JPH0842217A - 車両のドアーの掛け金機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両、特に自動車が衝突したときに、ドアー
の掛け金を作動せずに前後および横方向の衝撃に耐えら
れるようにする車両のドアーの掛け金機構の提供。 【構成】 本発明の掛け金機構は、ドアーハンドル２２
と掛け金２８に連結した２つのリンク３４，３６を有す
る。これらリンク３４，３６は枢動点４２にて互いに連
結される。車両ドア１０内でリンク３４，３６をつなぐ
枢動点４２は、ドアーハンドル２２の操作に応じて、垂
直に動いて掛け金２８を作動する。枢動点４２は、掛け
金２８を作動することなく水平方向へ前後および横に移
動自在である。この移動の自由を与えることによって、
枢動点４２が自由に浮動し、車両は掛け金２８を作動さ
せずに前後および横衝撃に耐えることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両のドアーの掛け金機
構に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】車両
のドアー、特に自動車のドアーは、車両の外側からと同
様に車両の内側から開くことのできる精巧な掛け金機構
を備えている。理想的には、掛け金はドアーハンドルの
解放動作によって作動される。運転中、車両は前後およ
び横方向の力の作用を受けるので、この力が掛け金を作
動しかねない。したがって、作動せずに前後および横方
向の力に耐える車両のドアー用の掛け金機構を得ること
が極めて望ましいと認識されよう。その力を発生させる
衝撃箇所は、しばしば車両のドアーである。また、横方
向力が車両のドアーに作用する際にロック状態を保持し
続ける掛け金も望ましい。

【０００３】

【課題を達成するための手段】本発明は上述した問題点
の１つないしそれ以上を解決することに指向される。要
約すれば、本発明によると、車両のドアー用の機構は、
ドアーハンドルに連結されたベルクランク、ドアーに取
り付けられた掛け金、掛け金とハンドルとを連結するリ
ンク組立体を含む。このリンク組立体は、一端部をベル
クランクに枢動連結された第１リンクと、一端部を掛け
金に枢動連結された第２リンクとを有している。これら
のリンクはベルクランクおよび掛け金の下方の相互の連
結点にて互いに枢動連結され、この連結点はドアーハン
ドルの操作に応じ垂直方向に移動して掛け金を作動す
る。これらのリンクおよび枢動点は、掛け金を作動させ
ることなく水平方向へ前後および横に移動自在である。

【０００４】掛け金を作動させることなく車両が前後お
よび横方向の衝撃に耐えられるように、相互連結点は自
由に遊動する。この自由に遊動する枢動点は、ドアー掛
け金を衝撃に感応することの少ない安全なドアー掛け金
にする。枢動点の前後および横方向の自由な移動は、掛
け金を作動させないで掛け金およびハンドルの間の相対
運動を可能にする。

【０００５】本発明のこれらおよび他の概念、目的、特
徴および利点は、好ましい実施例に関する以下の詳細な
説明および特許請求の範囲の記載を検討し、添付図面を
参照することで、一層明確に理解および認識されよう。

【０００６】

【実施例】図１および図２を参照すれば、車両のドアー
１０は中空の内部１２、この中空内部１２と通じる開口
１６を備えた外部パネル１４、および中空内部１２と通
じる開口２０を備えたエッジ面１８を有する。ハンドル
２２がドアー１０を開くために備えられている。

【０００７】ドアーハンドル２２は外側部分２４を有
し、この外側部分２４は外部パネル開口１６から延在し
ている。枢動ピン２６がドアーハンドル２２をドアーに
連結し、ドアーハンドル２２が枢動するための枢動点と
して作用している。ドアーハンドルは、外側ハンドル部
分２２を引っ張ってこの外側ハンドル部分２２を外部パ
ネル１４から外方へ且つ枢動ピン２６のまわりに上方へ
向けて枢動させることで、作動される。

【０００８】掛け金２８は、ドアー１０のエッジ面１８
に取り付けられている。掛け金２８は、この掛け金１８
がストライカ３０とのロッキング係合を解除する開位置
と、掛け金２８がストライカ３０とロッキング接触状態
に係合する閉位置との間で、作動可能である。掛け金
は、この分野で知られているようにドアーフレームに取
り付けられたストライカと協動する。

【０００９】ベルクランク３２はドアー１０の中空内部
１２でドアーハンドル２２に連結されている。ハンドル
２２の枢動はベルクランク３２の運動を生じる。図示し
たように、ベルクランク３２の運動は枢動であり、僅か
に円弧を描いてベルクランクの先端を上下に移動する。

