【発明の詳細な説明】
車両用自動変速機の液圧制御システム発明の背景 技術分野
本発明は車両用自動変速機の液圧制御システムに係り、より詳しくはライン圧
を可変制御することにより動力伝達効率および変速時の変速応答時間を向上させ
た自動変速機の液圧制御システムに関する。従来技術の記述
従来のある自動変速機は、トルクコンバータと、このトルクコンバータに連結
された多段変速ギヤ機構を有しており、この多段変速ギヤ機構には車両の作動状
態に応じて変速ギヤ機構の複数のギヤ段のうちの一つを選択するための液圧作動
摩擦部材が含まれている。
液圧ポンプによって圧力が印加される液圧制御システムは、これら摩擦部材お
よび制御バルブを作動させるのに必要な液圧を提供する。
通常に用いられている車両用自動変速機は、一般にエンジンの出力軸に連結さ
れて一緒に駆動されるポンプインペラ、出力軸部材を有するタービンランナー、
そしてこれらポンプインペラとタービンランナーとの間に配置されたステータを
含む流体トルクコンバータを有しており、それにより、流体はエンジンにより駆
動されるポンプインペラによりステータの助けによってタービンランナーを通過
して循環され、このとき、ステータは流体がタービンランナーから出てポンプイ
ンペラに入るとき流体の流れがポンプインペラの回転を妨害しない方向に流れる
ように機能する。
自動変速は変速時毎クラッチあるいはキックダウンブレークのような摩擦部材
を作動させることにより行なわれる。さらに、セレクタレバーの位置を選択する
ことにより変換されるポートを有するマニュアルバルブは液圧ポンプから流体が
供給されて変速制御バルブに流体を供給するようになっている。4段自動変速機
の場合には変速制御バルブのポートは電子制御システムによって作動される。
車両用自動変速機の液圧制御システムの一例を図8を参照して説明する。同図
は、エンジンフレキシブルプレートを通じてエンジンに取付けられてエンジンの
速力で回転されることによりエンジンの動力を変速ギヤ機構の入力軸に伝達する
トルクコンバータ1、ダンパクラッチの作動および解放を制御することによりト
ルクコンバータ1内においての動力伝達効率を高めるためのダンパクラッチ制御
バルブ2、液圧ポンプ4からの出力液圧を自動変速機の必要に応じて調節するた
めのレギュレータバルブ5、そしてソレノイドバルブおよびダンパクラッチ制御
バルブ2に供給される液圧を安定に調節するための減圧弁6を含む従来の液圧制
御システムを示している。
液圧ポンプ4の出口に連結されて液圧が供給されるマニュアルバルブ7は、ラ
イン圧をレギュレータバルブ5とシフトコントロールバルブ8に供給するように
なっている。マニュアルバルブ7内において、ランドはシフトセレクタレバーの
位置に応じて変動される。
トランスミッション制御ユニットにより制御される二つのシフトコントロール
ソレノイドバルブAおよびBに応答して作動されるシフトコントロールバルブ8
は、液圧を選択的に、1−2速シフトバルブ9、エンドクラッチバルブ10、2
−3速および3−4速シフトバルブ11、そしてリアクラッチ解放バルブ12を
通じ、フロントクラッチ13、リアクラッチ14、ローリバースブレーク15、
キックダウンサーボブレーク16およびエンドクラッチ17などに伝達するよう
になっている。N−D制御バルブ18はリアクラッチ14と連結されている。N
−R制御バルブ19は1−2速シフトバルブに連結されて変速による衝撃を減少
するようになっている。
さらに、圧力制御ソレノイドバルブ20は変速時に制御によって生成されるシ
ョックを縮めるため圧力制御バルブ21と連結されている。
シフトコントロールソレノイドバルブAおよびBにより制御される、シフトコ
ントロールバルブ8内のバルブスプールの位置に応じて液圧ポンプ4内において
加圧された流体は第1導管(コンジット)D1、第2導管D2、第3導管D3、
そして第4導管D4に送られる。マニュアルバルブ7のシフトセレクタレバーが
“R”レンジにあるとき、液圧は後進導管R1に流れる。以下、図8の変速シス
テムにおける変速作用を説明する。
シフトセレクタレバーが“D”レンジにあるときは、液圧ポンプ4で加圧され
た流体は導管L1を通じてマニュアルバルブ7に供給され、再び導管L2を通じ
てシフトコントロールバルブ8および第1導管D1に供給される。
“D”レンジ1速においては、二つのシフトコントロールソレノイドバルブA
およびBはトランスミッション制御ユニットによりすべてオン状態に制御され、
従って、シフトコントロールバルブ8を通過する液圧は排出されてバルブスプー
ルの位置には変化を与えない。これと同時に、トランスミッシヨン制御ユニット
は圧力制御ソレノイドバルブ20をオン状態に制御して減圧弁6を通じて復帰す
る加圧流体の一部が排出される。
しかしながら、1−2速シフトバルブ9内へは液圧が供給されないため、第1
導管D1を通過する流圧はリアクラッチ解放バルブ12を経由してリアクラッチ
12に入ってこれを作動させる。
“D”レンジ2速においては、シフトコントロールソレノイドバルブAがトラ
ンスミッション制御ユニットによりオフ状態に制御され、液圧はシフトコントロ
ールソレノイドバルブB側に排出され、シフトコントロールバルブ8のバルブス
プールとプラグは右側に変位されてマニュアルバルブ7内に流入される液圧が第
