JPH0838721A - パチンコ機の上皿オーバーフロー機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パチンコ機において、上皿からオーバーフロ
ーする景品球を下皿へ導びく景品球放出通路を前面枠内
に設けることにより、機構板側の機構部品の装着スペー
スの拡大を図る。 【構成】 前面枠１の下部前面に上皿２と下皿３とを備
えたパチンコ機において、前面枠１をその裏面の遊技盤
取付用としての中間枠部１ａをも含めて樹脂成形により
一体化するとともにその下枠部１ｂを上皿２及び下皿３
が装着可能な領域を有する縦幅に設定する。そして下枠
部１ｂには前面側を開放する縦方向に延びる凹部４を形
成し、この凹部４と上皿２及び下皿３の装着面側の壁面
を構成するベース板部２ａ，３ａとにより上皿２からオ
ーバーフローした景品球Ｐを下皿３に案内するための景
品球放出通路５を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は上皿が景品球で満杯にな
ったときに、その後に景品球排出機構から排出される景
品球を下皿へオーバーフローさせるパチンコ機の上皿オ
ーバーフロー機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、景品球を受ける皿を上下２段に
備えたパチンコ機では、上皿が満杯となったときに、オ
ーバーフローした景品球を下皿へ導くための上皿オーバ
ーフロー機構を備えており、図４には従来の上皿オーバ
ーフロー機構概要が示されている。上皿２３はそのベー
ス板２３ａが前面枠２１の下枠部２１ａに図示省略のヒ
ンジを介して開閉自在（通常、パチンコ機に向かって左
端を支点とした水平回動）に取付けられ、また下皿２４
はそのベース板２４ａが図示省略のビス等により前面枠
２１の下枠部２１ａに固定されている。前面枠２１の裏
側には図示省略の遊技盤を取付ける中間枠２２が設けら
れ、遊技盤の裏側には図示省略の機構板が取付けられて
いる。そして、上皿オーバーフロー機構は機構板に設け
られるのが一般的である。

【０００３】図示のように、上皿オーバーフロー機構
は、樹脂製の景品球放出通路２５を主体部として構成さ
れている。この景品球放出通路２５は、図示省略の景品
球排出機構の景品球Ｐを上皿２３に誘導する景品球排出
通路２６の下部側に一体的に連設され、機構板の主要部
を構成している。そして、景品球放出通路２５はその下
部前面側に形成した放出口２５ａが下皿２４の球受入口
２４ｂに連絡通路２７を介して連通している。なお、上
皿２３の球受入口２３ｂは景品球排出通路２６の前面側
に形成した球排出口２６ａと連絡通路２８を介して連通
している。また、景品球放出通路２５と景品球排出通路
２６とは両通路２５，２６を仕切る仕切壁２９に開口す
る溢出口２９ａを介して連通し、上皿２３に景品球Ｐが
満杯となったときに、後続の景品球Ｐが仕切壁２９を乗
り越えて溢出口２９ａから景品球放出通路２５へ流出す
るようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の上皿オーバーフロー機構は、機構板に設ける構成で
あったため、その周辺に存在する機構部品の組付け、保
守点検の作業が面倒になるという不具合があった。すな
わち、上皿オーバーフロー機構を構成する景品球放出通
路２５は、機構板の下部スペースのうちの相当の領域を
占める関係で、その周辺に配置される、セーフ球通路、
アウト球通路、球抜き通路、セーフ球カウント装置等の
取付スペースを制限する結果、それら機構部品を限られ
たスペースに組付けることの困難さや保守点検のための
サービス作業の面倒さに問題があった。

【０００５】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、上皿オーバーフ
ロー機構を前面枠内に成形することにより、機構板側の
機構部品の装着スペースの拡大を図ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成したものである。すなわ
ち、本発明は前面枠の下部前面に上皿と下皿とを備えた
パチンコ機のオーバーフロー機構であって、前記前面枠
をその裏面の遊技盤取付用としての中間枠部をも含めて
樹脂成形により一体化するとともにその下枠部を少なく
とも前記上皿及び下皿が装着可能な領域を有する縦幅に
設定し、この下枠部には前面側を開放する縦方向に延び
る凹部を形成し、この凹部と前記上皿及び下皿の装着面
側の壁面とにより前記上皿からオーバーフローした景品
球を前記下皿に案内するための景品球放出通路を形成し
たことを特徴とする。

【０００７】そして、前記上皿を手前に開放回動したと
きの景品球のこぼれ落ちを防止するために、前記景品球
放出通路にはオーバーフローした景品球が上皿の裏壁面
に回り込むことを規制する球ガイドを設定することが望
ましい。また、上皿の満杯時には直ちに景品球をオーバ
ーフローさせるために、前記下枠部の上寄りには景品球
排出機構から排出される景品球の流入口を設け、この流
入口と前記上皿の球受入口とを常には流入口から流入す
る景品球を受け取って球受入口へ案内し、オーバーフロ
ー時には景品球を前記景品球放出通路へ落下可能な樋部
材により連絡することが望ましい。

