JPH0840825A - 中空の熱可塑性粒子で安定化した界面活性剤フリーの水中油型エマルション - Google Patents

中空の熱可塑性粒子で安定化した界面活性剤フリーの水中油型エマルション

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JPH0840825A
JPH0840825A JP7172562A JP17256295A JPH0840825A JP H0840825 A JPH0840825 A JP H0840825A JP 7172562 A JP7172562 A JP 7172562A JP 17256295 A JP17256295 A JP 17256295A JP H0840825 A JPH0840825 A JP H0840825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面活性剤が皮膚を刺激するため、界面活性
剤を含有しないエマルションを提供する。 【解決手段】 界面活性剤の代わりに、ゲル化した水相
中に油相があるエマルションにおいて、ゲル化した水相
に油相を分散させるアクリロニトリルのポリマーまたは
コポリマーの、膨張した中空の熱可塑性粒子を含有せし
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤を含有
しない水中油（Ｏ／Ｗ）型のエマルションに関する。こ
のエマルションは、白色または着色されたクリームまた
はミルクの形態で、特に、皮膚（ボディ、顔）および／
または髪の美容処理を意図したものである。さらに、こ
のクリームは、メークアップ用として使用することもで
きるし、皮膚および／または髪の皮膚病の処置のために
提供されることもできる。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特
に、使用時の快適さおよび冷たさに関連した種々の理由
により、水中油型のエマルションが、化粧品または皮膚
科学の分野で、今日、広く使用されている。これらのエ
マルションは、水相に分散した油相と、得られた分散状
態を安定させる一以上の界面活性剤とを含有する。しか
しながら、界面活性剤を含有することの欠点として、界
面活性剤がある種の皮膚を刺激する、ということが知ら
れている。それゆえ、ますます、界面活性剤を除去しよ
うとする試みがなされている。
【０００３】さらに、大抵の場合、界面活性剤の存在下
では、エマルションの製造において加熱することが必要
とされており、このことは、エマルションに導入される
作用物質の性質をかなり限定している。特に、この方法
では、感熱性の活性物質を使用することができない。
【０００４】それゆえ、従来公知のエマルションの欠点
を示さないエマルション、特に界面活性剤を含有しない
Ｏ／Ｗ型のエマルションが、継続して必要とされてい
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
よって、本発明の主題は、ゲル化した水相に油相がある
エマルションにおいて、水相に確実に油相を分散させる
アクリロニトリルのポリマーまたはコポリマーの、膨張
した中空の熱可塑性粒子を含有し、界面活性剤がないこ
とを特徴とするものである。加えて、有利には、化粧品
的および／または皮膚科学的に許容される媒体を含有す
る。
【０００６】請求項に掲げるエマルションは、界面活性
剤を含有せず、それゆえ、刺激が生じず、また、中空の
粒子の存在によってソフトな適用感があるという利点を
有する。
【０００７】加えて、エマルションを安定させるため
に、中空の粒子を使用することで、低温での製造が可能
となった。この製造方法は、界面活性剤を使用していた
際に、大抵の場合、加熱がなされる従来の製法よりも、
簡単で低コストである。低温で製造すると、例えば、劣
化の危険性なしに、感熱性の活性物質の導入が可能にな
る。
【０００８】さらに、中空の粒子の使用により、油が存
在するにもかかわらず脂ぎらず、また、ゲル化剤が存在
するにもかからわず粘着質でないという、大変好ましい
テクスチャーの組成物を得ることができる。
【０００９】本発明の他の主題は、皮膚の美容処理（例
えば、栄養、保湿、保護、洗浄、メークアップ）および
／または髪の美容処理（保護、滑らかにすること）のた
めに、また、皮膚の疾病（真菌症、ざ瘡、炎症および乾
