JPH08503227A - ヒトインターロイキン−10の精製 - Google Patents

ヒトインターロイキン−10の精製

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JPH08503227A JP6520030A JP52003094A JPH08503227A JP H08503227 A JPH08503227 A JP H08503227A JP 6520030 A JP6520030 A JP 6520030A JP 52003094 A JP52003094 A JP 52003094A JP H08503227 A JPH08503227 A JP H08503227A
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Abstract

(57)【要約】 インターロイキン−10(IL−10)の精製方法を提供する。この方法はIL−10含有溶液に対してカチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーを実施することから成る。本発明はまた、タンパク質画分中に存在する種々なIL−10ダイマーを、タンパク質画分にヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施することによって分離する方法をも含む。本発明はまた、タンパク質画分中に存在する、N末端アミノ酸配列において異なるタンパク質変異体を、タンパク質画分にヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施することによって、相互から分離する方法をも含む。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトインターロイキン−10の精製 発明の背景 インターロイキン−10(IL−10)、最近発見されたリンホカインは、最 初はインターフェロン−γ合成の阻害剤として述べられ、体液性種類の免疫反応 の主要な仲介体として仮定された[フィオレンチオ(Fiorentono,D.F.)等,J .Exp.Med.170:2081(1989)及びムーア(Moore,K.W.)等 ,Science248:1230〜1234(1990)]。しばしば相互に 排他的な2種類の免疫反応は体液性(抗体−仲介)及び遅延型過敏症である。 これらの2種類の異なる免疫反応が2種類のヘルパーT細胞クローン、すなわ ち、独特のサイトカイン分泌パターンを示す、Th1及びTh2ヘルパーT細胞 から生ずることが仮定される[ムーア,上記文献;ヴィエイラ(Vieira,P.)等 ,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 88巻:1172(1991 )]。マウスTh1細胞クローンはインターフェロン−γとIL−2とを分泌し 、優先的に遅延型過敏症反応を誘導するが、Th2細胞クローンはIL−4、I L−5及びIL−10を分泌し、体液性反応を支持する[フィオレンチオ等,上 記文献]。Th1細胞クローンによって分泌されるインターフェロン−γが試験 管内でのTh2細胞クローン増殖を阻害し、Th2細胞クローンによって分泌さ れるIL−10がTh1細胞クローンによるサイトカイン分泌を阻害するので、 免疫反応における対比が結果として生ずる可能性がある[フィオレンチオ等,上 記文献及びムーア等,上記文献]。したがって、これらの2種類のT−ヘルパー 細胞は相互に阻害的であり、2種類の異なる免疫反応の基礎を提供することがで きる。 IL−10はネズミT細胞とヒトT細胞の両方からクローン化され、配列決定 されている[ムーア等,上記文献;ヴィエイラ等,上記文献]。両方の配列は1 78アミノ酸のポリペプチドをコードする読み取り枠(open reading frame)を 18アミノ酸のN末端疎水性リーダー配列と共に含み、73%のアミノ酸配列相 同性を有する。 生物学的に活性なIL−10は分析用ゲル濾過によって判定されるようにダイ マーである。一般に、このダイマーは非還元性ドデシル硫酸ナトリウム−ポリア クリルアミドゲル電気泳動でのモノマーとしての移動に基づくと非共有結合して いる。組換え体ヒトIL−10は原核発現系と真核発現系の両方によって発現さ れることができる。 真核発現系によって産生された組換え体ヒトIL−10のN末端分析は、IL −10ポリペプチドの少ない割合が最初の2つのN末端アミノ酸残基欠失を有す ることを示唆する。この切頭(truncated)ポリペプチドは△2IL−10ポリ ペプチド、又は簡単には△2と呼ばれる。それ故、全長(full-length)鎖は△ 0と呼ばれ、アミノ酸が欠失していないことを示す。したがって、生物学的に活 性な真核発現(eukaryotically expressed)IL−10は3種類の異なるダイマ ーとして発生することができる。第1生物学的活性ダイマーと主要な形状は△0 :△0であり、ダイマーの両ポリペプチドがアミノ酸の全長鎖を有するホモダイ マーである。第2IL−10ダイマーは△0:△2であり、ポリペプチド鎖の1 つがアミノ酸の全長鎖を有し、第2鎖、△2が最初の2つのN末端アミノ酸残基 欠失を有するヘテロダイマーである。第3IL−10ダイマーは△2:△2であ り、ダイマーの両方のポリペプチド鎖が最初の2つのN末端アミノ酸残基欠失を 有するホモダイマーである。したがって、IL−10を精製する方法が必要であ り、特に、IL−10の異なるダイマーを相互から分離する方法が必要である。 原核発現系によって発現される封入体(inclusion body)中に含まれるIL− 10は変性し、再生し(refolded)、宿主(host)タンパク質、IL−10の修 飾変異体及びこれらの変異体のヘテロダイマーを含む汚染物から精製しなければ ならない。さらに、原核系では、IL−10モノマーはリシン残基の1個以上に おいてアセチル化されることができる。アセチル化モノマーが他のアセチル化モ ノマーに結合する場合には、アセチル化ホモダイマーが得られる。しかし、非ア セチル化モノマーが他の非アセチル化モノマーに結合する場合には、非アセチル 化ホモダイマーが得られる。アセチル化モノマーが非アセチル化モノマーに結合 する場合には、ヘテロダイマーが得られる。さらに、IL−10は通常、非共有 結合ホ モダイマーとして得られる。しかし、封入体の変性及びIL−10の再生(refo lding)中に、共有結合ホモダイマーすなわち非還元性SDS−PAGE上では ダイマーとして移動するが、還元性条件下ではモノマーとして移動するホモダイ マーが得られる可能性がある。これは恐らく、2つのモノマーの間に形成される 1個以上の分子間ジスルフィド結合によって生ずると思われる。したがって、I L−10を宿主タンパク質汚染物から精製して、アセチル化ホモダイマー、ヘテ ロダイマー変異体及び共有結合ダイマーを含まない、本質的に純粋な非共有結合 ダイマーIL−10を得ることが必要である。 可能な免疫反応仲介体としてのその役割及びインターフェロン−γ合成の阻害 剤としてのその活性を考慮すると、IL−10は自己免疫疾患又は移植片拒絶に 臨床的有用性を有する。しかし、臨床的設定では、IL−10が他の汚染性の宿 主タンパク質及び培地(medium)タンパク質又はポリペプチドを実質的に含まな い、高度に純粋な状態であることが非常に望ましい。したがって、これらの目的 を達成する、IL−10の精製方法の必要性がある。 