JPH0848931A - 焼成色鉛筆芯及びその製造方法 - Google Patents
焼成色鉛筆芯及びその製造方法Info
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- JPH0848931A JPH0848931A JP6184611A JP18461194A JPH0848931A JP H0848931 A JPH0848931 A JP H0848931A JP 6184611 A JP6184611 A JP 6184611A JP 18461194 A JP18461194 A JP 18461194A JP H0848931 A JPH0848931 A JP H0848931A
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- B43K—IMPLEMENTS FOR WRITING OR DRAWING
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- B43K19/18—Making pencil writing-cores
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 十分な発色性、描線濃度をもちながら、機械
的強度、即ち、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れ
た、焼成芯体にインクを含浸した焼成色鉛筆芯及びその
製造方法を提供する。 【構成】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配
合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成する
ことにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物をバ
インダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体
を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除
去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を形成
し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシラザ
ン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又は
アンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生
成させた第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯体の気孔
内にインクを充填させてなる焼成色鉛筆芯。
的強度、即ち、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れ
た、焼成芯体にインクを含浸した焼成色鉛筆芯及びその
製造方法を提供する。 【構成】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配
合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成する
ことにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物をバ
インダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体
を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除
去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を形成
し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシラザ
ン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又は
アンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生
成させた第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯体の気孔
内にインクを充填させてなる焼成色鉛筆芯。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、十分な発色性、描線濃
度をもちながら、機械的強度、即ち、曲げ強度、引張強
度、衝撃強度等に優れた、焼成芯体にインクを含浸した
焼成色鉛筆芯及びその製造方法に関する。
度をもちながら、機械的強度、即ち、曲げ強度、引張強
度、衝撃強度等に優れた、焼成芯体にインクを含浸した
焼成色鉛筆芯及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の焼成色鉛筆芯は、結合材として一
種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに窒化
硼素等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応
促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練
物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成芯体と
し、この芯体の気孔中に染料および顔料から成るインク
等を充填させて製造していた。この時、色鉛筆芯の重要
特性としては、機械的強度が強く、発色性が良く、筆記
描線の濃度が濃いものが要求されている。
種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに窒化
硼素等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応
促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練
物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成芯体と
し、この芯体の気孔中に染料および顔料から成るインク
等を充填させて製造していた。この時、色鉛筆芯の重要
特性としては、機械的強度が強く、発色性が良く、筆記
描線の濃度が濃いものが要求されている。
【0003】ところが、従来の焼成色鉛筆芯は、機械的
強度が充分でなく、濃度および発色性においても充分な
ものが得られていない。そこで、上記の要求を達成する
ためには、充分な機械的強度を保持しつつ、気孔率を増
加させることにより芯体に充填されるインク量を多くす
る必要がある。
強度が充分でなく、濃度および発色性においても充分な
ものが得られていない。そこで、上記の要求を達成する
ためには、充分な機械的強度を保持しつつ、気孔率を増
加させることにより芯体に充填されるインク量を多くす
る必要がある。
【0004】焼成色鉛筆芯の気孔率を増加させる方法と
しては、例えば、体質材および結合材に賦形材である樹
脂を添加し、焼成中にこの樹脂を昇華あるいは酸化雰囲
気により燃焼させて多孔質化する方法(特公昭64−4
555号公報、特公昭51−41376号公報参照)、
または、気孔形成材として炭素粒状物質を使用し、これ
を酸化雰囲気により燃焼させて多孔質化する方法(特開
昭61−275370号公報参照)、並びに、気孔形成
材として繊維状物質を使用し、これを酸化雰囲気により
燃焼、もしくは温度により昇華、溶融させて多孔質化す
る方法(特開平5−302054号公報参照)等が提案
されている。
しては、例えば、体質材および結合材に賦形材である樹
脂を添加し、焼成中にこの樹脂を昇華あるいは酸化雰囲
気により燃焼させて多孔質化する方法(特公昭64−4
555号公報、特公昭51−41376号公報参照)、
または、気孔形成材として炭素粒状物質を使用し、これ
を酸化雰囲気により燃焼させて多孔質化する方法(特開
昭61−275370号公報参照)、並びに、気孔形成
材として繊維状物質を使用し、これを酸化雰囲気により
燃焼、もしくは温度により昇華、溶融させて多孔質化す
る方法(特開平5−302054号公報参照)等が提案
されている。
【0005】しかしながら、従来結合材として用いられ
ている粘土等による焼成芯体は、窒化硼素等の体質材と
粘土等の結合材の焼結力が弱く、粘土等自身の強度も低
いため、得られる焼成色鉛筆芯は実用強度に達していな
いのが現状である。また、粘土は不純物を含んでいるた
め、焼成芯体は一般に有色となり、描線の発色性に悪影
響を与える点に課題があり、特に、淡色系の描線のくす
んだ色の原因となっている。
ている粘土等による焼成芯体は、窒化硼素等の体質材と
粘土等の結合材の焼結力が弱く、粘土等自身の強度も低
