JPH0853616A - 熱可塑性ポリウレタンおよびポリエステル系樹脂から主としてなる重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンおよびポリエステル系樹脂から主としてなる重合体組成物

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JPH0853616A
JPH0853616A JP20820594A JP20820594A JPH0853616A JP H0853616 A JPH0853616 A JP H0853616A JP 20820594 A JP20820594 A JP 20820594A JP 20820594 A JP20820594 A JP 20820594A JP H0853616 A JPH0853616 A JP H0853616A
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diol
polyester resin
thermoplastic polyurethane
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JP20820594A
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English (en)
Inventor
Shinya Kato
晋哉 加藤
Koji Hirai
広治 平井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリウレタン(PU-A)とポリエステル(PES-B)
の組成物であって、PU-Aが、ポリエステルジオール(Pes
ジオール)、ジイソシアネート及び鎖伸長剤から得ら
れ、PU-Aを構成するPesジオールが式;-O-(CH2)9-O-のジ
オール単位及び/又は式;-O-CH2-CH(CH3)-(CH2)6-のジ
オール単位と、式:-CO-(CH2)m-CO-(mは4〜12)の脂肪
族ジカルボン酸単位及び式;-CO-Ar1-CO-(Ar1は2価の芳
香族炭化水素基)の芳香族ジカルボン酸単位からなり該P
esジオール中における上記脂肪族ジカルボン酸単位:芳
香族ジカルボン酸単位=3:7〜8:2のモル比で、Pesジオ
ールの数平均分子量が1700〜6000であり;PES-Bが式:-O
-(CH2)n-O-(nは2〜12)のジオール単位と式;-CO-Ar2-CO
-(Ar2は2価の芳香族炭化水素基)のジカルボン酸単位か
らなるPES-Bであり;そしてPU-A:PES-B=9:1〜3:7(重
量比)の組成物。 【効果】 本発明の組成物ではPU-AとPES-Bの相溶性が
良く、溶融粘度変動が少ないことから押出成形性に優
れ、高硬度で、耐寒性、耐熱性、耐熱老化性および力学
的特性に優れ、寸法精度の高い成形品を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリウレタンと
ポリエステル系樹脂から主としてなる重合体組成物およ
び該重合体組成物よりなる成形品に関する。詳細には、
特定の熱可塑性ポリウレタンとポリエステル系樹脂を特
定の割合で含有していて、熱可塑性ポリウレタンとポリ
エステル系樹脂とのブレンド特性が良好であり、溶融時
の粘度変動が小さいことから押出成形性や射出成形性な
どの成形性に優れ、しかも高硬度で且つ耐寒性、耐熱
性、耐熱老化性、引張強度などの力学的特性に優れ且つ
寸法精度の高い成形品を得ることのできる重合体組成物
およびそれよりなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、高い弾性を有
していて強度が大きく、耐摩耗性、耐薬品性、耐油性、
耐屈曲性などの諸特性にも優れており、しかも通常の熱
可塑性樹脂の成形加工法が適用できることから、従来か
ら種々の分野で広く用いられている。しかしながら、熱
可塑性ポリウレタンのうちでも高硬度品は、押出成形時
に粘度の上昇が大きく、また押出成形時にブツが発生し
易いため、押出成形などにより成形品を円滑に製造する
ことが困難であり、得られる成形品は外観的にも物性的
にも不良なものとなり易い。そのため、高硬度ポリウレ
タンは射出成形などによって成形されているの場合が多
い。また押出成形性を良好にするために、ポリウレタン
の硬度を低下させた場合には、耐熱老化性が不良にな
り、しかも射出成形などにより得られる成形品の寸法精
度が低いなどの欠点が生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、押出
成形などにより成形を行った場合にも溶融時の粘度変化
が小さく成形性に優れていて、しかも高硬度で、且つ耐
熱性、耐寒性、耐熱老化性および力学的特性に優れ、そ
の上射出成形などを行った場合に寸法精度の高い成形品
を製造することのできる熱可塑性ポリウレタンの重合体
組成物、並びに該重合体組成物よりなる成形品を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、特定の熱可塑性ポリウ
レタンに対して特定のポリエステル系樹脂を特定の割合
で配合した場合には、そこで得られる重合体組成物が押
出成形性に優れていて、押出成形時に粘度の急激な上昇
やブツの発生がないこと、そしてその重合体組成物から
得られる成形品は、高硬度であると同時に、耐熱性、耐
寒性、耐熱老化性および力学的特性に優れており、しか
もその重合体組成物を射出成形して得られる成形品は寸
法精度が高いことを見出して本発明を完成した。それと
併せて、本発明者らは、上記した重合体組成物に特定の
ポリカルボジイミド化合物を特定の量で配合すると、上
