JPH05163431A - 熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物

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JPH05163431A JP35335491A JP35335491A JPH05163431A JP H05163431 A JPH05163431 A JP H05163431A JP 35335491 A JP35335491 A JP 35335491A JP 35335491 A JP35335491 A JP 35335491A JP H05163431 A JPH05163431 A JP H05163431A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1)炭素数6〜9の低分子ジオール単位を
含む数平均分子量1000〜5000のポリエステル鎖
またはポリカーボネート鎖を分子中に含有する熱可塑性
ポリウレタン100重量部および(2)高級脂肪酸と脂
肪族ポリオールとの縮合物0.3〜3重量部を含む熱可
塑性ポリウレタン組成物。 【効果】 この熱可塑性ポリウレタン組成物は、熱ロー
ルからの離型性がよく、また耐熱性に優れる。このため
カレンダー加工法によりシートまたはフィルムを製造す
るための素材として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の熱可塑性ポリウレ
タンと配合剤とを含む組成物に関する。本発明の熱可塑
性ポリウレタン組成物は、優れた耐熱性と離型性を有し
ており、フィルム製造のためのカレンダー加工に適した
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より熱可塑性ポリウレタンは、高弾
性率を有し、耐摩耗性および耐油性に優れるなどの多く
の特長を有するために、ゴムおよびプラスチックスの代
替材料として注目されており、多くのプラスチックス成
形加工法が適用できるようになってきている。しかし、
カレンダー加工法については、ゴムや塩化ビニル樹脂で
薄いフィルムから数ミリ厚のシートに至るまでの種々の
厚みのフィルム、シートの製造法として多用されている
反面、熱可塑性ポリウレタンでの実績は少ない。
【0003】カレンダー加工法は、高温のカレンダーロ
ール間の谷間で樹脂を滞留させて脱泡および混練を行
い、ロール間隙で所定の厚さに圧延する方法である。こ
の方法で薄いフィルムを作製する場合、ロール温度を上
げて樹脂の流動性を高め、さらにロール間隙を狭くする
必要性がある。しかし、熱可塑性ポリウレタンは粘着性
が強く、しかも温度を上げると離型性が一層悪くなる傾
向があるため、カレンダーロールから均一な形態のフィ
ルムが離型できなくなる。また、カレンダー加工はオー
プンロール方式で行われるので、加工中、樹脂は空気中
で高温条件にさらされることとなる。従って、ポリエー
テル系熱可塑性ポリウレタン等の耐熱性の不十分なポリ
ウレタンでは、着色や熱分解が起こるためカレンダー加
工には、その点においても不向きである。
【0004】このように熱可塑性ポリウレタンは、金属
ロールとの粘着性が強いことおよび耐熱性に劣るものが
多いことから、一般にカレンダー加工法に適した素材で
あるとは言い難い。このため、カレンダー加工法に適し
た新規なポリウレタン系素材が求められているのが実情
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような従来の熱可塑性ポリウレタンの問題点を解決し
得る、すなわち耐熱性に優れ、かつカレンダーロールか
らの離型性が良好な熱可塑性ポリウレタン組成物を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、炭素数6〜9の低分子ジオール単位を含む数平
均分子量1000〜5000のポリエステルまたはポリ
カーボネートの鎖をソフトセグメントとして分子中に含
有する熱可塑性ポリウレタン100重量部および高級脂
肪酸と脂肪族ポリオールとの縮合物0.3〜3重量部を
含むことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン組成物を提
供することにより達成される。
【0007】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタンの
分子中のソフトセグメントを構成するポリエステルまた
はポリカーボネートの鎖は、炭素数6〜9の低分子ジオ
ール単位を含む。かかる低分子ジオール単位としては、
組成物のカレンダーロールからの離型性がよく、かつカ
レンダー加工中での着色と熱分解が抑制される点から、
1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール
等の炭素数6〜9のアルキレングリコールの分子から2
個の水酸基中の2個の水素原子を除いた形の2価の基が
好ましく、とりわけ、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオールまたは
1,9−ノナンジオールの分子から2個の水酸基中の2
個の水素原子を除いた形の2価の基が好ましい、含まれ
る低分子ジオール単位の炭素数がいずれも5以下の場合
には、カレンダー加工中における組成物のロールへの粘
着、着色および熱分解が著しい。本発明の効果が十分に
奏される点から、炭素数6〜9の低分子ジオール単位は
ソフトセグメントを構成するポリエステルおよび/また
はポリカーボネート中の全低分子ジオール単位の50モ
ル%以上を占めることが好ましい。
【0008】上記ソフトセグメントを構成するポリエス
テルの鎖において、低分子ジオール単位とともに含有さ
れる低分子ジカルボン酸単位としては、コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカ
ルボン酸の分子から2個のカルボキシル基中の2個の水
酸基を除いた形の2価の基などが挙げられるが、なかで
もアジピン酸に対応する2価の基が好ましい。
【0009】上記ソフトセグメントを構成するポリエス
テルまたはポリカーボネートの鎖の数平均分子量は10
00〜5000の範囲内である。1000未満の場合に
は、組成物のカレンダーロールからの離型性が悪い。ま
た5000を越えると熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度
が高くなり、カレンダー加工性が不良となる。カレンダ
ー加工性がとりわけ良好となる点から、1500〜30
00の範囲内が好ましい。本発明で使用する熱可塑性ポ
リウレタンの分子中のソフトセグメントの一部は、ポリ
テトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等のポリエーテルの鎖であ
ってもよいが、本発明の効果を十分に奏させる上で、そ
の割合はソフトセグメントの40モル%以下にとどめる
ことが望ましい。
【0010】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタンと
しては、窒素原子の含有率が2.5〜4.5重量%の範
囲にあるものが好ましい。その窒素原子の含有率が2.
