JP2765962B2 - 熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の熱可塑性ポリウレタンに少量の芳香族
ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の共重合体または
ブレンド重合体を配合してなる組成物に関する。
本発明により提供される組成物は優れた耐熱性および
射出成形性を有するとともに、耐寒性、力学的性能にも
優れる。
〔従来の技術〕
従来より熱可塑性ポリウレタンは高弾性率を有し、耐
摩耗性および耐油性に優れる等の多くの特長を有するた
め、ゴムおよびプラスチツクの代替材料として注目され
ており、通常のプラスチツク成形加工法が適用できる成
形材料として広範な用途で多量使用されるようになつて
きている。熱可塑性ポリウレタンは高分子ジオール、ジ
イソシアナートおよび1,4−ブタンジオールなどの鎖伸
長剤を混合して重合することにより製造されている。熱
可塑性ポリウレタンの成形時の離型性(粘着性防止)の
改良および成形収縮率の減少を目的とした、熱可塑性ポ
リウレタンとアクリロニトリル−スチレンの共重合体ま
たはブレンド重合体とからなる樹脂組成物が知られてい
る(特公昭46−659号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の熱可塑性ポリウレタンは、耐熱性が極めて悪
く、また射出成形のサイクル時間が長く、生産性に劣
り、またヒケが発生する等の射出成形性に問題を有して
おり、これらの改良が強く要望されている。
上記の熱可塑性ポリウレタンとアクリロニトリル−ス
チレンの共重合体またはブレンド重合体とからなる樹脂
組成物は成形性の改良は認められるものの、耐熱性が十
分とは言えない。
本発明の目的は優れた耐熱性および射出成形性を有す
るとともに、耐寒性、力学的性能に優れる熱可塑性ポリ
ウレタン組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、(A)熱可塑性ポリ
ウレタン92〜99重量%および(B)芳香族ビニル化合物
とシアン化ビニル化合物の共重合体またはブレンド重合
体8〜1重量%とからなり、該熱可塑性ポリウレタンが
(a)下記の構造単位と(I)と(II)および/または
(III)とを必須の構造単位として有している数平均分
子量1,500〜3,500のポリエステルジオールおよび/また
はポリカーボネートジオールと(b)ジイソシアナート
および(c)鎖伸長剤とから得られ、かつ成分(b)お
よび(c)の重量の和が成分(a)、(b)および
(c)の重量の和に対して23〜56%の範囲であることを
特徴とする熱可塑性ポリウレタン組成物を提供すること
によつて達成される。
(I):−O−(CH2−O− 本発明の組成物において射出成形サイクル速度が速
く、成形歪率が小さく、かつ耐熱性、耐寒性が優れる等
の特性が高度に発現されるためには、熱可塑性ポリウレ
タンが上記の特定された構造を有することが重要であ
る。この特定された構造を有しない熱可塑性ポリウレタ
ンの組成物の場合には本発明の組成物が発現する効果が
ほとんど認められない。
本発明における熱可塑性ポリウレタンを構成するポリ
エステルジオールおよびポリカーボネートジオールは水
酸基価および酸価より求めた数平均分子量が1,500〜3,5
00の範囲にあることが極めて重要である。その数平均分
子量は特に1,800〜3,000の範囲にあることが好ましい。
数平均分子量が1,500未満の場合には射出成形サイクル
速度、成形歪率、耐熱性の向上はほとんど認められず、
また3,500を越える場合には成形時における溶解粘度の
変化が大きく、安定した成形が困難となる。
ポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオー
ルは分子内に前記の構造単位(I)と(II)および/ま
たは(III)とを必須の構造単位として有する。構造単
位(I)は1,9−ノナンジオールから誘導され、構造単
位(II)は2−メチル−1,8−オクタンジオールから誘
導され、また構造単位(III)は3−メチル−1,5−ペン
タンジオールから誘導される。構造単位(II)および
(III)のモル分率の和が構造単位(I)ないし(III)
のモル分率の和に対して10%以上であり、かつ構造単位
(I)および(II)のモル分率の和がジオール由来の構
造単位のモル分率の和に対して50%以上であるポリエス
テルジオールおよび/またはポリカーボネートジオール
から得られる本発明の組成物は上記の効果をより高度に
発現する。構造単位(II)および(III)のモル分率の
和が構造単位(I)ないし(III)のモル分率の和に対
して10%未満の場合には、組成物の耐寒性および柔軟性
が低下し、また構造単位(I)および(II)のモル分率
の和がジオール由来の構造単位に対して50%未満の場合
には、組成物の耐寒性、射出成形サイクル速度、成形歪
率などにおける改良効果が十分なレベルまで到達しない
ことから、いずれの場合も好ましくない。
