JP2002302634A - 焼成色鉛筆芯及びその製造方法 - Google Patents
焼成色鉛筆芯及びその製造方法Info
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- JP2002302634A JP2002302634A JP2001105994A JP2001105994A JP2002302634A JP 2002302634 A JP2002302634 A JP 2002302634A JP 2001105994 A JP2001105994 A JP 2001105994A JP 2001105994 A JP2001105994 A JP 2001105994A JP 2002302634 A JP2002302634 A JP 2002302634A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 十分な発色性、描線濃度をもちながら、機械
的強度、即ち、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れ
た焼成色鉛筆芯及びその製造方法、特に、シャープペン
シル等のホルダー用に好適な焼成色鉛筆芯及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体
を酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去
させた第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内
にぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、酸化雰囲気
中での熱処理により酸化珪素を生成させて第3焼成芯体
を形成し、該第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤
で溶解した溶液に含浸して酸化雰囲気中で熱処理して第
4焼成芯体を形成し、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤
を充填させてなることを特徴とする焼成色鉛筆芯。
的強度、即ち、曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れ
た焼成色鉛筆芯及びその製造方法、特に、シャープペン
シル等のホルダー用に好適な焼成色鉛筆芯及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体
を酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去
させた第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内
にぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、酸化雰囲気
中での熱処理により酸化珪素を生成させて第3焼成芯体
を形成し、該第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤
で溶解した溶液に含浸して酸化雰囲気中で熱処理して第
4焼成芯体を形成し、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤
を充填させてなることを特徴とする焼成色鉛筆芯。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮やかな発色性、
描線濃度をもちながら、機械的強度、即ち、曲げ強度、
引張強度、衝撃強度等に優れた焼成色鉛筆芯及びその製
造方法、特に、シャープペンシル等のホルダー用に好適
な焼成色鉛筆芯及びその製造方法に関する。
描線濃度をもちながら、機械的強度、即ち、曲げ強度、
引張強度、衝撃強度等に優れた焼成色鉛筆芯及びその製
造方法、特に、シャープペンシル等のホルダー用に好適
な焼成色鉛筆芯及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、焼成色鉛筆芯は、結合材とし
て一種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに
窒化硼素等の体質材、更に、必要に応じて耐熱性の顔
料、反応促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、
この混練物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成
芯体を得、この芯体の気孔中に染料及び顔料から成るイ
ンキ等を充填させて色鉛筆芯とする製法が主流であっ
た。この時、色鉛筆芯の重要特性としては、機械的強度
が強く、発色性が良く、筆記描線の濃度が濃いものが要
求されている。
て一種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに
窒化硼素等の体質材、更に、必要に応じて耐熱性の顔
料、反応促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、
この混練物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成
芯体を得、この芯体の気孔中に染料及び顔料から成るイ
ンキ等を充填させて色鉛筆芯とする製法が主流であっ
た。この時、色鉛筆芯の重要特性としては、機械的強度
が強く、発色性が良く、筆記描線の濃度が濃いものが要
求されている。
【0003】ところが、上記の焼成色鉛筆芯は、機械的
強度が充分でなく、濃度及び発色性においても充分なも
のが得られず、上記の要求を達成するためには、充分な
機械的強度を保持しつつ、気孔率を増加させることによ
り芯体に充填される着色剤量を多くする必要がある。
強度が充分でなく、濃度及び発色性においても充分なも
のが得られず、上記の要求を達成するためには、充分な