癬）および／または髪の疾病の治療用クリームを調製す
るために、上述したエマルションを使用することにあ
る。
【００１０】さらに、本発明の主題は、皮膚および／ま
たは髪に上述したエマルションを適用することからなる
美容処理方法にある。
【００１１】なるほど、界面活性剤を含有しない分散液
を安定させるために、表面処理によって疎水性にされた
微小シリカ粒子を使用することは、シー．レビン（C.Le
vine）の論文［コロイドと表面（1989）第３８巻、頁３
２５−頁３４３の「微小粒子によるエマルションの安定
化．Ｉ．連続相と油／水の界面との間での粒子の分
割」］により公知であるが、一方では、重油およびビチ
ューメンというかなり異なった技術分野に関するため、
また他方では、そこに与えられている教示が、均一系で
はなく、小滴が裸眼で可視できるきめの粗い分散液に導
くため、この文献は、化粧品分野の当業者をして、本発
明に至らしめるものではない。しかしながら、定義付け
れば、化粧品エマルションは、一方が他方の中に入って
いるという２つの相の均一分散液のことをいう。
【００１２】さらに、そこで使用される粒子は、本発明
のエマルションを得ることができる粒子とは、性質が異
なるものである。本発明においては、可能な限り刺激性
がなく、良好な感覚上の特性を有し、特に、使用時にソ
フトな適用感があるエマルションを得るための試みがな
されている。
【００１３】仏国特許公開第２２０８６４２号公報によ
り、水と有機溶媒（エタノールまたはプロパノール）を
含有するものと、油からなるものとの、２つの性質の異
なる相を有し、細かく分離した粒子が２つの相の界面に
位置している液体化粧品組成物が公知となっている。こ
れらの粒子は、無機物質またはポリ塩化ビニルのような
合成有機物質からなる。これらの粒子は、水性アルコー
ル媒体中で油の小滴の生成を促進させる。
【００１４】得られた生成物の型、すなわち、２相組成
物により、また、モノアルコールからなる溶媒の存在に
より、この公報は、化粧品分野の当業者をして、モノア
ルコールを含有しない水中油型のエマルションを安定さ
せるために、熱可塑性の中空の粒子を使用することに、
至らしめない。本発明においては、モノアルコールなし
に、また、刺激を与えることになる界面活性剤またはア
ルコールを含有する２相組成物ではない、可能な限り刺
激性のない均一なエマルションを得るための試みがなさ
れている。
【００１５】さらに、欧州特許第３９２４２６号公報に
より、粒子に吸着される油のような活性物質をゲル化さ
れた系に導入するために、ポリメチル＝メタクリラート
粒子を使用することが公知である。
【００１６】しかしながら、この型の粒子は、ゲル中に
少量の油しか導入できず、以下に説明する比較試験によ
って示されるように、水相中に油相がある分散液を得る
ことはできない。
【００１７】また、本発明の主題は、界面活性剤なしに
ゲル化した水相に油相を分散させ、得られたエマルショ
ンを安定させるために、アクリロニトリルのポリマーま
たはコポリマーの、膨張した中空の熱可塑性粒子を使用
することにある。
【００１８】一般に、本発明で使用できる粒子は、皮膚
に対して毒性および刺激性がない、膨張したアクリロニ
トリルのポリマーまたはコポリマーから作製できる。
【００１９】特に、粒子の密度は、１５kg/m3から２０
０kg/m3、好ましくは、４０kg/m3から１２０kg/m3、さ
らに好ましくは、６０kg/m3から８０kg/m3の範囲から選
択される。前記低密度とするために、好ましくは、アク
リロニトリルおよびアクリルまたはスチレンベースのモ
ノマーおよび／または塩化ビニリデンをベースとした膨
張したポリマー類またはコポリマー類の粒子が有利に使
用される。
【００２０】例えば、塩化ビニリデンから誘導された単
位を０％から６０％、アクリロニトリルから誘導された
単位を２０％から９０％、アクリルまたはスチレンベー
スのモノマーから誘導された単位を０％から５０％を、
合計で（重量で）１００％になるように含有するコポリ
マーを使用することが可能である。アクリルモノマー
は、例えば、アクリル酸メチルまたはアクリル酸エチル
またはメタクリラートである。スチレンベースのモノマ
ーは、例えば、α−メチルスチレンまたはスチレンであ
る。
【００２１】本発明に使用できる粒子は、好ましくは、
塩化ビニリデンおよびアクリロニトリルまたは塩化ビニ
