JPH07179557A - ポリウレタンおよびその成形物 - Google Patents

ポリウレタンおよびその成形物

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JPH07179557A
JPH07179557A JP6277956A JP27795694A JPH07179557A JP H07179557 A JPH07179557 A JP H07179557A JP 6277956 A JP6277956 A JP 6277956A JP 27795694 A JP27795694 A JP 27795694A JP H07179557 A JPH07179557 A JP H07179557A
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polyurethane
diol
polyester
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diisocyanate
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JP6277956A
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Shizuo Iwata
志都夫 岩田
Shinya Kato
晋哉 加藤
Koji Hirai
広治 平井
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/42Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain
    • C08G18/4236Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing only aliphatic groups
    • C08G18/4238Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing only aliphatic groups derived from dicarboxylic acids and dialcohols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/65Low-molecular-weight compounds having active hydrogen with high-molecular-weight compounds having active hydrogen
    • C08G18/66Compounds of groups C08G18/42, C08G18/48, or C08G18/52
    • C08G18/6633Compounds of group C08G18/42
    • C08G18/6637Compounds of group C08G18/42 with compounds of group C08G18/32 or polyamines of C08G18/38
    • C08G18/664Compounds of group C08G18/42 with compounds of group C08G18/32 or polyamines of C08G18/38 with compounds of group C08G18/3203

Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定のポリエステルジオール、1,4−ブタ
ンジオール、炭素数5〜10の直鎖飽和脂肪族ジオール
およびジイソシアネートを特定割合で反応させて得られ
るポリウレタンである。この特定のポリウレタンは、
1,9−ノナンジオール成分と3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール成分との特定割合の混合ジオール成分お
よびジカルボン酸成分からなる分子量2200〜350
0のポリエステルジオールである。 【目的】 本発明のポリウレタンは成形性に優れ、その
成形物は耐熱性および耐寒性に優れ、かつ圧縮永久歪み
が小さく、各種の製品に有効に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性、耐熱性および
耐寒性の各性能に優れ、しかも圧縮永久歪みの小さいポ
リウレタン、ポリウレタン成形物およびその製造方法に
関する。詳細には、本発明は、溶融状態にある時間が長
くなっても溶融粘度が急激に増加することがなく押出成
形性などの成形性に優れ、軟化点が高く耐熱性に優れる
と共に、耐寒性にも優れていて、その上、圧縮永久歪み
の少ない成形物を与えることのできる熱可塑性のポリウ
