JP2966725B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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JP2966725B2 JP12698394A JP12698394A JP2966725B2 JP 2966725 B2 JP2966725 B2 JP 2966725B2 JP 12698394 A JP12698394 A JP 12698394A JP 12698394 A JP12698394 A JP 12698394A JP 2966725 B2 JP2966725 B2 JP 2966725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動圧軸受装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示されるような動圧軸受装
置を適用した、例えばHDD用のスピンドルモータが知
られている。このスピンドルモータは所謂中心軸回転型
且つラジアル軸受固定型であって、図が煩雑になるのを
避けるために、中心線より右半分のみが示されている。
【0003】同図において、符号1は固定部材たるモー
タハウジングとしてのフレームを示しており、このフレ
ーム1には筒状の軸受ホルダー部1aが立設するように
して一体成形されている。すなわち、軸受ホルダー部1
aを含むフレーム1は、一端が閉塞され他方が開放され
た凹形状をなしている。該軸受ホルダー部1aの外周面
にはステ−タコア6が固定されており、このステ−タコ
ア6にはコイル5が巻回されている。
【0004】上記軸受ホルダー部1aの内周にはラジア
ル滑り軸受2,2がそれぞれ嵌合固定されており、これ
らラジアル滑り軸受2,2の内周には回転軸としての中
心軸3が挿入配置されている。該中心軸3の外周面及び
ラジアル滑り軸受2,2の内周面の少なくとも一方に
は、例えばへリングボーン状等の動圧発生溝が形成され
ており、摺動面(中心軸3とラジアル滑り軸受2,2と
の間の空隙)には非圧縮性流体としてのオイル等の潤滑
油が充填されている。すなわち、中心軸3は、ラジアル
滑り軸受2,2の内周面との間に発生するラジアル動圧
力によりラジアル方向の振れが抑えられて、ラジアル滑
り軸受2,2内を回転するようになっている。
【0005】中心軸3のフレーム閉塞側(図における下
方)の端部にはスラスト円盤13が嵌合固定されてい
る。このスラスト円盤13は、その外径がラジアル滑り
軸受2の内径より大であり、フレーム閉塞側の端面(図
における下端面)13aが中心軸3のフレーム閉塞側の
端面(図における下端面)3aと略面一になるように配
設されている。該スラスト円盤13の下端面13a(中
心軸3の下端面3aを含んでも可)及びフレーム1の凹
所底部1bの少なくとも一方と、スラスト円盤13の上
端面13b及びフレーム閉塞側のラジアル滑り軸受2の
下端面2aの少なくとも一方には、動圧発生溝が形成さ
れており、摺動面(スラスト円盤13の上下端面13
b,13aとこれに軸方向において対向する部材2,1
bとの間の空隙)には潤滑油が充填されている。すなわ
ち、スラスト円盤13を収容するスペース15には潤滑
油が充填されており、中心軸3は、スラスト円盤13の
下端面13a(中心軸3の下端面3aを含んでも可)と
凹所底部1bとの間に発生するスラスト動圧力及び、ス
ラスト円盤13の上端面13bとフレーム閉塞側のラジ
アル滑り軸受2の下端面2aとの間に発生するスラスト
動圧力によりスラスト方向のバランス及び振れが抑えら
れて、凹所底部1b上を回転するようになっている。
【0006】中心軸3のフレーム開放側(図における上
方)の端部には、上記コア6、コイル5等を覆うような
形状のハブ4が嵌合固定されている。このハブ4の外周
面には図示されないディスクが装着されており、ハブ4
内周の上記コア6に対向する位置には駆動マグネット7
が固定されている。
【0007】上記軸受ホルダー部1aの内外を連通する
通路10の途中、すなわち軸受ホルダー1aの図におけ