リデン、アクリロニトリルおよびメタクリラートの膨張
したコポリマーの中空粒子である。これらの粒子は、乾
燥していても水和したものであってもよい。
【００２２】本発明の粒子は、例えば、次の特許および
特許出願：欧州特許第５６２１９号、欧州特許第３４８
３７２号、欧州特許第４８６０８０号、欧州特許第３２
０４７３号、欧州特許第１１２８０７号および米国特許
第３６１５９７２号の方法により得ることができる。
【００２３】粒子の内部空洞部には、原則として、空
気、窒素またはイソブタンまたはイソペンタンのような
炭化水素のガスが含有されている。
【００２４】本発明の粒子は、有利には、１μｍから８
０μｍ、好ましくは１０μｍから５０μｍ、さらに好ま
しくは１０μｍから３０μｍの範囲の粒子径を有する。
【００２５】本発明で使用できる粒子は、例えば、ノー
ベルカスコ（Nobel Casco）社から、登録商標エクスパ
ンセル（Expancel）を付して販売されている塩化ビニリ
デン、アクリロニトリルおよびメタクリラートの膨張し
たターポリマーのマイクロスフェアである。このエクス
パンセルには、551 DE 50（粒子径は約４０μｍ）、551
DE 20（粒子径は約３０μｍで、密度は約６５kg/
m3 ）、551 DE 12（粒子径は約１２μｍ）、551 DE 80
（粒子径は約８０μｍ）および461 DE 50（粒子径は約
５０μｍ）がある。また、以下にEL 23と呼ばれる約１
８μｍの粒子径と約７０kg/m3の密度を有し、または、
以下にEL 43と呼ばれる約３４μｍの粒子径と約２０kg/
m3の密度を有する同様の膨張したターポリマーから作製
されたマイクロスフェアを使用することも可能である。
【００２６】加えて、これらの粒子は、それらが含有さ
れるエマルションへの適用において、軽さと艶消しを付
与する。
【００２７】本発明の組成物において、組成物の全重量
に対して０．１重量％から１０重量％の粒子を組成物に
用いるのが好ましく、さらに、好ましくは０．５重量％
から５重量％である。
【００２８】本発明に係るエマルションは、少なくとも
１つのゲル化剤、特に、親水性のゲル化剤の補助により
ゲル化した水相を含有するものであり、結果として、連
続水相の粘度は、エマルションの良好な経時的安定性を
許容し、密度が極度に低い粒子が表面に浮いて、エマル
ションが不安定になることを防止できるように十分に高
い。
【００２９】ゲル化剤（類）は、特に、グッドリッチ
（Goodrich）社からカルボポール（Carbopol）の名称で
販売されているようなカルボキシビニル（カーボマー）
ポリマー類、ガーディアン（Guardian）社からルブラジ
ェル（Lubrajel）またはノアゲル（Norgel）の名称で、
またはヒスパノチミカ（Hispano Chimica）社からヒス
パゲル（Hispagel）の名称で販売されている製品のよう
なポリアクリラート類およびポリメタクリラート類、セ
ピック（Seppic）社からセピゲル（Sepigel）305の名称
で販売されている製品のようなポリアクリルアミド類、
アルギナート類、セルロースおよびその誘導体類、特
に、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース（ビーガム：
Veegum）および微結晶セルロースのような多糖類、キサ
ンタンガム、グアガム、キャロブガム、アカシアガムの
ような天然ゴム類、スクレログルカン、キチンおよびキ
トーサン誘導体類、カラギーナン類、またはモンモリロ
ナイト、ベントーン類およびアルミニウムおよびマグネ
シウムのシリカート類のようなクレー類から選択でき
る。
【００３０】本発明のエマルションに使用されるゲル化
剤の量は、使用されるゲル化剤（類）の性質に依存す
る。例えば、エマルションの全重量に対して、０．１重
量％から１０重量％、好ましくは０．２重量％から６重
量％の範囲内とできる。
【００３１】エマルションの油相は、エマルションの全
重量に対して０．１重量％から３０重量％、好ましくは
５重量％から１５重量％とすることができ、油類および
任意に他の脂肪物質類を含有してもよい。
【００３２】例えば、本発明に使用可能な油として、鉱
物性油類、動物由来の油類、植物性油類、合成油類、シ
リコーンオイル類およびフッ化オイル類を挙げることが
できる。
【００３３】鉱物性油としては、例えば、流動パラフィ
ン、ワセリンオイルおよび融点が３００と４００℃の間
