JP3337280B2 - ポリウレタン組成物 - Google Patents

ポリウレタン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン組成物およ
び該ポリウレタン組成物からなる成形品に関する。詳細
には、特定の熱可塑性ポリウレタンに対して特定のカル
ボジイミド化合物を特定の量で添加することにより得ら
れる透明性、耐加水分解性などの諸特性に優れるポリウ
レタン組成物および成形品に関するものであり、本発明
のポリウレタン組成物は透明性および高い耐加水分解性
が必要とされるフィルム、シート、ベルト、ホース、チ
ューブなどの種々の成形品に有効に使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン
は、高強力、高弾性であり、耐摩耗性、耐薬品性、耐屈
曲性などの特性にも優れていることから、従来から種々
の分野で広く用いられているが、分子中のエステル結合
が加水分解を受け、特に熱水により加水分解され易いこ
とから、一般的には、耐加水分解性(耐熱水性)が要求
される用途(例えばチューブ、食品製造装置のベルトな
ど)には使用できないという欠点を有する。そのため、
耐加水分解性(耐熱水性)の要求される用途にはポリエ
ーテル系またはポリカーボネート系の熱可塑性ポリウレ
タンが一般に使用されているが、ポリエステル系熱可塑
性ポリウレタンに比べて、ポリエーテル系熱可塑性ポリ
ウレタンは耐熱老化性に劣っており、またポリカーボネ
ート系熱可塑性ポリウレタンは低温特性に劣っており、
いずれも充分に満足のゆくものではない。
【0003】そこで、ポリエステル系熱可塑性ポリウレ
タンの上記した優れた特性を備え、しかも耐加水分解性
にも優れるポリエステル系熱可塑性ポリウレタンを得る
目的で、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸に
由来する構造単位を有するポリエステルジオールを用い
て得られた熱可塑性ポリウレタンや、炭素数が6以上の
長鎖ジオールに基づくポリエステルジオールを用いて得
られた熱可塑性ポリウレタンが開発されている。しかし
ながら、そのいずれのポリエステル系ポリウレタンも、
ある程度の耐加水分解性の向上はあるものの、ポリエー
テル系熱可塑性ポリウレタンに比べてその耐加水分解性
は未だ低く、用途に応じては充分満足のゆく耐久性を有
していない。
【0004】また、熱可塑性ポリウレタン中にポリカル
ボジイミド化合物を添加してその耐久性を向上させるこ
とが知られており(特公昭38−15220号公報)、
そこではポリカルボジイミド化合物が0.1〜10重量
%の割合でポリウレタン中に添加できるとされている。
しかし、ポリカルボジイミド化合物の添加量が0.5重
量%を超えると熱可塑性ポリウレタンの透明性が失われ
て、透明チューブ、透明フイルムなどの透明性が要求さ
れる用途には使用できなくなり、一方ポリカルボジイミ
ド化合物の添加量が0.5重量%以下であると従来のポ
リエステル系熱可塑性ポリウレタンではその耐加水分解
性の向上が確保できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た力学的物性を有し、透明性、低温特性、耐熱老化性な
どの諸特性に優れ、しかも従来のポリエーテル系熱可塑
性ポリウレタンをも凌駕するような極めて良好な耐加水
分解性を有するポリエステル系熱可塑性ポリウレタン成
形品およびそのためのポリウレタン組成物を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
本発明者らが色々検討を重ねた結果、特定範囲の酸価を
有する特定の構造単位からなる高分子エステルジオール
を用いて製造した特定のポリエステル系熱可塑性ポリウ
レタンに対して、特定のカルボジイミド化合物を特定量
添加すると、力学的特性、透明性、低温特性、耐熱老化
性などの諸特性に優れ、且つ従来のポリエーテル系熱可
塑性ポリウレタンよりも耐加水分解性に優れたポリエス
テル系熱可塑性ポリウレタン成形品が得られることを見
出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリウレタンおよび
ポリカルボジイミド化合物を含有するポリウレタン組成
物であって、前記ポリウレタンが、(a)分子量500
〜8000、酸価0.05〜0.5KOHmg/gで、
且つジオール成分に由来する下記の式(I);
【0008】
