JP3429049B2 - 自動変速機の油圧制御回路 - Google Patents

自動変速機の油圧制御回路

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JP3429049B2
JP3429049B2 JP05339594A JP5339594A JP3429049B2 JP 3429049 B2 JP3429049 B2 JP 3429049B2 JP 05339594 A JP05339594 A JP 05339594A JP 5339594 A JP5339594 A JP 5339594A JP 3429049 B2 JP3429049 B2 JP 3429049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の油圧制御
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の油圧制御回路とし
て、例えば、特開昭62−88857号公報に記載のも
のが知られている。この公報記載の自動変速機の油圧制
御回路は、摩擦締結要素に締結圧を供給するための回路
であって、図15に概略を示すように、摩擦締結要素の
締結側01に作動油を供給する締結圧油路02と、この
締結圧油路02の途中に設けられた絞り要素03と、こ
の絞り要素03をバイパスするバイパス回路04と、こ
のバイパス回路04の途中に設けられてこのバイパス回
路04を開閉する切換バルブ05と、この切換バルブ0
5の切換作動を行うソレノイド06を有した構成となっ
ている。
【0003】そして、この油圧制御回路では、変速の初
期、すなわち、摩擦締結要素の締結側01への作動油供
給初期は、ソレノイド06を非駆動状態として切換バル
ブ05を閉じておき、締結圧油路02を用いて絞り要素
03を介して作動油を供給することで、締結圧の上昇が
緩やかになり、変速ショックを低減できる。また、その
直後にソレノイド06を駆動させて切換バルブ05を開
いて絞り要素03を介することなくバイパス回路04か
ら作動油を供給することで、無効油圧帯時間を大幅に短
縮して、中・高速でも摩擦締結要素が滑ることなく迅速
に締結を終了できる。なお、上述のような切り換えを本
明細書では供給側絞りバイパス制御ということにする。
【0004】ところで、自動変速機では、隣り合う変速
段間の変速の際に、第1の摩擦締結要素を締結させ、第
2の摩擦締結要素を解放させる、いわゆる掛け替え変速
を行うことがある。その場合、この掛け替えが確実に行
われるように、第1の摩擦締結要素の締結側に供給する
油圧と、第2の摩擦締結要素の解放側に供給する油圧と
を共通にする必要がある。つまり、これらの油圧の大き
さが異なると、締結に要する時間と解放に要する時間と
が異なって掛け替えのタイミングが狂うおそれがあるか
らである。したがって、掛け替え変速を行う油圧制御回
路では、図16に示すように、図15に示す回路構成
に、前記締結圧油路02と解放側07とを結ぶ解放圧油
路08を追加した構成となる。
【0005】また、従来、摩擦締結要素の解放側の油圧
を抜くのに要する時間を制御することも行われている。
すなわち、図17に示すように、解放側07の作動油の
給排を行う解放圧回路09の途中に絞り要素010が設
けられ、また、解放圧回路09には絞り要素010をバ
イパスするバイパス回路011が設けられ、このバイパ
ス回路011の途中にソレノイド012により作動する
切換バルブ013が設けられている。したがって、例え
ば、低車速のダウンシフトの場合は、エンジン回転の上
昇が短時間で終了するため、素早く解放油圧を抜く必要
があり、この場合には、ソレノイド012を駆動させて
切換バルブ013を開いて絞り要素010を介すること
なく解放油圧をバイパス回路011から短時間に抜くよ
うにし、一方、高車速でのダウンシフトでは、エンジン
回転の上昇に時間がかかるため、解放油圧を滑らかに抜
くようにすべく、ソレノイド012を非駆動状態として
切換バルブ013を閉じて解放油圧を絞り要素010を
通してゆっくり抜く。なおこのような切り換えを本明細
書では抜け側絞りバイパス制御という。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示す油圧制御回路では、切換バルブ05を開いた場合
に、第1の摩擦締結要素の締結の際の無効油圧帯時間は
短縮できるが、絞り要素03をバイパスしている間に第
2の摩擦締結要素の解放側07へも同時に油圧が供給さ
れ、締結側01の摩擦締結要素が容量を持ち始める前に
解放側油圧が増加して変速機が目標に反した状態となっ
て、エンジン回転数が必要以上に変化してしまうおそれ
があるという欠点がある。さらに、切換バルブ05を開
く供給側絞りバイパス制御を行った場合、実際の制御油
圧は瞬時に変化してしまうため、制御油圧の変化に応じ
てタイミングよくソレノイド06を駆動させることが非
常に難しい。
【0007】また、上述の図16に示す油圧制御回路の
欠点を補い、かつ、図17に示す抜け側絞りバイパス制
御を同時に行うためには、第1の摩擦締結要素の締結側
01に接続された締結圧油路02と第2の摩擦締結要素
の解放側07に接続された解放圧油路09のそれぞれ
に、バイパス回路04,011と切換バルブ05,01
3とそれを駆動させるソレノイド(アクチュエータ)0
6,012を設ける必要がある。したがって、切換バル
ブならびにソレノイド(アクチュエータ)がそれぞれ2
個づつ必要であるとともに、回路構成も複雑となってス
ペースが大きなものとなり、コスト・スペース・重量な
どの点で非常に不利であり、この点の改良が望まれてい
た。
【0008】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、供給側絞りバイパス制御と抜け側絞り
バイパス制御とを、コスト・スペース・重量に有利な手
段で行うことができる油圧制御回路を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明の自動変速機の油圧制御回路は、図1のクレ