2導管D2を通じて供給される。
従って、第2導管D2を通過する液圧は、1−2速シフトバルブ9の左側に供
給され、バルブスプールを右側に押して3速を用意するようになる。このとき、
圧力制御ソレノイドバルブ20はオフ状態に制御されて液圧が排出されることを
遮断する。従って、液圧ポンプ4で加圧された流体は、減圧弁6および液圧導管
L3を経由して圧力制御バルブ21の左側に供給されてその中のバルブプラグを
右側に押すようになる。これによって、第1導管D1を通過する液圧はN−D制
御バルブ18を経由して1−2速シフトバルブ9に復帰するようになる。
1−2速シフトバルブ9のバルブスプールは右側に押されているので、N−D
制御バルブ18を通過した液圧は、キックダウンサーボブレーク16に供給され
このブレークを作動させて2速が行なわれる。
“D”レンジ3速においては、二つのシフトコントロールソレノイドバルブA
およびBがトランスミッション制御ユニットによりすべてオフ状態に制御される
ため、液圧の排出が遮断され、シフトコントロールバルブ8のバルブスプールは
さらに右側に移動され、そしてバルブプラグはストッパによって停止された状態
に維持される。
この状態においては、第2および第3導管D2およびD3が同時に開放される
ので、第2導管D2を通過してエンドクラッチバルブ10の右側に流入される液
圧はバルブプラグを左側に押しエンドクラッチ17内に入ってこのクラッチを作
動させる。
圧力制御バルブ21を経由して1−2速シフトバルブ9を通過することにより
制御された加圧流体は2−3速および4−3速シフトバルブ11を通過する。そ
の後、加圧流体の一部はキックダウンサーボブレーク16を解放させる作用をし
、加圧流体の他の一部はフロントクラッチ13を作動させる作用をする。
このとき、2速において作用していたキックダウンサーボブレーク16はフロ
ントクラッチ13に連結された導管を通じて供給される液圧の作用により、その
作動力が中断される。
“D”レンジ4速においては、シフトコントロールソレノイドバルブBのみが
トランスミッション制御ユニットによりオフ状態に制御されるため、シフトコン
トロールバルブ8のバルブスプールは3速時よりさらに右側に移動して第4導管
D4を開放させるようになる。
そうすると、液圧は第4導管D4を通じてリアクラッチ解放バルブ12の左側
に供給され、それのバルブスプールを右側に押してフロントクラッチ13を作動
させキックダウンサーボブレーク16の作動を中断させる液圧の供給を中断する
。従って、キックダウンサーボブレーク16は自動的に再び作動するようになり
、3速において作動していたエンドクラッチ17もさらに作動するようになるの
で、これによって、4速が達成される。
シフトセレクタレバーが“R”レンジにあるときは、マニュアルバルブ7を通
過する液圧が、リアクラッチ解放バルブ12を経由して2−3速および4−3速
シフトバルブ11の右側に供給されてバルブスプールを左側に押し、従ってマニ
ュアルバルブ7を通過する液圧は、フロントクラッチ13とローリバースブレー
ク15に供給され、キックダウンサーボブレーク16の作動を中断させて車両を
後進させるようになる。
前述したように、前記自動変速機液圧制御システムにおいては、単に1速と4
速との間において変速がなされ、液圧ポンプからの液圧が二つのモードのみに供
給されるため、流体供給効率がよくない。また、N−D変速時、デューティ制御
によりN−D制御バルブの衝撃を調節しているため、ポンプの効率および変速効
果を向上させることが難しい。さらに、それぞれのクラッチが独立に制御される
ものではないため、スキップ変速が行なわれないので応答性が遅いという問題点
があり、かつ変速バルブは間接的に制御されるためその構造が複雑であるという
問題点がある。発明の要約
本発明の目的は、変速の完了まではトルク制御液圧でクラッチを制御し、その
後にはシフトバルブにより駆動液圧を制御することにより応答性が向上された自
動車用自動変速システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、ライン圧を可変制御することによって走行中の動力伝達
効率が向上され、またマニュアルバルブの操作時の変速感を向上させることがで
きる自動車用自動変速システムを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、走行中、急加速の必要の際スキップ変速を可能
にすることにより変速の応答性を向上させた自動車用自動変速システムを提供す
ることである。
前記目的を達成するため、本発明は、エンジンにより駆動されて流体を加圧す
る液圧ポンプ、前進モードや後進モードに変速するかあるいは変速段の間におい
て変速するとき液圧を変化させる圧力調節バルブ、エンジン出力を変速機の入力
軸に伝達するトルクコンバータ、トルクコンバータの動力伝達効率を向上させる
ためダンパクラッチを作動させるコンバータクラッチレギュレータバルブ、TC
U(トランスミッション制御ユニット)により制御され、圧力調節バルブにおい
て変化された液圧を変速制御部の変速バルブに供給あるいは遮断して変速バルブ
のバルブスプールを変位させる第1,第2および第3ソレノイドバルブ、各変速