記した諸特性と共に更に耐加水分解性および耐久性が付
与されることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、熱可塑性ポリウレタ
ン(A)およびポリエステル系樹脂(B)から主として
なる重合体組成物であって、 (i) 前記熱可塑性ポリウレタン(A)が、ポリエス
テルジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の
反応により得られ、該熱可塑性ポリウレタン(A)を構成
するポリエステルジオールが、下記の式(a);
【0006】
【化8】 −O−(CH2)9−O− (a) で表されるジオール単位(a)および/または下記の式
(b);
【0007】
【化9】 −O−CH2−CH(CH3)−(CH2)6− (b) で表されるジオール単位(b)と、下記の式(c);
【0008】
【化10】 −CO−(CH2)m−CO− (c) (式中mは4〜12の整数を示す)で表される脂肪族ジ
カルボン酸単位(c)および下記の式(d);
【0009】
【化11】 −CO−Ar1−CO− (d) (式中Ar1は2価の芳香族炭化水素基を示す)で表さ
れる芳香族ジカルボン酸単位(d)から主として形成さ
れていて、ポリエステルジオール中における脂肪族ジカ
ルボン酸単位(c):芳香族ジカルボン酸単位(d)=
3:7〜8:2のモル比であって;且つ該ポリエステル
ジオールの数平均分子量が1700〜6000であり; (ii) 前記ポリエステル系樹脂(B)が、下記の式
(e);
【0010】
【化12】 −O−(CH2)n−O− (e) (式中nは2〜12の整数を示す)で表されるジオール
単位(e)と、下記の式(f);
【0011】
【化13】 −CO−Ar2−CO− (f) (式中Ar2は2価の芳香族炭化水素基を示す)で表さ
れる芳香族ジカルボン酸単位(f)から主としてなるポ
リエステル系樹脂であり;そして (iii) 前記熱可塑性ポリウレタン(A):ポリエス
テル系樹脂(B)の含有割合が、9:1〜3:7の重量
比である;ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン
(A)およびポリエステル系樹脂(B)から主としてな
る重合体組成物である。
【0012】そして、本発明は、下記の式(g);
【0013】
【化14】 (式中R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子また
は炭素数1〜4のアルキル基、pは10〜50の整数を
示す)で表されるポリカルボジイミド化合物を重合体組
成物の全重量に基づいて更に0.1〜5重量%含有する
上記した熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエステル系
樹脂(B)から主としてなる重合体組成物である。更
に、本発明は、上記した重合体組成物を用いて得られた
成形品を包含する。
【0014】本発明の重合体組成物で用いる熱可塑性ポ
リウレタン(A)は、ポリエステルジオール、有機ジイ
ソシアネートおよび鎖伸長剤の反応により得られる熱可
塑性ポリウレタンであり、該該熱可塑性ポリウレタン
(A)を構成するポリエステルジオールが、上記の式
(a)で表されるジオール単位(a)(すなわち1,9
−ノナンジオール単位)および/または上記の式(b)
で表されるジオール単位(b)(すなわち2−メチル−
1,8−オクタンジオール単位)からなるジオール単位
と、ジオールの式(c)で表される脂肪族ジカルボン酸
単位(c)および上記の式(d)で表される芳香族ジカル
ボン酸単位(d)からジカルボン酸単位から主として形
成されていることが必要である。
【0015】上記の場合に、熱可塑性ポリウレタン
(A)を構成するポリエステルジオールにおいて、その
ジオール単位はジオール単位(a)単独でも、ジオール
単位(b)単独でも、またはジオール単位(a)とジオ
ール単位(b)の両方からなっていてもよく、そのうち
でもジオール単位(a)(1,9−ノナンジオール単
位)が含まれるようにするのが耐寒性、耐水性の点から
好ましい。また、熱可塑性ポリウレタン(A)を構成す
るポリエステルジオールは、ジオール単位として、ジオ
ール単位(a)および/またはジオール単位(b)と共
に、場合により少量(通常全ジオール単位の20モル%
以下)の他のジオール単位を含んでいてもよく、その場
合の他のジオール単位の例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールなどのジオールからなる単
位を挙げることができる。
【0016】また、熱可塑性ポリウレタン(A)を構成
するポリエステルジオールでは、そのジカルボン酸単位
が、脂肪族ジカルボン酸単位(c):芳香族ジカルボン
酸単位(d)=3:7〜8:2のモル比であることが必
要であり、4:6〜7:3であることが好ましい。脂肪
族ジカルボン酸単位(c):芳香族ジカルボン酸単位
(d)が上記した3:7〜8:2のモル比であるポリエ
ステルジオールから得られたポリウレタンを用いること
によって、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエステル
系樹脂(B)とからなる重合体組成物の耐加水分解性お
よび耐寒性が良好なものとなる。
【0017】そして、上記の場合に、脂肪族ジカルボン
酸単位(c)としては、上記の式(c)においてm=4
〜12の整数である脂肪族ジカルボン酸単位のいずれで
もよく、その好ましい例として、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ドデカン
二酸などからなるジカルボン酸単位を挙げることがで