いため、得られる焼成色鉛筆芯は実用強度に達していな
いのが現状である。また、粘土は不純物を含んでいるた
め、焼成芯体は一般に有色となり、描線の発色性に悪影
響を与える点に課題があり、特に、淡色系の描線のくす
んだ色の原因となっている。
【0006】そこで、粘土等に代わる、高強度で白色の
多孔質芯体としてアルミニウムの窒化物を用いる方法
(特開昭59−117570号公報参照)、または、珪
素の窒化物を用いる方法(特開昭59−117569号
公報参照)等が提案されている。しかしながら、上記前
者のアルミニウム、アルミニウム化合物を用いる場合
は、結合材に最適な2μm以下の微粉末は得られにく
く、粒径が大きいと書き味に支障をきたす点に課題があ
る。
多孔質芯体としてアルミニウムの窒化物を用いる方法
(特開昭59−117570号公報参照)、または、珪
素の窒化物を用いる方法(特開昭59−117569号
公報参照)等が提案されている。しかしながら、上記前
者のアルミニウム、アルミニウム化合物を用いる場合
は、結合材に最適な2μm以下の微粉末は得られにく
く、粒径が大きいと書き味に支障をきたす点に課題があ
る。
【0007】また、上記後者の場合における窒化珪素
は、強い強度を有し、結合材として非常に有用である。
この窒化珪素を結合材とする多孔質芯体の製造方法とし
ては、 窒化珪素粉末を体質材等とともに混練、成形し、窒
素雰囲気中で加圧焼成する方法、 珪素粉末を体質材等とともに混練、成形し、窒素雰
囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で焼成、窒化する方
法、等が知られている。
は、強い強度を有し、結合材として非常に有用である。
この窒化珪素を結合材とする多孔質芯体の製造方法とし
ては、 窒化珪素粉末を体質材等とともに混練、成形し、窒
素雰囲気中で加圧焼成する方法、 珪素粉末を体質材等とともに混練、成形し、窒素雰
囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で焼成、窒化する方
法、等が知られている。
【0008】しかしながら、上記の方法では、窒化珪
素の焼結しにくさから加圧しても色鉛筆芯として高強度
のものを得るのは難しい点に課題がある。また、上記
の方法では、結合材に最適な1μm以下の珪素粉末は自
然酸化しやすく、酸化珪素粉末となってしまい、酸化防
止のため多大な留意をはらう必要がある。これは、酸化
珪素は炭化物が共存すると窒素雰囲気中で1200〜1
300℃で焼成すると窒化されて気相成長し、窒化珪素
ウイスカー等になるからである。更に、珪素粉末の粒径
が大きいと書き味に支障をきたす点に課題がある。
素の焼結しにくさから加圧しても色鉛筆芯として高強度
のものを得るのは難しい点に課題がある。また、上記
の方法では、結合材に最適な1μm以下の珪素粉末は自
然酸化しやすく、酸化珪素粉末となってしまい、酸化防
止のため多大な留意をはらう必要がある。これは、酸化
珪素は炭化物が共存すると窒素雰囲気中で1200〜1
300℃で焼成すると窒化されて気相成長し、窒化珪素
ウイスカー等になるからである。更に、珪素粉末の粒径
が大きいと書き味に支障をきたす点に課題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の課題、特に、上記従来の多孔質芯体として珪
素の窒化物を用いる場合の課題等を解決することであ
り、格段に優れた機械的強度、優れた発色性、並びに、
滑らかな書き味を有する焼成色鉛筆芯及びその製造方法
を提供することにある。
従来技術の課題、特に、上記従来の多孔質芯体として珪
素の窒化物を用いる場合の課題等を解決することであ
り、格段に優れた機械的強度、優れた発色性、並びに、
滑らかな書き味を有する焼成色鉛筆芯及びその製造方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、少なくとも体質
材からなる特定の焼成多孔質芯体の気孔内にペルヒドロ
ポリシラザン含有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活
性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理によ
り結合材として窒化珪素を生成させることによって解決
し得ることを見いだし本発明を完成するに至ったのであ
る。すなわち、
解決するために鋭意研究を行った結果、少なくとも体質
材からなる特定の焼成多孔質芯体の気孔内にペルヒドロ
ポリシラザン含有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活
性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理によ
り結合材として窒化珪素を生成させることによって解決
し得ることを見いだし本発明を完成するに至ったのであ
る。すなわち、
【0011】本発明の焼成色鉛筆芯は、少なくとも体質
材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混練、押出成
形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、該有機質の
賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成
芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱し
て炭化物のバインダーを酸化除去させた少なくとも体質
材からなる第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気
孔内に、ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素
雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中
での熱処理により窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を
形成し、該第3焼成芯体の気孔内にインクを充填させて
なることを特徴とする。前記ペルヒドロポリシラザン含
有液を含浸する第2焼成芯体の気孔率は、30〜80%
であることが好ましい。また、本発明の焼成色鉛筆芯の
製造方法は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む
配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成し
て第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で
加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させて第2焼成
芯体を得、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリ
シラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気
中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪
素を生成させた第3焼成芯体を得、更に該第3焼成芯体
の気孔内にインクを充填させてなることを特徴とする。
なお、本発明で規定する「窒素雰囲気等の不活性雰囲気
中」とは、窒素ガス雰囲気中、または、アルゴンガス雰
囲気中等の不活性ガス雰囲気中」をいう。
材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混練、押出成
形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、該有機質の
賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成
芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱し
て炭化物のバインダーを酸化除去させた少なくとも体質
材からなる第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気
孔内に、ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素
雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中
での熱処理により窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を
形成し、該第3焼成芯体の気孔内にインクを充填させて
なることを特徴とする。前記ペルヒドロポリシラザン含
有液を含浸する第2焼成芯体の気孔率は、30〜80%
であることが好ましい。また、本発明の焼成色鉛筆芯の
製造方法は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む