ーム概念図に示すように、自動変速機の所定の変速段か
ら隣の変速段への変速の際に、シフトバルブ1の切り換
えにより、第1摩擦締結要素の締結側2と第2摩擦締結
要素の解放側3とに接続された給排路4を流体圧回路5
とドレーン回路6とに選択的に接続させて両摩擦締結要
素の掛け替えを行う自動変速機の油圧制御回路におい
て、前記給排路4には、前記シフトバルブ1に接続され
た1本の主路7と、この主路7から分岐されて締結側2
に接続された並列の第1分岐路8ならびに第2分岐路9
と、前記主路7から分岐されて前記解放側3と結ばれた
第3分岐路10とが設けられ、前記主路7には、各分岐
路8,9,10への分岐位置よりもシフトバルブ1側の
位置に、各分岐路8,9,10への流れのみを許しその
逆のシフトバルブ1への流れは規制する第1一方弁11
が設けられ、前記主路7の第1一方弁11よりもシフト
バルブ1側には、この位置と前記締結側2とを結び、途
中にシフトバルブ1への流れのみを許しその逆の締結側
2への流れは規制する第2一方弁12を有した排出路1
3が設けられ、前記第2分岐路9ならびに第3分岐路1
0には、アクチュエータ14により駆動されて第2分岐
路9を前記締結側2に接続させるとともに第3分岐路1
0を前記解放側3に接続させた第1ポジションと、第2
分岐路9を前記解放側3と接続させるとともに前記締結
側2と第3分岐路10の間を遮断した第2ポジション
(図2)とに切り換え可能に構成されたタイミングバル
ブ15が設けられ、前記第1分岐路8の途中には、第1
分岐路8の流量を絞る第1絞り要素16と、この第1絞
り要素16を迂回する第1バイパス回路17が並列に設
けられ、前記第1バイパス回路17には、主路7への流
れのみを許しその逆の締結側2への流れは規制する第3
一方弁18が設けられ、前記第3分岐路10においてタ
イミングバルブ15と主路7の間には、第3分岐路10
の流量を絞る第2絞り要素19と、この第2絞り要素1
9を迂回する第2バイパス回路20が並列に設けられ、
前記第2バイパス回路20の途中には、主路7への流れ
のみを許してその逆のタイミングバルブ15方向への流
れを規制する第4一方弁21が設けられている構成とし
た。
【0010】なお、図3に示すように、前記主路7にお
いて排出路13の接続位置よりもシフトバルブ1側の位
置に、主路7の流量を絞る第3絞り要素22と、この第
3絞り要素22を迂回する第3バイパス回路23を設
け、この第3バイパス回路12に、締結側2・解放側3
への流れを許しその逆のシフトバルブ1への流れは規制
する第5一方弁24を設けてもよい。
【0011】同じく図3に示すように、前記第3分岐路
10において前記第2絞り要素19よりも主路7側位置
にアキュムレータ25を接続してもよい。
【0012】また、ず3のように前記主路7から第2分
岐路9への分岐は、前記主路7から第3分岐路10への
分岐位置よりもシフトバルブ1側の位置で行い、両分岐
位置の間の主路7に、流量を絞る第4絞り要素26を設
けるとともに、この第4絞り要素26を迂回する第4バ
イパス回路27を設け、この第4バイパス回路27の途
中に、第3分岐路10への分岐位置方向への流れは許し
その逆の第2分岐路9への分岐位置方向への流れを規制
する第6一方弁28を設けてもよい。
【0013】また、図3のように、前記タイミングバル
ブ15は、第1ポジション切換方向に付勢するリターン
スプリング29を設けるとともに、前記アクチュエータ
14が第2ポジション切換方向に駆動力を与えるように
設け、前記タイミングバルブ15に対して、第2ポジシ
ョン切換方向に付勢すべく第2分岐路9の流体圧をフィ
ードバック圧として導くフィードバック回路30を設
け、前記シフトバルブ1は、前記主路7を流体圧回路5
に接続されている状態では、フィードバック回路を連通
させてフィードバック圧をタイミングバルブ15に導
き、前記主路7をドレーン回路6に接続した状態では、
フィードバック圧をドレーン回路にドレーンさせるよう
に構成してもよい。
【0014】また、図3のように、前記タイミングバル
ブ15に、締結側の流体圧の棚圧の開始をコントロール
するアキュムレータコントロール圧を第1ポジション切
換方向に付勢してもよい。
【0015】
【作用】以下、図1〜図3を参照しつつ作用について説
明する。
【0016】(流体圧供給時)締結側2と解放側3とに
流体圧を供給する場合を説明する。この場合、シフトバ
ルブ1は、図1に示すように給排路4と流体圧回路5を
接続させるポジションとするが、この時、タイミングバ
ルブ15が第1ポジションとなっているか第2ポジショ
ンとなっているかで動作が異なる。
【0017】タイミングバルブ15を第1ポジションと
している場合、流体圧は、締結側2へは、矢印a1で示
すように、給排路4の主路7から第1絞り要素16を有
した第1分岐路8を迂回して第2分岐路9を通りタイミ
ングバルブ15を経て供給される。この場合、途中に絞
り要素がないので、締結側2への供給は素早く行われ締
結圧の上昇速度が速い。一方、解放側3へは、流体圧
は、矢印a1で示すように、主路7から第3分岐路10
を通りタイミングバルブ15を経て供給される。この場
合、第2絞り要素19で絞られるので、締結側2に比べ
て流体圧の供給は緩やかになる。
【0018】それに対し、図2に示すようにタイミング
バルブ16を第2ポジションとしている場合、第2分岐
路9は解放側3に接続されるために、流体圧は、締結側
2へは、矢印a2で示すように、主路7から第1分岐路
8を経て供給される。この場合、第1絞り要素16で絞
られるため流体圧の上昇速度が緩やかになる。一方、解
放側3へは、流体圧は、矢印b2で示すように主路7か
ら第2分岐路9を通りタイミングバルブ15を経て供給
される。この場合、途中に絞り要素がないので流体圧の
供給は素早く行われる。
【0019】以上のように、タイミングバルブ15を第
2ポジションとしておけば、締結側2に第1絞り要素1
6を介して流体圧が供給され、第1ポジションに切り換
えれば第1絞り要素16を介在させずに素早く供給する
ことができる。すなわち、タイミングバルブ15の切り
換えにより図15あるいは図16に示す従来技術の供給
