JPH07196915A - 熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物

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JPH07196915A
JPH07196915A JP33830493A JP33830493A JPH07196915A JP H07196915 A JPH07196915 A JP H07196915A JP 33830493 A JP33830493 A JP 33830493A JP 33830493 A JP33830493 A JP 33830493A JP H07196915 A JPH07196915 A JP H07196915A
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JP
Japan
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thermoplastic polyurethane
formula
structural unit
polyurethane composition
iii
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Application number
JP33830493A
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English (en)
Inventor
Shinya Kato
晋哉 加藤
Koji Hirai
広治 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07196915A publication Critical patent/JPH07196915A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/29Compounds containing one or more carbon-to-nitrogen double bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L75/00Compositions of polyureas or polyurethanes; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L75/04Polyurethanes
    • C08L75/06Polyurethanes from polyesters

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、下記熱可塑性ポリウレタン(a)
と下記ポリカルボジイミド化合物(b)とを、重量比1
000/1〜1000/5で含有する熱可塑性ポリウレ
タン組成物である。熱可塑性ポリウレタン(a)は、構
造単位[I]:−O−(CH2)9−O−と構造単位[I
I]:−CO−(CH2)m−CO−と構造単位[III]:
−CO−Ar−CO−を含有([II]/[III]のモル
比=3/7〜8/2)する数平均分子量1300〜35
00のポリエステルポリオール、有機ジイソシアネート
および鎖伸長剤を反応させて得られる、窒素原子含有率
2.5重量%以下の熱可塑性ポリウレタンである。ポリ
カルボジイミド化合物(b)は、下記式 【化1】 で表される化合物である。 【効果】 柔軟性、強度、低温特性、耐加水分解性、耐
熱老化性、成形性などの諸性能に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリウレタン組
成物に関する。詳細には、本発明は特定の熱可塑性ポリ
ウレタンに対して特定のカルボジイミド化合物を特定量
配合した熱可塑性ポリウレタン組成物に関する。本発明
の熱可塑性ポリウレタン組成物は成形性に優れ、しかも
それから得られた成形品は、柔軟性、低温特性、引張破
断強度、耐熱性、耐加水分解性などの諸特性にも優れる
ことから、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、軟
質なフィルム、シート、ベルト、ホース、チューブ、射
出成形品等の成形材料として有効に使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン
は、高強力、高弾性であり、耐熱性、低温特性などの特
性に優れていることから、従来より種々の分野で広く用
いられているが、熱水等により分子中のエステル結合が
加水分解反応を受け易いことから、一般には耐加水分解
性(耐熱水性)が要求される用途(例えばチューブ、食
品製造装置のベルトなど)には実用的でないという欠点
を有する。このため、耐熱水性などの耐加水分解性が要
求される用途には、一般に、ポリエーテル系またはポリ
カーボネート系の熱可塑性ポリウレタンが使用されてい
る。しかし、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタンに比
較して、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンは耐熱性
に劣っており、またポリカーボネート系熱可塑性ポリウ
レタンは低温特性に劣っている。このため、耐熱性、低
温特性および耐加水分解性の全てを満足し得る熱可塑性
ポリウレタンを得ることは困難である。また、ベルト、
ホース等の用途においては柔軟性と強度の両方に優れる
ことが要求されるが、一般に、熱可塑性ポリウレタンで
これらの性能を両立させることは極めて難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性に優れるにもかかわらず優れた力学物性を有し、耐熱
性、低温特性および耐加水分解性にも優れる熱可塑性ポ
リウレタン組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定の化学構造を
有するポリエステルジオールを用いて製造した特定のポ
リエステル系熱可塑性ポリウレタンに、特定の化合物を
配合して得られた熱可塑性ポリウレタン組成物が、柔軟
性に優れるにもかかわらず高強度であり、かつ耐熱性、
低温特性および成形性に優れるのみならず、従来のポリ
エステル系熱可塑性ポリウレタンに比較して顕著に優れ
る耐加水分解性を有する熱可塑性ポリウレタン組成物が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(a)分子内に下記
式(I):
【0006】
【化5】
【0007】で表される構造単位[I]、下記式(I
I):
【0008】
【化6】
【0009】(式中、mは4〜12の整数を示す)
【0010】で表される構造単位[II]および下記式
(III):
【0011】
【化7】
【0012】(式中、Arは芳香族基を示す)
【0013】で表される構造単位[III]を含有し、構
造単位[II]/構造単位[III]のモル比が3/7〜8
/2の範囲内である数平均分子量1300〜3500の
ポリエステルポリオールと有機ジイソシアネートと鎖伸
長剤とを反応させて得られる、窒素原子含有率が2.5