き、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのmが
4〜8の整数である脂肪族ジカルボン酸単位が特に好ま
しい。ポリエステルジオールにおける脂肪族ジカルボン
酸単位(c)は単独であっても、式(c)に該当する2
種以上の脂肪族ジカルボン酸単位(c)からなっていて
もよい。また、芳香族ジカルボン酸単位(d)は、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸またはこれら
の混合物からなる芳香族ジカルボン酸単位であるのが好
ましい。
【0018】更に、熱可塑性ポリウレタン(A)を構成
する上記したポリエステルジオールは、数平均分子量が
1700〜6000であることが必要であり、2000
〜3000であるのが好ましい。数平均分子量が170
0未満のポリエステルジオールから得られた熱可塑性ポ
リウレタンを用いた場合には、該熱可塑性ポリウレタン
とポリエステル系樹脂とからなる重合体組成物の耐寒性
および力学的性質が低下し、一方で数平均分子量が60
00を超えるポリエステルジオールから得られた熱可塑
性ポリウレタンを用いた場合には、該熱可塑性ポリウレ
タンとポリエステル系樹脂とからなる重合体組成物の溶
融粘度が高くなって成形性が低下し、しかもその重合体
組成物から得られる成形品の力学的特性(引張破断強
度、伸度など)、成形品の寸法精度などが低下する。こ
こで、本明細書でいうポリエステルジオールの数平均分
子量は、いずれもJIS K−1557に準拠して測定
した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0019】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用い
られるポリエステルジオールの製造法は特に制限され
ず、上記したジカルボン酸成分およびジオール成分を用
いて、従来既知のエステル交換反応、直接エステル化反
応などによって重縮合させて製造することができる。
【0020】また、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造
に用いられる有機ジイソシアネートの種類は特に制限さ
れず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来用いら
れている有機ジイソシアネートのいずれもが使用でき、
芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂
肪族ジイソシアネートのうちの1種または2種以上を使
用することができる。有機ジイソシアネートの例として
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、水素化4,4’−
ジフェニメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどを挙げることができ、そのうちでも4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく用
いられる。
【0021】また、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造
に用いられる鎖伸長剤としては、通常の熱可塑性ポリウ
レタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のいず
れもが使用でき、その種類は特に制限されない。そのう
ちでも、脂肪族ジオール、脂環式ジオールおよび芳香族
ジオールのうちの1種または2種以上を鎖伸長剤として
用いるのが好ましく、具体例としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘ
キサンジメタノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼンなどのジオール類を挙げることができ
る。上記したうちでも、鎖伸長剤として炭素数2〜9の
脂肪族ジオールを用いるのが好ましい。
【0022】そして、本発明で用いる熱可塑性ポリウレ
タン(A)は、上記したポリエステルジオール、有機ジ
イソシアネートおよび鎖伸長剤を、ポリエステルジオー
ルと鎖伸長剤の合計モル数:有機ジイソシアネートのモ
ル数の比が1:0.98〜1:1.10の範囲になるよ
うにして反応させて得られたポリウレタンであるのが好
ましい。そのような熱可塑性ポリウレタン(A)を含有
する本発明の重合体組成物は溶融時に急激な粘度上昇が
なく押出成形性などの成形性に優れ、その重合体組成物
から得られた成形品は耐熱性が良好なものとなる。
【0023】また、限定されるものではないが、熱可塑
性ポリウレタン(A)としてその窒素原子重量含有率が
1.6〜4.5重量%である熱可塑性ポリウレタンを用
いると、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエステル系
樹脂(B)とからなる重合体組成物の低温特性がより良
好になり好ましく、窒素原子重量含有率が2.0〜3.
0重量%の熱可塑性ポリウレタン(A)を用いるのが一
層好ましい。一般に、熱可塑性ポリウレタンの窒素原子
重量含有率が1.6重量%未満の熱可塑性ポリウレタン
を用いた場合には、熱可塑性ポリウレタンとポリエステ
ル系樹脂とからなる重合体組成物の力学的特性が低下す
る傾向があり、その用途に制限を受け易い。ここで、本
願明細書でいう熱可塑性ポリウレタンの窒素原子重量含
有率とは、重合(好ましくは溶融重合)により得られた
ポリウレタンのペレットを80℃で20時間除湿乾燥し