側絞りバイパス制御を行うことができる。
【0020】請求項2記載の油圧制御回路では、流体圧
供給時には、流体圧は主路7において第3絞り要素22
を迂回して第3バイパス回路23を通る。したがって、
請求項1記載のものと同様の動作となる。
【0021】請求項3記載の油圧制御回路では、流体圧
供給時に、アキュムレータ25に流体圧が供給されるこ
とで棚圧が形成されることになる。
【0022】請求項4記載の油圧制御回路では、タイミ
ングバルブ15を第1ポジションとした場合、解放側3
に供給される流体圧b1は第4絞り要素26と第2絞り
要素19とで直列に絞られ、一方、タイミングバルブ1
5を第2ポジションとした場合、締結側2に供給される
流体圧a2は第4絞り要素26と第1絞り要素16とで
直列に絞られる。
【0023】請求項5記載の油圧制御回路では、締結側
2の流体圧がフィードバック回路30を介してタイミン
グバルブ15を第2ポジション切換方向に付勢する(図
3中右方向)。したがって、タイミングバルブ15を第
1ポジションとして供給側絞りバイパス制御を行った場
合、締結側2に供給する流体圧a1が所定圧まで上昇し
たら、フィードバック圧によりタイミングバルブ15が
第2ポジションに切り換わり、締結側2に供給される流
体圧は上述したように第1絞り要素16(あるいはさら
に第4絞り要素26)で絞られて流体圧の供給速度が低
下する。このように、請求項5記載の油圧制御回路で
は、絞り要素を迂回するか迂回しないかの切り換え(供
給側絞りバイパス制御)が、締結側2へ供給される流体
圧に応じて自動的に行われる。
【0024】請求項6記載の油圧制御回路では、締結側
2の流体圧の棚圧の開始をコントロールするアキュムレ
ータコントロール圧がタイミングバルブ15に対しフィ
ードバック圧の付勢方向と対抗する向きに付勢されてい
る。したがって、棚圧の開始圧が高い場合には、タイミ
ングバルブ15を第2ポジションに切り換えるのに必要
なフィードバック圧も高くなり、逆に開始圧が低い場合
には、切り換えに必要なフィードバック圧も低くなり、
これにより、切換タイミングの精度向上が図れる。
【0025】(流体圧排出時)次に、締結側2と供給側
3から流体圧を排出する場合の動作を、タイミングバル
ブ15のポジション別に説明する。なお、この場合、シ
フトバルブ1は、給排路4をドレーン回路6と接続させ
るポジションに切り換える(図示省略)。
【0026】タイミングバルブ15を第1ポジションと
している場合には、締結側2の流体圧は、図1において
c1で示すように排出路13から主路7を通り、シフト
バル1ブからドレーン回路6に排出される。この場合、
途中に絞り要素がないので、排出が素早く行われる。一
方、解放側3の流体圧は、図1においてd1で示すよう
にタイミングバルブ15から途中第2絞り要素19を第
2バイパス回路20へ迂回しながら第3分岐路10を通
り、主路7は第1一方弁11によりシフトバルブ1への
流通が規制され、また、第1分岐路8には第1絞り要素
16が設けられていることから、抵抗の少ない第2分岐
路9へ回り、タイミングバルブ15から締結側2と同様
に排出路13を経て排出される。この場合も、途中で絞
り要素で絞られることがないので、排出が素早く成され
る。
【0027】次に、タイミングバルブ15を第2ポジシ
ョンとしている場合、締結側2の流体圧は第1ポジショ
ンと同様に排出路13を通って排出される(矢印c2参
照)が、解放側3の流体圧は、図2において矢印d2で
示すようにタイミングバルブ15から第2分岐路9に流
れ、そこから、第1分岐路8を通り排出路13から排出
される。この場合、第1絞り要素16で絞られるため、
排出速度が緩やかになる。
【0028】以上のように、タイミングバルブ15を第
1ポジションとした場合には、締結側2も解放側3も流
体圧が素早く排出され、一方、第2ポジションに切り換
えれば、解放側3の流体圧が第1絞り要素16を介して
排出されることになり、排出速度が緩やかになる。すな
わち、タイミングバルブ15の切り換えにより図17に
示す従来技術の抜け側絞りバイパス制御を行うことがで
きる。
【0029】請求項2記載の油圧制御回路では、流体圧
排出時には、締結側2・解放側3のいずれの流体圧も、
主路7において第3絞り要素22で絞られることにな
る。したがって、タイミングバルブ15を第1ポジショ
ンとした時の抜けの速度は第3絞り要素22の絞り量で
決定することができる。また、タイミングバルブ15を
第2ポジションとした時の解放側3の抜け速度は第1絞
り要素16ならびに第3絞り要素22の絞り量で決定す
ることができる。
【0030】請求項3記載の油圧制御回路では、アキュ
ムレータ25に貯留された流体圧は解放側3の流体圧と
同様の経路で排出される。
【0031】請求項4記載の油圧制御回路では、タイミ
ングバルブ15を第1ポジションとした場合、解放側3
から排出される流体圧は第3分岐路10から第4絞り要
素26を迂回して第4バイパス回路27を通って第2分
岐路9へ回って排出路13からドレーンされ、請求項1
記載の油圧制御回路と同様に絞られることはない。それ
に対し、タイミングバルブ15を第2ポジションとした
場合、解放側3の流体圧は、第2分岐路9から第4絞り
要素26を経て第1分岐路8へ流れる。したがって、第
4絞り要素26と第1絞り要素16とで直列に絞られ
る。
【0032】請求項5記載の油圧制御回路では、給排路
4とドレーン回路6と接続させる側にシフトバルブ1を
切り換えると、それまでタイミングバルブ15にフィー
ドバック圧を導いていたフィードバック回路30もドレ
ーン回路6に接続されることになって、タイミングバル
ブ15を第2ポジションに不勢していたフィードバック
圧がなくなる。したがって、タイミングバルブ15の切
り換えは、リターンスプリング29およびアクチュエー
タ14のみで決定され、アクチュエータ14を駆動させ
ていない状態ではタイミングバルブ15はリターンスプ
リング29の付勢力で第1ポジションに切り換えられ
る。この場合、請求項6記載の油圧制御回路も、同様
に、タイミングバルブ15の切り換えは、リターンスプ