重量%以下である熱可塑性ポリウレタンおよび(b)下
記式(IV):
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ水
素原子または低級アルキル基を示し、nは2〜80の数
を示す)
【0016】で表されるポリカルボジイミド化合物とか
らなり、熱可塑性ポリウレタン(a)/ポリカルボジイ
ミド化合物(b)の重量比が1000/1〜1000/
5であることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン組成物
である。
【0017】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物にお
いては、熱可塑性ポリウレタン(a)の製造原料である
ポリエステルジオールが、ジオール(モノマー)単位の
少なくとも一部として上記の構造単位[I]を含有して
いることが必要である。構造単位[I]を含有していな
い場合には、得られるポリウレタン、延いては熱可塑性
ポリウレタン組成物の耐加水分解性および低温特性が不
十分となり、また射出成形における成形歪みが大きい。
【0018】またポリエステルジオールは、ジカルボン
酸(モノマー)単位として構造単位[II]および構造単
位[III]の両方を、構造単位[II]/構造単位[III]
のモル比が3/7〜8/2の範囲内で含有することが必
要である。構造単位[III]を構造単位[II]の8モル
に対して2モルより多く存在させることによって、ポリ
ウレタンの耐加水分解性(耐湿熱性、耐熱水性)等が顕
著に良好となる。また、構造単位[II]を構造単位[II
I]の7モルに対して3モルより多く存在させることに
よって、ポリウレタン、延いては熱可塑性ポリウレタン
組成物の低温特性等が顕著に良好になる。
【0019】構造単位[II]は、例えばアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の炭素原子数
6〜14の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸から誘導され
る。構造単位[II]としては、上記式(II)においてm
が4〜8の整数であるものが好ましい。構造単位[II]
は1種であっても、2種以上であってもよい。また、構
造単位[III]としては、テレフタル酸、イソフタル酸
またはオルトフタル酸から誘導される構造単位のよう
に、上記式(III)において芳香族基Arがフェニレン
基であるものが好ましい。構造単位[III]は1種であ
っても、2種以上であってもよい。
【0020】ポリエステルジオールは、上記の構造単位
[I]、構造単位[II]および構造単位[III]を主た
る構造単位として含有するものが好ましいが、所望によ
り、少量(好ましくは全構造単位基準で25モル%以
下)であれば、他の構造単位を分子中に有していてもよ
い。他の構造単位の例としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−
メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−へキサン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、2−メチル−1,8−オクタン
ジオール等の低分子ジオール(ただし1,9−ノナンジ
オールを除く)から誘導される2価の構造単位などを挙
げることができる。これらの中でも、2−メチル−1,
8−オクタンジオール単位[−O−CH2−CH(CH3)
−(CH2)6−O−]または3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール単位[−O−(CH2)2−CH(CH3)−(CH
2)2−O−]が好ましい。
【0021】そして本発明では、熱可塑性ポリウレタン
組成物の力学物性、低温特性および成形性の点で、ポリ
ウレタンを構成するポリエステルジオールの数平均分子
量が1300〜3500の範囲内であることが必要であ
り、1700〜3200であることが好ましい。ポリエ
ステルジオールの数平均分子量が1300未満である
と、得られるポリウレタンの低温特性、力学物性(引張
破断強度、伸度等)などが不十分となる。一方、数平均
分子量が3500を越えると、得られるポリウレタンの
力学特性(引張破断強度、伸度等)が悪くなるととも
に、溶融粘度が高くなり、成形歪みが大きくなるなど、
成形性が悪くなる。ここで、本発明におけるポリエステ
ルジオールの数平均分子量は、JIS K1557に準
拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子
量をいう。
【0022】熱可塑性ポリウレタン(a)の製造に用い
る有機ジイソシアネートとしては、一般に熱可塑性ポリ
ウレタンの製造に用い得ることが知られているような有
機ジイソシアネートであればよく、その種類は特に制限
されない。有機ジイソシアネートとしては、芳香族ジイ
ソシアネート、脂環族ジイソシアネートおよび脂肪族ジ
イソシアネートのうちの1種または2種以上を使用する
ことができる。本発明で使用し得る有機ジイソシアネー
トの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、トルエンジイソシアネート、p−フェニレン
ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート;水素化4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等
の脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができる。
【0023】また、熱可塑性ポリウレタン(a)の製造
に用いる鎖伸長剤としては、一般に熱可塑性ポリウレタ
ンの製造に用い得ることが知られているような鎖伸長剤
であればよく、その種類は特に制限されない。特に、脂
肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール等の低
分子ジオールの1種または2種以上を鎖伸長剤として使
用するのが好ましい。鎖伸長剤の例としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、1,6−へキサンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,
8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族
ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン等の芳香族ジオールなどを挙げることができる。
【0024】本発明における熱可塑性ポリウレタン
(a)は、上記ポリエステルジオール、有機ジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られる。これらの
原料化合物は、イソシアネート基および水酸基中の水素
原子等のイソシアネート基と反応し得る水素原子(以
下、活性水素原子という)の割合が、イソシアネート基
/活性水素原子のモル比の値において、0.96〜1.
