JPH08331796A - 流体軸受を備えたモータ - Google Patents
流体軸受を備えたモータInfo
- Publication number
- JPH08331796A JPH08331796A JP13648195A JP13648195A JPH08331796A JP H08331796 A JPH08331796 A JP H08331796A JP 13648195 A JP13648195 A JP 13648195A JP 13648195 A JP13648195 A JP 13648195A JP H08331796 A JPH08331796 A JP H08331796A
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- Japan
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- oil
- sleeve
- bearing
- plate
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Brushless Motors (AREA)
- Motor Or Generator Frames (AREA)
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軸受のオイル流出による性能劣化，寿命低
下，装置汚染などの問題点を解決し高い信頼性を確保す
る。 【構成】 スリーブ端面に薄板を配置し、スリーブ端面
との間にオイル保持空間を形成する。さらにその空間の
厚さは内径側で小とする。小型，高信頼性，高耐衝撃
性，低騒音，低振動，長寿命を兼ね備えた高品質のモー
タおよび装置を提供できる。
下，装置汚染などの問題点を解決し高い信頼性を確保す
る。 【構成】 スリーブ端面に薄板を配置し、スリーブ端面
との間にオイル保持空間を形成する。さらにその空間の
厚さは内径側で小とする。小型，高信頼性，高耐衝撃
性，低騒音，低振動，長寿命を兼ね備えた高品質のモー
タおよび装置を提供できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、主として情報処理分野
で使われているディスク駆動装置などに用いられるスピ
ンドルモータの軸受構造に関するものである。
で使われているディスク駆動装置などに用いられるスピ
ンドルモータの軸受構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、ディスク駆動装置（以下、装置と
略称する）は小型高密度化が進展している。この種の装
置のうち、可搬性を重視したものは特に小型，高記録密
度，高耐衝撃性，低騒音，低振動，長寿命を兼ね備えた
高品質の製品が求められる。その中で、ディスクを回転
駆動するスピンドルモータ（以下、モータと略称する）
に対しても当然同様の要求がある。これらの諸要求に高
いレベルで応えていくことが社会的要請である。
略称する）は小型高密度化が進展している。この種の装
置のうち、可搬性を重視したものは特に小型，高記録密
度，高耐衝撃性，低騒音，低振動，長寿命を兼ね備えた
高品質の製品が求められる。その中で、ディスクを回転
駆動するスピンドルモータ（以下、モータと略称する）
に対しても当然同様の要求がある。これらの諸要求に高
いレベルで応えていくことが社会的要請である。
【０００３】モータの性能を決定づける要素の一つに軸
受がある。従来、一般に軸受にはボールベアリングが用
いられてきたが、前記の要望にさらに高レベルで対応で
きる軸受としてボールの転動をともなわない流体軸受、
中でも動圧流体軸受が注目され、採用されつつある。動
圧流体軸受とは、円柱状のシャフトとそれに隙間をもっ