【化6】 −O−(CH2)9−O− (I) で表される構造単位および/または下記の式(II);
【0009】
【化7】 −O−CH2−CH(CH3)−(CH2)6−O− (II) で表される構造単位、およびジカルボン酸成分に由来す
る下記の式(III);
【0010】
【化8】 −CO−(CH2)m−CO− (III); (式中mは4〜12の整数を示す)で表される構造単位
および/または下記の式(IV);
【0011】
【化9】 −CO−Ar−CO− (IV); (式中Arは炭素原子数6〜10の2価の芳香族炭化水
素基を示す)で表される構造単位から主としてなる高分
子エステルジオール、(b)鎖伸長剤並びに(c)有機
ジイソシアネートの反応により得られる熱可塑性ポリウ
レタンであり、そして前記ポリカルボジイミド化合物
が、下記の式(V);
【0012】
【化10】 (式中R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子
または炭素原子数1〜4のアルキル基、nは2〜20の
整数を示す)で表されるポリカルボジイミド化合物であ
り、カルボジイミド化合物の含有量が熱可塑性ポリウレ
タンの重量に基づいて0.1〜0.5重量%であることを
特徴とするポリウレタン組成物である。更に、本発明は
上記のポリウレタン組成物から製造された成形品を包含
する。
【0013】本発明のポリウレタン組成物においては、
熱可塑性ポリウレタンを構成する高分子エステルジオー
ル(a)が、上記の式(I)で表される構造単位および
/または式(II)で表される構造単位(ジオール構造単
位)、並びに上記の式(III)で表される構造単位および
/または式(IV)で表される構造単位(ジカルボン酸構
造単位)から主としてなっていることが必要である。そ
の場合に、高分子エステルジオール(a)におけるジオ
ール構造単位は式(I)で表される構造単位[以下「構
造単位(I)」という]および式(II)で表される構造
単位[以下「構造単位(II)」という]のうちの一方の
みであってもまたは両方からなっていてもよく、特に構
造単位(I)と構造単位(II)を5/95〜95/5の
モル比で有していると耐加水分解性を良好に保ちながら
可撓性と非結晶性の両方の特性を兼ね備え、しかも低温
柔軟性に優れるポリウレタンを得ることができる。構造
単位(I)は1,9−ノナンジオールから、また構造単
位(II)は2−メチル−1,8−オクタンジオールから
誘導される。
【0014】また、高分子エステルジオール(a)にお
けるジカルボン酸構造単位は、式(III)で表される構
造単位[以下「構造単位(III)」という]および式(I
V)で表される構造単位[以下「構造単位(IV)」とい
う]のうちの一方のみであってもまたは両方からなって
いてもよい。構造単位(III)と構造単位(IV)の両方
を有する場合は、両者の割合を任意のモル比で変えるこ
とができるが、構造単位(III)/構造単位(IV)=8
/2〜3/7のモル比にするのが好ましい。構造単位
(IV)が構造単位(III)の8モルに対して2モル以上
である場合には、ポリウレタンの耐湿熱性、耐熱水性、
耐加水分解性がとくに良好となる。また構造単位(II
I)が構造単位(IV)の7モルに対して3モル以上であ
る場合には、ポリウレタンの低温特性がとくに良好とな
る。
【0015】構造単位(III)は、例えばアジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸やその他の上
記の式(III)においてmが4〜12の整数である脂肪
族ジカルボン酸から誘導され、これらの脂肪族ジカルボ
ン酸は単独で使用しても2種以上併用してもよく、特に
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのmが4〜
8の整数である脂肪族ジカルボン酸またはそれらの混合
物からなるものが好ましい。また、構造単位(IV)にお
いて、式(IV)におけるAr(炭素原子数6〜10の2
価の芳香族炭化水素基)の好ましい例は、フェニレン
基、アルキル置換フェニレン基、ナフチレン基である。
構造単位(IV)は、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそれらのエ
ステル形成性誘導体(低級アルキルエステル等)、或い
はそれらの混合物から誘導され、イソフタル酸、テレフ
タル酸、オルトフタル酸またはそれらの混合物から誘導
されるのがより好ましい。
【0016】高分子エステルジオール(a)は、上記し