リング29およびアクチュエータ14のみで決定される
ことになる。
【0033】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。
【0034】図4は、本発明の実施例の自動変速機の油
圧制御回路を適用した自動変速制御装置を示すシステム
図であって、図中ATは自動変速機を示している。この
自動変速機ATは、図5の骨組図に示すように、トルク
コンバータTCを介してエンジンEからトルク伝達され
る入力軸31と、図外のファイナルドライブ装置へ駆動
力を伝達する出力軸32と、第1遊星歯車33ならびに
第2遊星歯車34とを有し、さらに、これらの遊星歯車
33,34の回転要素を相互に結合させたり、ケース3
5に固定したりするために締結する摩擦締結要素とし
て、リバースクラッチC1,ハイクラッチC2,フォワ
ードクラッチC3,オーバーランクラッチC4,ローア
ンドリバースブレーキB1,バンドブレーキB2,ロー
ワンウエイクラッチOWC1,フォワードワンウエイク
ラッチOWC2を有している。そして、これらの摩擦締
結要素を図6に示すように締結あるいは解放させること
で、前進4速・後退1速の変速が得られる。
【0035】図6に示す摩擦締結要素の作動は、図2に
示す自動変速機ATの底部に設けられたコントロールバ
ルブCVによりコントロールされる。すなわち、コント
ロールバルブCV内には、第1シフトソレノイドA,第
2シフトソレノイドB,オーバーランクラッチソレノイ
ド41,ロックアップソレノイド42,ライン圧ソレノ
イド43,タイミングソレノイド44が設けられ、各シ
フトソレノイドA,BのON・OFFの切り換えを下記
表1のように組み合わせることで、前進4速が切り換え
られ、また、後退速は図外のセレクトレバーに連動する
マニュアルバルブ(コントロールバルブCV内に設けら
れている)の作動により形成される。そして、各摩擦締
結要素に供給される油圧(ライン圧)は、ライン圧ソレ
ノイド43の作動により調圧される。
【0036】
【表1】
【0037】上述の各ソレノイドA,B,41,42,
43,44の駆動は、A/Tコントロールユニット51
により制御される。すなわち、A/Tコントロールユニ
ット51は、走行状態を検出手段としてのアイドルスイ
ッチ52,フルスロットルスイッチ53,スロットルセ
ンサ54,エンジン回転数センサ55,インヒビタスイ
ッチ56,温度センサ57,車速センサ58,タービン
センサ59からの入力に基づいて各ソレノイドA,B,
41,42,43,44の駆動を制御するものである。
【0038】次に、前記コントロールバルブCV内に
は、本発明実施例の油圧制御回路が設けられている。こ
の回路構成を、図7により模式的に示す。
【0039】本実施例の油圧制御回路は、2速と3速の
間で掛け替えが成されるハイクラッチC2とバンドブレ
ーキB2を作動させるための油圧回路の適用されている
もので、すなわち、2速時には解放され3速時には締結
されるハイクラッチC2の締結側圧力室(以下、締結室
という)102と、逆に、2速時には締結され3速時に
は解放されるバンドブレーキB2のバンドサーボの3速
解放室(以下、解放室という)103とへの油圧供給お
よび油圧排出を行う部分に適用されている。
【0040】実施例の油圧制御回路は、基本的には前記
締結室102と解放室103とを、それぞれ、ライン圧
が供給されているライン圧回路105と、図外のオイル
タンクに連通されて大気圧となったドレーン回路106
とに選択的に接続するためのもので、前記締結室102
ならびに解放室103に結ばれた給排路104とライン
圧回路105ならびにドレーン回路106との間にシフ
トバルブ101が設けられている。このシフトバルブ1
01は、前記第2シフトソレノイドBにより作動される
もので、図示の第2シフトソレノイドBを励磁しない状
態では、リターンスプリング101aにより給排路10
4をライン圧回路105と連通させ(以下、この状態を
供給ポジションという)、第2シフトソレノイドBを励
磁させた状態(以下、この状態を抜けポジションとい
う)では、給排路104をドレーン回路106に連通さ
せる(図9,10参照)ように切り換わる。
【0041】前記給排路104は、シフトバルブ101
に接続された1本の主路107と、この主路107から
締結室102に向けて並行に分岐された第1分岐路10
8ならびに第2分岐路109と、解放室103に向けて
分岐された第3分岐路110とが設けられている。な
お、前記第2分岐路109が最もシフトバルブ101側
の位置(e)で分岐され、前記第1分岐路108と第3
分岐路110は、同じ位置(f)で分岐されている。ま
た、前記第1分岐路108の途中と前記主路107の位
置(e)よりもシフトバルブ101側の位置とは排出路
113で結ばれている。
【0042】そして、前記主路107において、前記排
出路113との接続位置と前記位置(e)と間に、位置
(e)への流れを許しシフトバルブ101への流れを規
制する第1一方弁111が設けられ、また、前記位置
(e)と位置(f)との間に流れを絞る第4オリフィス
126とこれを迂回する第4バイパス回路127とが並
列に設けられ、前記排出路113との接続位置とシフト
バルブ101の間の位置に、第3オリフィス122とこ
れを迂回する第3バイパス回路123とが並列に設けら
れている。なお、第3バイパス回路123の途中には、
第1一方弁111への流れを許しシフトバルブ101へ
の流れを規制する第5一方弁124が設けられ、また、
前記第4バイパス回路127の途中には前記位置(e)
方向への流れを許しその逆の前記位置(f)方向の流れ
を規制する第6一方弁128が設けられている。
【0043】また、前記第1分岐路108の途中には、
流れを絞る第1オリフィス116とこれを迂回する第1
バイパス回路117が並行して設けられ、この第1バイ
パス回路117には、前記主路107への流れを許しそ
の逆の締結室102への流れを規制する第3一方弁11
8が設けられている。
【0044】また、前記第3分岐路110の途中には、
流れを絞る第2オリフィス119とこれを迂回する第2