発明の概要 本発明は下記工程: (a)IL−10を含む溶液に対してカチオン交換クロマトグラフィーを実施 し、それによってIL−10含有画分を得る工程と; (b)工程(a)からのIL−10含有画分に対してアニオン交換クロマトグ ラフィーを実施し、それによってIL−10含有画分を得る工程と; (c)工程(b)からのIL−10含有画分に対してヒドロキシアパタイトク ロマトグラフィーを実施し、それによってIL−10の単独単離ダイマーを含む 画分を得る工程と; (d)工程(c)からのIL−10含有画分に対してゲル濾過クロマトグラフ ィーを実施し、それによって高分子量不純物も低分子量不純物も含まないIL− 10含有画分を得る工程と を含む、溶液中に含まれるIL−10を精製する方法を提供することによって、 この必要性を満たす。 IL−10のこの精製方法は、細菌発現系又は真核発現系において発現される IL−10に対して適用することができる。 本発明はさらに、ダイマー混合物を含むタンパク質画分中に含まれる種々のI L−10ダイマーを分離する方法であって、該画分に対してヒドロキシアパタイ トクロマトグラフィーをダイマーが相互から分離する条件下で実施することを含 む前記方法を提供する。 本発明はさらに、その中の種々なダイマーが異なるN末端アミノ酸配列を有す るタンパク質画分中に含まれるタンパク質の種々なダイマーの分離方法であって 、該タンパク質画分に対してヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーをダイマ ーが相互から分離する条件下で実施することを含む前記方法を提供する。 本発明はさらに、その中のタンパク質の変異体が種々なN末端アミノ酸配列を 有するタンパク質画分中に含まれるタンパク質の変異体の分離方法であって、該 タンパク質画分に対してヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーをタンパク質 の変異体が相互から分離する条件下で実施することを含む前記方法を提供する。 本発明はさらになお、溶液中に含まれるIL−10のアセチル化ホモダイマー とIL−10のアセチル化ヘテロタイマーとからIL−10の非アセチル化ホモ ダイマーを分離する方法であって、該溶液に対してアニオン交換クロマトグラフ ィーを非アセチル化ホモダイマーがIL−10のアセチル化ダイマーから分離さ れる条件下で実施することを含む前記方法を提供する。 発明の説明 本明細書に引用する全ての参考文献はそれらの全体において本明細書に援用さ れる。 本明細書で用いるかぎり、“インターロイキン−10”又は“IL−10”は ヒトIL−10(hIL−10)か又はネズミIL−10のいずれかでありうる 。ヒトIL−10は(a)国際出願第PCT/US90/03554号、第WO 91/00349号に対応する、1992年7月20日出願の米国特許出願第0 7/917,806号に開示されるような、成熟(すなわち、分泌リーダー配列 を有さない)hIL−10の既知配列に実質的に同じのアミノ酸を有し、かつ( b) ネイティブ(native)hIL−10に共通である生物学的活性を有するタンパク 質として定義される。 IL−10はタンパク質を分泌することができる活性化T細胞の培養培地から 得ることができる。しかし、IL−10はIL−10ポリペプチドをコードする 単離核酸を用いる組換え体方法によって優先的に得られる。分子生物学の一般的 な方法は、例えばサムブロック(Sambrook)等,分子クローン化(Molecular Cl oning),A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publish(ニューヨーク州,コールドスプリングハーバ ー)、第2版、1989及びアウスベル(Ausubel)等(編集),分子生物学に おける現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology),Gr een/Wiley,ニューヨーク(1987及び定期的増刊)によって述べら れている。ゲノムライブラリー又はcDNAライブラリーから、適当な配列を得 ることができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法を用いることができる。 例えば、PCRプロトコール:方法及び用途の手引き(PCR Protocol:A Guide t o Methods and Applications),1990,Innis等(編集),Acade mic Press,ニューヨーク州,ニューヨークを参照のこと。 ライブラリーは適当な細胞から抽出される核酸から構成する。例えば、IL− 10を生成するための組換え体方法を開示する国際出願公開第WO91/003 49号を参照のこと。例えば、核酸に関するGen Bank及びEMBL、タ ンパク質に関するPIR及びSwiss−Prot、c/oIntellige netics(ウィスコンシン州,マウンテンビュー)、又はGenetics Computer Groups,ウィスコンシン大学バイオテクノロジーセン ター(ウィスコンシン州,マディソン)(これらは本明細書に援用される)のよ うな、種々な配列データベースに有用な遺伝子配列を見いだすことができる。 ヒトIL−10(hIL−10)をコードする配列を含むクローンはAmer ican Type Culture Collection(ATCC)(メ リーランド州,ロックビル)に受け入れ番号68191及び68192で寄託さ れている。IL−10をコードする配列を含む他のクローンの確認は核酸ハイブ リッド化によって又は、発現ベクターを用いる場合には、コードされるタンパク 質の免疫学的検出によって行われる。寄託された配列に基づくオリゴヌクレオチ ドプローブは国際出願公開第WO91/00349号に開示される。配列の確認 のために有用なオリゴヌクレオチドプローブは、他の種の関連遺伝子の保存領域 (conserved region)から作製することもできる。或いは、IL−10のアミノ 酸配列に基づく変性プローブ(degenerate probe)を用いることもできる。 IL−10をコードするDNAを発現させるために、種々な発現ベクターを用 いることができる。原核細胞及び真核細胞における組換え体タンパク質の発現に 用いられる通常のベクターを用いることができる。好ましいベクターには、Ok ayama等,Mol.Cell.Bio.3巻,280〜289頁(1983 )及びTakebe等,Mol.Cell.Bio.8巻,466〜472頁( 1988)によって開示されるpcDベクターがある。他のSV−40に基づく 哺乳動物発現ベクターには、Kaufmann等,Mol.Cell.Biol .2巻,1304〜1319頁(1982)及び米国特許第4,675,285 号に開示される発現ベクターがある。これらのSV−40に基づくベクターはC OS7サル細胞(ATCC No.CRL1651)並びに例えばマウスL細胞 及びCHO細胞のような、他の哺乳動物細胞に特に有用である。 標準トランスフェクション方法を用いて、大量のポリペプチドを発現させる真 核細胞ラインを製造することができる。本発明の方法は、タンパク質が発現され る細胞上清(cell supernatant)から、真核細胞によって発現されるIL−10 の精製方法である。真核細胞ラインには、哺乳動物、酵母及び昆虫の細胞ライン がある。典型的な哺乳動物細胞ラインには、COS−7細胞、マウスL細胞及び チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞がある。