JP2001183929A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置及び画像形成装置

Info

Publication number
JP2001183929A
JP2001183929A JP37015299A JP37015299A JP2001183929A JP 2001183929 A JP2001183929 A JP 2001183929A JP 37015299 A JP37015299 A JP 37015299A JP 37015299 A JP37015299 A JP 37015299A JP 2001183929 A JP2001183929 A JP 2001183929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
image
temperature
heating element
recording material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37015299A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Goto
正弘 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP37015299A priority Critical patent/JP2001183929A/ja
Publication of JP2001183929A publication Critical patent/JP2001183929A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度制御の為の温度を検知する温度検知素子
の取付位置の交差を広げ、精度良く多種の記録材サイズ
に対応した加熱制御を行うことが可能な像加熱装置及び
画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 加熱用ヒータ12と、一方の面が前記加
熱用ヒータ12と摺動し他方の面が画像を担持した記録
材Pと接し共に移動するフィルム10と、を有する像加
熱装置において、加熱用ヒータ12は、基板12c上に
複数の発熱体12a,12bが形成され、温度検知素子
14a,14bの検知温度に基づいて該複数の発熱体1
2a,12bが各々独立に通電制御され、基板上記録材
通紙方向と直交する方向内で異なる発熱分布を有し、記
録材サイズに応じて予め定められた通電比率により複数
の発熱体12a,12bが駆動され、処理枚数又は非通
紙領域の温度に応じて該通電比率を変化させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真記録装置等
として用いられる像加熱装置および画像形成装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、プリンタ
ー等の多くは定着手段として熱効率、安全性が良好な接
触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイプの
フィルム加熱方式を採用している。
【0003】熱ローラ定着方式の加熱定着装置は、加熱
用回転体としての加熱ローラ(定着ローラ)と、これに
圧接させた加圧用回転体としての弾性加圧ローラを基本
構成とし、この一対のローラを回転させて該両ローラ対
の圧接ニップ部(定着ニップ部)に未定着画像(トナー
画像)を形成担持させた被加熱材としての被記録材(転
写材・静電記録紙・エレクトロファックス紙・印字用紙
等)を導入して圧接ニップ部を挟持搬送通過させること
で、加熱ローラからの熱と圧接ニップ部の加圧力にて未
定着画像を被記録材面に永久固着画像として熱圧定着さ
せるものである。
【0004】また、フィルム加熱方式の定着装置は例え
ば特開昭63−313182号公報、特開平2−157
878、4−44075〜44083、4−20498
0〜204984号公報等に提案されており、発熱体に
加熱用回転体である耐熱性フィルム(定着フィルム)を
加圧用回転体(弾性ローラ)で密着させて摺動搬送さ
せ、該耐熱性定着フィルムを挟んで加熱用ヒータと加圧
部材とで形成される圧接ニップ部に未定着画像を担持し
た転写材を導入して耐熱フィルムと一緒に搬送させて、
耐熱性フィルムを介して付与される加熱用ヒータからの
熱と圧接ニップ部の加圧力によって未定着画像を転写材
上に永久画像として定着させる装置である。
【0005】フィルム加熱方式の加熱装置は、加熱用ヒ
ータとして低熱容量線状加熱用ヒータを、フィルムとし
て薄膜の低熱容量のものを用いることが出来るため、省
電力化・ウエイトタイム短縮化(クイックスタート性の
向上)が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記フィルム加熱方式
の加熱定着装置において、加熱用ヒータとしての加熱用
ヒータ及び加熱用回転体である加熱フィルムがともに熱
容量が小さいために転写材の送り方向と直交する方向
(以下長手方向と称す)の熱伝導率が悪く、最大サイズ
より小さい幅の転写材をニップ部に通紙したとき、その
ニップ部内において、転写材が通る部分では加熱用ヒー
タからの熱が転写材に付与されて装置外へ搬送されてい
くが、転写材が通らない部分(非通紙領域)では加熱用
ヒータからの熱が蓄積してしまう。このため非通紙領域
での温度上昇が大きくなりやすく、ヒータを保持する部
材、フィルム、加圧ローラ等への熱的損傷を与え易くな
り、それを防止する為には小サイズ紙のスループットを
低下させなければならなかった。
【0007】また小サイズ紙通紙直後に幅の広い転写材
を通紙すると小サイズ紙の非通紙領域のみヒータ、加圧
ローラが高温となっているために、当該部分でホットオ
フセットが発生し易く、この現象を防止するためには小
サイズ通紙後の大サイズ紙プリントまでに休止時間を設
けなければいけないという欠点も有していた。更に最近
ではレーザビームプリンタを使用して封筒等の郵便物を
印字する機会が増加している。この時封筒に相手先の住
所を印字し、普通紙に文面を印字する作業を交互に行う
使われ方(以下交互給紙)が普及している。このような
交互給紙に対し従来のフィルム定着装置では封筒・普通
紙の交互給紙間隔を広げないと封筒通紙後の普通紙にホ
ットオフセットが発生してしまう不都合があり、交互給
紙の連続プリント枚数の増加に従い給紙間隔を広げる必
要があったが、様々なプリントモードを想定した場合
(特に定着装置の交互給紙開始以前の履歴等)の制御が
複雑となり、実際には給紙間隔を一定にすることのみが
実用化されている。そのため交互給紙の給紙間隔は連続
プリント枚数が多い場合を想定しあらかじめ充分余裕を
もたせた間隔にするために非常に長いものとなり、例え
ば毎分A4サイズの転写材を16枚印字する能力がある
画像形成装置でも、交互給紙では封筒・普通紙を1セッ
トとしたときに毎分2セット程度のスループットしか得
ることができずスループットの低下が極端であった。
【0008】又転写材サイズに応じて複数の発熱体を基
板内に配置した場合、通紙された転写材サイズに応じて
通電制御される発熱体が選択されるが、発熱体は基板内
で通紙方向に並行に配置されているために上流側に配置
されている発熱体に通電した場合と、下流側に配置され
ている発熱体に通電した場合では基板内通紙方向での温
度分布が変化する。この時ヒータを所定温度に制御する