レタン、ポリウレタン成形物およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、高い弾性を有
していて、耐摩耗性、耐油性などの諸特性にも優れてお
り、しかも通常の熱可塑性樹脂の成形加工性が適用でき
ることから、従来のジエン系ゴムやポリオレフィン、そ
の他の汎用の熱可塑性重合体に替わる重合体素材とし
て、近年広範囲な用途に多量に使用されるようになって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性ポリウレタンのうちでも耐熱性の良好なものは、溶融
状態にある時間が長くなると粘度が急激に増加する傾向
があり、そのため溶融滞留時間の比較的長い押出成形な
どでは成形を円滑に行うことが困難であり、成形上の制
約が多い。また、既存の耐熱性の良好な熱可塑性ポリウ
レタンは圧縮永久歪みが大きく、かつ十分な耐寒性を有
しておらず、耐熱性、圧縮永久歪みおよび耐寒性を兼備
する熱可塑性ポリウレタンは未だ知られていない。かか
る点から、溶融状態にある時間が長くても粘度が急激に
上昇せず、押出成形などによっても円滑に成形を行うこ
とができて成形性に優れ、圧縮永久歪みが小さく、しか
も耐熱性、耐寒性などのすべての性質に優れる熱可塑性
ポリウレタンが求められている。
【0004】本発明の目的は、溶融状態にある時間(以
下「溶融滞留時間」という)が長くても粘度が急激に上
昇せず、押出成形などによっても成形物を良好な成形性
で製造することができ、しかも圧縮永久歪みが小さく、
その上、耐熱性および耐寒性にも優れる熱可塑性ポリウ
レタンを提供することにある。さらに、本発明の目的
は、上記した優れた特性を備えた熱可塑性ポリウレタン
の成形物およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、ポリエステルジオール、ジイソシアネート、
1,4−ブタンジオールおよび一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、nは5〜10の整数を表す)
【0008】で示される脂肪族ジオールを反応させて得
られるポリウレタンであって、該ポリエステルジオール
が、1,9−ノナンジオール成分および3−メチル−
1,5−ペンタンジオール成分よりなるジオール成分と
ジカルボン酸成分とからなり、かつ全ジオール成分基準
における1,9−ノナンジオール成分のモル分率cと3
−メチル−1,5−ペンタンジオール成分のモル分率d
が数式(A)
【0009】
【数4】
【0010】を満足する分子量2200〜3500のポ
リエステルジオールであり、かつ該反応において、該ポ
リエステルジオールのモル数a、ジイソシアネートのモ
ル数b、1,4−ブタンジオールのモル数eおよび一般
式(I)で示される脂肪族ジオールのモル数fが、数式
(B)および(C)
【0011】
【数5】
【0012】
【数6】
【0013】を満足することを特徴とするポリエステル
系ポリウレタンを提供することによって達成される。
【0014】さらに、上記の目的は、上記のポリエステ
ル系ポリウレタンから得られた成形物、および上記のポ
リエステル系ポリウレタンを使用して成形した後、得ら
れた成形物を60℃以上の温度で熱処理することを特徴
とするポリウレタン成形物の製造方法を提供することに
よって達成される。
【0015】上記したように、本発明では、ポリウレタ
ンを構成するポリエステルジオールが、ジカルボン酸成
分と、1,9−ノナンジオールおよび3−メチル−1,
5−ペンタンジオールから主としてなるジオール成分と
の反応により得られたポリエステルジオールであること
が必要である。
【0016】その場合に、ポリエステルジオールを構成
するジカルボン酸成分としては、炭素数が6〜12の直
鎖状の脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体を用いるのが、圧縮永久歪みが小さくなる点から好
ましい。脂肪族ジカルボン酸成分の具体例としては、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、またはそれらのエステル形成性誘導体などを
挙げることができ、これらのジカルボン酸成分は単独で
使用しても2種以上を併用してもよい。
【0017】また、ポリエステルジオールを構成するジ
オール成分は、上記したように1,9−ノナンジオール
および3−メチル−1,5−ペンタンジオールから主と
してなっていることが必要であり、ポリエステルジオー
ルを構成するジオール成分の80モル%以上が、1,9
−ノナンジオールおよび3−メチル−1,5−ペンタン
ジオールからなっているのが好ましい。そして、本発明
では、該ジオール成分における1,9−ノナンジオール
成分のモル分率cと3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール成分のモル分率dとが上記の数式(A)を満足して