5重量%以上であることにより、カレンダーロールから
の離型性が特に良好となる。また、4.5重量%以下で
あることにより組成物の溶融粘度がカレンダー加工に適
した程度の値となる。本発明で使用する熱可塑性ポリウ
レタンの対数粘度は、0.95〜1.5dl/gの範囲
内であることが、カレンダーロールからの離型性が良好
であり、かつ力学的性能が良好なシートまたはフィルム
が得られることから好ましい。
【0011】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
は、上記所望のソフトセグメントを形成させるための原
料として、炭素数6〜9の低分子ジオール単位を含有す
る数平均分子量1000〜5000のポリエステルジオ
ールおよび/またはポリカーボネートジオールならびに
所望により少量のポリエーテルジオール等の他の高分子
ポリオールを使用し、これを常法に従って、ジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤と反応させることにより製造され
る。反応方法としては溶融重合法が好ましい。使用され
るジイソシアネートとしては、イソシアネート基を分子
中に2個含有する脂肪族、脂環族または芳香族のジイソ
シアネートであり、例えば4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられ
る。ジイソシアネートとしては特に4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートが好ましい。また、鎖伸長剤
としてはポリウレタンの製造で使用し得ることが知られ
ている連鎖成長剤、すなわちイソシアネートと反応し得
る水素原子を分子中に少なくとも2個含有する分子量4
00以下の低分子量化合物を用いることができ、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール等のジオールが挙げられる。鎖伸長剤と
しては1,4−ブタンジオールが好ましい。なお、使用
するポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネ
ートジオールの数平均分子量は、常法に従い、水酸基価
および酸価より求めることができる。
【0012】本発明で使用する高級脂肪酸と脂肪族ポリ
オールとの縮合物について次に説明する。本発明におけ
る「高級脂肪酸」とは、炭素数11以上の脂肪族一塩基
酸であり、カレンダーロールからの離型性の改善効果が
特に高く、かつ熱可塑性ポリウレタン中への分散性が良
好となる観点から、炭素数20〜35の直鎖飽和脂肪酸
が好ましい。好ましい例としては、モンタン酸が挙げら
れる。また本発明における「脂肪族ポリオール」とは、
分子中に2個以上の水酸基を有する脂肪族多価アルコー
ルであり、その好ましい例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
グリセリンなどの分子中に2〜3個の水酸基を有する炭
素数2〜6の脂肪族多価アルコールが挙げられる。本発
明における「高級脂肪酸と脂肪族ポリオールとの縮合
物」とは、脂肪族ポリオールの水酸基の実質的に全てが
それぞれ高級脂肪酸によりエステル化された形の化合物
である。本発明で使用する該縮合物は単一の化合物であ
る必要はなく、一種以上の脂肪族ポリオールが一種以上
の高級脂肪酸でエステル化された形の一種以上の化合物
であればよい。かかる縮合物における入手容易な例とし
ては、ヘキスト社製「ヘキスト・ワックスE」(炭素数
28〜32の直鎖飽和脂肪族カルボン酸を主体とする混
合高級脂肪酸をエチレングリコールでエステル化したエ
ステル化物の混合物)、ヘキスト社製「ホスタルブ W
E4」(炭素数28〜32の直鎖飽和脂肪族カルボン酸
を主体とする混合高級脂肪酸をグリセリンでエステル化
したエステル化物の混合物)などが挙げられる。
【0013】上記縮合物の配合量は、上記熱可塑性ポリ
ウレタン100重量部に対して、0.3〜3重量部の範
囲内である。0.3重量部未満の場合は、加工時に組成
物がカレンダーロールに粘着しやすくなる。3重量部を
越えると組成物の滑性が過剰になり、カレンダーロール
による可塑化を行い難くなる。
【0014】本発明の組成物は、上記の熱可塑性ポリウ
レタンの製造中に所定量の上記縮合物を配合するか、も
しくは熱可塑性ポリウレタンの製造後に所定量の上記縮
合物を各種押出機により溶融混練すること等により製造
される。なお混合時に安定剤、滑剤、充填剤、顔料等の
添加剤を本発明の効果が失われない量で添加することが
可能である。かかる滑剤として、エチレンビスステアリ
ン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどの脂
肪族系アミドを使用することにより、さらにロールから
の離型性が向上する場合がある。
【0015】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、熱可塑性ポリウレタンの窒素含有率は元素分