て填めあわされる中空円筒状のスリーブメタルとで構成
し、そのいずれかにヘリングボーン溝などを設ける。そ
してその隙間に潤滑流体を満たし、ロータの回転にとも
なって潤滑流体に発生する圧力でロータを回転支持する
構造の軸受である。この流体軸受は機構の占める体積が
小さい流体を介してロータを回転支持するために低騒
音，低振動、かつ耐衝撃性に優れ、シャフト全周で荷重
を受けるので積分効果により軸の非繰返し振れ（ＮＲＲ
Ｏ）が小さく、装置の記録密度を向上できるなど原理的
にディスク駆動装置の軸受として優れている。しかし、
この動圧流体軸受は多くの場合オイルを用いるので、そ
の枯渇による性能劣化とオイル飛散による装置汚染を生
じる可能性をもっており、これを解決しなければならな
いという課題があった。
受がある。従来、一般に軸受にはボールベアリングが用
いられてきたが、前記の要望にさらに高レベルで対応で
きる軸受としてボールの転動をともなわない流体軸受、
中でも動圧流体軸受が注目され、採用されつつある。動
圧流体軸受とは、円柱状のシャフトとそれに隙間をもっ
て填めあわされる中空円筒状のスリーブメタルとで構成
し、そのいずれかにヘリングボーン溝などを設ける。そ
してその隙間に潤滑流体を満たし、ロータの回転にとも
なって潤滑流体に発生する圧力でロータを回転支持する
構造の軸受である。この流体軸受は機構の占める体積が
小さい流体を介してロータを回転支持するために低騒
音，低振動、かつ耐衝撃性に優れ、シャフト全周で荷重
を受けるので積分効果により軸の非繰返し振れ（ＮＲＲ
Ｏ）が小さく、装置の記録密度を向上できるなど原理的
にディスク駆動装置の軸受として優れている。しかし、
この動圧流体軸受は多くの場合オイルを用いるので、そ
の枯渇による性能劣化とオイル飛散による装置汚染を生
じる可能性をもっており、これを解決しなければならな
いという課題があった。
【０００４】オイルの枯渇に対する簡便な対策は、第１
として図４のようにスリーブ４１の端面に含油フェルト
４３を置くものがあった。この方法は、うまく機能すれ
ば軸受寿命を延長することができるが、含油フェルト４
３がシャフト４２に接触して負荷になるか、その接触部
あるいはその繊維の一部が異物となって軸受内部に侵入
し潤滑を阻害する可能性をもっていた。さらに、含油フ
ェルト４３に含んだオイルが必ず軸受部に供給できるも
のではなかった。
として図４のようにスリーブ４１の端面に含油フェルト
４３を置くものがあった。この方法は、うまく機能すれ
ば軸受寿命を延長することができるが、含油フェルト４
３がシャフト４２に接触して負荷になるか、その接触部
あるいはその繊維の一部が異物となって軸受内部に侵入
し潤滑を阻害する可能性をもっていた。さらに、含油フ
ェルト４３に含んだオイルが必ず軸受部に供給できるも
のではなかった。
【０００５】また第２の例として、図５のようにシャフ
ト４２にカラー４４を設ける方法があり、主としてその
端面からの異物の侵入とオイルの漏出を防ぐために行わ
れていた。この方法によればオイルの保持とオイル飛散
の防止を期待することもできるが、カラー４４はシャフ
ト４２とともに回転するので、高速回転時にオイルを周
囲に飛散させる不具合があった。以上のように、これら
の構造を採用したモータは依然として上記課題を残して
いた。
ト４２にカラー４４を設ける方法があり、主としてその
端面からの異物の侵入とオイルの漏出を防ぐために行わ
れていた。この方法によればオイルの保持とオイル飛散
の防止を期待することもできるが、カラー４４はシャフ
ト４２とともに回転するので、高速回転時にオイルを周
囲に飛散させる不具合があった。以上のように、これら
の構造を採用したモータは依然として上記課題を残して
いた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上述べた
