JPH0836323A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH0836323A
JPH0836323A JP6191255A JP19125594A JPH0836323A JP H0836323 A JPH0836323 A JP H0836323A JP 6191255 A JP6191255 A JP 6191255A JP 19125594 A JP19125594 A JP 19125594A JP H0836323 A JPH0836323 A JP H0836323A
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JP
Japan
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temperature
recording material
image
heating
fixing
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Application number
JP6191255A
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English (en)
Inventor
Hiroko Ogama
裕子 大釜
Koichi Tanigawa
耕一 谷川
Masahiro Goto
正弘 後藤
Toshio Miyamoto
敏男 宮本
Tatsuichi Tsukida
辰一 月田
Satoru Izawa
悟 伊澤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本出願に係る第1の発明は、2面目定着時の
温度リップルを小さく抑え、光沢ムラの発生を防止でき
る画像形成装置の提供を目的としている。 【構成】 先ず装置立ち上げ時にサーミスタによるヒー
ター温度の検知結果(ステップ3a)、もしくは定着後
のヒーターOFF時の温度変化量ΔT/dtの検知結果
(ステップ3h)の何れかからヒーターの目標温度を決
定する(ステップ3b)。次に定着面が1面目か2面目
かの判断をし(ステップ3c)、2面目であれば1面目
よりも短い80msecのヒーター温度監視周期を決定
する(ステップ3d)。そして、記録材がヒーター部に
搬送される数秒前に上記周期により電力制御を開始し
(ステップ3e)、定着を行い(ステップ3f)、記録
材がヒーター部を抜けた直後にヒーターへの通電をOF
Fして、その間のヒーター温度変化量ΔT/dtを検知
し(ステップ3g、ステップ3h)、次の目標温度を決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真プリンター、
複写機及び静電記録装置等に用いられる加熱定着装置を
有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、記録材上の未定着画像を定着する
定着装置としては、熱効率、安全性が良好な接触加熱型
の定着装置が広く用いられている。中でも省エネルギー
の観点からエネルギー効率が高く表面温度の立ち上がり
の早い、熱容量の極めて小さなフィルムを内部から加熱
するフィルム加熱方式の加熱定着装置が特開昭63−3
13182号公報、特開平2−157878号公報、特
開平4−44075号公報〜特開平4−44083号公
報、特開平4−204980号公報〜特開平4−204
984号公報等に提案されている。
【0003】この装置は、薄肉の耐熱性フィルム(また
はシート)と、該フィルムの移動駆動手段と、該フィル
ムの一方面側に摺擦するように固定支持して配置された
一定温調される加熱体(ヒーター)と、該フィルムの他
方面側に接触して該加熱体に対向して配置された加圧部
材とを有しており、顕画剤像が転写された記録材をフィ
ルムと加圧部材との間に所定速度にて搬送導入させ、記
録材の搬送方向と順方向に、かつ記録材の搬送速度と略
同一速度でフィルムを走行移動させることにより、フィ
ルムを介して加熱体と加圧部材との間に形成される圧接
部(以下、定着ニップ部とする)にて、記録材の顕画剤
像担持面を加熱及び加圧し、顕画剤像を軟化溶融させて
記録材上に永久画像として定着させるものである。
【0004】図12にその具体的一例の概略構成を示
し、図13に図12装置における加熱体と通電制御系を
示す。図12において、1はエンドレスベルト状の耐熱
性フィルム(定着フィルム)であり、このフィルム1
は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させ
るために、膜厚が、総厚100μm以下、好ましくは4
0μm以下20μm以上の耐熱性・離型性・強度・耐久
性等のあるPTFE、PFA、PPS等の単層フィル
ム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEE
K、PES等のフィルム表面にPTFE、PFA、FE
P等を離型層としてコーティングした複合層フィルム等
である。
【0005】このフイルム1は、駆動ローラ111と、
テンションローラを兼ねる従動ローラ112と、加熱体
(ヒーター)2との互いに略平行に配設された3部材間
に懸回張設させてあり、駆動ローラ111の回転によ
り、少なくとも画像定着実行時は矢印で示すように時計
方向に加熱体2と摺動しながら所定の周速度、即ち画像
形成部(A)側から搬送されてくる未定着トナー画像T
を担持した記録材Pの搬送速度と略同一速度で皺なく回
転駆動される。
【0006】また、13は加熱体2を断熱支持させたヒ
ーターホルダー、10は加熱体2との間にフィルム1を
挟んでフィルム1を加熱体2の面に総圧4〜15kgで
圧接するシリコーンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を
有する加圧ローラである。
【0007】加熱体2は後述するように電力供給により
発熱する発熱源としての通電発熱体(抵抗発熱体)4を
有し、該通電発熱体4の発熱により昇温する。従って、
フィルム1が回転駆動されている状態において、加熱体
2と加圧ローラ10との定着ニップ部Nに記録材Pが導
入されると、該記録材Pがフィルム1に密着してフィル
ム1と一緒の重なり状態で定着ニップ部Nを通過し、記
録材Pにはフィルム1を介して加熱体2から熱エネルギ
ーが付与され、記録材P上の未定着トナー画像Tが加熱
溶融定着され、記録材Pは定着ニップ部Nの通過後にフ
ィルム1から分離して排出される。
【0008】この加熱体2は、図13に示すように、フ
ィルム1の移動方向に略直交する方向を長手方向とす
る、Al23(アルミナ)、AlN、SiC等の電気絶
縁性・耐熱性・低熱容量の細長のセラミック基板3を有
しており、この基板3の一方面側(表面側)の長手方向
の中央部には、長手方向に沿って、発熱源としての銀パ
ラジウム(Ag/Pd)、RuO2、Ta2N等の通電発
