が温度で変
化する部材を挿入し、挿入時の温度と異なる温度(即
ち、前記部材の形状が変化する温度)で且つセパレータ
の融点未満の温度を通過させるプロセスを少なくとも含
む製造方法であり、充放電能の大きな二次電池を容易に
且つ安定して製造することが可能となる。
通過させて加圧機能、またはさらに加圧均等化機能等を
発現させる工程を含むことを特徴とするものである。
り低い場合には、結露を生じることになり、リチウム電
池の性能低下を招くことになるので、結露を防止するた
めに、封口工程終了までは、十分に脱水された雰囲気で
電池の組み立てを行う必要がある。
組み立てる。組み立てに際しては、活物質であるリチウ
ムが水分と反応しない雰囲気、例えば水分が十分除去さ
れた乾燥空気中あるいは不活性ガス中で行う。予め作製
した電極取り出し用タブを設けた負極及び正極をセパレ
ータを介して積層し、外力をかけながら電極群と形状が
温度で変化する部材を電池ケースに挿入した後に、前記
部材が形状変化を起こす温度の工程を経て、電解液を注
入し、キャップを取り付けレーザー封口等により密閉化
を行う。
用いる場合には、記憶した形状を回復する温度の工程を
経ることによって、初めて十分な加圧機能を発現するこ
とになる。また加熱により体積膨張する部材を加圧手段
として用いる場合には、体積膨張する温度以上でセパレ
ータの融点未満の温度の工程を通過させる必要がある。
更に解除可能なストッパー機能を付与した弾性体を用い
る場合にはストッパーが解除される温度範囲を通過させ
る工程を含む必要がある。
機構が十分に作動する温度の工程を通過させることによ
り従来得られなかった電池内部からの電極群の十分な加
圧が実現することになる。
方法をより詳細に説明する。
材を、電極群(正負極)の電極面に垂直な方向に電池内
部から加圧する手段に用いたリチウム二次電池の概略断
面図を示す。図10中、1001は負極、1002は正
極、1003はセパレータ、1004は電池ケース、1
005は集電体、1006は電池入出力端子、1007
は形状が温度で変化する部材を示す。以下に作製方法の
一例を示す。勿論本発明のリチウム二次電池の作製方法
は以下に限定されるものではない。
手順で作製することができる。負極のリチウム箔を負極
集電体であるニッケル箔に圧着して電極として用いる。
正極の場合、まず電解二酸化マンガンと炭酸リチウムを
所定のモル比で混合し大気雰囲気下800℃で8時間加
熱処理しリチウム含有二酸化マンガンを作製する。次
に、リチウム含有二酸化マンガン、結着材(ポリフッ化
ビニリデン等の有機溶剤に不溶の樹脂)及び導電補助材
(アセチレンブラック等の導電性粉体)を所定の重量比
で十分に混合した後にN−メチルピロリドン等の有機溶
剤を用いペースト化する。続いて、例えばバーコート法
等により正極集電体であるニッケル箔に所定の厚みでペ
ーストを塗布し大気中で十分乾燥した後、例えば減圧下
で所定の温度で熱処理しリチウム含有二酸化マンガン正
極を正極集電体に結着させ正極電極として用いる。また
この後正極電極をプレスし集電性を向上させることも有
効である。
所望のサイズに裁断等により加工した後、電極に取り出
し電極としてニッケル箔等の導電体をスポット溶接等に
より電気的に接続する。尚、組み立ては十分に脱水が行
われた雰囲気で行う。
%)合金板を前述の方法に従い形状記憶能を付与して作
製する。
負極及び正極電極を加圧手段を構成する部材でサンドイ
ッチして加圧しながら電池ケースに挿入し、形状記憶合
金の昇温時の変態完了温度以上に加熱し形状を回復させ
電池ケース内から加圧のかかった状態で所定量の電解液
を注入する。
した後に電池ケース蓋を取り付けレーザ封口等の手法に
より密閉化することにより、二次電池を作製を完了す
る。
電池形態に関してであるが、少なくとも電池構成として
負極及び正極がセパレータを介して積層された電極群を
有していればいかなる電池形態であっても構わない。た
とえば、複数の負極、セパレータ、正極が負極、セパレ
ータ、正極の順に順次積層された電極群が角型及びガム
型の外装缶に挿入された後に正極蓋をレーザ封口した一
般的な密閉型角型電池、あるいは前記電極群を複数有す
るスタッキング型電池等が挙げられる。勿論コイン型電
池等でも十分な効果が期待できる、またスパイラル型円
筒電池においても有効である。
詳述したが、前述のごとく従来技術の問題点はリチウム
イオン二次電池においても全く同様であり、むしろリチ
ウムイオン二次電池と呼ばれる二次電池では、負極に用
いているカーボン材料は、金属材料と比較して電導度が
約2桁低いために負極、正極間の十分な加圧がより必要
となっている。このため本発明はリチウムイオン二次電
池に特に有効である。更に、本発明は、効果の大きさは
有機溶媒を電解液に用いるリチウム二次電池程ではない
が、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素吸蔵合
金電池等のアルカリ蓄電池や鉛蓄電池にも有効である。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。尚、以下の実施例では、電池の組み立てはすべて
十分に脱水が行われた雰囲気で行った。
