JP2685572B2 - 新規生理活性ポリペプチド - Google Patents

新規生理活性ポリペプチド

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JP2685572B2 JP1076729A JP7672989A JP2685572B2 JP 2685572 B2 JP2685572 B2 JP 2685572B2 JP 1076729 A JP1076729 A JP 1076729A JP 7672989 A JP7672989 A JP 7672989A JP 2685572 B2 JP2685572 B2 JP 2685572B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 本発明は新規生理活性ポリペプチド,該ポリペプチド
をコードするDNA領域を含む組換えプラスミド,該プラ
スミドによって形質転換された組換え微生物細胞及び該
微生物細胞を用いた新規生理活性ポリペプチドの製造方
法に関する。更に詳しくは、抗腫瘍活性を有する新規ポ
リペプチド(以下、新規抗腫瘍活性ポリペプチドと略す
こともある),該ポリペプチドをコードするDNA領域を
含む組換えプラスミド,該プラスミドによって形質転換
された組換え微生物細胞及び該微生物細胞を用いた新規
抗腫瘍活性ポリペプチドの製造方法に関する。
本明細書において、アミノ酸,ポリペプチドはIUPAC-
IUB生化学委員会(CBN)で採用された方法により略記す
るものとし、たとえば下記の略号を用いる。
Ala L−アラニン Arg L−アルギニン Asn L−アスパラギン Asp L−アスパラギン酸 Cys L−システイン Gln L−グルタミン Glu L−グルタミン酸 Gly グリシン His L−ヒスチジン Ile L−イソロイシン Leu L−ロイシン Lys L−リジン Met L−メチオニン Phe L−フェニルアラニン Pro L−プロリン Ser L−セリン Thr L−スレオニン Trp L−トリプトファン Tyr L−チロシン Val L−バリン また、DNAの配列はそれを構成する各デオキシリボヌ
クレオチドに含まれる塩基の種類で略記するものとし、
たとえば下記の略号を用いる。
A アデニン(デオキシアデニル酸を示す。) C シトシン(デオキシシチジル酸を示す。) G グアニン(デオキシグアニル酸を示す。) T チミン(デオキシチミジル酸を示す。) さらに、(H2N)−及び−(COOH)はそれぞれアミ
ノ酸配列のアミノ末端側及びカルボキシ末端側を示すも
のでり、(5′)−及び(3′)はそれぞれDNA配列の
5′末端側及び3′末端側を示すものである。
(2) 発明の背景 Carswellらは、Bacillus Calmette-Guerin(BCG)な
どで前もって刺激をうけたマウスにエンドトキシンを投
与した後に採取した血清中に、移植したMeth A肉腫によ
る癌を出血壊死させる物質が含まれていることを見出
し、この物質を腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor,
以下TNFと略記することもある)と名づけた[E.A.Carsw
ellら,Proc.Natl.Acad,Sci.,USA,72,3666(1975)]。
このTNFはマウス,ウサギ,ヒト等多くの動物中に見ら
れ、腫瘍細胞に特異的に、しかも種を越えて働くことか
ら、制癌剤としての利用が期待されてきた。
最近になって、Pennicaらは、ヒトTNFのcDNAクローニ
ングを行ない、ヒトTNF蛋白質の一次構造を明らかにす
ると共に、大腸菌におけるヒトTNF遺伝子の発現につい
て報告した[D.Pennicaら,Nature,312,724(1984)]。
その後、白井ら[T.Shiraiら,Nature,313,803(198
5)]、宗村ら[宗村ら,癌と化学療法,12,160(198
5)]、Wangら[A.M.Wangら,Science,228,149(198
5)]及びMarmenoutら[A.Marmenoutら,Eur.J.Bioche
m.,152,515(1985)]が、ヒトTNF遺伝子の大腸菌にお
ける発現について相ついで報告している。
このように遺伝子操作技術を用いることによって、純
粋なヒトTNF蛋白質が多量に入手できるようになるに及
び、TNFの有する抗腫瘍活性以外の生理活性が明らかに
なりつつある。たとえば、癌末期や重症感染症患者に見
られる悪液質を引き起こす原因の一つであるカケクチン
がTNFに非常に類似しており[B.Beulterら,Nature,316,
552(1985)]、カケクチンがリポプロテイン・リパー
ゼ阻害活性を有することから、TNFの投与により血中の
トリグリセリド量が増大し、その結果として高脂血症の
ような副作用を引き起こす可能性のあることが示唆され
た。また、それ以外にも、血管内皮細胞への影響[J.R.