Sambrook等の上記 文献及びAusubel等の上記文献を参照のこと。 さらに、本発明の方法は遺伝的形質転換細菌、特に大腸菌(E.coli)によって 産生されるIL−10の精製方法を提供する。本明細書で用いるかぎり、“形質 転換細菌”なる用語は、哺乳動物タンパク質を産生するように遺伝子操作された (genetically engineered)細菌を意味する。このような遺伝子操作(genetica lly engineering)は通常、細菌中への発現ベクターの導入を必然的に伴う。この発 現ベクターは自律増殖することができ、細菌ゲノム中の遺伝子に関してタンパク 質発現することができる。所望のタンパク質をコードするヌクレオチド配列が既 知であるか、さもなくば入手可能であるかぎり、細菌発現の構築は技術上周知で ある。例えば、DeBoerは米国特許第4,551,433号において細菌発 現ベクターに用いるためのプロモーターを開示し;Goeddel等は米国特許 第4,601,980号において、またRiggsは米国特許第4,431,7 39号において大腸菌発現系による哺乳動物タンパク質の産生を開示し;Rig gsの上記文献、Ferretti等のProc.Natl.Acad.Sci .83:599(1986)、Sproat等のNucleic Acid R esearch,13:2959(1985)及びMullenbach等のJ .Biol.Chem.261:719(1986)は細菌中に発現するための 合成遺伝子の構築方法を開示する。多くの細菌発現ベクターは商業的に及びAm erican Type Culture Collection(ATCC) (メリーランド州,ロックビル)から入手可能である。 本発明の方法はカチオン交換、アニオン交換、ヒドロキシアパタイト及びゲル 濾過のクロマトグラフィーの逐次適用を含む。高純度と最大収率とを達成するた めに、4種類のクロマトグラフィー工程の各々をpH、導電率、バッファー組成 、流量及びカラム寸法に関して選択し、最適化した。純度及び収率のこの最適化 を評価するために用いられる分析操作はウェスタンブロット、ドデシル硫酸ナト リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)[Laemml i,英国,Nature,227:680(1970)]、酵素免疫吸着測定方 法(ELISA)値、280nmと260nmにおけるUV吸光度、及びタンパ ク質濃度測定[Bradford,M.,Anal.Biochem.,72:2 48(1976)]であった。 さらに、効果的で迅速な大規模加工と、生成物純度と収率とに関して、クロマ トグラフィー工程の順序を最適化した。これは(1)大量取り扱い(volume han dling)を減ずるための第1工程(カチオン交換)中の生成物濃縮;(2)この 迅 速工程の生成物を特別な加工なしに次のカラムに直接負荷することができるよう な、第2工程(アニオン交換)の流動形式;(3)第3カラム(ヒドロキシアパ タイト)上でのIL−10形の分離(resolution)を他の汚染タンパク質が妨害 しないように、最初の2工程中のこれらの汚染タンパク質の殆ど全ての除去;及 び(4)異なる分子量の微量汚染物とIL−10モノマーとの分離の他に、この 後の薬剤組成物のために望ましいバッファー中に最終生成物IL−10が得られ ることを可能にするゲル濾過クロマトグラフィーのバッファー交換を含む。 IL−10はカチオン交換樹脂に良好に吸着するので、カチオン交換クロマト グラフィー工程を最初に用いる。例えばカルボキシメチル、スルホプロピル及び スルホネートのような、任意のカチオン交換基を用いることができる。セルロー ス、デキストラン、アガロース及びポリスチレンをこれらに限定することなく含 む、任意の固相サポートにカチオン交換基を取り付けることができる。好ましい カチオン交換基は、例えばPharmacia(ニュージャーシー州,ピスカタ ウェイ)からのS−SEPHAROSE Fast Flow(登録商標)のよ うな、アガロース充填サポートマトリックスに取り付けたスルホネートである。 平衡バッファーは7.8(IL−10のpI)より低いpHであるべきであり、 好ましくは、IL−10タンパク質に充分な正電荷を生成するために、S−SE PHAROSEに対しては約6.5であるべきである。これはカチオン交換基へ のIL−10タンパク質の良好な接着を生ずる。 IL−10を哺乳動物細胞の培養発現系によって産生する場合には、汚染タン パク質の80〜90%及び特に、主要な汚染タンパク質である血清アルブミンが 結合しないように、条件を最適化する。負荷されるべきタンパク質の量は、製造 業者によって提供される情報に基づいて算出することができる。5x28cmS −SEPHAROSE(登録商標)Fast Flowカラムを用いて、約10 0mgタンパク質/mlベッドボリュームを1.1cm/分の流量で供給するこ とができる。この上清を負荷させた後に、カラムを段階的又は線形勾配(linear gradient)塩溶液によって、好ましくは、S−SEPHAROSE(登録商標 )カラムに対しては70〜300mM NaCl線形勾配によって展開させる。 I L−10は、約17mSにおけるA280の明確なピークにおいて約150mM N aClの濃度で溶離する。理想的には、IL−10を含有する画分を濃縮し、例 えばPELLICON(登録商標)、10K膜を用いて透析濾過する。 細菌発現系においてIL−10を封入体で産生する場合には、IL−10を一 般に変性させ、次に再生する。次に、再生IL−10を含む溶液を上述のように カチオン交換樹脂に供給する。汚染タンパク質の80〜90%が結合しないよう に、条件を最適化する。負荷されるべきタンパク質量は、製造業者によって提供 される情報に基づいて算出することができる。12x36cm S−SEPHA ROSE(登録商標)Fast Flowカラムを用いて、約15mgタンパク 質/mlベッドボリュームを1cm/分の流量で供給することができる。この上 清を負荷させた後に、カラムを段階的又は線形勾配塩溶液によって、好ましくは S−SEPHAROSE(登録商標)カラムに対しては65〜400mM Na Cl線形勾配によって展開させる。IL−10は、約17mSにおけるA280の 明確なピークにおいて約150mM NaClの濃度で溶離する。理想的には、 IL−10を含有する画分を濃縮し、例えばPELLICON(登録商標)、1 0K膜を用いて透析濾過する。 カチオン交換クロマトグラフィーからのIL−10含有画分にアニオン交換ク ロマトグラフィーを実施し、残留する宿主又は細胞培養のタンパク質汚染物を実 質的に除去する。任意のアニオン交換基を用いることができる。例は第4級アミ ノエチル、混合アミン又は他の中間体塩基若しくは弱塩基交換基である。第4級 アミノエチル基が好ましいアニオン交換基である。第4級アミノエチル基はデキ ストラン、セルロース、アガロース又はアクリルサポートマトリックスに結合す ることができる。好ましくは、サポートはアガロースである。理想的なQAEア ガロースアニオン交換樹脂はQ−SEPHAROSE(登録商標)(Pharm acia,ニュージャーシー州,ピスカタウェイ)である。 哺乳動物細胞培養系によって産生されるIL−10は8.0〜8.3の最適p HではQAEアニオン交換樹脂に吸着しない。したがって、IL−10はQAE カラムを通過し、タンパク質mg/ベッドボリュームmlが4未満であるならば 、 大抵の汚染タンパク質は吸着される。 