JP3135684B2 - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP3135684B2
JP3135684B2 JP04166999A JP16699992A JP3135684B2 JP 3135684 B2 JP3135684 B2 JP 3135684B2 JP 04166999 A JP04166999 A JP 04166999A JP 16699992 A JP16699992 A JP 16699992A JP 3135684 B2 JP3135684 B2 JP 3135684B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体の駆動などに
使用される動圧軸受利用のスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】パーソナルコ
ンピュータ等の機器の一層の小形化、大容量化により、
それらに組み込まれる記録媒体駆動用のスピンドルモー
タについても、一層の小形化、高精度化が要請されてい
る。それに伴い、スピンドルモータの軸受についても一
層の小形化、高精度化が要求されている。
【0003】従来、スピンドルモータに用いる軸受とし
ては、玉軸受が多く採用されている。ところが、スピン
ドルモータの小形化、特に小外径化が進行すると、それ
に見合う小外径の玉軸受を用いたのでは、モータ組立時
に内外輪の変形が生じ易いこと等により、十分な回転精
度を実現することが実際上困難なものとなりがちであ
る。また騒音や振動の問題も起こり易い。記録媒体駆動
用のスピンドルモータの場合、小外径化に伴い高速回転
が要求されるので、これらの問題が一層助長される。さ
らに、外径の大小にかかわらず、玉軸受の精度には限界
があり、要求仕様を満足しない場合が考えられる。
【0004】そのため、主として小形の(例えばロータ
ハブの外径が40mm程度以下の)スピンドルモータと
して、略椀形状のロータハブ部の基部の内周側に回転ス
リーブ部を有し、その回転スリーブ部が固定支柱部に外
嵌されて回転自在に支持されることにより動圧ラジアル
軸受が構成されているスピンドルモータが提案されてい
る。
【0005】しかしながらこのような動圧ラジアル軸受
を採用した場合、玉軸受に比し、潤滑剤の漏出が一層問
題となる。モータの外部へ潤滑剤が漏出すると、例えば
ロータハブ部に外嵌固定された記録媒体等を汚損するこ
ととなるので、これを避ける必要がある。潤滑剤の漏出
を確実に防ぐには、磁性流体シールを用いることが望ま
しいが、ロータハブ部の内部における中央部に位置する
動圧ラジアル軸受の近辺に磁性流体を注入するのは困難
である。一方ロータハブ部の外周部に設けようとすれ
ば、磁性流体を大量に必要とするのでコストが高騰して
しまう。
【0006】また、動圧ラジアル軸受を採用したスピン
ドルモータの場合、そのモータを組み込んだ装置の運搬
時等において、何らかの原因によりスピンドルモータの
回転部が固定支柱部に対し摺動し、装置中の天板等に衝
突すると、回転精度等の性能に悪影響が及ぶおそれがあ
る。またスピンドルモータの回転時にも、固定支柱部に
対する回転部の回転軸線方向位置が十分に安定でなけれ
ば、回転精度を低下させるおそれがある。
【0007】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、動圧軸受を利用したスピンドルモータであっ
て、モータ外部への潤滑剤の漏出が磁性流体シールを用
いなくとも効果的に防止されるもの、回転部が固定支柱
部に対し摺動することにより、装置中の天板等に衝突し
て、回転精度等の性能に悪影響が及ぶことが防がれるも
の、及び回転時に固定支柱部に対する回転部の回転軸線
方向位置が十分に安定なものを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスピンドルモータは、回転スリーブ部と、
その回転スリーブ部と一体的に回転するロータハブ部
と、固定部と、その固定部にほぼ上向きに突設された固
定支柱部とを備えてなり、回転スリーブ部が固定支柱部
に外嵌されて回転自在に支持されることにより動圧ラジ
アル軸受が構成されているスピンドルモータであって、
前記回転スリーブ部の下側端面が、固定支柱部の下部か
ら全周にわたり径方向外方に突出した固定スラスト軸受
部により回転自在に支持されることにより、動圧スラス
ト軸受が構成されており、前記固定スラスト軸受部の外
周部が、固定部が有する内周壁面の内周側に径方向空隙
を隔てて位置し、その径方向空隙に通ずる潤滑剤貯留空
間が、前記固定スラスト軸受部の下方に設けられ、前記