ために設けられたサーミスタ等の温度検知素子が検知す
る温度が基板内の温度分布の影響を受け温度検知素子の
取り付け位置のずれにより変動してしまう。発熱体が1
本の場合はこの温度検知素子取り付け位置のずれの影響
を受けにくい位置(基板内で温度分布が比較的フラット
な部位)に温度検知素子を取り付けることが可能となる
が、上下流側に各々独立に駆動制御される発熱体を有し
たヒータの場合、転写材サイズに応じた発熱体を単に選
択的に通電するだけでは基板内で各発熱体が通電された
とき各発熱体ごとに温度分布のフラットな領域が異なる
位置にあるため、温度検知素子の取り付け位置精度を極
めて高くしないと実際の制御温度が精度良く検出できな
いために、量産に不向きな構成となってしまう。
【0009】又高速の画像形成装置では、供給電圧が低
下し、低温環境、厚紙通紙等の条件が重なると加熱定着
装置の供給電力が消費電力に追いつかず温調温度を維持
できないことが多い。特にフィルム加熱方式の定着装置
では熱を蓄熱するものが殆ど無いために、供給電力が不
足し、所定の温調温度を維持できないとすぐに定着不良
が発生するという問題が生じる。そこで供給電力を十分
確保する為に発熱体の抵抗値を低くすると通電制御時に
ノイズが発生したり、電源電圧のふらつきが生じ他の電
気機器への影響(フリッカ)が無視できなくなり、発熱
体の駆動回路が複雑となりコスト高を招く結果となる。
この対策として同一の発熱分布を有する発熱体を2本と
し各々を独立に通電制御することで、同一位相で通電制
御することが無くなるために上記ノイズやフリッカの問
題を解決することが可能であるが、上記のように転写材
サイズに応じて複数の発熱体を駆動する構成においては
各発熱体を倍の本数設けなくてはならず限られた基板幅
内に発熱体を収めるのは非常に困難となる。
【0010】そこで本発明は、基材上に複数の発熱体を
設けて、各発熱体を適切に駆動制御することにより、該
温度制御の為の温度を検知する温度検知素子の取付位置
の交差を広げ、精度良く多種の記録材サイズに対応した
加熱制御を行うことが可能な像加熱装置及び画像形成装
置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】〔1〕:加熱用ヒータ
と、一方の面が前記加熱用ヒータと摺動し他方の面が画
像を担持した記録材と接し共に移動するフィルムと、を
有し、通紙された記録材上の画像を、前記フィルムを介
した前記加熱用ヒータからの熱により加熱処理する像加
熱装置において、加熱用ヒータは、基板上に複数の発熱
体が形成され、温度検知素子の検知温度に基づいて該複
数の発熱体が各々独立に通電制御され、基板上記録材通
紙方向と直交する方向内で異なる発熱分布を有し、記録
材サイズに応じて予め定められた通電比率により複数の
発熱体が駆動され、処理枚数又は非通紙領域の温度に応
じて該通電比率を変化させることを特徴とする像加熱装
置。
【0012】〔2〕:〔1〕に記載の像加熱装置におい
て、前記フィルムが、厚み20〜100μmの薄肉の可
撓性を有するエンドレス形状であることを特徴とする像
加熱装置。
【0013】〔3〕:〔1〕又は〔2〕に記載の像加熱
装置において、加熱処理開始後の所定期間中発熱体に供
給される電力量をモニタし、このモニター結果に基づ
き、複数の発熱体の通電比率を変化させたときの加熱用
ヒータ制御温度を変化させることを特徴とする像加熱装
置。
【0014】〔4〕:〔1〕,〔2〕又は〔3〕に記載
の像加熱装置において、複数の発熱体は、最大サイズの
記録材に対応する幅広用発熱体、最大サイズよりも幅の
狭い記録材サイズに対応する幅狭用発熱体からなり、幅
狭用発熱体は記録材の幅に応じて一つ以上のグループを
設け、各グループに対応した発熱体を有しており、幅狭
用発熱体のうち少なくとも一つが、対応する転写材サイ
ズの外側領域に対応部よりも小さい発熱量を有する発熱
部分を形成することを特徴とする像加熱装置。
【0015】〔5〕:〔1〕乃至〔4〕の何れか1項に
記載の像加熱装置において、最大サイズの記録材を加熱
処理する場合に幅広用発熱体による発熱のみでは所定温
度を維持できないと判断したとき、該発熱体と異なる発
熱分布を有する発熱体も通電することを特徴とする像加
熱装置。
【0016】〔6〕:〔1〕乃至〔5〕の何れか1項に
記載の像加熱装置において、加熱処理が前記記録材上の
画像を該記録材に定着させる処理であることを特徴とす
る像加熱装置。
【0017】〔7〕:記録材上に画像を形成する像形成
手段と、該記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有
する画像形成装置において、像加熱手段として〔1〕乃
至〔6〕の何れか1項に記載の像加熱装置を備えたこと
を特徴とする画像形成装置。
【0018】〈作用〉〔1〕又は〔2〕の構成によれ
ば、転写材サイズに応じた発熱領域を選択駆動すること
で非通紙部昇温の問題を緩和でき、更に複数の発熱体を
所定の通電比率で同時に発熱させるため、基板内の通紙
方向温度分布がフラットな領域を形成することができ、
温度検知素子の取り付け位置精度も極端に厳しくなら
ず、量産性に優れた装置を提供できる。
【0019】〔3〕の構成によれば、加熱処理開始後の
所定期間中の発熱体に供給される電力量を基準に、複数
の発熱体への通電比率を変化させたときに必要な電力量
を求め、該所要電力量と、実際に通電比率を変化させて
加熱制御を行なったときの電力量とを比較し、温度検知
素子の取り付け位置ズレの影響を検出して、これを補正
することで、精度の高いヒータ温度制御が可能となる。
【0020】〔4〕の構成によれば、少なくとも一つの
幅狭用発熱体が、対応する記録材サイズの外側領域にも
小さい発熱領域を有しているため、該幅狭用発熱体の通
電比率を高めた場合、非通紙部も適切な温度に維持され
るので、発熱体幅と同じでない多くの種類の記録材に対
しても非通紙昇温を緩和し、スループットを向上させる
ことが可能となる。
【0021】〔5〕の構成によれば、最大サイズの記録
材の加熱処理時に発熱量が不足したときにも、他方の発
熱体が補助ヒータとしての役目を果たすことが可能とな
り、発熱体の抵抗値を極端に下げずとも装置の高速化を
達成することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】〈第1の実施形態〉 §1.画像形成装置の全体構成 図7に本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す。本
実施形態の画像形成装置は、電子写真プロセス利用のレ
ーザビームプリンタである。
【0023】図7において、1は感光ドラムであり、O
PC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材
料をアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基板上
に形成した構成から成る。感光ドラム1は矢印の方向に
回転駆動され、まずはじめにその表面は帯電装置として
の帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に、露光
手段であるレーザスキャナーによりレーザービーム3を
画像情報に応じてON/OFF制御して走査露光がなさ
れ、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電
潜像は、現像装置4で現像され、トナー像として可視化