熱体4が、線状あるいは帯状に形成されている。また、
通電発熱体4の両端部には、給電電極5、6が設けられ
ており、この通電発熱体4が形成された側の基板3の表
面は、表面保護層としてのガラス等の電気絶縁性オーバ
ーコート層7とにより覆われている。さらに、基板3の
他方面側(背面側)には、サーミスタ等の温度検知素子
8と、安全対策用温度検知素子(サーマルプロテクタ)
としての温度ヒューズ9が、接触するように配設されて
いる。
【0009】以上のような各部材及び素子等で構成され
る加熱体2は、上記オーバーコート層7側がフィルムと
の接触摺動面であり、この面側を外部露呈させて断熱性
のヒーターホルダー13を介して支持部(図示せず)に
固定支持させてある。また、加熱体2は、通電発熱体4
の両端給電電極5、6間に交流電源20より電圧が印加
され、該通電発熱体4が発熱することで昇温する。そし
て、加熱体2の温度は、基板3の背面の温度検知素子8
で検知されて、その検知情報が通電制御回路15へフィ
ードバックされ、交流電源20から通電発熱体4への通
電が制御されることで、定着実行時に温度検知素子8で
検知される加熱体2の温度が所定の温度(定着温度)に
なるように温度制御される。
【0010】加熱体2の温度制御は、通電発熱体4に対
する印加電圧または電流をコントロールするか、通電時
間をコントロールする方法が採られている。通電時間を
コントロールする方法には、電源波形の半波毎に通電状
態を制御するゼロクロス波数制御、あるいは電源波形の
半波毎に通電の位相角を制御する位相制御等がある。
【0011】いずれの場合でも、温度検知素子8の出力
をA/D変換し、CPUに取り込み、その情報を基に、
トライアックにより通電発熱体4に通電するAC電圧に
対して、位相制御あるいは波数制御等のパルス幅変調を
かけ、温度検知素子8による加熱体2の検知温度が一定
となるように通電発熱体4への通電を制御している。
【0012】従って、温度検知素子8は、大小どのよう
なサイズの記録材が通過する場合でも、その通過領域に
おける加熱体2の温度が一定温度となるように、常に通
過領域にあたる位置に配置されている。
【0013】また、温度ヒューズ9は、通電発熱体4に
対する通電路に直列に接続して加熱体2の基板3の背面
に接触させて配設してあり、通電発熱体4の通電制御が
不能の事態を生じて加熱体2が異常昇温(加熱体の暴
走)すると、該温度ヒューズ9が作動して通電発熱体4
への通電回路が開放され、通電発熱体4に対する通電が
遮断されるようになっている。
【0014】上記のようなフィルム加熱方式の装置は、
加熱体2として熱容量が小さいものを用いることができ
るため、従来の熱ローラ方式等の加熱定着装置に比べウ
ェイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能とな
り、またクイックスタートが可能となるため使用してい
ないときの予熱が必要なくなり、総合的な意味で省電力
化も図ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例のような加熱定着装置では、以下に示すような
問題点がある。
【0016】(1)フィルム加熱方式の加熱定着装置
は、加熱体2の熱容量が小さいため、通電発熱体4への
通電の単純なON/OFFで加熱体2の温調制御を行う
と、加熱体2の温度リップルが大きくなり好ましくな
い。
【0017】そこで、従来より、加熱体2への通電を位
相制御、波数制御等で細かく行い、加熱体2を所定の温
度に維持するのにほぼ最適な電力を常に与え続ける制御
が実施されている。
【0018】しかしながら、位相制御、波数制御等で加
熱体2への通電を制御する場合、既に一度定着ニップ部
Nを通過した記録材Pが、2面目印字のため再度定着ニ
ップ部Nを通過する場合には、記録材Pがフィルム1、
加熱体2等から奪う熱量が1面目より少ないために、2
面目定着時の加熱体2の温度リップルが大きくなるとい
う問題があった。
【0019】図14はf=50Hz、Vac=110V
のAC電圧で、基本波数を16波として波数制御を行
い、加熱体温度を200℃の一定温調に温調制御した場
合に、定着ニップ部Nを1面目が通過する時と2面目が
通過する時の加熱体2の温度リップルを示したものであ
る。
【0020】このように、1面目の場合は、加熱体2の
温度リップルが8degであるのに対し、2面目では1
5degになってしまい、ベタ黒画像を定着した場合に
光沢ムラが発生する。一般に厚さ20〜40μmのフィ
ルムを用いた場合、加熱体のリップルが10degを超
えるとベタ黒画像に光沢ムラが発生する。
【0021】(2)また、フィルム加熱方式の加熱定着
装置は、上述の通り、熱容量が小さくクイックスタート
ができる構成であり、消費電力を少なくするために、プ
リント終了後から次のプリント動作開始までの間(以
下、紙間とする)等では、加熱体2への通電をOFF、
または低温温調する等している。再度プリントが行われ
た場合は、プリントが開始され記録材Pが加熱定着装置
に搬送される数秒前に加熱体2に通電を開始し、目標温
度へ加熱体温度を温調し始める。
【0022】図15はf=50Hz、Vac=100V
のAC電圧で、基本波数を16波として波数制御を行
い、加熱体温度を低温温調から定着温調200℃に立ち
上げ、一定温調に温調制御した場合の加熱体2の温度変
化を示す。ここで、低温温調とは非定着時の待機温調の
ことである。
【0023】低温温調から定着温調に立ち上げる際、加
熱体2の温度は図15に示したようにオーバーシュート
し、次に定着ニップ部Nを通過する記録材Pにより熱が
奪われ温度が低下し、徐々に目標温度に近づく。このと
き定着ニップ部Nを通過する記録材Pが2面目の場合は
記録材Pに奪われる熱量が少ないために加熱体温度が目
標温度に近づくまで1面目よりもより多くの時間がかか
り、ベタ黒画像に光沢ムラを生じる等の問題があった。
【0024】(3)図16は、従来のフィルム加熱方式
の加熱定着装置を用いた画像形成装置でのプリント時の
加熱体温度、フィルム温度、加圧ローラ表面温度の時間
変化を示す模式図である。
【0025】加熱体2は、プリント開始と共に、加熱体
2の背面の温度を温度検知素子8で検知した結果により
決定した目標温度に一定温調される。一方、加圧ローラ
10は熱容量が大きいため、徐々に表面温度が上昇する
が、このとき、フィルム温度は加熱体温度と加圧ローラ
表面温度の中間値をとりながら徐々に上昇する。このフ
ィルム温度の変化量は加圧ローラその他の部品に熱を奪
われる1枚目と、これらが暖まってきた場合では異な
り、例えば通紙1枚目と、通紙8枚目とでは、50〜6
0degもの差になる。
【0026】そのため、従来より紙間等で加熱体2に強
制的に非通電にするタイミングあるいは一定電力を供給
するタイミングを設け、この時の加熱体2の温度変化に
基づき、加熱体表面の温調温度を変更し、加熱定着装置
がどのような状態でもフィルム温度を一定にする方法を
用いている。