内周壁面による囲繞空間内に、前記固定スラスト軸受部
及び潤滑剤貯留空間が位置するものとしている。
【0009】また本発明の別のスピンドルモータは、回
転スリーブ部と、その回転スリーブ部と一体的に回転す
るロータハブ部とを有してなる回転部と、固定部と、そ
の固定部にほぼ上向きに突設された固定支柱部とを備え
てなり、回転スリーブ部が固定支柱部に外嵌されて回転
自在に支持されることにより動圧ラジアル軸受が構成さ
れているスピンドルモータであって、回転部に、上端が
回転部の上端を上回り、固定支柱を若干の径方向空隙を
隔てて囲繞する緩衝部材が設けられ、その緩衝部材と回
転スリーブ部の上側端面とにより、径方向内方に開口す
る潤滑剤貯留溝が形成されているものとしている。
【0010】本発明の更に別のスピンドルモータは、回
転スリーブ部と、その回転スリーブ部と一体的に回転す
るロータハブ部と、固定部と、その固定部にほぼ上向き
突設された固定支柱部とを備えてなり、回転スリーブ
部が固定支柱部に外嵌されて回転自在に支持されること
により動圧ラジアル軸受が構成されているスピンドルモ
ータであって、前記回転スリーブ部の下側端面が、固定
支柱部から全周にわたり径方向外方に突出した固定スラ
スト軸受部により回転自在にほぼ上向きに支持されるこ
とにより、動圧スラスト軸受が構成されており、ロータ
ハブのうち少なくとも固定部と回転軸線方向に相対する
部分と、固定部のうち少なくともロータハブと回転軸線
方向に相対する部分のうち、一方には永久磁石部が、他
方に強磁性体部が、それらの間に回転軸線方向の磁気的
吸引力が作用してロータハブにほぼ下向きの力が及ぶ
うに設けられているものとしている。
【0011】
【作用】請求項1の発明では、固定部が有する内周壁面
による囲繞空間内にて、回転スリーブ部の下側端面が固
定スラスト軸受部により回転自在に支持されて動圧スラ
スト軸受が構成されているので、回転スリーブ部の下側
端面と固定スラスト軸受部との間からほぼ半径方向外方
に漏出する潤滑剤のほとんどが内周壁面と固定スラスト
軸受部との間の径方向空隙内を流下して潤滑剤貯留空間
内に貯留され、内周壁面を越えてスピンドルモータの外
部へ漏出することが防がれる。
【0012】請求項2の発明では、回転部に、上端が回
転部の上端を上回り、固定支柱を若干の径方向空隙を隔
てて囲繞する緩衝部材が設けられているので、スピンド
ルモータを組み込んだ装置の運搬時等において、何らか
の原因により回転部が固定支柱部に対し摺動した場合
に、装置中の天板等に衝突する衝撃が、緩衝部材によっ
て和らげられる。また、緩衝部材と回転スリーブ部の上
側端面とにより、径方向内方に開口する潤滑剤貯留溝が
形成されているので、主としてスピンドルモータの回転
中に回転スリーブ部の上側端面と固定支柱部との間から
漏出する潤滑剤は、潤滑剤貯留溝に貯留され、緩衝部材
の外方まで漏出することが防がれる。
【0013】請求項3の発明では、ロータハブのうち少
なくとも固定部と回転軸線方向に相対する部分に強磁性
体部(または永久磁石部)が設けられ、固定部のうち少
なくともロータハブと回転軸線方向に相対する部分に、
永久磁石部(または強磁性体部)が設けられているの
で、固定部とロータハブとの間に磁気的吸引力が作用
し、スピンドルモータを組み込んだ装置の運搬時等にお
いて、何らかの原因により回転部が固定支柱部に対し摺
動するような力が働いた場合でもそのような摺動が防止
される。また、スピンドルモータの回転時においても、
固定支柱部に対する回転部の回転軸線方向位置が安定す
る。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を、図1乃至図2を参照しつ
つ説明する。図1は、本発明の1実施例としてのハード
ディスク駆動用スピンドルモータについての断面図であ
る。なお、本発明のスピンドルモータをハードディスク
以外の記録媒体の駆動等にも用い得ることは云うまでも
ない。
【0015】10はブラケット(固定部)である。ブラ
ケット10は、フランジ部10aと、その内側に位置す
る外周壁部10bと、その外周壁部10bの内方下部に
形成された環状の第1底部10cと、その第1底部10
cの内周側に設けられた内周壁部10dと、その内周壁
部10dの基部内方に形成された環状の第2底部10e
とを有してなる。そして外周壁部10bと第1底部10
cと内周壁部10dとにより、上方に開口する環状凹部
12が形成されている。
【0016】14は、円柱状をなす固定支柱である。固
定支柱14は、その下端部が第2底部10eの中央部を
貫通する貫通孔16に嵌合固定された状態で、ブラケッ
ト10に対し、上向きに突設されている。この固定支柱