従来のモータの持つ課題、すなわち流体軸受のオイル流
出による性能劣化，寿命低下，装置汚染などの問題点を
解決し、高い信頼性を確保する。そして、小型，高信頼
性，高耐衝撃性，低騒音，低振動，長寿命を兼ね備えた
高品質のモータおよび装置を提供することを目的とす
る。
従来のモータの持つ課題、すなわち流体軸受のオイル流
出による性能劣化，寿命低下，装置汚染などの問題点を
解決し、高い信頼性を確保する。そして、小型，高信頼
性，高耐衝撃性，低騒音，低振動，長寿命を兼ね備えた
高品質のモータおよび装置を提供することを目的とす
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、スリーブ開口部の端面側に板状部材を置いて
端面との間にオイルを保持する円盤状の空間を形成す
る。そして、その空間の軸方向厚さは、内周側を外周側
に対しおおよそ等しいかまたは小さくしたものである。
するため、スリーブ開口部の端面側に板状部材を置いて
端面との間にオイルを保持する円盤状の空間を形成す
る。そして、その空間の軸方向厚さは、内周側を外周側
に対しおおよそ等しいかまたは小さくしたものである。
【０００８】また、前記板状部材はスリーブの端面に近
接対向して固定されるが、そのとき前記板状部材の外周
端面はその近傍にある他の部材に対し、前出の外周端側
の軸方向隙間とおおよそ等しいかまたは大きい距離をお
く。さらに、前記板状部材の内周端とシャフトとの距離
は、内周端側での軸方向隙間とおおよそ等しいかまたは
小さくしたものである。
接対向して固定されるが、そのとき前記板状部材の外周
端面はその近傍にある他の部材に対し、前出の外周端側
の軸方向隙間とおおよそ等しいかまたは大きい距離をお
く。さらに、前記板状部材の内周端とシャフトとの距離
は、内周端側での軸方向隙間とおおよそ等しいかまたは
小さくしたものである。
【０００９】なお、スリーブ端面に置かれる薄板は、ス
リーブ端面との間に空間を形成するための部材であって
必ずしも薄いこと、板であることを必要としない。また
この薄板をスリーブ端面に固定するにあたっては、スリ
ーブに直接固定してもよく他の部材を介してもよい。軸
受はヘリングボーン溝を用いた動圧発生機構を有するも
のとして説明するが、このような動圧発生機構を有しな
いもの、他の型の動圧発生機構のものでも本発明は有効
である。
リーブ端面との間に空間を形成するための部材であって
必ずしも薄いこと、板であることを必要としない。また
この薄板をスリーブ端面に固定するにあたっては、スリ
ーブに直接固定してもよく他の部材を介してもよい。軸
受はヘリングボーン溝を用いた動圧発生機構を有するも
のとして説明するが、このような動圧発生機構を有しな
いもの、他の型の動圧発生機構のものでも本発明は有効
である。
【００１０】
【作用】上記のように構成したとき、スリーブと板状部
材との間にオイルを保持する円盤状空間が形成される。
この空間は軸方向厚さが小さく径方向に広がっているの
で、スリーブのシャフト支持長さをほとんど犠牲にする
ことなく大量のオイルを蓄えることができる。
材との間にオイルを保持する円盤状空間が形成される。
この空間は軸方向厚さが小さく径方向に広がっているの
で、スリーブのシャフト支持長さをほとんど犠牲にする
ことなく大量のオイルを蓄えることができる。
【００１１】ここに蓄えられたオイルはスリーブ・シャ
フト間に供給されることが必要である。前記円盤状空間
について、その内周側の距離を外周側に対して小さくし
たとき、オイルはその表面張力によって隙間の小さい方
すなわち内周側へ移動する。この作用により、蓄えられ
たオイルを常に軸受部へ供給することが可能となる。オ
イルが比較的多くあってシャフト全周を取り囲んでいる
場合は、隙間の内外周差を設けなくてもオイルはその表