る上端部(フレーム開放側のラジアル滑り軸受2より上
方の位置)には磁性流体シール8が配設されている。こ
の磁性流体シール8は、磁石8bと、この磁石8bを軸
線方向に挟むようにして設けられ磁路を形成するポール
ピース8a,8aとから構成されており、このポールピ
ース8a,8a内周面と中心軸3の外周面との間に磁性
流体9,9が保持され得るようになっている。従って、
この磁性流体シール8により、上記摺動面に充填されて
いる潤滑油を含むホルダー部1a内部に満たされている
潤滑油14の軸受部から外方への漏れが防止されている
と共に、外部から軸受部内への塵芥等の侵入の防止が図
られている。
【0008】そして、図示されないモータ外部の電源供
給手段からフレキシブル基板12を介してコイル5に所
定の駆動電圧が印加されると、ディスクを装着したハブ
4が回転するようになっている。なお、符号11は滑り
軸受2,2間に当接して配置される軸受カラーを示して
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記HDD用
等のモータにおいては、振動、衝撃等があってもディス
クへの読み書きが必要とされるために、上述のような、
ラジアル及びスラスト動圧力を発生させることにより、
振動、衝撃等に対して安定した振れ特性を得るようにし
ている。
【0010】ここで、例えば中心軸3に押し込み方向
(図における下方)の振動、衝撃等が加わったとする
と、スペース15の容積が中心軸3の軸断面積分だけ減
少しスペース15内の潤滑油がラジアル滑り軸受2側に
向かって移動しようとするが、該ラジアル滑り軸受2と
中心軸3との間のクリアランスが非常に小さいために流
体抵抗が大きく、当該部位において大きな絞り膜作用が
働き、中心軸3の閉塞側に向かう振れは抑制されるが、
中心軸3に引き抜き方向(図における上方)の振動、衝
撃等が加わったとすると、スペース15の容積が拡大す
ることになり、ある速度以上になると真空状態となって
ある限度以上の抑制力が働かなくなり、中心軸3の開放
側に向かう振れを抑制できないといった問題がある。
【0011】ここで、上記スラスト円盤13の上下面1
3b,13aに働くスラスト動圧力により両方向(押し
込み、引き抜き方向)の振れを抑制することができる
が、この場合には、軸ロス(ロストルク)が非常に大き
くなるといった問題がある。
【0012】また、このように充分なスラスト動圧力を
得るには、そのクリアランス、すなわちスラスト円盤1
3の下端面13a(中心軸3の下端面3aを含んでも
可)と凹所底部1bとの間及び、スラスト円盤13の上
端面13bとフレーム閉塞側のラジアル滑り軸受2の下
端面2aとの間のクリアランスを非常に狭くしなければ
ならないが、そのような寸法管理は構造上難しいといっ
た問題がある。
【0013】さらにまた、スラスト動圧発生用の溝をス
ラスト円盤13の両側13a,13b(対向する部材2
a,1bでも可)に設けなければいけないので、高コス
トになるといった問題もある。
【0014】そこで本発明は、スラスト方向の安定した
振れ特性を、軸ロスを小さくし且つ厳しい寸法管理をさ
ほど必要とせずに、得ることができる動圧軸受装置を提
供することを第1の目的とする。
【0015】また、上記第1の目的に加えて、スラスト
動圧発生溝の個数を減少することができる動圧軸受装置
を提供することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1手段の動圧軸受装置
は上記第1の目的を達成するために、一端が閉塞され他
方が開放された凹部を有する固定部材と、この固定部材
の該凹部内に挿入された回転軸と、この回転軸をスラス
ト方向に支承し凹所底部を形成するスラスト軸受と、該
回転軸をラジアル方向に支承するラジアル軸受と、を具
備し、前記各軸受の摺動面に非圧縮性流体が充填されて
なる動圧軸受装置において、前記回転軸の軸方向におけ
る前記ラジアル軸受より閉塞側に、該ラジアル軸受の摺
動面の径より大なる外径を有する大径部を設けると共
に、この大径部に対向する固定部材と該大径部との間