配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成し
て第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で
加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させて第2焼成
芯体を得、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリ
シラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気
中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪
素を生成させた第3焼成芯体を得、更に該第3焼成芯体
の気孔内にインクを充填させてなることを特徴とする。
なお、本発明で規定する「窒素雰囲気等の不活性雰囲気
中」とは、窒素ガス雰囲気中、または、アルゴンガス雰
囲気中等の不活性ガス雰囲気中」をいう。
【0012】
【作用】本発明の焼成色鉛筆芯及びその製造方法では、
下記(1)〜(4)の作用を有する。 (1) 第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバ
インダーを酸化除去させることにより形成される第2焼
成芯体は、多数の気孔を備えた多孔質芯体となり、該多
数の気孔が存在する第2焼成芯体に、ペルヒドロポリシ
ラザン含有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理することによ
り、第2焼成芯体に結合材として窒化珪素を生成させる
ことができるので、該焼成芯体の機械的強度は向上する
こととなる。 (2) 第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバ
インダーを酸化除去させることにより形成される第2焼
成芯体は、気孔が微細で充分に存在し、且つ均一に分散
していて、しかも、体質材が高配向しているため、高強
度の窒化珪素を第2焼成芯体中に少量生成させることに
より、濃い描線濃度を得るのに必要なインクを充填する
気孔を保持したまま第3焼成芯体の高強度化を可能とす
る。
下記(1)〜(4)の作用を有する。 (1) 第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバ
インダーを酸化除去させることにより形成される第2焼
成芯体は、多数の気孔を備えた多孔質芯体となり、該多
数の気孔が存在する第2焼成芯体に、ペルヒドロポリシ
ラザン含有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理することによ
り、第2焼成芯体に結合材として窒化珪素を生成させる
ことができるので、該焼成芯体の機械的強度は向上する
こととなる。 (2) 第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバ
インダーを酸化除去させることにより形成される第2焼
成芯体は、気孔が微細で充分に存在し、且つ均一に分散
していて、しかも、体質材が高配向しているため、高強
度の窒化珪素を第2焼成芯体中に少量生成させることに
より、濃い描線濃度を得るのに必要なインクを充填する
気孔を保持したまま第3焼成芯体の高強度化を可能とす
る。
【0013】(3) ペルヒドロポリシラザン含有液を用い
ることにより無色、透明の窒化珪素が得られるため、第
3焼成芯体は、白色の体質材を選択すると白色となり、
焼成色鉛筆芯の描線の色相に悪影響を与えないこととな
る。 (4) 第3焼成芯体中に結合材としての窒化珪素が微細且
つ均一に分散して存在することにより、高配向した体質
材が筆記時に均一に崩れるため、書き味は、結合材に粘
土等を用いた従来の焼成色鉛筆芯と比較しても同等以上
となる。
ることにより無色、透明の窒化珪素が得られるため、第
3焼成芯体は、白色の体質材を選択すると白色となり、
焼成色鉛筆芯の描線の色相に悪影響を与えないこととな
る。 (4) 第3焼成芯体中に結合材としての窒化珪素が微細且
つ均一に分散して存在することにより、高配向した体質
材が筆記時に均一に崩れるため、書き味は、結合材に粘
土等を用いた従来の焼成色鉛筆芯と比較しても同等以上
となる。
【0014】以下に、本発明の内容を説明する。本発明
の焼成色鉛筆芯は、少なくとも体質材と有機質の賦形材
を含む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で
焼成することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭
化物をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1
焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダー
を酸化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯
体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポ
リシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化
珪素を生成させた第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯
体の気孔内にインクを充填させてなるものである。ま
た、本発明の焼成色鉛筆芯の製造は、順次第1焼成芯
体、第2焼成芯体、第3焼成芯体を得た後、該第3焼成
芯体の気孔内にインクを充填することにより行われる。
の焼成色鉛筆芯は、少なくとも体質材と有機質の賦形材
を含む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で
焼成することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭
化物をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1
焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダー
を酸化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯
体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポ
リシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化
珪素を生成させた第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯
体の気孔内にインクを充填させてなるものである。ま
た、本発明の焼成色鉛筆芯の製造は、順次第1焼成芯
体、第2焼成芯体、第3焼成芯体を得た後、該第3焼成
芯体の気孔内にインクを充填することにより行われる。
【0015】本発明において、先ず第1焼成芯体は、少
なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を原
料とする。体質材としては、従来焼成型の色鉛筆芯に使
用されているものであれば、特に限定されるものではな
く、いずれも使用可能である。例えば、酸化チタン、雲
母、タルク、窒化硼素、シリカ、アルミナ、炭酸カルシ
ウム等の白色系の体質材や、色相によっては二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステン等の有色系の体質材も使用
することができ、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。また、必要に応じて耐熱性顔料を配合してもよい。
なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を原
料とする。体質材としては、従来焼成型の色鉛筆芯に使
用されているものであれば、特に限定されるものではな
く、いずれも使用可能である。例えば、酸化チタン、雲
母、タルク、窒化硼素、シリカ、アルミナ、炭酸カルシ
ウム等の白色系の体質材や、色相によっては二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステン等の有色系の体質材も使用
することができ、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。また、必要に応じて耐熱性顔料を配合してもよい。
【0016】また、有機質の賦形材としては、例えば、
塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、ポリビニルア
ルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグニン、セ