段において共通に作動される第1摩擦要素、変速段に従い少なくとも一つが作動
される第2,第3,第4および第5摩擦要素、後進モードにおいて作動される後
進摩擦要素、ソレノイドバルブのオン/オフ作用により制御され、摩擦要素に液
圧を選択的に供給して変速を行なう第2速および第3速クラッチバルブと第4速
バンドバルブ、前方走行中に誤りで後進モードが選択されたとき、車両が誤作動
することを防止するため第6摩擦要素に供給される液圧を遮断するリバースクラ
ッチインヒビターバルブ、および、シフトセレクタレバーにより作動されて後進
圧管路あるいは前進圧管路にライン圧を供給するマニュアルバルブを含む自動車
用自動変速機の液圧制御システムを提供する。
また、本発明は、第1および第2ソレノイドバルブは常時開放形であり、第3
ソレノイドバルブは常時閉鎖形である液圧制御システムを提供する。
さらに、本発明は、第2速クラッチバルブは前進圧管路からの液圧が供給され
る第1ポート、第1ポートに供給された液圧を第2摩擦要素に供給する第2ポー
ト、前進圧管路からの液圧を第3速クラッチバルブに供給する第3および第4ポ
ート、“D”レンジ2速において第4摩擦要素に液圧を供給する第5および第6
ポート、“D”レンジ1速あるいは“L”レンジにおいて第6摩擦要素に液圧を
供給する第7ポート、そしてポートを選択的に開放するバルブスプールとして第
1および第2ポートを開閉する第1ランド、第3および第4ポートを開閉する第
2ランド、および、第5ポートが第6ポートあるいは第7ポートと選択的に通じ
るようにする第3ランドを含んだバルブスプールを含む液圧制御システムを提供
する。
さらに、本発明は液圧制御システムを提供するものであり、このシステムにお
いて、第3速クラッチバルブは、第2ソレノイドバルブのオン/オフ作用に応じ
て液圧が供給される第1ポート、第1ポートに供給された液圧を第3摩擦要素に
供給する第2ポート、第2速クラッチバルブの第4ポートと直接連結された第3
ポート、第4速バンドバルブに液圧を供給する第4ポート、そしてこれらポート
を選択的に開放するバルブスプールとして第1および第2ポートを選択的に開閉
する第1ランド、第3および第4ポートを開閉する第2ランドを含んだバルブス
プールを含む。
さらに、本発明は液圧制御システムを提供するものであり、このシステムにお
いて、第4速バンドバルブは、第3ソレノイドバルブのオン/オフ作用に応じて
液圧が供給される第1ポート、第1ポートに供給された液圧を第4摩擦要素に供
給する第2ポート、第3速クラッチバルブの第2ポートと直接連結された第3ポ
ート、第3ポートに供給された液圧を第5摩擦要素に供給して“D”レンジ3速
においてエンジンブレークを行なう第4ポート、そしてポートを選択的に開放す
るバルブスプールとして第1および第2ポートを開閉する第1ランドと第3およ
び第4ポートを開閉する第2ランドとを含んだバルブスプールを含む。
さらに、本発明は液圧制御システムを提供するものであり、このシステムにお
いて、3−1スキップ変速の際、第1および第2ソレノイドバルブはオフ状態か
らオン状態にデューティ制御されて第2および第3摩擦要素への作動液圧を同時
に解除する。
さらに、本発明は液圧制御システムを提供するものであり、このシステムにお
いて、4−2スキップ変速の際、第2および第3ソレノイドバルブはオフ状態か
らオン状態にデューティ制御されて第4摩擦要素への作動液圧を同時に解除する
。
本発明の上記目的および他の目的、詳細並びに利点は、添付図面を参照して読
むことにより、以下の好ましい実施例についての詳細な説明から明らかである。図面の簡単な説明
図1は、本発明の第1実施例に基づく4速自動変速機の液圧制御システムの概
略図である。
図2は、図1のシステムの動力伝達効率制御部の拡大図である。
図3は、図1のシステムの変速制御部の拡大図である。
図4は、第1実施例のシステムに用いるソレノイドバルブの作動表(テーブル
)である。
図5は、本発明の第2実施例に基づく5速自動変速機の液圧制御システムの概
略図である。
図6は、図5のシステムの変速制御部の拡大図である。
図7は、第2実施例のシステムに用いるソレノイドバルブの作動表である。
図8は、従来の液圧制御システムの概略図である。発明の詳細な記述
以下は図面を参照した説明であり、ここで、同一の構成要素には同一符号を付
与する。
図1〜図4は、4速自動変速機に適用された本発明の第1実施例を図解する。
図1はシフトセレクタレバーが“R”レンジにあるとき、本発明の第1実施例
に従う液圧制御システムを示したものである。
動力伝達効率制御部AAはクランク軸と変速機との間に位置してエンジン動力
を伝達するトルクコンバータ30、トルクコンバータのポンプ駆動ハブに固定さ
れて共に回転する駆動ギヤおよびこの駆動ギヤに噛み合った被動ギヤを有する液
圧ポンプ32、液圧ポンプ32で生成された液圧を調節してトルクコンバータ3
0のダンパクラッチを作動あるいは遮断させる圧力調節バルブ34、圧力調節バ
ルブ34とトルクコンバータ30との間に位置してダンパクラッチの作動あるい
は遮断を選択するコンバータクラッチレギュレータバルブ36、そしてトルクコ
ンバータ30に供給される液圧を調節するコンバータフィードバルブ38を有す
る。