1の範囲内となるような量的関係において使用するのが
好ましい。これらの原料化合物の反応方法としては、特
に制限されず、ポリウレタンの製造において採用し得る
ことが知られている方法を適宜採用することができる。
そのうちでも、有機溶剤の実質的な不存在下に、押出機
(好ましくは多軸スクリュー型押出機)を使用して、連
続溶融重合法により製造するのが、重合時の操作性およ
び得られるポリウレタンの物性などの点から好ましい。
なお、熱可塑性ポリウレタン(a)の製造に際し、必要
に応じて、ポリエステルジオール、有機ジイソシアネー
トおよび鎖伸長剤に加えて、更に他の成分を使用しても
よい。
【0025】本発明における熱可塑性ポリウレタン
(a)の窒素原子含有率は2.5重量%以下であり、好
ましくは1.2〜2.5重量%である。窒素原子含有率
が2.5重量%を越える熱可塑性ポリウレタンでは伸長
応力が高く、得られる熱可塑性ポリウレタン組成物にお
いても、ゴム状の良好な柔軟性および優れた低温特性が
発揮されない。
【0026】そして、本発明の熱可塑性ポリウレタン組
成物は、上記の熱可塑性ポリウレタン(a)と上記の式
(IV)で表されるポリカルボジイミド化合物(b)を含
有する。上記式(IV)におけるベンゼン核に結合した基
1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子ま
たはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低
級アルキル基である。そのうちで、R1、R2およびR3
の全てが低級アルキル基であるのが好ましい。低級アル
キル基としては、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ま
しく、エチル基、イソプロピル基またはt−ブチル基が
より好ましい。ポリカルボジイミド化合物(b)におい
ては、熱可塑性ポリウレタン(a)との相溶性が良好
で、組成物からのブリードアウトがなく、かつ加水分解
抑制効果に優れる点から、式(IV)中のnで示される繰
り返し単位数が2〜80の範囲内の数であることが必要
であり、9〜50の範囲内の数であることが好ましい。
なお、ポリカルボジイミド化合物(b)として、繰り返
し単位数に分布のあるポリカルボジイミド化合物の混合
物を使用してもよい。このようなポリカルボジイミド化
合物の混合物については、式(IV)中のnが繰り返し単
位数の平均値を表すものとして認識することができる。
【0027】そして、本発明の熱可塑性ポリウレタン組
成物では、熱可塑性ポリウレタン(a)とポリカルボジ
イミド化合物(b)との重量比[(a)/(b)]を1
000/1〜1000/5とすることが必要である。該
重量比の値が1000/1より大では、熱可塑性ポリウ
レタン組成物の耐加水分解性が不十分となる。また、該
重量比の値が1000/5より小では、熱可塑性ポリウ
レタン組成物の透明性が著しく損なわれ、かつ黄褐色の
着色が著しくなる。
【0028】熱可塑性ポリウレタン(a)とポリカルボ
ジイミド化合物(b)との混合方法としては、特に制限
されず、熱可塑性ポリウレタンに添加剤を配合するため
の公知の方法に準じて、任意の方法を採用することがで
きる。例えば、上記の熱可塑性ポリウレタン(a)とポ
リカルボジイミド化合物(b)とをドライブレンドした
後、押出機により溶融混練しストランド状に押出し、次
いで適当な長さに切断することによって、ぺレットなど
の粒状物の形で本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を
製造することができる。また、熱可塑性ポリウレタン
(a)の製造時にポリカルボジイミド化合物を添加する
方法を採用することもできる。本発明の熱可塑性ポリウ
レタン組成物は、上記ポリカルボジイミド化合物(b)
の他に、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、光安定
剤、難燃剤、滑剤、着色剤などの成分を含有していても
よい。
【0029】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は熱
可塑性であり、しかも成形性に優れることから、溶融成
形、熱加工に好適であり、押出成形、射出成形、ブロー
成形、カレンダー成形、注型などの任意の成形方法によ
って、フィルム、シート、ベルト、ホース、チューブ、
ロール、ジョイントブーツ、靴底、カテーテル、電気製
品のハウジングの被覆、キーボードのキートップ、各種
グリップ等に成形することができる。さらに、本発明の
熱可塑性ポリウレタン組成物は、適当な溶剤に溶解して