面張力でシャフト側へ移動する。ゆえにこの場合は隙間
は内周・外周でほぼ同等であってもよい。
フト間に供給されることが必要である。前記円盤状空間
について、その内周側の距離を外周側に対して小さくし
たとき、オイルはその表面張力によって隙間の小さい方
すなわち内周側へ移動する。この作用により、蓄えられ
たオイルを常に軸受部へ供給することが可能となる。オ
イルが比較的多くあってシャフト全周を取り囲んでいる
場合は、隙間の内外周差を設けなくてもオイルはその表
面張力でシャフト側へ移動する。ゆえにこの場合は隙間
は内周・外周でほぼ同等であってもよい。
【００１２】スリーブ端面に配置した板状部材は、また
別の作用をもっている。スリーブの端面に空気排出用の
穴がある場合に急激な圧力変化などのためこの穴からオ
イルが噴出したとき、これをせき止めてオイルの飛散を
防ぐ。またさらに、軸受隙間から軸方向に噴出したオイ
ルが板状部材にせき止められて径方向に円盤状に広がる
とき、オイルの運動速度は穴からの距離に反比例して遅
くなる。この作用は、円盤状隙間が外周へ行くにしたが
って大きくなる時さらに増幅される。この速度減衰作用
によりオイルの飛散を効果的に防止できる。
別の作用をもっている。スリーブの端面に空気排出用の
穴がある場合に急激な圧力変化などのためこの穴からオ
イルが噴出したとき、これをせき止めてオイルの飛散を
防ぐ。またさらに、軸受隙間から軸方向に噴出したオイ
ルが板状部材にせき止められて径方向に円盤状に広がる
とき、オイルの運動速度は穴からの距離に反比例して遅
くなる。この作用は、円盤状隙間が外周へ行くにしたが
って大きくなる時さらに増幅される。この速度減衰作用
によりオイルの飛散を効果的に防止できる。
【００１３】板状部材の内径とシャフトとの隙間につい
ては、その大きさが板状部材とスリーブ端面との距離に
おおよそ等しいかまたは小さいとき、その周辺における
オイル保持空間の連続性が確保され、軸受隙間と円盤状
空間とが連続する。このような状態になったとき、端面
に蓄えたオイルを継続的に軸受隙間に供給できる。ま
た、板状部材の内径部は上述のように軸受隙間から軸方
向に噴出したオイルをせき止める作用を持つが、そのた
めには板状部材の内径とシャフトとの隙間は小さい方が
よい。
ては、その大きさが板状部材とスリーブ端面との距離に
おおよそ等しいかまたは小さいとき、その周辺における
オイル保持空間の連続性が確保され、軸受隙間と円盤状
空間とが連続する。このような状態になったとき、端面
に蓄えたオイルを継続的に軸受隙間に供給できる。ま
た、板状部材の内径部は上述のように軸受隙間から軸方
向に噴出したオイルをせき止める作用を持つが、そのた
めには板状部材の内径とシャフトとの隙間は小さい方が
よい。
【００１４】一方板状部材の外周部においては、オイル
が外方へ洩れ伝わることを防がなければならない。板状
部材の外周端面において、その近傍にある他の部材に対
し前出の外周端側の軸方向隙間とおおよそ等しいか、ま
たは大きい距離をおくことによりその作用が得られる。
が外方へ洩れ伝わることを防がなければならない。板状
部材の外周端面において、その近傍にある他の部材に対
し前出の外周端側の軸方向隙間とおおよそ等しいか、ま
たは大きい距離をおくことによりその作用が得られる。
【００１５】このように本発明の構造は、軸受部端面の
薄い空間に大量のオイルを保持し、そのオイルを継続的
に軸受隙間に供給するとともに、軸受部からのオイルの
洩出・噴出・飛散を効果的に防止する作用をもつ。その
結果、従来より寿命が長くかつオイル飛散による装置汚
染の少ない優れたモータが得られる。
薄い空間に大量のオイルを保持し、そのオイルを継続的
に軸受隙間に供給するとともに、軸受部からのオイルの
洩出・噴出・飛散を効果的に防止する作用をもつ。その
結果、従来より寿命が長くかつオイル飛散による装置汚