圧力調節バルブ34からの液圧は管路40を通じてトルクコンバータ30に供
給される。管路40はコンバータクラッチレギュレータバルブ36を通じて供給
管路42、排出管路44および潤滑管路46に分けられる。
コンバータクラッチレギュレータバルブ36内のバルブスプールの変位はトラ
ンスミッション制御ユニット(図示省略)により制御されるソレノイドバルブS
6により制御されて液圧を供給管路42あるいは排出管路44方に選択的に供給
する。
液圧ポンプ32と圧力調節バルブ34とを連結するライン圧管路48はさらに
延長されてソレノイド供給バルブ50と連通する。
ソレノイド供給バルブ50は第1制御管路52を通じてソレノイドバルブS5
およびS6と、そして第2制御管路54を通じてソレノイドバルブS4と連結さ
れてこれらソレノイドバルブのデューティ制御に応じて圧力調節バルブ34、コ
ンバータクラッチレギュレータバルブ36およびリバースクラッチインヒビター
バルブ56を制御する。
ライン圧管路48はソレノイド供給バルブ50に液圧を供給することはもちろ
ん、マニュアルバルブ58に液圧を供給する。マニュアルバルブ58に供給され
る液圧はこのバルブのバルブスプールの位置に応じて選択的に前進圧管路60あ
るいは後進圧管路62を通過する。
前進圧管路60内の液圧は管路66を通じて変速制御部BBの第2速クラッチ
バルブ64に供給される。この管路66への液圧の供給はトランスミッシヨン制
御ユニットにより制御されるソレノイドバルブS1により遮断することができる
。
管路66を通じて第2摩擦要素68に液圧を供給するため、管路70は第2速
クラッチバルブ64と連結している。
前進圧管路60は第2摩擦要素68に液圧を供給することはもちろん、管路7
4を通じて第3速クラッチバルブ72に液圧を供給する。この管路74には、ト
ランスミッション制御ユニットにより制御されるソレノイドバルブS2が設けら
れて、管路74を通過して供給される液圧を遮断できる。
管路74を通じて液圧を供給される第3速クラッチバルブ72は、第2摩擦要
素76に液圧を供給するため管路78と連結されている。管路74は、第4速バ
ンドバルブ80に液圧を供給するため第3速クラッチバルブ72を経由して管路
82に連結している。
管路82にはトランスミッション制御ユニットにより制御されるソレノイドバ
ルブS3が設けられてこの管路82を通過する液圧を遮断する。第4速バンドバ
ルブ80からの液圧は管路84を経由して第4摩擦要素86に供給される。
第3速クラッチバルブ72と第4速バンドバルブ80は管路88を通じて直接
互いに連結している。管路88は“D”レンジ3速においてエンジンブレークを
行なう第5摩擦要素90に液圧を供給するためのものであり、“2”レンジある
いは“L”レンジにおいてマニュアルバルブ58からの液圧を供給するため管路
92に連結している。
マニュアルバルブ58からの液圧は前進圧管路60および管路94を経由して
第1摩擦要素96に供給される。管路94を通過する液圧は圧力調節バルブ34
のスプールに力を加える。
液圧はマニュアルバルブ58に連結された後進圧管路62を通じて後進摩擦要
素98に直接供給される。ソレノイドバルブS4により制御されるリバースクラ
ッチインヒビターバルブ56のスプールの変位に応じて、後進圧管路62からの
液圧は管路100を経由して第6摩擦要素99に供給される。
図2は、図1に示したシステムの動力伝達効率制御部の拡大図である。同図に
おいて、圧力調節バルブ34は管路48からの液圧が供給される第1ポート10
2および第2ポート104、コンバータフィードバルブ38に液圧を供給するた
めの第3ポート106、ソレノイド供給バルブ50からの液圧が第1制御管路5
2を経由して供給される第4ポート108、および第4ポート108を通じて供
給された液圧が解除されるとき圧力調節バルブ34のバルブスプールV1に力を
加えるため液圧を供給する第5ポート110を有している。
第4ポート108と第5ポート110はそれぞれ第1および第2液圧検出室1
12,114と連通する。これらポート108および110を通じて供給される
液圧はバルブスプールV1に互いに相反された方向に力を加える。
バルブスプールV1はポートを選択的に開放するための第1ランド116、第
2ランド118および第3ランド120を有する。第1ランド116は第3ポー
ト106を開閉し、第2ランド118は液圧ポンプ32に帰還させる排出ポート
122を開閉する。
コンバータクラッチレギュレータバルブ36は、コンバータフィードバルブ3
8からの液圧が供給される第1ポート124、トルクコンバータ30に液圧を供
給あるいは排出させるための第2および第3ポート126、128、第1液圧検
出室130に液圧を供給するための第4ポート132、そして第2液圧検出室1
34に液圧を供給するための第5ポート136を有する。第5ポート136には
バイパス管路138と連結された第6ポート140からの液圧が供給される。
ソレノイド供給バルブ50は、ライン圧管路48からの液圧が供給される第1
ポート142、第1ポート142を通じて供給された液圧が排出される第2ポー
ト144、および第2ポート144を通過した液圧がバルブスプールV2に力を
加えるため通過する第3ポート146を有している。