た構造単位(I)および/または構造単位(II)並びに
構造単位(III)および/または構造単位(IV)のみから
なっているのが好ましいが、場合によってそれらの構造
単位と共に少量(一般に20モル%以下)の他の構造単
位を分子中に有していてもよく、その場合の他の構造単
位の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3
−プロパンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コール等のジオール(1,9−ノナンジオールおよび2
−メチル−1,8−オクタンジオールを除く)から誘導
される2価の構造単位などを挙げることができる。
【0017】そして本発明では、ポリウレタンを構成す
る高分子エステルジオール(a)の分子量が500〜8
000であることが、ポリウレタンの低温特性および力
学物性の点で必要である。高分子エステルジオール
(a)の分子量が500未満であるとポリウレタンの低
温特性、力学物性(引張破断強度、引張破断伸度等)が
悪くなり、一方8000を超えてもポリウレタンの力学
物性(引張破断強度、引張破断伸度等)が悪くなる。こ
こで、本発明における高分子エステルジオール(a)の
分子量はJIS−K−1557に準拠して測定した水酸
基価に基づいて算出した数平均分子量をいう。
【0018】更に、本発明ではポリウレタンを構成する
高分子エステルジオール(a)の酸価が0.05〜0.
5KOHmg/gであることが、得られるポリウレタン
の耐湿熱性、耐熱水性、耐加水分解性を良好とするため
に必要である。高分子エステルジオール(a)の酸価が
0.05KOHmg/g未満であると、ポリウレタン中
に添加したポリカルボジイミド化合物のブリードアウト
が生ずるようになり、一方0.5KOHmg/gよりも
高いと、それから得られるポリウレタンに対してポリカ
ルボジイミド化合物を0.5重量%よりも多く添加しな
いと耐久性のあるポリウレタン組成物や成形品が得られ
ず、透明性が失われる。なお、本発明における高分子エ
ステルジオール(a)の酸価はJIS−K−0070に
したがって測定した酸価をいう。
【0019】また、ポリウレタンの製造に用いる上記の
鎖伸長剤(b)としては、ポリエステル系熱可塑性ポリ
ウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のい
ずれもが使用でき、その種類は特に制限されない。その
うちでも、脂肪族ジオール、脂環族ジオールおよび芳香
族ジオールのうちの1種または2種以上を鎖伸長剤とし
て使用するのが好ましく、そのような鎖伸長剤の例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、2
−メチルプロパンジオール、3−メチルペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ンなどを挙げることができる。
【0020】ポリウレタンの製造に用いる有機ジイソシ
アネート(c)としては、ポリエステル系熱可塑性ポリ
ウレタンの製造に従来用いられている有機ジイソシアネ
ートのいずれもが使用でき、その種類は特に制限され
ず、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート
または脂肪族ジイソシアネートのうちの1種または2種
以上を使用することができる。本発明で使用し得る有機
ジイソシアネートの例としては、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、
1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)
ベンゼン、パラフェニレンジイソシアネート、ナフタレ
ンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネートなどを挙げるこ
とができる。
【0021】ポリウレタンを生成させる際の高分子エス
テルジオール(a)、鎖伸長剤(b)および有機ジイソ
シアネート(c)の使用割合は、ポリエステル系熱可塑
性ポリウレタンを製造するのに通常採用されている割合
と同様にすればよく特に限定されないが、一般に、高分
子エステルジオール(a):鎖伸長剤(b)のモル比が
約1:1.3〜約1:7.5であり、且つ{高分子エス
テルジオール(a)と鎖伸長剤(b)の合計}:有機ジ
イソシアネートのモル比が約1:0.92〜約1:1.