たものを用いて、元素分析装置(パーキンエルマー社製
「2400−2型」)により元素分析を行って求めた窒
素原子重量含有率をいう。
【0024】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
(A)の製造方法は特に制限されず、上記したポリエス
テルジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を
使用して、公知のウレタン化反応技術を利用して、プレ
ポリマー法およびワンショット法のいずれで製造しても
よい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重
合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を
用いる連続溶融重合が好ましい。また、ポリウレタンの
重合過程または重合後に、必要に応じて着色剤、滑剤、
結晶核剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐候性
改良剤、加水分解防止剤、粘着性付与剤、防黴剤等の添
加剤の1種または2種以上を適宜加えてもよい。
【0025】また、本発明の重合体組成物で用いるポリ
エステル系樹脂(B)としては、上記の式(e)で表さ
れるジオール単位(e)と上記の式(f)で表される芳
香族ジカルボン酸単位(f)から主としてなる熱可塑性
ポリエステル系樹脂であればいずれでもよく特に限定さ
れない。ポリエステル系樹脂(B)を構成するジオール
単位(e)の例としては、エチレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジ
オールなどからなるジオール単位を挙げることができ、
ジオール単位(e)は上記したジオールのうちの単独か
らなっていてもまたは2種以上のジオール単位からなっ
ていてもよい。そのうちでも、ジオール単位(e)はエ
チレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオー
ルからなるジオール単位であるのが好ましい。
【0026】また、ポリエステル系樹脂(B)を構成す
る芳香族ジカルボン酸単位(f)の例としては、テレフ
タル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジ
カルボン酸からなるジカルボン酸単位を挙げることがで
き 芳香族ジカルボン酸単位(f)は単独の芳香族ジカ
ルボン酸からなっていてもまたは2種以上の芳香族ジカ
ルボン酸からなっていてもよい。そのうちでも、本発明
の重合体組成物で用いるポリエステル系樹脂(B)がポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トまたはそれらの混合物であるのが好ましい。ポリエス
テル系樹脂(B)は、上記したジオール単位(e)およ
び芳香族ジカルボン酸単位(f)と共に、必要に応じて
少量(通常20モル%以下)の他のジオール単位および
/またはジカルボン酸単位を有していてもよい。また、
限定されるものではないが、ポリエステル系樹脂(B)
は、テトラクロロエチレンとフェノールの等重量混合液
中、30℃で測定したときの固有粘度が0.5〜1.2
dl/gの範囲であるのが、力学性能の点から好まし
い。
【0027】ポリエステル系樹脂(B)の製法は特に制
限されず、式;H−O−(CH2)n−O− H(nは2〜
12の整数を示す)で表される脂肪族ジオールと芳香族
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を、既知
の方法によって直接エステル化反応またはエステル交換
反応により重縮合させて製造することができる。限定さ
れるものではないが、例えば、芳香族ジカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体に対して若干過剰量の上記
した脂肪族ジオールを加えて約170〜210℃の温度
で脱水・エステル化反応を行わせた後、約230〜26
0℃で減圧下に加熱して余分の脂肪族ジオールを系外に
留出させることによりポリエステル系樹脂を製造するこ
とができる。そのようにして得られたポリエステル系樹
脂は必要に応じて固相重合(例えばガラス転移温度以
上、融点以下の温度で、1torr以下の減圧下で加熱
する)を行って高重合度化して用いてもよい。また、水
処理、温水処理などの公知の後処理法を行ったポリエス
テル系樹脂を用いてもよい。
【0028】本発明の重合体組成物は、上記した熱可塑
性ポリウレタン(A)およびポリエステル系樹脂(B)
を9:1〜3:7の重量比で含有していることが必要で
あり、8:2〜4:6の重量比で含有しているのが好ま
しい。熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエステル系樹
脂(B)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン
(A)の含有量が90重量%よりも多い[ポリエステル
系樹脂(B)の含有量が10重量%よりも少ない]と、
重合体組成物より得られる成形品の耐熱性、耐熱老化
性、硬度が低下し且つ成形品(特に射出成形品)の寸法
精度が劣ったものになる。一方、熱可塑性ポリウレタン
(A)とポリエステル系樹脂(B)の合計重量に基づい
て、熱可塑性ポリウレタン(A)の含有量が30重量%
よりも少ない[ポリエステル系樹脂(B)の含有量が7
0重量%よりも多い]と重合体組成物から得られる成形
品の耐寒性が低下しかつ引張破断伸度が著しく低下す
る。
【0029】本発明の重合体組成物は、必要に応じて上
記した式(g)で表されるポリカルボジイミド化合物を