図3は、図1に示したシステムの変速制御部の拡大図である。図1および図3
に示したように、前方への走行中の誤りで後進モードが選択されたとき車両が誤
作動することを防止するリバースクラッチインヒビターバルブ56は、後進圧管
路62からの液圧が供給される第1ポート148、後進の際第6摩擦要素99が
後進摩擦要素98と共に作動するよう第1ポート148からの液圧を第6摩擦要
素99に供給するための第2ポート150、および前進圧管路60からの液圧が
管路66を通じて供給される第3ポート152を有している。
バイパス管路156がリバースクラッチインヒビターバルブ56に連結されて
いる。このバイパス管路156を通じて第1ポート148に供給される液圧は、
ソレノイドバルブS4によって加圧あるいは加圧状態が中断される、液圧検出室
154に供給される。液圧検出室154からの液圧により右側に動くバルブスプ
ールV3は、最も直径が大きい第1ランド158と第1ポート148を第2ポー
ト150から遮断するための第2ランド160とを有している。
第2速クラッチバルブ64は、管路66を通じて液圧が供給される第1ポート
162、第1ポート162からの液圧を第2摩擦要素68に供給する第2ポート
164、前進圧管路60からの液圧が直接供給される第3ポート166、および
第3ポート166からの液圧を第3速クラッチバルブ72に供給する第4ポート
168を有している。
さらに、第2速クラッチバルブ64は、管路92,88を通過しまた“D”レ
ンジ4速あるいは“2”レンジ2速において第3速クラッチバルブ72を通過し
た液圧が供給される第5ポート170、そして第5ポート150に供給された液
圧をそれぞれ第4摩擦要素86および第6摩擦要素99に供給するための第6ポ
ート172および第7ポート173を有している。
第2速クラッチバルブ64のバルブスプールV4は、第1ポート162を第2
ポート164から選択的に遮断する第1ランド174、第3ポート166を第4
ポート168から選択的に遮断する第2ランド176、第5ポート150からの
液圧を第6ポート172あるいは第7ポート173に選択的に供給する第3およ
び第4ランド178,180、および第1ランド174と第2ランド176との
間に配置され排出ポートExを通過して排出される液圧を遮断する第5ランド1
82を有している。このバルブスプールV4は弾性部材184により弾性的に保
持されて液圧がバルブスプールV4に何らの力も作用しないとき第1および第2
ポート162,164を遮断するようになっている。
第3速クラッチバルブ72は、管路74を通じて液圧を供給される第1ポート
186、第1ポート186からの液圧を第3摩擦要素76に供給するための第2
ポート188、管路74からの液圧をまた他の管路を通じて供給される第3ポー
ト190、第3ポート190からの液圧を第4速バンドバルブ80に供給するた
めの第4ポート192、管路88を経由して液圧を供給される第5ポート194
、および第5ポート170に供給された液圧を第2速クラッチバルブ64の第5
ポート170に供給するための第6ポート196を有している。
第3速クラッチバルブ72のバルブスプールV5は、第1および第2ポート1
86,188を開閉する第1ランド198、第3ポート190を第4ポート19
2から選択的に遮断する第2ランド200、第6ポート196を第5ポート19
4から選択的に遮断する第3ランド202、そして排出ポートExを通じて液圧
が排出されることを遮断する第4ランド204および第5ランド206を有して
いる。バルブスプールV5は弾性部材208により弾性的に保持されて液圧がバ
ルブスプールV5に何らの力も作用しないとき第1および第2ポート186,1
88を遮断するようになっている。
第4摩擦要素86および第5摩擦要素90に液圧を供給する第4速バンドバル
ブ80は、管路82を通じて液圧が供給される第1ポート210、第1ポート2
10からの液圧を第4摩擦要素86に供給する第2ポート212、管路88を経
由して液圧が供給される第3ポート214、および第3ポート214からの液圧
を第5摩擦要素90に供給する第4ポート216を有している。
第4速バンドバルブ80のバルブスプールV6は、第1および第2ポート21
0、212を開閉する第1ランド218と第3ポート214を第4ポート216
から開閉する第2ランド220とを有している。バルブスプールV6は弾性部材
222により弾性的に保持されて液圧がバルブスプールV6に何らの力も作用し
ないとき第1および第2ポート210,21を遮断するようになっている。
従って、ソレノイドバルブS1,S2がオン状態にあるとき、前進圧管路60
からの液圧は排出されて管路66に沿っては何らの圧力も供給されないし、また
、ソレノイドバルブS1,S2がオフ状態にあるとき、前進圧管路60からの液
圧は管路66を通じて供給される。さらに、ソレノイドバルブS3がオン状態に
あるとき管路82からの液圧は第4速バンドバルブ800に供給され、そしてソ
レノイドバルブS3がオフ状態にあるとき液圧の供給は遮断される。
前述したような液圧制御システムにおいて、エンジンにより駆動される液圧ポ
ンプ32は加圧された流体をライン圧管路48方に供給する。シフトセレクタレ
バーを“N”レンジから“D”レンジに動くと、ライン圧管路48からの液圧が