1になるようにして製造されたポリウレタンが力学物性
および各種耐久性に優れており好ましい。
【0022】また、ポリウレタンの製造方法は特に制限
されず、上記した高分子エステルジオール(a)、鎖伸
長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)、更に必
要に応じて他の成分を混合して、公知の方法により製造
することができる。そのうちでも、溶媒の不存在下に押
出機(好ましくは多軸スクリュー型押出機)を使用して
連続溶融重合して製造するのが、重合時の操作性および
得られるポリウレタンの物性などの点から好ましい。
【0023】そして、本発明のポリウレタン組成物は、
上記したポリエステル系熱可塑性ポリウレタン中に上記
の式(V)で表されるポリカルボジイミド化合物を含有す
る。式(V)におけるベンゼン核に結合した基R1、R2
およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基またはブチル基から選ばれる。そ
のうちでも、R1、R2およびR3のすべてが炭素数1〜
4のアルキル基であるのが好ましく、特にエチル基、イ
ソプロピル基またはt−ブチル基であるのがより好まし
い。また、上記式(V)で表されるポリカルボジイミド
化合物としては、その繰り返し単位の数nが2〜20で
あるもののいずれも使用でき、特にnが9〜20の高分
子量タイプのものが熱可塑性ポリウレタンとの相溶性が
よく、組成物からのブリードアウトがなく、かつ加水分
解抑制効果に優れる点から好ましい。また、繰り返し単
位数nに分布のあるポリカルボジイミド化合物の混合物
も使用できる。
【0024】そして、本発明のポリウレタン組成物で
は、ポリカルボジイミド化合物の含有量をポリウレタン
の重量に基づいて0.1〜0.5重量%とすることが必
要であり、それによって透明性、低温特性、耐熱老化性
などの諸特性に優れ、しかも通常のポリエーテル系熱可
塑性ポリウレタンよりも耐加水分解性に優れるポリウレ
タン組成物およびポリウレタン成形品を得ることができ
る。それに対して、ポリカルボジイミド化合物の含有量
が0.1重量%未満であると耐加水分解性の向上効果が
充分ではなく、一方0.5重量%を超えると透明性が失
われる。
【0025】ポリウレタン中へのポリカルボジイミド化
合物の添加方法は特に制限されず、熱可塑性ポリウレタ
ンに対して従来使用されている配合方法のいずれもが採
用でき、例えば、上記したポリエステル系熱可塑性ポリ
ウレタンとポリカルボジイミド化合物とをドライブレン
ドした後、単軸押出機、二軸押出機などの押出機で溶融
混練しストランド状に押出してから適当な長さに切断し
てペレットなどの粒状物にする方法、ポリウレタンの合
成時にポリカルボジイミド化合物を添加する方法などを
採用することができる。
【0026】また、本発明のポリウレタン組成物は、上
記したポリカルボジイミド化合物の他に、必要に応じて
熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、着色
剤などの成分を含有していてもよい。本発明のポリウレ
タン組成物は熱可塑性であるので熱溶融成形、加熱加工
が可能であり、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレ
ンダー成形、注型などの任意の成形方法によって、フィ
ルム、シート、ベルト、ホース、チューブ、ロール、ジ
ョイントブーツ、靴底、電気製品のハウジング、キーボ
ード、キートップ、各種グリップなどの種々の成形品に
することができ、本発明はそのようなポリウレタン成形
品をも包含する。
【0027】以下に本発明を実施例および比較例により
具体的に説明するが、本発明はそれにより限定されな
い。以下の実施例および比較例では、その使用化合物を
下記の表1に示す略号で示した。また、実施例および比
較例のポリウレタン組成物またはポリウレタンを用いて
得られたポリウレタン成形品の破断強度、破断伸度、耐
加水分解性、透明性、耐熱老化性および低温特性は下記
のようにして測定または評価した。
【0028】
【表1】 略 号 : 化合物の種類 AA :アジピン酸 SbA :セバシン酸 IPA :イソフタル酸 TA :テレフタル酸 ND :1,9−ノナンジオール MOD :2−メチル−1,8−オクタンジオール MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート BD :1,4−ブタンジオール HD :ヘキサメチレンジオール