【0027】しかしながら、既に一度定着ニップNを通
過した記録材Pが2面目印字のため再度定着ニップ部N
を通過する場合には、前にも述べたが記録材Pそのもの
がフィルム1より奪う熱量が1面目と比較して小さくな
るため、図16に示したように高温オフセットが発生し
始める温度α’℃及び定着不良が発生し始める温度β’
℃がいずれも1面目よりも低めにシフトする。そのた
め、1面目と同じ目標温度では2面目定着中に記録材に
供給する熱量が過剰となり、光沢ムラや高温オフセット
が発生してしまうという問題があった。
【0028】本出願に係る第1の発明は、上記問題点を
解決し、2面目定着時の加熱体の温度リップルを小さく
抑え、光沢ムラの発生を防止することのできる画像形成
装置を提供することを目的としている。
【0029】また、本出願に係る第2の発明は、上記問
題点を解決し、波数制御あるいは位相制御等の電力制御
を行う場合に、2面目定着時の加熱体の温度リップルを
小さく抑え、光沢ムラの発生を防止することのできる画
像形成装置を提供することを目的としている。
【0030】さらに、本出願に係る第3の発明は、上記
問題点を解決し、特に波数制御を行う場合に、2面目定
着時の加熱体の温度リップルを小さく抑え、光沢ムラの
発生を防止することのできる画像形成装置を提供するこ
とを目的としている。
【0031】また、本出願に係る第4の発明は、上記問
題点を解決し、低温から定着温度に立ち上げた場合で
も、2面目の定着時に光沢ムラを発生させることのない
画像形成装置を提供することを目的としている。
【0032】さらに、本出願に係る第5の発明は、上記
問題点を解決し、上記第4の発明とは異なる手段によ
り、低温から定着温度に立ち上げた場合でも、2面目の
定着時に光沢ムラを発生させることのない画像形成装置
を提供することを目的としている。
【0033】また、本出願に係る第6の発明は、上記問
題点を解決し、2面目の定着時に、供給熱量過剰による
光沢ムラや高温オフセット等の画像問題の発生を防止す
ることのできる画像形成装置を提供することを目的とし
ている。
【0034】さらに、本出願に係る第7の発明は、上記
問題点を解決し、環境が変化する場合でも、2面目の定
着時に、供給熱量過剰による光沢ムラや高温オフセット
等の画像問題の発生を確実に防止することのできる画像
形成装置を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明
によれば、上記目的は、通電により発熱する加熱体と、
該加熱体と接触摺動するように配設された耐熱性フィル
ムと、該フィルムを介して上記加熱体に圧接するように
配設された加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温
度制御手段とを備え、未定着画像を担持した記録材を該
圧接部に通過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付
与して記録材上の未定着画像を永久画像として定着させ
る加熱定着装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形
成せしめる画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記
録材を複数回通過させ、記録材両面に画像を形成する画
像形成装置において、上記温度制御手段は、定着時にお
ける上記加熱体への通電量を、記録材の1面目よりも2
面目にて減少させるように設定されていることにより達
成する。
【0036】また、本出願に係る第2の発明によれば、
上記目的は、上記第1の発明において、温度制御手段
は、加熱体の電力制御周期を変えることにより通電量を
減少させることにより達成される。
【0037】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、上記目的は、上記第1の発明において、温度制御手
段は、波数制御における印加波数を変えることにより通
電量を減少させることにより達成される。
【0038】また、本出願に係る第4の発明によれば、
上記目的は、通電により発熱する加熱体と、該加熱体と
接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、該フ
ィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設された
加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御手段
とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部に通
過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して記録
材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱定着
装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せしめる
画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を複数
回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成装置
において、上記温度制御手段は、上記加熱体の立ち上げ
時における通電量を、記録材の1面目よりも2面目にて
減少させるように設定されていることにより達成され
る。
【0039】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、上記目的は、通電により発熱する加熱体と、該加熱
体と接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、
該フィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設さ
れた加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御
手段とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部
に通過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して
記録材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱
定着装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せし
める画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を
複数回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成
装置において、上記温度制御手段は、上記加熱体の立ち