14のすべり面である外周面における軸線方向に一定間
隔を隔てた2個所に、ヘリングボーン溝18及び20が
設けられている。なお、このヘリングボーン溝18及び
20については、固定支柱14の外周面を平面に展開し
たような状態で簡略に図示している。
【0017】22は、スラスト軸受部材であって、固定
支柱14のうち第2底部10eの上方に突出した部分の
下端部に外嵌固定されている。スラスト軸受部材22
は、内周部がやや下方に突起した環状板形状をなし、そ
のすべり面である上面には、スパイラル溝(図示を略
す。)が形成されている。スラスト軸受部材22の外周
部は、内周壁部10dの内周面の内方に径方向空隙21
を隔てており、スラスト軸受部材22の下面は、第2底
部10eとの間に回転軸線方向空隙を隔てている。23
は、スラスト軸受部材22の下面と第2底部10eと内
周壁部10dにより囲繞形成された潤滑剤貯留空間であ
る。
【0018】なお、スラスト軸受部材22及び固定支柱
14のすべり面の表面形状は、上述したものに限るもの
ではない。
【0019】24は、ブラケット10の内周壁部10d
の外周壁面に固定されたステータコア、26は、そのス
テータコア24に捲回されたステータコイルである。
【0020】28は、略椀形状のロータハブである。ロ
ータハブ28は、中央部に嵌合孔30が貫通した環状の
基部28aと、その基部28aの外周部に垂下している
外壁部28bと、外壁部28bの外方に張出した張出し
部28cとを有してなる。張出し部28cは、外壁部2
8bの外方における下端から約3分の2程度を占める。
この張出し部28cの上方における外壁部28b及び基
部28aの外周部に、複数枚のハードディスクが、スペ
ーサにより互いに軸線方向間隔を隔てた状態で外嵌固定
される。
【0021】32は、外壁部28bの内側に固定された
円筒状のロータマグネットである。34は、円筒状の回
転スリーブ部材である。この回転スリーブ部材34は、
上端部を除くほぼ上半部(一定部分A36)の外周部
が、ロータハブ28の基部28aに設けられた嵌合孔3
0の内側に、ロータハブ28と同軸状に、しまりばめに
より嵌合固定されている。また回転スリーブ部材34の
ほぼ下半部(一定部分B38)は、ロータハブ28の外
壁部28bの内側に突出している。
【0022】この回転スリーブ部材34が固定支柱14
に外嵌されて回転自在に支持されることにより動圧ラジ
アル軸受が構成されている。勿論、回転スリーブ部材3
4の内周面と固定支柱14の外周面との間隙には、スピ
ンドル油等の潤滑剤が配されている。また回転スリーブ
部材34の下端面が、ブラケット10における内周壁部
10dの内周面による囲繞空間内にて、スラスト軸受部
材22の上面により回転自在に支持されることにより、
動圧スラスト軸受が構成されている。回転スリーブ部材
34の下端面とスラスト軸受部材22の上面との間隙に
も、スピンドル油等の潤滑剤が配されることは云うまで
もない。
【0023】ロータハブ28の張出し部28cは、その
上端部を除く部分が、環状凹部12内において外周壁部
10bの内周面と若干の径方向間隙を隔てて相対してい
る。またロータマグネット32は、ステータコア24と
径方向空隙を隔てて相対している。固定支柱14の上端
部は、回転スリーブ部材34の上方に突出している。
【0024】40は、ロータハブ28の上端面部の内周
部上から回転スリーブ部材34の上端面部上に亙って設
けられた環状の緩衝部材である。緩衝部材40の上端面
は固定支柱14の上端面よりも下方に位置し、緩衝部材
40の内周部は、固定支柱14を若干の径方向空隙を隔
てて囲繞している。緩衝部材40の下端内周部には環状
切欠部42を有し、この環状切欠部42と回転スリーブ
部材34の上端面とにより、径方向内方に開口する潤滑
剤貯留溝44が形成されている。なお、緩衝部材40の
材料の例としては、合成ゴム等が挙げられる。勿論、必
ずしも緩衝部材40の全部分がこのような緩衝材料によ
り構成されていることは要しない。
【0025】このスピンドルモータは、例えばブラケッ
ト10のフランジ部10aをハードディスク駆動装置の
基盤46に固定し、固定支柱14の上端部をねじ48に
よりハードディスク駆動装置の天板50に固着すること
により、ハードディスク駆動装置に組み込まれる。
【0026】回転スリーブ部材34の一定部分A36の
外周部が、ロータハブ28の基部28aに設けられた嵌
合孔30の内側にしまりばめにより嵌合固定されてお
り、一定部分B38は、ロータハブ28の外壁部28b
の内側に突出しているので、一定部分A36の内径は、
一定部分B38の内径よりも若干縮小している。そのた
め、動圧ラジアル軸受において、一定部分A36は一定