含有していてもよく、ポリカルボジイミド化合物を重合
体組成物中に含有させることによって、上記した熱可塑
性ポリウレタン(A)およびポリエステル系樹脂(B)
を含有する本発明の重合体組成物から得られる成形品の
耐加水分解性および耐久性が一層良好なものとなる。ポ
リカルボジイミド化合物を表わす上記の式(g)におい
て、ベンゼン核に結合した基R1、R2およびR3は、そ
れぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基またはブチル基から選ばれる。そのうちでも、
1、R2およびR3のすべてが炭素数1〜4のアルキル
基であるのが好ましく、特にエチル基、イソプロピル基
またはt−ブチル基であるのがより好ましい。また、上
記の式(g)で表されるポリカルボジイミド化合物とし
ては、その繰り返し単位の数pが10〜50であるもの
のいずれもが使用でき、かかるポリカルボジイミド化合
物は熱可塑性ポリウレタン(A)との相溶性がよくて組
成物からのブリードアウトがなく、かつ加水分解抑制効
果に優れる点から好ましい。また、繰り返し単位数pに
分布のあるポリカルボジイミド化合物の混合物も使用で
きる。
【0030】そして、本発明の重合体組成物中にポリカ
ルボジイミド化合物を含有させる場合は、その含有量を
熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエステル系樹脂
(B)の合計重量に基づいて0.1〜5重量%とするの
が耐加水分解性およい耐久性の向上効果の点から好まし
く、0.5〜1重量%であるのがより好ましい。重合体
組成物中におけるポリカルボジイミド化合物の含有量が
5重量%よりも多いと重合体組成物および成形品が黄褐
色に着色し、色調および外観が不良になり易い。
【0031】また、本発明の重合体組成物は、上記した
熱可塑性ポリウレタン(A)、ポリエステル系樹脂
(B)および場合により配合されるポリカルボジイミド
化合物と共に、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、光
安定剤、難燃剤、滑剤、着色剤などの添加剤を含有する
ことができる。本発明の重合体組成物の製造方法は特に
制限されず、熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性ポリエス
テル系樹脂の組成物を製造する際に従来から使用されて
いる方法のいずれもが採用できる。例えば、熱可塑性ポ
リウレタン(A)、ポリエステル系樹脂(B)および場
合によりポリカルボジイミド化合物をドライブレンドし
た後、単軸押出機、二軸押出機などの押出機で溶融混練
しストランド状に押出してから適当な長さに切断してペ
レットなどの粒状物にする方法、熱可塑性ポリウレタン
(A)の重合時にポリカルボジイミド化合物を添加し、
そこで得られた熱可塑性ポリウレタンにポリエステル系
樹脂(B)をブレンドした後単軸押出機、二軸押出機な
どの押出機で溶融混練しストランド状に押出してから適
当な長さに切断してペレットなどの粒状物にする方法な
どを挙げることができる。
【0032】本発明の重合体組成物は熱可塑性であり、
しかも溶融粘度の急激な上昇がないことから、熱溶融成
形、加熱加工が可能であり、押出成形、射出成形、ブロ
ー成形、カレンダー成形、注型などの任意の成形方法に
よって種々の成形品を円滑に製造することができる。そ
して、本発明の重合体組成物を用いて得られる成形品
は、耐熱性、耐寒性、耐熱老化性、引張破断強度や引張
破断伸度などの力学的特性、耐加水分解性に優れ、寸法
精度も良好なので、フィルム、シート、ベルト、ホー
ス、チューブ、ロール、ジョイントブーツ、靴底、電気
製品のハウジングの被覆、キーボードのキートップ、各
種グリップ、スクリーン、キャスター、ギヤ、パッキン
グ材、防振材、制振材、自動車部品、複写機用クリーニ
ングブレードなどなどの種々の成形品にすることがで
き、本発明はそれらの成形品を包含する。更に、本発明
の重合体組成物は、溶剤に溶解して接着剤などとして用
いたり、皮革、弾性繊維などの製造に用いることもでき
る。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、ポリウレタンの窒素原子重量含有率、ポリウ
レタンの硬度、ポリエステル樹脂の固有粘度[η]、ポ
リウレタンとポリエステル樹脂のブレンド特性(相溶
性)、重合体組成物の押出成形性、重合体組成物から得
られる成形品の引張破断強度および引張破断伸度、耐熱
性(ビカット軟化温度)、耐寒性、耐熱老化性、寸法精
度(射出成形品)並びに硬度は、以下のようにして測定
または評価した。
【0034】[ポリウレタンの窒素原子重量含有率]以
下のそれぞれの参考例で溶融重合して得られたポリウレ
タンのペレットを80℃で20時間除湿乾燥した後、元
素分析装置(パーキンエルマー社製「2400−2
型」)により元素分析を行ってその窒素原子重量含有率
を求めた。
【0035】[ポリウレタンの硬度]以下のそれぞれの
参考例で得られたポリウレタンのペレットを80℃で2
0時間除湿乾燥した後、日精樹脂工業社製の射出成形機
(「FS80S 12ASE」)を用いて、溶融温度2
30℃、金型温度30℃の条件下に射出成形を行って得
られた厚さ2mm、直径120mmの試験片を製造し、
JIS A硬度およびJIS D硬度をJIS K 7
311に準じて測定した。
【0036】[ポリエステル樹脂の固有粘度[η]]ポ
リエステル樹脂ペレットをテトラクロロエチレンとフェ
ノールの等重量混合液中に溶解し、30℃で測定した。
【0037】[ポリウレタンとポリエステル樹脂のブレ
ンド特性]熱可塑性ポリウレタンペレットとポリエステ