極群を電極面の垂直方向に加圧する手段を設けた本発明
の第一の実施例を示す図である。1101は負極、11
02は負極集電体、1103は電解液を含浸したセパレ
ータ、1104は正極、1105は正極集電体、110
6は負極入出力端子、1107は正極入出力端子、11
08は絶縁性電池ケース、1109は形状が温度で変化
する部材である。本実施例においては、正負電極及び電
池入出力端子は電池ケースと絶縁されており、電池入出
力端子は各電極の集電体と対応する入出力端子を電気的
に接続して用いた。
ム箔を用い、これを負極集電体(厚み25μmのニッケ
ル箔)1102に圧着して電極として用いた。正極11
04は、電解二酸化マンガンと炭酸リチウムをモル比
2:1で混合し大気雰囲気下800℃で8時間熱処理し
リチウム含有二酸化マンガンを作製して用いた。次にリ
チウム含有二酸化マンガン、結着材(ポリフッ化ビニリ
デン)及び導電補助材(アセチレンブラック)を重量比
で92:3:5の割合で十分に混合した後にN−メチル
ピロリドンを用いペースト化し、バーコート法により正
極集電体(厚み25μmのニッケル箔)1105に塗布
し大気中で十分乾燥した後、減圧下160℃で3時間熱
処理しリチウム含有二酸化マンガン正極を正極集電体1
105に結着させて正極電極とした。この時の正極厚み
は正極集電体を含めて95μmであった。
15mm×50mmに裁断した後、電極裏面に取り出し
端子(厚み25μmのニッケル箔)をスポット溶接し
た。その後、減圧下110℃で3時間乾燥した。
た形状記憶合金であるTi−Ni(原子比1:1)合金
を形状が変化する部材として用い、先に作製した負極及
び正極電極を多孔質ポリプロピレン(ダイセル化学製:
セルガード)1103を介して積層された電極群と共に
電池ケース内に挿入した。
6、1107とを電気的に接続した。そして形状記憶部
材の形状を回復させるために昇温時の変態完了温度以上
である100℃で30分間熱処理した。
チウムテトラフルオロボレートを含むプロピレンカーボ
ネートとジメトキシエタンとの(1:1)混合溶媒を十
分にセパレータ1103に含浸させた後に、密閉化しセ
ルを作製した。
放電評価を行った。この結果、サイクル初期特性で、ほ
ぼ正極のもつ容量値と一致する充放電容量が得られた。
一方電極群を電池ケース収納後に更に加圧しないセル、
つまり形状記憶部材の形状を回復させない(電極群挿入
後の熱処理を施さない)セルで同等の評価をした結果、
得られた充放電容量は正極のもつ容量値の約90%であ
った。更に、同様の方法で作製したセルの1kHzにお
ける内部インピーダンスを測定した結果、電極群を電池
ケースに収納後に加圧したセルの内部インピーダンスは
電極群を電池ケースに収納後に加圧しないセルの約1/
4に低下していた。また感圧フィルムを用いて圧力測定
を行った結果、電極群を電池ケースに収納後に加圧した
セルは加圧しないものにくらべて約2.5倍の圧力がか
かっていた。
に電池内部から加圧することにより負極、正極間の距離
が短くなり電池の内部インピーダンスが低下したものと
考えられる。
温度により形状が変化する部材を設けることにより電池
内部からの電極群の対向方向への加圧が可能となり電極
群が十分に加圧されたリチウム二次電池が作製できるこ
とを示すものである。
極群を電極面の垂直方向に加圧すると共に、負極の電池
入出力端子(本実施例においては電池ケースが兼ねてい
る)と電池内部の負極を導通させる手段を設けた本発明
の第二の実施例を示す図である。
1203は電解液を含浸したセパレータ、1204は正
極、1205は正極集電体、1206は絶縁体、120
7は正極入出力端子、1208は電池ケース、1209
は形状が温度で変化する材料、1210は負極入出力端
子である。
ム箔を用い、これを負極集電体(厚み25μmのニッケ
ル箔)1202に圧着して電極とした。正極1204
は、電解二酸化マンガンと炭酸リチウムをモル比2:1
で混合し大気雰囲気下800℃で8時間熱処理しリチウ
ム含有二酸化マンガンを作製したものを用いた。次に、
リチウム含有二酸化マンガン、結着材(ポリフッ化ビニ
リデン)及び導電補助材(アセチレンブラック)を重量
比で92:3:5の割合で十分に混合した後にN−メチ
ルピロリドンを用いペースト化し、バーコート法により
正極集電体(厚み25μmのニッケル箔)1205に塗
布し大気中で十分乾燥した後、減圧下160℃で3時間
処理しリチウム含有二酸化マンガン正極を正極集電体1
205に結着させ正極電極とした。この時の正極厚みは
正極集電体を含めて95μmであった。
15mm×50mmに裁断した後、正極裏面に取り出し
端子(厚み25μmのニッケル箔)をスポット溶接し
た。その後、減圧下110℃で3時間乾燥した。
二方向性の形状変化を予め記憶させた形状記憶合金であ
るTi−Ni(原子比1:1)合金を形状が変化する部
材として用い先に作製した負極及び正極電極を多孔質ポ
リプロピレン(ダイセル化学製:セルガード)を介して
積層された電極群と電池ケース内壁間に設け前述の電極
群と共に電池ケース内に挿入した。
207に電気的に接続した。尚、本実施例においては、
外装缶が負極入出力端子を兼ねている。つまり、図3
(a)の様に形状記憶部材の形状変化で負極と負極入出