バイパス回路120とが並行に設けられ、この第2バイ
パス回路120の途中に主路107への流れを許しその
逆の解放室103への流れを規制する第4一方弁121
が設けられている。
【0045】また、前記排出路113の途中には、主路
107への流れは許しその逆の締結室102への流れを
規制する第2一方弁112が設けられている。
【0046】ところで、前記第2分岐路109ならびに
第3分岐路110の途中には、タイミングバルブ115
が設けられている。このタイミングバルブ115は、図
示のように第2分岐路109を締結室102に連通させ
るとともに第3分岐路110を解放室103に連通させ
た状態の第1ポジションと、図8に示すように解放室1
03を第2分岐路109に連通させるとともに締結室1
02と第3分岐路110の間を遮断した第2ポジション
とに切り換え可能に構成されている。そして、図中右側
で受けるリータンスプリング129ならびにアキューム
コントロール圧P/ACCUにより、前記第1ポジション側に
付勢される一方、図中左側に設けたタイミングソレノイ
ド114ならびにフィードバック回路130から受ける
フィードバック圧(矢印FP)により前記第2ポジション
側に付勢される。
【0047】なお、前記フィードバック回路130は、
図示のように、前記シフトバルブ101により前記第2
分岐路109とドレーン回路106とに選択的に連通可
能となっており、すなわち、前記シフトバルブ101が
図7に示す供給ポジションであるときフィードバック回
路130は第2分岐路109と連通され、一方、シフト
バルブ101が図9あるいは図10に示す抜けポジショ
ンであるときフィードバック回路130はドレーン回路
106に連通される。また、前記アキュムレータコント
ロール圧P/ACCUは、締結室102の棚開始圧をコントロ
ールするためのアキュムレータ125の背圧(本実施例
では、ライン圧P/L )と同様に変化する圧力である。
【0048】また、前記給排路104の前記第3分岐路
108は、前記第1オリフィス116ならびに第3一方
弁118よりも前記位置(f)側の位置でハイクラッチ
アキュームレータ125に接続されている。なお、前記
ハイクラッチアキュムレータ125は、給排路104側
の容積室とは反対側の受圧面は、給排路104側の容積
室よりも面積が小さく形成されて、ライン圧回路105
のライン圧を受圧するようになっている。
【0049】次に、実施例の動作を場合分けして説明す
る。 a)加速途中の2速から3速へのアップシフト時 2速から3速へアップシフトを行う場合、表1に示すよ
うに、第2シフトソレノイドBがONからOFFに切り
換わる。これにより、シフトバルブ101は、図7,図
8に示す供給ポジションとなり、ライン圧回路105か
ら給排路104の主路107へライン圧を供給する状態
となる。また、この時、タイミングソレノイド114は
駆動されておらず、タイミングバルブ115は図7に示
す第1ポジションとなっている。
【0050】したがって、シフトバルブ101から主路
107に供給されたライン圧(締結圧A1,解放圧R
1)は、第3オリフィス122を迂回して第3バイパス
回路123を通り、締結圧A1は、第2分岐路109を
通って(第3分岐路113への流れは第2一方弁112
で規制され、第1分岐路108への流れは第4オリフィ
ス126ならびに第1オリフィス116に絞られるため
流量が生じ難い)、タイミングバルブ115から締結室
102に供給される。また、解放圧R1は、第4オリフ
ィス126ならびに第2オリフィス119で絞られなが
ら第3分岐路110を通ってタイミングバルブ115か
ら解放室103に供給される。なお、この時、ハイクラ
ッチアキュムレータ125へは第4オリフィス126で
絞られながらライン圧が貯留され、その間棚圧が形成さ
れる。
【0051】図11はアップシフト時のタイムチャート
であって、上述の動作は図中gで示す範囲で行われるも
ので、上述のように締結室102に供給される締結圧A
1が途中で絞られることがないため、短時間で棚圧に達
し、一方、解放室103へ供給される解放圧R1は、第
4オリフィス126ならびに第2オリフィス119で絞
られて、図示のように立ち上がりが緩やかになるもの
で、すなわち、供給側絞りバイパス制御が行われる。な
お、前記第2オリフィス119は、この供給側絞りバイ
パス制御を行っている間に、解放室103に油を満たす
ことができる絞り量に設定されているものである。
【0052】その後、ハイクラッチアキュムレータ12
5の容量が一杯になって棚圧の形成が終了すると、再
び、締結圧A1ならびに解放圧R1が上昇し(図11の
タイムチャートh)するが(図11i)、締結圧A1が
所定の高さまで上昇したら、タイミングバルブ115が
フィードバック回路130から受けるフィードバック圧
FPが高まって図7において右方向に押されて図8に示す
第2ポジションに切り換わる(図11j)。
【0053】この切り換わりにより、解放室103が第
2分岐路109と連通されることになり、第2ポジショ
ンに切り換わる直前まで締結室102に供給されていた
第2分岐路109の流体圧が解放圧R2として解放室1
03に供給され、解放圧R2は一気に上昇してバンドブ
レーキB2は解放される。一方、第2ポジションにおけ
る締結圧A2は、主路107から第1分岐路108と通
って締結室102に供給されることになり、途中、第4
オリフィス126と第1オリフィス116とで絞られて
緩やかに供給され、ハイクラッチC2の締結ショックの
発生を防止できる。なお、前記第1オリフィス116
は、本来、後述する解放時の絞りを目的として設けられ
ており、その流量は、第4オリフィス126よりも大き
く設定されており、上述の棚圧は、本質的には、第4オ
リフィス126とハイクラッチアキュムレータ125に
より形成される。
【0054】このように、掛け替え変速時において、締
結圧(A1)は、供給初期には、オリフィスを通ること
なく速やかに供給されて棚圧を形成し、その間、解放圧
(R1)は、同じ元圧(ライン圧)が供給されて、フェ
イルセーフ上好ましい状態が得られるとともに、その供
給は、第4オリフィス126ならびに第2オリフィス1