【0029】破断強度および破断伸度:射出成形機(日
精樹脂工業製;「FS80S 12ASE」)を用い
て、溶融温度205℃、射出圧力90kg/cm2、金
型温度30℃で成形を行って厚み2mmのシート状成形
品を製造した。このシート状成形品を用いてJIS K
7311に準拠してその引張強度試験を行い、破断時の
引張強度および伸度を求めて、それぞれ破断強度および
破断伸度とした。
【0030】耐加水分解性:前記と同じようにした射出
成形により厚み2mmのシート状成形品を製造し、この
シート状成形品について、成形後1週間、約20〜25
℃の温度、65%RHの湿度の雰囲気中で放置したのち
における引張強度、および該放置後の成形品を100℃
の熱水中に2週間浸漬して加水分解促進テストを行った
後の引張強度(破断強度)を、それぞれJIS K 7
311に準拠して測定し、加水分解促進テスト実施前の
引張強度に対する加水分解促進テスト実施後の引張強度
の保持率(%)を求めて耐加水分解性を評価した。
【0031】透明性:前記と同じようにして射出成形に
より厚み2mmのシート状成形品を製造し、この成形品
の肉眼判定に基づく透明感と、スガ試験機製「S&Mカ
ラーコンピューター;モデルSM−4」を用いて測定さ
れたハンター(Hunter)の式に従う白色度Wとを
対比させることにより、Wが18未満のものを「透
明」、18以上で23未満のものを「半透明」、Wが2
3以上のものを「白濁」として判定した。
【0032】耐熱老化性:前記と同じようにして射出成
形により厚み2mmのシート状成形品を製造し、この成
形品を120℃の温度の熱風乾燥器中に2週間曝して加
熱促進テストを行い、加熱促進テストの前と後の成形品
の引張強度を、それぞれJIS K 7311に準拠し
て測定し、加熱促進テスト前の引張強度に対する加熱促
進テスト後の引張強度の保持率(%)を求めて耐熱老化
性を評価した。
【0033】低温特性:前記と同じようにして射出成形
により厚み2mmのシート状成形品を製造し、この成形
品からサイズが幅2mm、厚み0.5mm、長さ40m
mの試験片を切り出し、東洋測器(株)製の動的粘弾性
測定器「バイブロンモデルDDV−II(110Hz)」
を使用してα分散温度Tα(損失弾性率E”が極大値を
示す温度)を測定し、その測定値が−10℃以下の場合
を○、それ以上の場合を×として評価した。
【0034】《製造例A〜L》[ポリウレタンA〜Lの
製造] 下記の表2に示す高分子ジオール(高分子エステルジオ
ール、高分子エーテルジオールまたはポリカーボネート
ジオール)、鎖伸長剤(BD)および有機ジイソシアネ
ート(MDI)を表2に示す割合(モル比)で同方向二
軸押出機(プラスチック工学研究所製;「BP−30−
S」;スクリュー径30mm、スクリュー長さ1080
mm)に供給し、240℃で溶融重合反応させた後、直
径約3mmのストランド状に押出し、水冷した後切断し
て、直径約3mm、長さ約4mmのポリウレタン(P
U)A〜Lのペレットをそれぞれ製造した。
【0035】
【表2】
【0036】《実施例 1〜6》下記の表3に示すよう
に、上記の製造例A〜Fで得られたポリエステル系ポリ
ウレタンのそれぞれに対して、上記の式(V)におい
て、R1、R2およびR3のすべてがt−ブチル基でnが
8〜9の化合物の混合物であるポリカルボジイミド混合
物(イ)またはR1、R2およびR3のすべてがエチル基
でnが12〜20の化合物の混合物であるポリカルボジ
イミド混合物(ロ)を表3に示した添加量でドライブレ
ンドした後、単軸押出機(プラスチック工学研究所製
「GT−25」)を用いて205℃で溶融混練し、直径
約3mmのストランド状に押出し、水冷した後切断し
て、直径約3mm、長さ約4mmの本発明のポリウレタ
ン組成物のペレットを製造した。これらのポリウレタン
組成物のペレットを用いて、上記したように、射出成形
機(日精樹脂工業製;「FS80S 12ASE」)を
用いて、溶融温度205℃、射出圧力90kg/c
2、金型温度30℃で成形した厚み2mmのシート状
成形品を製造し、その破断強度、破断伸度、耐加水分解
性、透明性、耐熱老化性および低温特性を上記した方法
により測定または評価した。その結果を下記の表3に示
す。
【0037】《比較例 1〜3》下記の表3に示すよう
に、上記の製造例G〜Iで得られたポリエステル系ポリ
ウレタンのそれぞれに対して、実施例1〜3で用いたも
のと同種のポリカルボジイミド混合物(イ)(比較例
1)または実施例4〜6で用いたものと同種のポリカル
ボジイミド混合物(ロ)(比較例2〜3)を表3に示し