力端子の電気的接続をとるものである。
めに100℃で30分間熱処理した。
ウムテトラフルオロボレートを含むプロピレンカーボネ
ートとジメトキシエタンとの(1:1)混合溶媒を十分
にセパレータに含浸させた後に、密閉化しセルを作製し
た。
放電評価を行った。この結果、実施例1と同様にサイク
ル初期特性で、ほぼ正極のもつ容量値と一致する充放電
容量が得られた。一方、電極群を電池ケース収納後に更
に加圧しないセル、つまり形状記憶部材の形状を回復さ
せない(電極群挿入後の熱処理を施さない)セルで同等
の評価をした結果、ほとんど充放電能を示さなかった。
zにおける内部インピーダンスを測定した結果、電極群
を電池ケースに収納後に加圧したセルの内部インピーダ
ンスは実施例1と同等に十分低減されていたが、電極群
を電池ケースに収納後に加圧しないセルは導通が断路さ
れた状態にあった。また感圧フィルムを用いて圧力測定
を行った結果、電極群を電池ケースに収納後に加圧した
セルは加圧しないものにくらべて約2.4倍の圧力がか
かっていた。
に電池内部から加圧することにより負極、正極間の距離
が短くなり電池の内部インピーダンスが低下したと同時
に、電池内部の電極と入出力端子を電気的に接続する機
能をも有している事を示すものである。また形状記憶部
材の形状を回復させない場合に充放電能を示さないの
は、負極と入出力端子の電気的接続が断路されているた
めである。
せた電池を、充電を完了時点で電圧計を負極及び正極の
各入出力端子に接続し115℃に加熱したところ、電圧
計の指示は0Vを示し、起電力を全く生じなかった。
温度により形状が変化する部材を設けることにより電池
内部からの電極群の対向方向への加圧が可能となり電極
群が十分に加圧されると同時に負極の電池入出力端子
(本実施例においては電池ケース)と電池内部の負極が
導通されたリチウム二次電池が作製できることを示すも
のである。更に形状が温度変化する部材に二方向性を持
たせることにより電池内部温度が上昇した時に前記形状
が温度変化する部材が収縮することによって負極の電池
入出力端子(本実施例においては負極の電池入出力端子
を電池ケースが兼ねている)と電池内部の負極の導通を
断路することが可能であり、高温時に電流が流れ更に電
池内部温度が上昇することを未然に防止できるため、よ
り安全性の高いリチウム二次電池を提供することができ
る。
内の電極群を電極面の垂直方向に加圧すると共に温度で
形状が変化することによる更に安全な機構手段を設けた
本発明の第三の実施例を示す図である。
負極集電体、1303は電解液が含浸したセパレータ、
1304は正極、1305は正極集電体、1306は負
極入出力端子、1307は正極入出力端子、1308は
絶縁性電池ケース、1309は形状が温度変化する部
材、1310は安全弁である。
力端子は電池ケースと絶縁されており、電池入出力端子
は各電極の集電体と対応する入出力端子を図2(a)に
示すように加圧し電気的に接続して用いた。また部材1
309に115℃で導通が断路する形状(図2(b))
を予め記憶させた。
ム箔を用い、これを負極集電体(厚み25μmのニッケ
ル箔)1302に圧着して電極とした。正極1304
は、電解二酸化マンガンと炭酸リチウムをモル比2:1
で混合し大気雰囲気下800℃で8時間熱処理しリチウ
ム含有二酸化マンガンを作製して用いた。次に、リチウ
ム含有二酸化マンガン、結着材(ポリフッ化ビニリデ
ン)及び導電補助材(アセチレンブラック)を重量比で
92:3:5の割合で十分に混合した後にN−メチルピ
ロリドンを用いてペースト化し、バーコート法により正
極集電体(厚み25μmのニッケル箔)1305に塗布
し大気中で十分乾燥した後、減圧下160℃で3時間熱
処理しリチウム含有二酸化マンガン正極を正極集電体1
305に結着させ正極電極とした。この時の正極厚みは
正極集電体を含めて95μmであった。
15mm×50mmに裁断した後、電極裏面に取り出し
端子(厚み25μmのニッケル箔)をスポット溶接し
た。その後、減圧下110℃で3時間乾燥した。
形状記憶合金であるTi−Ni(原子比1:1)合金形
状が変化する部材として用い、先に作製した負極及び正
極電極を多孔質ポリプロピレン(ダイセル化学製:セル
ガード)を介して積層した電極群と電池ケース内壁間に
設け前述の電極群と共に電池ケース内に挿入した。更に
本実施例においては、前述の形状記憶合金を図5に示す
ように安全弁の作動を制御する部材として同時に使用し
た。この時、安全弁の作動を制御する部材として用いる
形状記憶合金は、前述の熱処理方法により可逆性を持た
せた。
拡大図である。図14中、1401は正極キャップ、1
402は封口板、1403は弾性体、1404は安全
弁、1405は安全弁の作動を制御する部材として安全
弁が120℃で作動するように、安全弁を制御する部材
である形状記憶合金の形状記憶処理を施したもの、14
06はガス抜き口である。安全弁が作動する機構は前述
の原理に従い形状記憶合金の形状が温度変化し安全弁が
作動するのである。
を回復させるために昇温時の変態完了温度以上である1
00℃で30分間熱処理した。
ウムテトラフルオロボレートを含むプロピレンカーボネ