部分B38よりも固定支柱14に高い剛性で回転支持さ
れる。
【0027】主に回転スリーブ部材34、ロータハブ2
8及びロータマグネット32からなるロータ52が、軸
線方向における質量分布が大きくてぶれを生み易いロー
タハブ28の基部28aの内側の一定部分A36におい
て、固定支柱14に比較的に高い剛性で回転支持されて
いるので、固定支柱14部の軸心線に対するロータ52
の回転軸線のぶれが効果的に抑えられる。
【0028】このスピンドルモータを組み込んだハード
ディスク装置またはそれを備えた装置の運搬時等におい
て、何らかの原因によりロータ52が固定支柱14に対
し上方へ若干摺動することがある。しかしながらその回
転スリーブ部材34がハードディスク装置の天板50に
衝突して回転精度等の性能に悪影響が及ぶことは、緩衝
部材40によって防止される。そして、主にスピンドル
モータの回転中に回転スリーブ部材34の上端面と固定
支柱14との間から漏出する潤滑剤は、潤滑剤貯留溝4
4に貯留され、緩衝部材40の外方まで漏出することが
防がれる。漏出した潤滑剤の少なくとも一部は、回転停
止により、回転スリーブ部材34と固定支柱14との間
隙内に戻る。
【0029】また、回転スリーブ部材34の下端面が、
ブラケット10における内周壁部10dの内周面による
囲繞空間内にて、スラスト軸受部材22の上面により回
転自在に支持されることにより、動圧スラスト軸受が構
成されているため、回転スリーブ部材34の下端面とス
ラスト軸受部材22との間からほぼ半径方向外方に漏出
する潤滑剤のほとんどは、内周壁部10dの内周面とス
ラスト軸受部材22との間の径方向空隙21内を流下し
て潤滑剤貯留空間23内に貯留され、内周壁部10dを
越えてスピンドルモータの外部へ漏出することが防がれ
る。また、内周壁部10dの内周面とスラスト軸受部材
22との間の径方向空隙21内を流下しない潤滑剤も、
内周壁部10d、ステータコア24、ステータコイル2
6、ロータマグネット32、ロータハブ28の外壁部2
8b及び張出し部28c並びにブラケット10の第1底
部10c及び外周壁部10bによるラビリンスシール状
の効果によって、その潤滑剤がスピンドルモータ外、す
なわちハードディスク室54内へ漏出することは防がれ
る。
【0030】なお、前記実施例において、ロータマグネ
ット32の磁気的センタをステータコア24の磁気的セ
ンタにより上側にずらせておけば、モータ回転時におけ
るロータマグネット32とステータコア24との間の磁
気的吸引力により、固定支柱14に対するロータ52の
回転軸線方向位置が安定する。図2は、本発明の別の実
施例としてのハードディスク駆動用スピンドルモータに
ついての半断面図である。
【0031】この実施例では、ロータハブ28全体が、
強磁性ステンレス鋼により形成されている。そして、ブ
ラケット60のうち、ロータハブ28の張出し部28c
と回転軸線方向に相対する部分、すなわち、第1底部1
0cの外周部に、回転軸線方向に着磁された環状の永久
磁石体62が、その上面を露出させた状態で埋設されて
いる。
【0032】この永久磁石体62により、ブラケット6
0とロータハブ28との間に磁気的吸引力が作用するの
で、このスピンドルモータを組み込んだハードディスク
装置またはそれを備えた装置の運搬時等において、何ら
かの原因によりロータ52が固定支柱14に対し上方へ
摺動するような力が働いた場合でもそのような摺動が防
止される。また、スピンドルモータの回転時において
も、固定支柱14に対するロータの回転軸線方向位置が
安定する。
【0033】図2における上記以外の符合の意義は、図
1に示した実施例についてのものと同様である。なお、
ブラケット60とロータハブ28との間に磁気的吸引力
を作用させる構成は、前述の態様に限るものではない。
例えば、ブラケット60のうち、ロータハブ28のロー
タマグネット32と回転軸線方向に相対する部分に、強
磁性体を、その上面を露出させた状態で埋設することに
より、ロータマグネット32と強磁性体との間に磁気的
吸引力を作用させるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】請求項1のスピンドルモータでは、回転
スリーブ部の下側端面と固定スラスト軸受部との間から
ほぼ半径方向外方に漏出する潤滑剤のほとんどが内周壁
面と固定スラスト軸受部との間の径方向空隙内を流下し
て潤滑剤貯留空間内に貯留され、内周壁面を越えてスピ
ンドルモータの外部へ漏出することが防がれるので、例
えばロータハブ部に外嵌固定された記録媒体等の潤滑剤
による汚損などを効果的に防止することができる。
【0035】請求項2のスピンドルモータでは、それを