染の少ない優れたモータが得られる。
【００１６】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【００１７】図１は本発明の一実施例のモータの断面
図、図２（ｂ）は図１に示すモータを構成するスリー
ブ、シャフトおよび板状部材の状態を示す拡大断面図、
図２（ａ）はこれらを上方から見た平面図、図３は板状
部材の周辺の部分拡大断面図である。
図、図２（ｂ）は図１に示すモータを構成するスリー
ブ、シャフトおよび板状部材の状態を示す拡大断面図、
図２（ａ）はこれらを上方から見た平面図、図３は板状
部材の周辺の部分拡大断面図である。
【００１８】まず、モータの構造について概説する。図
１において、ブラケット１６にコイル１２を巻回したス
テータコア１３が取り付けられ、コイル１２にはプリン
ト基板１１を介してモータ外部から給電される。そして
ブラケット１６の中央にはスリーブ１５が取り付けら
れ、スリーブ１５の下端にはスラスト板１４が取り付け
られている。以上がステータ１０の主要構成部品であ
る。
１において、ブラケット１６にコイル１２を巻回したス
テータコア１３が取り付けられ、コイル１２にはプリン
ト基板１１を介してモータ外部から給電される。そして
ブラケット１６の中央にはスリーブ１５が取り付けら
れ、スリーブ１５の下端にはスラスト板１４が取り付け
られている。以上がステータ１０の主要構成部品であ
る。
【００１９】一方、回転部品の主要部はハブ２２であ
る。ハブ２２の中央にはシャフト２３が、ハブ２２内面
のスリーブ１５近傍には抜け止め板２４が、ハブ２２内
面のステータコア１３に対向する位置にはマグネット２
１が、ハブ２２内面のネジ部にシール２５がそれぞれ固
定されている。以上の回転部品を総称してロータ２０と
いう。このハブ２２の外周に、本実施例では磁気ディス
ク（図示せず）が固定されロータ２０とともに回転す
る。
る。ハブ２２の中央にはシャフト２３が、ハブ２２内面
のスリーブ１５近傍には抜け止め板２４が、ハブ２２内
面のステータコア１３に対向する位置にはマグネット２
１が、ハブ２２内面のネジ部にシール２５がそれぞれ固
定されている。以上の回転部品を総称してロータ２０と
いう。このハブ２２の外周に、本実施例では磁気ディス
ク（図示せず）が固定されロータ２０とともに回転す
る。
【００２０】本発明の主要部である軸受装置の構成を図
２（ａ），図２（ｂ）により説明する。荷重は径方向の
荷重と軸方向の荷重とに分けて考えることができるが、
本実施例においてはスリーブ１５の内周面とシャフト２
３の外周面とその間にあるオイル（番号を付与せず）と
でラジアル軸受を構成し、スラスト板１４の端面とシャ
フト２３の端面とその間にあるオイルとでスラスト軸受
を構成している。スリーブ１５にはスラスト軸受とスリ
ーブ端面１５ａとを連通する穴１５ｂが設けられてい
る。そのスリーブ端面１５ａの近傍には本発明の板状部
材の１つである薄板１７が配置され、その外周部の突起
３点１７ａが外周方向に突出し、スリーブの端面１５ａ
の外周部で支持されている。またこのとき、薄板１７は
前出の連通穴１５ｂを覆う大きさをもっており、連通穴
１５ｂから噴出したオイルをせき止める。
２（ａ），図２（ｂ）により説明する。荷重は径方向の
荷重と軸方向の荷重とに分けて考えることができるが、
本実施例においてはスリーブ１５の内周面とシャフト２
３の外周面とその間にあるオイル（番号を付与せず）と
でラジアル軸受を構成し、スラスト板１４の端面とシャ
フト２３の端面とその間にあるオイルとでスラスト軸受
を構成している。スリーブ１５にはスラスト軸受とスリ
ーブ端面１５ａとを連通する穴１５ｂが設けられてい
る。そのスリーブ端面１５ａの近傍には本発明の板状部
材の１つである薄板１７が配置され、その外周部の突起