に、狭ギャップ部を設け、この大径部が収容されるスペ
ース内に、非圧縮性流体を充填してなる。
【0017】第2手段の動圧軸受装置は上記第1の目的
を達成するために、上記第1手段に加えて、狭ギャップ
部を境にして軸方向に分けられたスペースを、非圧縮性
流体溜りとしたことを特徴としている。
【0018】第3手段の動圧軸受装置は上記第1の目的
を達成するために、上記第1手段に加えて、大径部は、
抜け止めを兼用することを特徴としている。
【0019】第4手段の動圧軸受装置は上記第2の目的
を達成するために、上記第1手段に加えて、回転軸のス
ラスト方向の通常のバランスを、凹所底部に発生する開
放側に向うスラスト動圧力と閉塞側に向う磁気吸引力に
より平衡を保つことを特徴としている。
【0020】第5手段の動圧軸受装置は上記第1の目的
を達成するために、上記第1手段に加えて、大径部の閉
塞側端面が回転軸の閉塞側端面より突出し、この大径部
の閉塞側端面と凹所底部との間に、スラスト動圧力を発
生させてなる。
【0021】第6手段の動圧軸受装置は上記第1の目的
を達成するために、上記第5手段に加えて、大径部の閉
塞側端面及び凹所底部の少なくとも一方に、動圧発生溝
を形成してなる。
【0022】第7手段の動圧軸受装置は上記第1の目的
を達成するために、上記第1手段に加えて、狭ギャップ
部のクリアランスを3〜30μmとしたことを特徴とし
ている。
【0023】第8手段の動圧軸受装置は上記第1の目的
を達成するために、上記第1手段に加えて、回転軸の外
径をr1 、大径部の外径をr2 、これらの比r2 /r1
=nとした時に、n=1.2〜3.0としたことを特徴
としている。
【0024】
【作用】このような第1、第2手段における動圧軸受装
置によれば、例えば回転軸に押し込み方向の振動、衝撃
等が加わったとすると、大径部を収容するスペースの狭
ギャップ部より閉塞側のスペースとしての、例えば非圧
縮性流体溜りの容積が縮小しこの非圧縮性流体溜りの非
圧縮性流体が流体抵抗の大きい狭ギャップ部を通り移動
するので、当該部位において大きな絞り膜作用が働き、
回転軸の閉塞側に向かう振れが抑制される。一方、例え
ば回転軸に引き抜き方向の振動、衝撃等が加わったとす
ると、大径部を収容するスペースの狭ギャップ部より開
放側のスペースとしての、例えば非圧縮性流体溜りの容
積が縮小しこの非圧縮性流体溜りの非圧縮性流体が流体
抵抗の大きい狭ギャップ部及びラジアル軸受の摺動面を
通り移動するので、当該部位において大きな絞り膜作用
が働き、回転軸の開放側に向かう振れが抑制される。従
って、スラスト方向の安定した振れ特性が得られる。し
かも、軸ロスは面積の小さい狭ギャップ部で働くので、
軸ロスが大幅に減少される。さらに、厳しい寸法管理が
狭ギャップ部の円周方向だけとなるので、その管理は簡
易である。
【0025】このような第3手段における動圧軸受装置
によれば、大径部が抜け止めを兼用するので、抜け止め
を新たに設ける必要がない。
【0026】このような第4手段における動圧軸受装置
によれば、閉塞側に向うスラスト力を磁気吸引力で得て
いるので、閉塞側に向うスラスト力を発生させるための
スラスト動圧発生溝が不要となり、スラスト動圧発生溝
の個数が減少される。
【0027】このような第5手段における動圧軸受装置
によれば、大径部の閉塞側端面と凹所底部との間に発生
するスラスト動圧力の方が、回転軸の閉塞側端面と凹所
底部との間に発生するスラスト動圧力より効果的である
ので、その効力が大きくされる。
【0028】このような第6手段における動圧軸受装置
によれば、第5手段のスラスト動圧力の発生は、大径部
の閉塞側端面及び凹所底部の少なくとも一方に動圧発生
溝を形成することにより、なされる。
【0029】このような第7手段における動圧軸受装置
によれば、狭ギャップ部のクリアランスは、絞り膜作用
の3乗に反比例、軸ロスに反比例し、実用上必要な絞り
膜作用/軸ロスの2乗に反比例するので、できる限りク
リアランスは小さいほうが良いが、実際にはラジアル軸
受の摺動面のクリアランスと同程度の3μmから絞り膜
作用が有効に働く30μmとするの最適である。