される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成
分現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像との
組み合わせで用いられることが多い。可視化されたトナ
ー像は、転写装置である転写ローラ5により感光ドラム
1上から、所定のタイミングでカセット又はマルチパー
パストレイ等の給紙口より給紙・搬送された転写材P上
に転写される。トナー像を保持した転写材Pは定着装置
6へ搬送され、定着装置のニップ部で加熱・加圧されて
転写材上に定着され永久画像となる。一方、転写後に感
光ドラム1上に残留する転写残留トナーは、クリーニン
グ装置7により感光ドラム1表面より除去される。
【0024】§2.定着装置(像加熱装置)の概略構成 次に本実施形態における定着装置の概略構成を説明す
る。
【0025】図1に、本発明の第1の実施形態を適用し
たフィルム加熱型定着装置の概略断面図を示す。図1に
おいて、10はエンドレスベルト状のフィルム(定着フ
ィルム)であり、円弧状のフィルムガイド部材(ステ
イ)13に対して周長に余裕を持たせた形で外嵌してい
る。該フィルム10は、熱容量を小さくしてクイックス
タート性を向上させるために、肉厚を総厚100μm以
下、好ましくは60μm以下20μm以上としたポリイ
ミドフィルム、PEEKフィルム等の耐熱樹脂からな
る。
【0026】11は加圧用回転体としての加圧ローラー
であり、鉄、アルミ等の芯金11aの上に弾性層として
のシリコーンゴム層11bを有し、その上に離型層とし
てのPFAチューブ層11cを有する。
【0027】画像定着実行時、フィルム10は加圧ロー
ラ11の回転により、図1中矢示の時計方向に加熱用ヒ
ータ12面に密着してこの加熱面を摺動しながら所定の
周速度、即ち不図示の画像形成部側から搬送されてくる
未定着トナー画像Tを担持した転写材(記録材)Pの搬
送速度と略同一周速度でシワなく回転駆動される。加熱
用ヒータ12は電力供給により発熱する発熱源としての
通電発熱体(抵抗発熱体)12a、12bを含み、該通
電発熱体12a、12bの発熱により昇温する。
【0028】この転写材Pの定着ニップ部通過過程で加
熱用ヒータ12からフィルム10を介して転写材Pに熱
エネルギーが付与されて転写材P上の未定着トナー画像
Tが加熱溶融定着され、該転写材Pが定着ニップ部を通
過したのち、フィルム10から分離して排出される。
【0029】本実施形態の加熱定着装置に用いられる定
着フィルム10はポリイミドワニスを筒型表面に所定厚
塗布しそれを加熱硬化させた後、表面にPFA、PTF
E又はその混合物を塗布焼成することにより得られる。
本実施形態ではフィルム基体として厚み50μmのポリ
イミドを用いその上に厚み10μmのPFA層を設ける
構成とし、フィルム内径は25φとした。
【0030】加圧ローラー11は鉄、アルミ等の芯金1
1aをブラスト等の表面粗し処理を行った後、洗浄を行
い、次いで芯金11aを筒型に挿入し、液状のシリコー
ンゴムを型内に注入し加熱硬化させる。この時加圧ロー
ラー表面層に離型層としてPFAチューブ等の樹脂チュ
ーブ層11cを形成する為に、型内に予め内面にプライ
マーを塗布したチューブを挿入しておくことにより、ゴ
ムの加熱硬化と同時にチューブとゴム層11bの接着を
行う。このようにして成型された加圧ローラーは脱型処
理した後、2次加硫を行う。この時加圧ローラ11の芯
金径はφ14、ゴム層の肉厚は4mm、チューブ層の厚
みは50μmとし外径約φ22の加圧ローラとした。
【0031】加熱用ヒータである加熱用ヒータ12は、
図2に示したように熱伝導が良好なAlN基板12c上
にAg・Pdペーストを厚膜印刷し焼成することで発熱
体12a,12bを形成し、その上にガラスコーティン
グ層12dが厚み50〜60μmの間で設けられる。一
方発熱体12a,12bと反対側の基板上にはチップ状
のサーミスタ14aを発熱体12a、12bが共に存在
する領域(最小サイズ幅転写材の通過領域内)に予め厚
膜印刷で形成された電極パターン上に接着固定すること
でヒータ基板温度をモニターし、更に発熱体12a、1
2bの端部近傍の位置にもサーミスタ14bを設ける。
本サーミスタ14bは接着剤の耐熱温度を超えるような
温度も検知する為に不図示のバネ等の加圧手段により基
板に所定の圧力で固定されている。本実施形態では転写
材Pの搬送路中に発熱体12bの幅より僅か外側にセン
サーを設け、そのセンサーの信号に応じて通電制御する
発熱体を選択する。具体的には転写材Pの最大サイズ幅
をレター(216mm)とし、A5サイズ(148m
m)以下の転写材の場合は発熱体12bへの通電を制御
し、A5サイズより幅広の転写材の場合はサーミスタ1
4a、14bの温度検知結果に基づいて発熱体12a、
12bの通電を制御し、温度コントロールを行って定着
動作をしている。
【0032】このような構成とすることで正確な転写材
幅情報が無くともサーミスタ14a、14bの温度情報
により制御回路21、22を駆動し発熱体12a、12
bの通電をコントロールすることで過度の非通紙昇温を
防止しながら、最適な定着性を維持することが可能とな
る。
【0033】§3.具体例 以下具体的実施例を基に本発明の作用効果を説明する。
本加熱定着装置を毎分16枚(A4サイズ縦送り)のレ
ーザビームプリンタに適用し、ヒータ基板幅14mmに
対し、通紙方向上流側の発熱体12aは幅5mm、長さ
222mmとし、発熱体12bは全長222mmだが発
熱体幅が3mmの部分12b1の長さを154mm、そ
の外側の領域12b2の幅を6mmとする。各発熱体の
抵抗値は発熱体12aが15.0Ω、発熱体12bは2
1.2Ωとされ、各々100Vで駆動される。本発熱体
はすべて同一抵抗値のペーストで1回塗りによって形成
されるため、発熱体12b中の発熱量は12b1部の発
熱量がその外側領域12b2部発熱量の2倍となってい
る。サーミスタ14aは転写材通紙領域の中央部に相当
し、最小サイズ転写材通紙領域内で、発熱体位置12
a、12bの発熱領域内(本実施例は中央基準の転写材
搬送とする)に設けられ、サーミスタ14bはB5サイ
ズ幅より外側の領域で発熱体12a端部から10mmの
位置に配置される。このような加熱定着装置でA4サイ
ズ幅(210mm)以上の転写材Pが転写材送り速度1
00mm/secの条件で通紙された場合、ヒータ基板
上に設けられたサーミスタ14aによりサーミスタ部の
ヒータ温度(検知温度)が190℃となるように発熱体
12aの通電を制御回路21でコントロールすることで
毎分16枚のスループットを十分な定着性を確保しなが
ら得ることができた。一方A5サイズ幅以下の転写材P
を通紙した場合、画像形成装置本体内に設けられた不図
示の転写材幅検知センサによりA5サイズ幅以下と認識
される。この認識結果に基づきサーミスタ14aにより
サーミスタ部のヒータ温度が190℃となるように予め
定められた通電比率で発熱体12a、発熱体12bの通
電を制御回路21、22でコントロールしながら最初は
毎分16枚のスループットで通紙を行う。本実施例では
発熱体12a、12bの通電比率を2:1となるよう制
御する。この時A5サイズ領域とその外側領域の単位長
さ当たりの発熱量比は1.2:1となりその差はわずか
のため、連続通紙枚数(処理枚数)が増すと非通紙領域
が昇温してくる。そこでサーミスタ14bの検知温度に
基づき所定温度より高いと判断されたとき発熱体12