接着剤として用いることも可能である。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はそれらにより限定されな
い。以下の実施例および比較例では、使用化合物を下記
の表1に示す略号で示した。
【0031】
【表1】
【0032】また、実施例および比較例のポリウレタン
組成物またはポリウレタンについて、得られたポリウレ
タン成形品の破断強度、100%伸長応力、耐加水分解
性、耐熱老化性および低温特性ならびに成形性(押出成
形性および射出成形性)を、下記のようにして測定また
は評価した。
【0033】[試験サンプルの成形]射出成形機(日精
樹脂工業製「FS80S 12ASE」)を用いて成形
を行い、厚み2mmのシート状成形品を製造した。この
シート状成形品を成形後7日間、20℃、65%RHの
環境下で放置した後に各種試験に供した。
【0034】[100%伸長応力、引張破断強度の測
定]JIS K7311に準拠して引張強度試験を行
い、長さ20mmの標線が実測で40mmに伸長された
ときの応力を100%伸長応力とし、破断時の応力を破
断強度として測定した。なお破断強度については、40
0kgf/cm2以上のものを「○」(強度良好)、4
00kgf/cm2未満のものを「×」(強度不良)と
して評価した。柔軟性については、100%伸長応力が
40kgf/cm2以上のものを「×」(柔軟性不
良)、40kgf/cm2未満のものを「○」(柔軟性
良好)として評価した。
【0035】[耐加水分解性]試験サンプルを100℃
の熱水中に10日間浸漬する加水分解促進試験を行っ
た。試験前後の試験サンプルについて上記のごとき引張
強度試験を行い、試験前の破断強度に対する試験後の破
断強度の比率が40%以下のものを「×」(不良)、4
0〜60%のものを「△」(中程度)、60%より高い
ものを「○」(良好)として評価した。
【0036】[耐熱老化性]試験サンプルを熱風乾燥器
中で120℃の熱風中に30日間暴露して、熱老化促進
試験を行った。試験前後の試験サンプルについて上記の
ごとき引張強度試験を行い、試験前の破断強度に対する
試験後の破断強度の比率が60%以上のものを「○」
(良好)、60%未満のものを「×」(不良)として評
価した。
【0037】[低温特性]試験サンプルから長さ40m
m、幅2mm、厚み0.5mmの試験片を切り出し、動
的粘弾性測定器[東洋測器(株)製「バイブロンモデル
DDV−II」]を使用して11Hzの振動数で動的粘弾
性測定を行った。α分散温度Tα(損失弾性率E”が極
大値を示す温度)が−25℃以下のものを「○」(良
好)、−25℃より高いものを「×」(不良)として評
価した。
【0038】[押出成形性]試験サンプルを成形するた
めに使用したものと同じポリウレタンペレットを用い
て、単軸押出機(プラスチック工学研究所製「GT−2
5」;φ=25mm、L/D=25)により約200℃
で連続的に厚さ0.1mmのフィルムに押出成形した。
定常状態の押出成形開始より4時間経過した時点で押出
されたフィルムを観察し、フィルム中の白色物の有無を
調べた。白色物が認められるものを「×」(不良)、白
色物が認められないものを「○」(良好)として評価し
た。
【0039】[射出成形性]前記射出成形で得られた試
験サンプルに反りが認められたものを「×」(不良)、
反りが全く認められないものを「○」(良好)として評
価した。
【0040】[実施例1〜5]下記表2に示すジオール
単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルジオー
ル、鎖伸長剤としてのBDおよび有機ジイソシアネート
としてのMDIを、表2に示す割合で、同方向回転二軸
押出機(プラスチック工学研究所製「BP−30−
S」;φ=30mm、スクリュー長さ1080mm)に
供給し、250℃で連続溶融重合することにより、熱可
塑性ポリウレタンのペレットを製造した。得られた熱可
塑性ポリウレタンの元素分析に基づく窒素原子含有率を
表2に示す。得られた熱可塑性ポリウレタンのペレット
とポリカルボジイミド化合物[上記式(IV)においてR
1、R2およびR3の全てがイソプロピル基であり、nが
平均値において約40であるポリカルボジイミド化合物
の混合物]とを、表2に示すように所定割合でドライブ
レンドし、単軸押出機(プラスチック工学研究所製「G
T−25」;φ=25mm、L/D=25)により溶融
混練して、熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを得
た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物について、各