本発明におけるポリエステルジオールまたはポリカー
ボネートジオール製造時に併用されるグリコールとして
は、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオ
ールなどが挙げられる。これらグリコールは単独でまた
は2種以上の混合物で使用されるが、使用される全ジオ
ールの50モル%より少ない量で使用するのが適当であ
る。その使用量は好ましくは30モル%以下である。
ポリエステルジオール製造時に使用されるジカルボン
酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等が挙げられるが、なかでもアジピン酸
およびアゼライン酸が好ましい。これらのジカルボン酸
は単独でまたは2種以上の混合物で使用される。
本発明における熱可塑性ポリウレタンは成分(b)お
よび(c)の重量の和、すなわちハードセグメント構成
成分の重量が成分(a)、(b)および(c)の重量の
分に対して23〜56%の範囲にあることが重要である。そ
のハードセグメント構成成分の重量が23%未満の場合に
は、組成物の射出成形性および耐熱性の改良効果が小さ
く、また56%を越える場合には、組成物の溶融粘度の経
時変化が大きく、成形性が不良となる。
本発明における熱可塑性ポリウレタンは、ポリエステ
ルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールと
ジイソシアナートと鎖伸長剤とを溶融重合することによ
り得られる。使用されるジイソシアナートとしては、イ
ソシアナート基を分子中に2個含有する脂肪族、脂環族
または芳香族のジイソシアナートであり、例えば4,4′
ジフエニルメタンジイソシアナート、p−フエニレンジ
イソシアナート、トリレンジイソシアナート、1,5−ナ
フチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイ
ソシアナート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアナートなどが挙げられる。ジイソシアナートとして
は特に4,4′−ジフエニルメタンジイソシアナートが好
ましい。また鎖伸長剤としてはポリウレタン業界におけ
る常用の連鎖成長剤、すなわちイソシアナートと反応し
得る水素原子を少なくとも2個含有する分子量400以下
の低分子化合物を用いることができ、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタ
レート、キシリレングリコール等のジオール;エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、
イソホロンジアミン、ピペラジン、フエニレンジアミ
ン、トリレンジアミンなどのジアミン;ヒドラジン;ア
ジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなど
のヒドラジドが挙げられる。鎖伸長剤としては1,4−ブ
タンジオールまたは1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼンを用いるのが最も好ましい。これらの化合
物は単独でまたは2種以上の組合わせで使用される。重
合条件は公知のウレタン生成反応に採用される条件が適
用されるが、重合温度としては200〜240℃の範囲の温度
を採用するのが好ましい。重合温度を200℃以上に保つ
ことにより成形加工性の良好なポリウレタンを得ること
ができ、また重合温度を240℃以下に保つことにより耐
熱性の増大したポリウレタンを得ることができる。重合
方法としては特に多軸スクリュー型押出機を用いる連続
溶融重合法を採用するのが好ましい。
本発明の組成物においては、上記の特定された構造を
有する熱可塑性ポリウレタンに芳香族ビニル化合物とシ
アン化ビニル化合物の共重合体またはブレンド重合物
(以下、これをAS樹脂と略称する)を特定の割合で配合
することが本発明の上記の目的を達成するために重要な
要件となる。本発明では熱可塑性ポリウレタン92〜99重
量%とAS樹脂8〜1重量%とを配合する必要がある。AS
樹脂の配合の割合が1重量%未満の場合には、本発明の
効果がほとんど発現されず、また8重量%を越える場合
には、組成物の硬度が高くなり、伸度が低下する。それ
ゆえ、AS樹脂の配合割合が8重量%を越えて高められた
硬度を有する組成物とこれと同じ硬度を有する本発明の
組成物とを比較した場合、前者の組成物はポリウレタン
のハードセグメント含有量が後者の組成物のそれよりも
少なくなり、後者の組成物に比べて耐熱性が低下し、か
つ耐屈曲性も低下し、熱可塑性ポリウレタン本来の特徴
が損われ、用途が限定されたものになる。
本発明で用いられるAS樹脂は芳香族ビニル化合物とシ
アン化ビニル化合物の共重合体またはブレンド重合物で
ある。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレン、核ハロ
ゲン置換スチレン等が使用される。特にスチレンを使用