にある鉱物性油を挙げることができる。
【００３４】動物由来の油類としては、例えば、ペルヒ
ドロスクワレンを挙げることができる。
【００３５】植物性油としては、例えば、アルモンド
油、カロフィラム（calophyllum）油、パーム油、アプ
リコット核（apricot kernel）油、アボカド油、ホホバ
油、オリブ油、ヒマシ油、穀物胚芽（cereal germ）油
類（トウモロコシ胚芽油）およびカリテバター（karite
butter）の液状留分を挙げることができる。
【００３６】合成油としては、例えば、水素化ポリイソ
ブテン、プルセリン（purcellin）油、ミリスチン酸ブ
チル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチ
ル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピ
ル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、
オレイン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、プロピレン＝
グリコール＝ジカプリラートのような脂肪酸エステル
類、ラノリン酸ジイソプロピルおよびラノリン酸イソセ
チルのようなラノリン酸から誘導されたエステル類、ア
セチル＝グリセリド類、グリコールおよびグリセロール
のような多価アルコールおよびアルコールのオクタノア
ート類およびデカノアート類、およびアルコールおよび
多価アルコールのリシノレアート類を挙げることができ
る。
【００３７】シリコーンオイルとしては、例えば、シク
ロメチコーン類、低分子量（シリコーンオイル）または
高分子量（シリコーンガム）のポリジメチルシロキサン
類、ポリメチルシロキサン類、ジメチコノール類（dime
thiconols）、フェニル化ポリジメチルシロキサン類、
低分子量または高分子量のシロキサノール類およびトリ
メチルシロキシシリカート類を挙げることができる。
【００３８】フッ化オイルとしては、例えば、ペルフル
オロエーテル類およびフッ化シリコーン類を挙げること
ができる。
【００３９】油相に存在する傾向にある他の脂肪物質と
しては、例えば、脂肪酸類、脂肪アルコール類およびロ
ウ類を挙げることができる。
【００４０】加えて、公知の方法にて、本発明のエマル
ションは、親水性または親油性の活性剤類、安定化剤
類、酸化防止剤類、香水類、フィラー類、サンスクリー
ン剤類、着色料類（顔料類または染料類）および脂質小
胞体類のような、化粧品または皮膚科学の分野の通常の
アジュバント（添加剤）類を含有することができる。こ
れらのアジュバント類は、化粧品または皮膚科学の分野
で使用されるエマルションに対して通常の割合、例え
ば、エマルションの全重量に対して０．０１重量％から
２０重量％で使用され、それらの性質により、エマルシ
ョンのゲル化した水相または油相に導入される。
【００４１】親水性の活性剤として、特に、タンパク質
類またはタンパク質の加水分解物類、アミノ酸類（ヒド
ロキシプロリン、プロリン）、グリセリン、ソルビトー
ル、ブチレングリコール、プロピレングリコールまたは
ポリエチレングリコールのような多価アルコール類、ア
ラントイン、グアノシン、糖類または糖類の誘導体類、
アスコルビン酸（ビタミンＣ）のような水溶性のビタミ
ン類、ヒドロキシ酸類およびそれらの塩類および水和、
抗シワ、痩身、栄養、柔軟化等の特定の水溶性活性剤類
および類似した活性剤類を挙げることができる。
【００４２】親油性の活性剤類として、レチノール（ビ
タミンＡ）およびその誘導体類（パルミチン酸レチニー
ル）、トコフェロール（ビタミンＥ）およびその誘導体
類のような脂溶性のビタミン類、サンスクリーン剤、セ
ラミド類および痩身活性剤のような特定の脂溶性活性剤
類および抗フリーラジカル活性の薬剤類を挙げることが
できる。
【００４３】上述した親水性または親油性の活性剤類の
列挙は、決して全てを網羅したものではないことは明白
である。
【００４４】本発明の主題を形成するエマルション類
は、頭皮を含む髪および皮膚の、多くの化粧品および／
または皮膚科学的な処置のために、特に、皮膚の手入
れ、洗浄およびメークアップ、髪の手入れおよび皮膚、
髪および粘膜の治療のために適用することが見い出され
ている。