機械的強度を保持しつつ、気孔率を増加させることによ
り芯体に充填される着色剤量を多くする必要がある。
【0004】そこで、本願発明者らは、上記の課題等を
解決する方法として、少なくとも体質材からなる焼成芯
体の気孔内に、ぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸
し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス
雰囲気中での熱処理により、結合材として窒化珪素を生
成させ、芯体の気孔中にインキを充填させてなる焼成色
鉛筆芯及びその製造方法を出願している(特開平8−4
8931号公報)。また、本発明者らは、焼成後の芯体
が空気中の水分で吸湿劣化する解決方法として、ぺルヒ
ドロポリシラザン含有液充填後の熱処理を1200〜1
400℃とした焼成色鉛筆芯の製造方法(特開2000
−95991号公報)を出願すると共に、芯体内に残っ
た微量の有機溶剤などの炭素化により芯が黒ずみ、彩度
の高い色の芯を得にくいという点の解決方法として、1
000℃以上で焼成し、芯体に窒化珪素を生成させた
後、酸化雰囲気中にて600℃以上で熱処理する焼成色
鉛筆芯の製造方法を出願している(特開2000−11
9582号公報)。
解決する方法として、少なくとも体質材からなる焼成芯
体の気孔内に、ぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸
し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス
雰囲気中での熱処理により、結合材として窒化珪素を生
成させ、芯体の気孔中にインキを充填させてなる焼成色
鉛筆芯及びその製造方法を出願している(特開平8−4
8931号公報)。また、本発明者らは、焼成後の芯体
が空気中の水分で吸湿劣化する解決方法として、ぺルヒ
ドロポリシラザン含有液充填後の熱処理を1200〜1
400℃とした焼成色鉛筆芯の製造方法(特開2000
−95991号公報)を出願すると共に、芯体内に残っ
た微量の有機溶剤などの炭素化により芯が黒ずみ、彩度
の高い色の芯を得にくいという点の解決方法として、1
000℃以上で焼成し、芯体に窒化珪素を生成させた
後、酸化雰囲気中にて600℃以上で熱処理する焼成色
鉛筆芯の製造方法を出願している(特開2000−11
9582号公報)。
【0005】これらの各公報に記載される方法により得
られる焼成色鉛筆芯は、従来にない十分な発色性、描線
濃度をもちながら、機械的強度に優れたものであるが、
一端窒化珪素が生成すると、珪素原子と化学的に結合し
ている炭素原子及び窒化珪素により覆われた残留する有
機溶剤などの炭素分は酸化雰囲気中で除去しづらく、淡
色系の描線のくすみの原因になるという点に若干の課題
が生じることがある。
られる焼成色鉛筆芯は、従来にない十分な発色性、描線
濃度をもちながら、機械的強度に優れたものであるが、
一端窒化珪素が生成すると、珪素原子と化学的に結合し
ている炭素原子及び窒化珪素により覆われた残留する有
機溶剤などの炭素分は酸化雰囲気中で除去しづらく、淡
色系の描線のくすみの原因になるという点に若干の課題
が生じることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、上記本発明者らの先行技術を更に改良す
ることであり、更に格段に優れた機械的強度、鮮やかで
優れた発色性及び滑らかな書き味を有する焼成色鉛筆芯
及びその製造方法を提供することを目的とする。
課題等に鑑み、上記本発明者らの先行技術を更に改良す
ることであり、更に格段に優れた機械的強度、鮮やかで
優れた発色性及び滑らかな書き味を有する焼成色鉛筆芯
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等を解決するために鋭意研究を行った結果、少な
くとも体質材と結合材の酸化珪素からなる第3焼成芯体
に、シリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液を含浸さ
せ、酸化雰囲気中で熱処理し、酸化珪素とシリコーン樹
脂の硬化物を結合材とすることによって、上記の課題を
解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った
のである。
の課題等を解決するために鋭意研究を行った結果、少な
くとも体質材と結合材の酸化珪素からなる第3焼成芯体
に、シリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液を含浸さ
せ、酸化雰囲気中で熱処理し、酸化珪素とシリコーン樹
脂の硬化物を結合材とすることによって、上記の課題を
解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った
のである。
【0008】すなわち、本発明の焼成色鉛筆芯及びその
製造方法は、次の(1)及び(2)に存する。 (1) 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成
物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することに
より第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲
気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去させた第2
焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内にぺルヒド
ロポリシラザン含有液を含浸し、酸化雰囲気中での熱処
理により酸化珪素を生成させて第3焼成芯体を形成し、
該第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した
溶液に含浸して酸化雰囲気中で熱処理して第4焼成芯体
を形成し、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤を充填させ