マニュアルバルブ58を経由して前進圧管路60に供給される。
前進圧管路60を通過する液圧は、走行中のトルクの変動に応じてトランスミ
ッション制御ユニットにより制御されるソレノイドバルブS5の比例制御に従う
第1液圧検出室112内の液圧の変化により変化する。
ソレノイドバルブS5が高いデューティ率に応じて制御されると、第1液圧検
出室112内に供給される液圧がだんだん低くなってゼロとなり、第2液圧検出
室114に供給された液圧の作用下においてバルブスプールV1は左側に移動す
る。従って、第1ポート102を通じて供給された液圧が排出ポート122を通
じて排出されるため、ライン圧管路48を通過する液圧は低くなる。
逆に、ソレノイドバルブS5が低いデューティ率に応じて制御されると、第1
液圧検出室112に供給された液圧が上昇してバルブスプールV1を右側に移動
させる。従って、排出ポート122が第2ランド118により遮断されライン圧
管路48内の圧力は上昇するようになる。
前述したように調節された液圧は“D”レンジにおいて前進圧管路60を通過
し、そしてダンパクラッチ作動領域においては、オフ状態にあったソレノイドバ
ルブS6が高いデューティ率に応じて制御されながら第1液圧検出室130内の
液圧を遮断するのでバルブスプールを左側に変位させる。
従って、第1ポート124に供給される圧は第3ポート128を通じてトルク
コンバータ30に供給されてダンパクラッチを作動させる。
前述した作動は後述するすべての変速段においても適用され、液圧が調節され
ダンパクラッチが作動あるいは作動解除状態を繰り返すようになる。“D”レンジ1速
シフトセレクタレバーが“N”レンジから“D”レンジに移動されると、トラ
ンスミッション制御ユニットはソレノイドバルブS1,S2をオン状態に、ソレ
ノイドバルブS3をオフ状態に、そしてソレノイドバルブS5を可変制御してラ
イン圧を調節することにより動力伝達効率を上昇させるようになる。
前進圧管路60を通過した液圧は管路94を経由して第1摩擦要素96に供給
され、そして常時開放形であるソレノイドバルブS1がオン状態に制御されてい
るため、加圧された流体の一部は管路66方に供給される。
第2速クラッチバルブ64のバルブスプールV4は弾性部材184の弾性力に
より左側に変位された状態を維持するようになるので、第2ランド176が第4
ポート168を第3ポート166から遮断するようになる。
従って、前進圧管路60を通じて第2速クラッチバルブ64に供給された液圧
はもうそれ以上進行しないので、1速においては第1摩擦要素96のみ作動する
ようになる。“D”レンジ1−2速
1速において車速がだんだん早くなるようになると、トランスミッション制御
ユニットはソレノイドバルブS5を可変制御してライン圧を調節していたことを
中止し、ソレノイドバルブS1をオン状態からオフ状態にデューティ制御し始め
る。
1速において作動していた第1摩擦要素96はそのまま作動しながら、前進圧
管路60に流れる液圧が管路66を経由して第2速クラッチバルブ64の第1ポ
ート162に供給される。
第1ポート162に供給される液圧は第1ランド174の左側に力を作用して
バルブスプールV4を右側に押すようになる。その結果、第2ランド176によ
り遮断していた第3ポート166と第4ポート168が互いに連通されるので、
第3ポート166に供給された液圧は第3速クラッチバルブ72に流れ、バルブ
スプールV4を右側に押しながら第1ポート162に供給される液圧は第2ポー
ト164および管路70を経由して第2摩擦要素68に入ってこの摩擦要素68
を作動させるようになる。
管路66に流れる加圧された流体の一部は、車両が走行中に逆方向に駆動され
ることを防止するため、リバースクラッチインヒビターバルブ56の第3ポート
152に供給される。D”レンジ2速
1−2速においてデューティ制御されていたソレノイドバルブS1が完全にオ
フ状態に制御されて2速を維持しかつライン圧を可変させるソレノイドバルブS
5がライン圧を変化させ始める。“D”レンジ2−3速
2速において車速がだんだん早くなると、トランスミッション制御ユニットは
ライン圧を調節するソレノイドバルブS5を可変制御したことを中断し、ソレノ
イドバルブS2をオン状態からオフ状態にデューティ制御するようになる。
2速において作動していた第1摩擦要素96と第2摩擦要素68が続けて作動
する状態においてソレノイドバルブS2がオフ状態にデューティ制御されるので
、第2速クラッチバルブ64の第3および第4ポート166,168を通過した
液圧流体は増加し、さらに、バルブスプールV5を押しながら第3速クラッチバ
ルブの第1ポート186に供給される。
その結果、第1ポート186を通じて供給された液圧は、第2ポート188を
通過し第3摩擦要素76に供給され、そして管路78から分岐した管路に沿って
第4速バンドバルブ80の第3ポート214に供給される。
ソレノイドバルブS3は常時閉鎖形であるので、第4速バンドバルブ80の第
1ポート210に供給された液圧は遮断され、第4速バンドバルブ80のバルブ
スプールV6は弾性部材222により左側に押される。従って、第3ポート21
4を通過した液圧は第4ポート216を経由して第5摩擦要素90に供給されて