３点１７ａが外周方向に突出し、スリーブの端面１５ａ
の外周部で支持されている。またこのとき、薄板１７は
前出の連通穴１５ｂを覆う大きさをもっており、連通穴
１５ｂから噴出したオイルをせき止める。
【００２１】さらにその薄板１７周辺部の詳細を図３で
説明する。薄板１７とスリーブ端面１５ａとの距離は、
外径側隙間Ｖ２に対し内径側隙間Ｖ１が小さくなってお
り、その大きさは漸次変化している。また、内径側隙間
Ｖ１は軸受隙間より大きい。この内径側隙間Ｖ１に対
し、薄板とシャフトとの径方向隙間Ｈ１はおおよそ等し
いか少し小さく設定されている。さらにいえば、その周
辺の面取り部の大きさもこれらの寸法と類似の値に設定
している。このようにしたとき、薄板１７，シャフト２
３，スリーブ端面１５ａで囲まれる部分が閉空間を形成
してオイル３１を保持し、かつその隙間の厚さの連続性
が保たれ軸受隙間と連通する。
説明する。薄板１７とスリーブ端面１５ａとの距離は、
外径側隙間Ｖ２に対し内径側隙間Ｖ１が小さくなってお
り、その大きさは漸次変化している。また、内径側隙間
Ｖ１は軸受隙間より大きい。この内径側隙間Ｖ１に対
し、薄板とシャフトとの径方向隙間Ｈ１はおおよそ等し
いか少し小さく設定されている。さらにいえば、その周
辺の面取り部の大きさもこれらの寸法と類似の値に設定
している。このようにしたとき、薄板１７，シャフト２
３，スリーブ端面１５ａで囲まれる部分が閉空間を形成
してオイル３１を保持し、かつその隙間の厚さの連続性
が保たれ軸受隙間と連通する。
【００２２】一方、薄板１７の外周部においては、オイ
ルが外部へ洩れ伝わるのを防ぐための手段として薄板１
７とその周辺の部材との間に距離を設ける。その距離Ｈ
２は、外径側隙間Ｖ２より大きくするのが望ましい。そ
のように設定したとき、オイルはその表面張力によって
より隙間の小さい方へ移動するので外径側隙間Ｖ２周辺
のオイルが外方へ逃げることがない。
ルが外部へ洩れ伝わるのを防ぐための手段として薄板１
７とその周辺の部材との間に距離を設ける。その距離Ｈ
２は、外径側隙間Ｖ２より大きくするのが望ましい。そ
のように設定したとき、オイルはその表面張力によって
より隙間の小さい方へ移動するので外径側隙間Ｖ２周辺
のオイルが外方へ逃げることがない。
【００２３】本発明の実施態様としては、上述のように
スリーブ端面に薄板を正確な隙間をもって配置してオイ
ルを保持し、かつその内径側で軸受隙間のオイルと連通
させるのが最善であるが、設計上の要求によっては多種
多様な実施形態を取り得る。たとえば、薄板またはスリ
ーブ端面のいずれかまたは双方の端面形状をある程度粗
にし、双方を接触配置したもの。端面に保持したオイル
と軸受部オイルとの連通手段としてスリーブ端面に形成
した連通溝またはスリーブに形成した連通穴を利用する
もの。スリーブの両端面に本発明のオイル保持機構を設
けたものなどが挙げられる。
スリーブ端面に薄板を正確な隙間をもって配置してオイ
ルを保持し、かつその内径側で軸受隙間のオイルと連通
させるのが最善であるが、設計上の要求によっては多種
多様な実施形態を取り得る。たとえば、薄板またはスリ
ーブ端面のいずれかまたは双方の端面形状をある程度粗
にし、双方を接触配置したもの。端面に保持したオイル
と軸受部オイルとの連通手段としてスリーブ端面に形成
した連通溝またはスリーブに形成した連通穴を利用する
もの。スリーブの両端面に本発明のオイル保持機構を設
けたものなどが挙げられる。
【００２４】以上少数の実施例を示したが、いうまでも
なく本発明は上記実施例に限定されるものではない。
なく本発明は上記実施例に限定されるものではない。
【００２５】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構造は、軸受
部端面の薄い空間に大量のオイルを保持し、そのオイル