析法により求めた。また熱可塑性ポリウレタンの硬度
は、JIS K7311に準じて測定した。
【0016】参考例1(ポリエステルジオールの製造) 2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナ
ンジオールの混合物(モル比=35:65)1600g
およびアジピン酸1460gを反応器に仕込み、常圧下
に窒素ガスを系内に通じつつ、生成する水を系外に留出
しながら約220℃でエステル化反応を行った。生成ポ
リエステルの酸価が0.3以下になった時点から真空ポ
ンプにより徐々に真空度を上げ、反応を完結させた。こ
のようにして得られたポリエステルジオール(これをポ
リエステルジオールAと称する)は水酸基価56、酸価
0.12であることから、その数平均分子量は2000
である。
【0017】参考例2(ポリエステルジオールの製造) 参考例1において2−メチル−1,8−オクタンジオー
ルと1,9−ノナンジオールの混合物の代わりに同モル
数の3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いる以
外は同様にしてエステル化反応を行い、ポリエステルジ
オール(これをポリエステルジオールBと称する)を得
た。
【0018】参考例3および4(ポリエステルジオール
の製造) 参考例1において2−メチル−1,8−オクタンジオー
ルと1,9−ノナンジオールの混合物の代わりに1,4
−ブタンジオールを用いる以外は同様にしてエステル化
反応を行い、2種のポリエステルジオール(これらをポ
リエステルジオールCおよびDと称する)を得た。
【0019】参考例5(ポリカーボネートジオールの製
造) 窒素気流下、2−メチル−1,8−オクタンジオールと
1,9−ノナンジオールの混合物(モル比=35:6
5)1730gおよびジフェニルカーボネート2140
gを反応器に仕込み、加熱して200℃に昇温して生成
するフェノールを系外に留出させた。温度を徐々に21
0〜220℃に上げ、生成するフェノールをほとんど系
外に留出させたのち、系内を6〜10mmHgに減圧
し、この減圧下に同温度で残りのフェノールを系外に完
全に留出させた。このようにして得られたポリカーボネ
ートジオール(これをポリカーボネートジオールAと称
する)は水酸基価56、数平均分子量2000を有して
いた。
【0020】参考例1〜4で得られたポリエステルジオ
ールおよび参考例5で得られたポリカーボネートジオー
ルについて、ジオール成分とその組成、ポリエステルジ
オールのジカルボン酸成分、および数平均分子量をまと
めて表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表1においてジオール成分およびジ
カルボン酸成分は、それぞれこれらを与える次の略号で
示されるジオールおよびジカルボン酸で表した。 ND :1,9−ノナンジオール MOD:2−メチル−1,8−オクタンジオール MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール AD :アジピン酸 BD :1,4−ブタンジオール
【0023】実施例1(熱可塑性ポリウレタン組成物の
製造および性能評価) ポリエステルジオールAおよび1,4−ブタンジオール
(以下、これをBDと称する)のモル比1対2.6の混
合物を50℃に加熱し、これと50℃に加熱溶融した
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、
これをMDIと称する)とを、ポリエステルジオールA
対MDI対BDのモル比が1対3.6対2.6になる量
で定量ポンプにより、同軸方向に回転する二軸スクリュ
ー型押出機に連続的に仕込み、連続溶融重合反応を行っ
た。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストラン
ド状で水中へ連続的に押し出し、ついでペレタイザーで
切断し、ペレットに成形した。
【0024】得られたポリウレタンのペレット100重
量部に高級脂肪酸とエチレングリコールとの縮合物(ヘ
キスト社製ヘキスト・ワックスE)1.0重量部を、3
5mmφ二軸スクリュー型押出機(シリンダー温度 1
70〜210℃、ダイス温度190℃)にて混練添加
し、ペレット化した。このようにして、熱可塑性ポリウ
レタン組成物のペレットを得た。
【0025】次に、得られたポリウレタン組成物のペレ
ットを2本の金属ロールからなる混練機(ロール温度1
75℃)で混練した。ロール上の組成物がロールから離
型しなくなるまでの時間を10分毎に測定した。評価結
果を表2に示す。
【0026】実施例2および3(熱可塑性ポリウレタン
組成物の製造および性能評価) ヘキスト・ワックスEの配合量を、熱可塑性ポリウレタ
ン100重量部に対して0.5重量部または2.0重量
部に変更する以外は、実施例1と同様にして熱可塑性ポ
リウレタン組成物のペレットを得た。
【0027】このようにして得られた熱可塑性ポリウレ