上げ時における目標温度を、2面目にて複数設け、加熱
体の立ち上げを多段階に行なうように設定されているこ
とにより達成される。
【0040】また、本出願に係る第6の発明によれば、
上記目的は、通電により発熱する加熱体と、該加熱体と
接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、該フ
ィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設された
加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御手段
とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部に通
過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して記録
材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱定着
装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せしめる
画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を複数
回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成装置
において、上記温度制御手段は、定着時における上記加
熱体の目標温度を、記録材の1面目よりも2面目にて低
くするように設定されていることにより達成される。
【0041】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、上記目的は、上記第6の発明において、温度制御手
段は、目標温度を低くする度合いを1面目の定着時の目
標温度に応じて変えることにより達成される。
【0042】
【作用】本出願に係る第1の発明によれば、2面目の定
着時に記録材が加熱体等から奪う熱量が1面目より少な
くても、温度制御手段が、定着時における上記加熱体へ
の通電量を、記録材の1面目よりも2面目にて減少させ
るので、2面目定着時の加熱体の温度リップルを小さく
抑え、光沢ムラの発生を防止する。
【0043】また、本出願に係る第2の発明によれば、
上記第1の発明において、温度制御手段は、2面目の定
着時における加熱体の電力制御周期を、1面目よりも短
くすることにより、電力制御の一周期内に加熱体に与え
られる最大の通電量は減少し、2面目定着時の加熱体の
温度リップルは小さく抑えられ、光沢ムラの発生が防止
される。
【0044】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、上記第1の発明において、温度制御手段は、2面目
の定着時における波数制御の印加波数を、1面目よりも
少なくすることにより、通電量は減少し、2面目定着時
の加熱体の温度リップルは小さく抑えられ、光沢ムラの
発生が防止される。
【0045】また、本出願に係る第4の発明によれば、
低温温調から定着温調に立ち上げると、加熱体の温度は
一旦オーバーシュートし、記録材により熱が奪われるこ
とにより低下して目標温度に近づくが、2面目の定着の
場合には、この立ち上げ時における通電量を、記録材の
1面目よりも減少させるので、オーバーシュート量が少
なくなり、2面目の記録材により奪われる熱量が少なく
ても、目標温度に近づく時間は、1面目とほぼ同じとな
り、2面目の光沢ムラ等の発生を防止する。
【0046】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、低温温調から定着温調に立ち上げると、加熱体の温
度は一旦オーバーシュートし、記録材により熱が奪われ
ることにより低下して目標温度に近づくが、2面目の定
着の場合には、この立ち上げ時における目標温度を複数
設け、多段階にヒーターの立ち上げを行なうので、オー
バーシュート量が少なくなり、2面目の記録材により奪
われる熱量が少なくても、目標温度に近づく時間は、1
面目とほぼ同じとなり、2面目の光沢ムラ等の発生を防
止する。
【0047】また、本出願に係る第6の発明によれば、
2面目の定着の際に、記録材のフィルムから奪う熱量が
1面目と比較して小さくなり、高温オフセットが発生し
始める温度及び定着不良が発生し始める温度がいずれも
1面目よりも低めにシフトしても、2面目の定着時にお
ける加熱体の目標温度を1面目より低くするので、フィ
ルム温度が最適温度に制御され、供給熱量過剰による光
沢ムラや高温オフセット等の画像問題の発生を防止す
る。
【0048】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、上記第6の発明において、温度制御手段は、2面目
の目標温度を低くする度合いを1面目の定着時の目標温
度に応じて変えるので、その時の環境に応じて適切な定
着動作が行われる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0050】(第1の実施例)先ず、本発明の第1の実
施例を図1ないし図4に基づいて説明する。図1は本発
明の第1の実施例における画像形成装置の略断面図であ
る。図1において、カセット27から給紙ローラ28に
よって取り出された記録材Pは、搬送ガイド20cを通
り、レジストローラ18によって像担持体11表面に下
記のような方法で形成されたトナー像とタイミングを合
わせて、ガイド20bから像担持体11と転写ローラ2
5とのニップ部に供給され、電源(図示せず)による転
写バイアスの作用で上記トナー像が記録材Pに転移す
る。
【0051】図示の装置においては、像担持体11の表
面は、記録材Pが転写部たる上記ニップ部に到達するま
でに、帯電ローラ12によって一様に帯電され、これに
光像信号付与手段13aによる走査光が投射されて静電
潜像が形成され、さらに現像装置14によってこの潜像
に帯電トナーが供給されてトナー像が形成されているな
お、図示の装置では、現像は帯電ローラ12による一次
帯電の極性と同極性に帯電したトナーによる反転現像を
行うものとする。
【0052】次いで、この記録材Pは、像担持体11か
ら分離し、ガイド20aを経て定着装置19に至り、こ
こで、トナー像が記録材Pに固定されてプリントが完成
する。
【0053】片面プリントの場合には、このときまでに
フラッパ33が図示矢印の方向に回転しており、定着装
置19を出た記録材Pはガイド20cを通り、排出ロー
ラ30を経て外部に排出される。
【0054】両面プリントの場合には、上述の工程を経
て片面プリントを終了した記録材Pは、図示の位置にあ
るフラッパ33によってガイド20dに案内されて図示
下方に進行し、斜送ローラ対31、ガイド20e、斜送
ローラ対31を通過し、両面プリントの場合にはさらに
図示の位置にあるフラッパ34を通過して、再給紙部4
1に一旦貯留され、次いで所定時期に至ると給紙ローラ