第5摩擦要素90を作動させる。“D”レンジ3速
2−3速においてデューティ制御されていたソレノイドバルブS2は完全にオ
フ状態に制御されて3速を維持し、ソレノイドバルブS5はライン圧を変化させ
始める。“D”レンジ3−4速
3速において車速がだんだん早くなるとトランスミッション制御ユニットは、
ソレノイドバルブS5を制御してライン圧を調節したことを中止し、ソレノイド
バルブS3をオフ状態からオン状態にデューティ制御して管路82に流れる液圧
を第4速バンドバルブ80の第1ポート210に供給する。
第1ポート210を通じて供給される液圧により作用される力はバルブスプー
ルV6を右側に変位させて第2ポート212を開放し、そして第2ポート212
を通じて供給された液圧は管路84を経由して第4摩擦要素86に供給される。
第1ポート210を通じて供給された液圧の作用によりバルブスプールV6が
右側に変位されると、第2ランド220が第3ポート214を遮断し、第5摩擦
要素90に供給されていた液圧が遮断され、そして4速が始まる。“D”レンジ4速
トランスミッション制御ユニットによりソレノイドバルブS3が完全にオン状
態に制御されて4速状態を維持し、そしてソレノイドバルブS5が可変制御され
始める。“N”レンジから“R”レンジに選択
シフトセレクタレバーが“R”レンジに移動されるとライン圧を制御するソレ
ノイドバルブS5がトランスミッション制御ユニットによりデューティ制御され
る。このようにして変化されたライン圧はマニュアルバルブ58および管路62
を経由して直接後進摩擦要素98に供給される。
後進圧管路62内の加圧された流体中の一部はリバースクラッチインヒビター
バルブ56の第1ポート148に供給される。これと同時に、ソレノイドバルブ
S4はオン状態からオフ状態にデューティ制御されて液圧検出室154内の液圧
を高めるようになるので、バルブスプールV3が左側に変位されて第1ポート1
48と第2ポート150が互いに連通される。
その結果、第1ポート148を通過した液圧は、第2ポート150および管路
100を通じて第6摩擦要素99に供給されてこの摩擦要素を作動させることに
より後進制御を行なうようになる。“D”レンジ3−1スキップ変速
3速において加速器ペダルを踏むことにより車速が急激に早くなるかあるいは
絞り弁の開度が急激に大きくなると、トランスミッション制御ユニットはソレノ
イドバルブS1およびS2をオフ状態からオン状態にデューティ制御させる。
第3速クラッチバルブ72の第1ポート186に供給された液圧が遮断される
ためバルブスプールV5はスプリング208の作用下において左側に動かれ、そ
して管路78を通じて第3摩擦要素76に供給されていた液圧は遮断される。
さらに、第2速クラッチバルブ64の第1ポート162に供給された液圧が遮
断されるためバルブスプールV4はスプリング184の作用下において左側に動
かれ、そして管路70を通じて第2摩擦要素68に供給されていた液圧は遮断さ
れて1速へのスキップ変速が完了する。
この変速中に変速ショックが発生できるが、このショックはパワートレーン(
図示省略)に一方向クラッチを提供することにより減少させることができる。“D”レンジ4−2スキップ変速
4速において車速が急激に早くなければならないし、このため加速器ペダルを
踏むことにより絞り弁の開度が急激に大きくなると、トランスミッション制御ユ
ニットはソレノイドバルブS2およびS3を順次にオフ状態からオン状態にデュ
ーティ制御させ、第3および第4摩擦要素76、86は作動が解除されて第2速
へのスキップ変速が行なわれる。
この変速中においてもさらに変速ショックが発生できるが、このショックはパ
ワートレーンを適切に設計することにより減少させることができる。
前方への走行中のシフトセレクタレバーを“R”レンジに動くことにより誤り
で後進モードが選択されると、トランスミッション制御ユニットは常時閉鎖形で
あるソレノイドバルブS4をオフ状態からオン状態に制御してリバースクラッチ
インヒビターバルブ56内の液圧を排出させるようになる。
このようにしてリバースクラッチインヒビターバルブ56の第3ポート152
を通じて供給される液圧の作用下でバルブスプールV3は右側に移動して後進モ
ードにおいて後進摩擦要素98に液圧を供給する第2ポート150を遮断するよ
うになるので、車両の後進が防止される。
図5ないし図7は5段自動変速機に適用された本発明の第2実施例を図解して
いる。
第2実施例の液圧制御システムの動力伝達効率制御部は第1実施例と同一であ
るが、ただし、第2実施例の変速制御部CCは、5速において作動する第7摩擦
要素に液圧を供給するためのオーバードライブユニットバルブ900、このバル
ブを制御するためのソレノイドバルブS7、およびこれらの間の液圧連結を有し
ているという点において、第1実施例の変速制御部と異なる。
以下に第2実施例について図5ないし図7を参照して説明するが、主に、図5
に示すような変速制御部CCについて説明する。
前方への走行中に誤りで後進モードが選択されたとき車両が誤作動することを
防止するリバースクラッチインヒビターバルブ56は、管路224を経由して後
進摩擦要素98と連通してこの要素に液圧を供給できる。
前記リバースクラッチインヒビターバルブ56、第2速クラッチバルブ64、