19を介して緩やかに成されるため、ハイクラッチC2
がクラッチ容量を持つ前に解放圧(R1)が増加するこ
とがない。また、棚圧が形成された後に、締結圧(A
1)が所定値まで上昇したら、それに応じてタイミング
バルブ115が切り換わって、締結圧(A2)の上昇を
緩やかにするとともに解放圧(R2)は瞬時に高まる。
【0055】上述のようなタイミングバルブ115の切
り換えは(図11j)、締結圧(A2)のフィードバッ
ク圧FPによる付勢力とアキュムレータコントロール圧P/
ACCUおよびリターンスプリング129を合わせた付勢力
とのバランスに基づいて行われるもので、前記アキュム
レータコントロール圧P/ACCUは、締結圧(A2)の棚開
始圧をコントロールするためのアキュムレータ125の
背圧(本実施例ではライン圧P/L )と同様に変化するよ
うにコントロールされており、したがって、棚開始圧が
高い時にはアキュムレータコントロール圧P/ACCUも高く
なることで、タイミングバルブ115を切り換えるのに
必要なフィードバック圧FPも高くなり、逆に、棚開始圧
が低い時にはタイミングバルブ115を切り換えるのに
必要なフィードバック圧FPも低くなる。このように、本
実施例では、タイミングバルブ115の切換タイミング
を、フィードバック圧FPおよびアキュムレータコントロ
ール圧P/ACCUを用いて行っているため、電気的な制御に
比べて簡単な構成で高い精度を得ることができる。
【0056】b)足離しによるアップシフト時 アクセルから足を離してエンジントルクTQが低下した
のに対応して2速から3速へアップシフトを行う場合、
タイミングソレノイド114を駆動させてタイミングバ
ルブ115を第2ポジションに切り換える(図8)。
【0057】したがって、締結圧A2が、図8に示すよ
うに、第1分岐路108から締結室102に供給される
もので、この場合、第4オリフィス126ならびに第2
オリフィス119で絞られることで、図12に示すよう
に、締結圧の立ち上がりが非常に滑らかになる。
【0058】それに対し、解放圧R2は、主路107か
ら第2分岐路109を通ってタイミングバルブ115か
ら解放室103に供給され、途中絞られることがないた
め、変速と同時に急角度で立ち上がる。なお、この時タ
イミングバルブ115には、解放圧R2がフィードバッ
ク圧FPとして作用する。
【0059】このように、足離しでのアップシフト時に
は、エンジントルクTQが非常に小さい領域の変速であ
るため、締結圧(A2)を滑らかに発生させて変速ショ
ックの発生を防止している。
【0060】c)低速でのダウンシフト時 上述のa)b)で説明したように、3速にアップシフトを行
った後は、タイミングバルブ115には、フィードバッ
ク回路130からのフィードバック圧FPによる付勢力が
加わって図中右側に移動した第2ポジションに固定され
ている(図8参照)。
【0061】そこで、低速走行状態から図外のアクセル
を急に踏み込んで3速から2速へのダウンシフト指令が
成されると、第2シフトソレノイドBが駆動されてシフ
トバルブ101が図9に示すように解放ポジションに切
り換えられ、給排路104の主路107ならびにフィー
ドバック回路130をドレーン回路106に接続させ
る。なお、この時、タイミングソレノイド114は駆動
させない。よって、それまでタイミングバルブ115を
付勢したフィードバック圧FPがなくなって、タイミング
バルブ115は、リターンスプリング129の付勢力に
より第1ポジションに切り換えられ、図9に示す状態と
なる。
【0062】したがって、締結圧は、排出路113から
主路107に流れ、第3オリフィス122を経てドレー
ン回路106にドレーンされ(第1一方弁111により
第2分岐路109から主路107への流れは規制され
る)、図中A3で示す流れとなる。
【0063】一方、解放圧は、タイミングバルブ115
から第3分岐路110を通り、第2バイパス回路12
0,第4バイパス回路127を順に経て、第2分岐路1
09を通って、さらに、タイミングバルブ115から、
締結室102側へ至り、以後は上述の締結圧A3と同様
の経路でドレーンされ、この場合も主路107の第3オ
リフィスで絞られる。
【0064】この場合のタイムチャートを図13に示し
ており、図のように、低速のダウンシフトの場合は、エ
ンジントルクTQの上昇が短時間で終了するもので、こ
れに応じて、解放圧ならびに締結圧は、短時間でドレー
ンさせることができる。すなわち、解放側絞りバイパス
制御が行われる d)高速でのダウンシフト時 高速走行時に、上記c)と同様にアクセルを踏み込んで3
速から2速へのダウンシフト指令が成された場合、第2
シフトソレノイドBの駆動と同時にタイミングソレノイ
ド114も駆動させ、シフトバルブ101を解放ポジシ
ョンに切り換えるとともに、タイミングバルブ115を
第2ポジションに切り換えて、図10に示す状態とす
る。
【0065】この場合、解放圧は、上記c)とは異なり、
タイミングバルブ115から第2分岐路109を通っ
て、いったん主路107に入った後、第4オリフィス1
26を経て第1分岐路108を通り、さらに、第1オリ
フィス116を経て排出路113を通って、主路107
からドレーンされるもので、両オリフィス116,12
6により絞られることで、解放圧が長時間保持される。
【0066】すなわち、図14のタイムチャートに示す
ように、高速でダウンシフトを行った場合には、エンジ
ントルクTQの上昇に時間がかかるもので、このため、
タイミングソレノイド114を駆動させてタイミングバ
ルブ115を第2ポジションに切り換えることで、解放
圧を第4オリフィス126ならびに第1オリフィス11
6で絞りながらドレーンさせ、解放圧を緩やかに抜くよ
うにしている。
【0067】なお、この場合、締結圧は、上記c)と同様
にA3で示す経路でドレーンされ第3オリフィス122
のみで絞られるが、両オリフィス116,126により
保持される解放圧の影響により締結圧が保持される時間
も長くなる。
【0068】以上説明したように、本実施例の油圧制御
回路では、2速から3速へのアップシフトの際には、締