てなることを特徴とする焼成色鉛筆芯。 (2) 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成
物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成して第1焼
成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して
炭素のバインダーを酸化除去させた第2焼成芯体を得、
該第2焼成芯体の気孔内にぺルヒドロポリシラザン含有
液を含浸し、酸化雰囲気中での熱処理により酸化珪素を
生成させて第3焼成芯体を得、次いで、該第3焼成芯体
をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液に含浸して
酸化雰囲気中で熱処理することにより第4焼成芯体を
得、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤を充填させること
を特徴とする焼成色鉛筆芯の製造方法。
製造方法は、次の(1)及び(2)に存する。 (1) 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成
物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することに
より第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲
気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去させた第2
焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内にぺルヒド
ロポリシラザン含有液を含浸し、酸化雰囲気中での熱処
理により酸化珪素を生成させて第3焼成芯体を形成し、
該第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した
溶液に含浸して酸化雰囲気中で熱処理して第4焼成芯体
を形成し、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤を充填させ
てなることを特徴とする焼成色鉛筆芯。 (2) 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成
物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成して第1焼
成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して
炭素のバインダーを酸化除去させた第2焼成芯体を得、
該第2焼成芯体の気孔内にぺルヒドロポリシラザン含有
液を含浸し、酸化雰囲気中での熱処理により酸化珪素を
生成させて第3焼成芯体を得、次いで、該第3焼成芯体
をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液に含浸して
酸化雰囲気中で熱処理することにより第4焼成芯体を
得、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤を充填させること
を特徴とする焼成色鉛筆芯の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳細
に説明する。本発明の焼成色鉛筆芯は、少なくとも体質
材と有機質の賦形材が炭素化された炭素をバインダーと
する第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中
で加熱して少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を
得、該第2焼成芯体の気孔内に酸化珪素を生成させて第
3焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔内にシリコーン
樹脂硬化物を生成させた第4焼成芯体を得、該第4焼成
芯体の気孔内に着色剤を充填させることにより製造され
る。
に説明する。本発明の焼成色鉛筆芯は、少なくとも体質
材と有機質の賦形材が炭素化された炭素をバインダーと
する第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中
で加熱して少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を
得、該第2焼成芯体の気孔内に酸化珪素を生成させて第
3焼成芯体を得、該第3焼成芯体の気孔内にシリコーン
樹脂硬化物を生成させた第4焼成芯体を得、該第4焼成
芯体の気孔内に着色剤を充填させることにより製造され
る。
【0010】本発明において、第1焼成芯体は、少なく
とも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物より得ら
れる。体質材として、従来より焼成型の色鉛筆芯に使用
されているものであれば、いずれも使用可能であるが、
目的の一つである彩度の高い描線となる芯体を得るため
には、例えば、酸化チタン、雲母、タルク、窒化硼素、
シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの白色乃至無色
系の使用が好ましい。なお、これらの体質材は単独で又
は2種以上を混合して用いることができる。
とも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物より得ら
れる。体質材として、従来より焼成型の色鉛筆芯に使用
されているものであれば、いずれも使用可能であるが、
目的の一つである彩度の高い描線となる芯体を得るため
には、例えば、酸化チタン、雲母、タルク、窒化硼素、
シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの白色乃至無色