ル樹脂ペレットを単軸押出機[(株)プラスチック工学
研究所製「GT−25」]に供給して温度240〜25
0℃で溶融混練した後、直径3mmの押出孔を有する温
度235〜240℃のダイスからストランド状に押し出
し、押し出されたストランドの外径を光学式外径変動検
出器(KEYENCE社製「KB−1440」)により
10分間検出し、±10%よりも大きい外径変動を生じ
ていた場合を×、外径変動がそれ以下の場合を○とし
て、ポリウレタンとポリエステル樹脂とのブレンド特性
を評価した。
【0038】[重合体組成物の押出成形性]以下のそれ
ぞれの例で得られた重合体組成物のペレットを80℃で
1.5時間減圧乾燥して脱水し、島津製作所製「フロー
タスター」(ダイス穴寸法:直径1mmで長さ10m
m;荷重50kgf)を用いて、230℃の温度で6分
間溶融状態に保って6分後の溶融粘度(η6)を測定し
た。また同様にして脱水処理した重合体組成物のペレッ
トを同じフローテスターを用いて230℃の温度で60
分間溶融状態に保って60分後の溶融粘度(η60)を測
定した。そして、溶融時間6分間の時の溶融粘度(η6)
に対する溶融時間60分間の時の溶融粘度(η60)の粘
度上昇率(%)[すなわち{(η60−η6)/η6}×1
00]の値が10%以下の場合を○、10%を超える場
合を×として評価した。
【0039】[成形品の引張破断強度および引張破断伸
度]射出成形機(日精樹脂工業製;「FS80S 12
ASE」)を用いて、溶融温度230℃、金型温度30
℃で下記の実施例または比較例の重合体組成物を使用し
て成形を行って厚み2mm、直径120mmの円板型シ
ート状成形品を製造した。このシート状成形品を7日間
温度20℃、65RHの環境下に放置した後、試験片と
して用いて、JIS K 7311に準拠して引張試験を
行い、破断時の標線(標線間:20mm)を実測し、試
験前の標線間距離からの伸び率を引張破断伸度とし、破
断時の応力を破断強度とした。
【0040 【0040[耐寒性(低温特性)]前記と同じようにし
て射出成形および7日間の放置を行って得た厚み2m
m、直径120mmの円板型シート状成形品から、サイ
ズが幅2mm、厚み0.5mm、長さ40mmの試験片
を切り出し、レオロジー株式会社製の動的粘弾性測定器
「レオスペクトラーDVE−IV」を使用して11Hzの
振動数にて測定を行い、α分散温度Tα(損失弾性率
E”α分散が極大値を示す温度)を測定した。【004
1】[耐熱老化性]前記と同じようにして射出成形およ
び7日間の放置を行って得た厚み2mm、直径120m
mの円板型シート状成形品を試験片として用いて、この
試験片を150℃の温度の熱風乾燥器中に25日間曝し
て加熱促進試験を行い、加熱促進試験の前と後の試験片
の引張破断強度を、それぞれJIS K 7311に準
拠して測定し、加熱促進試験前の引張破断強度に対する
加熱促進試験後の引張破断強度の保持率(%)を求め
て、保持率が60%以上のものを○、60%未満のもの
を×として評価した。
【0042】[成形品(射出成形品)の寸法精度]前記
と同じようにして射出成形して得た厚み2mm、直径1
20mmの円板型シート状成形品において、射出方向の
直径(L1)と、射出方向と直角の方向の直径(L2)を
正確に測定し、それらの直径の比:L1/L2が1.01
〜0.99の範囲内の場合を○、1.01〜0.99の
範囲から外れる場合を×として、成形品(射出成形品)
の寸法精度を評価した。
【0043】[重合体組成物よりなる成形品の硬度]前
記と同じようにして射出成形および7日間の放置を行っ
て得た厚み2mm、直径120mmの円板型シート状成
形品を試験片として用いて、JIS A硬度をJIS
K 7311に準じて測定した。
【0044】また、下記の参考例、実施例および比較例
で用いた化合物に関する略号と、その化合物の内容は、
次の表1に示すとおりである。
【0045】
【表1】 略 号 : 化合物の種類 AA :アジピン酸 IPA :イソフタル酸 TPA :テレフタル酸 ND :1,9−ノナンジオール MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート BD :1,4−ブタンジオール
【0046】《参考例 1〜6》[ポリウレタン〜
の製造] 下記の表2に示すポリエステルジオール、有機ジイソシ
アネート(MDI)および鎖伸長剤(BD)を表2に示
す割合(モル比)で同方向二軸押出機(プラスチック工
学研究所製;「BP−30−S」;φ30mm、スクリ
ュー長さ1080mm)に供給すると共にポリカルボジ
イミド化合物(住友バイエル社製「Stabaxol
P−100」)をポリウレタン用原料100重量部当た
り1重量部の割合で同時に供給して、250℃で溶融重
合させた後、直径約3mmのストランド状に押出し、水
冷した後切断して、直径約3mm、長さ約4mmの、ポ
リカルボジイミド化合物を含有するポリウレタン(P
U)〜のペレットをそれぞれ製造した。得られたポ
リウレタンのペレットを80℃で1.5時間減圧乾燥し
て水分を除去した。
【0047】《参考例 7〜8》[ポリエステル樹脂の
製造] 芳香族ジカルボン酸(TPA)と下記の表3に示す脂肪
族ジオールとを1:1.2:1のモル比で反応器に仕込
み、210℃の温度で大気圧下にエステル化反応を行っ
て所定量の水を留出させた後、チタン系のエステル化触
媒を加えて230℃の温度で1torr以下の減圧下で
エステル交換反応を行って過剰の脂肪族ジオールを留出
させて重縮合反応を行った後、ストランド状に押し出
し、冷却、切断して、直径約3mm、長さ約4mmのポ
リエステル樹脂[[η]=0.8(dl/g)]およ
びのペレットをそれぞれ製造した。得られたポリエス