結圧の供給の際に、棚圧を形成するまでは第1オリフィ
ス116ならびに第4オリフィス126を迂回させて供
給を素早く行うバイパス制御を行い、このバイパス制御
を行った後、あるいは、足離しによるアップシフト時に
は、第1・第4オリフィス116,126を介して締結
圧を緩やかに供給するという供給側絞りバイパス制御を
行う第1の機能と、同じくアップシフト時に、棚圧形成
時には締結圧の供給に比べて解放圧の供給を緩やかに行
い、棚圧形成後に解放圧を即時に供給するという2−3
タイミングバルブの機能である第2の機能と、3速から
2速へのダウンシフトの際に、低速ダウンシフトでは解
放圧を第1・第4オリフィス116,126を通ること
なく短時間に抜き、高速ダウンシフト第1・第4オリフ
ィス116,126を通過させて緩やかに抜くようにす
るという解放側絞りバイパス制御を行う第3機能とを有
しており、これらの3つの機能を、シフトバルブ101
の他には、タイミングソレノイド114とタイミングバ
ルブ115の追加だけで達成することができる。したが
って、上記機能をコストダウン・省スペース・軽量化を
図ることができる手段で達成することができるという効
果が得られる。
【0069】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0070】例えば、実施例では、タイミングバルブ1
15をタイミングソレノイド114とリターンスプリン
グ129とにより2つのポジションに切り換わるように
構成したが、例えば、それぞれ逆の方向に駆動する2つ
のアクチュエータによりそれぞれ第1ポジション・第2
ポジションに切り換えるようにしてもよい。また、実施
例では、アクチュエータとしてのソレノイドで直接タイ
ミングバルブを作動させるものを示したが、アクチュエ
ータの駆動により発生する流体圧で作動させるようにし
てもよい。
【0071】また、実施例では、第1摩擦締結要素・第
2摩擦締結要素として、2速−3速間の掛け替え変速を
行うハイクラッチとバンドブレーキを示したが、これら
に限定されることはなく、要は、隣り合う変速段の変速
に際に、掛け替え変速が行われる摩擦締結要素であれば
適用できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の自動変
速機の油圧制御回路にあっては、締結圧の供給速度を切
り換える供給側絞りバイパス制御と、解放圧の排出速度
を切り換える解放側絞りバイパス制御との2つの機能
を、1つのバルブ(タイミングバルブ)とこれを駆動さ
せる1つのアクチュエータを有した油圧制御回路により
達成することができるため、従来に比べてバルブ数なら
びにアクチュエータ数を減らすことができるとともに、
バルブに接続する回路を削減でき、コストダウン・省ス
ペース・軽量化を図ることができるという効果が得られ
る。
【0073】さらに、請求項2記載の発明にあっては、
主路の途中に第3絞り要素とこれを迂回する第3バイパ
ス回路とを設け、さらに、第3バイパス回路に排出方向
の流れのみを許す第5一方弁を設けた構成としたため、
供給側絞りバイパス制御の際には、全く絞り要素を介さ
ずに締結側に締結圧を素早く供給でき、一方、抜け側絞
りバイパス制御の際には、締結圧と解放圧の両方を第3
絞り要素で絞りながら排出させることができるもので、
第3絞り要素の絞り量に基づいて排出速度を供給速度と
独立して設定することができる。
【0074】請求項3記載の発明では、アキュムレータ
を設けたため、締結圧ならびに解放圧の供給時に棚圧が
形成され、変速ショックを緩和することができる。
【0075】請求項4記載の発明では、供給側絞りバイ
パス制御時に供給される解放圧と、非供給側絞りバイパ
ス制御時に供給される締結圧と、非抜け側絞りバイパス
制御時に排出される解放圧とが共通して第4絞り要素で
絞られた後、第1絞り要素あるいは第2絞り要素で絞ら
れることになるため、各絞り要素の絞り量の設定が容易
となるとともに、絞り量誤差が少なくなる。
【0076】請求項5記載の発明にあっては、タイミン
グバルブにフィードバック回路を介してフィードバック
圧で付勢する構成としたため、供給側絞りバイパス制御
により締結側に急速に締結圧を供給している際、締結圧
の上昇に伴って自動的にタイミングバルブが切り換わっ
て、締結圧の供給速度が緩められるもので、この切り換
わりタイミングを簡単な構成により正確に設定すること
ができるという効果が得られる。
【0077】請求項6記載の発明にあっては、タイミン
グバルブに対し、フィードバック圧の付勢方向とは逆向
きにアキュムレータコントロール圧により付勢するよう
にしたため、タイミングバルブを切り換えるのに必要な
フィードバック圧を締結圧の棚開始圧に対応させて切換
タイミングの精度をいっそう向上させることができると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1記載の自動変速機の油圧制御回
路の構成を示す模式図である。
【図2】本発明請求項1記載の自動変速機の油圧制御回
路の動作を示す模式図である。
【図3】本発明請求項2以降記載の自動変速機の油圧制
御回路の構成を示す模式図である。
【図4】本発明実施例の油圧制御回路を適用した自動変
速機の変速制御装置を示すシステム図である。
【図5】本発明実施例の油圧制御回路を適用した自動変
速機の骨組図である。
【図6】本発明実施例の油圧制御回路を適用した自動変
速機の摩擦締結要素の作動説明図である。
【図7】実施例油圧制御回路の構成を示す模式図であ
る。
【図8】実施例油圧制御回路の作動を説明する模式図で
ある。
【図9】実施例油圧制御回路の作動を説明する模式図で
ある。
【図10】実施例油圧制御回路の作動を説明する模式図
である。
【図11】実施例油圧制御回路のアップシフト時のタイ
ムチャートである。
【図12】実施例油圧制御回路の足離しアップシフト時
のタイムチャートである。
【図13】実施例油圧制御回路の低速時の即踏みによる
ダウンシフト時のタイムチャートである。
【図14】実施例油圧制御回路の高速時の即踏みによる
ダウンシフト時のタイムチャートである。
