JP2000072997A - 焼成色鉛筆芯の製造方法 - Google Patents

焼成色鉛筆芯の製造方法

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JP2000072997A
JP2000072997A JP10241319A JP24131998A JP2000072997A JP 2000072997 A JP2000072997 A JP 2000072997A JP 10241319 A JP10241319 A JP 10241319A JP 24131998 A JP24131998 A JP 24131998A JP 2000072997 A JP2000072997 A JP 2000072997A
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Masaaki Hoshiba
正昭 干場
Noboru Kanba
昇 神庭
Katsunori Kitazawa
勝徳 北澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な発色性、描線濃度をもちながら、機械
的強度、即ち、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れ
た、焼成芯体にインクを含浸した焼成色鉛筆芯の製造方
法を提供する。 【解決手段】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより、該有機質の賦形材が炭素化された炭素
をバインダーとする第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体
を酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去
させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を得、該
第2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬
した後、1500Pa以下に減圧してペルヒドロポリシ
ラザン含有液中の有機溶媒を除去し、次いで、窒素雰囲
気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱
処理することにより、第2焼成芯体の気孔内に窒化珪素
を生成させた第3焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔
内にインクを充填させることを特徴とする焼成色鉛筆芯
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、十分な発色性、描
線濃度をもちながら、機械的強度、即ち、曲げ強度、引
張強度、衝撃強度等に優れた、焼成芯体にインクを含浸
した焼成色鉛筆芯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の焼成色鉛筆芯は、結合材として一
種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに窒化
硼素等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応
促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練
物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成芯体と
し、この芯体の気孔中に染料および顔料から成るインク
等を充填させて色鉛筆芯としていた。この時、色鉛筆芯
の重要特性としては、機械的強度が強く、発色性が良
く、筆記描線の濃度が濃いものが要求されている。
【0003】ところが、従来の焼成色鉛筆芯は機械的強
度が充分でなく、濃度および発色性においても充分なも
のが得られていないのが現状である。そこで、上記の要
求を達成するためには、充分な機械的強度を保持しつ
つ、気孔率を増加させることにより芯体に充填されるイ
ンク量を多くする必要がある。また、従来結合材として
用いられている粘土等による焼成芯体は、窒化硼素等の
体質材と粘土等の結合材の焼結力が弱く、粘土等自身の
強度も低いため、得られる焼成色鉛筆芯は実用強度に達
していないのが現状である。更に、粘土は不純物を含ん
でいるため、得られる焼成芯体は一般に有色となり、描
線の発色性に悪影響を与えることとなる。特に、淡色系
の描線のくすんだ色の原因となっている。
【0004】本発明者らは、上記の課題等を解決する方
法として、少なくとも体質材からなる第2焼成芯体をペ
ルヒドロポリシラザン含有液に浸漬したまま、窒素雰囲
気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での
熱処理により結合材として窒化珪素を生成させた第3焼
成芯体の気孔内にインクを充填させてなる焼成色鉛筆芯
及びその製造方法を提案している(特開平8−4893
1号、特願平10−140245号)。この製造方法等
は、十分な発色性、描線濃度をもちながら、機械的強度
等に優れた焼成色鉛筆芯が得られるものである。
【0005】しかしながら、上記製造方法では、窒素雰
囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で
の熱処理によりペルヒドロポリシラザン含有液中の有機
溶媒を除去する際にペルヒドロポリシラザン含有液層の
上層と下層で濃度差が生じ、その結果、第3焼成芯体の
気孔内に生成した窒化珪素の量が積層した第3焼成芯体
層の上層と下層で異なり、強度、硬さ等に品質のバラツ
キがあり若干の課題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の課題を解決すると共に、上記発明者らの先行
技術を更に改良することであり、機械的強度と滑らかな
書き味を保持しつつ、更に優れた発色性を有する焼成色
鉛筆芯の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、少なくとも体
質材からなる第2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含
有液に浸漬したまま、特定の圧力に減圧してペルヒドロ
ポリシラザン含有液中の有機溶媒を除去し、次いで、不
活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理し、