【0030】このような第8手段における動圧軸受装置
によれば、nが大きくなると、大径部の外周が大きくな
ることから絞り膜作用の流体抵抗が小さくなるが、圧力
発生部の面積が増えるので、絞り膜作用は(n3 −2n
+1/n)に、軸ロスはn3にそれぞれ比例する。従っ
て、絞り膜作用/軸ロスは(1−2/n2 +1/n4
に比例することになるので、n=1.2〜3.0が実用
上の有効範囲となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例を示す動圧軸受装置を
適用した、例えばHDD用のスピンドルモータの要部の
横断面図であり、従来技術で説明したものと同一なもの
及び同一機能を果たすものについては同一符号が付して
あり、これらについては重複を避けるために、ここでの
説明は省略する。
【0032】この実施例の動圧軸受装置にあっては、回
転軸3の軸方向におけるフレーム閉塞側のラジアル滑り
軸受2より閉塞側に、該ラジアル滑り軸受2の摺動面の
径r3 より大なる外径r2 を有する大径部23が設けら
れている。この大径部23は、軸方向の両端から軸方向
の略中央に向かうに従って外径が大きくなる略算盤玉の
ような形状をしており、この最大外径となる突出部23
Aとこの突出部23Aに対向する固定部材としての軸受
ホルダー部1aとの間に狭ギャップ部Aが形成されてい
る。
【0033】ここで、該狭ギャップ部Aのクリアランス
は、本実施例においては、3〜30μmとなっている。
また、回転軸3の外径をr1 、大径部23の最大外径を
2、これらの比r2 /r1 =nとした時に、n=1.
2〜3.0となるように、r1 、r2 の設定がなされて
いる。
【0034】大径部23が収容されるスペース(軸受ホ
ルダー部1a、フレーム閉塞側のラジアル滑り軸受2、
凹所底部1b、回転軸3により囲まれる領域)25は、
該狭ギャップ部Aを境にして軸方向に分けられており、
開放側、閉塞側スペース25a,25bがそれぞれ形成
されている。
【0035】上記大径部23は、その閉塞側端面23a
が回転軸3の閉塞側端面3aより突出するように配設さ
れており、該大径部23の閉塞側端面23a及び凹所底
部1bの少なくとも一方に、スラスト動圧発生用の溝が
形成されている。
【0036】軸受ホルダー部1aの凹部内で且つ磁性流
体シール8より閉塞側には、非圧縮性流体としての潤滑
油14が満たされており(勿論スペース25内にも潤滑
油が充填されている)、従って、大径部23の閉塞側端
面23aと凹所底部1bとの間に、回転軸3に対してフ
レーム開放側に向うスラスト動圧力が発生するようにな
っている。
【0037】また、上記回転軸3には、ステ−タコア6
と駆動マグネット7の磁気中心をずらす公知の手法によ
り、フレーム閉塞側に向かう磁気吸引力が作用してい
る。従って、通常は、このフレーム閉塞側に向かう磁気
吸引力と上記フレーム開放側に向うスラスト動圧力によ
り、軸方向のバランスが保たれるようになっている。
【0038】上記開放側、閉塞側スペース25a,25
bには、上述のように、潤滑油14がそれぞれ充填され
ており、従って開放側、閉塞側潤滑油溜り25a,25
bとしてそれぞれ機能するようになっている。
【0039】ここで、例えば回転軸3に押し込み方向の
振動、衝撃等が加わったとすると、閉塞側潤滑油溜り2
5bの容積が縮小しこの閉塞側潤滑油溜り25bの潤滑
油が流体抵抗の大きい狭ギャップ部Aを通り移動するの
で、当該部位において大きな絞り膜作用が働き、回転軸
3の閉塞側に向かう振れが抑制されることになる。
【0040】一方、例えば回転軸3に引き抜き方向の振
動、衝撃等が加わったとすると、開放側潤滑油溜り25
aの容積が縮小しこの開放側滑油溜り25aの潤滑油が
流体抵抗の大きい狭ギャップ部A及び閉塞側ラジアル滑
り軸受2の摺動面を通り移動するので、当該部位におい
て大きな絞り膜作用が働き、回転軸3の開放側に向かう
振れが抑制されることになる。
【0041】このように、第1実施例においては、回転
軸3に振動、衝撃等による押し込み・引き抜き力が加わ
ったとしても、狭ギャップ部Aにおいて大きな絞り膜作