ートとジメトキシエタンとの(1:1)混合溶媒を十分
にセパレータに含浸させた後に、密閉化しセルを作製し
た。
放電評価を行った。この結果、本実施例における電極群
加圧手段は実施例1と同様であり、充放電能は実施例1
と同様に、サイクル初期特性でほぼ正極のもつ容量値と
一致する充放電量が得られた。 また、本実施例におい
ては前述のごとく加圧手段とともに、温度で安全弁が作
動する手段を設けてある。このため、電池温度を115
℃に加熱した時点では電池電圧を示さなくなり(勿論こ
の時点では、安全弁は作動していない)、更に、電池温
度を120℃に加熱し、その温度を保持した状態でセル
を調査したところ調査したセルすべての安全弁の作動が
確認できた。
導通を断路した電池を室温にもどしたところ加熱する以
前と同様の電池特性を示し、自動的に復帰する機能を有
することが確認できた。
に電池内部から加圧することにより負極、正極間の距離
が短くなり電池の内部インピーダンスが低下したと同時
に、電池温度に応じて、電池入出力端子と電極の導通を
断路する機能及び、安全弁の作動を制御する機能をも有
していることを示すものである。
温度により形状が変化する部材を設けることにより電池
内部からの電極群の対向方向への加圧が可能となり電極
群が十分に加圧されると同時に安全弁の作動を電池内圧
に加えて温度により制御できるリチウム二次電池が作製
できることを示すものである。
用い実施例1と同様の本発明の加圧手段を設けた場合で
ある。
ウム箔にかえてメソフェーズカーボンマイクロビーズ
(大阪ガス製MCMB)を用いた以外は実施例1と全く
同様の方法で評価用セルを組み立て、二次電池特性を評
価した。
て作製した。まずメソフェーズカーボンマイクロビーズ
を結着材(ポリフッ化ビニリデン粉末)と重量比95:
5の割合で十分に混合しN−メチルピロリドンを用いペ
ースト化し、負極集電体(厚み35μmの銅箔)に塗布
し室温で十分に乾燥させた後、減圧下で160℃3時間
熱処理し集電体に結着させで電極とした。
極群に対する加圧力は形状を変化させなかったものに比
べ約2.6倍かかっていた。しかし、電池内部インピー
ダンスは実施例1に比べて約1.5倍であった。これ
は、負極である炭素が金属に比べ約2桁電導度が低いた
めに同程度の電極群の加圧では、負極に金属(リチウ
ム)を用いた実施例1と比較して電池内部インピーダン
スを十分低くできなかったものと考えられる。
電容量は実用上問題なく、更に、電極群に加圧をかけな
かった電池の約3倍となり、電極群の加圧の効果は大き
いことが分かった。これは、前述のように負極に用いた
炭素の電導度が低いことに起因するものである。つまり
本発明の加圧手段はリチウムイオン電池に特に有効であ
ることを示すものである。
る部材として加熱により気体を発生しもとに戻らない部
材を用いた実施例である。
た後に更に加圧する手段として、セパレータの融点未満
の温度で気体を発生する材料をポリエチレンに分散させ
て用いた以外は実施例1と同様の検討を行った。
た後にさらに加圧する手段として以下の方法でセパレー
タの融点未満の温度で分解し気体を発生し膨張する部材
を作製した。
を作製し、各電極の非対向面に加熱により気体を発生す
る材料(炭酸水素ナトリウム)をバインダー(ポリエチ
レン)と体積比1:1で十分に混合した後にN−メチル
ピロリドンを用いてペースト化し結着させた。
スに収納し100℃で熱処理し炭酸水素ナトリウムを発
泡させ、積層した電極群を電池ケース内で更に加圧し、
この後十分に減圧乾燥処理を施した。
放電評価を行った。この結果、サイクル初期特性で、ほ
ぼ正極のもつ容量値の約95%充放電容量が得られた。
一方電極群を電池ケース収納後に更に加圧しないセル、
つまり加圧手段を膨張させない(電極群挿入後の熱処理
を施さない)セルで同等の評価をした結果、得られた充
放電容量は正極のもつ容量値の約90%であった。更
に、同様の方法で作製したセルの1kHzにおける内部
インピーダンスを測定した結果、電極群を電池ケースに
収納後に加圧したセルの内部インピーダンスは電極群を
電池ケースに収納後に加圧しないセルの約1/3に低下
していた。また感圧フィルムを用いて圧力測定を行った
結果、電極群を電池ケースに収納後に加圧したセルは加
圧しないものにくらべて約2.0倍の圧力がかかってい
た。
る手段を構成する部材として用いたセパレータの融点未
満の温度で気体を発生し膨張する部材の剛性強度が実施
例1で用いた形状記憶合金に比べ小さいために電極群の
加圧がかかりにくくなったためと考えられる。
ように、実用上大きな問題があるわけではなく十分に使
用可能な範囲である。更に、本実施例において電極群を
加圧する手段を構成する部材として使用した材料はいず
れも汎用材料であり、特に特殊な材料を用いているわけ
ではなく、コスト面からは材料費が安価であるといった
効果もある。また製造面からも、汎用樹脂中に発泡剤を
分散し成形するだけで電極群の加圧手段を作製できるた
めに、単純な方法で作製できるという効果もある。ま
た、前述の樹脂が膨張する際に加圧手段と接する面の電
極群の凹凸に合わせて膨張するために、実施例1の形状
記憶合金に比べより均等に圧力がかかるという効果もあ
る。
樹脂に分散するかわりに、バイトンゴム中に密封し加圧