32によって再給紙部41から取り出され、ガイド20
hを通ってレジストローラ18の位置に至り、以後1面
目と同様に2面目のプリントが実行される。
【0055】このような画像形成装置において、本発明
は両面プリント時にフィルム加熱方定着装置19の加熱
体(ヒーター)の制御を1面目と異ならせるが、その詳
細については以下に説明する。なお、定着装置19及び
加熱体2の構成は、図12及び図13に示した従来例と
同様であり、共通箇所について同一符号を付すが、説明
は省略する。
【0056】図2は、加熱体表面温度を制御するための
ブロック図である。定着ニップ部N内に記録材Pが存在
し、加熱定着が行われている間、基本波数周期で加熱体
基板3の温度を温度検知素子8で電圧値として検知し、
その検知結果をA/D変換する。その検知結果を基に温
度制御手段たるCPU21で印加波数を決定し、ACド
ライバ22で発熱体4への通電をコントロールして加熱
体(以下、ヒーターとする)2を目標温度に制御する。
【0057】ヒーター目標温度は、定着装置立ち上げ時
に加熱体基板3の温度を温度検知素子(以下、サーミス
タとする)8で検知した結果、もしくは定着終了後に強
制的に一定時間発熱体4への通電をOFFし、その間の
ヒーター温度の変化率ΔT/dtを同じくサーミスタ8
で検知した結果のいずれか一方から決定する。
【0058】本実施例は、ヒーター2の温調監視周期を
1面目>2面目とすることで、2面目定着時の印加波数
を少なくして、ヒーターの温度リップルを小さくするよ
うにしたものである。
【0059】また、本実施例では、f=50Hz、Va
c=100VのAC電圧で波数制御を行った。ここで
は、ACの半波を1波と数えているため、基本波数を1
6とした場合、基本波数が1周期を繰り返すのに要する
時間tは、
【0060】
【数1】t=1.0sec×[16波÷(50Hz ×2)]=0.16sec
=160msec
【0061】である。ヒーター温調監視周期を160m
secとした場合は、160msec周期でヒーター温
度をサーミスタ8の電圧としてモニターし、印加波数を
決定して電力制御を行っている。
【0062】印加波数は、サーミスタ8の検知電圧と目
標サーミスタ電圧との偏差ΔV=Vt−Vn(Vt:目
標サーミスタ電圧、Vn:サーミスタ検知電圧)から表
1に基づて決定される。ここに示したΔVはA/D変換
後のデータである。
【0063】
【表1】
【0064】表1中のW0は印加波数を決定するための
基準となる基準波数である。また、表2にヒーター温調
監視周期を160msec(基本波数16波)、基準波
数W0=8波とし、目標温度200℃で一定温調した場
合に1面目、2面目各々で実際に印加された印加波数の
範囲を示す。
【0065】
【表2】
【0066】これは、記録材Pとして紙を用いた場合に
は、1面目は紙が多量の水分を含んでおり、定着時にヒ
ーター、フィルム、加圧ローラ等の部材から奪う熱量が
多いため、それを補うために供給する電力(印加波数)
が多くなるのに対し、2面目は既に一度定着装置19を
通過し紙の水分が蒸発しており、また紙の温度も1面目
より高いことから定着装置19の部材から奪う熱量が1
面目よりも少ないため、それを補うために供給する電力
(印加波数)も少なくなることを示している。
【0067】一般的に、基本波数を多くすると、きめ細
かな温度制御ができる反面、反応が遅くなり、逆に基本
波数を少なくすると反応が速くなる反面、温度制御が粗
くなる。1面目は表2から分かるように、基本波数を1
1波より少なくすると、温調が粗くなってしまうが、2
面目では最低でも7波の基本波数であれば、温調制御が
現状よりも粗くなることはなく、リップルを小さくする
ためにヒーター温度監視周期を短くして基本波数を16
波以下にしても十分に温調制御ができる。
【0068】本実施例では、2面目のリップルを小さく
するために、ヒーターの温度監視周期を1面目は160
msec周期に対し、2面目は80msec周期として
温調を行った。
【0069】図3は本実施例の電力制御のフローチャー
トを示す。先ず装置立ち上げ時にサーミスタ8によりヒ
ーター温度を検知した結果(ステップ3a)、もしくは
定着後のヒーターOFF時の温度変化量ΔT/dtを検
知した結果(ステップ3h)のいづれかからヒーター2
の目標温度を決定する(ステップ3b)。次に定着を行
う面が1面目か2面目かの判断をし(ステップ3c)、
ヒーター温度監視周期を決定する(ステップ3d)。記
録材Pがヒーター部に搬送される数秒前に電力制御を開
始し(ステップ3e)、定着を行う(ステップ3f)。
記録材Pがヒーター部を抜けた直後にヒーター2への通
電をOFFして、その間のヒーター温度変化量ΔT/d
tを検知し(ステップ3g、ステップ3h)、次の目標
温度を決定する。
【0070】図4は、ヒーター監視周期を80mse
c、160msecとして、目標温度200℃に温調制
御した場合の2面目定着時のヒーター温度の変化を模式
的に表した図である。ヒーター監視周期を80msec
とした場合、基本波数は8波、160msecとした場
合は基本波数16波となる。基準波数はW0=基本波数
/2とした。
【0071】ヒーター監視周期を160msec周期
(基本波数16波)として、2面目の定着を行った場合
は、ヒーター温度監視の周期が長いためにヒーターのリ
ップルが約15degと大きくなるのに対し、ヒーター
監視周期を80msec周期(基本波数8波)とした場
合、リップルは約8degに減少し、1面目並のリップ
ルとなる。
【0072】このように、本発明によれば、サーミスタ
8によるヒーター基板温度監視周期を1面目>2面目と
することで、2面目のヒーター2の温度リップルを抑え
ることができ、ベタ黒画像の光沢ムラ等の異常画像を防
止することができる。
【0073】(第2の実施例)次に、本発明の第2の実
施例を図5及び図6に基づいて説明する。なお、第1の
実施例との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0074】本実施例は、波数制御による電力制御によ
ってヒーター2を一定温度に温調するフィルム加熱方式
の加熱定着装置において、1面目と2面目で印加波数決
定時の基準波数W0を変えることで、2面目定着時の印
加波数を少なくし、ヒーターの温度リップルを小さくす
るようにしたものである。
【0075】本実施例では、f=50Hz、Vac=1
00VのAC電圧で波数制御の基本波数を16波、サー
ミスタ電圧監視周期を160msecとし、基準波数W
0を1面目でW0=8波、2面目でW0=6とした。
【0076】図5は本実施例の電力制御のフローチャー
トを示す。先ず装置立ち上げ時のヒーター基板温度を検
知した結果(ステップ5a)、もしくはヒーターOFF
時のヒーター基板温度変化量ΔT/dtを検知した結果
(ステップ5h)のいづれかからヒーター2の目標温度
を決定する(ステップ5b)。次に1/2面目の判断を
し(ステップ5c)、基準波数W0を決定する(ステッ