するのが好ましい。また、シアン化ビニル化合物として
は、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が
使用される。特にアクリロニトリルを使用するのが好ま
しい。AS樹脂の代表例としては、スチレンとアクリロニ
トリルを乳化重合させて得られる共重合体、スチレンの
ホモポリマーとアクリロニトリルのホモポリマーとをブ
レンドして得られるブレンド重合体が挙げられる。AS樹
脂としては共重合体が好適である。芳香族ビニル化合物
とシアン化ビニル化合物との使用割合は特に限定されな
いが、前者が60〜90重量%の範囲であり、かつ後者が40
〜10重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、例えば上記
の熱可塑性ポリウレタンとAS樹脂とを樹脂材料の混合に
通常用いられるような縦型または水平型の混合機を用い
て所定の割合で予備混合したのち、一軸または二軸の押
し出し機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなど
を用いて回分式または連続式で加熱混練することにより
製造される。混合時に耐光性、耐熱性をより向上させる
ための安定剤、可塑剤、モンタン酸ワックス、脂肪族ア
マイドなどの滑剤、充填剤、帯電防止剤、顔料などの添
加剤を本発明の効果を損わない量で添加することが可能
である。
本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は特に射出成形
性をはじめとする成形加工性および耐熱性に優れてお
り、通常用いられている射出成形機、押出成形機、ブロ
ー成形機、カレンダーなどにより容易に成形される。本
発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は高い成形寸法精度
を有し、かつ、優れた耐熱性、耐寒性、耐油性、耐摩耗
性、強靭性および力学的性能応を有することから、シー
ト、フイルム、ロール、ギア、ソリツドタイア、スノー
タイア、スノーチエーン、ベルト、時計バンド、ホー
ス、チユーブ、パツキング材、防振材、靴底、スポーツ
靴、その他各種のラミネート製品の素材、機械部品、自
動車部品、スポーツ用品、弾性繊維などに使用される。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は溶剤に溶
解して人造皮革、コーティング材、繊維処理剤、接着
剤、バインダー、塗料などにも使用される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例によつて何ら限定されるものでは
ない。なお、参考例において、数平均分子量は下記の方
法に従つて求めたものである。また実施例および比較例
において、熱可塑性ポリウレタン組成物の射出成形性
(成形サイクル時間)、耐熱性、耐寒性、耐屈曲性、硬
度は下記の方法に従つて評価したものである。熱可塑性
ポリウレタンのハードセグメント含有量は、ジイソシア
ナートおよび鎖伸長剤に基づくセグメントが熱可塑性ポ
リウレタンにおいて占める重合割合を意味する。
(1) 数平均分子量:ポリエステルジオールまたはポ
リカーボネートジオールの水酸基価および酸価より求め
た。
(2) 耐熱性および耐寒性:押出し成形により得られ
た厚さ500μのポリウレタン組成物フイルムより作製し
た試験片について、動的粘弾性測定装置〔(株)レオロ
ジ製、DVEレオスペクトラー〕を用い、100℃における貯
蔵弾性率E′(100)(dyne/cm2)および20℃における
貯蔵弾性率E′(20)(dyne/cm2)を測定し、E′(10
0)/E′(20)の値を求め、これにより耐熱性を評価し
た。この値が大きいものは耐熱性に優れる。また、同じ
厚さのポリウレタン組成物フイルムより作製した試験片
について、同じ動的粘弾性測定装置を用い、温度分散に
よりTα(E″のピーク温度、11Hz)を測定し、これに
より耐寒性を評価した。
(3) 射出成形性:成形サイクル時間(射出時間+冷
却時間)を変えて射出成形し、得られた成型品からヒケ
および変形が発生しなくなる成形サイクル時間を測定
し、これにより射出成形性を評価した。
(4) 耐屈曲性:500μ(厚さ)×70mm×45mmの試験片
について、JIS K−6545に規定された方法に従つて耐屈
曲性試験機により−20℃における耐屈曲性を調べた。耐
屈曲性は試験片に亀裂が入るまでの屈曲回数で評価し
た。
(5) 硬度:JIS K−6301に規定された方法に従つてシ
ヨア硬度Aまたはシヨア硬度Dで評価した。
参考例1 ポリエステルジオールの製造 2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジ
オールの混合物(モル比=35:65)1,600gおよびジアピ
ン酸1,460gを反応器に仕込み、常圧下に窒素ガスを系内
に通じつつ、約220℃の温度で縮合水を系外に留去しな
がらエステル化反応を行つた。ポリエステルの酸価が0.