【００４５】これらのエマルションは、例えば、乾燥肌
または脂性肌用のメークアップまたは顔の手入れ用の製
品に使用することができる。
【００４６】よって、例えば、乾性肌用の製品を調製す
るために、ゲル化した水相に、例えば、グリセリン、プ
ロピレングリコール、ソルビトール、プロリン、ピロリ
ドンカルボン酸およびその誘導体類、尿素、加水分解さ
れたコラーゲン、アロエ ベラ ゲル（Aloe Vera ge
l）、ヒアルロン酸およびその誘導体類、ヒアルロン酸
ジメチルシラノール、アラントイン、Ｄ−パンテノール
および乳酸ナトリウムのような水和している水溶性の活
性物質類を導入することもできる。
【００４７】他方、脂性肌用のトリートメント製品は、
特に、ゲル化した水相に、柔軟剤として使用されている
プロビタミンＢ５のような水溶性の活性物質類、または
３，４−トランスチオランジオール＝Ｓ−ジオキシドの
ような抗細菌物質を導入することによって得ることがで
きる。
【００４８】また、本発明によるエマルションは、クリ
ーム類、ミルク類またはマスク類の形態の顔用の洗浄製
品類またはメークアップ除去剤として、またはフィラー
類、顔料類または染料類が混合されている場合はメーク
アップ製品として使用することもできる。特に、肌色に
するための製品、ほほ紅類、マスカラ類、ファンデーシ
ョン類、ティンテッド（淡色）クリーム類、天然のサン
タン（日焼け）効果を付与するティンテッド製品類のよ
うなボディ用着色製品類を得るために使用することもで
きる。
【００４９】さらに、本発明のエマルションは、紫外線
から皮膚および／または髪を保護するための水溶性また
は脂溶性の、遮蔽剤（スクリーン剤）類の導入により、
抗日光製品類として使用することもできる。ゲル化され
た水相に導入可能な水溶性のサンスクリーン剤として
は、例えば、ビーエーエスエフ（BASF）社からユビヌル
（Uvinul） MS 40の名称で販売されている２−ヒドロキ
シ−４−メトキシベンゾフェノン−５−スルホン酸を挙
げることができる。油相に導入される脂溶性のサンスク
リーン剤としては、例えば、ギバウダン（Givaudan）社
からパーソル（Parsol） MCXの名称で販売されている２
−エチルヘキシル＝パラ−メトキシシンナマートまたは
ビーエーエスエフ（BASF）社からユビヌル（Uvinul） M
40の名称で販売されている２−ヒドロキシ−４−メト
キシベンゾフェノンを挙げることができる。
【００５０】また、本発明によるエマルションは、例え
ば、ビタミンＦおよび痛み緩和活性剤類として上述した
水和剤類を含有し、日光にさらされた後に使用するため
の製品の調製に使用することもできる。
【００５１】さらに、ゲル化した水相または油相のそれ
ぞれに、水溶性または脂溶性の痩身活性物質類を導入す
ることによって痩身製品を得ることもできる。水溶性の
痩身活性物質類としては、カフェイン、テオブロミン、
テオフィリン、Ｌ−カルニチン、ジメチルアミノエチル
テオフィリン＝ヒドロクロリドのようなキサンチン誘導
体類、メチルシラノール＝テオフィリナセタート（theo
phyllinacetate）のアルギナート型のシリコン誘導体
類、またはセイヨウキヅタ、褐藻類および新鮮な野生の
サンシキスミレの水性グリコール抽出物類のような植物
から誘導されたものを挙げることができる。脂溶性の痩
身活性剤類としては、ＤＬ−アルファ−トコフェロール
＝ニコチナート、ヤクヨウニンジン（ginseng）の根（P
anax ginseng）の油性抽出物、セイヨウキヅタ（Hedera
helix）の油性抽出物、乾燥したウサギギクの花類（Ar
nica montana L.）、および藻類（Fucus vesiculosus）
を挙げることができる。
【００５２】さらにまた、本発明のエマルション類は、
水溶性活性物質類としてイチョウ、シナガワハギまたは
ラスカス（ruscus）および伝統的に柔軟剤として使用さ
れている油類を含有する太い脚用の製品として使用する
こともできる。
【００５３】最後に、本発明のエマルションは、抗炎症
剤類、抗真菌剤類、抗寄生虫剤類およびかゆみ止め剤
類、抗脂漏剤類、角質溶解剤類または抗ざ瘡剤類のよう
な適当な活性剤類をエマルションに導入することで、例
えば、乾癬、湿疹、ざ瘡または真菌症用の処置のため、
あるいは、敏感肌または炎症を起こした肌の手入れのた
め、皮膚病において使用することもできる。