用が働くようになっているので、回転軸3のスラスト方
向の振れを抑制できるようになっている。しかも、軸ロ
スは面積の小さい狭ギャップ部Aで働くので、軸ロスを
大幅に減少できるようになっている。さらに、厳しい寸
法管理は狭ギャップ部Aの円周方向だけとなるので、そ
の管理を簡易にできるようになっている。すなわち、ス
ラスト方向の安定した振れ特性を、軸ロスを小さくし且
つ厳しい寸法管理をさほど必要とせずに、得ることが可
能となっている。
【0042】また、大径部23が抜け止めとしても機能
しているので、抜け止めを新たに設ける必要がなくなっ
ており、部品点数の減少を図ることが可能となってい
る。
【0043】また、閉塞側に向うスラスト力を磁気吸引
力で得ているので、閉塞側に向うスラスト力を発生させ
るためのスラスト動圧発生溝が不要となっており、従っ
てスラスト動圧発生溝の個数を従来に比して減少できる
ようになっており、低コスト化を図ることが可能となっ
ている。
【0044】また、大径部23の閉塞側端面23aと凹
所底部1bとの間に発生するスラスト動圧力の方が、回
転軸3の閉塞側端面3aと凹所底部1bとの間に発生す
るスラスト動圧力より効果的であるので、回転軸3の閉
塞側端面3aと凹所底部1bとの間にスラスト動圧力を
発生させるものに比して、その効力が大きくなるといっ
た利点がある。
【0045】また、狭ギャップ部Aのクリアランスは、
絞り膜作用の3乗に反比例、軸ロスに反比例し、実用上
必要な絞り膜作用/軸ロスの2乗に反比例するので、で
きる限りクリアランスは小さいほうが良いが、実際には
ラジアル滑り軸受2の摺動面のクリアランスと同程度の
3μmから絞り膜作用が有効に働く30μmとするの最
適であり、本実施例においては、3μm〜30μmとし
ているので、最適な設定となっている。
【0046】また、r2 /r1 =nが大きくなると、大
径部の外周が大きくなることから絞り膜作用の流体抵抗
が小さくなるが、圧力発生部の面積が増えるので、絞り
膜作用は(n3 −2n+1/n)に比例し、軸ロスはn
3 に比例する。従って、絞り膜作用/軸ロスは(1−2
/n2 +1/n4 )に比例することになるので、n=
1.2〜3.0が実用上の有効範囲となるが、本実施例
においては、n=1.2〜3.0としているので、最適
な設定となっている。
【0047】図2は本発明の第2実施例を示す動圧軸受
装置を適用した、例えばHDD用のスピンドルモータの
要部の横断面図であり、第1実施例で説明したものと同
一なもの及び同一機能を果たすものについては同一符号
が付してあり、これらについては重複を避けるために、
ここでの説明は省略する。
【0048】この第2実施例の動圧軸受装置が第1実施
例のそれと違う点は、算盤玉形状の大径部23に代え
て、ラジアル滑り軸受2の摺動面の径r3 より大なる外
径を有する円盤状の大径部33を用い、この円盤状の大
径部33の外周面に対向し軸受ホルダー部1aに嵌合固
着されたリング状の固定部材34の内周面に、第1実施
例と同様な突出部34Aを設け、この突出部34Aと大
径部33との間に狭ギャップ部Aを形成した点である。
【0049】このように構成しても、第1実施例と同様
な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0050】図3は本発明の第3実施例を示す動圧軸受
装置を適用した、例えばHDD用のスピンドルモータの
要部の横断面図であり、このモータは、ラジアル滑り軸
受2,2が回転軸3に嵌合固着され該ラジアル滑り軸受
2,2が回転軸3と共に回転するラジアル軸受回転型と
なっている。
【0051】この第3実施例の動圧軸受装置にあって
は、回転軸3の軸方向におけるフレーム閉塞側のラジア
ル滑り軸受2より閉塞側に、該ラジアル滑り軸受の摺動
面の径r4 (正確には軸受ホルダー部1aの内周面)よ
り大なる外径r2 を有する算盤玉形状の大径部43(基
本的構成は第1実施例の大径部23と同じ)が設けられ
ており、この大径部43を収容すべく、軸受ホルダー部
1aの該大径部23に対向する部分が円周方向に切り欠