【０００８】

【作用】上述のように構成された本発明に係るパチンコ
機の上皿オーバーフロー機構においては、上皿のオーバ
ーフロー時に景品球を下皿に導く景品球放出通路を前面
枠の下枠部内に設定したことにより、機構板側に必要で
あった景品球放出通路用のスペースが不要となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図１及び図２はそれぞれ本実施例に係る
上皿オーバーフロー機構を示す縦断面図であり、図３は
同じく前方斜視図である。本実施例は、前面枠１の下部
前面に上皿２と下皿３とが備えられ、しかも上皿２が前
面枠１の一側に水平回動可能に取付けられているパチン
コ機を対象とするものであって、前面枠１がその裏面側
に嵌め込まれる図示省略の遊技盤を取付けるための中間
枠部１ａをも含めて射出成形により所要形状に一体形成
されている。すなわち、従来別々に製作されていた前面
枠と中間枠とを樹脂成形により一体化した構成となって
いる。

【００１０】しかして、前記前面枠１は上皿２や下皿３
等の装着部である下枠部１ｂがそれらを装着し得るに十
分な領域を有するように上下方向に幅広に設定されてお
り、この下枠部１ｂには前側を開放する凹部４が形成さ
れ、そしてこの凹部４の開放部分を塞ぐような形で前記
上皿２と下皿３が配置されている。すなわち、前面枠１
の下枠部１ｂに形成された凹部４の開放側を上下の皿
２，３の装着面側の壁面を構成するベース板部２ａ，３
ａにより塞ぐことでオーバーフローする景品球Ｐを下皿
へ案内する景品球放出通路５を構成している。

【００１１】なお、下皿３はそのベース板部３ａが前面
枠１の表面にビス等によって固定され、また上皿２はそ
のベース板部２ａの一側が前面枠１に図示省略のヒンジ
を介して水平回動可能に取付けられるとともに、常には
図示省略のロック手段によって景品球放出通路５を形成
する位置、つまり図１及び図２に示す閉鎖位置に保持さ
れる。

【００１２】前記景品球放出通路５を構成する凹部４の
後壁面４ａには、図示省略の景品球排出機構から排出さ
れる景品球Ｐを案内する景品球排出通路６の出口に連な
る流入口７が貫設されており、また流入口７の下方には
上皿２からオーバーフローした景品球Ｐを下方へ案内す
るための落下口８が後壁面４ａの一部を後側へ凹ませて
縦長に形成してある。

【００１３】そして、景品球Ｐの流入口７は上皿２の球
受入口２ｂよりも高い位置に設定されるとともに、樋部
材９により球受入口２ｂと連絡されている。樋部材９は
上皿２側に一体に形成された略矩形の筒体からなり、球
受入口２ｂの裏側から略水平状に延出するとともに、そ
の先端が流入口７の下方に所定間隔Ｓを置いて対向して
いる。また、流入口７より低い位置に設定される樋部材
９は、流入口７から流入した景品球Ｐをスムーズに受け
取るために、その先端側の上面側が開口されており、し
かも上面開口部９ａから景品球Ｐが跳ね出ることを規制
するために後壁面４ａ上端のオーバーハング部４ｂによ
り該上面開口部９ａを覆っている。

【００１４】従って、図１に示すように、通常時には流
入口７から勢い良く流入した景品球Ｐが確実に樋部材９
側へ案内されることになるが、上皿２のオーバーフロー
時には、図２に示すように、樋部材９上から溢れた景品
球Ｐが樋部材９の先端に設けた突起９ｂと流入口７の口
端７ａとの間を通って落下口８へ落下する。

【００１５】また、景品球放出通路５内における上皿２
の背面に対応する部位には、断面溝形をなす球ガイド１
０が配置されている。この球ガイド１０は落下口８から
落下する景品球Ｐを案内し、かつ上皿２の機台前方への
回動（開放）時に、景品球放出通路５内の景品球Ｐが機
台前方へこぼれ出ることを防止するためのものであり、
その下端が下皿３のベース板３ａの近くまで垂下してい
る。さらに、景品球放出通路５の下部には景品球Ｐを下
皿３の球受入口３ｂに向かって案内する案内樋１１が設
定されている。なお、球ガイド１０は凹部４の縦壁面に
対してビス等で後付けされるが、案内樋１１については
前面枠１側に一体成形されている。さらにまた、景品球
放出通路５における下部側、つまり下皿３に対応する部
位は後側に膨出されて景品球Ｐの収容量が拡大されてい
る。

【００１６】上述したように本実施例に係る上皿オーバ
ーフロー機構にあっては、前面枠１を中間枠１ａをも含
めて樹脂成形により一体化し、そしてその前面枠１の下
枠部１ｂ内に上皿２からオーバーフローした景品球Ｐを
下皿３に放出させる景品球放出通路５を形成したもので
ある。すなわち、従来、機構板側に設けられていた景品
球放出通路５を前面枠１内に設けたものであり、このこ
とにより機構板側には景品球放出通路設置用のスペース
が不要となり、機構板に装着されるその他の機構部品の
装着スペースを拡大することが可能となる。その結果、
それら機構部品のレイアウト上の自由度が向上するとと
もに、組付けの容易化あるいは保守点検の容易化に寄与
することができる。