いることが重要である。c/(c+d)の値が0.3よ
りも小さいと、得られるポリウレタンの耐熱性が低下
し、かつ圧縮永久歪みが大きくなる。一方、c/(c+
d)の値が0.7よりも大きいと、得られるポリウレタ
ンの耐寒性が不十分となる。
【0018】本発明では、ポリエステルジオールを構成
するジオール成分が場合によっては、少量(通常全ジオ
ール成分の10モル%未満)の他のジオール成分を含ん
でいてもよく、他のジオール成分の例としては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオールなどを挙げることができる。
【0019】また、ポリウレタンを構成するポリエステ
ルジオールは、その分子量が2200〜3500の範囲
内であることが必要である。ポリエステルジオールの分
子量が2200未満であると、得られるポリウレタンの
耐熱性が低下し、かつ圧縮永久歪みが大きくなる。一
方、分子量が3500を越えると、得られるポリウレタ
ンは成形性、引張強度および透明性の性能が不十分とな
る。ここで、本明細書でいうポリエステルジオールの分
子量は、いずれもJISK 1577に準拠して測定し
た水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0020】ポリエステルジオールの製造法は特に制限
されず、上記したジカルボン酸成分およびジオール成分
を用いて、従来既知のエステル交換反応、直接エステル
化反応などによって重縮合させてポリウレタンを製造す
ることができる。ポリエステルジオールを製造するため
の重縮合反応の触媒として、チタン系触媒、スズ系触媒
などを用いることが可能である。ただし、チタン系触媒
を使用した場合には、重縮合反応の終了後に、得られた
ポリエステルジオールに含まれるチタン系触媒を失活さ
せておくことが望ましい。失活処理としては、ポリエス
テルジオールを加熱条件下に水と接触させる方法が好ま
しい。
【0021】本発明ではポリウレタンの製造に用いるジ
イソシアネートとして、ポリウレタンの製造に従来用い
られているジイソシアネートのいずれもが使用でき、そ
の種類は特に制限されず、芳香族ジイソシアネート、脂
環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートのうち
の1種または2種以上を使用することができる。そのう
ちでも、p−フェニレンジイソシアネート、4,4' −
ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソ
シアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートなど
の芳香族ジイソシアネートが好ましく、特に4,4' −
ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0022】本発明においては、鎖伸長剤として、1,
4−ブタンジオールおよび上記の一般式(I)で示され
る脂肪族ジオールを使用することが必要であり、しかも
その際に、1,4−ブタンジオールのモル数eおよび該
脂肪族ジオールのモル数fが上記した数式(B)を満足
する割合になっていることが重要である。上記した数式
(B)の範囲から外れて、e/(e+f)の値が0.7
0よりも小さいと、得られるポリウレタンの耐熱性が低
下し、かつ圧縮永久歪みが大きくなる。一方、e/(e
+f)の値が0.98より大きいと、得られるポリウレ
タンは溶融滞留時間が長くなると溶融粘度が急激に上昇
して溶融押出しができなくなり成形性が不十分となる。
e/(e+f)の値が0.80〜0.95の範囲内であ
るのが、得られるポリウレタンの押出成形性および耐熱
性が一層良好になり、かつ圧縮永久歪みが一層小さくな
るので好ましい。
【0023】鎖伸長剤として用いる上記の一般式(I)
で示される脂肪族ジオールの具体例としては、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8
−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,1
0−デカンジオールなどを挙げることができ、これらは
単独で使用しても2種以上を併用してもよく、そのうち
でも1,9−ノナンジオールおよび/または1,6−ヘ
キサンジオールが好ましく、1,9−ノナンジオールが
とりわけ好ましい。
【0024】上記したポリエステルジオール、ジイソシ
アネートおよび鎖伸長剤を反応させることによって本発
明のポリウレタンが製造されるが、ポリウレタンの製造
に当たっては、ポリエステルジオールのモル数をa、ジ
イソシアネートのモル数をb、1,4−ブタンジオール
のモル数をeおよび上記の一般式(I)で示される脂肪