かれている。そして、この切り欠かれた内周面と該大径
部43の突出部43Aとの間に、狭ギャップ部Aが形成
された状態となっている。
【0052】このように構成しても、第1、第2実施例
と同様な効果を得ることができるというのはいうまでも
ない。
【0053】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、上記実施例においては、軸ロスをできるだけ小さく
するために、突出部23A,34A,43Aの軸方向長
さLを図に示されるように短くしているが、大径部2
3,43の回転軸3との連設部分の長さと同程度の長さ
にする(固定部材34にあっては軸受ホルダー部1aと
の連設部分の長さと同程度の長さにする)、すなわち大
径部23,43、固定部材34の形状を略円盤形状にす
ることも可能である。しかしながら、このように構成し
た場合には、軸ロスは上記実施例より勿論大きくなる
が、本発明効果が妨げられるものではない。
【0054】また、上記実施例においては、大径部23
(33,43)の閉塞側端面23a(33a,43a)
を回転軸3の閉塞側端面3aより突出させ、この大径部
23(33,43)の閉塞側端面23a(33a,43
a)と凹所底部1bとの間に、スラスト動圧力を発生さ
せるようにしているが、大径部23(33,43)の閉
塞側端面23a(33a,43a)と回転軸3の閉塞側
端面3aとを面一にして、閉塞側端面23a(33a,
43a),閉塞側端面3aと凹所底部1bとの間に、ス
ラスト動圧力を発生させるようにしても良く、さらには
回転軸3の閉塞側端面3aを大径部23(33,43)
の閉塞側端面23a(33a,43a)より突出させ、
回転軸3の閉塞側端面3aと凹所底部1bとの間に、ス
ラスト動圧力を発生させるようにしても良い。因みに、
これらの場合には、回転軸3の閉塞側端面3a及びこの
閉塞側端面3aに対向する凹所底部1bの少なくとも一
方に、動圧発生溝を設けるというのはいうまでもない。
【0055】また、上記実施例においては、非圧縮性流
体をオイル等の潤滑油としているが、これに限定される
ものではなく、例えば磁性流体等であっても良く、特に
大径部23(33,43)が収容されるスペース25内
に充填される流体に限っていえば、狭ギャップ部Aにお
いて絞り膜作用を起こさせる非圧縮性流体であればどの
ようなものであっても構わない。
【0056】また、上記実施例においては、動圧軸受装
置をHDD用のスピンドルモータに対して適用した例が
述べられているが、他のモータに対して適用することも
勿論可能である。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、第1乃至第8発明の
動圧軸受装置によれば、たとえ回転軸に振動、衝撃等に
よる押し込み・引き抜き力が加わったとしても、狭ギャ
ップ部において大きな絞り膜作用が働くので、回転軸の
スラスト方向の振れを抑制できる。しかも、軸ロスは面
積の小さい狭ギャップ部で働くので、軸ロスを大幅に減
少できる。さらに、厳しい寸法管理は狭ギャップ部の円
周方向だけとなるので、その管理を簡易にできる。すな
わち、スラスト方向の安定した振れ特性を、軸ロスを小
さくし且つ厳しい寸法管理をさほど必要とせずに、得る
ことが可能となる。
【0058】また、第3発明の動圧軸受装置によれば、
大径部が抜け止めを兼用するので、抜け止めを新たに設
ける必要がないという新たな効果がある。
【0059】また、第4発明の動圧軸受装置によれば、
閉塞側に向うスラスト力を磁気吸引力で得ているので、
閉塞側に向うスラスト力を発生させるためのスラスト動
圧発生溝が不要となり、従ってスラスト動圧発生溝の個
数が減少され、低コスト化が可能となるという新たな効
果がある。
【0060】また、第5発明の動圧軸受装置によれば、
大径部の閉塞側端面と凹所底部との間に発生するスラス
ト動圧力の方が、回転軸の閉塞側端面と凹所底部との間
に発生するスラスト動圧力より効果的であるので、その
効力が大きくなるという新たな効果がある。
【0061】また、第6発明の動圧軸受装置によれば、
第5発明のスラスト動圧力の発生は、大径部の閉塞側端