3以下になつた時点で真空ポンプにより徐々に真空度を
上げ、反応を完結させた。このようにして得られたポリ
エステルジオールは水酸基価56、酸価0.12、数平均分子
量2,000を有していた。
参考例2〜7 ポリエステルジオールの製造 参考例1においてそれぞれ表1に示すジカルボン酸成
分を与えるジカルボン酸およびジオール成分を与えるジ
オールを用いる以外は同様にしてエステル化反応を行
い、おれぞれ表1に示すポリエステルジオールを得た。
参考例8 ポリカーボネートジオールの製造 窒素気流下、2−メチル−1,8−オクタンジオールと
1,9−ノナンジオールの混合物(モル比=35:65)1,730g
およびジフエニルカーボネート2.140gを反応器に仕込
み、加熱して200℃に昇温し、生成したフエノールを系
外に留去した。温度を徐々に210〜220℃に上げ、フエノ
ールをほとんど系外に留去したのち、系内を6〜10mmHg
に減圧し、この減圧下に同温度で残りのフエノールを系
外に完全に留去した。このようにして得られたポリカー
ボネートジオールは水酸基価56.0、数平均分子量2,000
を有していた。
参考例9および10 参考例8においてそれぞれ表1に示すジオール成分を
与えるジオールを用い、ジフエニルカーボネートの代り
にエチレンカーボネートを用いる以外は同様にして反応
を行い、それぞれ表1に示すポリカーボネートジオール
を得た。
参考例1〜7で得られたポリエステルジオールおよび
参考例8〜10で得られたポリカーボネートジオールにつ
いて、ジオール成分およびその割合、ポリエステルジオ
ールのジカルボン酸成分、数平均分子量をまとめて表1
に示す。なお、表1においてジオール成分およびジカル
ボン酸成分はこれらを各々与える次の略号で示されるジ
オールおよびジカルボン酸で表した。
ND :1,9−ノナンジオール MOD:2−メチル−1,8−オクタンジオール MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール HD :1,6−ヘキサンジオール NPG:ネオペンチルグリコール EG :エチレングリコール AD :アジピン酸 実施例1 ポリウレタン組成物の製造および性能評価 ポリエステルジオール(A)および1,4−ブタンジオ
ール(以下、これをBDと略称する)のモル比1対4の混
合物を50℃に加熱し、これに50℃に加熱溶融した4,4′
−ジフエニルメタンジイソシアネート(以下、これをMD
Iと略称する)をポリエステルジオール(A)対MDI対BD
のモル比が1対5対4となる量で定量ポンプにより同方
向に回転する二軸スクリユー型押出機に連続的に仕込
み、連続溶融重合反応を行つた。この二軸スクリユー型
押出機の内部を前部、中間部および後部の3つの帯域に
分けた場合の最も高温となる該中間部の温度(重合温
度)を230℃とした。生成したポリウレタンをストラン
ド状で水中へ連続的に押し出し、ついでペレタイザーで
ペレツトに成形した。
得られたポリウレタンペレツト100部にAS樹脂(旭化
成工業(株)製、スタイラツク−AS769)3部およびモ
ンタン酸ワツクス(ヘキストワツクスOP)0.5部を25mm
φ押出機(シリンダー温度200℃、ダイス温度180℃)に
て混練添加し、ペレツト化した。次いで得られたポリウ
レタン組成物のペレツトを射出成形機(日精樹脂工業
(株)製、FS80S12ASE、シリンダー温度175〜200℃、ノ
ズル温度200℃、金型温度30℃、射出圧力100Kg/cm2G)
を用いて、成形サイクル時間(射出時間+冷却時間)を
変えて射出成形し、成形品(150mm×25mm×6mm)を作成
した。
得られた成形品についてヒケおよび変形が発生しなく
なる成形サイクル時間を測定した。また、上記のポリウ
レタン組成物のペレツトを前記の方法に従つて成形し、
耐熱性、耐寒性、耐屈曲性および硬度を評価した。評価
結果を表2に示す。
比較例1 ポリウレタン組成物の製造および性能評価 実施例1においてAS樹脂を添加しない以外は同様の操
作によりポリウレタン組成物のペレツトを得、このペレ
ツトを同様にして射出成形し、成形品を作製した。実施
例1におけると同様の評価を行い、それらの評価結果を