手段として用い同様の方法で電池を作製し、検討を行っ
た。この結果、充放電容量は正極の理論容量の約93%
であった。更に感圧シートを用い電極群にかかる圧力を
測定したところ、圧力の大きさは、ポリエチレン樹脂中
に分散成形した場合と比較して約15%程小さかったが
圧力が全体に更に均等にかかっていた。これは、電極群
に接する部分の加圧手段がゴム材で形成されているため
に、電極群の凹凸に合わせて形状が変化しやすい結果圧
力がより均等にかったものと考えられる。以上のように
加圧手段を構成する部材としてゴム材を用いるとかかる
圧力の大きさは多少低下するが、圧力がより均等にかか
るという効果がある。
慮すると、積層された電極群を電池ケース内に収納した
後に電池ケース内でさらに加圧処理を施すことが充放電
容量の増大に効果があることが明白となった。
る部材として解除可能なストッパー機能を具備した弾性
体を用いた実施例である。
能なストッパー機能を具備した弾性体を用いた以外は実
施例1と同様にして、二次電池を作製した。
収納した後にさらに加圧する手段として、以下の方法で
電極群収納後に解除可能なストッパー機能を具備した弾
性体を作製した。
層された電極群の対向サイドに配置し、厚み100μm
のチタン板及び100℃で形状が温度変化しストッパー
解除機能を有する形状記憶合金を、図7に示すごとく、
電池ケースと電極の空間部に前記板バネに取り付けた。
電池ケースに収納し、100℃で熱処理しストッパー機
能を解除して積層された電極群を電池ケース内で加圧し
た。
放電評価を行った。この結果、サイクル初期特性で、ほ
ぼ正極のもつ容量値の約98%充放電容量が得られた。
一方電極群を電池ケース収納後に更に加圧しないセル、
つまりストッパー手段を解除させない(電極群挿入後の
熱処理を施さない)セルで同等の評価をした結果、得ら
れた充放電容量は正極のもつ容量値の約90%であっ
た。更に、同様の方法で作製したセルの1kHzにおけ
る内部インピーダンスを測定した結果、電極群を電池ケ
ースに収納後に加圧したセルの内部インピーダンスは電
極群を電池ケースに収納後に加圧しないセルの約1/4
に低下してした。また感圧フィルムを用いて圧力測定を
行った結果、電極群を電池ケースに収納後に加圧したセ
ルは加圧しないものにくらべて約3.0倍の圧力がかか
っていた。
材は従来より弾性体として用いている例えばステンレス
製板バネに新たにストッパー手段を具備するものであ
り、前述の他の加圧手段を構成する部材(形状記憶能を
有する部材、加熱により気体を発生し膨張しもとに戻ら
ない部材)と比較して部品点数が1点(具体的にはスト
ッパー手段)増える。しかしながら弾性体として用いて
いる部材は従来よりバネ材等に用いられている材料であ
り、十分な剛性強度及び電極群を加圧する弾性力を備え
ている。このため本実施例に用いたストッパー手段を具
備した弾性体を、加圧手段に用いることは電池内部の電
極群を加圧して正負極間の距離を短くし電池内部インピ
ーダンスを低減する観点から有効な部材である。即ち、
比較的電導度が低い電極を用いた電池(例えば炭素電
極)に特に有効な手段となる。また、電極中(例えば正
極)導電補助剤の添加量を低減することも可能となり電
池容量密度を高めることも可能となる。
を電池ケース内に収納した後に電池ケース内でさらに加
圧する手段を有することが充放電容量の増大に効果があ
ることが明白となった。
極群を電極面の垂直方向に加圧、及びその加圧が温度で
解除可能な手段を設けた本発明の第七の実施例を示す図
である。
負極集電体、1503は負極入出力端子、1504は正
極、1505は正極集電体、1506は正極入出力端
子、1507は電解液を含浸したセパレータ、1508
は絶縁性電池ケースである外装缶、1509は形状が温
度で変化する部材(形状記憶合金)である。
出力端子は電池ケースと絶縁されており、電池入出力端
子は各電極の集電体と対応する入出力端子を電気的に接
続して用いた。
く、複数の負極及び正極電極をセパレータを介して順次
積層し電極群を作製し電池ケースである外装缶に挿入し
た後に各電極端子を接続し角型密閉型セルを作製した。
本実施例においても、積層された電極群は外装缶内に加
圧した状態で挿入した。電極群を電池ケース内で更に加
圧する手段は実施例1に準じて作製した。ただし本実施
例に用いた形状記憶合金はTi−Ni(原子比49:5
1)である。また前述の熱処理方法で膨張、収縮の二方
向の形状を記憶させた。
て10時間率、5時間率、3時間率の各時間率で充放電
評価をした結果、各時間率における充放電容量は正極の
持つ理論容量に対してそれぞれ98%、95%、91%
であった。また電池内部のインピーダンス及び電極群に
かかっている圧力は、電極群を加圧しない電池(形状記
憶合金の形状を回復させない)電池と比較してそれぞれ
約1/3、約2.4倍であった。
池は十分な充放電能を示すことがわかった。
群と電池ケースとが容易に分離でき、リサイクルし易い
ことを確認するために、本実施例において作製した複数
の電池に以下の検討を加えた。
価後の複数の電池の端部を電極面に垂直に切断して切断
面のバリを取り、その後に液体窒素温度に冷却したとこ
ろ、評価前後にかかわらず、すべての電池が逆さにし機