Gambleら、J.Exp.Med.,162,2163(1985)],骨吸収作
用[D.R.Beltoliniら、Nature,319,516(1986)]等が
報告されている。
一方、近年の遺伝子操作技術の進歩は、蛋白質中の任
意のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したり、付加した
り、または欠失させることを可能にした。このようにし
て、天然に存在する蛋白質を改変して、特定の目的にか
なった新しい蛋白質を創製する研究が、数多く成されて
いる。
ヒトTNF蛋白質の改変についてもいくつかの研究が成
されており、第1図記載のヒトTNF蛋白質のアミノ酸配
列において、Cys69及びCys101のいずれか又は両方のア
ミノ酸残基の他のアミノ酸残基への置換(PCT出願公開W
O86/04606号,特願昭61-106772)、Gly122の他のアミノ
酸残基への置換(特願昭61-106772号,特願昭61-238048
号),Ala18の他のアミノ酸残基への置換(特願昭61-233
337号)が報告されている。また、アミノ末端側のアミ
ノ酸残基の欠失についても、6アミノ酸欠失TNFが細胞
障害活性を有していること(特願昭61-50923号)、7ア
ミノ酸欠失TNFが細胞障害活性を有していること(特願
昭61-90087号)、1〜10アミノ酸欠失TNFが細胞障害活
性を有しており、その比活性は6〜8アミノ酸欠失TNF
において極大になること(PCT出願公開WO86/02381
号)、10アミノ酸欠失TNFが細胞障害活性を有している
こと(特願昭61-114754号)、11アミノ酸欠失TNFが細胞
障害活性を有していること(特願昭61-173822号)、及
び7アミノ酸欠失TNFを基盤として、Pro8Ser9Asp10をAr
gLysArgへ置換を行なうと、その比活性が大きく上昇す
ることが報告されている。
そこで、本発明者らは比活性の向上,安定性の向上,
反応スペクトルの広域化,副作用の低減化等を目的とし
て、ヒトTNF蛋白質の改変について鋭意研究を行ない、
本発明を完成するに至った。
(3) 発明の目的 本発明の目的は、新規抗腫瘍活性ポリペプチドを提供
することにある。
本発明の他の目的は、新規抗腫瘍活性ポリペプチドを
コードするDNA領域を含む組換えプラスミドを提供する
ことにある。
本発明の更に他の目的は、上記組換えプラスミドによ
って形質転換された組換え微生物及びその組換え微生物
細胞を用いて新規抗腫瘍活性ポリペプチドを製造する方
法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、以下の説明から一層明らか
となるであろう。
(4) 発明の構成 本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、次
のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-Val
-Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu-A
sn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-Glu
-Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly-L
eu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-Gln
-Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-Hsi-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr-I
le-Ser-Arg-Ilu-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-Asn
-Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu-T
hr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-Pro
-Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly-A
sp-Arg-Leu-Ser-Ale-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-Leu
-Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile-P
he-Ala-Leu-(COOH) で表わされる新規生理活性ポリペプチドまたはそのアミ
ノ末端にMetが結合しているポリペプチド、また上記新
規抗腫瘍活性ポリペプチドをコードするDNA領域を含む
組換えプラスミドを提供することによって達成され、更
にかくして得られた組換えプラスミドによって形質転換
された組換え微生物細胞、その微生物細胞を用いて目的
とする新規抗腫瘍活性ポリペプチドを産生する方法及び
この新規抗腫瘍活性ポリペプチドを含有する医薬組成物
を提供することによって達成されることがわかった。
以下本発明について更に詳細に説明する。
(A) ヒトTNF遺伝子のクローン化; ヒトTNF遺伝子は、ヒトTNF蛋白質を構成するアミノ酸
[D.Pennicaら,前出]を指定するいくつかのコドンの
中から適当なものを選び、それを化学合成することによ
って取得できる。ヒトTNF遺伝子の設計に際しては、用
いる宿主細胞に最も適したコドンを選択することが望ま
しく、後にクローン化及び遺伝子改変を容易に行なえる
ように適当な位置に適当な制限酵素による切断部位を設
けることが望ましい。また、ヒトTNF蛋白質をコードす
るDNA領域は、その上流に読みとりフレームを一致させ
た形での翻訳開始コドン(ATG)を有することが好まし
く、その下流方向に読みとりフレームを一致させた形で
の翻訳終止コドン(TGA,TAGまたはTAA)を有することが
好ましい。上記翻訳終止コドンは、発現効率の向上を目
的として、2つ以上タンデムに連結することがとりわけ
好ましい。さらに、このヒトTNF遺伝子は、その上流及
び下流に作用する制限酵素の切断部位を用いることによ
り、適当なベクターへのクローン化が可能になる。この
ようなヒトTNF遺伝子の塩基配列の例を、第1図に示し
た。
上記のように設計したヒトTNF遺伝子の取得は、上側
の鎖,下側の鎖のそれぞれについて、たとえば第2図に
示したような何本かのオリゴヌクレオチドに分けて、そ
れらを化学合成し、各々のオリゴヌクレオチドを連結す
る方法をとるのが望ましい。各オリゴヌクレオチドの合
成法としてはジエステル法[H.G.Khorana,“Some Recen
t Developments in Chemistry of Phosphate Esters of
Biological Interest",John Wiley and Sons,Inc.,New
York(1961)],トリエステル法[R.L.Letsingerら,
J.Am.Chem.Soc.,89,4801(1967)]及びホスファイト法
[M.D.Matteucciら,Tetrahedron Lett.,21,719(198
0)]があるが、合成時間,収率,操作の簡便さ等の点
から、全自動DNA合成機を用いたホスファイト法による
合成が好ましい。合成したオリゴヌクレオチドの精製
は、ゲル濾過,イオン鋼管クロマトグラフィー,ゲル電
気泳動,逆相カラムによる高速液体クロマトフラフィー
等を、適宜単独もしくは組合せて用いることができる。
こうして得られた合成オリゴヌクレオチドの5′末端
側の水酸基を、たとえばT4−ポリヌクレオチドキナーゼ
を用いてリン酸化した後、アニーリングさせ、たとえば
T4-DNAリガーゼを用いて連結する。合成オリゴヌクレオ
チドを連結してヒトTNF遺伝子を作成する方法として
は、合成オリゴヌクレオチドをいくつかのブロックに分
けて連結し、たとえばpBR 322[F.Bolivarら,Gene,,9
5(1977)]のようなベクターに一度クローン化した
後、それらの各ブロックのDNA断片を連結する方法が好