族ジオールのモル数をfとしたときに、上記した数式
(C)を満足するようにしてポリエステルジオール、ジ
イソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させることが必要
である。b/(a+e+f)の値が上記した数式(C)
の範囲から外れて1.00よりも小さいと、得られるポ
リウレタンは成形後に熱処理を施してもその分子量が十
分に増加せず、成形品の耐熱性が低下し、圧縮永久歪み
が大きくなる。一方、b/(a+e+f)の値が上記し
た数式(C)の範囲から外れて1.10よりも大きい
と、得られるポリウレタンは溶融滞留時間が長くなった
場合に急激にその溶融粘度が上昇して押出成形などの成
形が行いにくくなり成形性が低下する。b/(a+e+
f)の値が1.02〜1.08の範囲内となるようにし
て各成分を反応させると、得られるポリウレタンの成形
性および耐熱性がより良好になり、かつ圧縮永久歪みが
より小さくなるので、好ましい。
【0025】なお、本発明においては、ポリウレタンの
原料化合物として、上記したポリエステルジオール、ジ
イソシアネートおよび鎖伸長剤と共に、少量であれば、
上記のポリエステルジオール以外の高分子ジオール、お
よび/または1,4−ブタンジオールおよび一般式
(I)で示される脂肪族ジオール以外の低分子ジオール
などを、必要に応じて用いてもよい。
【0026】本発明のポリウレタンを得るための反応方
法は特に制限されず、上記したポリエステルジオール、
ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を使用して、公知のウ
レタン化反応技術を利用して、プレポリマー法およびワ
ンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちで
も、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ま
しく、特に多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重
合が好ましい。使用するポリエステルジオールの内容、
ジイソシアネートの種類、鎖伸長剤の内容等に応じて変
わり得るが、多軸スクリュー型押出機を使用して本発明
のポリウレタンを製造するに当たっては、一般にそれら
の成分を同時またはほぼ同時に押出機に連続的に供給し
て190〜280℃、好ましくは210〜260℃で連
続溶融重合させてポリウレタンを製造した後、押出し、
切断して、ペレットやチップなどの形状のポリウレタン
を製造するとよい。
【0027】また、ポリウレタンの重合過程または重合
後に、必要に応じて着色剤、滑剤、結晶核剤、難燃剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、加水分解防
止剤、粘着性付与剤、防黴剤などの添加剤の1種または
2種以上を適宜加えてもよい。
【0028】さらに、限定されるものではないが、本発
明のポリウレタンは硬度(JIS−A硬度)が80以上
であることが、耐熱性および低圧縮永久歪み性などの性
能が一層良好となることから好ましい。
【0029】また、本発明のポリウレタンは、対数粘度
(ηinh )が0.5〜2.1dl/gの範囲にあること
が好ましく、ポリウレタンの対数粘度をこの範囲内とす
ることにより、耐熱性、押出成形性などの成形性が一層
良好となり、圧縮永久歪みが小さくなる。なお、ここで
いう対数粘度とは、ポリウレタン試料を0.5g/dl
となるように0.05Mのn−ブチルアミンのN,N−
ジメチルホルムアミド溶液に溶解し、24時間後に30
℃でウッベローデ型粘度計により溶液粘度を測定し、次
式より求めたときの値をいう。
【0030】
【数7】
【0031】本発明のポリウレタンは溶融滞留時間が長
くても溶融粘度の急激な上昇がなく、例えば、180℃
以上の温度で1時間以上にわたって溶融滞留させても溶
融物の粘度増加が少ないことから、押出成形、射出成
形、ブロー成形、カレンダー成形などの種々の成形法に
よって種々の成形物を円滑に製造することができる。そ
して、それらの成形法により得られる成形物は、耐熱性
および耐寒性に優れ、圧縮永久歪みが小さく、極めて優
れた特性を有しているので、例えばチューブ、フィル
ム、シート、ベルト、ホース、各種ロール、スクリー
ン、キャスター、ギア、パッキング材、自動車部品、ス
クィージ、紙送りロール、複写機用クリーニングブレー
ド、スノープラウ、チェーン、ライニング、ソリッドタ
イヤ、防振材、靴底、スポーツ靴、マーキング材、バイ
ンダー、接着剤、皮革、弾性繊維、機械部品などの広範
囲な用途に有効に使用することができる。
【0032】そして、本発明のポリウレタンからなる成
形物は、成形したものをそのまま直接使用してもよい
が、成形後に成形物を60℃以上の温度、特に80〜1
10℃の範囲の温度で熱処理(アニーリング)すると、