画分に含まれるIL−10のアセチル化は、IL−10の変異体を逆相高性能 液体クロマトグラフィー(HPLC)によって最初に分離することによって評価 することができる。次に、完全タンパク質又はトリプシン消化フラグメントの質 量スペクトロメトリーを実施することができる。この場合に、IL−10又はフ ラグメントがアセチル化される場合には、スペクトル分析がアセチル基の質量に 等しい、IL−10又はそのフラグメントの質量増加を実証する。さらに、トリ プシン消化フラグメントのN末端配列分析はIL−10がアセチル化される場合 に、アセチル化リシン基準(standard)に匹敵するピークを示す。原核系におい て産生される非アセチル化IL−10は、タンパク質含有溶液が1.0〜1.5 の導電率及びpH8.7であるときに通過するので、アニオン交換樹脂に弱く吸 着する。アセチル化ダイマーと汚染宿主タンパク質とはカラムに強度に吸着する 。 アニオン交換カラムから得られるIL−10含有タンパク質画分に、この画分 中に含まれる種々なダイマー形を分離するために、ヒドロキシアパタイトクロマ トグラフィーを実施する。これは迅速流動方法によって実施することができ、こ の方法ではアニオン交換カラムからの画分が、アニオン交換カラムを出るときに 、ヒドロキシアパタイトクロマトカラムに直接負荷されるように、アニオン交換 カラムをヒドロキシアパタイトカラム上に直接配置する。 IL−10が哺乳動物細胞培養系によって産生される場合には、ヒドロキシア パタイトカラムを約8.1のpHの標準塩溶液によって平衡させる。このための 適当なバッファーは20mM Tris−Clと20mM NaClから構成さ れる(pH8.1)。IL−10含有画分をヒドロキシアパタイトカラムに負荷 させ、好ましくは、約pH8.0の150mMリン酸カリウムバッファーの20 ベッドボリュームの線形勾配によって溶離させる。溶離は約6%濃度のKPO4 バッファーによって開始し、約75%濃度に達するまで徐々に増加する。NaP O4も同じ濃度レベルで用いることができる。△0:△0IL−10ダイマーは 150mMKPO4バッファーの約20〜25%濃度で溶離する。他の2種類の ダイマーは150mM KPO4バッファーの約30〜35%濃度で溶離する。 次に、好ましくはカラム長さを2倍にし、得られる画分を△0:△2と△2:△ 2とが別々の画分として溶離するまて再供給することによって、△0:△2を△ 2:△2から分離することができる。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー を用いて、IL−10含有画分中に共に存在する種々なIL−10ダイマーを相 互から分離することができる。種々なダイマーが実際に分離されたという事実は N末端アミノ酸残基配列分析によって確認することができる。 IL−10が原核発現系において産生される場合には、切頭ダイマーは稀であ る。しかし、非共有結合IL−10ダイマーは共有結合IL−10ダイマーから 分離しなければならない。これはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによ って実施される。ヒドロキシアパタイトカラムを約7.4のpHの標準塩溶液に よって平衡させる。このための適当なバッファーは20mM Tris−Clと 20mM NaClから構成される(pH7.4)。IL−10含有画分をヒド ロキシアパタイトカラムに負荷させ、好ましくは、pH7.4の150mMリン 酸ナトリウムバッファーの20ベッドボリュームの線形勾配によって溶離させる 。溶離は約5%濃度のNaPO4バッファーによって開始し、約100%濃度に 達するまで徐々に増加する。KPO4も同じ濃度レベルで用いることができる。 非共有結合ダイマーは7〜10mSにおいて最初に溶離し、共有結合ダイマーは 約12mSにおいてピークに達する。 次に、ヒドロキシアパタイトカラムから得られる単離IL−10ダイマー含有 画分にゲル濾過を実施する。ゲル濾過を用いて、IL−10モノマーを含む高分 子量及び低分子量不純物を分離する。特に有用な2種類のゲルは、タンパク質に 関して5kDa〜約250kDaの分画範囲を有するSEPHACRYL S− 200HR(登録商標)と、タンパク質に関して1kDa〜100kDaの分画 範囲を有するSEPHACRYL S−100(登録商標)とである。タンパク 質に関して約1kDa〜600kDaの分画範囲を有する他のゲルも使用可能で ある。 N末端アミノ酸配列において異なるタンパク質の変異体形はヒドロキシアパタ イトクロマトグラフィーを用いて分離することができる。モノマー又はオリゴマ ーのタンパク質を精製することができるが、これらのタンパク質は1個以上のN 末端アミノ酸欠失変異体のためにまだ異種混合状態に留まる。これらの変異体は ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによって分離することができる。これ らの分離を実施するために、幾つかの実験変数を試験する。第1変数は溶離のた めに必要なリン酸塩濃度と、リン酸塩濃度の勾配である。試験すべき第2変数は カラム長さ、タンパク質負荷、正味導電率(net conductivity)及び低レベルの 二価カチオンである。多少変化した条件下での再クロマトグラフィーは変異体形 の収率と純度とを改良する傾向がある。 下記実施例は本発明を限定するのではなく、説明するために提供するものであ る。 実施例1 CHO細胞ラインからのヒトIL−10の精製 培養培地 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をIL−10遺伝子含有ベクター によってトランスフェクトし、25%ウシ新生仔血清、ホルモン成長因子及び他 の栄養素を含有する補充培地である5%NUSERUM V(登録商標)(Co llaborative Research)及びウシ血清アルブミン、インス リン、トランスフェリン、フェチュイン、脂肪酸、エタノールアミン及びセレン を含有する血清を含まない補充培地であるHBCHO(登録商標)(Irvin e Scientific)を補充された、塩、バッファー、ビタミン、アミノ 酸及びグルコースを含有する基準培地であるイスコヴ修飾ダルベッコ培地(Isco ve's ModifiedDulbecco's Medium)(INIDM)(ミズリー州、セントルイス 、Sigma)中で増殖させた。トランスフェクトしたCHO細胞をpH7.2 、37℃の細胞培地で増殖させた。五日間の増殖後に、細胞培養上清液の全体で 177リットルを取り出し、クロスフロー(crossflow)精密濾過を受 けさせ、限外濾過によって約17.6リットルに濃縮した。次に、CHO−細胞 培養上清を20mM MES(2−[N−モルホリノ]エタノールスルホン酸、 65mM NaCl、pH4を用いて透析濾過を実施した。次に、生じた上清液 に 下記のクロマトグラフィー操作を実施し、これらはすべて4℃において行った。 カチオン−交換クロマトグラフィー 濃縮、透析濾過したCHO−細胞上清濃縮物を20mM MES、70mMN aClpH6.5と平衡させた5x28cm S−SEPHAROSE(登録商 標)Fast Flowカラムに負荷させた。タンパク質約100mg/mlベ ッドボリュームを1.1cm/分の流量で供給した。このカラムを8.5ベッド ボリュームの平衡バッファーで洗浄した。次に、これを70〜300mMのNa Cl勾配の13ベッドボリュームによって0.6cm/分の低流量で溶離した。 