ましい。このようなヒトTNF遺伝子を構成するブロック
のDNA断片を含むプラスミドとして、好ましくはpTNF1B
R,pTNF2NまたはpTNF3が用いられる。
上記のようにしてクローン化したヒトTNF遺伝子を構
成する各ブロックのDNA断片を連結した後、適当なプロ
モーター,SD(シャイン・ダルガーノ)配列の下流につ
なぐことにより、発現型遺伝子とすることができる。使
用可能なプロモーターとして、トリプトファン・オペロ
ン・プロモーター(trpプロモーター),ラクトース・
オペロン・プロモーター(lacプロモーター),tacプロ
モーター,PLプロモーター,lppプロモーター等があげら
れるが、とりわけtrpプロモーターが好適である。trpプ
ロモーターを有するプラスミドとして、好ましくはpYS3
1N、又はpAA41が用いられる。さらに、発現効率向上を
目的として、ヒトTNF遺伝子下流に大腸菌で効率良く機
能するターミネーターを付与することができる。このよ
うなターミネーターとして、lppターミネーター,trpタ
ーミネーター等があげられるが、とりわけtrpターミネ
ーターが好適であり、trpAターミネーターを有するプラ
スミドとして、好ましくはpAA41が用いられる。この発
現型ヒトTNF遺伝子を、たとえばpBR322由来のベクター
にクローン化することにより、発現型プラスミドが作成
できる。ヒトTNF遺伝子発現型プラスミドとして、好ま
しくはpTNF401NN又はpTNF401Aが用いられる。
(B) 新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子のクローン
化; こうして得られたヒトTNF遺伝子発現型プラスミドを
適当な制限酵素で切断し、ヒトTNF遺伝子内の特定な領
域を除去した後、適当な塩基配列を有する合成オリゴヌ
クレオチドを用いた遺伝子の修復を行なう。かかる手法
を用いることにより、ヒトTNF蛋白質中の任意のアミノ
酸を他のアミノ酸に置換したり、付加したり、または欠
失させた形の新規抗腫瘍活性ポリペプチドをコードする
遺伝子を含む発現型プラスミドの作成が可能になる。こ
のような新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子発現型プラ
スミドとして、好ましくはpTNF643が用いられる。
(C) 発現確認及び活性評価; ヒトTNF遺伝子及び新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝
子を発現させるための微生物宿主としては、大腸菌,枯
草菌,酵母等があげられるが、とりわけ大腸菌[エシェ
リヒア・コリ(Escherichia coli)]が好ましい。前記
ヒトTNF遺伝子発現型プラスミド及び新規抗腫瘍活性ポ
リペプチド遺伝子発現型プラスミドは、たとえば公知の
方法[M.V.Norgardら,Gene,,279(1978)]を用い
て、微生物宿主、たとえばエシェリヒア・コリC600r−
m−株(ATCC 33525)に導入することができる。
このようにして得られた組換え微生物細胞を、それ自
体は公知の方法で培養する。培地としては、たとえばグ
ルコースとカザミノ酸を含むM9培地[T.Maniatisら編,
“Molecular Cloning",P440,Cold Spring Harbor Labor
atory,New York(1982)参照]があげられ、必要に応じ
て、たとえばアンピシリン等を添加するのが望ましい。
培養は目的の組換え微生物に適した条件、たとえば振と
うによる通気,撹拌を加えながら、37℃で2〜36時間行
なう。また、培養開始時または培養中に、プロモーター
を効率良く機能させる目的で、3−β−インドールアク
リル酸等の薬剤を加えることもできる。
培養後、たとえば遠心分離により組換え微生物細胞を
集め、たとえばリン酸バッファーに懸濁させ、たとえば
超音波処理により組換え微生物細胞を破砕し、遠心分離
により組換え微生物細胞のライゼートを得る。得られた
ライゼート中の蛋白質を、ラウリル硫酸ナトリウム(以
下、SDSと略すこともある)を含むポリアクリルアミド
ゲルを用いた電気泳動によって分離し、ゲル中の蛋白質
を適当な方法を用いて染色する。発現型プラスミドを含
まない微生物細胞のライゼートを対照として泳動パター
ンを比較することにより、ヒトTNF遺伝子または新規抗
腫瘍活性ポリペプチド遺伝子の発現を確認する。
このようにして得られたヒトTNF蛋白質及び新規抗腫
瘍活性ポリペプチドの抗癌活性の評価は、マウスに移植
したMeth A肉腫を壊死させる効果を見るin vivo活性測
定法(Carswellら,前出),マウスL細胞に対する細胞
障害性を見るin vitro活性測定法[Ruff,J,Immunol.,12
6,235(1981)]等により行なえる。
ヒトTNF蛋白質及び新規抗腫瘍活性ポリペプチドの大
腸菌ライゼートからの分離・精製は、公知の通常知られ
ている蛋白質の分離・精製法に従えばよいが、ヒトTNF
蛋白質等に対する抗体を用いたアフィニティー・カラム
・クロマトグラフィーが有利である。なかでも、ヒトTN
F蛋白質等に対するマウス・モノクローナル抗体を用い
たアフィニティー・カラム・クロマトグラフィーがとり
わけ好適である。こうして得られたヒトTNF蛋白質及び
新規抗腫瘍活性ポリペプチド精製品を用いることによ
り、in vivo抗癌活性(前出)及び副作用に関する検討
が可能となる。
ヒトTNF蛋白質及び新規抗腫瘍活性ポリペプチドの副
作用の評価は、カケクチン活性測定に代表されるin vit
ro法,マウス等の実験動物に投与してその致死量や血圧
の降下程度等を測定するin vivo法等により行なうこと
ができる。
かくして本発明によれば、従来公知のヒトTNF蛋白質
とは異なる新規生理活性ポリペプチドを得ることが可能
になり、この新規抗腫瘍活性ポリペプチドを用いること
によって抗腫瘍のためのすぐれた医薬組成物を提供する
ことが可能になった。
以下、実施例を掲げて本発明について詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1(ヒトTNF遺伝子の設計) 第1図に示した塩基配列のヒトTNF遺伝子を設計し
た、設計に際しては、Pennicaら[D.Pennicaら,Nature,
312,724(1984)]の報告したヒトTNF前駆体cDNAの構造
遺伝子部分の塩基配列を基盤として、適当な制限酵素に
よる切断部位を適当な位置に設け、5′側に翻訳開始コ
ドン(ATG)を、そして3′側に2個の翻訳終止コドン
(TGA及びTAA)をそれぞれ付与した。また、5′側翻訳
開始コドン上流には制限酵素Cla Iによる切断部位を設
け、SD配列と翻訳開始コドン間を適切な状態に保った形
でのプロモーターとの連結を可能にした、更に、3′側
翻訳終止コドン下流には制限酵素Hind IIIによる切断部
位を設け、ベクター・プラスミドと容易に連結できるよ
うにした。
実施例2(オリゴヌクレオチドの化学合成) 実施例1で設計したヒトTNF遺伝子は、第2図に示し
たように17本のオリゴヌクレオチドに分けて合成する。
オリゴヌクレオチドの合成は全自動DNA合成機(アプラ
イド・バイオシステムズ,モデル380A)を用いて、ホス
ファイト法により行なった。合成オリゴヌクレオチドの
精製は、アプライド・バイオシステムズ社のマニュアル
に準じて行なった。すなわち、合成オリゴヌクレオチド
を含むアンモニア水溶液を55℃で一晩保つことにより、
DNA塩基の保護基をはずし、セファデックスG−50ファ
イン・ゲル(ファルマシア)を用いたゲル濾過によっ
て、高分子量の合成オリゴヌクレオチド画分を分取す
る。ついで、7M尿素を含むポリアクリルアミドゲル電気
泳動(ゲル濃度20%)の後、紫外線シャドウイング法に
より泳動パターンの観察を行なう。目的とする大きさの
バンド部分を切出して、そのポリアクリルアミドゲル断
片を細かく破砕した後、2〜5mlの溶出用バッファー[5
00mM NH4OAc−1mM EDTA−0.1%SDS(pH7.5)]を加え、
37℃で一晩振とうした。遠心分離により、目的のDNAを
含む水相の回収を行なった。最後に合成オリゴヌクレオ
チドを含む溶液をゲル濾過カラム(セファデックスG−