a、12bへの通電比率を変化させ、小サイズ用発熱体
12bへの通電比率を高める。本実施例ではサーミスタ
14bの検知温度が240℃を超えた時に発熱体12
a、12bへの通電比率を1:1、サーミスタ14bの
検知温度が250℃を超えた時に発熱体12a、12b
への通電比率を1:2、サーミスタ14bの検知温度が
260℃を超えた時からは発熱体12aへの通電を停止
し、12bのみに通電を行う。このように順次小サイズ
用発熱体の通電比率を徐々に高めることで過度の非通紙
昇温を抑えることが可能となる。
【0034】更にサーミスタ14bの温度が上昇し続け
る場合は転写材の給紙間隔を制御してスループットを低
下させる。具体的にはA5サイズで坪量80g/m2
転写材を連続通紙したときには100枚目まで16pp
mのスループットを維持し、その後は12ppmとす
る。また、A5サイズで坪量128g/m2の転写材を
通紙したときは45枚目まで16ppmのスループット
を維持し、その後は12ppmとすることで、非通紙部
昇温を抑えることができた。なお、A5幅サイズ以下の
転写材に関しても同様の制御を行いスループットを制御
することができる。
【0035】A5幅サイズより大きく、A4幅サイズよ
り小さい転写材はサーミスタ14bの検知温度に基づき
発熱体12aと12bの通電比率を制御し、次いで通電
比率の制御のみでは非通紙昇温を抑制出来ないと判断し
た時スループットが制御される。この時A5サイズの両
側には発熱体12bからも熱量が供給されるために、発
熱体12bの通電比率を比較的高くした場合であって
も、B5サイズの転写材等においてA5サイズより外側
で急激な定着不良が発生することは無くなる。その結
果、具体的には例えばB5サイズ(182mm)の転写
材を通紙するとき、最初は16ppmのスループットで
給紙間隔を制御し、発熱体12aへの通電のみでヒータ
温度制御を行うが、その後非通紙昇温が所定温度を超え
たとき発熱体12bへの通電を所定比率で行うことが可
能となり、B5サイズのスループットを向上させること
が出来る。しかしながら発熱体12bの通電比率を所定
以上に高めるとB5サイズ両端部で定着不良が発生する
のでその通電比率は一定値以下とされる(本実施例構成
では発熱体12aの通電量に対し0.3以下とする)。
更にサーミスタ14bの検知温度が所定温度より高くな
った時には、給紙間隔を12ppm相当のスループット
になるように広げる制御を行う。例えばB5サイズで坪
量80g/m2の転写材を連続通紙したときには60枚
目まで16ppmのスループットを維持し、その後は1
2ppmにスループットを低下させ、B5サイズで坪量
128g/m2の転写材を通紙したときは20枚目まで
16ppmのスループットを維持し、その後は12pp
mにスループットを低下させることで良好な結果が得ら
れた。
【0036】上記の様な構成でフィルム加熱方式の加熱
定着装置において幅の狭い転写材でも極端にスループッ
トを低下させることなく、非通紙昇温を抑えることが可
能となることがわかる。
【0037】このように本実施形態では、非通紙部昇温
を抑えるために複数の発熱体を所定の通電比率で駆動制
御する構成としており、これによって温度検知素子(サ
ーミスタ14a)の取り付け交差を広げている。以下に
該サーミスタ14aの取り付け位置精度が緩やかになる
理由について説明する。
【0038】図3(a)は発熱体12aのみに通電した
時(実線a)と発熱体12bにのみ通電したとき(破線
b)のヒータ基板通紙方向の温度分布を示す。本図に示
すように発熱体を各々単独で通電した場合、基板幅方向
の温度分布が比較的フラットとなる領域は完全に分かれ
ており、サーミスタの取り付け位置のズレを考慮して設
置するに適した場所がないことが分かる。例えば発熱体
12aの温度分布がフラットとなる領域(A部)にサー
ミスタを設置した場合、発熱体12aのみが通電されて
いる場合にはサーミスタ取り付け位置精度をヒータ基板
幅方向に対して±0.5mmとしたときサーミスタ取り
付け位置ズレによる温度検出誤差は3℃以内に収めるこ
とが可能で実使用上の問題は発生しない。一方、A部に
サーミスタを設置して発熱体12bのみに通電した場
合、図3(a)で分かるように基板幅方向の温度分布が
急激に変化しているために上記と同様のサーミスタ取り
付け位置精度とすると、この位置ズレによる温度検出誤
差は15℃となり、サーミスタ素子単独の検出値ばらつ
き等を考慮した場合、ホットオフセットと定着不良のマ
ージンがとれず実使用に適さない検出誤差となってしま
う。
【0039】これに対し、本実施例のように所定の通電
比率で発熱体12a、12bに通電することで図3
(b)の実線cに示すような基板幅方向の温度分布を得
ることが出来る。同図では、発熱体12a、12bへの
通電比率を2:1とした時の温度分布を示しているが、
この時サーミスタ取り付け位置ズレによる温度検出誤差
は小サイズ通紙時でも5℃以内に収めることが可能とな
る。
【0040】また、本実施例では小サイズを連続通紙し
たときに徐々に小サイズ用発熱体の通電比率を高めてい
くが、それに従いA部での基板幅方向の温度分布は徐々
に大きくなることが確認されている。しかし本例では、
発熱体12a、12bを2:1の通電比率で温度制御を
行っているときに通紙中の各発熱体に投入される電力を
モニターし、その値に基づき通電比率を変化させた時に
必要とされる電力を算出し、その算出値と比べて、サー
ミスタ14aの検出値に基づいてヒータ温度を所定温度
に制御するために投入される電力の値が、予め求められ
た算出値より大きすぎる場合、又は小さすぎる場合には
サーミスタ位置ズレによる検知温度誤差大と判断しヒー
タ制御目標温度を修正する。
【0041】以下に上記電力補正の具体的制御方法を示
す。A5サイズ幅以下の転写材定着時は上記と同じく画
像形成装置本体内に設けられた不図示の転写材幅検知セ
ンサによりA5サイズ幅以下と認識され、認識結果に基
づきサーミスタ14aによりサーミスタ部のヒータ温度
が190℃となるように2:1の通電比率で発熱体12
a、発熱体12bを制御回路21、22でコントロール
しながら最初は毎分16枚のスループットで通紙を行
う。この時サーミスタ14aの設置位置での基板幅方向
の温度分布は均一なのでサーミスタ14aの検知温度に
従ってヒータ温度を制御する。この時発熱体12bに通
電した電力量をモニター(位相制御を行っている場合通
紙時間内の供給位相角の平均値、波数制御の場合は同様
に波数の平均値)し、転写材厚みや外気温によって変動
する必要電力量をこの時点で判断する。次いでサーミス
タ14bの検知温度に基づき所定温度より高いと判断さ
れたとき発熱体12a、12bへの通電比率を変化さ
せ、小サイズ用発熱体12bへの通電比率を高める。本
実施例ではサーミスタ14bの検知温度が240℃を超
えた時、発熱体12a、12bへの通電比率を1:1、
サーミスタ14bの検知温度が250℃を超えた時、発
熱体12a、12bへの通電比率を1:2、サーミスタ
14bの検知温度が260℃を超えた時からは発熱体1
2aへの通電を停止し、発熱体12bのみに通電を行
う。このように順次小サイズ用発熱体の通電比率を徐々
に高めることで過度の非通紙昇温を抑えることが可能と
なるが、この時上記電力量モニターの結果から制御温度
に対し発熱体12bに供給される電力が必要以上に大と
判断した場合はヒータ制御温度を低めに補正する。具体
的には発熱体への通電制御を位相制御で行う場合発熱体
12a、12bを2:1の通電比率で制御しているとき