成形物の耐熱性を一層向上させ、しかも圧縮永久歪みを
一層小さくすることができるので望ましい。その場合
に、熱処理時間はポリウレタンの内容、成形物の大き
さ、厚み、形状などに応じて適宜選択できるが、一般に
約4〜20時間程度行うのが好ましい。
【0033】以下本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されるものではな
い。以下の例において、ポリウレタンの押出成形性、ポ
リウレタンからなる成形物の硬度、耐熱性(ビカット軟
化温度)、圧縮永久歪みおよび耐寒性は、下記の方法に
より測定または評価した。
【0034】[押出成形性]高化式フローテスターを用
いて、荷重50kgf、ノズル寸法1mmφ×10m
m、温度210℃の条件下で、ポリウレタンのペレット
を210℃で6分間および210℃で60分間、溶融滞
留状態においた後にその溶融粘度をそれぞれ独立して測
定し、次式から溶融粘度増加率を求め、その値を押出成
形性の指標とした。
【0035】
【数8】
【0036】[硬度]日精樹脂工業株式会社製の小型射
出成形試験機を用いて、溶融温度200℃、射出ノズル
圧力60kgf/cm2 、金型温度30℃の条件下に射
出成形を行って得られた厚さ6mmの試験片を用いて、
ショアーA硬度計で測定した。
【0037】[耐熱性(ビカット軟化温度)]上記と同
様にして射出成形を行って得られた厚さ4mmの試験片
を用いて、JIS K−7206に準じて測定荷重1k
gfの条件下にビカット軟化温度を測定した。そして、
測定により得られたビカット軟化温度の値を耐熱性の指
標として、ポリウレタン(ポリウレタン成形物)の耐熱
性を評価した。
【0038】[圧縮永久歪み]上記と同様にして射出成
形を行って得られた厚さ20mmの試験片を用いて、J
IS K−6301に準拠した方法(熱処理条件:70
℃で22時間)で測定を行った。
【0039】[耐寒性]上記と同様にして射出成形を行
って得られた厚さ2mmの円板から試験片を作製し、こ
の試験片の動的粘弾性を周波数11Hzで測定し、動的
損失弾性率(E”)がピークとなる温度(Tα)を求
め、これを耐寒性の指標とした。
【0040】また、下記の参考例、実施例および比較例
で用いた化合物に関する略号とその化合物内容は、次の
表1に示すとおりである。
【0041】
【表1】
【0042】[参考例1](PNMAの製造) ND1920g、MPD1416gおよびアジピン酸2
920gを反応器に仕込み、減圧下に200℃で生成す
る水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。反
応物の酸価が30以下になった時点でテトライソプロピ
ルチタネートを90mg加えて、200mmHg〜10
0mmHgに減圧しながら重縮合反応を続けた。酸価が
1.0になった時点で真空ポンプにより徐々に真空度を
上げて反応を完結させた。その結果、数平均分子量30
00、ND/MPD=1/1(モル比)のPNMA(以
下、これを「ポリエステル−A」という)が5090g
得られた。
【0043】[参考例2](チタン系触媒の失活) 上記の参考例1で得られたポリエステル−Aの5000
gを100℃に加熱し、これに水150g(3重量%)
を加えて攪拌しながら2時間加熱することによりチタン
系触媒を失活させた。得られた混合物から減圧下で水を
留去することにより、チタン系触媒を失活させたPNM
A(以下、これを「ポリエステル−B」という)が得ら
れた。
【0044】[参考例3〜7]使用するジオールを変更
する以外は参考例1および2に準じて、エステル化反
応、重縮合反応および触媒失活処理を行い、それぞれポ
リエステルジオールを得た。
【0045】上記の参考例1〜7で得られたポリエステ
ルジオールの内容を下記の表2にまとめた。
【0046】
【表2】
【0047】[実施例1]上記の参考例2で得られたポ
リエステル−B、鎖伸長剤[BD:ND=95:5(モ
ル比)の混合物]および50℃に加熱溶融したMDI
を、下記の表3に示すように、[ポリエステル−B]:
[BD:ND]:[MDI]=[1.0]:[5.0
4:0.56]:[6.86](モル比)で、かつこれ
らの総量が200g/分となるように、定量ポンプから
同軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機(30mm
φ、L/D=36)に連続的に仕込み、260℃の温度
で連続溶融重合反応を行った。生成したポリウレタンの
溶融物をストランド状で水中に連続的に押出し、次いで
ペレタイザーで切断してペレットを製造した。このペレ
ットを80℃で20時間除湿乾燥後、その押出成形性を
上記した方法で測定した。また除湿乾燥後のペレットを
用いて、上記した方法で200℃で射出成形により種々
の物性の評価用のそれぞれの試験片を作製した。それぞ