系の使用が好ましい。なお、これらの体質材は単独で又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0011】また、有機質の賦形材としては、例えば、
ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグ
ニン、セルロース、トラガントガムなどの天然高分子物
質、石油アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分
解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチなどのピッチ類等いず
れも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。更には、高せん断力を加えて行う混練時の特性向上
及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、リ
ン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオクチル
(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコール類、
ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑剤又は
溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて添加しても良
い。
ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグ
ニン、セルロース、トラガントガムなどの天然高分子物
質、石油アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分
解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチなどのピッチ類等いず
れも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用でき
る。更には、高せん断力を加えて行う混練時の特性向上
及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、リ
ン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオクチル
(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコール類、
ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑剤又は
溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて添加しても良
い。
【0012】これら配合組成物をヘンシェルミキサー、
加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押出成
形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰囲気
中又はアルゴンガスなどの不活性ガス中等の非酸化性雰
囲気中で焼成することにより、有機質の賦形材が炭化さ
れ炭素をバインダーとする第1焼成芯体が得られる。本
発明では、上記で得られた第1焼成芯体を酸化雰囲気中
で加熱して、炭素のバインダーを酸化除去することによ
り、多数の気孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼成芯
体が得られる。ここで、第2焼成芯体の気孔は、体質材
と有機質の賦形材とからなる混練物を、非酸化性雰囲気
で焼成することによって得られる気孔と、前記炭素のバ
インダーを除去することにより得られる気孔の両者から
構成されている。この第2焼成芯体の気孔率の調整は、
主に体質材と有機質の賦形材の配合割合を調整すること
により行われるものであるが、他に炭素粒状物質等の気
孔形成材を適宜添加してもかまわない。
加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押出成
形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰囲気
中又はアルゴンガスなどの不活性ガス中等の非酸化性雰
囲気中で焼成することにより、有機質の賦形材が炭化さ
れ炭素をバインダーとする第1焼成芯体が得られる。本
発明では、上記で得られた第1焼成芯体を酸化雰囲気中
で加熱して、炭素のバインダーを酸化除去することによ
り、多数の気孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼成芯
体が得られる。ここで、第2焼成芯体の気孔は、体質材
と有機質の賦形材とからなる混練物を、非酸化性雰囲気
で焼成することによって得られる気孔と、前記炭素のバ
インダーを除去することにより得られる気孔の両者から
構成されている。この第2焼成芯体の気孔率の調整は、
主に体質材と有機質の賦形材の配合割合を調整すること
により行われるものであるが、他に炭素粒状物質等の気
孔形成材を適宜添加してもかまわない。
【0013】本発明における第3焼成芯体は、上記第2
焼成芯体の気孔内にぺルヒドロポリシラザン含有液を含
浸し、酸化雰囲気中で熱処理をして該芯体中に酸化珪素
を生成させることにより得られる。第2焼成芯体に充填
させるぺルヒドロポリシラザン含有液は、セラミックス
前駆体ポリマーであるぺルヒドロポリシラザンを有機溶
剤で溶解したものであり、該ぺルヒドロポリシラザン含
有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであれば、使用す
る有機溶剤は特に限定されず、いずれも使用可能であ
る。使用できる有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレ
ン、四塩化炭素等、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙
げられる。
焼成芯体の気孔内にぺルヒドロポリシラザン含有液を含
浸し、酸化雰囲気中で熱処理をして該芯体中に酸化珪素
を生成させることにより得られる。第2焼成芯体に充填
させるぺルヒドロポリシラザン含有液は、セラミックス
前駆体ポリマーであるぺルヒドロポリシラザンを有機溶
剤で溶解したものであり、該ぺルヒドロポリシラザン含
有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであれば、使用す
る有機溶剤は特に限定されず、いずれも使用可能であ
る。使用できる有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレ
ン、四塩化炭素等、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙
げられる。
【0014】本発明に用いるぺルヒドロポリシラザン
は、主鎖が〔−Si−N−〕構造であり、酸化雰囲気中
での熱処理により、窒素を放出して酸素を取り込み、酸
化珪素に転化し、非常に高い収率で酸化珪素〔Si
O2〕が得られるものである。また、この熱分解反応等
による酸化珪素の生成は、温度が200℃から始まり、
約400℃という低温度で終了するものである。
は、主鎖が〔−Si−N−〕構造であり、酸化雰囲気中
での熱処理により、窒素を放出して酸素を取り込み、酸
化珪素に転化し、非常に高い収率で酸化珪素〔Si
O2〕が得られるものである。また、この熱分解反応等
による酸化珪素の生成は、温度が200℃から始まり、
約400℃という低温度で終了するものである。
【0015】第2焼成芯体にぺルヒドロポリシラザン含
有液を含浸する方法としては、例えば、第2焼成芯体を
ぺルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬し、必要に応じ
て加熱、減圧、加圧等の条件下で含浸させることにより
行うことができる。このぺルヒドロポリシラザン含有液
を含んだ第2焼成芯体を酸化雰囲気中で400℃以上、
好ましくは600℃以上で熱処理することにより、酸化
珪素を生成させた第3焼成芯体が得られる。
有液を含浸する方法としては、例えば、第2焼成芯体を
ぺルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬し、必要に応じ
て加熱、減圧、加圧等の条件下で含浸させることにより
行うことができる。このぺルヒドロポリシラザン含有液
を含んだ第2焼成芯体を酸化雰囲気中で400℃以上、
好ましくは600℃以上で熱処理することにより、酸化
珪素を生成させた第3焼成芯体が得られる。
【0016】次に、上記で得られた第3焼成芯体に、シ
リコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液を含浸し、酸化
雰囲気中で200℃〜600℃で熱処理し、該第3焼成
芯体の気孔中のシリコーン樹脂を硬化させて第4焼成芯
体を得ることができる。本発明で用いるシリコーン樹脂
は、有機溶剤で溶解し溶液が第3焼成芯体に含浸可能で
あり、かつ、酸化雰囲気中の熱処理で硬化するタイブで
あれば、特に限定されず、いずれも使用可能で、例え
ば、ストレートシリコーン樹脂のフェニル系、メチル
系、メチルフェニル系、シリコーン変性有機レジンのシ
リコーンアルキド系、シリコーンエポキシ系、シリコー
ンアクリル系等が挙げられ、これらは単独で又は2種以
上混合して用いることができる。具体的には、信越化学
社製のKR216、GE東芝シリコーン社製のTSR1
27B、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のSH8
40などが挙げられる。好ましいシリコーン樹脂として
は、機械的強度、書き味、芯体同士の付着の問題等の点
から、メチル系、メチルフェニル系のストレートシリコ
ーン樹脂が望ましい。
リコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液を含浸し、酸化
雰囲気中で200℃〜600℃で熱処理し、該第3焼成
芯体の気孔中のシリコーン樹脂を硬化させて第4焼成芯
体を得ることができる。本発明で用いるシリコーン樹脂
は、有機溶剤で溶解し溶液が第3焼成芯体に含浸可能で
あり、かつ、酸化雰囲気中の熱処理で硬化するタイブで
あれば、特に限定されず、いずれも使用可能で、例え
ば、ストレートシリコーン樹脂のフェニル系、メチル
系、メチルフェニル系、シリコーン変性有機レジンのシ
リコーンアルキド系、シリコーンエポキシ系、シリコー
ンアクリル系等が挙げられ、これらは単独で又は2種以
上混合して用いることができる。具体的には、信越化学
社製のKR216、GE東芝シリコーン社製のTSR1
27B、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のSH8
40などが挙げられる。好ましいシリコーン樹脂として
は、機械的強度、書き味、芯体同士の付着の問題等の点
から、メチル系、メチルフェニル系のストレートシリコ
ーン樹脂が望ましい。
【0017】また、これらのシリコーン樹脂を溶解する
有機溶剤としては、シリコーン樹脂を溶解し、第3焼成
芯体に含浸可能なものであれば、使用される有機溶剤は
特に限定されず、いずれも使用可能である。用いること
ができる有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩
化炭素等、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙げられ
る。
有機溶剤としては、シリコーン樹脂を溶解し、第3焼成
芯体に含浸可能なものであれば、使用される有機溶剤は
特に限定されず、いずれも使用可能である。用いること
ができる有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩
化炭素等、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙げられ
る。
【0018】上記第3焼成芯体にシリコーン樹脂を有機
溶剤で溶解した溶液を含浸する方法としては、例えば、
第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶
液中に浸漬し、必要に応じて加熱、減圧、加圧等の条件
下で含浸させることにより行うことができる。この第3
焼成芯体に、シリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液
を含浸した後、酸化雰囲気中で行う熱処理は200℃〜
600℃、好ましくは、250〜550℃で行うことが
望ましい。酸化雰囲気中の熱処理を200℃未満の低い
温度で行うと、硬化不十分、あるいは硬化しても芯体は
樹脂を摩耗させたような書き味で、摩耗しづらく、好ま
しくない。また、酸化雰囲気中の熱処理を600℃を越
えた温度で行うと、芯体の機械的強度と書き味のバラン
スが悪くなり、好ましくない。
溶剤で溶解した溶液を含浸する方法としては、例えば、
第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶
液中に浸漬し、必要に応じて加熱、減圧、加圧等の条件
下で含浸させることにより行うことができる。この第3
焼成芯体に、シリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液
を含浸した後、酸化雰囲気中で行う熱処理は200℃〜
600℃、好ましくは、250〜550℃で行うことが
望ましい。酸化雰囲気中の熱処理を200℃未満の低い
温度で行うと、硬化不十分、あるいは硬化しても芯体は
樹脂を摩耗させたような書き味で、摩耗しづらく、好ま
しくない。また、酸化雰囲気中の熱処理を600℃を越
えた温度で行うと、芯体の機械的強度と書き味のバラン
スが悪くなり、好ましくない。
【0019】本発明において、焼成色鉛筆芯は、上記で
得られた第4焼成芯体の気孔内に、着色剤を充填させる
ことにより完成となる。この第4焼成芯体に含浸させる
着色剤としては、従来公知の色鉛筆用であればいずれも
使用することができる。例えば、染料、顔料等の着色剤
を動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油、水等
に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界面活
性剤等を更に添加し製造された一般的に用いられている
印刷用インキ、スタンプインキ、ボールペンインキ、水
性筆記用インキ等が用いられる。また、インキを含浸す
る方法としては、芯体をインキ中に浸漬し、加熱、減
圧、加圧等の条件下で気孔内に充填させる。更に、繰り
返し含浸を行ってもよい。
得られた第4焼成芯体の気孔内に、着色剤を充填させる
ことにより完成となる。この第4焼成芯体に含浸させる
着色剤としては、従来公知の色鉛筆用であればいずれも
使用することができる。例えば、染料、顔料等の着色剤
を動植物油、合成油、アルコール類、炭化水素油、水等
に溶解、分散させ、あるいは必要に応じて樹脂、界面活
性剤等を更に添加し製造された一般的に用いられている
印刷用インキ、スタンプインキ、ボールペンインキ、水
性筆記用インキ等が用いられる。また、インキを含浸す
る方法としては、芯体をインキ中に浸漬し、加熱、減
圧、加圧等の条件下で気孔内に充填させる。更に、繰り
返し含浸を行ってもよい。
【0020】このように構成された焼成色鉛筆芯及びそ
の製造方法では、下記(1)及び(2)の作用等を有すること
となる。 (1) 少なくとも無色乃至白色の体質材からなる第2焼成
芯体にぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸、酸化雰囲
気中で焼成した芯体の結合材は、白色の酸化珪素である
ため、得られた第3焼成芯体は白色となる。また、第3
焼成芯体にシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液を
酸化雰囲気中で熱処理することにより、白色のシリコー
ン樹脂の硬化物が得られる。その結果、第4焼成芯体は
白色となり、淡色に着色した場合の焼成色鉛筆芯の描線
の彩度が高く、鮮やかなものとなる。 (2) 第2焼成芯体は、気孔が微細で充分に存在し、且つ
均一に分散していて、体質材が高配向しているため、気
孔内に酸化珪素とシリコーン樹脂硬化物を少量生成させ
るだけで、濃い描線を得るのに必要なインキを充填させ
る気孔を保持させたまま、高強度の焼成芯体が得られる
こととなる。
の製造方法では、下記(1)及び(2)の作用等を有すること
となる。 (1) 少なくとも無色乃至白色の体質材からなる第2焼成
芯体にぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸、酸化雰囲
気中で焼成した芯体の結合材は、白色の酸化珪素である
ため、得られた第3焼成芯体は白色となる。また、第3
焼成芯体にシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液を
酸化雰囲気中で熱処理することにより、白色のシリコー
ン樹脂の硬化物が得られる。その結果、第4焼成芯体は
白色となり、淡色に着色した場合の焼成色鉛筆芯の描線
の彩度が高く、鮮やかなものとなる。 (2) 第2焼成芯体は、気孔が微細で充分に存在し、且つ
均一に分散していて、体質材が高配向しているため、気
孔内に酸化珪素とシリコーン樹脂硬化物を少量生成させ
るだけで、濃い描線を得るのに必要なインキを充填させ
る気孔を保持させたまま、高強度の焼成芯体が得られる
こととなる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何
等限定されるものではない。
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何
等限定されるものではない。