【００１７】また、本実施例にあっては、上皿２に景品
球Ｐが満杯となったとき、景品球Ｐは皿底とほぼ同一レ
ベルで延びる樋部材９の後端突起９ｂと流入口７の口端
７ａとの間を通って直ちに落下口８へ落下して下皿３へ
放出される。すなわち、上皿２が満杯になると同時に景
品球Ｐがオーバーフローするため、図４に示すような上
皿２３の奥の視認不能な通路に多量の景品球Ｐを滞留さ
せてからオーバーフローする従来の上皿オーバーフロー
機構とは異なり、遊技者に安心感を与えることができ
る。

【００１８】さらにまた、本実施例では上皿２の裏面に
対応する部位に球ガイド１０を設けて落下口８から下皿
３の裏面までの間をカバーする構成であるから、図２に
仮想線で示す如く景品球放出通路５内に景品球Ｐが一杯
に滞留した状態で、遊技中のトラブル解消のために図３
に示す如く上皿２を機台前方へ回動して開放しても、景
品球放出通路５内の景品球Ｐが機台前方へ流出すること
を防止することができる。

【００１９】なお、本実施例では流入口７と上皿２の球
受入口２ｂとを連絡する樋部材９を筒形に形成するとし
たが、必ずしもこの形状に限定するものではなく、上面
を開放した形状でも差し支えなく、その場合後壁面４ａ
のオーバーハング部４ｂを延長して開口上面をカバーす
ることが望ましい。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
機構板側に景品球放出通路が無くなるため、機構板に装
着される各種の機構部品の装着スペースに余裕ができる
ことになり、それら部品のレイアウトの自由度が向上す
るとともに、組付けの容易化、保守点検の容易化に寄与
することができる。

【００２１】また、景品球放出通路内に景品球の上皿裏
壁面への回り込みを規制する球ガイドを設定する構成を
採用したときは、景品球が景品球放出通路に存在する状
態で、上皿を前方へ回動して開放したときに景品球放出
通路内の景品球が機外へ流出することを防止することが
できる。また、景品球排出機構から排出される景品球の
流入口と、上皿の球受入口とを、常には流入口から流入
する景品球を受け取って球受入口へ案内し、オーバーフ
ロー時には景品球を前記景品球放出通路へ落下可能な樋
部材により連絡する構成を採用したときは、上皿が満杯
となったとき、直ちに後続の景品球がオーバーフローし
て下皿に放出されるため、上皿が満杯に達してから下皿
に放出されるまでの視認の不可能な景品球の滞留距離の
大きい図４に示す従来に比べて遊技者に及ぼす安心度が
向上される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るパチンコ機の上皿オーバ
ーフロー機構を示す縦断面図である。

【図２】同じく上皿オーバーフロー機構の縦断面図であ
り、オーバーフロー状態を示している。

【図３】上皿を機台前方へ回動して景品球放出通路内部
を示す斜視図である。

【図４】従来の上皿オーバーフロー機構を示す縦断面図
である。

【符号の説明】

１…前面枠 １ａ…中間枠部 １ｂ…下枠部 ２…上皿 ２ａ…球受入口 ３…下皿 ３ａ…球受入口 ４…凹部 ５…景品球放出通路 ９…樋部材 １０…球ガイド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面枠の下部前面に上皿と下皿とを備え
   たパチンコ機のオーバーフロー機構であって、前記前面
   枠をその裏面の遊技盤取付用としての中間枠部をも含め
   て樹脂成形により一体化するとともにその下枠部を少な
   くとも前記上皿及び下皿が装着可能な領域を有する縦幅
   に設定し、この下枠部には前面側を開放する縦方向に延
   びる凹部を形成し、この凹部と前記上皿及び下皿の装着
   面側の壁面とにより前記上皿からオーバーフローした景
   品球を前記下皿に案内するための景品球放出通路を形成
   したパチンコ機の上皿オーバーフロー機構。
2. 【請求項２】 前記景品球放出通路にはオーバーフロー
   した景品球が上皿の裏壁面に回り込むことを規制する球
   ガイドを設定したことを特徴とする請求項１記載のパチ
   ンコ機の上皿オーバーフロー機構。
3. 【請求項３】 前記下枠部の上寄りには景品球排出機構
   から排出される景品球の流入口を設け、この流入口と前
   記上皿の球受入口とを常には流入口から流入する景品球
   を受け取って球受入口へ案内し、オーバーフロー時には
   景品球を前記景品球放出通路へ落下可能な樋部材により
   連絡したことを特徴とする請求項１記載のパチンコ機の
   上皿オーバーフロー機構。