JPS63298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、遊技者が発射した打球が入賞態様を
形成したときに賞球排出装置が作動して賞として
排出する球を多数貯留しておくパチンコ機の球貯
留タンクに関するものである。

パチンコ機には周知のように、裏側上方部に球
貯留タンクを有し、該球貯留タンクの底部導出口
から球導出樋を延設し、該球導出樋の傾斜下端に
賞球の排出を制御する賞球排出装置を設けてあ
る。そして球貯留タンク内には多数の球を貯留さ
せ、球導出樋内には球貯留タンクから導出した球
を待機しておき、打球が入賞した時に賞球排出装
置が作動して一定数の球を賞球として排出する。
賞球排出装置が球を排出すると、球導出樋の球が
賞球排出装置内部に流入し、次の賞球排出に備え
るので球貯留タンクの球が球導出樋内に補填する
ことになる。この補填は、球貯留タンク内の球の
自重流下によつて行なわれる。ところが従来は、
タンク内に貯留した球が崩れ難かつたり或いは導
出口でブリツジ状に詰つたりして、球が貯留して
いるにも拘らず導出樋内の球が不足し、賞球排出
が円滑に行なわれなかつたり、パチンコ機が打止
め状態となることがある。

本案は上記に鑑み提案されたもので、一辺を傾
斜させた導出口の一側に球崩し用突起を隆設する
ことによりタンク内に貯留する球がどの程度の数
であつても常に球が球導出口内に円滑に流下する
球貯留タンクを提供しようとするものである。

以下本案を一実施例の図面にもとづいて説明す
る。

パチンコ機１は、第１図及び第２図に示すよう
に、遊技盤２の裏側上方に球貯留タンク３を有
し、該球貯留タンク３の底部の一端側に開設した
導出口４の下側に球導出樋５の傾斜上端を位置さ
せ、該球導出樋５の傾斜下端開口部５′には賞球
排出装置６を連設する。この賞球排出装置６には
賞球排出樋７の上端部が開口し、賞球排出樋７の
下端をパチンコ機前面に設けた上部受皿８に接続
するとともに、オーバーフロー樋９を介して下部
受皿１０に接続する。そして遊技盤２の裏面には
遊技者が弾発した打球が入賞したときの入賞球を
案内する集合樋１１を形成し、該集合樋１１の傾
斜下端開口部１１′には該集合樋１１から導かれ
る入賞球を１個宛制御して流下する入賞球制御器
１２を臨ませて設ける。また集合樋１１の下端開
口部１１′の下方には入賞球制御器１２が１個宛
制御した入賞球を受け入れる連結樋１３の入口を
開口させる。この連結樋１３の流下途中には上記
賞球排出装置６を作動させて賞球を排出する作動
レバ１４の球載部１４′が臨み、該作動レバ１４
の一端に接続した連結杆１５と、該連結杆１５の
上端に接続した傾動杆１６とにより作動レバ１４
の傾動を賞球排出装置６の傾動樋６′に伝導して
賞球排出を行なう。

上記した球貯留タンク３、球導出樋５、賞球排
出装置６、賞球排出樋７、入賞球制御樋１２、作
動レバ１４等は裏機構として、第２図及び第３図
で示すように、遊技盤２の裏面に開閉自在に蝶着
した例えば透明プラスチツク製の裏機構カバー１
７に一体的に或いはビス等で止着して設ける。

パチンコ機１の裏機構は上記の様な構成なの
で、球貯留タンク３にある程度の数量の球を供給
すると、該球は導出口４から球導出樋５及び賞球
排出装置６の傾動樋６′内に流動して充満状態と
なる。

本案に係る球貯留タンク３は合成樹脂等によつ
て一体成形した上面開放の深皿状であり、第４図
に示すように、遊技盤２の裏面或いは上記裏機構
カバー１７の表面に接する後側面１８と、該後側
面１８に対向する前側面１９と、該後側面１８と
前側面１９の右端部同士及び左端部同士を各々壁
状に結ぶ右側面２０、左側面２１と、底面部２２
とから成る。そして右側面２０、左側面２１及び
底面部２２の外側表面には取付片２３ａ，２３
ｂ，２３ｃを一体的に延設し、該取付片２３ａ，
２３ｂ，２３ｃに透孔２４…を開設する。したが
つて該透孔２４にネジ等を挿通すると該球貯留タ
ンク３を遊技盤２の裏面或いは裏機構カバー１７
の表面に固定することができる。

また底面部２２の左右いずれかの端部（本実施
例では左端部）には導出口４を開設し、該導出口
４と後側面１８との間に球崩し突起２５を隆設す
る。

導出口４は球貯留タンク３内の球を球導出樋５
の傾斜上端に途切れることなく流下する透孔であ
り、球導出樋５の球流下方向とほぼ平行な前側辺
４ａ及び後側辺４ｂと、球導出樋５の球流下方向
に直交して球導出樋５の上流側に位置する上流側
辺４ｃと、球導出樋５の下流側に位置して前側辺
４ａから後側辺４ｂに向い広がるように傾斜させ
た下流側辺４ｄとから成る。そして前側辺４ａと
後側辺４ｂとの間隔、即ち前後方向の幅を球導出
樋５の幅とほゞ同一か又はこれよりも僅かに広く
形成すると共に、上流側辺４ｃと下流側辺４ｄと
の平均間隔即ち左右方向の横幅を前後方向の幅よ
りも広く形成する。