【0022】〔実施例1〕 窒化硼素 41.3重量% 塩化ビニル樹脂 41.3重量% ジオクチルフタレート(DOP) 16.5重量% ステアリン酸亜鉛 0.9重量% 上記配合組成物をへンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、二本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これらから残留する可塑剤を除去すべく空気中で
180℃にて加熱処理して、しかるのち、窒素雰囲気中
にて、1000℃まで昇温させた後、1000℃にて焼
成し第1焼成芯体を得た。この第1焼成芯体を酸化雰囲
気約700℃で加熱焼成して残留している炭素化した樹
脂分を除去して白色の第2焼成芯体を得た。
圧ニーダー、二本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これらから残留する可塑剤を除去すべく空気中で
180℃にて加熱処理して、しかるのち、窒素雰囲気中
にて、1000℃まで昇温させた後、1000℃にて焼
成し第1焼成芯体を得た。この第1焼成芯体を酸化雰囲
気約700℃で加熱焼成して残留している炭素化した樹
脂分を除去して白色の第2焼成芯体を得た。
【0023】この第2焼成芯体にペルヒドロポリシラザ
ン含有液を室温下で1日含浸後、酸化雰囲気中で600
℃まで昇温させて、600℃にて焼成して第3焼成芯体
を得た。次に、メチルフェニル系シリコーン樹脂(SH
840、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)のキシ
レン溶液を室温下で1日含浸後、酸化雰囲気中で400
℃まで昇温させ、400℃で焼成して、直径0.57m
mで白芯の第4焼成芯体を得た。次いで、桃色染料イン
キに上記第4焼成芯体を浸し、70℃で24時間放置し
た。この桃色インキが充填された第4焼成芯体表面をア
ルコールで洗浄し、直径0.57mmの桃色の焼成色鉛
筆芯を得た。
ン含有液を室温下で1日含浸後、酸化雰囲気中で600
℃まで昇温させて、600℃にて焼成して第3焼成芯体
を得た。次に、メチルフェニル系シリコーン樹脂(SH
840、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)のキシ
レン溶液を室温下で1日含浸後、酸化雰囲気中で400
℃まで昇温させ、400℃で焼成して、直径0.57m
mで白芯の第4焼成芯体を得た。次いで、桃色染料イン
キに上記第4焼成芯体を浸し、70℃で24時間放置し
た。この桃色インキが充填された第4焼成芯体表面をア
ルコールで洗浄し、直径0.57mmの桃色の焼成色鉛
筆芯を得た。
【0024】〔比較例1〕上記実施例1と同様の第2焼
成芯体を得た後、この第2焼成芯体にぺルヒドロポリシ
ラザン含有液を室温下で1日含浸後、窒素雰囲気中で6
00℃まで昇温させて、600℃にて焼成して焼成芯体
を得た。次に、もう一度、この焼成芯体にぺルヒドロポ
リシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気中で1250℃
まで昇温させて、1250℃にて焼成した後、700℃
まで降温し、酸化雰囲気中で700℃にて焼成して直径
0.57mmの第3焼成芯体を得た。次いで、上記実施
例1と同様に桃色染料インキに、上記第3焼成芯体を浸
し、70℃で24時間放置した。この桃色インキが充填
された第3焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直径
0.57mmの桃色の焼成色鉛筆芯を得た。
成芯体を得た後、この第2焼成芯体にぺルヒドロポリシ
ラザン含有液を室温下で1日含浸後、窒素雰囲気中で6
00℃まで昇温させて、600℃にて焼成して焼成芯体
を得た。次に、もう一度、この焼成芯体にぺルヒドロポ
リシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気中で1250℃
まで昇温させて、1250℃にて焼成した後、700℃
まで降温し、酸化雰囲気中で700℃にて焼成して直径
0.57mmの第3焼成芯体を得た。次いで、上記実施
例1と同様に桃色染料インキに、上記第3焼成芯体を浸
し、70℃で24時間放置した。この桃色インキが充填
された第3焼成芯体表面をアルコールで洗浄し、直径
0.57mmの桃色の焼成色鉛筆芯を得た。
【0025】〔比較例2〕 窒化硼素 40重量% ベントナイト 35重量% ポリビニルアルコール 18重量% ポリエチレングリコール 7重量% 上記配合組成物と同重量の水とをへンシェルミキサーで
混合分散し、二本ロールで混練し、水分調整した後、細
線状に押出成形し、110℃で乾燥した後、アルゴンガ
ス中で1200℃まで昇温させて1200℃で焼成し
た。次に、酸化雰囲気中で700℃まで昇温させて70
0℃で焼成し、直径0.57mmの焼成芯体を得た。次
いで、桃色染料インキに上記焼成芯体を浸し、70℃で
24時間放置した。この桃色インキが充填された焼成芯
体表面をアルコールで洗浄し、直径0.57mmの桃色
の焼成色鉛筆芯を得た。
混合分散し、二本ロールで混練し、水分調整した後、細
線状に押出成形し、110℃で乾燥した後、アルゴンガ
ス中で1200℃まで昇温させて1200℃で焼成し
た。次に、酸化雰囲気中で700℃まで昇温させて70
0℃で焼成し、直径0.57mmの焼成芯体を得た。次
いで、桃色染料インキに上記焼成芯体を浸し、70℃で
24時間放置した。この桃色インキが充填された焼成芯
体表面をアルコールで洗浄し、直径0.57mmの桃色
の焼成色鉛筆芯を得た。
【0026】上記実施例1及び比較例1〜2で得られた
桃色焼成色鉛筆芯について、JIS−S−6005−1
989に準拠して曲げ強度(MPa)、官能評価による
書き味、下記測定方法により彩度(C)について評価し
た。これらの結果を下記表1に示す。
桃色焼成色鉛筆芯について、JIS−S−6005−1
989に準拠して曲げ強度(MPa)、官能評価による
書き味、下記測定方法により彩度(C)について評価し
た。これらの結果を下記表1に示す。