を継続的に軸受隙間に供給し、かつ軸受部からのオイル
の洩出・噴出・飛散を効果的に防止する作用をもつ。そ
して従来のモータの持つ課題、すなわち流体軸受のオイ
ル流出による性能劣化，寿命低下，装置汚染などの問題
点を解決し高い信頼性を確保する。そしてそれにより、
小型，高信頼性，高耐衝撃性，低騒音，低振動，長寿命
を兼ね備えた高品質のモータおよび装置を提供すること
ができるものである。
部端面の薄い空間に大量のオイルを保持し、そのオイル
を継続的に軸受隙間に供給し、かつ軸受部からのオイル
の洩出・噴出・飛散を効果的に防止する作用をもつ。そ
して従来のモータの持つ課題、すなわち流体軸受のオイ
ル流出による性能劣化，寿命低下，装置汚染などの問題
点を解決し高い信頼性を確保する。そしてそれにより、
小型，高信頼性，高耐衝撃性，低騒音，低振動，長寿命
を兼ね備えた高品質のモータおよび装置を提供すること
ができるものである。
【図１】本発明の一実施例のモータの断面図
【図２】（ａ）は同実施例のモータを構成するスリー
ブ、シャフトおよび板状部材を上方から見た平面図 （ｂ）は同実施例のモータを構成するのスリーブ、シャ
フトおよび板状部材の状態を示す断面図
ブ、シャフトおよび板状部材を上方から見た平面図 （ｂ）は同実施例のモータを構成するのスリーブ、シャ
フトおよび板状部材の状態を示す断面図
【図３】同実施例におけるモータの板状部材周辺の部分
拡大断面図
拡大断面図
【図４】従来のモータにおけるオイル枯渇の対策例を示
す図
す図
【図５】従来のモータにおけるオイル枯渇の対策例を示
す図
す図
１０ ステータ １１ プリント基板 １２ コイル １３ ステータコア １４ スラスト板 １５，４１ スリーブ １５ａ スリーブ端面 １５ｂ 連通穴 １６ ブラケット １７ 薄板 １７ａ 薄板外周部の突起 ２０ ロータ ２１ マグネット ２２ ハブ ２３，４２ シャフト ２４ 抜け止め板 ２５ シール ３１ オイル ４３ 含油フェルト ４４ カラー Ｖ１ 薄板とスリーブ端面との内径側の隙間 Ｖ２ 薄板とスリーブ端面との外径側の隙間 Ｈ１ 薄板とシャフトとの径方向隙間 Ｈ２ 薄板とその周辺の部材との間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０２Ｋ 29/00 Ｈ０２Ｋ 29/00 Ｚ
Claims (3)
- 【請求項１】 ロータと、前記ロータを回転支持する流
体軸受機構と、前記ロータを軸方向に支承するスラスト
軸受機構と、前記ロータを回転駆動する駆動機構とを有
し、前記流体軸受機構は、その一端を前記ロータに固定
しともに回転するシャフトと、前記シャフトの外周を囲
み回転支持するスリーブと、液状潤滑流体とを有し、 前記スリーブの端面側に略円盤状の板状部材を近接対向
配置し、対向する前記スリーブ端面との内周端側におけ
る軸方向距離を外周端側における軸方向距離と略等しい
かまたは小さくした流体軸受を備えたモータ。 - 【請求項２】 板状部材の外周端とその近傍にある他の
部材との距離をその大部分において、前記外周端側にお
ける軸方向距離と略等しいかまたは大きくした請求項１
記載の流体軸受を備えたモータ。 - 【請求項３】 板状部材の内周端と前記シャフトとの距
離を、前記内周端側における軸方向距離と略等しいかま
たは小さくした請求項１記載の流体軸受を備えたモー
タ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13648195A JPH08331796A (ja) | 1995-06-02 | 1995-06-02 | 流体軸受を備えたモータ |
Applications Claiming Priority (1)
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