械的な振動を与えるだけで電極群を電池ケースから容易
に取り出すことが可能であった。一方、電池を中心軸に
沿って切断した後に液体窒素温度に冷却しなかった電池
は、切断面のバリをとり逆さにし機械的な振動を加えて
も電極群をとりだすことはできなかった。
する部材が、液体窒素温度に冷却された状態で収縮し、
電極群が取り出し易くなったものでありリサイクルしや
すいリチウム二次電池が提供できることが分かった。
群を電極面の垂直方向に加圧する手段及びその加圧を均
等化する手段を設けた本発明の第八の実施例を示す図で
ある。
負極集電体、1603は電解液を含浸したセパレータ、
1604は正極、1605は正極集電体、1606は負
極入出力端子、1607は正極入出力端子、1608は
絶縁性電池ケース、1609は加圧均等化手段、161
0は加圧手段である。
力端子は電池ケースと絶縁されており、電池入出力端子
は各電極の集電体と対応する入出力端子を電気的に接続
して用いた。
ム箔を用い、これを負極集電体(厚み25μmのニッケ
ル箔)1602に圧着して電極とした。正極1604
は、電解二酸化マンガンと炭酸リチウムをモル比2:1
で混合し大気雰囲気下800℃で8時間熱処理しリチウ
ム含有二酸化マンガンを作製して用いた。次に、リチウ
ム含有二酸化マンガン、結着材(ポリフッ化ビニリデ
ン)及び導電補助材(アセチレンブラック)を重量比で
92:3:5の割合で十分に混合した後にN−メチルピ
ロリドンを用いペースト化し、バーコート法により正極
集電体(厚み25μmのニッケル箔)1605に塗布し
大気中で十分乾燥した後、減圧下160℃で3時間熱処
理しリチウム含有二酸化マンガン正極を正極集電体16
05に結着させ正極電極とした。この時の正極厚みは正
極集電体を含めて95μmであった。
60mm角に裁断した後、電極裏面に取り出し端子(厚
み25μmのニッケル箔)をスポット溶接した。さら
に、ワックスを負極電極裏面にコーティングし、大気中
室温で十分乾燥した後に減圧下110℃で3時間乾燥し
た。
子比1:1)を用い、前述の熱処理方法で電極群が電池
ケース内で電極群の面の垂直方向に加圧する手段を作製
し、電極及び電極群を電池ケース内に収納した後に電極
群対向方向に加圧する手段となる形状記憶合金を用いて
以下の手順で二次電池を作製した。
をセパレータ(厚み20μmの多孔質ポリプロピレン
(ダイセル化学工業製:商品名セルガード))を介し積
層した。その後、加圧手段、加圧均等化手段と共に電池
ケース内に挿入した。
6、1607に電気的に接続した。そして90℃で加圧
均等化手段に流動性をもたせた後に加圧手段である形状
記憶部材の形状を回復させ電極群に更に加圧をかけるた
めに100℃で30分間熱処理した。最後に電解液であ
る1mol/lのリチウムテトラフルオロボレートを含
むプロピレンカーボネートとジメトキシエタンとの
(1:1)混合溶媒を十分にセパレータに含浸せさた後
に密閉化しセルを作製した。
放電評価を行った。この結果、サイクル初期特性では、
ほぼ正極のもつ容量値と一致する充放電容量が得られ
た。
池を作製して評価しても電極面積増大による放電容量の
低下は観察されなかった。更に、各電池について感圧フ
ィルムを用いて実際に電極群にかかっている圧力を電極
の対角線方向に約10mmピッチで5mm角の範囲で複
数カ所測定した結果、最小圧力値/最大圧力値は表1に
示す通りであった。つまり加圧均等化手段としてセパレ
ータの融点以下で流動性を発現する部材を電極群最外部
と電池ケースの間に配置した電極は前述のごとくより均
等な加圧が実現したために電極面積を増大しても最大圧
力値と最小圧力値の差はほとんど確認されなかった。一
方加圧均等化手段を有さない電極は電極面積の増大とと
もに圧力の均等性が低下しているのが確認された。
電極群最外部にセパレータの融点以下で流動性を発現す
る部材(本実施例ではワックス)を配置した電極群には
電極面積を大きくしても前述のように均等な加圧がかか
るために放電容量が低下しないと考えられる。
現する部材を配置していない電極群を有する二次電池で
は、電極面積の増大と共に放電容量が低下する傾向が観
察された。これは、負極及び正極間に均等に加圧がかか
っていないために比較的加圧がかかっている部分が充放
電に寄与するため、電極面積が増大し均等に加圧がかか
りづらくなるにつれ充放電容量が低下すると考えられ
る。
より、以下の効果が得られる。
方向に十分に加圧でき、内部インピーダンスを大幅に低
減することができる。さらに、加圧均一化手段を用いる
ことにより、電極群の電極面の垂直方向にかかる加圧が
より均等となり、内部インピーダンスをより一層低減で
きる。その結果、充放電能の優れた二次電池を提供する
ことが可能となる。
を十分に加圧でき、内部インピーダンスを下げることが
できる。
力端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池入出
力端子と電池内部の負極の導通を断路することができ、
また、電池内部温度に応じて安全弁を作動させることが
できるため、安全性が一層高い二次電池を提供すること
ができる。
明の形状が変化する部材自体で達成できるため、スポッ