【００５４】一般に、本発明のエマルションは、化粧品
および皮膚科学の分野で知られている、公知の低温製法
によって調製することができる。例えば、まず、ゲル化
剤と水を混合することによって水性ゲルを調製し、つい
で、そこに活性物質類と他の親水性のアジュバントを添
加し、次に、そこに中空の粒子を分散させる。ついで、
油類と脂肪物質類とを含有する脂肪相、活性物質類およ
び他の疎水性のアジュバントを室温で数分撹拌し、前記
水性ゲルを乳化させる。ゲルの調製工程は、わずかに加
熱が要求される傾向にあるが、感熱性の活性物質類は、
常に低温で添加される。
【００５５】得られた製品は、特に、触感および外観に
関して優れた化粧品特性を示すクリームゲルであり、化
粧品製品用のベースとして使用することができる。
【００５６】
【実施例】本出願人は、分散作用を比較するために、水
中油型エマルション中の異なった性質の粒子を試験し
た。エマルションの組成を次に示す： −シクロメチコーン １０％ −カーボマー（Carbomer）（ゲル化剤） ０．８％ −トリエタノールアミン（中和剤） ０．８％ −粒子 １％ −水 全体を１００％とする量
【００５７】結果を次の表に示す。エクスパンセル粒子
のみが、水相中に油相を確実に、良好に分散させること
が解った。
【００５８】
【表１】
【００５９】次の実施例は、本発明を例証するものであ
る。これらの実施例において、パーセンテージは重量で
与えられている。
【００６０】実施例１ ：アイラインの手入れ品 Ａ１相 グアノシン ０．０１％ ヒドロキシプロリン １．００％ 安定化剤類 ０．３０％ 脱イオン水 全体を１００％とする量 Ａ２相 脱イオン水 ２２．００％ グリセリン １０．００％ カーボマー（ゲル化剤） ０．８０％ Ａ３相 トリエタノールアミン（中和剤） ０．８０％ Ｂ相 マイクロスフェア（microspheres）EL 23 １．３０％ Ｃ相 トウモロコシ胚芽(Maize germ)油 １０．００％ パルミチン酸レチニール ０．１５％ 香水 ０．３０％
【００６１】水にグアノシンを溶解させ、ついで、周囲
温度で、ヒドロキシプロリンと安定化剤を添加すること
によって、Ａ１相を調製した。
【００６２】グリセリンが添加されている水中にて、周
囲温度で、タービンで攪拌しつつ、カーボマーを膨張さ
せることによって、別途、Ａ２相を調製した。ついで、
Ａ２相にＡ３相を導入した。
【００６３】周囲温度で、構成成分を混合することによ
って、Ｃ相を調製した。
【００６４】Ａ１相と、Ａ２相とＡ３相との混合物を、
ホモジナイズした。ついで、攪拌しつつ、Ｂ相をその中
に分散させ、ついで、Ｃ相を添加した。
【００６５】タービンで１５分間攪拌した後、アイライ
ンの手入れ用のクリームゲルが得られた。
【００６６】得られた製品は、かなりソフトな適用感が
あり、経時的に、全く安定していた。
【００６７】実施例２ ：ひげそり後用の流体 Ａ１相 グアノシン ０．０１％ アラントイン ０．２０％ 安定化剤類 ０．３０％ 脱イオン水 全体を１００％とする量 Ａ２相 脱イオン水 ２２．００％ グリセリン ７．００％ カーボマー（ゲル化剤） ０．４０％ キサンタンガム（ゲル化剤） ０．１０％ Ａ３相 トリエタノールアミン（中和剤） ０．４０％ Ｂ相 マイクロスフェア EL 23 ０．８０％ Ｃ相 シクロメチコーン ８．００％ 香水 ０．５０％
【００６８】手順は実施例１と同様である。滑らかで刺
激性がなく、かなりソフトな触感を有するひげそり後用
の流体が得られた。
【００６９】実施例３ ：水和しているボディ用バルム Ａ１相 Ｄ−パンテノール １．０％ 尿素 ２．０％ 乳酸ナトリウム １．０％ 安定化剤類 ０．４％ 脱イオン水 全体を１００％とする量 Ａ２相 脱イオン水 ２５．０％ グリセリン ５．０％ カーボマー（ゲル化剤） ０．８％ キサンタンガム（ゲル化剤） ０．１％ Ａ３相 トリエタノールアミン（中和剤） ０．８％ Ｂ相 マイクロスフェア EL 23 １．０％ Ｃ相 カリテバターの液状留分 ８．０％ 香水 ０．３％
【００７０】手順は実施例１と同様である。かなりソフ
トなボディ用バルムが得られ、かなり心地よい適用感が
あり、刺激を起こすことなく、よく皮膚になじんだ。