【0027】〔彩度(C)の評価法〕彩度(C)は、P
PC用紙に、荷重5Nにて機械筆記させ、スガ試験機
(株)製の分光計MSC−5Nにて、描線を測定した。
数値が高いほど、彩度が高いことを示す。
PC用紙に、荷重5Nにて機械筆記させ、スガ試験機
(株)製の分光計MSC−5Nにて、描線を測定した。
数値が高いほど、彩度が高いことを示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記表1の結果から明らかなように、本発
明範囲となる実施例1の焼成色鉛筆芯は、本発明の範囲
外となる比較例1〜2の焼成鉛筆芯に較べて、同等以上
の曲げ強度、書き味を示し、更に彩度が高く、鮮やかな
描線であることが判明した。これに対して、比較例を具
体的にみると、比較例1では、第3焼成芯体に生成した
窒化珪素により、除去不可能な残留炭素が存在する分、
描線濃度は実施例1に較べて低いものとなった。また、
比較例2では、従来のベントナイトを使用したものであ
るので、曲げ強度及び彩度も低いものとなり、書き味は
やや硬めとなった。
明範囲となる実施例1の焼成色鉛筆芯は、本発明の範囲
外となる比較例1〜2の焼成鉛筆芯に較べて、同等以上
の曲げ強度、書き味を示し、更に彩度が高く、鮮やかな
描線であることが判明した。これに対して、比較例を具
体的にみると、比較例1では、第3焼成芯体に生成した
窒化珪素により、除去不可能な残留炭素が存在する分、
描線濃度は実施例1に較べて低いものとなった。また、
比較例2では、従来のベントナイトを使用したものであ
るので、曲げ強度及び彩度も低いものとなり、書き味は
やや硬めとなった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、芯体中に酸化珪素とシ
リコーン樹脂硬化物を生成させた焼成芯体を用いるた
め、気孔率が大きく、機械的強度に更に優れ実用上折れ
難く、更にインキ充填量が多くなることにより、きわめ
て鮮やかで優れた発色性と良好な書き味を有する焼成鉛
筆芯及びその製造方法が提供される。
リコーン樹脂硬化物を生成させた焼成芯体を用いるた
め、気孔率が大きく、機械的強度に更に優れ実用上折れ
難く、更にインキ充填量が多くなることにより、きわめ
て鮮やかで優れた発色性と良好な書き味を有する焼成鉛
筆芯及びその製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AE11 BA12 BA16 BA21 BA23 BE01 BE02 BE12 DA03 DA05 DA06 EA29 GA30
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
することにより第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体
を酸化雰囲気中で加熱して炭素のバインダーを酸化除去
させた第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内
にぺルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、酸化雰囲気
中での熱処理により酸化珪素を生成させて第3焼成芯体
を形成し、該第3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤
で溶解した溶液に含浸して酸化雰囲気中で熱処理して第
4焼成芯体を形成し、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤
を充填させてなることを特徴とする焼成色鉛筆芯。 - 【請求項2】 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含
む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成
して第1焼成芯体を得、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中
で加熱して炭素のバインダーを酸化除去させた第2焼成
芯体を得、該第2焼成芯体の気孔内にぺルヒドロポリシ
ラザン含有液を含浸し、酸化雰囲気中での熱処理により
酸化珪素を生成させて第3焼成芯体を得、次いで、該第
3焼成芯体をシリコーン樹脂を有機溶剤で溶解した溶液
に含浸して酸化雰囲気中で熱処理することにより第4焼
成芯体を得、該第4焼成芯体の気孔内に着色剤を充填さ
せることを特徴とする焼成色鉛筆芯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001105994A JP2002302634A (ja) | 2001-04-04 | 2001-04-04 | 焼成色鉛筆芯及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001105994A JP2002302634A (ja) | 2001-04-04 | 2001-04-04 | 焼成色鉛筆芯及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002302634A true JP2002302634A (ja) | 2002-10-18 |
Family
ID=18958584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001105994A Withdrawn JP2002302634A (ja) | 2001-04-04 | 2001-04-04 | 焼成色鉛筆芯及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002302634A (ja) |
-
2001
- 2001-04-04 JP JP2001105994A patent/JP2002302634A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080701 |