hIL−10は、約150mMのNaClに対応する約17mSにおいてA280 の明確なピークで溶離し、これは、16〜20mSにおいて溶離した主要なタン パク質であった。hIL−10を含有する画分を濃縮し、20mM Tris− Cl、20mM NaCl、pH8.1からなるバッファーAで透析濾過(PE LLICON(登録商標)10K膜)した。 S−SEPHAROSE(登録商標)を用いるカチオン−交換クロマトグラフ ィーは良好な吸着を生じたので、第1精製工程として選択された。上記の条件を 用いると、80−90%の汚染タンパク質は結合しなかった。hIL−10は、 初期タンパク質の1%であったが、16〜20mSで溶離した主要なタンパク質 であり、50倍に精製されたものであった。下記の表1参照。pH、導電率、流 量及びカラム寸法の最適条件は、280及び260nmにおけるUV吸光度、タ ンパク質濃度、ELISA値、SDS−PAGE及び多くのクロマトグラフィー のウエスタンブロット結果を評価することによって決定した。 アニオン−交換クロマトグラフィー カチオン−交換クロマトグラフィー工程から得られた、濃縮、透析濾過したI L−10−含有画分をバッファ−Aと平衡させた5x13cm Q−SEPHA ROSE(登録商標)Fast Flowカラムに負荷させた。タンパク質負荷 は、0.5cm/分において約3.5mg/mlベッドボリュームであった。次 に、A280における吸光度が最小になるまで、このカラムをバッファーAで洗浄 した。Q−SEPHAROSE(登録商標)に吸着しなかったタンパク質はh IL−10を含有しており、ヒドロキシアパタイトに直接負荷させるためにプー ルした。 ヒトIL−10は種々なアニオン交換カラムに殆どアフィニティーを有さず、 pH8.1まで及び4mSまでの導電率において最小の結合を示した。これは、 流動形式におけるQ−SEPHAROSE(登録商標)を可能にし、hIL−1 0はカラムを直接通過し、蛋白質mg/mlベッドボリュームを4以下に保つ場 合には、大抵の汚染タンパク質が吸着した。ヒドロキシアパタイトクロマトグラ フィーの前に、Q−SEPHAROSE(登録商標)プールのバッファー調節は ないので、Q−SEPHAROSE(登録商標)カラムの流出液がヒドロキシア パタイトカラム上に直接負荷されるように、2つのカラムは直列に(in tandem )連結させることができる。 ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー Q−SEPHAROSE(登録商標)カラムから得られたIL−10含有画分 を2.6x26cmヒドロキシアパタイトカラムに負荷させ、画分に存在するI L−10ダイマーを分離させるために、バッファーAによって平衡させた。用い たヒドロキシアパタイトは、Pentaxで製造され、American In ternational Chemical社によって販売されるセラミックヒ ドロキシアパタイトであった。セラミックヒドロキシアパタイトは、ヒドロキシ アパタイト結晶を加熱(焼結)して、ビーズにすることによって形成される。標 準(すなわち、非焼結)ヒドロキシアパタイト(Biorad)もまた許容され る。タンパク質負荷は、0.6cm/分の流量において約2.5mg/mlベッ ドボリュームであった。このカラムを94%バッファーAと6%バッファーBと の混合液の5ベッドボリュームで洗浄した。バッファーBは150mM KPO4 、pH8.0から成るものであった。IL−10は、6%〜75%の線形勾配 のバッファーBで溶離した。△0:△0ダイマーは、約20〜25%濃度のバッ ファーBで溶離した。△0:△2及び△2:△2ダイマーは、約30〜35%濃 度のバッファーBで溶離した。 ゲル濾過クロマトグラフィー △0:△0IL−10ダイマーを含有する別々の濃縮ヒドロキシアパタイトプ ール(約20mg/mlまで)をSEPHACRYL(登録商標)S−200H R又はSEPHACRYL(登録商標)S−100HRカラム(2.6x85c m)に負荷させ、20mM Tris−Cl、150mM NaCl,pH8. 1からなるバッファーCによって平衡させ、溶離させた。サンプル負荷量は4% 未満のベッドボリュームであり、流量は0.1cm/分であった。ピーク画分は プールし、−20℃において保存した。 SEPHACRYL(登録商標)S−200HR又はSEPHACRYL(登 録商標)S−100HRにおけるゲル濾過クロマトグラフィーは、hIL−10 がダイマー形と一致した分子量を示すことを明らかにした。△0:△0ダイマー は、負荷した全てのタンパク質濃度(0.2〜20mg/mlベッドボリューム )に関する主要な形状であった。少量(<5%)のhIL−0モノマーは、トレ ーリングショルダー(trailing shoulder)としてA280プロフィルに時折見られ 、これらの画分はプールから除外された。 総精製操作によって、細胞培養培地1リットルにつき約1.1mgの少なくと も98%純度△0:△0ヒトIL−10が得られた。純度は、ドデシル硫酸ナト リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)[Laemml i、英国、Nature、227:680(1970)]によって測定した。さ らに、逆相(C4)又はサイズ排除ZORBEX(登録商標)250によるHP LCクロマトグラフィーは、単一ピークのみを示した。各精製工程の実施は、次 の表に示す。この結果は各CHO細胞上清(5%Nu−Serum V含有)約 175リットルの3精製ランからの平均値である。 a 濃度及びhIL−10の収率はELISAアッセイに基づいた。 b 純度は、細胞培養濃縮物、S−Sepharoseプール及びQ−Seph aroseプールに関しては、hIL−10 mg(ELISAによって測定) /mg総タンパク質[Bradford Assay(上記文献に記載)によっ て測定]x100によって測定した。純度は、ヒドロキシアパタイトプール及び Sephacryl S−200プールに関しては、種々なタンパク質量におけ る吸収帯強度(band intensity)の比較によってSDS−PAGEから測定した 。この方法において、0.005〜25μgの範囲の既知量のサンプルを、異な るレーンのSDS−PAGEゲルにおいてランさせた。高負荷で見られる汚染物 の相対量を、低負荷において見られるIL−10の吸収帯強度との比較によって 算出した。 実施例2 E.coliからのヒトIL−10の精製 大腸菌(E.coli)は、組換え体ヒトインターロイキン−10(rhuIL−1 0)をコードし、発現させる遺伝子を含有する発現プラスミドによって形質転換 させた。このプラスミドは、rhuIL−10の転写のための強ハイブリッドt acプロモーターを有した[Zurawski、S.M.等、J.Immuno 1.137:3354〜3360(1986)]。転写ターミネーターを含有す る1pp3’コード領域及び非コード領域は、rhuIL−10コード領域の下 流にある。pINIIIompAに由来する、1pp遺伝子のこの領域は、この 上流でmRNAに安定性を与えると考えられる[Ghrayeb,J.等、EM BO J.、3:2437−2442(1984)]。このプラズマは、pCl oDF13に由来するコピーコントロールミュータント(copy control mutant )であるpVU208に由来する、熱誘導性の(thermoinducible)複製起源を 有する[Hakkart,M.J.J.等183:326〜332(1981) ]。