結合材として窒化珪素を生成させることによって解決し
得ることを見い出し、本発明を完成するに至ったのであ
る。すなわち、本発明の焼成色鉛筆芯の製造方法は、少
なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混
練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、
該有機質の賦形材が炭素化された炭素をバインダーとす
る第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で
加熱して炭素のバインダーを酸化除去させた少なくとも
体質材からなる第2焼成芯体を得、該第2焼成芯体をペ
ルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬した後、1500
Pa以下に減圧してペルヒドロポリシラザン含有液中の
有機溶媒を除去し、次いで、窒素雰囲気等の不活性雰囲
気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理することによ
り、第2焼成芯体の気孔内に窒化珪素を生成させた第3
焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔内にインクを充填
させることを特徴とする。なお、本発明で規定する「窒
素雰囲気等の不活性雰囲気中」とは、窒素ガス雰囲気
中、または、アルゴンガス雰囲気中等の不活性ガス雰囲
気中をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳し
く説明する。本発明の焼成色鉛筆芯の製造方法は、ま
ず、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成
物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することに
より、該有機質の賦形材が炭素化された炭素をバインダ
ーとする第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲
気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去させた少な
くとも体質材からなる第2焼成芯体を得、該第2焼成芯
体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬した後、1
500Pa以下に減圧してペルヒドロポリシラザン含有
液中の有機溶媒を除去し、次いで、窒素雰囲気等の不活
性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理するこ
とにより、第2焼成芯体の気孔内に窒化珪素を生成させ
た第3焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔内にインク
を充填させてなるものである。
【0009】本発明で用いるペルヒドロポリシラザン
は、主として〔−SiH2NH−〕なる骨格を有し、窒
素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気
中での熱分解で脱水素反応に伴う熱硬化収縮の後、非晶
質の窒化珪素が得られる。本発明で用いるペルヒドロポ
リシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラザンを有
機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポリシラザ
ン含有液が第2焼成芯体に充填可能なものであれば、使
用する有機溶剤は特に限定されず、いずれも使用可能で
ある。使用する有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレ
ン、四塩化炭素等、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙
げられる。
【0010】本発明におけるペルヒドロポリシラザン含
有液は、低粘度液体の有機溶媒中に高粘度液体のペルヒ
ドロポリシラザンが溶解しており、常圧の窒素雰囲気等
の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱処理
では有機溶媒が先に蒸発除去され、第2焼成芯体の気孔
内に保持されたペルヒドロポリシラザンがその後熱分解
し、結合材である窒化珪素に転化するものである。この
時、常圧では有機溶媒を完全に蒸発除去するために、有
機溶媒の沸点近くまで雰囲気温度を上げる必要がある。
この昇温途中でも有機溶媒はペルヒドロポリシラザン含
有液表面から徐々に蒸発し、ペルヒドロポリシラザン含
有液は液層の上層の方が濃縮されやすいものとなる。こ
の結果、積層した上層の第2焼成芯体の気孔内に保持さ
れるペルヒドロポリシラザン量は、下層のその量より多
くなる。従って、結合材である窒化珪素の生成量が多い
第3焼成芯体層の上層の方が曲げ強度は強く、硬くな
り、上下層で品質にバラツキが生じることとなる。これ
を解決するためには、ペルヒドロポリシラザン含有液中
の有機溶媒の除去時間を短縮すればよいものであるが、
加熱温度を高くするとペルヒドロポリシラザン含有液の
沸騰により、ペルヒドロポリシラザン含有液に浸漬され
た脆弱な第2焼成芯体が破壊されてしまい、目的の焼成
芯体が得られないものとなる。
【0011】本発明では、減圧することにより、強制的
に有機溶媒の除去時間を短縮させることができることと
なるので、積層された第2焼成芯体層の上層と下層の芯
の気孔内に保持されるペルヒドロポリシラザン量の差を
小さくでき、その結果、第3焼成芯体の上下層の強度差
を小さくすることが可能となる。上記第2焼成芯体をペ
ルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬した後、減圧して
ペルヒドロポリシラザン含有液中の有機溶媒を除去し、
その後、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニア
ガス雰囲気中で熱処理する方法としては、例えば、第2
焼成芯体を入れた耐熱性容器に第2焼成芯体の構造を破
壊させないように留意して、ペルヒドロポリシラザン含
有液を注入し、このままの状態で減圧にし、ペルヒドロ
ポリシラザン含有液中の有機溶媒を除去後、窒素雰囲気