タン組成物を用いて、実施例1と同様の混練試験を行
い、離型性を評価した。結果を表2に示す。
【0028】実施例4および5(熱可塑性ポリウレタン
組成物の製造および性能評価) 実施例1においてポリエステルジオールAの代わりに表
2に示す高分子ジオールを用い、かつ表2に示すモル比
で高分子ジオール、MDIおよびBDを仕込む以外は同
様にして反応およびヘキスト・ワックスEの配合を行う
ことにより熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを得
た。これらのペレットを用いて実施例1と同様にして離
型性評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0029】実施例6(熱可塑性ポリウレタン組成物の
製造および性能評価) ヘキスト・ワックスEに代えてそれと同重量のホスタル
ブWE4(ヘキスト社製、高級脂肪酸とグリセリンとの
縮合物)を使用する以外は、実施例1と同様にして熱可
塑性ポリウレタン組成物のペレットを得た。このペレッ
トを用いて実施例1と同様にして離型性評価を行った。
得られた結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1(熱可塑性ポリウレタンの性能評
価) 実施例1と同様にして得られた熱可塑性ポリウレタン
を、ヘキスト・ワックスEを配合することなく、そのま
ま実施例1と同様の混練試験に供した。得られた評価結
果を表3に示す。
【0032】比較例2および3(熱可塑性ポリウレタン
組成物の製造および性能評価) 実施例1においてポリエステルジオールAの代わりに表
3に示す高分子ジオールを用い、かつ表3に示すモル比
で高分子ジオール、MDIおよびBDを仕込む以外は同
様にして反応およびヘキスト・ワックスEの配合を行う
ことにより熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを得
た。これらのペレットを用いて実施例1と同様にして離
型性評価を行った。得られた結果を表3に示す。
【0033】比較例4および5(熱可塑性ポリウレタン
組成物の製造および性能評価) ヘキスト・ワックスEに代えてそれと同重量の表3に示
す滑剤を使用する以外は、実施例1と同様にして熱可塑
性ポリウレタン組成物のペレットを得た。これらのペレ
ットを用いて実施例1と同様にして離型性評価を行っ
た。得られた結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】比較例6(熱可塑性ポリウレタン組成物の
製造および性能評価) ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン(日清紡績株式会
社製モビロンP−27)のペレット100重量部にヘキ
スト・ワックスE1.0重量部を、35mmφ二軸スク
リュー型押出機(シリンダー温度 200℃、ダイス温
度190℃)にて混練添加し、ペレット化した。この組
成物ペレットを用いて実施例1と同様の混練試験を行っ
たところ、離型性評価結果は、混練開始から粘着が始ま
るまでの時間において30分であった。
【0036】参考例6(カレンダー加工法によるシート
製造) 実施例1〜6でそれぞれ得られたものと同種の熱可塑性
ポリウレタン組成物を逆L型4本ロールカレンダー(ロ
ール温度:160〜175℃)を用いて厚さ1mmのシ
ートに成形した。いずれの組成物においても、ロールへ
の粘着が発生せず、工程通過性は長時間にわたって良好
であった。また得られたシートはいずれも、形態が良好
であり、かつ着色も認められなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明により提供される熱可塑性ポリウ
レタン組成物は、上記実施例から明らかなように熱ロー
ルからの離型性が良く、混練開始から粘着し始めるまで
の加工可能な時間が長い。本発明の組成物はかかる性能
をカレンダー加工において効果的に発揮することがで
き、該組成物を材料として用いることによって、熱可塑
性ポリウレタンシートまたはフィルムをカレンダー加工
法により、長時間にわたって安定に製造することが可能
となる。また本発明の組成物は耐熱性に優れることか
ら、得られるシートまたはフィルムの着色が防止され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数6〜9の低分子ジオール単位を含
    む数平均分子量1000〜5000のポリエステルまた
    はポリカーボネートの鎖をソフトセグメントとして分子
    中に含有する熱可塑性ポリウレタン100重量部および
    高級脂肪酸と脂肪族ポリオールとの縮合物0.3〜3重
    量部を含むことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン組成
    物。
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