高温(例えば42℃)において、この複製起源を有する、種々なプラスミド に関するプラスミドコピー数は、染色体当量(chromosomal equivalent)につき 約30コピーから数百コピーまで増加すると報告されている[Andreoli 、P.M.等、J.Bacteriol.135:612〜621(1978) ]。このプラスミドは、プラスミド維持のためにpBR322からのテトラサイ クリン耐性遺伝子を有する[Sutcliffe、J.G.、C.S.H.Sy mp.Quant.Biol.43:77〜90(1978)]。この発現構築 物は、不溶封入体としてのrhIL−10の細胞内産生をもたらす。形質変換さ せたE.coliを、20g/l トリプトン、10g/l 酵母エキス、5g /l NaCl及び10mg/l テトラサイクリンを含有する寒天の上に置い た。単一の充分に単離されたコロニーをその寒天プレートからランダムに採取し 、第2寒天プレートに再ストリークした(restreaked)。 次に、新たに再ストリークした寒天プレートからの2つのコロニーを、30g /l カザミノ酸、20g/l 酵母エキス、5g/l KPO4[一塩基度] 、20g/l グリセロール、1g/l MgSO4、pH7を含有する、LY M−1培地1mlに懸濁させることによって、マスター細胞バンクを作製した。 次に、これを用いて、300mlバッフル付きフラスコ(baffled flask)中の 10mg/l テトラサイクリンを含有するLYM−1ブロス[LYM−1/T c10]100mlに接種し、次に、これを30℃においてインキュベートし、 細胞密度が約400のKlett540(初期対数期)に達するまで、300回転 /分(RPM)において回転式振とう培養機を用いて振とうした。次に、この培 養物 を40%グリセロール(v/v)と1:1で混合し、20%の最終グリセロール 濃度を得た。次に、1mlのアリコートを、予めラベルしたクライオバイアル( cryovial)に分配し、液体窒素下で急激に冷凍し、−80℃にセットしたフリザ ー中に使用するまで保存した。 次に、室温における大気中でマスター細胞バンクの1バイアルを解凍すること によってワーキング細胞バンク(working cell bank)を作製し、これを300 mlバッフル付きフラスコ中のLYM−1/Tc10培地100mlに接種し、 次に、これを30℃においてインキュベートし、細胞密度が約400のKlet t(初期の対数期)に達するまで、300RPMにおける回転式振とう培養機を 用いて振とうした。次に、この培養物を40%グリセロール(v/v)と1:1 で混合した。次に、1mlのアリコートを、予めラベルしたクライオバイアルに 分配し、液体窒素下で急激に冷凍し、−80℃にセットしたフリザー中に保存し た。 ワーキングストックの1.5ml冷凍バイアルを室温において解凍した。約0 .5mlのワーキングストックを、500mlのLYM−1/Tc10培地を含 有した2000mlフラスコに移した。接種の直前にテトラサイクリンを加えた 。このフラスコを回転式振とう培養機に載せ、30℃、300RPMにおいて振 とうした。6.5〜7時間後に、Klett540測定のためにサンプルをこのフ ラスコから取り出した。この培養物は、200〜300のKlett540を有し た。次に、800リットルのLYM−3/Tc10培地を含有する1000リッ トル発酵機に2000mlフラスコの内容物を接種した。LYM−3/Tc10 培地は、30g/l Casein Digest−HyCase P(She ffield)、20g/酵母エキス−タイプD(Bio Springer) 、15g/l リン酸カリウム(一塩基度)(Monsanto)、0.5 m l/l SAG−471(登録商標)(Union Carbide)の30% 懸濁液、20g/l グリセリン99.7%(Univar)、1g/l 硫酸 マグネシウム7H2O(PQ)、10mg/l テトラサイクリン(Sigma )並びに2ml/l 硫酸、15g/l クエン酸ナトリウム、13.5g/l 塩化第二鉄六水和物からなる2ml/l クエン酸鉄ストック溶液から構成さ れる。 この培地のpHを、50%NaOH溶液と75%H3PO4溶液とによって約7に 調節した。この発酵機中の接種済み培地の温度を、Klett540が1000± 100に達するまでは30℃±0.5℃に維持し、次に温度を14時間、38℃ ±0.5℃に上昇させた。発酵機中の溶解酸素濃度は、撹拌によって40%飽和 より大きいレベルに維持した。 温度が38℃に上昇した14時間後に、撹拌を弱め、培地を5℃〜15℃に急 冷することによって、発酵を回収した。内蔵(contained)CSA−16連続脱 スラッジ(desludging)遠心機を約5〜10リットル/分(1pm)の供給流量 で用いて、このバッチを遠心分離した。透明な濃縮物が得られるように、流量を 調節した。完全な脱スラッジ(desludge)と不完全な脱スラッジ(ボウル時間( bowl time)0.95秒に設定)を用いて、発酵の800リットルを回収した。 この遠心分離工程では、40±2kgの細胞ペレットが回収された。 遠心分離工程で回収された細胞ペレット40kgを同等の6回パスに対して7 000〜8000psiの操作圧力でGaulin M12ホモジナイザーを用 いて均質化した。バッチを保持タンクからホモジナイザーとグリコール冷却熱交 換噐とに通して再び保持タンクに、10 1pmの流量において約140分間再 循環させることによって、これは達成された。140分間の均質化後に、ホモジ ネートのサンプルを抽出し、位相差顕微鏡下で検査した。これは細胞破壊を評価 するために実施した。顕微鏡評価によって見積もって、95%を越える破壊が観 察されない場合には、均質化を続けるべきである。 このホモジネートを、6.05g/l TRIZMA−BASE(登録商標) (トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)(Sigma)、1.90g/l EDTA二ナトリウム塩二水和物(Sigma)、58.4g/l NaCl米 国薬局方(Mallinckrodt)及び382g/l グアニジンHCl (Sigma)から成る等量の4Mグアニジンバッファーと混合することによっ て、均質化細胞を不活化した。緩慢に撹拌しながら、再懸濁液を10〜15℃に 30分間維持した。不活化した再懸濁液を次にSharples AS26SP 遠心機において500ml/分の流量及び17000rpmの遠心機速度で遠心 分離した。この工程で回収された封入体含有ペレットを−10℃において冷凍し た。封入体は、hIL−10の他に、種々な大腸菌宿主タンパク質、核酸及び他 の細胞デブリ(debris)を含む凝塊(aggregate)である。 IL−10の変性(unfolding) −10℃に保存した封入体ペレットを低温室中で2〜10℃において3日間か けて解凍した。このペレットを破壊し、変性用バッファー(unfolding buffer) 20リットル中に加えた。変性用バッファーは50mM TRIZMA(登録商 標)(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)(Sigma)、7M グア ニジンHCl及び4mM ジチオスレイトール(DTT)、pH8.5から構成 された。封入体ペレットをポリトロンホモジナイザーによって激しく撹拌して、 微細懸濁液(fine suspension)を形成した。次に、この懸濁液を2〜10℃に おける約3時間の緩慢な撹拌によって、さらに可溶化させた。 