【図15】従来技術を示す油圧回路図である。
【図16】従来技術を示す油圧回路図である。
【図17】従来技術を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
1 シフトバルブ 2 締結側 3 解放側 4 給排路 5 流体圧回路 6 ドレーン回路 7 主路 8 第1分岐路 9 第2分岐路 10 第3分岐路 11 第1一方弁 12 第2一方弁 13 排出路 14 アクチュエータ 15 タイミングバルブ 16 第1絞り要素 17 第1バイパス回路 18 第3一方弁 19 第2絞り要素 20 第2バイパス回路 21 第4一方弁 22 第3絞り要素 23 第3バイパス回路 24 第5一方弁 25 アキュムレータ 26 第4絞り要素 27 第4バイパス回路 28 第6一方弁 29 リターンスプリング 30 フィードバック回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の所定の変速段から隣の変速
    段への変速の際に、シフトバルブの切り換えにより、第
    1摩擦締結要素の締結側と第2摩擦締結要素の解放側と
    に接続された給排路を流体圧回路とドレーン回路とに選
    択的に接続させて両摩擦締結要素の掛け替えを行う自動
    変速機の油圧制御回路において、 前記給排路には、前記シフトバルブに接続された1本の
    主路と、この主路から分岐されて締結側に接続された並
    列の第1分岐路ならびに第2分岐路と、前記主路から分
    岐されて前記解放側と結ばれた第3分岐路とが設けら
    れ、 前記主路には、各分岐路への分岐位置よりもシフトバル
    ブ側の位置に、各分岐路への流れのみを許しその逆のシ
    フトバルブへの流れは規制する第1一方弁が設けられ、 前記主路の第1一方弁よりもシフトバルブ側には、この
    位置と前記締結側とを結び、途中にシフトバルブへの流
    れのみを許しその逆の締結側への流れは規制する第2一
    方弁を有した排出路が設けられ、 前記第2分岐路ならびに第3分岐路には、アクチュエー
    タにより駆動されて第2分岐路を前記締結側に接続させ
    るとともに第3分岐路を前記解放側に接続させた第1ポ
    ジションと、第2分岐路を前記解放側と接続させるとと
    もに前記締結側と第3分岐路の間を遮断した第2ポジシ
    ョンとに切り換え可能に構成されたタイミングバルブが
    設けられ、 前記第1分岐路の途中には、第1分岐路の流量を絞る第
    1絞り要素と、この第1絞り要素を迂回する第1バイパ
    ス回路が並列に設けられ、 前記第1バイパス回路には、主路への流れのみを許しそ
    の逆の締結側への流れは規制する第3一方弁が設けら
    れ、 前記第3分岐路においてタイミングバルブと主路の間に
    は、第3分岐路の流量を絞る第2絞り要素と、この第2
    絞り要素を迂回する第2バイパス回路が並列に設けら
    れ、 前記第2バイパス回路の途中には、主路への流れのみを
    許してその逆のタイミングバルブ方向への流れを規制す
    る第4一方弁が設けられていることを特徴とする自動変
    速機の油圧制御回路。
  2. 【請求項2】 前記主路において排出路の接続位置より
    もシフトバルブ側の位置に、主路の流量を絞る第3絞り
    要素と、この第3絞り要素を迂回する第3バイパス回路
    が設けられ、 この第3バイパス回路に、締結側・解放側への流れを許
    しその逆のシフトバルブへの流れは規制する第5一方弁
    が設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動
    変速機の油圧制御回路。
  3. 【請求項3】 前記第3分岐路の前記第2絞り要素より
    も主路側位置がアキュムレータに接続されていることを
    特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制
    御回路。
  4. 【請求項4】 前記主路から第2分岐路への分岐は、前
    記主路から第3分岐路への分岐位置よりもシフトバルブ
    側の位置で行われ、 前記両分岐位置の間の主路に、流量を絞る第4絞り要素
    が設けられているとともに、この第4絞り要素を迂回す
    る第4バイパス回路が設けられ、 この第4バイパス回路の途中に、第3分岐路への分岐位
    置方向への流れは許しその逆の第2分岐路への分岐位置
    方向への流れを規制する第6一方弁が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1ないし3記載の自動変速機の油
    圧制御回路。
  5. 【請求項5】 前記タイミングバルブは、第1ポジショ
    ン切換方向に付勢するリターンスプリングが設けられて
    いるとともに、前記アクチュエータが第2ポジション切
    換方向に駆動力を与えるように設けられ、 前記タイミングバルブに対して、第2ポジション切換方
    向に付勢すべく第2分岐路の流体圧をフィードバック圧
    として導くフィードバック回路が設けられ、 前記シフトバルブは、前記主路を流体圧回路に接続され
    ている状態では、フィードバック回路を連通させてフィ
    ードバック圧をタイミングバルブに導き、前記主路をド
    レーン回路に接続した状態では、フィードバック圧をド
    レーン回路にドレーンさせるように構成されていること
    を特徴とする請求項1ないし4記載の自動変速機の油圧
    制御回路。
  6. 【請求項6】 前記タイミングバルブには、締結側の流
    体圧の棚圧の開始をコントロールするアキュムレータコ
    ントロール圧が第1ポジション切換方向に付勢されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の自動変速機の油圧制
    御回路。
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