ルロース、トラガントガムなどの天然高分子物質、石油
アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分解ピッ
チ、合成樹脂などの乾留ピッチなどのピッチ類等いずれ
も使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。
塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、ポリビニルア
ルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグニン、セ
ルロース、トラガントガムなどの天然高分子物質、石油
アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分解ピッ
チ、合成樹脂などの乾留ピッチなどのピッチ類等いずれ
も使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。
【0017】さらに、高せん断力を加えて行う混練時の
特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオク
チルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DB
P)、リン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオ
クチル(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑
剤又は溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて配合し
ても良い。
特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオク
チルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DB
P)、リン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオ
クチル(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑
剤又は溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて配合し
ても良い。
【0018】これらの配合組成物をヘンシェルミキサ
ー、加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押
出成形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰
囲気中又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中等の
非酸化性雰囲気中で焼成することにより有機質の賦形材
が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体が
得られる。得られた第1焼成芯体は、焼成で発生した気
孔と炭化物のバインダーが微細で充分に存在し、且つ均
一に分散していて、体質材が高配向している芯体であ
る。
ー、加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押
出成形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰
囲気中又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中等の
非酸化性雰囲気中で焼成することにより有機質の賦形材
が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体が
得られる。得られた第1焼成芯体は、焼成で発生した気
孔と炭化物のバインダーが微細で充分に存在し、且つ均
一に分散していて、体質材が高配向している芯体であ
る。
【0019】なお、第2焼成芯体の強度をあげ、取り扱
い性を向上させるために、必要に応じて、第1焼成芯体
を得る配合組成物中に粘土、例えば、ベントナイト、カ
オリン等の無機質の結合材を配合することもでき、その
配合量は25重量%未満に抑えたほうが後述する窒化珪
素による強度を発現しやすい。また、必要に応じて、上
記で得られた第1焼成芯体にペルヒドロポリシラザン含
有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又は
アンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生
成させた焼成芯体であってもよい。
い性を向上させるために、必要に応じて、第1焼成芯体
を得る配合組成物中に粘土、例えば、ベントナイト、カ
オリン等の無機質の結合材を配合することもでき、その
配合量は25重量%未満に抑えたほうが後述する窒化珪
素による強度を発現しやすい。また、必要に応じて、上
記で得られた第1焼成芯体にペルヒドロポリシラザン含
有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又は
アンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生
成させた焼成芯体であってもよい。
【0020】上記で得られた第1焼成芯体を酸化雰囲気
中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させること
により多数の気孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼成
芯体が得られる。ここで、第2焼成芯体の気孔は、体質
材と有機質の賦形材等とからなる混練物を、非酸化性雰
囲気で焼成することによって得られる気孔と、前記炭化
物のバインダーを除去することにより得られる気孔の両
者から構成されている。第2焼成芯体の気孔率の調整
は、主に有機質の賦形材の配合割合を調整することによ
り行われるものであるが、他に炭素粒状物質等の気孔形
成材を適宜添加してもかまわない。なお、全気孔に対す
る炭化物のバインダーの除去による気孔の量は全く任意
である。得られた第2焼成芯体は、上述の如く、多数の
気孔を備えた多孔質芯体であり、該気孔は、微細で充分
に存在し、且つ均一に分散していて、体質材が高配向し
ている芯体である。これにより、第1焼成芯体より得ら
れる第2焼成芯体は、目的とする高強度の焼成色鉛筆芯
体を得るのに有用なものとなる。
中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させること
により多数の気孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼成
芯体が得られる。ここで、第2焼成芯体の気孔は、体質
材と有機質の賦形材等とからなる混練物を、非酸化性雰
囲気で焼成することによって得られる気孔と、前記炭化
物のバインダーを除去することにより得られる気孔の両
者から構成されている。第2焼成芯体の気孔率の調整
は、主に有機質の賦形材の配合割合を調整することによ
り行われるものであるが、他に炭素粒状物質等の気孔形
成材を適宜添加してもかまわない。なお、全気孔に対す
る炭化物のバインダーの除去による気孔の量は全く任意
である。得られた第2焼成芯体は、上述の如く、多数の
気孔を備えた多孔質芯体であり、該気孔は、微細で充分
に存在し、且つ均一に分散していて、体質材が高配向し
ている芯体である。これにより、第1焼成芯体より得ら
れる第2焼成芯体は、目的とする高強度の焼成色鉛筆芯
体を得るのに有用なものとなる。
【0021】本発明において、第3焼成芯体は、上記で
得られた多孔質芯体からなる第2焼成芯体をペルヒドロ
ポリシラザン含有液に含浸せしめた後、このペルヒドロ
ポリシラザン含有液含浸後の第2焼成芯体を窒素雰囲気
等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で40
0℃以上、好ましくは600℃以上での熱処理により第
2焼成芯体に結合材として窒化珪素を生成させることに
より得られる。
得られた多孔質芯体からなる第2焼成芯体をペルヒドロ
ポリシラザン含有液に含浸せしめた後、このペルヒドロ
ポリシラザン含有液含浸後の第2焼成芯体を窒素雰囲気
等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で40
0℃以上、好ましくは600℃以上での熱処理により第
2焼成芯体に結合材として窒化珪素を生成させることに
より得られる。
【0022】第2焼成芯体へのペルヒドロポリシラザン
含有液の充填量が大きいほど、すなわち、第2焼成芯体
の気孔率が大きいほど、結合材としての窒化珪素の生成
量も多くなり、得られる第3焼成芯体の機械的強度は、
強いものとなる。しかし、第2焼成芯体の気孔率が80