【００７１】実施例４ ：ソフトな洗浄用マスク Ａ相 アカシアガム（ゲル化剤） ０．６２％ カラギーナン（ゲル化剤） １．５０％ キサンタンガム（ゲル化剤） ０．２５％ モンモリロナイト（ゲル化剤） ２．００％ ブチレングリコール ３．００％ 安定化剤 適量 脱イオン水 全体を１００％とする量 Ｂ相 小麦澱粉（フィラー） ２．００％ 二酸化チタン（顔料） ２．００％ 鉄黄（顔料） ０．０３％ エクスパンセル 551 DE 20 ６．００％ Ｃ相 流動パラフィン ５．００％
【００７２】周囲の温度で水中に全ての構成成分を分散
させることによってＡ相を調製し、ついで、Ａ相にＢ相
を入れてペーストを形成し、ついで、１０分間激しく攪
拌して、脂肪相を混入させるという手順からなる。
【００７３】得られたマスクは、かなり軽いテクスチャ
ーを有していた。かなりソフトな使用感があり、皮膚は
乾燥しなかった。
【００７４】実施例５ ：ほほ紅 Ａ相 カーボマー（ゲル化剤） ０．６０％ トリエタノールアミン（中和剤） ０．６０％ 安定化剤 適量 グリセリン ２．００％ キノリンイエロー（染料） ０．０７％ ポンソ＝二ナトリウム塩（染料） ０．０９％ アリザリングリーン＝二ナトリウム塩（染料） ０．０４％ 脱イオン水 全体を１００％にする量 Ｂ相 シクロメチコーン／ジメチコノール ４．００％ ［ダウコーニング（Daw Corning）社からDC 1401 サブスタンティビティエイドフルイド（Substan- tivity Aid Fluid）名称で販売されている混合物］ 水素化ポリイソブテン ４．００％ Ｃ相 エクスパンセル 551 DE 20 ０．８０％
【００７５】手順は、以下の通りである。水中で種々の
構成成分を混合して８０℃でゲル化した水相Ａを調製
し、ついで攪拌しつつ、周囲の温度になるまで放置して
冷却した。ついで、Ｃ相をかなりゆっくりと攪拌しつつ
添加し、穏やかに１０分間攪拌しつつ、Ｂ相をそこに混
入した。
【００７６】容易に広がり、最終的に自然なパウダー効
果を付与する、かなりソフトなゲル化されたほほ紅が得
られた。
【００７７】実施例６ ：ティンテッドゲル Ａ相 カーボマー（ゲル化剤） １．５０％ トリエタノールアミン（中和剤） １．５０％ ポリエチレングリコール ８．４０％ 安定化剤 ０．３０％ グリセリン ２．００％ キノリンイエロー（染料） ０．０７％ ポンソ＝二ナトリウム塩（染料） ０．０９％ アリザリングリーン＝二ナトリウム塩（染料） ０．０４％ 脱イオン水 全体を１００％にする量 Ｂ相 シクロメチコーン／ジメチコノール ５．００％ ［ダウコーニング（Daw Corning）社からDC 1401 サブスタンティビティエイドフルイドの名称で販 売されている混合物］ Ｃ相 マイクロスフェア EL 23 １．００％
【００７８】手順は、先の実施例と同様である。
【００７９】かなりソフトな適用感があり、容易に広が
り、均質に分配される顔またはボディ用のティンテッド
ゲルが得られた。このゲルは、脂ぎっておらず、また粘
着質でもなかった。
【００８０】実施例７ ：皮膚病用クリーム Ａ相 カーボマー（ゲル化剤） ６．００％ 水酸化ナトリウム（中和剤） １．００％ 脱イオン水 全体を１００％とする量 Ｂ相 マイクロスフェア EL23 １．００％ Ｃ相 流動ワセリンオイル ６．００％ Ｄ相 クロベタソール（Clobetasol） 17 プロピオ ０．０１％ ナート（抗炎症剤） プロピレングリコール ５．００％
【００８１】Ａ相を調製し、穏やかに攪拌しつつＢ相を
導入し、ついで、攪拌を持続しつつＣ相を滴下混入し、
磁気攪拌して均質にし、最終的に攪拌しつつＤ相を添加
した。
【００８２】かなりソフトな適用感があり、乾癬の治療
に適したクリームが得られた。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ゲル化した水相中に油相があるエマルシ
    ョンにおいて、ゲル化した水相に油相を分散させるアク
    リロニトリルのポリマーまたはコポリマーの、膨張した
    中空の熱可塑性粒子を含有し、界面活性剤を含有しない
    ことを特徴とするエマルション。
  2. 【請求項２】 モノアルコールを含有しないことを特徴
    とする請求項１に記載のエマルション。
  3. 【請求項３】 ゲル化した水相が、カルボキシビニルポ
    リマー類、ポリアクリルアミド類、ポリアクリラート
    類、ポリメタクリラート類、多糖類、天然ゴム類および
    クレー類から選択される少なくとも１種のゲル化剤を含
    有してなることを特徴とする請求項１または２に記載の