50)にかけることにより、合成オリゴヌクレオチドの精
製品を得る。なお、必要に応じて、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動を繰り返し、合成オリゴヌクレオチドの純
度の向上をはかった。
実施例3(化学合成ヒトTNF遺伝子のクローン化) 実施例2で作成した17本の合成オリゴヌクレオチド
(TNF−1〜TNF-17)を用いて、ヒトTNF遺伝子を3つの
ブロックに分けてクローン化した。
0.1〜1.0μgの合成オリゴヌクレオチドTNF−2〜TNF
−6の5′末端側を、5〜15ユニットのT4−ポリヌクレ
オチドキナーゼ(E.coliBタイプ,宝酒造)を用いて、
それぞれ別々にリン酸化する。リン酸化反応は10〜20μ
lの50mMTris−HCl(pH9.5),10mM MgCl2,5mMジチオス
レイトール,10mM ATP水溶液中で、37℃で,30分間行なっ
た。反応終了後、すべての合成オリゴヌクレオチド水溶
液をすべて混合し、フェノール抽出,エーテル抽出によ
りT4−ポリヌクレオチドキナーゼを失活,除去する。こ
の合成オリゴヌクレオチド混合液に、新たに0.1〜1.0μ
gの合成オリゴヌクレオチドTNF−1及びTNF−7を加
え、90℃で5分間加熱した後室温まで徐冷して、アニー
リングを行なう。次に、これを減圧乾固した後に、30μ
lの66mMTris−HCl(pH7.6),6.6mM MgCl2,10mMジチオ
スレイトール,1mM ATP水溶液に溶解させ、300ユニット
のT4-DNAリガーゼ(宝酒造)を加えて、11℃で15時間連
結反応を行なった。反応終了後、ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(ゲル濃度5%)を行ない、エチジウムブロ
マイド染色法により泳動パターンの観察を行なう。目的
とする大きさ(約220bp)のバンド部分を切出して、実
施例2の方法に従ってポリアクリルアミドゲルよりDNA
を回収する。
一方、3μgの大腸菌用プラスミドpBR322(約4.4Kb
p)を30μlの10mM Tris-HCl(pH7.5),60mM NaCl,7mM
MgCl2水溶液に溶解させ、10ユニットの制限酵素Cla I
(ニューイングランド・バイオラブズ)を添加して、37
℃で1時間切断反応を行なった。制限酵素Cla Iによる
切断の後、フェノール抽出,エーテル抽出を行ない、エ
タノール沈澱によりDNAを回収する。このDNAを30μlの
50mM Tris-HCl(pH7.4),100mM NaCl,10mM MgSO4水溶液
に溶解させ、10ユニットの制限酵素Sal I(宝酒造)を
添加して、37℃で1時間切断反応を行なった。反応終了
後、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)を行な
い、エチジウムブロマイド染色法により切断パターンの
観察を行なう。プラスミドpBR322の大部分を含む約3.7K
bpのDNAの部分に相当するバンドを切出し、そのアガロ
ーズゲル断片を3倍量(vol/wt)の8M NaClO4水溶液に
溶解させた。Chenらのグラスフィルター法[C.W.Chen
ら,Anal.Biochem.101,339(1980)]により、約3.7Kbp
のDNA断片(Cla ISal I)をアガロースゲルより回収
した。
先に得られたヒトTNF遺伝子の一部を含む約220bpのDN
A断片について、前記の方法に準じて末端のリン酸化反
応を行なった後,プラスミドpBR322の大部分を含む約3.
7KbpのDNA水溶液と混合する。エタノール沈澱の後、前
記の方法に準じて両DNA断片の連結反応を行なった。
エシェリヒア・コリC600r−m−株の形質転換は、通
常のCaCl2法(M.V.Norgardらの方法)の改良法で行なっ
た。すなわち、5mlのL培地(1%トリプトン,0.5%酵
母エキス,0.5%NaCl,pH7.2)にエシェリヒア・コリC600
r−m−株の18時間培養基を接種し、菌体を含む培養液
の600nmにおける濁度(OD600)が0.3に達するまで生育
させる。菌体を冷たいマグネシウム・バッファー[0.1M
NaCl,5mM MgCl2,5mM Tris−HCl(pH7.6,0℃)]中で2
回洗い、2mlの冷したカルシウム・バッファー[100mM C
aCl2,250mM KCl,5mM MgCl2,5mM Tris-HCl(pH7.6,0
℃)]中に再懸濁させ、0℃で25分間放置する。次に菌
体をこの容量の1/10にカルシウム・バッファーの中で濃
縮し、連結後のDNA水溶液と2:1(vol.:vol.)混合す
る。この混合物を60分間,0℃で保った後、1mlのLBG培地
(1%トリプトン,0.5%酵母エキス,1%NaCl,0.08%グ
ルコース,pH7.2)を添加し、37℃で1時間振とう培養す
る。培養液を、選択培地[アンピシリン(シグマ)30μ
g/mlを含むL培地プレート]に100μl/プレートの割合
で接種する。プレートを37℃で1晩培養して、形質転換
株を生育させる。得られたアンピシリン耐性のコロニー
より、公知の方法を用いてDNAを調製し、アガロースゲ
ル電気泳動により、目的のプラスミドpTNF1BR(約4.0Kb
p)の取得を確認した。第3図に、プラスミドpTNF1BRの
作成方法を示す。
以上と同様な手法により、合成オリゴヌクレオチドTN
F−8〜TNF-13を用いてプラスミドpTNF2N(約3.1Kbp)
を、合成オリゴヌクレオチドTNF-14〜TNF-17を用いてプ
ラスミドpTNF3(約2.4Kbp)を、それぞれ作成した。第
4図及び第5図に、プラスミドpTNF2N及びpTNF3の作成
方法を、それぞれ示す。こうして得られたヒトTNF遺伝
子の一部を含むプラスミドpTNF1BR,pRNF2N及びpTNF3
の、合成オリゴヌクレオチド使用部分の塩基配列が設計
通りであることは、マキサム・ギルバート社[A.M.Maxa
mら,Methods Enzymol.,65,499(1980)]によって確認
した。
実施例4(ヒトTNF遺伝子発現型プラスミドの作成) 実施例3で得られたプラスミドpTNF1BR10μgを、実
施例3と同様にして制限酵素Cla I及びSal Iで切断し、
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の
後、実施例2の方法に準じて、ヒトTNF遺伝子の一部を
含む約220bpのDNA断片(Cla ISal I)をポリアクリル
アミドゲルより回収した。
次に、実施例3で得られたプラスミドpTNF2 10μgを
100μlの10mM Tris−HCl(pH7.5),60mM NaCl,7mM MgC
l2水溶液に溶解させ、40ユニットの制限酵素Pvu II(宝
酒造)を添加し、37℃で1時間切断反応を行なった。そ
して、実施例3の方法に準じて制限酵素Sal Iによる切
断,ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)
の後、実施例2の方法に準じて、ヒトTNF遺伝子の一部
を含む約170bpのDNA断片(Sal IPvu II)をポリアク
リルアミドゲルより回収した。
また、実施例3で得られたプラスミドpTNF3 10μgも
100μlの10mM Tris−HCl(pH7.5),60mM NaCl,7mM MgC
l2水溶液に溶解させ、40ユニットの制限酵素Pvu II及び
40ユニットの制限酵素Hind III(宝酒造)を添加し、37
℃で1時間切断反応を行なった。そして、ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、実施例2の
方法に準じて、ヒトTNF遺伝子の一部を含む約110bpのDN
A断片(Pvu IIHind III)をポリアクリルアミドゲル
より回収した。
一方、大腸菌trpプロモーターを有するプラスミドpYS
31N(約4.7Kb)5μgを、上記と同様に制限酵素Cla I
及びHind IIIで切断し、アガPロースゲル電気泳動(ゲ
ル濃度0.8%)の後、実施例3の方法に準じて、プラス
ミドpYS31Nの大部分を含む約4.7KbpのDNA断片(Cla I
Hind III)をアガロースゲルより回収した。