%を越えると、芯体の形状が保持されにくいためペルヒ
ドロポリシラザン含有液の含浸工程が困難になる。ま
た、気孔率が30%未満では、ペルヒドロポリシラザン
含有液の充填量が少なく、機械的強度の顕著な向上が期
待できず、更に、気孔率が30%未満では、得られた第
3焼成芯体に充填されるインクの量も少なく、実用的な
発色、濃度も得られないこととなり好ましくない。従っ
て、第2焼成芯体の気孔率の範囲としては、30〜80
%があげられるが、得られる第3焼成芯体の品質をより
良好とするためには、35〜75%とすることが好まし
い。
含有液の充填量が大きいほど、すなわち、第2焼成芯体
の気孔率が大きいほど、結合材としての窒化珪素の生成
量も多くなり、得られる第3焼成芯体の機械的強度は、
強いものとなる。しかし、第2焼成芯体の気孔率が80
%を越えると、芯体の形状が保持されにくいためペルヒ
ドロポリシラザン含有液の含浸工程が困難になる。ま
た、気孔率が30%未満では、ペルヒドロポリシラザン
含有液の充填量が少なく、機械的強度の顕著な向上が期
待できず、更に、気孔率が30%未満では、得られた第
3焼成芯体に充填されるインクの量も少なく、実用的な
発色、濃度も得られないこととなり好ましくない。従っ
て、第2焼成芯体の気孔率の範囲としては、30〜80
%があげられるが、得られる第3焼成芯体の品質をより
良好とするためには、35〜75%とすることが好まし
い。
【0023】本発明において、第3焼成芯体を得るため
に用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆
体ポリマーであり、主鎖に〔−Si−N−〕構造を有
し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式で
は、〔SiHaNb〕n (式中、aは1〜3、bは0又は
1)で表され、主として〔−SiH2NH−〕nなる骨格
を有する構造を示す。また、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するの
は水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒
化珪素が得られることとなる。生成する窒化珪素は、大
部分が四窒化三珪素(α−Sn3N4)であるが、使用す
る原料、熱処理条件等により若干その他の形(SnxN
y)で存在するところもある。また、メチル基等の有機
成分を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度
の窒化珪素が得られる。さらに、得られる窒化珪素が他
の焼結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼
結法は1200℃〜1400℃という高温度で処理する
ものであったが、本発明では、窒素雰囲気等の不活性雰
囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低
温度で得られる点に特徴を有する。本発明で用いるペル
ヒドロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラ
ザンを有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポ
リシラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであ
れば、使用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使
用可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(T
HF)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系
等の有機溶剤が挙げられる。
に用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆
体ポリマーであり、主鎖に〔−Si−N−〕構造を有
し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式で
は、〔SiHaNb〕n (式中、aは1〜3、bは0又は
1)で表され、主として〔−SiH2NH−〕nなる骨格
を有する構造を示す。また、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するの
は水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒
化珪素が得られることとなる。生成する窒化珪素は、大
部分が四窒化三珪素(α−Sn3N4)であるが、使用す
る原料、熱処理条件等により若干その他の形(SnxN
y)で存在するところもある。また、メチル基等の有機
成分を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度
の窒化珪素が得られる。さらに、得られる窒化珪素が他
の焼結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼
結法は1200℃〜1400℃という高温度で処理する
ものであったが、本発明では、窒素雰囲気等の不活性雰
囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低
温度で得られる点に特徴を有する。本発明で用いるペル
ヒドロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラ
ザンを有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポ
リシラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであ
れば、使用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使
用可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(T
HF)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系
等の有機溶剤が挙げられる。
【0024】ペルヒドロポリシラザン含有液を第2焼成
芯体に含浸させる方法としては、第2焼成芯体をペルヒ
ドロポリシラザン含有液中に浸漬し、必要に応じて加
熱、減圧、加圧等の条件下で含浸させることにより行う
ことができる。ここで、ペルヒドロポリシラザン含有液
の含浸状態は、第2芯体中に微細に、かつ、均一に分散
して含浸されることとなる。すなわち、第2焼成芯体
は、上述の如く、気孔が微細で充分に存在し、且つ均一
に分散していて、体質材が高配向しており、高強度の焼
成色鉛筆芯体を得るのに有用なものであるので、ペルヒ
ドロポリシラザン含有液は第2芯体中に微細に、かつ、
均一に分散して含浸されることとなる。なお、高強度の
第3焼成芯体を得るために、必要に応じてペルヒドロポ
リシラザン含有液の含浸、焼成工程を繰り返し行っても
よい。
芯体に含浸させる方法としては、第2焼成芯体をペルヒ
ドロポリシラザン含有液中に浸漬し、必要に応じて加
熱、減圧、加圧等の条件下で含浸させることにより行う
ことができる。ここで、ペルヒドロポリシラザン含有液
の含浸状態は、第2芯体中に微細に、かつ、均一に分散
して含浸されることとなる。すなわち、第2焼成芯体
は、上述の如く、気孔が微細で充分に存在し、且つ均一
に分散していて、体質材が高配向しており、高強度の焼
成色鉛筆芯体を得るのに有用なものであるので、ペルヒ
ドロポリシラザン含有液は第2芯体中に微細に、かつ、
均一に分散して含浸されることとなる。なお、高強度の
第3焼成芯体を得るために、必要に応じてペルヒドロポ
リシラザン含有液の含浸、焼成工程を繰り返し行っても
よい。
【0025】得られた第3焼成芯体は、結合材としての
窒化珪素が芯体中に微細で均一に分散して生成するもの
となり、さらに、体質材が高配向しているため少量の窒
化珪素の生成で芯体の強度を発現しやすく、筆記時の芯
体の崩れも均一となる。
窒化珪素が芯体中に微細で均一に分散して生成するもの
となり、さらに、体質材が高配向しているため少量の窒
化珪素の生成で芯体の強度を発現しやすく、筆記時の芯
体の崩れも均一となる。
【0026】本発明において、焼成色鉛筆芯は、上記で
得られた第3焼成芯体の気孔内に、インクを充填させる
ことにより得られる。第3焼成芯体に含浸させるインク
としては、従来公知の色鉛筆芯用のものであればいずれ
も使用することができる。例えば、染料、顔料等の着色
剤を、動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油、
水等に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界
面活性剤等を更に添加し製造された一般的に用いられて
いる印刷用インク、スタンプインク、ボールペンイン