【００１０】リンク組立体は、ドアー１０の中空内部１
２に配置された第１および第２リンク３４，３６を有す
る。第１リンク３４はベルクランク３２に枢動連結され
た一端部３８を有する一方、第２リンク３６は掛け金２
８に枢動連結された一端部４０を有している。図３は、
ベルクランク３２と第１リンク３４の第１端部３８との
連結を示している。端部３８は、開口内で水平方向に移
動できるような或る量の遊びを有している。端部３８は
ベルクランク３２の開口を通して突出しており、この開
口内に保持されるように下方へ曲げられることが好まし
い。これに替えて、端部３８は端部キャップ、クリッ
プ、コッタピン、ナットまたは他の手段により保持して
もよい。同様に第２リンクは、そのリンクの端部が水平
方向に移動できるように或る量の遊びを有して、掛け金
に連結されている。

【００１１】掛け金２８およびクランク３２の下方に位
置する相互連結点４２において、第１および第２リンク
３４，３６が互いに連結されている。この枢動点４２は
リンクを互いにピン連結して形成されるか、或いはねじ
ジョイントを使用してもよい。枢動点および２つのリン
クを形成するように曲げないし折り畳まれた単一部材を
備えることもできる。枢動点４２は、ベルクランク３２
を操作して第１リンク３４を動かすドアーハンドル２２
の作動に応答して、垂直方向に移動する。枢動点４２の
垂直方向の移動によって、第２リンク３６が動いて掛け
金２８を作動する。第１および第２リンク３４，３６お
よび枢動点４２は、掛け金２８を作動させることなく水
平方向へ前後および横に移動自在である。したがって、
枢動点４２は自由に遊動し、前後および横方向の衝撃に
車両が掛け金２８を作動させることなく耐えられるよう
にする。

【００１２】図４と図５を参照すると、安定化ブラケッ
ト４４がドアー１０の中空内部１２に配置され、外部ド
アーパネル１４に取り付けられている。ブラケット４４
は第１開口すなわちスロット４６を備え、この開口４６
を通して第２リンク３６が延在している。これに替え
て、第２リンク３６はブラケット４４とドアーパネル１
４との間を延在してもよい。ラケット４４は第２の開口
すなわちスロット４８も備えており、この開口４８を通
して第１リンク３４が延在している。図示するように、
開口４６，４８は互いに水平方向且つ横方向へずらされ
ていて、リンクを受け入れる。ブラケット４４は望まし
くない動きを制限し、また予め定めた範囲内で移動する
ようにリンク３４，３６を制約し、これによりガタガタ
音の発生を抑制する。リンク３４，３６或いはブラケッ
ト４４、または両方が、金属同士の接触で発生する騒音
を低減するための材料で被覆されることができる。

【００１３】図６は単一リンク５２と共に使用されるブ
ラケット５０を示している。ブラケット５０はＵ形ブラ
ケットであり、第２リンク５２をブラケットとドアーパ
ネルとの間に保持する。ブラケット５０は開口すなわち
スロット５４を備え、この開口５４を通して第２リンク
５２が延在している。図７はブラケット５６を示し、こ
のブラケットは所望位置に第１リンク６２を保持するた
めの開口６０を備えた支柱すなわち延在部５８を含む。

【００１４】本発明の作動は、前述の説明および図面か
ら明白であると考えるが、念のために多少の説明を行
う。図１は、ドアーが閉じられて、ドアーパネルに近い
ハンドルが常閉位置にある状態の機構を示している。ド
アー１０は、ハンドル２２をドアーから矢印Ａ方向に引
っ張ってハンドルを枢動ピン２４のまわりに枢動させる
ことで、作動される。ハンドルの動きはベルクランク２
２を矢印Ｂ方向に下方へ向けて枢動させ、第１リンク３
４および枢動点４２を垂直下方へ向けて枢動させる。枢
動点４２の下方向への動きは第２リンク３６を垂直下方
へ引っ張って、掛け金２８を作動させて閉位置（図１）
から開位置（図２）へ移動させる。掛け金を作動させる
には、枢動点４２の垂直下方への移動がなければならな
い。それ故に、枢動点は掛け金を作動させないで前後お
よび横方向へ自由に移動できる。何故なら、枢動点の垂
直下方への動きだけが掛け金を開けるからである。