ト溶接工程の短縮等製造工程を簡略化できるとともに、
溶接点がなくなり使用後のリサクルし易い二次電池を提
供できる。さらに、電極群の加圧を解除することが可能
なため、リサイクルに適した二次電池を提供することが
できる。
り、簡単な工程で、従来得られなかった電池内部から電
極群が十分加圧され、内部インピーダンスが低く、充放
電能が優れ、且つ安全性の高い二次電池を高い歩留まり
で安定して製造する事が可能となる。
加圧するメカニズムを示した概念図である。
端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力
端子と電池内部の負極の導通をとるメカニズムを示した
概念図である。
端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力
端子と電池内部の負極の導通をとるメカニズムを示した
概念図である。
端子と電池内部の正極あるいは/及び負極の電池入出力
端子と電池内部の負極の導通をとるメカニズムを示した
概念図である。
じて安全弁の作動を制御するメカニズムを示した概念図
である。
じて安全弁の作動を制御するメカニズムを示した概念図
である。
加圧メカニズムを示した概念図である。
配置例を示した概念図である。
図である。
概念図である。
ている構成例を示す概念図である。
を示す概念図である。
001,1101,1201,1301,1501,1
601,1701,1801 負極、 102,202,502,702,802,902,1
002,1104,1204,1304,1504,1
604,1702,1802 正極、 103、203、503、703、803、903、1
003、1103、1203、1303、1507、1
603、1803 セパレータ、 104、204、504、704、804、9004、
1004、1108、1208、1308、1508、
1608、1804 電池ケース、 105,205,508,805,905,1007,
1109,1209,1309,1405,1509,
1610 形状が温度で変化する部材、 106、208、707、907、1206 絶縁体、 206、1006 入出力端子、 207 電極取り出しタブ、 505、511、705、1403 弾性体、 506、1402 封口板、 507、1310、1404 安全弁、 509、1406 ガス抜き口、 510、706 ストッパー、 906、1609 加圧均等化手段、 908 凹凸部、 1005 集電体、 1102、1202、1302、1502、1602
負極集電体、 1105、1205、1305、1505、1605
正極集電体、 1106、1210、1306、1503、1606
負極入出力端子、 1107、1207、1307、1506、1607
正極入出力端子、 1401 正極キャップ(正極入出力部)、 1805 電極群収納時に加圧する手段。
Claims (25)
- 【請求項1】 セパレータを介して配置された正極と負
極とからなる少なくとも1つの電極群が、固体電解質ま
たは電解質溶液とともに電池ケースに収納された二次電
池において、前記セパレータの融点未満で該二次電池の
実使用温度範囲外の所定温度(第1の温度)で形状が変
化し且つ前記実使用温度範囲でその形状を維持する部材
を前記電池ケース内に設け、該部材を前記第1の温度に
加熱または冷却することにより前記該電池ケース内の少
なくとも一部に圧力を加えるか、あるいは加えられた圧
力を解除することを特徴とする二次電池。 - 【請求項2】 前記負極は活物質として少なくともリチ
ウムを含み、前記電解質溶液に非水系溶媒を用いたこと
を特徴とする請求項1に記載の二次電池。 - 【請求項3】 前記実使用温度範囲は、−30以上80
℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載
の二次電池。 - 【請求項4】 前記負極及び正極は、それぞれ負極集電
体及び正極集電体に固定され、さらにそれぞれの入出力
端子に接続されていることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項5】 前記電池ケース内に弾性体と、該弾性体
の弾性力を押さえるためのストッパー手段とが設けら
れ、該ストッパー手段が前記部材で構成されていること
を特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の二次電
池。 - 【請求項6】 前記部材の形状変化により、前記電極群
が電極面の垂直方向に加圧されることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項7】 前記部材は前記電池ケース内壁と前記電
極群の間もしくは前記電極群が複数の場合にはそれらの
間に設けてある、または前記部材で前記電池ケース自体
が構成されていることを特徴とする請求項6の二次電
池。 - 【請求項8】 前記部材の形状変化により、前記正極
(または正極集電体)と正極用入出力端子とが、あるい
は/及び前記負極(または負極集電体)と負極用入出力
端子とが導通されることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項9】 前記部材の形状変化により、前記電池ケ