ク、水性筆記用インク等が用いられる。また、第3焼成
芯体にインクを含浸させる方法としては、第3焼成芯体
をインク中に浸漬し、加熱、減圧、加圧等の条件下で気
孔内に充填させる。さらに、繰り返し含浸を行ってもよ
い。
得られた第3焼成芯体の気孔内に、インクを充填させる
ことにより得られる。第3焼成芯体に含浸させるインク
としては、従来公知の色鉛筆芯用のものであればいずれ
も使用することができる。例えば、染料、顔料等の着色
剤を、動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油、
水等に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界
面活性剤等を更に添加し製造された一般的に用いられて
いる印刷用インク、スタンプインク、ボールペンイン
ク、水性筆記用インク等が用いられる。また、第3焼成
芯体にインクを含浸させる方法としては、第3焼成芯体
をインク中に浸漬し、加熱、減圧、加圧等の条件下で気
孔内に充填させる。さらに、繰り返し含浸を行ってもよ
い。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定
されるものではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定
されるものではない。
【0028】(実施例1) 窒化硼素 50重量部 塩化ビニル樹脂 50重量部 ジオクチルフタレート(DOP) 20重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部 上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、二本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく空気中で1
80℃にて10時間熱処理して、しかるのち窒素雰囲気
中にて300℃迄は10℃/hr、300℃から100
0℃迄は30℃/hrで昇温させて、1000℃にて1
時間焼成し、第1焼成芯体を得た。
圧ニーダー、二本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく空気中で1
80℃にて10時間熱処理して、しかるのち窒素雰囲気
中にて300℃迄は10℃/hr、300℃から100
0℃迄は30℃/hrで昇温させて、1000℃にて1
時間焼成し、第1焼成芯体を得た。
【0029】この第1焼成芯体を酸化雰囲気で約700
℃で加熱焼成して残留している炭素化した樹脂分を除去
して白色の第2焼成芯体(気孔率47.8%)を得た。
この第2焼成芯体に、ペルヒドロポリシラザン含有液
(20%キシレン溶液)を室温で1日含浸後、窒素雰囲
気中で600℃迄は60℃/hrで昇温させて、600
℃にて1時間焼成して焼成芯体を得た。さらに、この焼
成芯体にペルヒドロポリシラザン含有液を含浸せしめ、
焼成工程をさらに1回繰り返し、直径0.57mmの白色
の第3焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記第3焼
成芯体を浸し、70℃で24時間放置した。この染料が
充填された第3焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直
径0.57mmの赤色の焼成色鉛筆芯とした。
℃で加熱焼成して残留している炭素化した樹脂分を除去
して白色の第2焼成芯体(気孔率47.8%)を得た。
この第2焼成芯体に、ペルヒドロポリシラザン含有液
(20%キシレン溶液)を室温で1日含浸後、窒素雰囲
気中で600℃迄は60℃/hrで昇温させて、600
℃にて1時間焼成して焼成芯体を得た。さらに、この焼
成芯体にペルヒドロポリシラザン含有液を含浸せしめ、
焼成工程をさらに1回繰り返し、直径0.57mmの白色
の第3焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記第3焼
成芯体を浸し、70℃で24時間放置した。この染料が
充填された第3焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直
径0.57mmの赤色の焼成色鉛筆芯とした。
【0030】(実施例2) 窒化硼素 50重量部 ベントナイト 5重量部 ポリビニルアルコール 45重量部 水 100重量部 上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、二
本ロールで混練し水分調整した後、細線状に押出成形
し、105℃で15時間以上乾燥した後、アルゴンガス
中で1100℃まで昇温し1時間焼成し、第1焼成芯体
を得た。
本ロールで混練し水分調整した後、細線状に押出成形
し、105℃で15時間以上乾燥した後、アルゴンガス
中で1100℃まで昇温し1時間焼成し、第1焼成芯体
を得た。
【0031】次に、この第1焼成芯体を酸化雰囲気で6
00℃まで昇温し600℃で5時間酸化焼成して、第2
焼成芯体(気孔率40.3%)を得た。この第2焼成芯
体にペルヒドロポリシラザン含有液を室温で1日含浸
後、窒素雰囲気中で600℃迄は60℃/hrで昇温さ
せて、600℃にて1時間焼成して、直径0.57mmの
白色の第3焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記第
3焼成芯体を浸し、70℃で24時間放置した。この染
料が充填された焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直
径0.57mmの赤色の焼成色鉛筆芯とした。
00℃まで昇温し600℃で5時間酸化焼成して、第2
焼成芯体(気孔率40.3%)を得た。この第2焼成芯
体にペルヒドロポリシラザン含有液を室温で1日含浸
後、窒素雰囲気中で600℃迄は60℃/hrで昇温さ
せて、600℃にて1時間焼成して、直径0.57mmの
白色の第3焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記第
3焼成芯体を浸し、70℃で24時間放置した。この染
料が充填された焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直
径0.57mmの赤色の焼成色鉛筆芯とした。
【0032】(比較例1) 珪素微粉末 10重量部 窒化硼素 50重量部 ポリスチレン 20重量部 ジオクチルフタレート(DOP) 20重量部 メチルエチルケトン 100重量部 上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、3
本ロールで加熱混練し、押出成形後、これから残留する
溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で180℃まで10時
間かけて十分に乾燥し、これを窒素雰囲気中で24時間
かけて1250℃まで昇温した後、1250℃で24時
間維持し、更に4時間かけて1250℃まで昇温した
後、1450℃で10時間焼成して直径0.57mmの白
色の焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記焼成芯体
を浸し、70℃で24時間放置した。この染料が充填さ
れた焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直径0.57
mmの赤色の色鉛筆芯とした。
本ロールで加熱混練し、押出成形後、これから残留する
溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で180℃まで10時
間かけて十分に乾燥し、これを窒素雰囲気中で24時間
かけて1250℃まで昇温した後、1250℃で24時
間維持し、更に4時間かけて1250℃まで昇温した
後、1450℃で10時間焼成して直径0.57mmの白
色の焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記焼成芯体
を浸し、70℃で24時間放置した。この染料が充填さ
れた焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直径0.57
mmの赤色の色鉛筆芯とした。
【0033】(比較例2) 窒化硼素 60重量部 ベントナイト 30重量部 ポリビニルアルコール 10重量部 水 100重量部 上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、二
本ロールで混練し水分調整した後、細線状に押出成形
し、105℃で15時間以上乾燥した後、アルゴンガス
中で1100℃まで昇温し1時間焼成し、第1焼成芯体
を得た。次に、この第1焼成芯体を酸化雰囲気で600
℃まで昇温し600℃で5時間酸化焼成して、第2焼成
芯体(気孔率24.7%)を得た。この第2焼成芯体に
ペルヒドロポリシラザン含有液を室温で1日含浸後、窒