表2に示す。
実施例2〜7および比較例2〜14 ポリウレタン組成物の製造および性能評価 実施例1においてポリエステルジオール(A)の代り
に表2に示すポリエステルジオールまたはポリカーボネ
ートジオールを用い、かつ表2に示すモル比でポリエス
テルジオールまたはポリカーボネートジオールとMDIお
よびBDとを仕込む以外は同様にして反応および操作を行
うことによりポリウレタンのペレツトを得た。これらの
ペレツトに実施例1におけると同様にしてAS樹脂を所定
割合で混練添加するか、または添加せずにポリウレタン
組成物のペレツトを得、これらのペレツトを同様にして
射出成形し、成形品を作製した。実施例1におけると同
様の評価を行い、それらの評価結果を表2に示す。
実施例8 ポリウレタン組成物の製造および性能評価 実施例1においてMDIの代りにp−フエニレンジイソ
シアナートを用いる以外は同様にして反応および操作を
行うことによりポリウレタンのペレツトを得た。このペ
レツトより実施例1におけると同様の操作を行うことに
より、ポリウレタン組成物のペレツトを得、このペレツ
トを同様にして射出成形品を作製した。実施例1におけ
ると同様の評価を行い、それらの評価結果を表2に示
す。
実施例9 ポリウレタン組成物の製造および性能評価 実施例1においてBDの代りに1,4−ビス(ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼンを用いる以外は同様にして反応およ
び操作を行うことによりポリウレタンのペレツトを得
た。このペレツトより実施例1におけると同様の操作を
行うことによりポリウレタン組成物を得、このペレツト
を同様にして射出成形し、成形品を作製した。実施例1
におけると同様の評価を行い、これらの評価結果を表2
に示す。
〔発明の効果〕 本発明により提供される熱可塑性ポリウレタン組成物
は、前記の表2から明らかなように、耐熱性、射出成形
性、耐寒性、耐屈曲性、硬度のすべてにおいて優れる。
また、該組成物は耐油性、耐摩耗性、強靭性、力学的性
能においても優れる。
フロントページの続き (72)発明者 平井 広治 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 審査官 佐藤 健史 (56)参考文献 特開 昭55−120655(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 75/06 C08G 18/42 - 18/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性ポリウレタン92〜99重量%
    および(B)芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合
    物の共重合体またはブレンド重合体8〜1重量%とから
    なり、該熱可塑性ポリウレタンが(a)下記の構造単位
    (I)と(II)および/または(III)とを必須の構造
    単位として有している数平均分子量1,500〜3,500のポリ
    エステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオ
    ールと(b)ジイソシアナートおよび(c)鎖伸長剤と
    から得られ、かつ成分(b)および(c)の重量の和が
    成分(a)、(b)および(c)の重量の和に対して23
    〜56%の範囲であることを特徴とする熱可塑性ポリウレ
    タン組成物。 (I):−O−(CH2−O−
  2. 【請求項2】ポリエステルジオールおよびポリカーボネ
    ートジオールにおける構造単位(II)および(III)の
    モル分率の和が構造単位(I)ないし(III)のモル分
    率の和に対して10%以上であり、かつ構造単位(I)お
    よび(II)のモル分率の和がジオール由来の構造単位の
    モル分率の和に対して50%以上である請求項1記載の熱
    可塑性ポリウレタン組成物。
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