【００１５】前後または横方向の衝撃が生じたとき、枢
動点の垂直下方への動きは全く生じない。前後方向の衝
撃において枢動点はより一層水平方向になることが、容
易に分かる。横方向の衝撃発生時には、ドアーハンドル
をドアー内部へ向けて押す傾向を見せる横方向の衝撃で
さえも、この力は水平方向の力となる。このような水平
方向の力はハンドルをその枢動ピンのまわりに枢動させ
るであろうが、この枢動は内方へ向けて生じ、ベルクラ
ンクが枢動点を垂直上方へ持ち上げて掛け金を閉状態に
保持するようにさせる。水平方向の力は、枢動点を垂直
に移動させることなく、鋏のようにリンクを閉じさせ
る。ハンドルおよび掛け金の間には、掛け金を作動させ
ずに相対運動が生じ得るのである。

【００１６】ブラケットはリンクを所定位置に保持し、
作動の障害とならずにそれらの動きを制限する。この動
きの制限は他の部材との不規則な接触を減少し、静かな
作動を促進する。

【００１７】衝撃作用点がドアーである場合にも、掛け
金を閉状態に保持して前後および横方向の衝撃に車両が
耐えることのできる車両用のドアーの掛け金機構が提供
されたことは、ここに認識できるであろう。自由な遊動
枢動点は、掛け金を衝撃に耐える安全なドアー掛け金に
する。枢動点は、掛け金とハンドルとの間に、掛け金を
作動させない相対運動を可能にする。

【００１８】特に自動車ドアーを引用して本発明を説明
したが、この安全ドアー掛け金が他の車両に容易に適用
できることは明白である。前述の説明から明白となるよ
うに、本発明のある概念は記載した実施例の特定な細部
に限定されず、それ故に他の変形例および適用例が当業
者に見い出されるものと考えられる。したがって、特許
請求の範囲の欄の記載は、本発明の精神および範囲から
逸脱しないように、このような全ての変形例および適用
例を包含するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】掛け金を閉じた、本発明による車両ドアーおよ
び掛け金機構の好ましい実施例の概略図。

【図２】掛け金を開いた図１と同様な概略図。

【図３】リンク部材を備えた図１および図２のベルクラ
ンクの端面図。

【図４】図１と同様であるが、安定化ブラケットを示し
ている概略的な端面図。

【図５】図４のブラケットの頂面図。

【図６】図５と同様であるが、他の実施例を示す頂面
図。

【図７】図５および図６と同様であるが、他の実施例を
示す頂面図。

【符号の説明】

１０ ドアー １２ 中空内部 １４ 外部パネル １６，２０ 開口 １８ エッジ面 ２２ ハンドル ２６ 枢動ピン ２８ 掛け金 ３０ ストライカ ３２ ベルクランク ３４ 第１リンク ３６ 第２リンク ４２ 相互連結点すなわち枢動点 ４４，５０ ブラケット ５２ リンク ５４，６０ 開口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両がストライカを有し、またドアーが
   中空内部と、該中空内部に通じる開口を備えた外部パネ
   ルと、前記中空内部に通じる開口を備えたエッジ面と、
   前記外部パネルの開口から延在する外側部分を備えたド
   アーハンドルとを有する車両のドアーの機構であって、 前記ドアーの前記中空内部の前記ドアーハンドルに連結
   されたベルクランクと、 前記ドアーに取り付けられ、前記ストライカとのロッキ
   ング係合を解除する開位置と、前記ストライカとロッキ
   ング接触状態に係合する閉位置との間で作動可能な掛け
   金と、 一端部が前記ベルクランクに枢動連結された第１リンク
   および一端部が前記掛け金に枢動連結された第２リンク
   を有するリンク組立体であって、前記第１および第２リ
   ンクは前記ベルクランクおよび掛け金の下方の相互の連
   結点にて互いに枢動連結され、該連結点は前記ドアーハ
   ンドルの作動に応じ垂直方向に移動して前記掛け金を作
   動し、前記第１および第２リンクおよび前記枢動点は前
   記掛け金を作動させることなく水平に前後および横に移
   動自在であるリンク組立体とを含むことを特徴とする車
   両のドアーの掛け金機構。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の機構であって、前記第
   １リンクの一端部が開口を通して前記ベルクランクに嵌
   合すると共に前記枢動点を垂直方向に移動させることな
   く該開口内で横方向および水平方向に移動でき、また前
   記第２リンクの一端部が開口を通して前記掛け金に嵌合
   すると共に前記枢動点が横方向および水平方向に自由に
   遊動するように前記枢動点を垂直方向に移動させないで
   前記開口内にて横方向および水平方向に移動して、これ
   により前記掛け金を開くことなく車両が前後および横方
   向の衝撃に耐えることができるようになされた車両のド
   アーの掛け金機構。