の発熱体12bに通電した位相角の転写材1枚当たりの
平均値を求めそれを供給電力としてモニターする。次い
で発熱体12a、12bの通電比率が1:1のモードに
入ったとき、通電比率(基板幅方向の発熱体位置により
定着時に必要とされる電力は異なるために、通電比率に
よって供給電力量を変化させる必要がある。本実施例で
は下流側発熱体への通電比率が10%上昇すると必要供
給電力は1%増加させるよう補正を行う)、制御温度、
通紙枚数(連続プリントに従い加圧ローラ等が温まるた
めに、転写材以外に供給される電力は減少し、連続プリ
ント枚数に応じて供給電力は低下させていく。一般的に
は単にヒータ制御温度を通紙枚数に応じて徐々に低下さ
せていくが、本実施例では通紙枚数に応じて一定のアル
ゴリズムで必要供給電力量を予測する。例えば5枚通紙
ごとに制御すべきヒータ温度を5℃低下させ、そのとき
必要とされる電力量は3%低下させるよう補正を行う)
に基づいて算出される発熱体12bへの必要供給電力に
対し実際に投入される電力(=位相角)が3%以上大の
時、サーミスタ位置がずれていると判断し、制御すべき
ヒータ設定温度を5℃下げる。逆に必要供給電力に対
し、実際の供給電力が少ない場合は制御すべきヒータ温
度を5℃アップさせる。同様に発熱体12a、12bへ
の通電比率を変化させるときには再度供給電力量と算出
された供給電力量の差をモニターし続ける。このように
プリント開始時に精度の高いヒータ温度がモニターでき
ることによりその後サーミスタ位置ズレにより検知温度
がばらつく可能性が有っても連続プリント中は同じ環
境、同じ転写材種が使用されるために設定温度を保つた
めに必要とされる電力は初期条件より変化することはな
いために電力管理を行うことで正しいヒータ温度制御が
可能となる。
【0042】次に本実施例構成において最大サイズの転
写材を定着している場合に、供給電力が不足した場合の
制御方式について説明する。
【0043】加熱用ヒータ12の抵抗値は前記したよう
に発熱体12aが15.0Ω、発熱体12bが21.2
Ωとされる。この結果発熱体12aは100Vで駆動す
ると667Wの電力が生じる。電源電圧は変動すること
もあり、例えば電源電圧が10%低下したときは発熱体
12aの駆動電力は540Wになってしまう。このよう
な状態で画像形成速度100mm/sec、スループッ
トが16ppmの条件でA4サイズの厚紙等を通紙した
場合、電力が不足し、所定の温調温度を維持することが
不可能となり定着不良が発生することがある。そこで本
実施例ではプリント開始時、即ち加熱用ヒータ立ち上げ
制御時(発熱体12aへの通電制御を行う)に、ヒータ
の昇温傾きを計測しそれが所定値以下の場合、供給電力
が不足していると判断し、転写材Pが定着ニップ部Nに
突入後発熱体12bへの通電を開始し補助発熱体として
の機能をすることにより定着不良を防止する。以下具体
的な制御アルゴリズムを図4のフローチャートを用いて
説明する。
【0044】先ず、パーソナルコンピュータ等の外部機
器により画像形成装置に印字開始命令が送信されると給
紙動作、加熱定着装置のヒータ立ち上げ動作を開始する
(S1)。この時給紙される転写材サイズが判っている
ときには、そのサイズに応じた発熱体を選択して立ち上
げ、転写材サイズが不明の場合は、大サイズ用の発熱体
12aを立ち上げるが、本例では最大サイズの転写材を
定着する場合、即ち発熱体12aのみで定着を行うA4
サイズ以上転写材を通紙した場合について説明を行う。
発熱体12aの立ち上げ動作中加熱用ヒータ温度Tがサ
ーミスタ14aでモニターされ、所定温度T0(本例で
は120℃)からT1(160℃)に到達する時間tを
検知し、tが所定時間t0(本例では3sec)よりも
長い場合には供給電力不足と判断する(S3〜S6)。
その後ヒータ立ち上げ動作は継続され転写材が所定の待
機位置から定着部へ到達する時間内に定着可能温度に立
ち上がることが可能な転写材再給送開始温度T2(本例
では180℃)になったときに転写材の再給送を行い、
像担持体上のトナー像を転写した後、定着ニップ部に転
写材が突入する(S7,S8)。転写材が定着部に突入
するタイミングに合わせ、tがt0より大の場合は発熱
体12aはフル通電のままサーミスタ14aの温度が所
定温度T3(本例では200℃)となるように発熱体1
2bの通電制御を行う(S9、S10)。この時T3は
tがt0より小の場合に設定される温度T4(190
℃)に比べ大とする。この様な制御を行うことで発熱体
12b1部のヒータ温度は200℃に維持され、12b
2部の温度は発熱体12aへの供給電力により差がでる
が185〜195℃の温度に維持される。
【0045】この時発熱体12bにはトータルで約11
0Wの電力が供給されており、発熱体12b1領域には
90W、発熱体12b2領域には20W相当の割合で電
力が供給され、単位長さあたりの発熱量は3:2.7
(W/mm)となり上記レベルの温度差が発生する。こ
の時発熱体12b1領域には発熱体12bの補助通電が
ない場合に比べ約23%増の電力が供給され、発熱体1
2b2領域は同様に約12%増の電力供給が行われるこ
とになる。又加熱用ヒータ基板内の熱伝導により長手方
向温度分布は該供給電力の比率よりも若干ブロードにな
る効果も本実施例では良い方向に作用している。
【0046】この結果転写材Pの幅方向にわたって良好
な定着性を維持することが可能となる。例えば発熱体1
2aへの供給電力が540Wの時A4サイズで坪量が1
28g/m2の厚紙を通紙したとき、10℃の環境下で
発熱体12aのみで通電制御した場合は2枚目からヒー
タ温度が175℃、3枚目では170℃まで低下し2枚
目の画像後端から上記転写材で定着不良が発生したが、
本実施例では同条件下で発熱体12b1部のヒータ温度
が205℃、発熱体12b2部のヒータ温度が190℃
となり良好な定着性が幅方向全域にわたって維持され
た。
【0047】この様に小サイズの転写材Pに対応した発
熱分布を有する発熱体を大サイズ用発熱体の供給電力が
不足したときに補助加熱用発熱体として使用することで
ヒータ幅方向内で温度分布が発生するが、最大温度部で
ホットオフセットが発生せず、最小温度部で定着不良が
発生しない範囲内で温度分布が形成されれば本実施形態
のように幅方向全域にわたり良好な定着性を維持するこ
とができる。
【0048】又本実施形態のように小サイズに対応した
発熱体が小サイズ対応領域外に所定の発熱量を有する発
熱部を設けることで対応しているサイズの転写材より大
で最大サイズ転写材より幅が小の転写材を通紙したとき
にも当該サイズの転写材のスループットを向上させる効
果がある。具体的には本実施形態において、B5サイズ
の転写材(坪量80g/m2)を連続通紙したとき、6
0枚まで16ppmのスループットで通紙することが可
能となったが、発熱体12bの発熱領域が154mmま
ででその外側領域に発熱部を有しない場合、30枚まで
しか16ppmのスループットを維持できなかった。
【0049】このような作用効果を得るためには、小サ
イズ対応領域外に設けられた発熱部の発熱量は小サイズ
対応領域に対して0.2〜0.7が好ましい。
【0050】以上のように本実施形態によれば、非通紙
部昇温を防止するため加熱用ヒータに複数の発熱体を設
けた構成としながら、温度検知素子の取付け位置精度も
極端に厳しくならず、量産性に優れた加熱定着装置及び
それを用いた画像形成装置をを提供できる。
【0051】更に、複数の発熱体への通電比率を変化さ
せたときの検知温度誤差を補正したことにより、精度の