ースに具備された安全弁が作動することを特徴とする請
求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項10】 前記部材は、形状記憶能を有する材料
から構成されていることを特徴とする請求項1〜9のい
ずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項11】 前記形状記憶能を有する材料は、合金
材料から構成されていることを特徴とする請求項10に
記載の二次電池。 - 【請求項12】 前記部材は、前記第1の温度で体積膨
張する材料から構成されていることを特徴とする請求項
1〜9のいずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項13】 前記体積膨張する材料は、気体を発生
して体積膨張することを特徴とする請求項12に記載の
二次電池。 - 【請求項14】 前記部材は、前記第1の温度で形状が
変化した後に、前記実使用温度範囲以外の第2の温度で
再び形状が変化する材料からなることを特徴とする請求
項1〜11のいずれか1項に記載の二次電池。 - 【請求項15】 前記部材は、前記第1の温度で形状が
変化した後に、前記実使用温度範囲外の第2の温度で再
び形状が変化する材料からなり、前記第2の温度での形
状変化により、前記電極群の対向方向への加圧が解除さ
れることを特徴とする請求項6または7に記載の二次電
池。 - 【請求項16】 前記部材は、前記第1の温度で形状が
変化した後に、前記実使用温度範囲外の第2の温度で再
び形状が変化する材料からなり、前記第2の温度での形
状変化により、前記正極(または正極集電体)と正極用
電池入出力端子との導通が断路、あるいは/及び前記負
極(負極集電体)と負極用電池入出力端子との導通が断
路されることを特徴とする請求項8に記載の二次電池。 - 【請求項17】 前記部材とは異なる、形状が温度で変
化する第2の部材を設け、該第2の部材の形状変化によ
り前記電池ケースに具備された安全弁を作動させ、且つ
該安全弁を作動させる温度を前記第2の温度より高くし
たことを特徴とする請求項16に記載の二次電池。 - 【請求項18】 前記部材は、前記第1の温度で形状が
変化した後に、前記実使用温度範囲外の第2の温度で再
び形状が変化する材料からなり、前記第2の温度での形
状変化により、前記電池ケースに具備された安全弁の作
動が停止することを特徴とする請求項9に記載の二次電
池。 - 【請求項19】 前記部材は、前記第1の温度と前記第
2の温度との間の形状変化が可逆的であることを特徴と
する請求項14〜18のいずれか1項に記載の二次電
池。 - 【請求項20】 圧力を均等に加えるための加圧均等化
手段を設けたことを特徴とする請求項1〜19のいずれ
か1項に記載の二次電池。 - 【請求項21】 前記加圧均一化手段は、前記セパレー
タの融点未満の温度で流動性を発現する材料で構成され
ており、且つ前記固体電解質及び前記電解質溶液と反応
しない、あるいは反応しないように処理されたものであ
ることを特徴とする請求項20に記載の二次電池。 - 【請求項22】 前記加圧均等化手段は、前記電池ケー
ス内で前記部材と前記電極群との間に設けてあることを
特徴とする請求項20または21に記載の二次電池。 - 【請求項23】 セパレータを介して配置された正極と
負極とからなる少なくとも1つの電極群が、固体電解質
または電解質溶液とともに電池ケースに収納された二次
電池の製造方法であって、前記電池ケースに、少なくと
も前記電極群と前記セパレータの融点未満で該二次電池
の実使用温度範囲外の所定温度(第1の温度)で形状が
変化し且つ前記実使用温度範囲でその形状を維持する部
材とを、収納した後、収納時の温度とは異なる前記第1
の温度に加熱または冷却する工程を含むことを特徴とす
る二次電池の製造方法。 - 【請求項24】 前記電極群または前記部材に加圧均等
化手段を配する工程を含むことを特徴とする請求項23
に記載の二次電池の製造方法。 - 【請求項25】 前記負極に少なくともリチウムを活物
質とする負極を用い、且つ前記電解質溶液に非水系電解
質溶液を用いて、十分に水分を取り除いた雰囲気で製造
することを特徴とする請求項23または24に記載の二
次電池の製造方法。
Priority Applications (7)
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---|---|---|---|
JP19884694A JP3261688B2 (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | 二次電池及びその製造方法 |
US08/515,532 US5800939A (en) | 1994-08-23 | 1995-08-15 | Battery and method for the manufacture of such a battery |
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