プ5d)。記録材Pがヒーター部に搬送される数秒前に
電力制御を開始し(ステップ5e)、定着を行う(ステ
ップ5f)。記録材Pがヒーター部を抜けた直後にヒー
ター2への通電をOFFして、その間のヒーター基板温
度変化量ΔT/dtを検知し(ステップ5g,ステップ
5h)、次の目標温度を決定する。
【0077】印加波数は上記実施例と同様に、次に示す
表3に基づいて決定される。ここに示したΔVは上記実
施例と同様にA/D変換後のデータである。
【0078】
【表3】
【0079】例えば、ΔVが−3の場合、1面目の印加
波数は9波、2面目の印加波数は7波となる。図6は、
基本波数を16波、基準波数W0を6、8とし、目標温
度200℃にヒーター2を一定温調した場合の2面目定
着時のヒーター温度の変化を模式的に表した図である。
基本波数が8の場合はヒーター2のリップルが約15d
egあるのに対し、基準波数6で約7degとリップル
が半減する。
【0080】このように、波数制御で印加波数を決定す
るときの基準波数を1面目>2面目とし、2面目の印加
電力を少なくすることで、2面目のヒーターの温度リッ
プルを抑えることができ、ベタ黒画像の光沢ムラ等の画
像問題を防止できる。
【0081】(第3の実施例)次に、本発明の第3の実
施例を図7に基づいて説明する。なお、第1の実施例と
の共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0082】本実施例は、波数制御による電力制御によ
ってヒーター2を一定温度に温調するフィルム加熱方式
の加熱定着装置において、目標温調への立ち上げ時の印
加波数を1面目>2面目とすることで、定着目標温度へ
ヒーター2を立ち上げた時の2面目のオーバーシュート
を小さくするようにしたものである。
【0083】本実施例では、f=50Hz、Vac=1
00VのAC電圧で、波数制御の基本波数を16波、サ
ーミスタ電圧監視周期を160msecとし、目標温度
への立ち上げ波数制御時の基準波数W0を1面目でW0
8波、2面目でW0=5とすることで、2面目立ち上げ
時の印加波数を少なくしている。
【0084】図7は、基本波数を16波とし、基準波数
0を6、8とし、目標温度200℃にヒーター2を一
定温調した場合の紙間温調から2面目目標温度への立ち
上げ時のヒーター温度の変化を模式的に表した図であ
る。基本波数が8の場合はヒーター2のオーバーシュー
トが目標温度に対して約20degあるが、、基準波数
5で約10degとなる。
【0085】このように、目標温調に立ち上げるときの
印加波数を1面目>2面目とすることで、目標温調に立
ち上げ時の2面目定着開始時のオーバーシュートを小さ
くし、ヒーターの温度を目標温度に早く近づけること
で、2面目の光沢ムラ等を防止できる。
【0086】(第4の実施例)次に、本発明の第4の実
施例を図8及び図9に基づいて説明する。なお、第1の
実施例との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0087】本実施例は、波数制御による電力制御によ
ってヒーター2を一定温度に温調するフィルム加熱方式
の加熱定着装置において、目標温調への立ち上げる時の
次の記録材が2面目の場合は目標温度よりも低いプレ目
標温度を設け、2段階に目標温度まで立ち上げること
で、目標温調に立ち上げ時の2面目のオーバーシュート
を小さくするようにしたものである。
【0088】本実施例では、f=50Hz、Vac=1
00VのAC電圧で、波数制御の基本波数を16波、サ
ーミスタ電圧監視周期を160msecとし、制御基準
波数W0=8とした。
【0089】従来、フィルム加熱方式の加熱定着装置の
プリント時のヒーター目標温度は定着装置立ち上げ直前
のヒーター温度(サーミスタ電圧)、または前定着終了
後強制的の0.5secの間ヒーター2の通電をOFF
し、その間のヒーター温度の変化率ΔT/dt(サーミ
スタ電圧変化率ΔV/dt)から決定する。
【0090】本実施例では従来の方法で決定された目標
温度−10℃を2面目のプレ目標温度とした。
【0091】図8は本実施例の電力制御のフローチャー
トを示す。先ず装置立ち上げ時のヒーター基板温度を検
知した結果(ステップ8a)、もしくはヒーターOFF
時のヒーター基板温度変化量ΔT/dtを検知した結果
(ステップ8m)のいづれかからヒーター2の目標温度
T0を決定する(ステップ8b)。次に記録材Pが1面
目/2面目かの判断をし(ステップ8c)、2面目なら
ばプレ目標温度TPを、先に決定した目標温度T0より
も10℃低い温度とし、ヒーター2の立ち上げを開始す
る。ヒーター温度がプレ目標温度TPに達したらプレ目
標温度TPで1秒間温調をした後に(ステップ8n)、
温調温度を先に決定した目標温度T0に切り換える(ス
テップ8i)。ヒーター温度が目標温度T0に達したら
定着を行い(ステップ8k)、終了後にヒーター2への
通電をOFFして(ステップ8l)、ΔT/dtを測定
し(ステップ8m)、次の目標温度T0を決定する。
【0092】図9は、目標温度T0を200℃とした場
合、2面目目標温度への立ち上げ時のヒーター温度の変
化を模式的に表した図である。
【0093】従来の1段階立ち上げの場合はヒーター2
のオーバーシュートが目標温度T0に対して約20de
gあるが、プレ目標温度TPを設定して2段階立ち上げ
を行った場合のオーバーシュートは約9degとなる。
【0094】このように、2面目ではプレ目標温調を設
け2段階の目標温度まで立ち上げることで、目標温調に
立ち上げる時の2面目のオーバーシュートを小さくで
き、ヒーター2の温度を目標温度に早く近づけることで
定着開始時の光沢ムラを防止できる。
【0095】(第5の実施例)次に、本発明の第5の実
施例を図10に基づいて説明する。なお、第1の実施例
との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0096】本実施例はフィルム加熱方式の加熱定着装
置において、2面目の目標温度T2を1面目の目標温度
T1よりもγ℃低い温度とすることで、2面目の定着温
度を最適化して1/2面目共に十分な定着性を得ると共
に、2面目の供給熱量過剰による高温オフセット、光沢
ムラ等を防止するようにしたものである。
【0097】上記実施例では、フィルム加熱方式の加熱
定着装置のプリント時のヒーター目標温度は、定着装置
立ち上げ直前のヒーター基板温度(サーミスタ電圧)、
または前定着終了後強制的に0.5secの間ヒーター
2の通電をOFFし、その間のヒーター温度の変化率Δ
T/dt(サーミスタ電圧変化率ΔV/dt)から決定
していた。
【0098】しかし、本実施例では上述の方法で決定さ
れた目標温度を1面目の目標温度T1とし、1面目の目
標温度T1よりも20℃低い温度を2面目の目標温度T
2とした。
【0099】図10は本実施例の電力制御のフローチャ
ートを示す。先ずヒーター基板温度を検知した結果(ス
テップ10a)、もしくはヒーターOFF時のヒーター