高いヒータ温度制御が可能となる。
【0052】また、幅狭用発熱体のうち少なくとも一つ
の発熱体が、対応する転写材サイズの外側領域に対応部
よりも小さい発熱量、例えば対応領域に対して0.2〜
0.7倍の発熱量を有する構成としたことにより、発熱
体幅に対応していないサイズの転写材を定着する場合
や、交互給紙する場合でも制御を複雑化せずにスループ
ットを向上させることが可能となる。
【0053】また、幅広用発熱体のみでは発熱量が不足
する場合には、幅狭用発熱体を補助ヒータとして用いる
ことで、発熱体の抵抗値を極端に下げずとも装置の高速
化を達成することが可能となる。
【0054】〈第2の実施形態〉本実施形態では前記第
1の実施形態に対し、更に発熱体本数を増加させ、最大
スループットが得られる転写材サイズを増している。以
下本実施形態の特徴を図5のヒータ図面に基づきながら
説明を行う。
【0055】本形態において、前記実施形態と同様の部
分は説明を省略する。なお前記実施形態と同一の要素に
は同符番を付している。本実施形態では加熱用ヒータ5
0の基板12c上に形成する発熱体パターンを3本設
け、通紙方向最上流側には最大サイズ(レターサイズ:
幅216mm)に対応した発熱体長222mmの発熱体
52a、次に封筒サイズ(最大幅COM10サイズ:幅
105mm)に対応した発熱体長116mmの発熱体5
2b、B5サイズに対応した発熱体長190mmの発熱
体52c1とその外側にB5サイズ対応領域外に対応域
に対し発熱量が0.5の発熱部52c2を延長して最大
サイズ領域をカバーする総長さ222mmの発熱体52
cを最下流側に設けた構成となっている。又各々の発熱
体は制御回路55,56,57によって独立に駆動され
る。
【0056】本ヒータ50を有する加熱定着装置を毎分
16枚(A4サイズ縦送り)のレーザビームプリンタに
適用し、ヒータ基板幅を14mmに対し、発熱体52a
は幅が3mm、発熱体52bは幅が1.5mm、発熱体
52cは52c1部の幅が2mm、52c2部の幅が4
mmとされる。各発熱体の抵抗値は、発熱体52aが1
5.0Ω、発熱体52bが15.7Ω、発熱体52cが
20.9Ωとされ100Vで駆動される。各発熱体は抵
抗値のばらつきを少なくする為、すべて同一抵抗値のペ
ーストで1回塗りによって形成している。サーミスタ5
4aは転写材通紙領域の中央部に相当し、最小サイズ転
写材通紙領域内で、発熱体位置52a、52b、52c
の発熱領域内(本例は中央基準の転写材搬送とする)に
設けられ、サーミスタ54bはB5サイズ幅より外側の
領域で発熱体52a端部から10mmの位置に配置され
る。このような加熱定着装置で最大サイズ(A4〜レタ
ー(幅210〜216mm)サイズ)の転写材は、転写
材送り速度100mm/secの条件でヒータ基板上に
設けられたサーミスタ54aによる検知温度が190℃
となるように発熱体52aの通電を制御回路55でコン
トロールすることで毎分16枚のスループットを十分な
定着性を確保しながら得ることができた。
【0057】一方COM10サイズ幅以下の転写材は、
画像形成装置本体内に設けられた不図示の転写材幅検知
センサによりCOM10サイズ幅以下と認識される。こ
の認識結果に基づきサーミスタ54aによる検知温度が
190℃となるように発熱体52a、52bの通電を制
御回路55,56でコントロールしながら前記実施形態
と同様に最初は2:1の通電比率で制御し、その後は非
通紙領域の温度上昇に応じて発熱体52bの通電比率を
高めるように順次変化させる。この時発熱体52bはC
OM10対応領域外は発熱部を有しないために前記実施
形態と異なり、非通紙領域の温度上昇は少ない。このた
め、殆どの場合発熱体52aと52bの通電比率は2:
1で維持される。しかしながら極めて厚い転写材Pを低
温環境下で通紙した場合には非通紙部の昇温が大となる
場合があり、そのときには前記実施例と同様のアルゴリ
ズムで制御を行う。又転写材サイズがB5サイズ等のC
OM10より幅の広い転写材の場合(転写材幅検知セン
サによりCOM10より幅が大とされ、同時に転写材幅
が不明の場合も含む)、最初は発熱体52aのみに通電
し毎分16枚のスループットで通紙を行い、次いでサー
ミスタ54bの検知温度に基づき所定温度(本形態では
240℃)より高いと判断されたときに発熱体52cへ
の通電を行う。この時発熱体52aと52cの通電比率
は2:1とされ、制御回路55,57でコントロールさ
れる。
【0058】次いでサーミスタ54bの温度が低下し所
定温度より低くなった場合には再び発熱体52aのみに
通電が行われる(転写材幅が190〜200mmの不定
形サイズの場合に起こり得る)。一方サーミスタ54b
の温度が更に上昇を続ける場合には前記第1の実施形態
と同様に発熱体52cの通電比率を高めるように徐々に
変化させることにより非通紙領域の昇温を抑えることが
可能となる。最終的に発熱体52cのみの通電になった
ときに更に非通紙領域の昇温が生じている場合には転写
材の給紙間隔を制御しスループットを低下させることで
非通紙昇温を抑制することができる。
【0059】本実施形態ではB5サイズ、封筒等の殆ど
の転写材で16ppmのスループットを維持できること
が確認された。又A5サイズの転写材では坪量80g/
2の転写材を連続通紙したときには16ppmのスル
ープットを70枚まで維持し続け、A5サイズで坪量1
28g/m2の転写材を通紙したときは45枚目まで1
6ppmのスループットを維持し、その後は12ppm
にスループットを低下させることで良好な結果が得られ
た。
【0060】このように本実施形態では第1の実施形態
よりも多くの紙種でスループットを高くすることが可能
となる。又発熱体52a、52b、52cを夫々単独で
通電したときのヒータ基板幅方向の温度分布を図6
(a)、発熱体52aと発熱体52bを2:1の通電比
率で通電したとき、発熱体52aと52cを通電比率
2:1で通電したときの基板幅方向の温度分布を図6
(b)に示す。
【0061】この図よりサーミスタをA部に取り付け、
各発熱体を単独で通電した場合のサーミスタ取り付け位
置ズレ(±0.5mm)による検知温度誤差は、発熱体
52aのみに単独で通電した場合3℃、発熱体52bの
みに通電した場合15℃、52cのみの場合12℃とな
る。
【0062】一方、サーミスタをA部に取り付け(サー
ミスタ54a設置位置)、発熱体52bと発熱体52a
へ同時に通電を行なう場合、また発熱体52aと発熱体
52cへ同時に通電を行う場合のサーミスタ取り付け位
置ズレ(±0.5mm)による検知温度誤差は、各々6
℃、5℃となり非常に小さくなっていることがわかる。
又各発熱体への通電比率を変化させることにより検知温
度がばらつく問題に関しても前記実施例と同様に発熱体
52a,52b又は発熱体52a,52cへの通電比率
が2:1の時に供給電力をモニターし、その後の通電比
率変化時にモニターした供給電力から算出した必要電力
と実際に供給する電力の差からヒータ設定温度を補正す
ることで解消可能となる。
【0063】又、大サイズ通紙時の供給電力不足の時は
前記実施形態と同様の考え方で、発熱体52aのみの通
電ではヒータ温度を所定温度に維持できないと判断した
ときに発熱体52cを補助ヒータとして作用させること
で、常に十分な定着性を得ることが可能となる。
【0064】なお、上記の実施形態では中央基準で転写
材を搬送したが、本発明はこれに限らず端部基準で転写
材を搬送する構成であっても良い。また、本発明の加熱