た添加量でドライブレンドし、以後は実施例1〜6と同
様にしてポリウレタン組成物を製造した。これらのポリ
ウレタン組成物を用いて、実施例1〜6と同様にしてシ
ート状成形品を製造し、その破断強度、破断伸度、耐加
水分解性、透明性、耐熱老化性および低温特性を上記し
た方法により測定または評価した。その結果を下記の表
3に示す。
【0038】《比較例 4〜6》上記の製造例Jで得ら
れたポリエステル系ポリウレタン(比較例4)、製造例
Kで得られたポリエーテル系ポリウレタン(比較例5)
および製造例Lで得られたポリカーボネート系ポリウレ
タン(比較例6)を用いて、ポリカルボジイミド化合物
を添加することなく、実施例1〜6と同様にしてシート
状成形品を製造し、その破断強度、破断伸度、耐加水分
解性、透明性、耐熱老化性および低温特性を上記した方
法により測定または評価した。その結果を下記の表3に
示す。
【0039】
【表3】
【0040】上記表3の結果から、実施例1〜6の本発
明のポリウレタン組成物から得られた成形品は、破断強
度、破断伸度、耐加水分解性、耐熱老化性、低温特性お
よび透明性のすべての特性に優れているのに対して、比
較例1〜3のポリウレタン組成物または比較例4〜6の
ポリウレタンから得られた成形品は、破断強度、破断伸
度、耐加水分解性、耐熱老化性、低温特性および透明性
のうちの1つの特性または2つ以上の特性が大幅に劣っ
ていることがわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明のポリウレタン組成物を用いた場
合には、透明性、機械的物性、低温特性、耐熱老化性な
どの諸特性に優れ、しかも従来のポリエーテル系熱可塑
性ポリウレタンをも凌駕するような極めて良好な耐加水
分解性を備える各種の成形品を製造することができ、そ
れにより得られたポリウレタン成形品はかかる優れた特
性によって、耐加水分解性を必要とされる用途をはじめ
として、種々の広汎な用途に極めて有効に使用すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 山下 節生 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平4−225053(JP,A) 特開 平2−175756(JP,A) 特開 平3−115417(JP,A) 特開 平2−20514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 75/04 - 75/12 C08K 5/29

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタンおよびポリカルボジイミド
    化合物を含有するポリウレタン組成物であって、前記ポ
    リウレタンが、(a)分子量500〜8000、酸価
    0.05〜0.5KOHmg/gで、且つジオール成分
    に由来する下記の式(I); 【化1】 −O−(CH2)9−O− (I) で表される構造単位および/または下記の式(II); 【化2】 −O−CH2−CH(CH3)−(CH2)6−O− (II) で表される構造単位、およびジカルボン酸成分に由来す
    る下記の式(III); 【化3】 −CO−(CH2)m−CO− (III); (式中mは4〜12の整数を示す)で表される構造単位
    および/または下記の式(IV); 【化4】 −CO−Ar−CO− (IV); (式中Arは炭素原子数6〜10の2価の芳香族炭化水
    素基を示す)で表される構造単位から主としてなる高分
    子エステルジオール、(b)鎖伸長剤並びに(c)有機
    ジイソシアネートの反応により得られる熱可塑性ポリウ
    レタンであり、そして前記ポリカルボジイミド化合物
    が、下記の式(V); 【化5】 (式中R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子
    または炭素原子数1〜4のアルキル基、nは2〜20の
    整数を示す)で表されるポリカルボジイミド化合物であ
    り、カルボジイミド化合物の含有量が熱可塑性ポリウレ
    タンの重量に基づいて0.1〜0.5重量%であることを
    特徴とするポリウレタン組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1のポリウレタン組成物から製造
    された成形品。
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