基板温度変化量ΔT/dtを検知した結果(ステップ1
0k)のいづれかの結果から、1面目の目標温度T1を
決定する(ステップ10b)。次に記録材Pが1面目/
2面目かの判断をし(ステップ10c)、2面目ならば
2面目の目標温度T2を1面目の目標温度T1よりも2
0℃低い温度として温調を開始する。ヒーター温度が目
標温度T2に達したら定着を行い(ステップ10i)、
終了後にヒーター2への通電を0.5secの間OFF
して(ステップ10j)、ΔT/dtを測定し(ステッ
プ10k)、次の目標温度を決定する。
【0100】2面目の目標温度T2を1面目の目標温度
T1よりも20℃低い温度とすることで、2面目の熱の
供給量を最適化し、高温オフセット、光沢ムラ等の供給
熱量が過剰になることにより起こる画像問題を防止する
ことができる。
【0101】(第6の実施例)次に、本発明の第6の実
施例を図11に基づいて説明する。なお、第1の実施例
との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0102】本実施例はフィルム加熱方式の加熱定着装
置において、2面目の目標温度T2を1面目の目標温度
T1よりもγ’℃低い温度とし、γ’の値を定着装置の
状態に応じて決定し、該γ’の値に応じて2面目の目標
温度T2を設定することで、装置立ち上げからの時間に
拘らず1/2面目共に十分な定着性を得ると同時に、2
面目の高温オフセット、光沢ムラ等を防止するようにし
たものである。
【0103】本実施例の1面目の目標温度T1とγ’値
の関係を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】図11は本実施例の電力制御のフローチャ
ートを示す。先ずヒーター基板温度を検知した結果(ス
テップ11a)、もしくはヒーターOFF時のヒーター
基板温度変化量ΔT/dtを検知した結果(ステップ1
1l)のいづれかの検知結果よりヒーター目標温度T1
を決め(ステップ11b)、1面目の目標温度T1から
γ’値を決定する(ステップ11c)。次に記録材Pが
1面目/2面目かの判断をし(ステップ11d)、2面
目ならば2面目の目標温度T2を1面目の目標温度T1
よりも−γ’℃低い温度として温調を開始する(ステッ
プ11h)。ヒーター温度が目標温度T2に達したら定
着を行い(ステップ11j)、終了後にヒーター2への
通電を0.5secの間OFFして(ステップ11
k)、ΔT/dtを測定し(ステップ11l)、次の目
標温度を決定する。
【0106】2面目の目標温度T2を1面目の目標温度
T1よりもγ’℃低い温度とし、γ’の値を目標温度T
1の範囲に応じて決定することで、2面目でも高温オフ
セット、光沢ムラ等の画像問題を防止することができ、
マージンも広がる。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第1
の発明によれば、定着時における加熱体への通電量を、
記録材の1面目よりも2面目にて減少させるので、2面
目定着時の加熱体の温度リップルを小さく抑え、光沢ム
ラの発生を防止することができる。
【0108】また、本出願に係る第2の発明によれば、
上記第1の発明において、温度制御手段は、2面目の定
着時における加熱体の電力制御周期を、1面目よりも短
くするので、2面目定着時の加熱体の温度リップルを小
さく抑え、光沢ムラの発生を防止することができる。
【0109】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、上記第1の発明において、温度制御手段は、2面目
の定着時における波数制御の印加波数を、1面目よりも
少なくするので、2面目定着時の加熱体の温度リップル
を小さく抑え、光沢ムラの発生を防止することができ
る。
【0110】また、本出願に係る第4の発明によれば、
低温温調から定着温調に立ち上げる際の通電量を、記録
材の1面目よりも2面目で減少させるので、オーバーシ
ュート量を減少させ、光沢ムラ等の発生を防止すること
ができる。
【0111】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、低温温調から定着温調に立ち上げる際の目標温度
を、記録材の2面目にて複数設けて、多段階に立ち上げ
るので、オーバーシュート量を減少させ、光沢ムラ等の
発生を防止することができる。
【0112】また、本出願に係る第6の発明によれば、
2面目の定着時における加熱体の目標温度を1面目より
低くするので、供給熱量過剰による光沢ムラや高温オフ
セット等の画像問題の発生を防止する。
【0113】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、上記第6の発明において、温度制御手段は、目標温
度を低くする度合いを1面目の定着時の目標温度に応じ
て変えるので、その時の環境に応じて適切な定着動作を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における画像形成装置の
略断面図である。
【図2】図1装置によるヒーター温調制御のブロック図
である。
【図3】本発明の第1の実施例の電力制御法を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例と従来例の加熱体温度の
リップルを比較した図である。
【図5】本発明の第2の実施例の電力制御法の示すフロ
ーチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例と従来例の加熱体温度の
リップルを比較した図である。
【図7】本発明の第3の実施例と従来の加熱体温度のオ
ーバーシュートを比較した図である。
【図8】本発明の第4の実施例の電力制御法を示すフロ
ーチャートである。
【図9】本発明の第4の実施例と従来の加熱体温度のオ
ーバーシュートを比較した図である。
【図10】本発明の第5の実施例の電力制御法を示すフ
ローチャートである。
【図11】本発明の第6の実施例の電力制御法を示すフ
ローチャートである。
【図12】従来のフィルム型加熱定着装置の略断面図で
ある。
【図13】従来のフィルム型加熱定着装置の加熱体及び
発熱体制御回路の略図である。
【図14】従来の加熱体の温度リップルを示す図であ
る。
【図15】従来例装置における1面目と2面目の温度変
化を示す図である。
【図16】従来のフィルム加熱方式の加熱定着装置を用
いた画像形成装置でのプリント時の加熱体温度、フィル
ム温度、加圧ローラ表面温度の時間変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 耐熱性フィルム 2 ヒーター(加熱体) 3 加熱体基板 10 加圧ローラ(加圧部材) 21 CPU(温度制御手段) T トナー像(未定着画像) P 記録材 N 定着ニップ部(圧接部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 敏男 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 月田 辰一 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 伊澤 悟 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱する加熱体と、該加熱体