面及び凹所底部の少なくとも一方に動圧発生溝を形成す
ることにより達成される。
【0062】また、第7発明の動圧軸受装置によれば、
狭ギャップ部のクリアランスを、ラジアル軸受の摺動面
のクリアランスと同程度の3μmから絞り膜作用が有効
に働く30μmとしたので、最も実用的且つ効果的とな
る。
【0063】また、第8発明の動圧軸受装置によれば、
絞り膜作用/軸ロスは、(1−2/n2 +1/n4 )に
比例することになり、nを3.0より大きくしても絞り
膜作用/軸ロスはn≦3の場合とあまり変わらない。従
って、n=1.2〜3.0が実用上の有効範囲となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図4】従来技術を示す動圧軸受装置を適用したHDD
用モータの横断面図である。
【符号の説明】
1 固定部材 1a,34 大径部に対向する固定部材 1b 凹所底部 2 ラジアル軸受 3 回転軸 3a 回転軸の閉塞側端面 14 非圧縮性流体 23,33,43 大径部 23a,33a,43a 大径部の閉塞側端面 25 大径部が収容されるスペース 25a,25b 非圧縮性流体溜り A 狭ギャップ部 r1 回転軸の外径 r2 大径部の外径 r3 ,r4 ラジアル軸受の摺動面の径

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が閉塞され他方が開放された凹部を
    有する固定部材と、この固定部材の該凹部内に挿入され
    た回転軸と、この回転軸をスラスト方向に支承し凹所底
    部を形成するスラスト軸受と、該回転軸をラジアル方向
    に支承するラジアル軸受と、を具備し、前記各軸受の摺
    動面に非圧縮性流体が充填されてなる動圧軸受装置にお
    いて、 前記回転軸の軸方向における前記ラジアル軸受より閉塞
    側に、該ラジアル軸受の摺動面の径より大なる外径を有
    する大径部を設けると共に、 この大径部に対向する固定部材と該大径部との間に、狭
    ギャップ部を設け、 この大径部が収容されるスペース内に、非圧縮性流体を
    充填してなる動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 狭ギャップ部を境にして軸方向に分けられたスペース
    を、非圧縮性流体溜りとしたことを特徴とする動圧軸受
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 大径部は、抜け止めを兼用することを特徴とする動圧軸
    受装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 回転軸のスラスト方向の通常のバランスは、凹所底部に
    発生する開放側に向うスラスト動圧力と閉塞側に向う磁
    気吸引力により平衡が保たれることを特徴とする動圧軸
    受装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 大径部の閉塞側端面が回転軸の閉塞側端面より突出し、
    この大径部の閉塞側端面と凹所底部との間に、スラスト
    動圧力を発生させてなる動圧軸受装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の動圧軸受装置において、 大径部の閉塞側端面及び凹所底部の少なくとも一方に、
    動圧発生溝を形成してなる動圧軸受装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 狭ギャップ部のクリアランスを、3〜30μmとしたこ
    とを特徴とする動圧軸受装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 回転軸の外径をr1 、大径部の外径をr2 、これらの比
    2 /r1 =nとした時に、n=1.2〜3.0とした
    ことを特徴とする動圧軸受装置。
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