第3速クラッチバルブ72およびこれらの間の液圧管路の連結は図3と同一であ
る。第2速クラッチバルブ64は液圧が管路228を経由して前進レンジにおい
て変速段に関係なしに供給される第8ポート226を有している(図6参照)。
第3速クラッチバルブ72は、管路82が第4速バンドバルブ800に連結さ
れていることを除いては、第4ポート192に続いた管路82がソレノイドバル
ブS3と連結されるという点において第1実施例と同一である。
第2実施例の第4速バンドバルブ800は、ソレノイドバルブS3から液圧を
供給される第1ポート802、第1ポートから供給された液圧を“D”レンジ4
速において作動する第4摩擦要素86に供給するための第2ポート804、管路
82を経由して液圧を供給される第3ポート806、第3ポート806に供給さ
れた液圧をオーバードライブユニットバルブ900に供給するための第4ポート
808、“3”,“2”および“L”レンジにおいてマニュアルバルブ58から
管路230を経由して液圧を供給される第5ポート810、そして“3”,“2
”および“L”レンジにおいて第5摩擦要素90に液圧を供給するための第6ポ
ート812を有する。
ソレノイドバルブS7は第4速バンドバルブ800とオーバードライブユニッ
トバルブ900の間の液圧連結を選択的に遮断する。
前記オーバードライブユニットバルブ900のバルブスプールV7は、第3ポ
ート214が管路232を経由してマニュアルバルブ58に直接連結されている
ことを除いては、第1実施例の第4速バンドバルブ80と同一である。
前記オーバードライブユニットバルブ900の第4ポート216は1速,2速
,3速および4速において作動する第7摩擦要素902と連結しており、前記オ
ーバードライブユニットバルブ900の第2ポート212は5速においてのみ作
動する第8摩擦要素904と連結している。
第2実施例の液圧制御システムにおいての1速から4速の間の変速作動は第1
実施例と同一である。さらに、第2実施例の液圧制御システムにおいては4−5
速変速作動が可能である(図7)。
3速において車速がだんだん早くなるとオフ状態に制御していたソレノイドバ
ルブS7が高いデューティ率に応じてオン状態に制御され、第4速バンドバルブ
800からの液圧がオーバードライブユニットバルブ900に供給される。
前記オーバードライブユニットバルブ900の第1ポート210を通じて供給
される液圧は、バルブスプールV7を右側に押す作用をし、第2ポート212を
経由して第8摩擦要素904に供給される。従って、オーバードライブユニット
バルブ900の第3および第4ポート214,216が遮断され、マニュアルバ
ルブ58から第7摩擦要素902に供給されていた液圧は遮断される。
4−5速変速制御が行なわれる間にソレノイドバルブS7が高いデューティ率
に応じてオン状態に制御されると、5速変速制御が完了する。
第2実施例の液圧制御システムにおいては第1実施例とは異なり、5−2スキ
ップ変速が可能である。
“D”レンジ5速において車両の速度を急激に増加させなければならないし、
このため、加速器ペダルを踏むことにより絞り弁の開度が急激に増加するように
なるとトランスミッション制御ユニットは高いデューティ率のオン状態にあるソ
レノイドバルブS2,S7をオフ状態に制御しながら第5および第8摩擦要素8
6,904の作動を中断させ、第7摩擦要素902を作動させる。また、トラン
スミッション制御ユニットはオン状態のソレノイドバルブS2を低いデューティ
率から高いデューティ率に制御し、第3摩擦要素76の作動は中断されて2速へ
のスキップ変速が行なわれる。この変速中の変速衝撃はパワートレーンに一方向
クラッチを提供することにより減少させることができる。
さらに、“D”レンジにおいて5−3速スキップが可能である。“D”レンジ
5速において車両の速度が急激に増加されなければならないし、このため、5−
2速スキップ変速でのように加速器ペダルを踏むことにより絞り弁の開度が急激
に増加されるとトランスミッション制御ユニットはソレノイドバルブS3,S7
を高いデューティ率から低いデューティ率に制御し、第4および第8摩擦要素8
6および904の作動を中断し、第7摩擦要素902を作動させて5−3スキッ
プ変速を行なう。この変速期間に生ずる変速衝撃はパワートレインにワンウェー
クラッチを提供することにより、減少できる。
前述したように、この発明に従う液圧制御システムは、摩擦要素が互いに対し
独立に制御されるため応答性がよく構造が簡単である。また、変速制御部のバル
ブ数を最小化でき、前方への走行中に誤りで後進モードが選択されたとき車両が
誤作動することを防止する手段が設けられている。さらに、ライン圧を可変制御
することにより動力伝達効率が向上され、ギヤ変速により発生する変速衝撃がソ
レノイドバルブの制御により減少され、そして車両の速度を急速に高めなければ
ならない場合スキップ変速が可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP,US
【要約の続き】
スクラッチインヒビターバルブ(56)、および、シフ
トセレクタレバーにより作動されて後進圧管路あるいは
前進圧管路にライン圧を供給するマニュアルバルブ(3
4)が含まれる。