テル樹脂のペレットを120℃で2時間減圧乾燥して水
分を除去した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】《実施例1〜5》 (1) 上記の参考例1または参考例2で得られたポリ
カルボジイミド化合物を含有する乾燥したポリウレタン
またはのペレットと、上記の参考例7または参考例
8で得られたポリエステル樹脂またはの乾燥したペ
レットを用いて、ポリウレタンとポリエステル樹脂のブ
レンド特性、重合体組成物の押出成形性を上記した方法
で評価した。 (2) また、上記の参考例1または参考例2で得られ
たポリカルボジイミド化合物を含有する乾燥したポリウ
レタンまたはのペレットと、上記の参考例7または
参考例8で得られたポリエステル樹脂またはの乾燥
したペレットを下記の表4に示す重量割合でドライブレ
ンドした後、単軸押出機[プラスチック工学研究所製の
単軸押出機「GT−25」(φ25mm、L/D=2
5)]に供給して、温度240〜250℃で溶融混練し
た後ストランド状に押し出し、冷却、切断して、ポリウ
レタン、ポリエステル樹脂およびポリカルボジイミド化
合物を含有する重合体組成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られた重合体組成物のペレット
を用いて射出成形を行って成形品(試験片)を上記した
方法で作製し、その試験片を用いて、その引張破断強度
および引張破断伸度、耐熱性(ビカット軟化温度)、耐
寒性、耐熱老化性、寸法精度(射出成形品)並びに硬度
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
4に示すとおりであった。
【0051】《比較例 1》 (1) 上記の参考例1で得られたポリカルボジイミド
化合物を含有する乾燥したポリウレタンのペレットを
単独で用いて射出成形を行って成形品(試験片)を上記
した方法で作製し、その試験片を用いて、その引張破断
強度および引張破断伸度、耐熱性(ビカット軟化温
度)、耐寒性、耐熱老化性、寸法精度(射出成形品)並
びに硬度を上記した方法で測定または評価したところ、
下記の表4に示すとおりであった。
【0052】《比較例 2》 (1) 上記の参考例7で得られたポリエステル樹脂
の乾燥したペレットを単独で用いて射出成形を行って成
形品(試験片)を上記した方法で作製し、その試験片を
用いて、その引張破断強度および引張破断伸度、耐熱性
(ビカット軟化温度)、耐寒性、耐熱老化性、寸法精度
(射出成形品)並びに硬度を上記した方法で測定または
評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0053】《比較例 3〜6》 (1) 上記の参考例3〜6で得られたポリカルボジイ
ミド化合物を含有する乾燥したポリウレタン〜のペ
レットと、上記の参考例7で得られたポリエステル樹脂
の乾燥したペレットを用いて、ポリウレタンとポリエ
ステル樹脂のブレンド特性、重合体組成物の押出成形性
を上記した方法で評価した。 (2) 上記の参考例3〜6で得られたポリカルボジイ
ミド化合物を含有する乾燥したポリウレタン〜のペ
レットと、上記の参考例7で得られたポリエステル樹脂
の乾燥したペレットを下記の表4に示す重量割合でド
ライブレンドした後、実施例1〜5と同様にして単軸押
出機に供給して溶融混練した後ストランド状に押し出
し、冷却、切断して、ポリウレタン、ポリエステル樹脂
およびポリカルボジイミド化合物を含有する重合体組成
物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られた重合体組成物のペレット
を用いて射出成形を行って成形品(試験片)を上記した
方法で作製し、その試験片を用いて、その引張破断強度
および引張破断伸度、耐熱性(ビカット軟化温度)、耐
寒性、耐熱老化性、寸法精度(射出成形品)並びに硬度
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
4に示すとおりであった。
【0054】
【表4】
【0055】上記の表4の結果から、前記した(i)〜
(iii)の要件のすべてを満足する実施例1〜5の本発
明の重合体組成物の場合は、ポリウレタンとポリエステ
ル樹脂のブレンド特性(相溶性)が優れていて両方の重
合体が良好にブレンドされること、重合体組成物の溶融
粘度の上昇が少なく押出成形性などの成形性が優れてい
ること、しかも重合体組成物から得られる成形品は、引
張破断強度や引張破断伸度などの力学的特性、耐熱性
(ビカット軟化温度)、耐寒性、耐熱老化性、寸法精度
(射出成形品)並びに硬度のすべてに優れていることが
わかる。
【0056】それに対して、ポリエステル樹脂を含有せ
ずにポリウレタンの単独からなる比較例1の場合は成
形品の耐熱老化性、寸法精度が劣っており、しかも硬度
も低いこと、またポリエステル樹脂の単独からなる比
較例2の場合は成形品の引張破断伸度が著しく低く、し
かも耐寒性が著しく劣っていることがわかる。また、ポ
リウレタンを構成するポリエステルジオールにおける脂
肪族ジカルボン酸単位(c)と芳香族ジカルボン酸単位
(d)のモル比が本発明における上記の要件(i)の範
囲から外れているポリウレタンを用いている比較例3
の重合体組成物の場合はそれから得られる成形品の耐寒
性が大幅に劣ることがわかる。 さらに、ポリウレタンを構成するポリエステルジオール
の数平均分子量が1500であって本発明における上記
の要件(i)の範囲から外れているポリウレタンを用
いている比較例4の重合体組成物の場合はそれから得ら
れる成形品の耐寒性および引張破断伸が劣っており、し
かも成形品(射出成形品)の寸法精度が悪いことがわか
る。