図示の実施例の様に球導出樋５が球を２列に整
列するものであれば、左側面２１に接する上流側
辺４ｃの長さを球径の２倍以上で３倍以下に、該
上流側辺４ｃにほぼ直角に交わる後側辺４ｂの長
さを球径の５倍以上で６倍以下に、該後側辺４ｂ
に対向する前側辺４ａの長さを球径の４倍以上で
５倍以下にして導出口４を構成する。この様に導
出口４を構成すると、導出口４内で球がブリツジ
状になつて詰まることがない。

また底面部２２の下面には前側辺４ａ、後側辺
４ｂ及び上流側辺４ｃから各々下方に向けてガイ
ド片２６ａ，２６ｂ，２６ｃを延設し、前側辺４
ａから延設したガイド片２６ａを下流側に延長さ
せる。この様にガイド片２６…を設けると導出口
４と球導出樋５との接合隙間を小さくすることが
でき、該接合部から球がこぼれることがない。

一方、球崩し用突起２５は球貯留タンク３の後
側面１８と導出口４の後側辺４ｂとの間に位置し
て山積状に貯留した球を崩すもので、後側面１８
と左側面２１に接合する上面部２７が導出口４に
向つて下り傾斜し、該上面部２７の傾斜下端縁か
ら垂下した前面部２８の下方が導出口４の後側辺
４ｂを構成し、上面部２７の右端縁と前面部２８
の右端縁とによつて構成される空隙を側面部２９
が塞ぐ。なお該側面部２９は導出口４の下流側辺
４ｄとほぼ平行に底面部２２から起立し、その高
さ、即ち上面部２７の高さは底面部２２から球径
の１〜２倍程度が望ましい。

底面部２２は、後側面１８と右側面２１の両下
端縁から上記導出口４に向つて緩く下り傾斜する
平板状の第１底面部２２ａと、前側面１９の下端
縁から導出口４に向つて下り傾斜する平板状の第
２底面部２２ｂと、左側面２１の一部下端縁から
導出口４或いは右方向に向けて下り傾斜する第３
底面部２２ｃとにより構成する。そして第１底面
部２２ａと第２底面部２２ｂとが接合する谷部３
０ａを導出口４に向つて緩く下り傾斜させ、傾斜
下端を導出口４の下流側辺４ｄの途中に位置させ
る。また第２底面部２２ｂと第３底面部２２ｃと
が接合する谷部３０ｂも上記谷部３０ａと同様に
導出口４に向い下り傾斜させ、傾斜下端を導出口
４の前側辺４ａの途中に位置させる。

本願の球貯留タンク３は上記の様にして成るの
で、球を貯留した場合、導出口４付近の球が球導
出樋５内へ流下すると球崩し突起２５の上面部２
７が該上面部２７上に載つた球を支持すると共
に、上面部２７の下り傾斜によつて該球を導出口
４に向けて案内する。したがつて球貯留タンク内
の球は自重により自然に崩れて導出口４へ流下す
る。また球が導出口４内を通過して球導出樋５内
に流下する際、球が導出口４の上方でブリツジ状
になつていても、導出口４の下流側辺４ｄが傾斜
しているので該下流側辺４ｄに接する球が下流側
辺４ｄに沿つて移動し、ブリツジを解く。したが
つて導出口４上におけるブリツジ状の球詰りを確
実に崩すことができる。

尚、上記実施例では導出口４を底面部１６の左
端部に開設したが、反対の右端部に開設してもよ
い。

したがつて本考案によれば球貯留タンク内にど
れだけの球が、どの様な状態で貯留していても球
詰りをすることがなく、円滑に球導出樋に導くこ
とができるので、賞球を速かに排出するし、球貯
留タンク内に球が貯留していても打止め状態にな
ることがない。しかも硬質合成樹脂で簡単に成形
することができるので、低廉に供することができ
て実用的価値が高い。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示すもので、第１図は
パチンコ機の背面図、第２図はパチンコ機の縦断
側面図、第３図は裏機構カバーを開放した状態の
パチンコ機の裏側斜視図、第４図は左前方からの
斜視図、第５図は平面図、第６図は左下方からの
斜視図、第７図は要部の斜視図、第８図は第５図
−線の断面図、第９図は第５図−線の断
面図である。 １……パチンコ機、２……遊技盤、３……球貯
留タンク、４……導出口、４ａ……前側辺、４ｂ
……後側辺、４ｃ……上流側辺、４ｄ……下流側
辺、５……球導出樋、１７……裏機構カバー、１
８……後側面、１９……前側面、２０……右側
面、２１……左側面、２２……底面部、２５……
球崩し突起、２７……上面部、２８……前面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊技盤或いは遊技盤に設けた裏機構カバーに接
   する後側面と、該後側面に対向する前側面と、後
   側面の端部と前側面の端部とを接続する右側面及
   び左側面と、底面部と、該底面部に開設した導出
   口とを有し、該導出口の下方に球導出樋の傾斜上
   端を臨ませたパチンコ機の球貯留タンクにおい
   て、導出口と後側面との間に球崩し突起を隆設
   し、導出口は球導出樋の球流下方向とほぼ平行な
   前側辺及び後側辺と、球導出樋の球流下方向に直
   交して球導出樋の上流側に位置する上流側辺と、
   球導出樋の下流側に位置する下流側辺とから成
   り、導出口の前後方向の幅を球導出樋の幅とほゞ
   同一か僅かに広くすると共に左右方向の幅を前後
   方向の幅よりも広く形成し、球崩し突起は上面部
   を導出口に向けて下り傾斜させると共に該上面部
   の傾斜下端縁から垂下する前面部を導出口の後側
   辺に位置させ、底面部は上記導出口に向けて下り
   傾斜させたことを特徴とするパチンコ機の球貯留
   タンク。