こうして得られた、ヒトTNF遺伝子の一部を含む約220
bp,約170bp及び約110bpの3つのDNA断片とプラスミドpY
S31Nの大部分を含む約4.7KbpのDNA断片とを混合し、エ
タノール沈澱の後、実施例3の方法に準じて、T4−DNA
リガーゼによる連結反応を行なった。反応終了後、実施
例3の方法に準じてエシェリヒア・コリC600r−m−株
に導入し、形質転換株の中より目的のヒトTNF遺伝子発
現型プラスミドpTNF401NN(約5.2Kbp)を有するクロー
ンを選択した。第6図に、そのプラスミドpTNF401NNの
作成方法を示した。
また、上記プラスミドpYS31N5μgを、上記の方法に
準じて制限酵素Pvu IIで部分分解した後、さらに制限酵
素Hind IIIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃
度0.8%)の後、実施例3の方法に準じて、trpプロモー
ターを含む約2.7KbpのDNA断片[Pvu II(2)Hind II
I]をアガロースゲルより回収した。
次に第7図記載の塩基配列を有するオリゴヌクレオチ
ドを、実施例2の方法に準じて、合成・精製した。得ら
れた2本の合成オリゴヌクレオチドそれぞれ0.5μgに
ついて、実施例3の方法に準じて、末端のリン酸化を行
ない、アニーリングの後、先に得られた約2.7KbpのDNA
断片[Pvu II(2)Hind III]と混合し、エタノール
沈澱の後、実施例3の方法に準じて、T4−DNAリガーゼ
による連結反応を行なった。反応終了後、実施例3の方
法に準じてエシェリヒア・コリC600r−m−株に導入
し、形質転換株の中より目的のプラスミドpAA41(約2.7
Kbp)を有するクローンを選択した。このようなプラス
ミドは、プラスミドpYS31Nからコピー数制御領域を除去
し、trpプロモーター下流に存在するクローニング・サ
イトの下流に大腸菌trp Aターミネーターを付与した形
の、多コピー・高効率発現ベクターであり、第7図にそ
の作成方法を示した。
このプラスミドpAA41 2μgを、上記と同様に制限酵
素Cla I及びHind IIIで切断し、アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、実施例3の方法に準じて、
プラスミドpAA41の大部分を含む約2.7KbpのDNA断片(Cl
a IHind III)をアガロースゲルより回収した。
また、先に得られたヒトTNF遺伝子発現型プラスミドp
TNF401NN5μgを、上記と同様に制限酵素Cla I及びHind
IIIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)の後、実施例2の方法に準じて、ヒトTNF遺
伝子全域を含む約490bpのDNA断片(Cla IHind III)
をポリアクリルアミドゲルより回収した。
こうして得られた、プラスミドpAA41の大部分を含む
約2.7KbpのDNA断片とヒトTNF遺伝子全域を含む約490bp
のDNA断片とを混合し、エタノール沈澱の後、実施例3
の方法に準じて、T4-DNAリガーゼによる連結反応を行な
った。反応終了後、実施例3の方法に準じて、エシェリ
ヒア・コリ600r−m−株に導入し、形質転換株の中より
目的のプラスミドpTNF401A(約3.2Kbp)を有するクロー
ンを選択した。このプラスミドは、ヒトTNF遺伝子をよ
り効率良く発現させる能力を有しており、第8図にその
作成方法を示した。
実施例5(新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子発現型プ
ラスミドの作成) 実施例4で得られたヒトTNF遺伝子発現型プラスミドp
TNF401A20μgを、実施例4の方法に準じて制限酵素Cla
I及びHind IIIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(ゲル濃度5%)及びアガロースゲル電気泳動(ゲ
ル濃度0.8%)の後、それぞれ実施例2及び3の方法に
準じて、生成する2つのDNA断片(約490bp及び約2.7Kb
p,両方共Cla IHind III)をゲルより回収した。
ここで得られたヒトTNF遺伝子全域を含む約490bpのDN
A断片を50μlの10mM Tris-HCl(pH7.4),10mM MgSO4,1
mMジチオスレイトール水溶液に溶解させ、10ユニットの
制限酵素Hap II)宝酒造)を添加して、37℃で1時間切
断反応を行なった。反応終了後、ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(ゲル濃度5%)を行ない、実施例2の方法
に準じて、ヒトTNF遺伝子の大部分を含む約390bpのDNA
断片(Hap IIHind III)をポリアクリルアミドゲルよ
り回収した。
また、第9図記載の塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドを、実施例2の方法に準じて、合成,精製した。得
られた4本の合成オリゴヌクレオチドそれぞれ0.5μg
について、実施例3の方法に準じて、末端のリン酸化を
行ない、アニーリングの後、T4-DNAリガーゼによる連結
反応を行なった。
反応終了後、得られた2本鎖オリゴヌクレオチドを、
先に得られた約2.7KbpのDNA断片(Cla IHind III)及
びヒトTNF遺伝子の大部分を含む約390bpのDNA断片(Hap
IIHind III)と混合し、エタノール沈澱の後、実施
例3の方法に準じて、T4-DNAリガーゼによる連結反応を
行なった。反応終了後、実施例3の方法に準じてエシェ
リヒア・コリC600r−m−株に導入し、形質転換株の中
より目的のプラスミドpTNF471(約3.2Kbp)を有するク
ローンを選択した。このプラスミドは、次のアミノ酸配
列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-V
al-Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu
-Asn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-G
lu-Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly
-Leu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-G
ln-Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr
-Ile-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-A
sn-Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu
-Thr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-P
ro-Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly
-Asp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-L
eu-Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile
-Ile-Ala-Leu-(COOH) で表わされる抗腫瘍性ポリペプチドまたはそのアミノ末
端にMetが結合しているポリペプチドをコードする発現
型プラスミドであり、第9図にその作成方法を示した。
一方、上記で得られたヒトTNF遺伝子発現型プラスミ
ドpTN下471 20μgを、実施例4の方法に準じて制限酵
素Hind IIIで切断した後、50mM Tris-HCl(pH7.4),100
mM NaCl,10mM MgSO4水溶液中で制限酵素Nco I(宝酒
造)による切断反応を37℃で1時間行なう。反応終了
後、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.7%)及びポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(濃度5%)を行ない、