IL−10の再生 この溶解性タンパク質溶液を再生用バッファー(refolding buffer)中で約2 5倍に希釈した。再生用バッファーは50mM TRIZMA(登録商標)、0 .12M グアニジンHCl及び0.05mM グルタチオン(還元)、pH8 .5から構成された。希釈した再生用溶液は濾過によって直ちに透明になった; 次に酸化型グルタチオン溶液を0.45mMの最終濃度になるまで加え、再生を 10〜24時間続けた。 濃縮/透析濾過 再生工程の終了時に、限外濾過の前の0.45μmフィルターを用いる濾過に よって溶液を再び透明にした。さらに、フィルターを限外フィルター(ultrafil ter)に直列に配置して、限外濾過中の透明性を確実にした。次に、再生IL− 10を含む溶液を約10倍に濃縮した。これは、10,000公称分子量PLG C膜付き限外濾過系Millipore PELLICON(登録商標)限外フ ィルターによって実施した。この濃縮物を次に透析濾過して、濃縮物導電率を約 6mSに低下させた。透析濾過バッファーはpH8.5、20mM TRISと 、20mM NaClとから構成された。 カチオン−交換クロマトグラフィー 濃縮した再生hIL−10含有溶液をIM BIS−TRISと4N HCl との添加によって20mM BIS−TRIS、pH6.5に調節した。この溶 液を次に濾過によって透明にした。タンパク質約1.2mg/mlを含む透明化 供給溶液を次に、12リットル(12x36cm直径)S−SEPHAROSE (登録商標)Fast Flowカラム(Pharmacia,ニュージャーシ ー州,ピスカタウェイ)に1cm/分の速度で供給した。このカラムは10ベッ ドボリュームの20mM BIS−TRIS,0.065M NaClバッファ ー,pH6.5によって1cm/分の速度で予め平衡させたものであった。溶離 は、0.065〜0.4M NaCl,20mM BIS−TRIS,pH6. 5バッファーの範囲内の20カラムボリューム勾配(column volume gradient) によって0.5cm/分の速度で実施した。溶離プロフィルのhIL−10ピー ク画分はA280によって測定し、典型的なpHと導電率の範囲によって実証した 。hIL−10含有画分は11〜18mS、100〜170mM NaClにお いて溶離し、これらの画分は、その後の処理のために、一緒にプールした。 アニオン−交換クロマトグラフィー カチオン−交換クロマトグラフィー工程からプールしたhIL−10含有画分 を、10,000公称分子量PLGC膜付きの限外濾過系MilliporeP ELLICON(登録商標)限外フィルターによって0.5カラムボリュームに まで濃縮した。この濃縮物を次に10mM TRISバッファー,pH8.7を 用いて約1.5mSまで限外濾過した。透析した濃縮物のpHはHCl又はNa OHによってpH8.7に調節した。約13mg/mlのタンパク質を含む溶液 を、10mM TRIS,8mM NaCl,pH8.7バッファーと予め平衡 させた、6リットル(18cm直径x23.5cm)第4級アンモニウムカラム Q−SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow(Pharmacia )に0.5cm/分の流量で供給した。hIL−10は画分中に含まれる不純物 に比べて特異な、樹脂に対する吸引力(attraction)を有して、定組成(isocra tic)溶離時に分離され、10mM TRIS,8mM NaCl,pH8.7 バッフ ァーによるカラム流出液中に回収された。アセチル化ホモダイマーとアセチル化 ヘテロダイマーとは樹脂に強く吸着したので、非アセチル化ホモダイマーから分 離された。A280によって確認された溶離プロフィルの非アセチル化hIL−1 0ピーク画分はこの後の処理のためにプールした。 ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー アニオン交換クロマトグラフィー工程から得られたhIL−10含有プールを 、20mM TRIS,20mM NaCl,pH7.4バッファーと予め平衡 させた、4リットル(26x14cm直径)ヒドロキシアパタイトクロマトグラ フィーに供給した。4カラムボリュームに関して、20mM TRISバッファ ー量を100%から95%に減少し、pH7.4,0.15Mリン酸ナトリウム バッファーのレベルを0%から5%に上昇させることによって、カラム洗浄を実 施した。溶離は、17ベッドボリューム溶離勾配(elution gradient)中にリン 酸塩バッファーの割合を5%から100%に上昇させることによって、実施した 。非共有結合ダイマーは7〜10mSにおいて溶離し、共有結合ダイマーは12 mSにおいてピークに達した。A280によって確認されたhIL−10ピーク画 分はその後の処理のためにプールした。 ゲル濾過クロマトグラフィー 非アセチル化非共有結合IL−10ダイマーを含む、ヒドロキシアパタイトプ ロセス工程からのプールを10,000公称分子量PLGC膜含有限外濾過系に おいて濃縮した。濃縮物を、10mM TRISバッファー,pH7.4と予め 平衡させた、14.8リットル(96cmx14cm直径) SEPHACRY L(登録商標)S−200HRであるゲル濾過カラムに供給した。このカラムを 10mM TRISバッファー,pH7.4によって溶離した。A280によって 確認され溶離プロフィルのhIL−10ピーク画分はその後の処理のためにプー ルした。このゲル濾過プールを0.2μmフィルターに通して濾過した。濾液、 最終精製したバルクドラッグ(bulk drug)を−20℃において保存した。 SEPHACRYL(登録商標)S−200HR又はSEPHACRYL(登 録商標)S−100HRのいずれかにおけるゲル濾過クロマトグラフィーは、h IL−10がダイマー形に一致する分子量を示すことを明らかにした。非アセチ ル化非共有結合ダイマーは、負荷させた全てのタンパク質濃度(0.2〜20m g/mlベッドボリューム)に関する主要形態であった。少量(<5%)のhI L−10モノマーがA280プロフィル上にトレイリングショルダーとして時折見 られ、これらの画分はプールから除外した。 各精製工程の性能は下記表2に示す。 a hIL−10の濃度、収率及び純度は逆相HPLC分析に基づいた。 b 濃縮、透析濾過及びpH調節後。 実施例3 再生ヒトIL−10の疎水性相互作用クロマトグラフィー 再生IL−10の透析濾過の代替え手段として、下記操作を用いて、再生用及 び変性用バッファーを除去することができる。大腸菌に発現されたヒトIL−1 0を含む封入体を10:1(v/w)比の変性用バッファー対封入体中に再懸濁 させた。変性用バッファーは6Mグアニジン塩酸(GdnHCl)、4mM ジ チオスレイトール(DTT)、50mM Tris(pH8.5)、1mMエチ レンジアミン四酢酸(EDTA)及び1mMフェニルメチルスルホキシルフルオ リド(PMSF)から構成された。封入体含有バッファーを4℃において撹拌し ながら3時間インキュベートし、変性した(unfolded)変性ヒトIL−10を得 た。 変性した変性IL−10を、50mM Tris(pH8.5)、1mM E DTA)0.5M最終濃度のGdnHCl、4.17mM還元グルタチオン、0 .83mM酸化グルタチオン及び2mMベンズアミジンを含む再生用バッファー 中で100倍に希釈し、4℃において17時間インキュベートした。 再生後に、混合物を0.45μmフィルターに通して濾過し、25%硫酸アン モニウム濃度にして、再び濾過した。