素雰囲気中で600℃迄は60℃/hrで昇温させて、
600℃にて1時間焼成して直径0.57mmの白色の第
3焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記第3焼成芯
体を浸し、70℃で24時間放置した。この染料が充填
された焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直径0.5
7mmの赤色の色鉛筆芯とした。
本ロールで混練し水分調整した後、細線状に押出成形
し、105℃で15時間以上乾燥した後、アルゴンガス
中で1100℃まで昇温し1時間焼成し、第1焼成芯体
を得た。次に、この第1焼成芯体を酸化雰囲気で600
℃まで昇温し600℃で5時間酸化焼成して、第2焼成
芯体(気孔率24.7%)を得た。この第2焼成芯体に
ペルヒドロポリシラザン含有液を室温で1日含浸後、窒
素雰囲気中で600℃迄は60℃/hrで昇温させて、
600℃にて1時間焼成して直径0.57mmの白色の第
3焼成芯体を得た。次に、赤色インクに上記第3焼成芯
体を浸し、70℃で24時間放置した。この染料が充填
された焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直径0.5
7mmの赤色の色鉛筆芯とした。
【0034】上記実施例1〜2及び比較例1〜2の赤色
の色鉛筆芯を使用して、JIS−S−6005−198
9に準拠して曲げ強度(MPa)を測定すると共に、書き
味及び描線発色性について評価した。これらの結果を下
記表1に示す。なお、書き味、描線発色性の評価は、熟
練者による官能試験により行った。また、気孔率の測定
は、水銀ポロシメーターにより行った。
の色鉛筆芯を使用して、JIS−S−6005−198
9に準拠して曲げ強度(MPa)を測定すると共に、書き
味及び描線発色性について評価した。これらの結果を下
記表1に示す。なお、書き味、描線発色性の評価は、熟
練者による官能試験により行った。また、気孔率の測定
は、水銀ポロシメーターにより行った。
【0035】
【表1】
【0036】〔表1の考察〕総論的にみると、本発明と
なる実施例1〜2の焼成色鉛筆芯は、従来例となる比較
例1〜2の焼成色鉛筆芯に較べて曲げ強度に優れ、且
つ、同等以上の書き味を示し、しかも、描線発色性が鮮
明であることが判った。個別的にみると、実施例1及び
実施例2は、気孔率が大きくても機械的強度に著しく優
れ実用上折れ難く、更に、インク充填量が多くなること
により、きわめて優れた発色が得られると同時に、良好
な書き味を有していることが判った。
なる実施例1〜2の焼成色鉛筆芯は、従来例となる比較
例1〜2の焼成色鉛筆芯に較べて曲げ強度に優れ、且
つ、同等以上の書き味を示し、しかも、描線発色性が鮮
明であることが判った。個別的にみると、実施例1及び
実施例2は、気孔率が大きくても機械的強度に著しく優
れ実用上折れ難く、更に、インク充填量が多くなること
により、きわめて優れた発色が得られると同時に、良好
な書き味を有していることが判った。
【0037】これに対して比較例1は、珪素微粉末から
窒化珪素を生成する焼結法よる焼成色鉛筆芯であるが、
酸化しやすい珪素微粉末を用いることから、製造上その
取り扱いが煩雑となり、しかも、焼結温度も1200℃
以上で行うものであった。また、描線の発色性も鮮明な
色をだすことができなかった。また、比較例2は、実施
例と同様に、ペルヒドロポリシラザン含有液を用いて結
合材として窒化珪素を生成させるものであるが、賦形材
のポリビニルアルコールが少量のため焼成芯体に生成し
た気孔の量が少なく、生成する窒化珪素の量が少ないた
め、曲げ強度は低いものとなった。また、粘土を30%
も含んでいるため、描線の発色もくすんだものとなっ
た。
窒化珪素を生成する焼結法よる焼成色鉛筆芯であるが、
酸化しやすい珪素微粉末を用いることから、製造上その
取り扱いが煩雑となり、しかも、焼結温度も1200℃
以上で行うものであった。また、描線の発色性も鮮明な
色をだすことができなかった。また、比較例2は、実施
例と同様に、ペルヒドロポリシラザン含有液を用いて結
合材として窒化珪素を生成させるものであるが、賦形材
のポリビニルアルコールが少量のため焼成芯体に生成し
た気孔の量が少なく、生成する窒化珪素の量が少ないた
め、曲げ強度は低いものとなった。また、粘土を30%
も含んでいるため、描線の発色もくすんだものとなっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、気孔率が大きくても機
械的強度に著しく優れ実用上折れ難く、また、インク充
填量が多くなることにより、きわめて優れた発色性、描
線濃度をもちながら、良好な書き味を有する焼成色鉛筆
芯が提供される。本発明方法によれば、ペルヒドロポリ
シラザン含有液を用いることにより多孔質芯体からなる
第2焼成芯体の結合材として高純度の窒化珪素を非常に
高い収率で、しかも、従来の焼結法より低い温度で生成
させることができ、しかも、十分な発色性、描線濃度を
もちながら、機械的強度に優れた新規な焼成色鉛筆芯の
製造方法が提供される。
械的強度に著しく優れ実用上折れ難く、また、インク充
填量が多くなることにより、きわめて優れた発色性、描
線濃度をもちながら、良好な書き味を有する焼成色鉛筆
芯が提供される。本発明方法によれば、ペルヒドロポリ
シラザン含有液を用いることにより多孔質芯体からなる
第2焼成芯体の結合材として高純度の窒化珪素を非常に
高い収率で、しかも、従来の焼結法より低い温度で生成
させることができ、しかも、十分な発色性、描線濃度を
もちながら、機械的強度に優れた新規な焼成色鉛筆芯の
製造方法が提供される。
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明において、第3焼成芯体を得るため
に用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆
体ポリマーであり、主鎖に〔−Si−N−〕構造を有
し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式で
は、〔SiHaNb〕n (式中、aは1〜3、bは0又は
1)で表され、主として〔−SiH2NH−〕nなる骨格
を有する構造を示す。また、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するの
は水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒
化珪素が得られることとなる。生成する窒化珪素は、大
部分が四窒化三珪素(α−Si 3N 4 )であるが、使用す
る原料、熱処理条件等により若干その他の形(SixN
y)で存在するところもある。また、メチル基等の有機
成分を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度
の窒化珪素が得られる。さらに、得られる窒化珪素が他
の焼結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼
結法は1200℃〜1400℃という高温度で処理する
ものであったが、本発明では、窒素雰囲気等の不活性雰
囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低
温度で得られる点に特徴を有する。本発明で用いるペル
ヒドロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラ
ザンを有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポ
リシラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであ
れば、使用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使
用可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(T
HF)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系
等の有機溶剤が挙げられる。 ─────────────────────────────────────────────────────
に用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆
体ポリマーであり、主鎖に〔−Si−N−〕構造を有
し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式で
は、〔SiHaNb〕n (式中、aは1〜3、bは0又は
1)で表され、主として〔−SiH2NH−〕nなる骨格
を有する構造を示す。また、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するの
は水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒
化珪素が得られることとなる。生成する窒化珪素は、大
部分が四窒化三珪素(α−Si 3N 4 )であるが、使用す
る原料、熱処理条件等により若干その他の形(SixN
y)で存在するところもある。また、メチル基等の有機
成分を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度
の窒化珪素が得られる。さらに、得られる窒化珪素が他
の焼結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼
結法は1200℃〜1400℃という高温度で処理する
ものであったが、本発明では、窒素雰囲気等の不活性雰
囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低
温度で得られる点に特徴を有する。本発明で用いるペル
ヒドロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラ
ザンを有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポ
リシラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであ
れば、使用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使
用可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(T
HF)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系
等の有機溶剤が挙げられる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明において、第3焼成芯体を得るため
に用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆
体ポリマーであり、主鎖に〔−Si−N−〕構造を有
し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式で
は、〔SiHaNb〕n (式中、aは1〜3、bは0又は
1)で表され、主として〔−SiH2NH−〕nなる骨格
を有する構造を示す。また、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するの
は水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒
化珪素が得られることとなる。生成する窒化珪素は、大
部分が四窒化三珪素(Si 3N 4)であるが、使用する原
料、熱処理条件等により若干その他の形(SixNy)
で存在するところもある。また、メチル基等の有機成分
を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度の窒
化珪素が得られる。さらに、得られる窒化珪素が他の焼
結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼結法
は1200℃〜1400℃という高温度で処理するもの
であったが、本発明では、窒素雰囲気等の不活性雰囲気
中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低温度
で得られる点に特徴を有する。本発明で用いるペルヒド
ロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラザン
を有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポリシ
ラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであれ
ば、使用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使用
可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(TH
F)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系等
の有機溶剤が挙げられる。
に用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆
体ポリマーであり、主鎖に〔−Si−N−〕構造を有
し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式で
は、〔SiHaNb〕n (式中、aは1〜3、bは0又は
1)で表され、主として〔−SiH2NH−〕nなる骨格
を有する構造を示す。また、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するの
は水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒
化珪素が得られることとなる。生成する窒化珪素は、大
部分が四窒化三珪素(Si 3N 4)であるが、使用する原
料、熱処理条件等により若干その他の形(SixNy)
で存在するところもある。また、メチル基等の有機成分
を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度の窒
化珪素が得られる。さらに、得られる窒化珪素が他の焼
結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼結法
は1200℃〜1400℃という高温度で処理するもの
であったが、本発明では、窒素雰囲気等の不活性雰囲気
中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低温度
で得られる点に特徴を有する。本発明で用いるペルヒド
ロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラザン
を有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポリシ
ラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであれ
ば、使用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使用
可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(TH
F)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系等
の有機溶剤が挙げられる。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物
をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成
芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸
化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を
形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシ
ラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中
又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素
を生成させた第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯体の
気孔内にインクを充填させてなることを特徴とする焼成
色鉛筆芯。 - 【請求項2】 ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸す
る第2焼成芯体の気孔率が、30〜80%である請求項
1記載の焼成色鉛筆芯。 - 【請求項3】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
して第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中
で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させて第2焼
成芯体を得、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポ
リシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化
珪素を生成させた第3焼成芯体を得、更に該第3焼成芯
体の気孔内にインクを充填させてなることを特徴とする
焼成色鉛筆芯の製造方法。
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