実施例2の方法に準じて、ヒトTNF遺伝子の一部を含む
約140bpのDNA断片(Nco IHind III)をポリアクリル
アミドゲルより、そして実施例3の方法に準じて、pTNF
471の大部分を含む約3.0KbpのDNA断片(Nco IHind II
I)をアガロースゲルより、それぞれ回収した。
さらに、上で得られた約140bpのDNA断片(Nco IHin
d III)を50μlの10mM Tris-HCl(pH7.4),10mM MgS
O4,1mMジチオスレイトール水溶液に溶解させ、10ユニッ
トの制限酵素Acc I(宝酒造)を添加して、37℃で1時
間切断反応を行なった。反応終了後、ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(ゲル濃度8%)を行ない、実施例2の
方法に準じて、ヒトTNF遺伝子の一部を含む約110bpのDN
A断片(Nco IAcc I)をポリアクリルアミドゲルより
回収した。
また、第10図記載の塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドを、実施例2の方法に準じて、合成,精製した。得
られた2本の合成オリゴヌクレオチドそれぞれ0.5μg
について、実施例3の方法に準じて、末端のリン酸化を
行ない、アニーリングを行なった。
アニーリングの後、得られた2本鎖オリゴヌクレオチ
ドを、先に得られた約3.0KbpのDNA断片(Nco IHind I
II)及びヒトTNF遺伝子の一部含む約110bpのDNA断片(N
co IAcc I)と混合し、エタノール沈殿の後、実施例
3の方法に準じて、T4-DNAリガーゼによる連結反応を行
なった。反応終了後、実施例3の方法に準じてエシェリ
ヒア・コリC600r−m−株に導入し、形質転換株の中よ
り目的のプラスミドpTNF643(約3.2Kbp)を有するクロ
ーンを選択した。このプラスミドは、次のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-V
al-Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu
-Asn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-G
lu-Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly
-Leu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-G
ln-Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr
-Ile-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-A
sn-Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu
-Thr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-P
ro-Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly
-Asp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-L
eu-Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile
-Phe-Ala-Leu-(COOH) で表わされる新規抗腫瘍性ポリペプチドまたはそのアミ
ノ末端にMetが結合しているポリペプチドをコードする
新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子発現型プラスミドで
あり、第10図にその作成方法を示した。
実施例6(発現の確認) 前記実施例4で得られたヒトTNF遺伝子発現型プラス
ミドpTNF401A、実施例5で得られた新規抗腫瘍活性ポリ
ペプチド遺伝子発現型プラスミドpTNF643を有するエシ
ェリヒア・コリC600r−m−株を、30〜50μg/mlのアン
ピシリン,0.2%のグルコース及び4mg/mlのカザミノ酸を
含むM9培地[0.6%Na2HPO4‐0.3%K2HPO4‐0.05%NaCl
-0.1%NH4Cl水溶液(pH7.4)をオートクレーブ滅菌した
後に、別途オートクレーブ滅菌したMgSO4水溶液及びCaC
l2水溶液をそれぞれ最終濃度2mM及び0.1mMになるように
加える。]250mlに接種し、OD600が0.7に達するまで、3
7℃で振とう培養を行なった。次いで、最終濃度50μg/m
lの3−β−インドールアクリル酸を培養液中に添加
し、さらに37℃で12時間振とう培養を続けた。
遠心分離により大腸菌菌体を集めた後、PBSバッファ
ー(150mM NaClを含む20mMリン酸バッファー,pH7.4)を
用いて菌体の洗浄を行なった。洗浄後の菌体を10mlのPB
Sバッファーに懸濁させ、超音波発生装置(久保田,200M
型)を用いて菌体を破壊した後、遠心分離により菌体残
渣の除去を行なった。
得られた大腸菌ライゼートの一部に対して、Tris-HCl
バッファー(pH6.8),SDS,2−メルカプトエタノール,
グリセロールを、それぞれ最終濃度60mM,2%,4%,10%
になるように加え、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動[鈴木,遺伝,31,43(1977)]を行なった。分離
用ゲルは15%とし、泳動バッファーはSDS,Tris−グリシ
ン系[U.K.Laemmli,Nature,227,680(1970)]を用い
た。電気泳動終了後、ゲル中の蛋白質をクーマシーブル
ーR−250(バイオ・ラッド)で染色し、ヒトTNF遺伝子
及び新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子の発現の確認を
行なった。結果の一部をスケッチして、第11図に示し
た。
なお、染色後のゲルをクロマト・スキャナー(島津,C
S-930型)にかけて、産生された抗腫瘍活性ポリペプチ
ドの大腸菌細胞質蛋白質中にしめる割合の算出を行なっ
た。その結果、ヒトTNF遺伝子発現型プラスミドpTNF401
Aを有する大腸菌においては全細胞質蛋白質の約13.7%
の新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子発現型プラスミド
pTNF643を有する大腸菌においては同じく約13.9%の抗
腫瘍活性ポリペプチドの産生が、それぞれ認められた。
実施例7(活性の評価) 新規抗腫瘍活性ポリペプチドのin vitro抗癌活性測定
は、前記Ruffの方法に準じて行なった。すなわち、実施
例6で得られた新規抗腫瘍活性ポリペプチドを含む大腸
菌ライゼートを順次培地で希釈した試料100μlと、4
×105個/mlの濃度のマウスL−929繊維芽細胞(ATCC CC
L-929)懸濁液100μlを、96穴の組織培養用マイクロプ
レート(コースター)内で混合した。なおこの際に、最
終濃度1μg/mlのアクチノマイシンD(コスメゲン,萬
有製薬)を添加しておく。培地としては、5%(vol/vo
l)のウシ胎児血清を含むイーグルのミニマム・エッセ
ンシャル培地(日水製薬)を用いた。上記マイクロプレ
ートを、5%炭酸ガスを含む空気中,37℃で18〜20時間
培養した後、クリスタル・バイオレット溶液[5%(vo
l/vol)メタノール水溶液に、0.5%(wt/vol)のクリス
タル・バイオレットを溶解させたもの]を用いて生細胞
を染色した。余分なクリスタル・バイオレットを洗い流
し乾燥した後、残ったクリスタル・バイオレットを100
μlの0.5%SDS水溶液で抽出し、その595nmにおける吸
光度をELISAアナライザー(東洋測器,ETY-96型)で測定
する。この吸光度は、生き残った細胞数に比例する。そ
こで、抗腫瘍活性ポリペプチド等を含む大腸菌ライゼー
トの希釈溶液を加えない対照の吸光度の50%の値に相当
する大腸菌ライゼートの希釈倍率をグラフ(たとえば第