    と接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、該
    フィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設され
    た加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御手
    段とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部に
    通過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して記
    録材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱定
    着装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せしめ
    る画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を複
    数回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成装
    置において、上記温度制御手段は、定着時における上記
    加熱体への通電量を、記録材の1面目よりも2面目にて
    減少させるように設定されていることを特徴とする画像
    形成装置。
  2. 【請求項2】 温度制御手段は、加熱体の電力制御周期
    を変えることにより通電量を減少させることとする請求
    項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 温度制御手段は、波数制御における印加
    波数を変えることにより通電量を減少させることとする
    請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 通電により発熱する加熱体と、該加熱体
    と接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、該
    フィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設され
    た加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御手
    段とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部に
    通過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して記
    録材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱定
    着装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せしめ
    る画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を複
    数回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成装
    置において、上記温度制御手段は、上記加熱体の立ち上
    げ時における通電量を、記録材の1面目よりも2面目に
    て減少させるように設定されていることを特徴とする画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】 通電により発熱する加熱体と、該加熱体
    と接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、該
    フィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設され
    た加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御手
    段とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部に
    通過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して記
    録材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱定
    着装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せしめ
    る画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を複
    数回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成装
    置において、上記温度制御手段は、上記加熱体の立ち上
    げ時における目標温度を、2面目にて複数設け、加熱体
    の立ち上げを多段階に行なうように設定されていること
    を特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 通電により発熱する加熱体と、該加熱体
    と接触摺動するように配設された耐熱性フィルムと、該
    フィルムを介して上記加熱体に圧接するように配設され
    た加圧部材と、上記加熱体の温度を制御する温度制御手
    段とを備え、未定着画像を担持した記録材を該圧接部に
    通過させ、上記加熱体からの熱エネルギーを付与して記
    録材上の未定着画像を永久画像として定着させる加熱定
    着装置を有し、上記記録材上に未定着画像を形成せしめ
    る画像形成部及び該加熱定着装置内に、上記記録材を複
    数回通過させ、記録材両面に画像を形成する画像形成装
    置において、上記温度制御手段は、定着時における上記
    加熱体の目標温度を、記録材の1面目よりも2面目にて
    低くするように設定されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  7. 【請求項7】 温度制御手段は、目標温度を低くする度
    合いを1面目の定着時の目標温度に応じて変えることと
    する請求項6に記載の画像形成装置。
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