組み込んだ装置の運搬時等において、何らかの原因によ
り回転部が固定支柱部に対し摺動した場合に、装置中の
天板等に衝突して回転精度等の性能に悪影響が及ぶこと
が、緩衝部材によって防止される。また、主にスピンド
ルモータの回転中に回転スリーブ部の上側端面と固定支
柱部との間から漏出する潤滑剤は、潤滑剤貯留溝に貯留
され、緩衝部材の外方まで漏出することが防がれるの
で、例えばロータハブ部に外嵌固定された記録媒体等の
潤滑剤による汚損などを、効果的に防止することができ
る。
【0036】請求項3のスピンドルモータでは、それを
組み込んだ装置の運搬時等において、何らかの原因によ
り回転部が固定支柱部に対し摺動するような力が働いた
場合でもそのような摺動が防止されるので、回転部が装
置中の天板等に衝突して回転精度等の性能に悪影響が及
ぶことが防がれる。また、スピンドルモータの回転時
に、固定支柱部に対する回転部の回転軸線方向位置が安
定するので、回転精度が向上し、例えば記録媒体を回転
駆動する場合におけるその記録精度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面図である。
【図2】半断面図である。
【符合の説明】
10 ブラケット 10d 内周壁部 14 固定支柱 22 スラスト軸受部材 23 潤滑剤貯留空間 28 ロータハブ 34 回転スリーブ部材 40 緩衝部材 44 潤滑剤貯留溝 52 ロータ 62 永久磁石体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 5/16 - 5/167 H02K 5/10 H02K 7/08 F16C 17/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転スリーブ部と、その回転スリーブ部と
    一体的に回転するロータハブ部と、固定部と、その固定
    部にほぼ上向きに突設された固定支柱部とを備えてな
    り、回転スリーブ部が固定支柱部に外嵌されて回転自在
    に支持されることにより動圧ラジアル軸受が構成されて
    いるスピンドルモータであって、前記回転スリーブ部の下側端面が、固定支柱部の下部か
    ら全周にわたり径方向外方に突出した固定スラスト軸受
    部により回転自在に支持されることにより、動圧スラス
    ト軸受が構成されており、 前記固定スラスト軸受部の外周部が、固定部が有する内
    周壁面の内周側に径方向空隙を隔てて位置し、 その径方向空隙に通ずる潤滑剤貯留空間が、前記固定ス
    ラスト軸受部の下方に設けられ、 前記内周壁面による囲繞空間内に、前記固定スラスト軸
    受部及び潤滑剤貯留空間が位置する ことを特徴とするス
    ピンドルモータ。
  2. 【請求項2】回転スリーブ部と、その回転スリーブ部と
    一体的に回転するロータハブ部とを有してなる回転部
    と、固定部と、その固定部にほぼ上向きに突設された固
    定支柱部とを備えてなり、回転スリーブ部が固定支柱部
    に外嵌されて回転自在に支持されることにより動圧ラジ
    アル軸受が構成されているスピンドルモータであって、
    回転部に、上端が回転部の上端を上回り、固定支柱を若
    干の径方向空隙を隔てて囲繞する緩衝部材が設けられ、 その緩衝部材と回転スリーブ部の上側端面とにより、径
    方向内方に開口する潤滑剤貯留溝が形成されていること
    を特徴とするスピンドルモータ。
  3. 【請求項3】回転スリーブ部と、その回転スリーブ部と
    一体的に回転するロータハブ部と、固定部と、その固定
    部にほぼ上向きに突設された固定支柱部とを備えてな
    り、回転スリーブ部が固定支柱部に外嵌されて回転自在
    に支持されることにより動圧ラジアル軸受が構成されて
    いるスピンドルモータであって、前記回転スリーブ部の下側端面が、固定支柱部から全周
    にわたり径方向外方に突出した固定スラスト軸受部によ
    り回転自在にほぼ上向きに支持されることにより、動圧
    スラスト軸受が構成されており、 ロータハブのうち少なくとも固定部と回転軸線方向に相
    対する部分と、固定部のうち少なくともロータハブと回
    転軸線方向に相対する部分のうち、一方には永久磁石部
    が、他方に強磁性体部が、それらの間に回転軸線方向の
    磁気的吸引力が作用してロータハブにほぼ下向きの力が
    及ぶように設けられていることを特徴とするスピンドル
    モータ。
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