【0057】また、ポリウレタンを構成するポリエステ
ルジオールにおけるジカルボン酸単位が脂肪族ジカルボ
ン酸単位のみからなっていて、芳香族ジカルボン酸単位
を有しておらず、本発明における上記の要件(i)を満
たしていないポリウレタンまたはポリウレタンを用
いている比較例5および6の重合体組成物では、ポリウ
レタンとポリエステル樹脂とのブレンド特性が悪く、し
かも溶融粘度の上昇が大きく押出成形性などの成形性に
劣り(比較例6)、さらに引張破断強度が低く力学的特
性にも劣っていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の重合体組成物は、重合体組成物
を構成する熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエステル
系樹脂(B)のブレンド特性(相溶性)が良好であり、
溶融時の粘度上昇が少なくて押出成形性や射出成形性な
どの成形性に優れている。しかも、本発明の重合体組成
物を用いた場合には、高硬度で且つ耐寒性、耐熱性、耐
熱老化性、引張強度などの力学的特性に優れ、その上寸
法精度の高い成形品を円滑に得ることができる。そし
て、本発明の重合体組成物中に更に上記の式(g)で表
されるポリカルボジイミド化合物を含有させた場合に
は、重合体組成物およびそれからなる成形品に良好な耐
加水分解性や耐久性を付与することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン(A)およびポリ
    エステル系樹脂(B)から主としてなる重合体組成物で
    あって、 (i) 前記熱可塑性ポリウレタン(A)が、ポリエス
    テルジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の
    反応により得られ、該熱可塑性ポリウレタン(A)を構成
    するポリエステルジオールが、下記の式(a); 【化1】 −O−(CH2)9−O− (a) で表されるジオール単位(a)および/または下記の式
    (b); 【化2】 −O−CH2−CH(CH3)−(CH2)6− (b) で表されるジオール単位(b)と、下記の式(c); 【化3】 −CO−(CH2)m−CO− (c) (式中mは4〜12の整数を示す)で表される脂肪族ジ
    カルボン酸単位(c)および下記の式(d); 【化4】 −CO−Ar1−CO− (d) (式中Ar1は2価の芳香族炭化水素基を示す)で表さ
    れる芳香族ジカルボン酸単位(d)から主として形成さ
    れていて、ポリエステルジオール中における脂肪族ジカ
    ルボン酸単位(c):芳香族ジカルボン酸単位(d)=
    3:7〜8:2のモル比であって;且つ該ポリエステル
    ジオールの数平均分子量が1700〜6000であり; (ii) 前記ポリエステル系樹脂(B)が、下記の式
    (e); 【化5】 −O−(CH2)n−O− (e) (式中nは2〜12の整数を示す)で表されるジオール
    単位(e)と、下記の式(f); 【化6】 −CO−Ar2−CO− (f) (式中Ar2は2価の芳香族炭化水素基を示す)で表さ
    れる芳香族ジカルボン酸単位(f)から主としてなるポ
    リエステル系樹脂であり;そして (iii) 前記熱可塑性ポリウレタン(A):ポリエス
    テル系樹脂(B)の含有割合が、9:1〜3:7の重量
    比である;ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン
    (A)およびポリエステル系樹脂(B)から主としてな
    る重合体組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系樹脂(B)を構成する式
    (e)で表されるジオール単位(e)が、n=4の1,
    4−ブタンジオール単位である請求項1の重合体組成
    物。
  3. 【請求項3】 下記の式(g); 【化7】 (式中R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子また
    は炭素数1〜4のアルキル基、pは10〜50の整数を
    示す)で表されるポリカルボジイミド化合物を重合体組
    成物の全重量に基づいて更に0.1〜5重量%含有する
    請求項1または2の重合体組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項の重合体組
    成物を用いて得られた成形品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004537621A (ja) * 2001-08-10 2004-12-16 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 熱可塑性ポリウレタン
JP2005002342A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Rhein Chem Rheinau Gmbh 熱可塑性成形組成物の相溶性混合物
JP2011513564A (ja) * 2008-03-11 2011-04-28 ア.ピ.イ. アップリカツィオーニ プラスティケ インデュストリアリ ソシエタ ペル アチオニ 生分解性エラストマー組成物
KR101347737B1 (ko) * 2011-11-18 2014-01-20 대진산업 (주) 브러쉬 모재용 조성물 및 이를 이용한 브러쉬 모재

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