種評価を行った。得られた評価結果を下記表3に示す。
【0041】[比較例1〜6]ポリエステルジオールの
種類、ポリウレタン原料化合物の使用割合およびポリカ
ルボジイミド化合物の添加量について表2に示す条件を
採用した以外は、上記実施例1〜5と同様にして、熱可
塑性ポリウレタンの製造およびポリカルボジイミド化合
物の配合を行うことによって、熱可塑性ポリウレタン組
成物を製造した。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物
の評価結果を下記表3に示す。
【0042】[比較例7]実施例1で得られた熱可塑性
ポリウレタンを単独で(ポリカルボジイミド化合物を配
合することなく)評価した。得られた評価結果を下記表
3に示す。
【0043】[比較例8、9]高分子ジオールとして、
ポリエステルジオールの代わりに、数平均分子量100
0のPTGまたは数平均分子量2000のPHCを使用
し、ポリウレタン原料化合物の使用割合について表2に
示す条件を採用した以外は、上記実施例1〜5と同様に
して、熱可塑性ポリウレタンを製造した。得られた熱可
塑性ポリウレタンを単独で(ポリカルボジイミド化合物
を配合することなく)評価した。得られた評価結果を下
記表3に示す。
【0044】
【表2】 なお上記表2中、「ポリカルボジイミド添加量」は熱可
塑性ポリウレタン重量基準におけるポリカルボジイミド
化合物の配合率を示す。
【0045】
【表3】
【0046】上記表2および表3から、実施例1〜5の
本発明に従う熱可塑性ポリウレタン組成物では、柔軟性
(100%伸長応力)、強度、低温特性、耐加水分解
性、耐熱老化性および成形性の全ての性能において優れ
ることがわかる。これに対し、使用するポリエステルジ
オールの点または熱可塑性ポリウレタンの窒素原子含有
率の点で本発明の条件を満足しない熱可塑性ポリウレタ
ン組成物(比較例1〜6)では、柔軟性、強度、低温特
性、耐加水分解性、耐熱老化性および成形性のうちの複
数の性能において劣ることがわかる。ポリカルボジイミ
ド化合物を配合しない場合(比較例7)においては、耐
加水分解性が不十分であることがわかる。また、高分子
ジオールとしてPTGまたはPHCを使用して得られた
熱可塑性ポリウレタンの場合(比較例8、9)において
は、柔軟性、強度、低温特性、耐加水分解性、耐熱老化
性および成形性のうちの複数の性能において劣ることが
わかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物
は、上記実施例から明らかなように、ポリエステル系熱
可塑性ポリウレタンを主成分とするにもかかわらず耐加
水分解性が顕著に改善され、ポリエーテル系熱可塑性ポ
リウレタンと比較して耐加水分解性、破断強度および耐
熱老化性の点で優れ、ポリカーボネート系熱可塑性ポリ
ウレタンと比較して柔軟性、低温特性および射出成形性
の点で優れている。このように本発明の熱可塑性ポリウ
レタン組成物は、非常に柔軟性に富んでいるにもかかわ
らず破断強度に優れ、しかも低温特性、耐加水分解性、
耐熱老化性、成形性などの諸性能においても優れる。し
たがって、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、柔軟性と
耐久性の両方が要求される物品の成形材料として極めて
有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子内に下記式(I): 【化1】 で表される構造単位[I]、下記式(II): 【化2】 (式中、mは4〜12の整数を示す)で表される構造単
    位[II]および下記式(III): 【化3】 (式中、Arは芳香族基を示す)で表される構造単位
    [III]を含有し、構造単位[II]/構造単位[III]の
    モル比が3/7〜8/2の範囲内である数平均分子量1
    300〜3500のポリエステルポリオールと有機ジイ
    ソシアネートと鎖伸長剤とを反応させて得られる、窒素
    原子含有率が2.5重量%以下である熱可塑性ポリウレ
    タンおよび(b)下記式(IV): 【化4】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ水素原子または
    低級アルキル基を示し、nは2〜80の数を示す)で表
    されるポリカルボジイミド化合物とからなり、熱可塑性
    ポリウレタン(a)/ポリカルボジイミド化合物(b)
    の重量比が1000/1〜1000/5であることを特
    徴とする熱可塑性ポリウレタン組成物。
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