濾液をButyl−Toyopear16 50M疎水性相互作用(TosoHaas)カラム(25%硫酸アンモニウム, 20mM Tris pH8.5に予め平衡化)に封入体0.25〜0.5g/ ml樹脂の比で、1cm/分の線形流量において供給した。この工程において、 IL−10はカラムに結合し、多くのタンパク質と、再生用混合物の特徴である 、例えば、グルタチオンとGdnHClとのような再生プロセス試薬、低分子量 汚染物、大腸菌細胞成分フラグメント等のような非タンパク質汚染物の大部分と はカラムを通過した。次に、結合したヒトIL−10を20mM Tris(p h8.5),20〜50mM NaClによって定組成的に(isocratically) に溶離した。21ベッドボリューム画分を回収した。ヒトIL−10は2ベッド ボリュームを定組成勾配(isocratic gradient)中に溶離し始めた。一般に、画 分2〜15をプールした。次に、疎水性相互作用プールをその後の精製のために さらに処理することができる。 本発明を上記特定の実施態様に関連して説明したが、その多くの代替え、改良 及び変更は当業者に明らかであると思われる。このような代替え、改良及び変更 の全ては、請求の範囲によってのみ制限される、本発明の要旨及び範囲に入るよ うに意図される。
【手続補正書】 【提出日】1995年9月5日 【補正内容】 (1)請求の範囲を以下の通り補正する。 『 1.溶液中に含まれるヒトインターロイキン−10(IL−10)の精製方 法であって、 (a)IL−10を含む溶液に対してカチオン交換クロマトグラフィーを実施 し、それによってIL−10含有画分を得る工程と; (b)工程(a)からのIL−10含有画分に対してアニオン交換クロマトグ ラフィーを実施し、それによってIL−10含有画分を得る工程と; (c)工程(b)からのIL−10含有画分に対してヒドロキシアパタイトク ロマトグラフィーを実施し、それによってIL−10の単独単離ダイマーを含む 画分を得る工程とを含む前記方法。 2.IL−10が原核発現系によって産生され、封入体から変性され、精製 前に再生される請求項1記載の方法。 3.IL−10含有タンパク質画分中に存在する種々なIL−10ダイマー を分離する方法であって、 IL−10含有画分に対して、種々なIL−10ダイマーが相互から分離する 条件下でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する工程を含む前記 方法。 4.異なるダイマーが異なるN末端アミノ酸配列を有するタンパク質画分中 に含まれるタンパク質の種々なダイマーを分離する方法であって、 タンパク質画分に対して、タンパク質の種々なダイマーが相互から分離する条 件下でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する工程を含む前記方 法。 5.溶液中に含まれるアセチル化IL−10ホモダイマーとアセチル化IL −10ヘテロダイマーとから、非アセチル化IL−10ホモダイマーを分離する 方法であって、 溶液に対して非アセチル化ホモダイマーがアセチル化ホモダイマー及びアセチ ル化ヘテロダイマーから分離される条件下でアニオン交換クロマトグラフィーを 適用する工程を含む前記方法。』
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KR,KZ,L K,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO ,RU,SD,SI,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 タン,ジョン アメリカ合衆国ニュージャージー州07039, リヴィングストン,キャメロット・ドライ ブ 19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.溶液中に含まれるヒトインターロイキン−10(IL−10)の精製方 法であって、 (a)IL−10を含む溶液に対してカチオン交換クロマトグラフィーを実施 し、それによってIL−10含有画分を得る工程と; (b)工程(a)からのIL−10含有画分に対してアニオン交換クロマトグ ラフィーを実施し、それによってIL−10含有画分を得る工程と; (c)工程(b)からのIL−10含有画分に対してヒドロキシアパタイトク ロマトグラフィーを実施し、それによってIL−10の単独単離ダイマーを含む 画分を得る工程とを含む前記方法。 2.工程(a)のカチオン交換クロマトグラフィーカラムがサポートマトリ ックスに結合したスルホネート交換基を含む請求項1記載の方法。 3.サポートマトリックスがアガロースである請求項2記載の方法。 4.アニオン交換クロマトグラフィーカラムがサポートマトリックスに結合 した第4級アミノエチル交換基を含む請求項1記載の方法。 5.サポートマトリックスがアガロースである請求項4記載の方法。 6.工程(c)から得られたIL−10含有画分をゲル濾過クロマトグラフ ィーカラムに供給して、高分子量不純物も低分子量不純物も実質的に含まないダ イマーIL−10を得る工程をさらに含む請求項1記載の方法。 7.ゲルが1〜600kDaの分画範囲を有する請求項6記載の方法。 8.IL−10が原核発現系によって産生され、封入体から変性され、精製 前に再生される請求項1記載の方法。 9.IL−10が細胞培養培地中で真核細胞から分泌される請求項1記載の 方法。 10.IL−10含有タンパク質画分中に存在する種々なIL−10ダイマ ーを分離する方法であって、 IL−10含有画分に対して、種々なIL−10ダイマーが相互から分離する 条件下でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する工程を含む前記 方法。 11.タンパク質画分中に存在するIL−10ダイマーが△0:△0、△0 :△2及び△2:△2IL−10ダイマーであり、△0:△0ダイマーを回収す る請求項10記載の方法。 12.存在するIL−10ダイマーが非共有結合IL−10ダイマーと共有 結合IL−10ダイマーとであり、非共有結合IL−10ダイマーを回収する請 求項10記載の方法。 13.異なるダイマーが異なるN末端アミノ酸配列を有するタンパク質画分 中に含まれるタンパク質の種々なダイマーを分離する方法であって、 タンパク質画分に対して、タンパク質の種々なダイマーが相互から分離する条 件下でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する工程を含む前記方 法。 14.タンパク質の変異体が種々なN末端アミノ酸配列を有するタンパク質 画分中に含まれるタンパク質の変異体の分離方法であって、 タンパク質画分に対してタンパク質の変異体が相互から分離する条件下でヒド ロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する工程を含む前記方法。 15.溶液中に含まれるアセチル化IL−10ホモダイマーとアセチル化I L−10ヘテロダイマーとから、非アセチル化IL−10ホモダイマーを分離す る方法であって、 溶液に対して非アセチル化ホモダイマーがアセチル化ホモダイマー及びアセチ ル化ヘテロダイマーから分離される条件下でアニオン交換クロマトグラフィーを 適用する工程を含む前記方法。
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