11図)によって求め、その希釈倍率をユニットと定義す
る。第12図より、発現型プラスミドpTNF401Aにコードさ
れるヒトTNF蛋白質を含む大腸菌ライゼート100μlは1.
1×106ユニット程度の活性を、発現型プラスミドpTNF64
3にコードされる新規抗腫瘍活性ポリペプチドを含む大
腸菌ライゼート100μlは約2.8×106ユニット程度の活
性を、それぞれ有していることが明らかになった。
実施例6で得られた各種大腸菌ライゼート中に含まれ
る総蛋白質量は、プロテイン・アッセイ・キット(バイ
オ・ラッド)を用いて定量し、ウシ血清アルブミンを用
いた検量線より計算した。上記で得られた発現量,活性
の値及び蛋白質定量結果より抗腫瘍活性ポリペプチド等
の比活性を計算したところ、表1のような値が得られ
た。表1より、pTNF643にコードされる新規抗腫瘍活性
ポリペプチドはヒトTNF蛋白質の約3倍の比活性を有し
ていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は設計したヒトTNF遺伝子の塩基配列を、第2図
は化学合成した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を、
それぞれ示したものである。第3図,第4図及び第5図
は、ヒトTNF遺伝子の一部を有するプラスミドpTNF1BR,p
TNF2N及びpTNF3の作成方法を、それぞれ示したものであ
る。第6図はヒトTNF遺伝子発現型プラスミドpTNF401NN
の作成方法を、第7図は発現ベクターpAA41の作成方法
を、そして第8図はヒトTNF遺伝子発現型プラスミドpTN
F401Aの作成方法を、それぞれ示したものである。第9
図は抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子発現型プラスミドpT
NF471の作成方法を示したものである。第10図は新規抗
腫瘍活性ポリペプチド遺伝子発現型プラスミドpTNF643
の作成方法を示したものである。第11図はヒトTNF遺伝
子及び新規抗腫瘍活性ポリペプチド遺伝子の発現確認結
果を示したものである。第12図はヒトTNF蛋白質及び新
規抗腫瘍活性ポリペプチドのin vitro抗癌活性測定結果
を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/02 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 柵木 津希夫 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社生物工学研究所内 (72)発明者 北井 一男 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社生物工学研究所内 (72)発明者 市川 弥太郎 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社生物工学研究所内

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-Val
    -Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu-A
    sn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-Glu
    -Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly-L
    eu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-Gln
    -Gly-Gys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr-I
    le-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-Asn
    -Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu-T
    hr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-Pro
    -Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly-A
    sp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-Leu
    -Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile-P
    he-Ala-Leu-(COOH)で表わされる、新規生理活性ポリ
    ペプチド。
  2. 【請求項2】アミノ末端にMetが結合していることを特
    徴とする請求項1記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】次のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-Val
    -Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu-A
    sn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-Glu
    -Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly-L
    eu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-Gln
    -Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr-I
    le-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-Asn
    -Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu-T
    hr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-Pro
    -Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly-A
    sp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-Leu
    -Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile-P
    he-Ala-Leu-(COOH) で表わされる新規生理活性ポリペプチドまたはそのアミ
    ノ末端にMetが結合しているポリペプチドをコードするD
    NA領域を含む組換えプラスミド。
  4. 【請求項4】該DNA領域が次の塩基配列 (5′)‐CGTAAGCGCAAGCCTGTAGCCCATGTTGTAGCAAACCCTC
    AAGCTGAGGGGCAGCTCCAGTGGCTGAACCGCCGGGCCAATGCCCTGCTG
    GCCAATGGCGTGGAGCTGAGAGATAACCAGCTGGTGGTACCATCAGAGGG
    CCTGTACCTCATCTACTCCCAGGTCCTCTTCAAGGGCCAAGGCTGCCCGT
    CGACCCATGTGCTCCTCACCCACACCATCAGCCGCATCGCCGTCTCCTAC
    CAGACCAAGGTCAACCTCCTCTCTGCGATCAAGAGCCCCTGCCAGAGGGA
    GACCCCAGAGGGGGCTGAGGCCAAGCCATGGTATGAGCCCATCTATCTGG
    GAGGGGTCTTCCAGCTGGAGAAGGGTGACCGACTCAGCGCTGAAATCAAT
    CGGCCCGACTATCTCGACTTTGCCGAGTCTGGGCAGGTCTACTTTGGGAT
    TTTCGCCCTG-(3′) で表わされる一本鎖DNAとそれに相補的な一本鎖DNAとか