用ヒータは、基板の転写材側の面に発熱体を設けたもの
でも良いし、窒化アルミニウム等からなる良熱伝導性の
基板の転写材と反対側に位置する面に発熱体を設けた所
謂裏面加熱型のものでも良い。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基材上に複数の発熱体を設けて各発熱体を適切に駆動制
御することにより、該温度制御の為の温度を検知する温
度検知素子の取付位置の交差を広げ、精度良く多種の記
録材サイズに対応した加熱制御を行うことが可能な像加
熱装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した加熱定着装置の略断面図
【図2】 図1の加熱定着装置に具備した加熱ヒータの
説明図
【図3】 第1の実施形態におけるヒータ基板幅方向の
温度分布を示す図
【図4】 本発明を説明するためのフローチャート
【図5】 第2の実施形態に用いた加熱ヒータの説明図
【図6】 第2の実施形態におけるヒータ基板幅方向の
温度分布を示す図
【図7】 本発明を適用した画像形成装置の略断面図
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電ローラ 3 レーザービーム 4 現像装置 5 転写ローラ 6 定着装置 7 クリーニング装置 10 フィルム(定着フィルム) 11 加圧ローラ 12 加熱用ヒータ 12a,12b 発熱体 14a,14b サーミスタ 21,22 制御回路 50 加熱用ヒータ 52a,52b 発熱体 55,56,57 制御回路 N 定着ニップ部 P 転写材(記録材)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱用ヒータと、一方の面が前記加熱用
    ヒータと摺動し他方の面が画像を担持した記録材と接し
    共に移動するフィルムと、を有し、通紙された記録材上
    の画像を、前記フィルムを介した前記加熱用ヒータから
    の熱により加熱処理する像加熱装置において、 加熱用ヒータは、基板上に複数の発熱体が形成され、温
    度検知素子の検知温度に基づいて該複数の発熱体が各々
    独立に通電制御され、基板上記録材通紙方向と直交する
    方向内で異なる発熱分布を有し、記録材サイズに応じて
    予め定められた通電比率により複数の発熱体が駆動さ
    れ、処理枚数又は非通紙領域の温度に応じて該通電比率
    を変化させることを特徴とする像加熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の像加熱装置において、
    前記フィルムが、厚み20〜100μmの薄肉の可撓性
    を有するエンドレス形状であることを特徴とする像加熱
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の像加熱装置にお
    いて、加熱処理開始後の所定期間中発熱体に供給される
    電力量をモニタし、このモニター結果に基づき、複数の
    発熱体の通電比率を変化させたときの加熱用ヒータ制御
    温度を変化させることを特徴とする像加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の像加熱装置
    において、複数の発熱体は、最大サイズの記録材に対応
    する幅広用発熱体、最大サイズよりも幅の狭い記録材サ
    イズに対応する幅狭用発熱体からなり、幅狭用発熱体は
    記録材の幅に応じて一つ以上のグループを設け、各グル
    ープに対応した発熱体を有しており、幅狭用発熱体のう
    ち少なくとも一つが、対応する転写材サイズの外側領域
    に対応部よりも小さい発熱量を有する発熱部分を形成す
    ることを特徴とする像加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の像
    加熱装置において、最大サイズの記録材を加熱処理する
    場合に幅広用発熱体による発熱のみでは所定温度を維持
    できないと判断したとき、該発熱体と異なる発熱分布を
    有する発熱体も通電することを特徴とする像加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の像
    加熱装置において、加熱処理が前記記録材上の画像を該
    記録材に定着させる処理であることを特徴とする像加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 記録材上に画像を形成する像形成手段
    と、該記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有する
    画像形成装置において、 像加熱手段として請求項1乃至6の何れか1項に記載の
    像加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP37015299A 1999-12-27 1999-12-27 像加熱装置及び画像形成装置 Pending JP2001183929A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37015299A JP2001183929A (ja) 1999-12-27 1999-12-27 像加熱装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37015299A JP2001183929A (ja) 1999-12-27 1999-12-27 像加熱装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001183929A true JP2001183929A (ja) 2001-07-06

Family

ID=18496194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37015299A Pending JP2001183929A (ja) 1999-12-27 1999-12-27 像加熱装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001183929A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003186321A (ja) * 2001-10-09 2003-07-04 Canon Inc 像加熱装置
JP2009288275A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Canon Inc 画像加熱装置
US8063341B2 (en) 2006-01-27 2011-11-22 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
US9116480B2 (en) 2013-04-26 2015-08-25 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus, having air feeding portion including a fan, a duct with an opening, and opening-amount adjusting member, configured to execute first and second air feeding operations