れの試験片を、80℃で8時間または20℃で1週間放
置した後に、対数粘度、硬度、耐熱性、圧縮永久歪みお
よび耐寒性を上記した方法で測定または評価した。その
結果を下記の表4に示す。
【0048】[実施例2〜5]下記の表3に示すポリエ
ステルジオールを、表3に示す鎖伸長剤およびMDI
と、表3に示すモル比で反応させた以外は実施例1と同
様にして、連続溶融重合、ポリウレタンペレットの製造
および除湿乾燥、射出成形による各試験片の製造および
試験片の熱処理を行って、実施例1と同様の物性の測定
または評価を行った。その結果を下記の表4に示す。
【0049】[比較例1〜9]下記の表3に示すポリエ
ステルジオールを、表3に示す鎖伸長剤およびMDI
と、表3に示すモル比で反応させた以外は実施例1と同
様にして、連続溶融重合、ポリウレタンペレットの製造
および除湿乾燥、射出成形による各試験片の製造および
試験片の熱処理を行って、実施例1と同様の物性の測定
または評価を行った。その結果を下記の表4に示す。た
だし、比較例2では、得られたポリウレタンの成形性が
極めて悪く、試験片を射出成形によって製造することが
できなかった。また、比較例3では、重合反応が十分進
まず、ストランドを形成させることができなかったの
で、性能評価に至らなかった。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】上記の表3および表4の結果から、実施例
1〜5の本発明のポリウレタンは、溶融滞留時間が長く
なっても粘度が急激に上昇せず押出成形性などの成形性
に優れており、しかも実施例1〜5のポリウレタンの成
形物は硬度および耐寒性に優れ、ビカット軟化温度が高
く耐熱性にも優れており、その上、圧縮永久歪みが小さ
いことがわかる。これに対して、ポリエステルジオール
の分子量、ポリエステルジオールのジオール成分、鎖伸
長剤の種類または原料化合物の相対使用量において本発
明のポリウレタンと相違する比較例1〜9のポリウレタ
ンでは、成形性、耐寒性、耐熱性および圧縮永久歪みの
うち少なくとも一つの性能において不良であることがわ
かる。
【0053】
【発明の効果】本発明により、押出成形性などの成形
性、耐熱性および耐寒性に優れ、しかも圧縮永久歪みの
小さい、極めて良好な諸特性を備えたポリウレタンが提
供される。そして、本発明のポリウレタンからは、その
熱可塑性を利用して、押出成形、射出成形、ブロー成
形、注型、流延成形、カレンダー成形などの成形法によ
って、各種の成形物を極めて円滑に成形性よく製造する
ことができ、その結果、得られた成形物は上記した優れ
た諸特性を活かして広範な用途に使用することができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルジオール、ジイソシアネー
    ト、1,4−ブタンジオールおよび一般式(I) 【化1】 (式中、nは5〜10の整数を表す)で示される脂肪族
    ジオールを反応させて得られるポリウレタンであって、
    該ポリエステルジオールが、1,9−ノナンジオール成
    分および3−メチル−1,5−ペンタンジオール成分よ
    りなるジオール成分とジカルボン酸成分とからなり、か
    つ全ジオール成分基準における1,9−ノナンジオール
    成分のモル分率cと3−メチル−1,5−ペンタンジオ
    ール成分のモル分率dが数式(A) 【数1】 を満足する分子量2200〜3500のポリエステルジ
    オールであり、かつ該反応において、該ポリエステルジ
    オールのモル数a、ジイソシアネートのモル数b、1,
    4−ブタンジオールのモル数eおよび一般式(I)で示
    される脂肪族ジオールのモル数fが、数式(B)および
    (C) 【数2】 【数3】 を満足することを特徴とするポリエステル系ポリウレタ
    ン。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される脂肪族ジオール
    が1,9−ノナンジオールである請求項1記載のポリエ
    ステル系ポリウレタン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のポリエステル系ポリ
    ウレタンから得られた成形物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2のポリエステル系ポリ
    ウレタンを使用して成形した後、得られた成形物を60
    ℃以上の温度で熱処理することを特徴とするポリウレタ
    ン成形物の製造方法。
JP6277956A 1993-11-12 1994-11-11 ポリウレタンおよびその成形物 Pending JPH07179557A (ja)

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