    ら成る二本鎖DNAを含むことを特徴とする請求項3記載
    のプラスミド。
  5. 【請求項5】該DNA領域が次の塩基配列 (5′)‐CATCATAACGGTTCTGGCAAATATTCTGAAATGAGCTGTT
    GACAATTAATCATCGAACTAGTTAACTAGTACGCAAGTTCACGTAAAAAG
    GGTATCGATAATGCGTAAGCGCAAGCCTGTAGCCCATGTTGTAGCAAACC
    CTCAAGCTGAGGGGCAGCTCCAGTGGCTGAACCGCCGGGCCAATGCCCTG
    CTGGCCAATGGCGTGGAGCTGAGAGATAACCAGCTGGTGGTACCATCAGA
    GGGCCTGTACCTCATCTACTCCCAGGTCCTCTTCAAGGGCCAAGGCTGCC
    CGTCGACCCATGTGCTCCTCACCCACACCATCAGCCGCATCGCCGTCTCC
    TACCAGACCAAGGTCAACCTCCTCTCTGCGATCAAGAGCCCCTGCCAGAG
    GGAGACCCCAGAGGGGGCTGAGGCCAAGCCATGGTATGAGCCCATCTATC
    TGGGAGGGGTCTTCCAGCTGGAGAAGGGTGACCGACTCAGCGCTGAAATC
    AATCGGCCCGACTATCTCGACTTTGCCGAGTCTGGGCAGGTCTACTTTGG
    GATTTTCGCCCTGTGATAAGCTT-(3′) で表わされる一本鎖DNAとそれに相補的な一本鎖DNAとか
    ら成る二本鎖DNAを含むことを特徴とする請求項3記載
    のプラスミド。
  6. 【請求項6】該プラスミドがプラスミドpTNF 643である
    請求項3記載のプラスミド。
  7. 【請求項7】次のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-Val
    -Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu-A
    sn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-Glu
    -Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly-L
    eu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-Gln
    -Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr-I
    le-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-Asn
    -Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu-T
    hr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-Pro
    -Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly-A
    sp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-Leu
    -Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile-P
    he-Ala-Leu-(COOH) で表わされる新規生理活性ポリペプチドまたはそのアミ
    ノ末端にMetが結合しているポリペプチドをコードするD
    NA領域を含む組換えプラスミドにより形質転換された組
    換え微生物細胞。
  8. 【請求項8】該微生物細胞がエシェリヒア・コリ(E sc
    herichia coli)であることを特徴とする請求項7記載
    の微生物細胞。
  9. 【請求項9】次のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-Val
    -Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu-A
    sn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-Glu
    -Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly-L
    eu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-Gln
    -Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr-I
    le-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-Asn
    -Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu-T
    hr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-Pro
    -Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly-A
    sp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-Leu
    -Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile-P
    he-Ala-Leu-(COOH) で表わされる新規生理活性ポリペプチドまたはそのアミ
    ノ末端にMetが結合しているポリペプチドをコードするD
    NA領域を含む組換えプラスミドにより形質転換された組
    換え微生物細胞を培養し、培養物中に新規生理活性ポリ
    ペプチドを生成蓄積せしめ、得られた培養物から新規生
    理活性ポリペプチドを分離することを特徴とする、新規
    生理活性ポリペプチドの製造方法。
  10. 【請求項10】抗腫瘍に有効な量の次のアミノ酸配列 (H2N)‐Arg-Lys-Arg-Lys-Pro-Val-Ala-His-Val-Val
    -Ala-Asn-Pro-Gln-Ala-Glu-Gly-Gln-Leu-Gln-Trp-Leu-A
    sn-Arg-Arg-Ala-Asn-Ala-Leu-Leu-Ala-Asn-Gly-Val-Glu
    -Leu-Arg-Asp-Asn-Gln-Leu-Val-Val-Pro-Ser-Glu-Gly-L
    eu-Tyr-Leu-Ile-Tyr-Ser-Gln-Val-Leu-Phe-Lys-Gly-Gln
    -Gly-Cys-Pro-Ser-Thr-His-Val-Leu-Leu-Thr-His-Thr-I
    le-Ser-Arg-Ile-Ala-Val-Ser-Tyr-Gln-Thr-Lys-Val-Asn
    -Leu-Leu-Ser-Ala-Ile-Lys-Ser-Pro-Cys-Gln-Arg-Glu-T
    hr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Glu-Pro
    -Ile-Tyr-Leu-Gly-Gly-Val-Phe-Gln-Leu-Glu-Lys-Gly-A
    sp-Arg-Leu-Ser-Ala-Glu-Ile-Asn-Arg-Pro-Asp-Tyr-Leu
    -Asp-Phe-Ala-Glu-Ser-Gly-Gln-Val-Tyr-Phe-Gly-Ile-P
    he-Ala-Leu-(COOH) で表わされる新規生理活性ポリペプチドまたはそのアミ
    ノ末端にMetが結合しているポリペプチドを含有する医
    薬組成物。
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