US9341999B2 (en) 2014-03-12 2016-05-17 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus which adjusts a time interval between successive recording media and the changing time at which the time interval is changed
JP2017187519A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 キヤノンファインテックニスカ株式会社 定着装置及び画像形成装置
US9977385B2 (en) 2015-09-16 2018-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus having the same
JP2019056812A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 キヤノン株式会社 画像形成装置および定着装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003186321A (ja) * 2001-10-09 2003-07-04 Canon Inc 像加熱装置
US8063341B2 (en) 2006-01-27 2011-11-22 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
JP2009288275A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Canon Inc 画像加熱装置
US8068758B2 (en) 2008-05-27 2011-11-29 Canon Kabushiki Kaisha Belt conveyance apparatus and image heating apparatus
US8218993B2 (en) 2008-05-27 2012-07-10 Canon Kabushiki Kaisha Belt conveyance apparatus and image heating apparatus
US9116480B2 (en) 2013-04-26 2015-08-25 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus, having air feeding portion including a fan, a duct with an opening, and opening-amount adjusting member, configured to execute first and second air feeding operations
US9411274B2 (en) 2013-04-26 2016-08-09 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus switching between first and second air feeding operations with different opening amounts of an opening through which air fed from a fan passes according to the detected temperature
US9341999B2 (en) 2014-03-12 2016-05-17 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus which adjusts a time interval between successive recording media and the changing time at which the time interval is changed
US9977385B2 (en) 2015-09-16 2018-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus having the same
JP2017187519A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 キヤノンファインテックニスカ株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2019056812A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 キヤノン株式会社 画像形成装置および定着装置
JP7030461B2 (ja) 2017-09-21 2022-03-07 キヤノン株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4659204B2 (ja) 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP3647290B2 (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
US7002105B2 (en) Image heating apparatus
JP2001324892A (ja) 像加熱装置及びそれを有する画像形成装置
JP2007025237A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5054868B2 (ja) 画像形成装置
JP2007206510A (ja) 加熱装置およびそれを備える画像形成装置
JP2004085698A (ja) 画像形成装置
US6862416B2 (en) Image heating apparatus and image forming apparatus
JP2000206811A (ja) 加熱定着装置および画像形成装置
JP2001183929A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP2019101251A (ja) 像加熱装置
JP3848001B2 (ja) 加熱定着装置および画像形成装置
JP2002214961A (ja) 加熱定着装置及びそれを有する画像形成装置
JP2001282036A (ja) 画像形成装置
JP2003337484A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JPH11344892A (ja) 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置
JP4642213B2 (ja) 画像形成装置
JP2004212769A (ja) 画像形成装置
JP2000162906A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2008123709A (ja) 加熱体、定着装置及び画像形成装置
JPH03226985A (ja) 定着装置
JP2000243537A (ja) 加熱装置、加熱定着装置および画像形成装置
JP2006019159A (ja) 加熱体及び像加熱装置
JP2011033998A (ja) 像加熱装置