等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱処
理することにより行うことができる。この場合の真空度
としては、使用する有機溶媒と加熱温度により限定でき
ないが、1500Pa以下が望ましい。上記圧力(減
圧)が1500Paを越える場合では、品質のバラツキ
が生じ、目的の焼成芯体が得られないものとなる。ま
た、あまり圧力を低くすると、有機溶媒の沸騰により、
第2焼成芯体が破壊されるため、使用する有機溶媒と加
熱温度により適宜条件を変更する必要がある。更に、圧
力は定圧にする必要はなく、有機溶媒が減量し、ペルヒ
ドロポリシラザンが十分に第2焼成芯体に充填され、ペ
ルヒドロポリシラザン含有液が沸騰しないくらいの量に
なれば、圧力を下げ、有機溶媒の除去を促進することが
可能である。
【0012】本発明において、第1焼成芯体は、少なく
とも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を原料と
する。体質材としては、従来の焼成型の色鉛筆芯に使用
されているものであれば、いずれも使用可能である。例
えば、酸化チタン、雲母、タルク、窒化硼素、シリカ、
アルミナ、炭酸カルシウム等白色系のものや、充填する
インクの色相によっては二硫化モリブデン、二硫化タン
グステン等有色系のものも使用することができ、当然こ
れら数種類の混合物も使用できる。また、必要に応じて
耐熱性顔料を配合してもよい。
【0013】また、有機質の賦形材としては、例えば、
ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグ
ニン、セルロース、トラガントガムなどの天然高分子物
質、石油アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分
解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチなどのピッチ類等いず
れも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。更に、高せん断力を加えて行う混練時の特性向上及
び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオクチルフタレ
ート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、リン
酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオクチル(D
OA)、プロピレンカーボナート、アルコール類、ケト
ン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑剤又は溶剤
の一種又は二種以上を、必要に応じて上記配合組成物に
添加しても良い。
【0014】これら配合組成物をヘンシェルミキサー、
加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押出成
形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰囲気
中又はアルゴンガスなどの不活性ガス中等の非酸化性雰
囲気中で焼成することにより、有機質の賦形材が炭素化
された炭素をバインダーとする第1焼成芯体が得られ
る。
【0015】本発明において、第2焼成芯体は、上記で
得られた第1焼成芯体の炭素のバインダーを酸化雰囲気
中で加熱して、炭素のバインダーを酸化除去させること
により、多数の気孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼
成芯体が得られる。ここで、第2焼成芯体の気孔は、体
質材と有機質の賦形材とからなる混練物を、非酸化性雰
囲気で焼成することによって得られる気孔と、前記炭素
のバインダーを除去することにより得られる気孔の両者
から構成されている。第2焼成芯体の気孔率の調整は、
主に有機質の賦形材の配合割合を調整することにより行
われるものであるが、他に炭素粒状物質等の気孔成形材
を適宜添加してもかまわない。なお、全気孔に対する炭
素のバインダーの除去による気孔の量は全く任意であ
る。
【0016】本発明において、第3焼成芯体は、上記で
得られた多孔質芯体からなる第2焼成芯体をペルヒドロ
ポリシラザン含有液中に浸漬したまま、1500Pa以
下に減圧してペルヒドロポリシラザン含有液中の有機溶
媒を除去した後、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はア
ンモニアガス雰囲気中で400℃、好ましくは、600
℃以上で、かつ、体質材の熱分解又は脱水等を起こす温
度より低い温度での熱処理により、第2焼成芯体に結合
材として窒化珪素を生成させることにより得られる。上
記第1焼成芯体、第2焼成芯体、第3焼成芯体を得る際
に行う熱処理は、使用する体質材によって、熱処理温度
を留意しなければならない。すなわち、体質材が分解、
あるいは脱水等の化学変化等を生じると、書き味を損ね
たり、強度の劣化等を生じる場合があるので、使用する
体質材の熱的性質と熱処理温度を適宜選択する必要があ
る。
【0017】得られた第3焼成芯体は、結合材としての
窒化珪素が芯体中に微細で均一に分散して生成するもの
となり、更に、体質材が高配向しているため少量の窒化
珪素の生成で芯体の強度を発現しやすく、筆記時の芯体
の崩れも均一となるうるものとなる。
【0018】本発明において、焼成色鉛筆芯は、上記で
得た第3焼成芯体の気孔内に、インクを充填させること
により得られる。第3焼成芯体に含浸させるインクとし
ては、従来公知の色鉛筆芯用のものであればいずれも使
用することができる。例えば、染料、顔料等の着色剤
を、動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油、水
等に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界面
活性剤等を更に添加し製造された一般的に用いられてい
る印刷用インク、スタンプインク、ボールペンインク、
水性筆記用インク等が用いられる。また、第3焼成芯体
にインクを含浸させる方法としては、第3焼成芯体をイ
ンク中に浸漬し、加熱、減圧、加圧等の条件下で気孔内
に充填させる。さらに、繰り返し含浸を行ってもよい。
【0019】このように構成される焼成色鉛筆芯の製造
方法では、下記の作用等を有することとなる。第2焼成
芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬したま
ま、1500Pa以下に減圧してペルヒドロポリシラザ
ン含有液中の有機溶媒を除去することにより、積層した
上層と下層の第2焼成芯体の気孔内に保持されるペルヒ
ドロポリシラザン量がほぼ等量となる。その後、窒素雰
囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で
熱処理し、結合材である窒化珪素を生成させると、上層
と下層で強度、硬さ等の品質のバラツキの小さい第3焼
成芯体を得ることが可能となり、本発明の焼成鉛筆芯は
品質のバラツキが小さく、かつ、曲げ強度等の機械的強
度に優れ、優れた発色性、良好な書き味の芯体とするこ
とが可能となる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定され
るものではない。
【0021】 (実施例1) 窒化硼素 50重量部 塩化ビニル樹脂 50重量部 ジオクチルフタレート(DOP) 20重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部 上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、二本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく空気中で1
80℃にて加熱処理して、しかるのち窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温させた後、1000℃にて焼成して
第1焼成芯体を得た。
【0022】次いで、この第1焼成芯体を耐熱性容器に
芯積層厚さが50mmになるように積層され、酸化雰囲
気中で約700℃で加熱焼成して残留している炭素化し
た樹脂分を除去して白色の第2焼成芯体を得た。この第
2焼成芯体1gに対して、2.8ccの割合でペルヒド
ロポリシラザン20%含有液(有機溶媒:キシレン)を
注入し浸漬した状態で、60℃にて1000Pa〜50
0Paに減圧し、キシレンを除去した。その後、窒素雰
囲気中で600℃まで昇温させて、600℃にて焼成し
て直径0.57mmの白色の第3焼成芯体を得た。次
に、赤色インクに上記第3焼成芯体を浸し、70℃で2
4時間放置した。この赤色インクが充填された第3焼成
芯体表面をアルコールで洗浄し、直径0.57mmの赤
色の焼成色鉛筆芯を得た。
【0023】(比較例1)実施例1において、第2焼成
芯体をペルヒドロポリシラザン20%含有液(有機溶
媒:キシレン)に浸漬した後、窒素雰囲気中で600℃
まで昇温させて(キシレンは昇温過程で除去された)、
600℃にて焼成して直径0.57mmの白色の第3焼
成芯体を得た以外は、すべて上記実施例1と同様にし
て、直径0.57mmの赤色の焼成色鉛筆芯を得た。
【0024】上記実施例1及び比較例1において、60
0℃にて焼成して得た50mmに積層された第3焼成芯
体の上層(下から45mm〜50mmの層)と下層(下
から0mm〜5mmの層)から、ランダムに200本サ
ンプリングして得た焼成色鉛筆芯について、JIS−S
−6005−1989に準拠して、曲げ強度(MP
a)、及び官能評価による書き味について評価した。こ
れらの結果を下記表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】上記表1の結果から明らかなように、本発
明範囲の実施例1の焼成色鉛筆芯は、本発明の範囲外と
なる比較例1に較べて、上下層の強度差が小さく書き味
が良好となる焼成色鉛筆芯が得られることが判明した。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、第2焼成芯体をペルヒ
ドロポリシラザン含有液中に浸漬した後、1500Pa
以下に減圧してペルヒドロポリシラザン含有液中の有機
溶媒を除去し、その後、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中
又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理し、結合材として
窒化珪素を生成させることにより、機械的強度に優れ、
実用上折れ難く、きわめて優れた発色性と良好な書き味
を有し、かつ、品質のバラツキの小さい焼成色鉛筆芯の
製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北澤 勝徳 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社研究開発センター内 Fターム(参考) 4J039 AE11 DA02 DA03 DA05 DA06 EA14 EA48 GA31

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
    む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
    することにより、該有機質の賦形材が炭素化された炭素
    をバインダーとする第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体
    を酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去
    させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を得、該
    第2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬
    した後、1500Pa以下に減圧してペルヒドロポリシ
    ラザン含有液中の有機溶媒を除去し、次いで、窒素雰囲
    気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で熱
    処理することにより、第2焼成芯体の気孔内に窒化珪素
    を生成させた第3焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔
    内にインクを充填させることを特徴とする焼成色鉛筆芯
    の製造方法。
JP10241319A 1998-08-27 1998-08-27 焼成色鉛筆芯の製造方法 Withdrawn JP2000072997A (ja)

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