    エマルション。
  4. 【請求項４】 粒子が１から８０μｍの粒子径を有する
    ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１項に記
    載のエマルション。
  5. 【請求項５】 粒子が１０から５０μｍの粒子径を有す
    ることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に
    記載のエマルション。
  6. 【請求項６】 粒子が、１５kg/m3から２００kg/m3の密
    度を有することを特徴とする請求項１ないし５のいずれ
    か１項に記載のエマルション。
  7. 【請求項７】 粒子が、４０kg/m3から１２０kg/m3の密
    度を有することを特徴とする請求項１ないし６のいずれ
    か１項に記載のエマルション。
  8. 【請求項８】 粒子が、アクリロニトリルと塩化ビニリ
    デンおよび／またはアクリルまたはスチレンベースのモ
    ノマーのコポリマー類の膨張した中空の粒子であること
    を特徴とする請求項１ないし７のいずれか１項に記載の
    エマルション。
  9. 【請求項９】 粒子が、エマルションの全重量に対し
    て、０．１重量％から１０重量％であることを特徴とす
    る請求項１ないし８のいずれか１項に記載のエマルショ
    ン。
  10. 【請求項１０】 ゲル化剤が、エマルションの全重量に
    対して、０．１重量％から１０重量％であることを特徴
    とする請求項１ないし９のいずれか１項に記載のエマル
    ション。
  11. 【請求項１１】 油相が、エマルションの全重量に対し
    て、０．１重量％から３０重量％であることを特徴とす
    る請求項１ないし１０のいずれか１項に記載のエマルシ
    ョン。
  12. 【請求項１２】 化粧品および／または皮膚病用の組成
    物をなすことを特徴とする請求項１ないし１１のいずれ
    か１項に記載のエマルション。
  13. 【請求項１３】 親水性活性物質、親油性活物質類、安
    定化剤類、酸化防止剤類、香水類、フィラー類、サンス
    クリーン剤類、着色料類および脂質小胞体類から選択さ
    れる少なくとも１つの添加剤を含有してなることを特徴
    とする請求項１ないし１２のいずれか１項に記載のエマ
    ルション。
  14. 【請求項１４】 皮膚および／または髪の美容処理のた
    めの、請求項１ないし１３のいずれか１項に記載のエマ
    ルションの使用。
  15. 【請求項１５】 皮膚病の治療用クリームを得るため
    の、請求項１ないし１３のいずれか１項に記載のエマル
    ションの使用。
  16. 【請求項１６】 請求項１ないし１３のいずれか１項に
    記載のエマルションを、皮膚および／または髪に適用す
    ることからなることを特徴とする美容処理方法。
  17. 【請求項１７】 界面活性剤なしに、ゲル化した水相に
    油相を分散させ、このように得られたエマルションを安
    定化させるための、アクリロニトリルのポリマーまたは
    コポリマーの、膨張した中空の熱可塑性粒子の使用。
  18. 【請求項１８】 粒子が１から８０μｍの粒子径を有す
    ることを特徴とする請求項１７に記載の粒子の使用。
  19. 【請求項１９】 粒子が１０から５０μｍの粒子径を有
    することを特徴とする請求項１７または１８に記載の粒
    子の使用。
  20. 【請求項２０】 粒子が１５kg/m3から２００kg/m3の密
    度を有することを特徴とする請求項１７ないし１９のい
    ずれか１項に記載の粒子の使用。
  21. 【請求項２１】 粒子が４０kg/m3から１２０kg/m3の密
    度を有することを特徴とする請求項１７ないし２０のい
    ずれか１項に記載の粒子の使用。
  22. 【請求項２２】 アクリロニトリルと塩化ビニリデンお
    よび／またはアクリルまたはスチレンベースのモノマー
    のコポリマー類の膨張した中空の粒子を使用することを
    特徴とする請求項１７ないし２１のいずれか１項に記載
    の粒子の使用。
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